JP2007093799A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、保護層と、サーボ基板と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層と、フィルタ層とを有し、保護層が、下記式(1)で表されるレターデーションRthが、0〜50nmであることを特徴とする光記録媒体である。
Rth=2πd(n-n)/λ・・・式(1)
ただし、前記式(1)において、n、nは、前記保護層の法線方向(厚み方向)に対して、前記保護層中における互いに直交するX、Y軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、前記保護層の厚みを表し、λは、記録光及びサーボ用光の波長を表す。
【選択図】図8

Description

本発明は、ホログラフィを利用して情報が記録される光記録媒体及びその製造方法に関する。
高密度画像データ等の大容量の情報を書き込み可能な記録媒体の一つとして光記録媒体が挙げられる。この光記録媒体としては、例えば、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の書換型光記録媒体やCD−R等の追記型光記録媒体については既に実用化されているが、光記録媒体の更なる大容量化に対する要求は高まる一方である。
しかし、従来から提案されている光記録媒体は全て二次元記録であり、記録容量の増大化には限界があった。そこで、近時、三次元的に情報を記録することができるホログラム型光記録方法が注目されている。
前記ホログラム型光記録方法は、一般に、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉像を利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報の読み出し(再生)は、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光を前記記録層から出射させることにより行われる。
このホログラム型光記録方法では、記録層内に光学特性分布が三次元的に形成されるので、一の情報光により情報が書き込まれた領域と、他の情報光により情報が書き込まれた領域とを部分的に重ね合わせること、即ち、多重記録が可能であり、大容量化の要請にマッチしている。このような多重記録にデジタルボリュームホログラフィを利用した場合には、1スポットの信号対雑音比(SN比)は極めて高くなるので、重ね書きによりSN比が多少低くなっても元の情報を忠実に再現できるホログラム型の光記録媒体が得られる。その結果、多重記録回数が数百回までに及び、光記録媒体の記録容量を著しく増大させることができる(特許文献1参照)。
このようなホログラム型の光記録媒体としては、例えば、図1に示すように、サーボ基板1表面にサーボピットパターン3を設け、このサーボピットパターン表面にアルミニウム等からなる反射膜2と、この反射膜上に記録層4と、この記録層4上にトップ基板5aとを有する光記録媒体20が提案されている(特許文献2参照)。
更に、図2に示すように、サーボ基板1と記録層4の間に、前記サーボ基板1の表面を平滑化し、記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整する第一ギャップ層8、前記情報光及び参照光の波長のみを選択して反射するフィルタ層6及び1/4波長板9を形成し、前記情報光及び参照光による効率のよい記録を得る光記録媒体20aの改善がなされている(特許文献3参照)。
しかし、前記情報光及び参照光やサーボ用光は、図2に示すように、前記トップ基板5aの表面から入射し、記録層4、1/4波長板9を透過し、更に、フィルタ層6、第一ギャップ層8を透過し反射膜2で反射して、再度透過したルートを通って前記トップ基板5aから出射するというように、複数の異なる層を透過するため、複屈折が生じ位相差が生じてしまう。このような位相差が生ずると、信号再生光の戻り光の光量が減少して、信号レベルが低下するというメカニズムにより、ホログラム記録を再生する再生光のS/N比が低下し、エラーレートが増え、高密度画像記録が得られないことがあるという問題がある。
そこで、ホログラム記録を再生する再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法が望まれている。
特開2002−123949号公報 特開平11−311936号公報 特開2004−265472号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、保護層と、サーボ基板と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層と、フィルタ層とを有し、前記保護層が、下記式(1)で表されるレターデーションRthが、0〜50nmであることを特徴とする光記録媒体である。
Rth=2πd(n-n)/λ・・・式(1)
ただし、前記式(1)において、n、nは、前記保護層の法線方向(厚み方向)に対して、前記保護層中における互いに直交するX、Y軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、前記保護層の厚みを表し、λは、記録光及びサーボ用光の波長を表す。
該<1>に記載の光記録媒体においては、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、保護層と、サーボ基板と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層と、フィルタ層とを有し、前記保護層が、上記式(1)で表されるレターデーションRthが、0〜50nmであるため、前記保護層において生ずる光の複屈折が低く抑えられ、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比が向上し、低エラーレートとなり高密度画像記録が可能となる。
<2> 保護層が、樹脂からなる前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> 樹脂が、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリルレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びセルロースアセテートプロピオネート(CAP)から選択される少なくともいずれか1種である前記<2>に記載の光記録媒体である。
<4> 保護層の厚みが、10〜500μmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<5> 光記録媒体に対する情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われる光記録方法に用いられる前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<6> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<7> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層と、該色材含有層上にコレステリック液晶層とを有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<8> 色材が、赤色顔料である前記<6>から<7>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<9> 赤色顔料における532nmの光に対する透過率が、33%以下であり、かつ655nmの光に対する透過率が、66%以上である前記<8>に記載の光記録媒体である。
<10> フィルタ層が、色材含有層上に誘電体蒸着層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<11> 色材含有層が、バインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂がポリビニルアルコール樹脂である前記<6>から<10>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<12> 色材含有層表面が、ラビング処理されている前記<6>から<11>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<13> フィルタ層が、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層した誘電体蒸着層を有する前記<1>から<12>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<14> 誘電体蒸着層が、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層した前記<10>から<13>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<15> 誘電体蒸着層が、誘電体薄膜を2〜20層積層した前記<10>から<14>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<16> フィルタ層が、単層のコレステリック液晶層を有する前記<1>から<15>いずれかに記載の光記録媒体である。
<17> フィルタ層が、コレステリック液晶層を2層以上積層した積層体である前記<1>から<16>のいずれかに記載の光記録媒体である。
該<17>に記載の光記録媒体においては、コレステリック液晶層を2層以上積層しており、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、記録又は再生時に用いられる情報光及び参照光、更に再生光は、反射膜に到達しないので、反射面上での乱反射による拡散光が発生することを防ぐことができる。従って、この拡散光によって生じるノイズが再生像に重畳されてCMOSセンサ又はCCD上で検出されることもなく、再生像が少なくともエラー訂正可能な程度に検出することができるようになる。拡散光によるノイズ成分はホログラムの多重度が大きくなればなるほど大きな問題となる。つまり、多重度が大きくなればなるほど、例えば多重度が10以上になると、1つのホログラムからの回折効率が極めて小さくなり、拡散ノイズがあると再生像の検出が非常に困難となるのである。この構成によれば、このような困難性は除去することができ、今までにない高密度画像記録が実現できる。
<18> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域が連続的である前記<16から<17>のいずれかに記載の光記録媒体である。
該<18>に記載の光記録媒体用フィルタにおいては、各コレステリック液晶層が、円偏光分離特性を有し、螺旋の回転方向が互いに同じであり、選択反射中心波長が互いに異なり、選択反射波長帯域が連続的であることにより、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、照射光反射の角度依存性を解消でき、波長選択反射膜として好適に用いられる。
<19> コレステリック液晶層が、少なくともネマチック液晶化合物及び光反応型カイラル化合物を含む前記<16>から<18>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<20> 光反応型カイラル化合物が、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種である前記<19>に記載の光記録媒体である。
<21> 光反応性基が、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基である前記<20>に記載の光記録媒体である。
<22> コレステリック液晶層が、円偏光分離特性を有する前記<16>から<21>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<23> コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が互いに同じである前記<16>から<22>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<24> コレステリック液晶層における選択反射中心波長が互いに異なる前記<16>から<23>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<25> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域幅が100nm以上である前記<16>から<24>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<26> フィルタ層が、第一の波長の光を透過し、該第一の波長の光と異なる第二の波長の光を反射する前記<1>から<25>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<27> 第一の波長の光が、350〜600nmであり、かつ第二の波長の光が600〜900nmである前記<26>に記載の光記録媒体である。
<28> フィルタ層内の±40°以内の光における655nmでの光透過率が、50%以上であり、かつ532nmでの光反射率が30%以上である前記<1>から<27>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<29> フィルタ層のλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上である前記<1>から<28>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<30> フィルタ層のλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が、40%以上である前記<1>から<29>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<31> フィルタ層が、ホログラフィを利用して情報を記録する光記録媒体の選択反射膜として用いられる前記<1>から<30>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<32> 基板が、サーボピットパターンを有する前記<1>から<31>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<33> サーボピットパターン表面に反射膜を有する前記<32>に記載の光記録媒体である。
<34> 反射膜が、金属反射膜である前記<33>に記載の光記録媒体である。
<35> フィルタ層と反射膜との間に、サーボ基板表面を平滑化するための第一ギャップ層を有する前記<1>から<34>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<36> 記録層とフィルタ層との間に、第二ギャップ層を有する前記<1>から<35>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<37> 前記<1>から<36>のいずれかに記載の光記録媒体に対する情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われることを特徴とする光記録方法である。
<38> 前記<1>から<36>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法であって、保護層を形成する保護層形成工程と、記録層を形成する記録層形成工程と、フィルタ層を形成するフィルタ層形成工程と、を少なくとも含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<39> 保護層形成工程が、有機材料をスピン塗布することにより保護層を形成する前記<38>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<40> 保護層形成工程が、保護シートを貼り付けることにより保護層を形成する前記<38>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<41> 保護層形成工程が、無機材料を蒸着及びスパッタリングの少なくともいずれかにより保護層を形成する前記<38>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<42> 光記録媒体におけるフィルタ層からなる光記録媒体用フィルタを光記録媒体形状に加工し、該加工したフィルタを前記サーボ基板と貼り合わせてフィルタ層を形成するフィルタ層形成工程を含む前記<38>から<41>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法である。
<43> サーボ基板上に、コレステリック液晶層を2層以上積層した積層体からなるフィルタ層を形成するフィルタ層形成工程を含む前記<38>から<42>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法である。
<44> 前記<37>に記載の光記録方法により記録層に形成された干渉像に参照光と同じ再生光を照射して該干渉像に対応した記録情報を再生することを特徴とする光記録再生方法である。
<45> 再生光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度になるようにして、該再生光を干渉像に照射して記録情報を再生する前記<44>に記載の光記録再生方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することができる。
(光記録媒体)
本発明の光記録媒体は、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、保護層と、サーボ基板と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層と、フィルタ層とを有し、前記保護層のレターデーションRthが、0〜50nmであることが特徴である。
また、本発明の光記録媒体は、前記情報光及び前記参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われる光記録方法(コリニア方式)に用いられる。
<保護層>
前記保護層は、図3及び図4に示すように、記録層4の表面に積層され、記録層4の表面を保護作用がある。保護層5から前記情報光及び参照光又はサーボ用光が入射し、そして出射するため、保護層5の光学特性が良好、即ち、保護層5を透過する前記情報光及び参照光又はサーボ用光の複屈折が小さいことが好ましい。前記コリニア方式に用いられる光記録媒体では、前記情報光及び参照光やサーボ用光は、前記保護層の表面から入射し、記録層、第二ギャップ層を透過し、フィルタ層を透過して反射膜で反射し、又は更にフィルタ層、第一ギャップ層を透過し反射膜で反射して、再度透過したルートを通って前記保護層から出射するというように、複数の異なる層を透過するため、複屈折が生じ易く位相差が生じてしまう。このような位相差が生ずると、信号再生光の戻り光の光量が減少して、信号レベルが低下するというメカニズムにより、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比が低下し、エラーレートが増え、高密度画像記録が得られないことがある。このため、前記保護層においては、前記複屈折が小さいことが好ましい。
前記複屈折の大きさは、光の位相差として検出、定量化することもでき、単位は、一般に波の位相を角度で表した値が用いられ、例えば、1波長の位相差があるときは、「位相差=360度(deg)」となる。他方、位相差を波長で規格化し、長さの単位に換算して表わされることも可能である。例えば、波長633nmの光の場合、測定時の位相差が15度であったときの複屈折量は、633×15/360=26.4(nm)のように表すこともできる。また、前記位相差は、下記式で表されるレターデーション値を用いることもでき、本発明の保護層の歪み補正について、好適な前記レターデーション値を光学特性として用いることができる。
即ち、前記保護層が、下記式(1)で表されるレターデーションRth(厚み方向のレターデーション)が、0〜50nmであることが求められる。
Rth=2πd(n-n)/λ・・・式(1)
ただし、前記式(1)において、n、nは、前記保護層の法線方向(厚み方向)に対して、前記保護層中における互いに直交するX、Y軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、前記保護層の厚みを表し、λは、記録光及びサーボ用光の波長を表す。記屈折率の測定波長は、λ=550nmでの値を表す。
前記保護層としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記光記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記保護層の材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、剥離性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記保護層としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5〜1,200μmが好ましく、10〜700μmがより好ましく、10〜500μmが特に好ましい。前記保護層の厚みが、5μm未満であると、記録層を保護する役割が低下することがあり、1,200μmを超えると、ディスク表面から記録層、ピットが形成された層までの距離が遠くなり、記録再生の光の焦点距離が長すぎることがあり、複屈折の観点から、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比が低下し、エラーレートが増え、高密度画像記録が得られないことがある。
−保護層の形成方法−
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、記録層上に対して、スピン塗布による方法、保護シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリング、バーコータ、スリットコータ、プラズマCVDなどが挙げられる。これらの中でも、前記保護を均一に形成でき、膜厚のコントロールが容易であるできる観点からスピン塗布による方法、保護シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリングがより好ましい。
−−スピン塗布−−
前記スピン塗布は、材料を溶媒に溶解させた塗布液を、高速で回転する基板上に滴下し、回転の遠心力を利用して記録層の表面に均一に塗布し、その後、熱処理を加えて溶媒の揮発除去と原料の化学反応を行って層として形成する方法である。
前記スピン塗布に用いる塗布装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコータ、スリットコータ、バーコータなどが挙げられる。
前記材料としては、前記有機材料のうち、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリルレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などのような樹脂が、透明性が優れている点から好ましい。
前記スピン塗布用の塗布液としては、例えば、前記ポリカーボネート(PC)や、前記ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリルレート(PMMA)にUV硬化材料を添加したものなどが挙げられる。
前記ポリカーボネート(PC)の場合、溶媒として、メチルエチルケトンを用いて、溶解、分散し調製したものを用いることができる。
前記ポリカーボネート(PC)にUV硬化材料を添加した塗布液としては、モノマー、オリゴマー、光開始剤及びその他の添加剤などからなる塗布液を調製したものを用いることができる。
前記モノマーとしては、東亞合成製アロニックスM−309,M−310などが挙げられる。
前記オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが挙げられる。
前記光開始剤としては、CIBA製IRGACUREシリーズなどが挙げられる。
前記塗布液の塗布領域は、光記録媒体の外周の縁部分から1mm程度は塗布されなくとも目的の多重記録低下防止作用は機能するが、生産性などの観点から前記記録層の表面の全面であることが好ましい。
前記塗布後は、60〜100℃、10〜60分間乾燥させて硬化してもよく、波長100〜400nmの紫外線を照射し、該紫外線エネルギーを用いて化学変化させ硬化させてもよい。
−−保護シート−−
前記保護シートは、前記有機材料からなるフィルム状のシートであり、該シートを前記フィルタが形成されている側の表面に、接着剤などを用いて貼付し、該保護シートからなる前記保護層を形成することができる。
前記保護シートの材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリルレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などのような透明樹脂フィルム、又はJSR社製商品名ARTONフィルム、日本ゼオン社製商品名ゼオノアのようなリボルネン系樹脂フィルムなどが挙げられる。
これらの中でも、等方性の高いフィルムが好ましく、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、商品名ARTONフィルム、商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記保護シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜700μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV接着剤、アクリル接着剤、エポキシ接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。これらの中でも、透明性に優れ、硬化の簡便性がある点からUV接着剤が好ましい。
前記接着条件としては、温度20〜30℃、湿度20〜80%などが好ましい。
前記保護シートの貼付方法としては、前記記録層面を清掃し、該保護シートをラミネーター(型名HALL110aa、三共株式会社製)、真空貼り付け装置(芝浦メカトロニクス株式会社製)などを用いて圧着する方法などが挙げられる。ラミネーターでの圧着条件は、圧着ロール温度20〜30℃、圧着ロール圧力0.1〜1.0MPa、そして圧着速度0.1〜5.0m/分が好ましい。
−−蒸着−−
前記蒸着の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着、分子線蒸着(MEB)、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着法などが挙げられる。前記真空蒸着は、真空容器の中に蒸発源と被蒸着基板を載置し、通常、10−2〜10−4Pa程度の圧力下で成膜する。
前記分子線蒸着(MEB)は、ほぼ方向のそろった分子線を用い、蒸発源は抵抗過熱のルツボの蒸気噴出口にオリィフィスを付けたクヌーセンセル(Kセル)が用いられ、通常、10−7〜10−9Paの超高真空下で、単原子単位で成膜する。前記イオンプレーティングは、種々の方法があるが、例えば、マトックス法では、被蒸着基板に数kVの負電圧を印加し、数Paの圧力下で成膜する方法で、導入されたイオンを高速度で被蒸着層に衝突させ、該エネルギーで付着させるため付着力の強い膜を得ることができる。前記イオンビーム蒸着は、イオン源で薄膜物質のイオンビームを作り、これを加速して薄膜化する方法で、前記イオンプレーティングの1種でもあり、クラスタイオンビーム蒸着が代表的な方法で結晶性の良好な膜が得られる。
前記蒸発源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記無機材料の中から、SiO、TiO2、Alが、透明性が優れている点から好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
蒸着領域は、前記記録層の表面の全面が好ましい。
−−スパッタリング−−
前記スパッタリングは、1.3×10−2〜1.3Paの真空中にArガスなどの不活性ガスを導入しながら、被成膜基板とターゲット(成膜させる物質)間に直流高電圧を印加し、グロー放電によりイオン化したArなどを陰極である前記ターゲットに衝突させて、はじき飛ばされた(スパッタリング)前記ターゲット物質を陽極である被成膜層に成膜させる方法である。また、前記Arガスと共に微量のO、Nガスなどの反応性ガスを入れることにより、反応性スパッタリング(ITO、TiNなど)を行うことができる。
前記ターゲットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記無機材料の中から、SiO、TiO2、Alが、透明性が優れている点から好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記スパッタリング領域は、前記記録層の表面の全面が好ましい。
−保護層のレターデーションの測定−
前記保護層のレターデーションの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分光位相解析法、λ/4波長板を用いたセナルモン法(偏光補償法)、横ゼーマンレーザを光源としたヘテロダイン法などが挙げられる。
前記測定方法に用いる測定器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、自動複屈折率計(KOBRA−21DH:王子計測器(株)製)、分光複屈折測定装置などが挙げられる。
<サーボ基板>
前記サーボ基板は、前記保護層と対向配置され、最外層に位置し、光記録媒体へ記録するための前記情報光及び参照光の照射位置に関する情報が形成されるとともに、前記光記録媒体の機械的強度メンバーとして作用する支持体としての機能を有する。
前記サーボ基板は、その形状、構造、大きさ等については、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、光記録媒体の機械的強度を確保できる形状のものを選定する必要があるが、前記保護層と外形状が同形状であることが好ましい。また、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記サーボ基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。
前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が特に好ましい。
前記サーボ基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記サーボ基板における光照射位置に関する情報としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラッキング情報、フォーカス情報、アドレス情報、ディスク条件情報などが挙げられる。
前記トラッキング情報は、例えば、ウォブルピット、ウォブルグルーブ、トラッキングピットなどが挙げられる。
前記フォーカス情報は、例えば、該サーボ基板表面に形成した反射膜、フォーカス用ミラー部分、フォーカス用ピットなどが挙げられる。
アドレス情報は、例えば、前記ウォブルピット上に形成した凹凸、エンコードしたピット列、ウォブル変調信号などが挙げられる。
前記各情報を複合的に形成してもよい。例えば、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアを所定の角度間隔で設け、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間をデータエリアとしてもよい。該アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によってサーボピットパターンを記録することにより形成してもよい(プリフォーマット)。
なお、光記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くてもよい。
前記サーボ基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記サーボ基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷をかけることがある。
前記サーボ基板における前記サーボピットパターンの表面に前記反射膜を形成してもよい。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
前記反射膜の厚みとしては、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
<記録層>
前記記録層は、ホログラフィを利用して情報が記録され得る層であり、所定の波長の電磁波(γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など)を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料が用いられる。
前記記録層の材料はフォトポリマー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分が含まれる。
−フォトポリマー−
前記フォトポリマーとしては、光照射で重合反応が起こり高分子化するものや光照射で分解するものなどが挙げられ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、及び光開始剤を含有してなり、更に必要に応じて増感剤、オリゴマー、バインダー等のその他の成分を含有してなる。
前記フォトポリマーとしては、例えば、「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会、1989年)、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業新聞社、1989年)、SPIE予稿集 Vol.3010 p354−372(1997)、及びSPIE予稿集
Vol.3291 p89−103(1998)に記載されているものなどが挙げられる。また、米国特許第5,759,721号明細書、同第4,942,112号明細書、同第4,959,284号明細書、同第6,221,536号明細書、米国特許第6,743,552号明細書、国際公開第97/44714号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、同第99/26112号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、特許第2880342号公報、同第2873126号公報、同第2849021号公報、同第3057082号公報、同第3161230号公報、特開2001−316416号公報、特開2000−275859号公報などに記載されているフォトポリマーなどが挙げられる。
−モノマー−
前記モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマー、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、単官能であっても多官能であってもよい。また、光架橋反応を利用したものであってもよい。
前記ラジカル重合型のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾール、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(M1)〜(M6)で表される化合物などが挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2007093799
−光開始剤−
前記光開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応などを引き起こす材料などが挙げられる。
前記光開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)、ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム〕、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用してもよい。
−増感色素−
前記増感色素としては、「Research Disclosure,Vol.200,1980年12月、Item 20036」や「増感剤」(p.160〜p.163、講談社;徳丸克己、大河原信/編、1987年)等に記載された公知の化合物を使用することができる。
前記増感色素として、分光増感色素などが挙げられる。該分光増感色素として、例えば、特開昭58−15603号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−28328号公報、同60−53300号公報に記載のナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−89303号公報、同60−60104号公報に記載のメロシアニン化合物などが挙げられる。
また、「機能性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224(1987))等に記載された色素も挙げることができ、具体的には、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオン性スチリル色素が挙げられる。
さらに、クマリン(ケトクマリンまたはスルホノクマリンも含まれる。)色素、メロスチリル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も分光増感色素に含まれる。
前記分光増感色素は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂は、塗膜性、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものであり、ホログラム材料および光熱変換物質との相溶性を考慮して適宜選択される。前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコール、マレイン酸及びアクリル酸の少なくともいずれかとの共重合体;塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体;塩化ビニル/アクリロニロリル共重合体;エチレン/酢酸ビニル共重合体;ニトロセルロース樹脂等のセルロース誘導体;ポリアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノボラック樹脂、可溶性ナイロン、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フォルマリン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分散性及び耐久性を更に高めるため、以上に挙げたバインダー樹脂分子中に、極性基(エポキシ基、COH、OH、NH、SOM、OSOM、PO、OPO(ただし、Mは水素原子、アルカリ金属、又はアンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい)を導入したものが好ましい。該極性基の含有量としては、バインダー樹脂1グラム当り10−6〜10−4当量が好ましい。以上列挙したバインダー樹脂は、ヘミアセタール系やイソシアネート系の公知の架橋剤を添加して硬化処理しても良い。
前記記録層の固形分中のバインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜95質量%であることが好ましく、35〜90質量%であれることがより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、安定な干渉像が得られないことがあり、95質量%を超えると、回折効率の点で望ましい性能が得られないことがある。
前記バインダーの記録層中における含有量は、全記録層固形分中、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。
−重合禁止剤及び酸化防止剤−
前記記録層の貯蔵安定性を改良する目的でフォトポリマーの重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。重合禁止剤及び酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシヤリ−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。使用量としては、組成物に使用するモノマーの全量に対して3質量%以内であり、3質量%を越えると重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなる。
−記録層に含まれるその他の成分−
前記記録層の感度を向上させる目的で光熱変換材料を含有させることもできる。光熱変換材料としては、特願2005−84780号明細書の記載を参考にすることができる。
また、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。
<フィルタ層>
前記フィルタ層は、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能がある。前記光記録媒体に前記フィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録が得られる。
前記フィルタ層の機能は、第一の波長の光を透過し、該第一の波長の光と異なる第二の波長の光を反射することが好ましく、前記第一の波長の光が350〜600nmであり、かつ第二の波長の光が600〜900nmであることが好ましい。そのためには、光学系側から見て、記録層、フィルタ層、及びサーボビットパターンの順に積層されている構造の光記録媒体であることが好ましい。
また、前記フィルタ層は、入射角度±40°における、655nmでの光透過率が50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、かつ532nmでの光反射率が30%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。
前記フィルタ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック液晶層、更に必要に応じてその他の層の積層体により形成される。また色材含有層を有していてもよい。
前記フィルタ層は、直接記録層など共に、前記支持体上に塗布などにより積層してもよく、フィルムなどの基材上に積層して光記録媒体用フィルタを作製し、該光記録媒体用フィルタを、支持体上に積層してもよい。
−誘電体蒸着層−
前記誘電体蒸着層は、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなり、波長選択反射膜とするためには、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種以上に限定されず、それ以上の種類であってもよい。また色材含有層を設ける場合は、誘電体蒸着層の下に形成する。
前記積層数は、2〜20層が好ましく、2〜12層がより好ましく、4〜10層が更に好ましく、6〜8層が特に好ましい。前記積層数が、20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記誘電体薄膜の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。前記屈折率が高いか低いかを決めるしきい値としては1.8が好ましい。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用してもよい。
前記高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrOなどが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、これらの中でも、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOがより好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThFなどが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、これらの中でも、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、Siがより好ましい。
なお、前記誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリングが好ましく、スパッタリングがより好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8が特に好ましい。
−コレステリック液晶層−
前記コレステリック液晶層は、少なくとも、コレステロール誘導体、又はネマチック液晶化合物及びカイラル化合物を含有してなり、更に必要に応じて重合性モノマーなどのその他の成分を含有してなる。
前記コレステリック液晶層は、単層コレステリック液晶層及び2層以上の複数層コレステリック液晶層のいずれであってもよい。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。このコレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。
前記光記録媒体用フィルタは、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常の光記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。このためにはコレステリック液晶層の選択反射波長幅が大きいことが好ましい。
具体的には、単層コレステリック液晶層の場合には、コレステリック液晶層の選択反射波長領域幅Δλは、下記数式1で表されることから、(ne−no)の大きな液晶を用いることが好ましい。
<数式1>
Δλ=2λ(ne−no)/(ne+no)
ただし、前記数式1中、noは、コレステリック液晶層に含有されるネマチック液晶分子の正常光に対する屈折率を表す。neは、該ネマチック液晶分子の異常光に対する屈折率を表す。λは、選択反射の中心波長を表す。
また、特願2004−352081号明細書に記載のように、カイラル化合物として感光性を有し、光によって液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができる光反応型カイラル化合物を用い、該光反応型カイラル化合物の含有量やUV照射時間を調整することにより、螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化した光記録媒体用フィルタを用いることが好ましい。
また、複数層コレステリック液晶層の場合には、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を積層することが好ましい。
前記コレステリック液晶層は、上記特性を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述したように、ネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いるなどにより配向させ、そのまま冷却等して固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、紫外線(UV)重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−カイラル化合物−
前記カイラル化合物としては、複数層コレステリック液晶層の場合には、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、液晶化合物の色相、色純度改良の観点から、例えば、イソマンニド化合物、カテキン化合物、イソソルビド化合物、フェンコン化合物、カルボン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記カイラル化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Merck社製の商品名S101、R811、CB15;BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC756などが挙げられる。
前記複数層コレステリック液晶層の各液晶層におけるカイラル化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマーなどが挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤及びゲル化剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフィン誘導体、チオキサントン/アミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPOなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記増感剤は、必要に応じて、コレステリック液晶層の硬化度を上げるために添加される。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
前記増感剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.001〜1.0質量%が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記添加量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステル等のアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記コレステリック液晶層の形成方法としては、例えば、前記溶媒を用いて調製したコレステリック液晶層用塗布液(複数層の場合には各コレステリック液晶層用塗布液)を前記基材上に塗布し、乾燥させて、例えば紫外線照射することにより、コレステリック液晶層を形成することができる。
最も量産適性のよい手法としては、前記基材をロール状に巻いた形で準備しておき、該基材上にコレステリック液晶層用塗布液をバーコート、ダイコート、ブレードコート、カーテンコートのような長尺連続コーターにて塗布する形式が好ましい。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、照射紫外線は、160〜380nmが好ましく、250〜380nmがより好ましい。照射時間としては、例えば、0.1〜600秒が好ましく、0.3〜300秒がより好ましい。紫外線照射の条件を調整することによって前記反応性カイラル剤を用いた光コレステリック液晶層における螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に沿って連続的に変化させることができる。
前記紫外線照射の条件を調整するために、前記コレステリック液晶層に紫外線吸収剤を添加することもできる。該紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが好適に挙げられる。これらの紫外線吸収剤の具体例としては、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同第3,707,375号明細書、同第3,754,919号明細書、同第4,220,711号明細書などに記載されている。
前記複数層の場合には各コレステリック液晶層の厚みは、例えば、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、選択反射率が十分でなくなり、10μmを超えると、液晶層の均一配向が乱れてしまうことがある。
また、各コレステリック液晶層の合計厚み(単層の場合にはコレステリック液晶層の厚み)は、例えば、1〜30μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
<コレステリック液晶層を有する光記録媒体用フィルタの製造方法>
前記光記録媒体用フィルタの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光記録媒体用フィルタは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基材ごとディスク形状に加工(例えば、打ち抜き加工)されて、光記録媒体のサーボ基板上に配置されるのが好ましい。また、光記録媒体のフィルタ層に用いる場合には、基材を介さず直接サーボ基板上に設けることもできる。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記保護層に用いられた材料と同じ材料を用いることができる。
前記基材としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。前記基材の厚みが、10μm未満であると、基板の撓みにより密着性が低下することがある。一方、500μmを超えると、情報光と参照光の焦点位置を大きくずらさなければならなくなり、光学系サイズが大きくなってしまう。波長選択膜の貼り合わせには、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
なお、場合によっては、基板上に直接フィルタ層を形成することもできる。
<第二ギャップ層>
前記第二ギャップ層は、前記記録層と前記フィルタ層との間に形成される。
前記第二ギャップ層は、光記録媒体の多重記録能力の低下を防止する機能がある。即ち、前記情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが前記記録層内に存在するが、このフォーカシングエリアをフォトポリマーで埋めていると、過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こってしまい、多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第二ギャップ層を設けることにより、無反応領域が形成され前記過剰消費を抑制することができ、高多重記録能を維持することができる。
前記第二ギャップ層の材料としては、厚みを均一に形成しうるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機材料でもよく、無機材料でもよい。
前記有機材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロースなどのアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルポルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂が好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO、TiO2、Al、NiO、SiO、TiO、ZnO、ZnS、MgF、Ti、Nb、BaTiOなどが挙げられる。これらの中でも、屈折率、透明性に優れ、汎用性がある点からSiO、TiO2、Alなどが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−第二ギャップ層の形成方法−
前記第二ギャップ層の形成方法として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルタ層上に対して、スピン塗布による方法、樹脂シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリング、バーコータ、スリットコータ、プラズマCVDなどが挙げられる。これらの中でも、前記第二ギャップ層を均一に形成でき、膜厚のコントロールが容易にできる観点からスピン塗布による方法、樹脂シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリングがより好ましい。前記スピン塗布による方法は、前記保護層形成方法におけるスピン塗布方法と、樹脂シートを貼付する方法は、前記保護層形成方法における保護シートを貼付する方法と、蒸着及びスパッタリングは、前記保護層形成方法における蒸着及びスパッタリングと同様に行うことができる。
前記第二ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。
前記第二ギャップ層の厚みが、1μm未満であると、ホログラム記録時のホログラム記録層の中のモノマーの消費が大きすぎて感度低下や多重度低下を招くことがあり、200μmを超えるとホログラム記録時のホログラム記録層の領域が焦点から遠のくため感度低下や多重度低下を招くことがある。
<第一ギャップ層>
前記第一ギャップ層は、前記サーボ基板の表面を平滑化する目的で形成され、サーボ信号光の焦点とホログラム信号光の焦点をずらすことによって、ホログラム信号光のS/N比を上げるというメカニズムにより、前記記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するのにも有効である。
前記第一ギャップ層の材料は、該第一ギャップ層上にフィルタ層などを積層しても、積層時の熱により該第一ギャップ層が軟化することはなく、該フィルタ層にしわやクラックが発生することのない耐熱性の面で安定した材料であることが好ましく、非熱軟化性材料であることが好ましい。
−非熱軟化性材料−
前記非熱軟化性材料としては、JIS K7207における荷重たわみ温度が、4.6kgf/cmの条件下で、70℃以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機材料でもよく、無機材料でもよい。
前記非熱軟化性材料が、無機材料の場合は、前記積層時の熱による軟化は生じにくいが、JIS K7207における、4.6kgf/cmの条件下に準ずる条件の下で測定した場合に、前記樹脂と同様に70℃以上の、耐熱性は少なくとも有する。
前記準ずる条件としては、例えば、大きさ、127mm×12.7mm、厚み0.1mmの加重たわみ温度が十分に低いフィルム材料に無機材料を蒸着などにより成膜したものを用いて、試験片を作製し、樹脂と同一の4.6kgf/cmの条件の下、昇温速度2℃/分により測定することができる。
前記有機材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第二ギャップ層で用いられた有機材料を用いることができ、前記第二ギャップ層と同じ材料でもよく、異なった材料でもよい。1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂が好ましい。
前記無機材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第二ギャップ層で用いられた有機材料を用いることができ、前記第二ギャップ層と同じ材料でもよく、異なった材料でもよい。1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−第一ギャップ層の形成方法−
前記第一ギャップ層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーボ基板上に対して、スピン塗布による方法、非熱軟化性シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリング、バーコータ、スリットコータ、プラズマCVDなどが挙げられる。これらの中でも、前記第一ギャップ層を均一に形成でき、膜厚のコントロールが容易であるできる観点からスピン塗布による方法、非熱軟化性シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリングがより好ましい。前記スピン塗布による方法は、前記保護層形成方法におけるスピン塗布方法と、非熱軟化性シートを貼付する方法は、前記保護層形成方法における保護シートを貼付する方法と、蒸着及びスパッタリングは、前記保護層形成方法における蒸着及びスパッタリングと同様に行うことができる。
−−非熱軟化性シート−−
前記非熱軟化性シートは、非熱軟化性材料からなるフィルム状のシートであり、該シートを前記サーボ基板におけるサーボピットパターンなどが形成されている側の表面、該表面に反射膜などが形成されている場合には、該反射膜面に、接着剤などを用いて貼付して前記第一ギャップ層を形成することができる。
前記非熱軟化性シートの材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリルレート(PMMA)などのような透明樹脂フィルム、又はJSR社製商品名ARTONフィルム、日本ゼオン社製商品名ゼオノアのようなリボルネン系樹脂フィルムなどが挙げられる。
これらの中でも、等方性の高いフィルムが好ましく、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、商品名ARTONフィルム、商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記非熱軟化性シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV接着剤、アクリル接着剤、エポキシ接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。これらの中でも、透明性が優れ、硬化の簡便性がある点からUV接着剤が好ましい。
前記接着条件としては、温度20〜30℃、湿度20〜80%などが好ましい。
前記非熱軟化性シートの貼付方法としては、前記サーボ基板表面を洗浄、乾燥し、該非熱軟化性シートをラミネーター(型名HALL110aa、三共株式会社製)、真空貼り付け装置(芝浦メカトロニクス株式会社製)などを用いて圧着することにより貼付することができる。ラミネーターでの圧着条件は、圧着ロール温度20〜30℃、圧着ロール圧力0.1〜1.0MPa、そして圧着速度0.1〜5.0m/分が好ましい。
−−第一ギャップ層の厚み−−
前記スピン塗布、乾燥後、前記非熱軟化性シート貼付後、前記蒸着後、前記スパッタリング後の前記第一ギャップ層の各々の場合の厚みは、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。前記厚みが、5μm未満であると、サーボ信号光とホログラム信号光が混合され、ホログラム信号光のS/N比が低下して、エラーレートがアップすることがあり、200μmを超えると製造時の第一ギャップ層の形成時間が多くかかったり、ディスク総厚みが厚くなりディスク重量が大きくなることがある。
(光記録媒体の製造方法)
本発明の光記録媒体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、組成物調製工程と、記録層積層工程と、保護層形成工程と、フィルタ層形成工程と、第一ギャップ層形成工程と、積層体形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<組成物調製工程>
前記組成物調製工程は、光記録用組成物を調製する工程であり、モノマー、光開始剤、増感剤、オリゴマー及びバインダーなどからなるフォトポリマー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分を含む光記録用組成物を、溶剤により、溶解、分散、混合などにより調製する。前記調製の条件としては、例えば、温度23℃、湿度10%、低温度乾燥の環境で行われる。
<記録層積層工程>
前記記録層積層工程は、前記フィルタ層上、又は該フィルタ層上に第二ギャップ層が積層されている場合は、該第二ギャップ層上に、ホログラフィにより情報を記録する記録層を積層する工程であり、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物を塗工などにより積層する工程である。
前記記録層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式成膜法による積層方法などが挙げられる。前記湿式成膜法は、前記記録層材料を溶剤に溶解乃至分散させた溶液(塗布液)を用いる(塗布し乾燥する)ことにより形成する方法であり、該湿式成膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法などが挙げられる。
また、図4に示すように、第一ギャップ層、第二ギャップ層及びフィルタ層などが形成されたサーボ基板上の第二ギャップ層の表面にスペーサを配置し、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物を該スペーサにより形成された溝部分に充填することにより、記録層を形成してもよい。
<スペーサ>
前記スペーサは、前記記録層の厚みを一定にし、高精度の厚みを有する光記録媒体を得ることができるとともに、該スペーサを用いることにより、光記録媒体の端面からの水分やその他有害ガスの侵入や記録層の乾燥を防止することができる機能がある。
前記スペーサは、前記光記録媒体の外形と略同一の外形を有し、前記記録層の外周部分の厚みを一定にする作用のある外周スペーサと、前記光記録媒体の中心部に設けられている開口と略同一の開口を有し、前記外周スペーサとともに、前記記録層の内周部分の厚みを一定にする作用のある内周スペーサとがある。
前記のスペーサは、前記外周スペーサ及び前記内周スペーサの少なくともいずれかを意味する。前記外周スペーサと、前記内周スペーサとにより、前記記録層の厚みを高精度に作製することができる。
−外周スペーサ−
前記外周スペーサの形状は、外周が光記録媒体の外周形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記外周スペーサの断面形状は、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。図4に示すスペーサは、その断面が四角形の一例である。
前記外周スペーサの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記記録層の厚みと略同一の厚みであることが好ましい。具体的には、前記記録層の厚みと同じ100〜1,000μmであることが好ましい。
前記外周スペーサの幅としては、少なくとも0.5mmあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜5mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましく、0.5〜2mmが特に好ましい。前記幅が、0.5mm未満であると、前記記録層の厚みを一定にするための保持機能が機械強度の面や支持面積の面で低下することがあり、5mmを超えるとホログラム記録領域が狭められ、記録容量が損なわれることがある。
前記外周スペーサの材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、セラミック、石英、シリコン、などが挙げられるが、成形性やコストの点から下記有機材料が好ましい。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、剥離性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記スペーサの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形、押し出し成形、削り出し加工などが挙げられる。
−内周スペーサ−
前記内周スペーサの形状は、内周が光記録媒体に設けられている開口部の形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記内周スペーサの断面形状は、前記外周スペーサと同じ形状が好ましく、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。
前記内周スペーサの厚みは、前記記録層の厚みの均一性の観点から前記外周スペーサと同一であることが求められる。
前記内周スペーサの幅は、前記記録層の厚みの均一性保持機能の観点、及び記録層の記録領域の確保の観点から前記外周スペーサと同一であってもよく、異なっていてもよい。 前記内周スペーサの材料及び製造方法は外周スペーサと異なっていてもよく、同一であってもよい。
前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
<保護層形成工程>
前記保護層形成工程として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、記録層上に対して、スピン塗布による方法、保護シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリング、バーコータ、スリットコータ、プラズマCVDなどが挙げられる。これらの中でも、前記保護を均一に形成でき、膜厚のコントロールが容易であるできる観点からスピン塗布による方法、保護シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリングがより好ましい。前記スピン塗布による方法、前記保護シートを貼付する方法、前記蒸着及び前記スパッタリンによる前記保護層の形成は、前記保護層において説明したスピン塗布による方法、保護シートを貼付する方法、蒸着、スパッタリンと同様に行うことができる。
<フィルタ層形成工程>
前記フィルタ層形成工程は、本発明の前記光記録媒体用フィルタを光記録媒体形状に加工し、該加工したフィルタを前記サーボ基板に貼り合わせてフィルタ層を形成する工程である。ここで、前記光記録媒体用フィルタの製造方法については、上述した通りである。なお、場合によっては、基板上に直接フィルタ層を形成することもできる。例えば、基板上に色材含有層用塗布液を塗布して色材含有層を形成し、該色材含有層上にスパッタリング法により誘電体蒸着膜を形成する方法などが挙げられる。
前記光記録媒体形状としては、ディスク形状、カード形状、などが挙げられ、前記加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレスカッターによる切り出し加工、打ち抜きカッターによる打ち抜き加工、などが挙げられる。前記貼り合わせでは、例えば、接着剤、粘着剤、などを用いて気泡が入らないようにフィルタを基板に貼り付ける。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV硬化型、エマルジョン型、一液硬化型、二液硬化型等の各種接着剤が挙げられ、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
<第一ギャップ層形成工程>
前記第一ギャップ層形成工程は、前記サーボ基板と前記フィルタ層との間に、第一ギャップ層を形成する工程である。該第一ギャップ層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーボ基板上に対して、前記スピン塗布による方法、前記非熱軟化性シートを貼付する方法、前記蒸着及び前記スパッタリングなどが挙げられる。
<積層体形成工程>
前記積層体形成工程は、前記記録層積層工程、前記フィルタ層形成工程及び前記第一ギャップ層形成工程により、前記記録層、前記フィルタ層及び第一ギャップ層が形成されたサーボ基板と、前記保護層が前記保護シートの場合は該保護シートとを貼り合わせて積層体を形成し、必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む工程である。
前記貼り合わせ方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記保護層と前記サーボ基板と必要に応じて適宜選択したその他の層とを、接着剤で接着する方法、接着剤を用いず圧着する方法、真空中で貼り合わせる方法などが挙げられる。
前記接着剤で接着する方法は、前記保護層と、前記サーボ基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、外周を合致させ、各層間に接着剤を塗布し、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。
該接着の際に、気泡の発生が無く密着させるためには、真空中で貼り合わせることが好ましい。
−接着剤−
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
これらの中でも、透明性が優れていることから、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤がより好ましい。
前記接着剤を用いず圧着する方法は、各層の有する接着性を利用して密着させて積層体を形成することも可能である。前記保護層と、前記サーボ基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、各外周を合致させ、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。該密着の際に、気泡が無く密着させるためには、真空中で貼りあわせることが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としてとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記記録層と前記フィルタ層の間に第二ギャップ層を形成する第二ギャップ層形成工程などが挙げられる。
(光記録方法及び光再生方法)
前記光記録方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光記録媒体に情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録するいわゆるコリニア方式による光記録方法である。
前記光再生方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光記録方法により記録層に形成された干渉像に参照光と同じ光を照射して該干渉像に対応した記録情報を再生することができる。
前記光記録方法及び再生方法では、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射される。
ここで、前記光記録方法及び再生方法は、以下に説明する光記録再生装置を用いて行われる。
前記光記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置について図9を参照して説明する。
図9は、前記光記録再生装置の全体構成図である。なお、光記録再生装置は、光記録装置と再生装置を含んでなる。この光記録再生装置100は、光記録媒体21が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光記録媒体21の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、光記録媒体21に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、光記録媒体21に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光記録媒体21に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31を光記録媒体21の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)を光記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光記録媒体21の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31を光記録媒体21の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、光記録媒体21のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより、基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。
コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
前記光記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置は、本発明の前記光記録媒体を用い、情報光及び参照光による干渉縞の記録と同時に増感光により光熱変換がなされて増感させるので、高解像度であり回折効率の高い光記録媒体が得られる。
ここで、本発明の光記録媒体の具体例1及び2について、図面を参照して更に詳しく説明する。
<光記録媒体の具体例1>
図5は、本発明の具体例1における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例1に係る光記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂又はガラスのサーボ基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図5ではサーボ基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、図1に示すように周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1,750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚さに比べて充分に小さいものである。
第一ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂等の材料をサーボ基板1の反射膜2上にスピンコート等により塗布して形成される。第一ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、記録層4において記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるため、記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けると有効である。
第一ギャップ層8上にはフィルタ層6が設けられ、また、フィルタ層6と記録層4との間に第二ギャップ層7が設けられ、該フィルタ層6と保護層5(ポリカーボネート樹脂からなる保護シートなど)によって光記録媒体21が構成される。なお、情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが存在するが、このフォーカシングエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり、多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第二ギャップ層7を設けることが有効となる。
図5において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層6a、6b、6cからなる。このコレステリック液晶層からなるフィルタ層6は、第一ギャップ層8上に塗布によって直接形成してもよいし、基材上にコレステリック液晶層を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層によって、λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上となり、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることがなくなる。
具体例1における光記録媒体21は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、この光記録媒体21では、サーボ基板1は0.6mm、第一ギャップ層8は100μm、フィルタ層6は2〜3μm、第二ギャップ層7は70μm、記録層4は0.6mm、保護層5は0.5mmの厚みであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図8を参照して、光記録媒体21周辺での光学的動作を説明する。まず、サーボ用レーザから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、保護層5、記録層4、第二ギャップ層7、フィルタ層6、及び第一ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第一ギャップ層8、フィルタ層6、第二ギャップ層7、記録層4、及び保護層5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
なお、図7に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ用光が655nmの場合はサーボ用光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲はフィルタ層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ用光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用するフィルタ層におけるコレステリック液晶層の螺旋ピッチを十分大きくすれば、フィルタ層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合はλ〜1.1λのコレステリック液晶層でよいのでサーボ用光の透過には全く支障がなくなる。
また、記録用/再生用レーザから生成された情報光及び記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と記録用参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体21に照射される。情報光及び記録用参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び記録用参照光は記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層から形成され、赤色光のみを透過する性質を有するからである。あるいは、フィルタ層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度フィルタ層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
<光記録媒体の具体例2>
図6は、前記具体例2における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例2に係る光記録媒体22では、フィルタ層6以外は具体例1と同様に構成される。
図6において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、色材含有層上に、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜が7層積層された誘電体蒸着層を形成した積層体である。この色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせであるフィルタ層6は、第一ギャップ層8上に塗布及び蒸着により直接形成してもよいし、基材上に色材含有層及び誘電体蒸着膜を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。フィルタ層として色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせを用いることによって、入射角度±40°における、655nmでの光透過率が50%以上であり、かつ532nmでの光反射率が30%以上となり、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることがなくなる。
前記具体例2における光記録媒体22の形状は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよく、具体例1と同様に形成される。
次に、図8を参照して、光記録媒体21と同様に構成された光記録媒体22周辺での光学的動作を説明する。光記録媒体22では、光記録媒体21と同様、まず、サーボ用レーザから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体22に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体22の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、保護層5、記録層4、第二ギャップ層7、フィルタ層6、及び第一ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第一ギャップ層8、フィルタ層6、第二ギャップ層7、記録層4、及び保護層5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。具体例1と同様に、記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
また、記録用/再生用レーザから生成された情報光及び記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と記録用参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体22に照射される。情報光及び記録用参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び記録用参照光は記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は色材含有層と誘電体蒸着膜とを組み合わせており、赤色光のみを透過する性質を有するからである。あるいは、フィルタ層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度フィルタ層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光記録媒体の作製>
実施例1の光記録媒体は、保護層と、記録層と、第二ギャップ層と、フィルタ層と、第一ギャップ層と、サーボ基板とをこの順に積層することにより、以下のように作製した。 前記フィルタ層は、フィルム状のフィルタを作製して、積層することにより以下のように形成した。
下記組成の記録層用の感光性組成物溶液を調製した。
−記録層用の感光性組成物溶液の組成−
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・ジ(ウレタンアクリレート)オリゴマー
(Echo Resins社製、ALU−351)・・・・・・・・59質量部
・イソボルニルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・・30質量部
・ビニルベンゾエート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量部
・重合開始剤
(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)・・・・1質量部
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下記組成の保護層用の組成物溶液を調製した。
−保護層用の組成物溶液の組成−
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・ポリビニルアルコール(PVA)・・・・・・・・・・・・・・・5質量部
・純粋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95質量部
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−フィルタの作製−
まず、ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名ユーピロン)厚み100μm上に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名MP203)を厚み1μmとなるように塗布したベースフィルムを用意する。このベースフィルムをラビング装置に通して、ポリビニルアルコール膜面をラビングし、液晶配向能を付与することができる。
次に、下記表1に示す組成のコレステリック液晶層用塗布液A、B及びCを常法により調製することができる。
Figure 2007093799
*UV重合性液晶:BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC242
*カイラル剤:BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC756
*光重合開始剤:チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名イルガキュア369
*増感剤:ジエチルチオキサントン
*溶剤:メチルエチルケトン(MEK)
次に、前記ベースフィルム上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Aをバーコータで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Aを形成した。
次に、コレステリック液晶層A上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Bをバーコータで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Bを形成した。
次に、コレステリック液晶層B上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Bをバーコータで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Cを形成した。
以上により、円偏光分離特性を有し、各コレステリック液晶層における選択反射中心波長が互いに異なり、かつ各コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が互いに右回り方向で同じである3層構造の実施例1の光記録媒体用フィルタを作製した。
次に、作製した光記録媒体用フィルタを前記基板に設置できるように所定のディスクサイズに打ち抜いた。
−サーボ基板−
前記サーボ基板としては、直径120mm、板厚0.6mmのDVD+RW用に用いられている一般的なポリカーボネート樹脂製基板を使用した。この基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは0.74μmであり、溝深さは175nm、溝幅は300nmである。
まず、サーボ基板のサーボピットパターン表面に反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により厚み200nmのAl反射膜を成膜した。
−第一ギャップ層−
−−第一ギャップ層用塗布液の調製−−
SD−640(大日本インキ化学工業株式会社製)を使用し溶解、分散して、前記第一ギャップ層用の塗布液を調製した。
得られた第一ギャップ層用塗布液を、Al反射膜を成膜した前記サーボ基板における反射膜表面に、非熱軟化性シートの材料として、厚み80μmのポリカーボネート(PC)フィルムを用い、接着剤としてSD−640(大日本インキ化学工業株式会社製)を用い、前記接着条件として、温度23℃、湿度50%の環境で、ラミネーター(型名:HALL110aa、三共株式会社製)を用いて圧着することにより貼付した。圧着条件は、圧着ロール温度23℃、圧着ロール圧力0.1MPa、圧着速度1.0m/分により、行った。その後、UV照射装置において、1,500mJ/cmのUV照射を行い、接着剤SD−640を硬化接着させた。第一ギャップ層の厚みは100μmであった。
−第二ギャップ層−
−−第二ギャップ層用塗布液の調製−−
SD−640(大日本インキ化学工業株式会社製)を使用して、前記第二ギャップ層用の塗布液を調製した。
得られた第二ギャップ層用塗布液を、フィルタ層の表面に、スピンコータ(型名1H−B7、ミカサ社製)により、1,500rpm、15秒間条件の下、スピン塗布し、温度23℃、1,500mJ/cmのUV照射により硬化した。硬化厚みは25μmであった。これを3回繰り返して総膜厚は75μmであった。
−積層体の形成−
図4に示すように、第一ギャップ層8がスピン塗布されたサーボ基板1上に、前記フィルタを、隙間に気泡が入らないように、UV接着剤(型名SD−640、大日本インキ化学工業株式会社製)を塗布した後、積層してフィルタ層6を形成し、前述のように、該フィルタ層6の表面に第二ギャップ層7をスピン塗布した。更に、該第二ギャップ層7の表面に、得られた記録層用感光性組成物塗布液を、スペーサを土手とした内側に流し込み、80℃、40分で硬化して積層し、厚み500μmの記録層4を形成した。
前記外周スペーサは、サーボ基板の外形と同一の直径120mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ500μm、したがって、断面形状は0.5mm×500μmの四角形となる。
前記外周スペーサの材料は、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型(住友重工株式会社製)により作製した。
前記内周スペーサは、サーボ基板1の開口径と同じ外形である15mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ500μm、したがって、断面形状は外周スペーサと同一の0.5mm×500μmの四角形となる。
前記内周スペーサの材料は、外周スペーサと同一の、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型(住友重工株式会社製)により作製した。
次に、得られた保護層用塗布液を、形成した前記記録層4の表面に、スピンコータ(型名1H−B7、ミカサ社製)により、1,500rpm、15秒間条件の下、スピン塗布し、温度23℃、1,500mJ/cmのUV照射により硬化した。硬化厚みは25μmであった。これを3回繰り返して総膜厚は75μmであった。
該保護層の外側及び前記サーボ基板の外側を、0.08MPaの圧力で、80℃で、40分間、加圧し、積層体を形成することにより、図2及び図4に示す光記録媒体21を作製した。
−保護層のレターデーションRthの測定−
前記各レターデーションの測定は、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、作製した前記保護層の光入射角度依存性を測定し、予め測定した前記保護層以外の層の寄与分を差し引くことによって、保護層のみの光学特性を算出した。結果を表2に示す。
−光記録媒体の記録及び評価−
得られた光記録媒体を、パルステック工業株式会社製、コリニアホログラム記録再生試験機SHOT−1000を用いて、記録ホログラムの焦点位置における記録スポットの大きさ直径200μmで一連の多重ホログラムを書き込み、感度(記録エネルギー)、多重数について測定、評価を行った。結果を表2に示す。
−感度の測定−
記録時の照射光パワー(mJ/cm)を変化させ、再生信号のエラー確率(BER:Bit Error Rate)の変化を測定した。通常、記録光パワーの増加に伴い再生信号の輝度が増加することにともない、再生信号のBERが徐々に低下する傾向にある。ここでは、ほぼ良好な再生像(BER<10−3)が得られる最低の記録光パワーを記録材料の記録感度とした。その結果、記録感度記録光パワー150mJ/cmにてBER<10−3が得られた。(記録感度 75mJ/cm)結果を表2に示す。
−多重数の評価−
光記録媒体の多重評価手法として、ISOM’04、Th−J−06、pp.184−185、Oct.2004に記載されている記録スポットをスパイラル状にシフトさせて評価する手法を用いて行った。ここで、記録ホログラム数13×13=169ホログラム、記録ピッチは28.5μmとした。最終169個目のホログラム記録時の多重度は49多重となる。記録ホログラム数の増加に従い多重度が増加するため、記録材料の多重特性が不十分であると記録数の増加に従いBERが増加する。ここではBER>10−3となる記録ホログラム数を材料の多重特性Mとした。この手法により多重特性Mとして120多重相当の特性が得られることを確認した。
(実施例2)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、トリアセチルセルロース(TAC)にした以外は、実施例1と同様に実施例2の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリカーボネート(PC)にした以外は、実施例1と同様に実施例3の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリエチレンテレフタレート(PET)にした以外は、実施例1と同様に実施例4の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリスチレン(PS)にした以外は、実施例1と同様に実施例5の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリスルホン(PSF)にした以外は、実施例1と同様に実施例6の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリメチルメタクリレート(PMMA)にした以外は、実施例1と同様に実施例7の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリプロピレン(PP)にした以外は、実施例1と同様に実施例8の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリエチレン(PE)にした以外は、実施例1と同様に実施例9の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)にした以外は、実施例1と同様に実施例10の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1において、前記保護層の製造方法を、スピン塗布方法に代え、保護シートの貼付方法にした以外は、実施例1と同様に実施例11の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
−保護シートの貼付方法−
前記非熱軟化性シートの材料として、厚み80μmのポリカーボネート(PC)フィルムを用い、接着剤としてSD−640(大日本インキ化学工業株式会社製)を用い、前記接着条件として、温度23℃、湿度50%の環境で、ラミネーター(型名HALL110aa、三共株式会社製)を用いて圧着することにより貼付した。圧着条件は、圧着ロール温度23℃、圧着ロール圧力0.1MPa、圧着速度1.0m/分により、行った。その後、UV照射装置において、1,500mJ/cmのUV照射を行い、接着剤SD−640を硬化接着させた。
(実施例12)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、トリアセチルセルロース(TAC)にした以外は、実施例1と同様に実施例12の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリカーボネート(PC)にした以外は、実施例1と同様に実施例13の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリエチレンテレフタレート(PET)にした以外は、実施例1と同様に実施例14の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリスチレン(PS)にした以外は、実施例1と同様に実施例15の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリスルホン(PSF)にした以外は、実施例1と同様に実施例16の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリメチルメタクリレート(PMMA)にした以外は、実施例1と同様に実施例17の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例18)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリプロピレン(PP)にした以外は、実施例1と同様に実施例18の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例19)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、ポリエチレン(PE)にした以外は、実施例1と同様に実施例19の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例20)
実施例2において、保護層用の組成物をポリビニルアルコール(PVA)に代え、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)にした以外は、実施例1と同様に実施例20の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例1において、前記保護層の製造方法を、スピン塗布方法に代え、蒸着する方法にした以外は、実施例1と同様に実施例21の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
−蒸着−
前記蒸着の方法として、真空蒸着方法を用いた。前記真空蒸着は、真空容器の中に蒸発源であるSiO及び記録層が形成されたサーボ基板を載置し、0.5Paの圧力下で、前記サーボ基板における記録層の表面の全面に成膜した。SiO材からなる結晶性の良好な、厚みの平均値が100μmの膜が得られた。
(実施例22)
実施例1において、前記保護層の製造方法を、スピン塗布方法に代え、スパッタリングにした以外は、実施例1と同様に実施例22の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
−−スパッタリング−−
前記スパッタリングは、0.5Paの真空中に、Arガスを導入し、前記サーボ基板における記録層とターゲット(成膜させる物質:SiO)間に交流高電圧印加し、グロー放電によりイオン化したArガスを陰極である前記ターゲットに衝突させて、はじき飛ばされた(スパッタリング)前記ターゲット物質を陽極である前記保護層の表面に成膜させた。
前記スパッタリング領域は、前記サーボ基板における保護層の表面の全面に成膜した。SiO材からなる結晶性の良好な、厚みの平均値は100μmの膜が得られた。
(比較例1)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリビニルアルコール(PVA)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例1の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのトリアセチルセルロース(TAC)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例2の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリカーボネート(PC)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例3の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例4の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリスチレン(PS)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例5の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリスルホン(PSF)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例6の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例7の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリプロピレン(PP)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例8の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例9)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのポリエチレン(PE)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例9の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
(比較例10)
実施例1において、前記保護層のスピン塗に代え、直径120mm、板厚0.6mmのセルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂製基板を使用した以外は、実施例1と同様に比較例10の光記録媒体を作製し、保護層のレターデーションRthを測定し、記録感度及び多重特性Mについて評価した。結果を表2に示す。
Figure 2007093799

表2の結果から、本発明により、実施例1〜22は、比較例1〜10に対して、保護層のレターデーションRthが明らかに小さくなり、記録感度は高くなり、多重特性も大きくなり、極めて光学特性の優れた保護層が得られた。
本発明の光記録媒体は、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体であり、2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、反射型のホログラムなどに幅広く用いられる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、ホログラム記録を再生する際の再生光のS/N比を向上させ、低エラーレートで高密度画像記録が可能な光学特性に優れた光記録媒体が得られ、2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、反射型のホログラムなどに幅広く用いられる。
図1は、従来の光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図2は、従来の光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図3は、本発明の光記録媒体の一例の部分断面図である。 図4は、本発明の光記録媒体の層構成の一例示す部分断面図である。 図5は、本発明による具体例1に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明による具体例2に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図7は、コレステリック液晶層を3層積層したフィルタの正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図8は、本発明による光記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図9は、本発明の光記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。
符号の説明
1 サーボ基板
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 記録層
5 保護層
5a トップ基板
6 フィルタ層
6a、6b、6c コレステリック液晶層
7 第二ギャップ層
8 第一ギャップ層
9 1/4波長板
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20、20a、21、22 光記録媒体
31 ピックアップ
37 外周スペーサ
38 内周スペーサ
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 操作部
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (9)

  1. ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、保護層と、サーボ基板と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層と、フィルタ層とを有し、前記保護層が、下記式(1)で表されるレターデーションRthが、0〜50nmであることを特徴とする光記録媒体。
    Rth=2πd(n-n)/λ・・・式(1)
    ただし、前記式(1)において、n、nは、前記保護層の法線方向(厚み方向)に対して、前記保護層中における互いに直交するX、Y軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、前記保護層の厚みを表し、λは、記録光及びサーボ用光の波長を表す。
  2. 保護層が、樹脂からなる請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 樹脂が、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリルレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びセルロースアセテートプロピオネート(CAP)から選択される少なくともいずれか1種である請求項2に記載の光記録媒体。
  4. 保護層の厚みが、10〜500μmである請求項1から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 光記録媒体に対する情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われる光記録方法に用いられる請求項1から4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法であって、
    保護層を形成する保護層形成工程と、
    記録層を形成する記録層形成工程と、
    フィルタ層を形成するフィルタ層形成工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  7. 保護層形成工程が、有機材料をスピン塗布することにより保護層を形成する請求項6に記載の光記録媒体の製造方法。
  8. 保護層形成工程が、保護シートを貼り付けることにより保護層を形成する請求項6に記載の光記録媒体の製造方法。
  9. 保護層形成工程が、無機材料を蒸着及びスパッタリングの少なくともいずれかにより保護層を形成する請求項6に記載の光記録媒体の製造方法。
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