JP2007257800A - 光記録方法及び光再生方法、並びに光記録装置及び光再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コリニア方式における高多重記録がなされている光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、高感度で高密度多重記録が可能な光記録方法及び光記録装置、及び再生時の再生干渉像のずれや歪みがない高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生方法及び光再生装置の提供。
【解決手段】ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録し再生する光記録再生方法であって、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラフィを利用して情報が記録された光記録媒体の光記録方法及び光再生方法、並びに光記録装置及び光再生装置に関し、高感度で高密度多重記録が可能で、高密度多重記録の再生時における歪のない再生画像が得られ、SNR(信号対ノイズ比)の優れた再生が得られる光記録方法及び光再生方法並びに、光記録装置及び光再生装置に関する。
ホログラフィを利用して光記録媒体に記録された情報を再生する光再生方法は、前記光記録媒体に記録に用いられた参照光と同じ再生光を、記録時と同じ方向から照射することにより行われる。該光照射により、前記光記録媒体に光情報としての干渉縞からなる干渉像から回折光が生成され、該回折光を受光することにより前記光情報が再生される。このような、光記録媒体への前記情報の記録方法としては、一般に、イメージ情報を持った情報光(物体光)と参照光とを前記光記録媒体の内部で干渉させ、その際に生成される干渉縞を前記光記録媒体に書き込むことによって行われる。前記光記録方法として、例えば、前記情報光の光軸と参照光の光軸とが同軸になるようにして該情報光及び参照光が照射される方法が、コリニア方式と称され、光記録装置や光記録媒体の誤差などの影響を受けることが少ない記録方法として知られている。該コリニア方式における情報光及び参照光の照射により光記録媒体に形成されている記録層内に前記干渉縞が生成され、光情報が該記録層に記録される。
このような光情報の記録容量を増大させる方法として、前記干渉縞の記録密度を高める多重記録方法があり、具体的には、シフト多重記録、角度多重記録、波長多重記録、位相多重記録などの記録方法が用いられている。
これらの中でも、シフト多重記録は、光照射又は光記録媒体のいずれかを記録層に水平な面方向に少しずつ移動させながら最初の記録の上に重ねて記録を追加していくため、ディスクを回転させながら記録する従来のCDやDVDなどのディスク記録と親和性が高く、ランダムアクセスに優れており、単一のレンズを用いて記録を行う前記コリニア方式などに用いられている(非特許文献1参照)。
前記コリニア方式におけるシフト多重記録は、図3に示すように、情報光37及び参照光38が対物レンズ12を透過した後、光記録媒体21内の記録層4の記録部分で一定の大きさに集光される光照射スポット32単位で行われ、該光照射スポット32が照射され、干渉像からなるデータページとして記録されると、光記録媒体21が1ピッチ分回転し、各ピッチ毎に前記情報光照射スポットが照射され、順次多重に記録がなされる。
このような、シフト多重記録がなされた光記録媒体の光情報を再生する方法として、図4に示すように、前記再生光38aの照射により生成された前記回折光39を、図2に示す検出器14で前記光照射スポット32の単位、即ち、図2に示す再生干渉像35からなるデータページ単位で受光し、該データページに含まれる符号化された元の情報を処理して再生する(特許文献1参照)。具体的には、目的の光記録媒体に記録しようとする前記情報が、イメージ情報であれば、記録時に、該情報は、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により、イメージ情報からなる2次元画面をパターンデータの最小の単位である画素(ピクセル)に微細加工される。前記加工により、前記イメージ情報は、フーリエ変換を利用したコンピュータデジタル処理により時間信号を周波数領域で表す演算処理が行われ、「0」か「1」のデジタルデータとなり2次元画面に配置される。前記光照射スポットは、記録すべき情報がデジタルデータに加工されたデータが配置され集合したもので、前記光照射スポットには約4,000bitのデータがページデータパターンとして形成されている。
このような、データページを受光し、逆符号化(デコード)することにより、元の情報を再生することができる。
しかし、前記再生方法の場合、図5及び図6に示すように、再生光38aの照射角度や光軸方向における焦点距離が、記録時の参照光の照射角度及び光軸方向における焦点距離とずれてしまった場合には、回折光39は、本来の垂直方向から角度θ分だけずれが生じ、検出器により検出される真正干渉像からずれた再生干渉像となってしまい、正確な再生ができないという問題がある。
このような再生干渉像のずれは、図9の検出器の受光部33で受光する本来の真正干渉像34に対して、図10に示すように、再生干渉像35の全体が縮小されてしまったり、図11に示すように、再生干渉像35の全体が拡大されてしまったり、図12に示すように、再生干渉像35の全体が図の右側にシフトしてしまったり、図13に示すように、再生干渉像35が左斜め下側方向にシフトしてしまったり、図14に示すように、再生干渉像35の横のみが縮小されてしまったり、図15に示すように、再生干渉像35が歪んでしまったりする形で生ずる。
このような、ずれや歪が生ずる原因としては、光記録媒体や光再生装置の温度変化、湿度変化、気圧の変化、機械的な外力などの影響により、前記再生光の照射角度や光軸方向の焦点距離がずれたり、歪んだりすることが考えられる。特に光記録媒体の表面温度や周囲温度の変化は、情報光及び参照光の照射角度の変化に相関的に影響を与えると考えられる。
したがって、前記コリニア方式などにおける高多重記録を行う光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、高感度で高密度多重記録が可能な光記録方法及び光記録装置、並びに、高多重記録がなされた光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、再生時の再生干渉像のずれや歪みがない高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生方法及び光再生装置は未だ実現されておらず、その提供が望まれているのが現状である。
特開2004−177958号公報 「日経エレクトロニクス」2005年1月17日号P105〜P114
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記コリニア方式などにおける高多重記録を行う光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、高感度で高密度多重記録が可能な光記録方法及び光記録装置、並びに、高多重記録がなされた光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、再生時の再生干渉像のずれや歪みがない高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生方法及び光再生装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録する光記録方法であって、前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行うことを特徴とする光記録方法である。
該<1>に記載の光記録方法においては、前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御が行われる。そのため、光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、高感度な情報記録が可能となり、コリニア方式における高多重記録に好適である。特に、本発明の光再生方法で使用する光記録媒体の光記録方法として好適である。
<2> 光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう行われる前記<1>に記載の光記録方法である。
<3> 光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度で行われる前記<2>に記載の光記録方法である。
<4> 使用温度が、0〜50℃である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録方法である。
<5> 光記録媒体の温度制御が、温度センサにより検出された光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度をもとに、加熱及び冷却のいずれかにより行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録方法である。
<6> 光記録媒体の表面近傍での温度制御が、該光記録媒体の表面から垂直方向に0.1〜10mmの位置で行われる前記<1>から<5>のいずれかに記載の光記録方法である。
<7> 光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と、加熱を行う加熱部の中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L3とのなす角θ2が、10〜180°であり、該θ1とθ2とが、前記L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記加熱部が配置される前記<5>から<6>のいずれかに記載の光記録方法である。
<8> 光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と冷却を行う冷却部の中心位置と、光記録媒体の中心とを結ぶ線L4とのなす角θ3が、10〜180°であり、θ1とθ3とが、L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記冷却部が配置される前記<5>から<7>のいずれかに記載の光記録方法である。
<9> 情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われる前記<1>から<8>のいずれかに記載の光記録方法である。
<10> 光記録媒体が、第一の基板と、記録層と、フィルタ層と、第二の基板とをこの順に有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の光記録方法である。
<11> 光記録媒体が、反射型ホログラムである前記<1>から<10>のいずれかに記載の光記録方法である。
<12> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層と、該色材含有層上にコレステリック液晶層とを有する前記<10>から<11>のいずれかに記載の光記録方法である。
<13> フィルタ層が、色材含有層上に誘電体蒸着層を有する前記<10>から<12>のいずれかに記載の光記録方法である。
<14> フィルタ層が、単層のコレステリック液晶層を有する前記<10>から<13>のいずれかに記載の光再生方法である。
<15> フィルタ層が、コレステリック液晶層を2層以上積層した積層体である前記<10>から<14>のいずれかに記載の光記録方法である。
該<15>に記載の光記録方法においては、コレステリック液晶層を2層以上積層しており、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、記録時に用いられる情報光及び参照光は、反射膜に到達しないので、反射面上での乱反射による拡散光が発生することを防ぐことができる。従って、この拡散光によって生じるノイズが再生像に重畳されてCMOSセンサ又はCCD上で検出されることもなく、再生像が少なくともエラー訂正可能な程度に検出することができるようになる。拡散光によるノイズ成分はホログラムの多重度が大きくなればなるほど大きな問題となる。つまり、多重度が大きくなればなるほど、例えば多重度が10以上になると、1つのホログラムからの回折効率が極めて小さくなり、拡散ノイズがあると再生像の検出が非常に困難となるのである。この構成によれば、このような困難性は除去することができ、今までにない高密度画像記録が実現できる。
<16> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域が、連続的である前記<12>から<15>のいずれかに記載の光記録方法である。
<17> コレステリック液晶層が、少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有する前記<12>から<16>のいずれかに記載の光記録方法である。
<18> コレステリック液晶層が、円偏光分離特性を有する前記<12>から<17>のいずれかに記載の光再生方法である。
<19> コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が、互いに同じである前記<12>から<18>のいずれかに記載の光記録方法である。
<20> コレステリック液晶層における選択反射中心波長が、互いに異なる前記<12>から<19>のいずれかに記載の光記録方法である。
<21> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域幅が、100nm以上である前記<12>から<20>のいずれかに記載の光記録方法である。
<22> フィルタ層が、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光を反射する前記<10>から<21>のいずれかに記載の光記録方法である。
<23> 第一の光の波長が、350〜600nmであり、かつ第二の光の波長が600〜900nmである前記<22>に記載の光記録方法である。
<24> フィルタ層が、ホログラフィを利用して情報を記録する光記録媒体の選択反射膜として用いられる前記<10>から<23>のいずれかに記載の光記録方法である。
<25> フィルタ層が、光反応型カイラル化合物を有し、該光反応型カイラル化合物が、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種である前記<10>から<24>のいずれかに記載の光記録方法である。
<26> 光反応性基が、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基である前記<25>に記載の光記録方法である。
<27> 第二の基板が、サーボピットパターンを有する前記<10>から<26>のいずれかに記載の光再生方法である。
<28> サーボピットパターン表面に、反射膜を有する前記<27>に記載の光記録方法である。
<29> 反射膜が、金属反射膜である前記<28>に記載の光記録方法である。
<30> フィルタ層と反射膜との間に、第二の基板表面を平滑化するための第1ギャップ層を有する前記<28>から<29>のいずれかに記載の光記録方法である。
<31> 記録層とフィルタ層との間に、第2ギャップ層を有する前記<10>から<30>のいずれかに記載の光記録方法である。
<32> ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備え、該記録層に情報光及び参照光を照射して干渉像を形成した光記録媒体の前記干渉像に対して、前記参照光と同じ再生光を照射し、該照射により生成した回折光を受光し、該干渉像に基づいて記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像と一致するように前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行うことを特徴とする光再生方法である。
該<32>に記載の光再生方法においては、記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像とが一致するように、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御が行われる。そのため、光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、再生時の再生干渉像のずれや歪みがない高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる。
<33> 光記録媒体の温度制御が、再生干渉像の真正干渉像に対する縮小率、拡大率、回折光受光部の面方向及び該面と垂直方向の位置ずれ、変形率並びにそれらの複合からなる歪の少なくともいずれかの情報を検出し、検出された該情報に基づいて行われる前記<32>に記載の光再生方法である。
<34> 光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう行われる前記<32>から<33>のいずれかに記載の光再生方法である。
<35> 使用温度が、0〜50℃である前記<34>に記載の光再生方法である。
<36> 温度制御が、記録時の温度と略同一温度で再生されるよう行われる前記<32>から<35>に記載の光再生方法である。
<37> 光記録媒体の温度制御が、温度センサにより検出された光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度をもとに、加熱及び冷却のいずれかにより行われる前記<32>から<36>のいずれかに記載の光再生方法である。
<38> 光記録媒体の表面近傍での温度制御が、該光記録媒体の表面から垂直方向に0.1〜10mmの位置で行われる前記<32>から<37>のいずれかに記載の光再生方法である。
<39> 光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と、加熱を行う加熱部の中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L3とのなす角θ2が、10〜180°であり、該θ1とθ2とが、前記L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記加熱部が配置される前記<36>から<38>のいずれかに記載の光再生方法である。
<40> 光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と冷却を行う冷却部の中心位置と、光記録媒体の中心とを結ぶ線L4とのなす角θ3が、10〜180°であり、θ1とθ3とが、L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記冷却部が配置される前記<36>から<38>のいずれかに記載の光再生方法である。
<41> 情報の検出が、回折光の強度(W/cm)、SNR(信号とノイズとの比)、及び再生信号のエラー数から選択される少なくともいずれか1種に基づいて行われる前記<33>から<40>のいずれかに記載の光再生方法である。
<42> 情報の検出が、データ信号を抽出する画像処理方法、データ信号の波形を成形する信号処理方法、及びデータ信号をデコードする演算処理方法から選択される少なくともいずれか1種により行われる前記<32>から<41>のいずれかに記載の光再生方法である。
<43> 再生光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度になるようにして、該再生光を干渉像に照射して記録情報を再生する前記<32>から<42>に記載の光再生方法である。
<44> 光記録媒体が、第一の基板と、記録層と、フィルタ層と、第二の基板とをこの順に有する前記<32>から<43>のいずれかに記載の光再生方法である。
<45> 光記録媒体が、反射型ホログラムである前記<32>から<44>のいずれかに記載の光再生方法である。
<46> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層と、該色材含有層上にコレステリック液晶層とを有する前記<44>から<45>のいずれかに記載の光再生方法である。
<47> フィルタ層が、色材含有層上に誘電体蒸着層を有する前記<44>から<46>のいずれかに記載の光再生方法である。
<48> フィルタ層が、単層のコレステリック液晶層を有する前記<44>から<47>のいずれかに記載の光再生方法である。
<49> フィルタ層が、コレステリック液晶層を2層以上積層した積層体である前記<44>から<48>のいずれかに記載の光再生方法である。
該<49>の光記録方法においては、コレステリック液晶層を2層以上積層しており、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、再生光は、反射膜に到達しないので、反射面上での乱反射による拡散光が発生することを防ぐことができる。従って、この拡散光によって生じるノイズが再生像に重畳されてCMOSセンサ又はCCD上で検出されることもなく、再生像が少なくともエラー訂正可能な程度に検出することができるようになる。拡散光によるノイズ成分はホログラムの多重度が大きくなればなるほど大きな問題となる。つまり、多重度が大きくなればなるほど、例えば多重度が10以上になると、1つのホログラムからの回折効率が極めて小さくなり、拡散ノイズがあると再生像の検出が非常に困難となるのである。この構成によれば、このような困難性は除去することができ、今までにない高密度画像記録が実現できる。
<50> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域が、連続的である前記<46>から<49>のいずれかに記載の光再生方法である。
<51> コレステリック液晶層が、少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有する前記<46>から<50>のいずれかに記載の光再生方法である。
<52> コレステリック液晶層が、円偏光分離特性を有する前記<46>から<51>のいずれかに記載の光再生方法である。
<53> コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が、互いに同じである前記<46>から<52>のいずれかに記載の光再生方法である。
<54> コレステリック液晶層における選択反射中心波長が、互いに異なる前記<46>から<53>のいずれかに記載の光再生方法である。
<55> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域幅が、100nm以上である前記<46>から<54>のいずれかに記載の光再生方法である。
<56> フィルタ層が、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光を反射する前記<44>から<55>のいずれかに記載の光再生方法である。
<57> 第一の光の波長が、350〜600nmであり、かつ第二の光の波長が600〜900nmである前記<56>に記載の光再生方法である。
<58> フィルタ層が、ホログラフィを利用して情報を記録する光記録媒体の選択反射膜として用いられる前記<44>から<57>のいずれかに記載の光再生方法である。
<59> フィルタ層が、光反応型カイラル化合物を有し、該光反応型カイラル化合物が、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種である前記<44>から<58>のいずれかに記載の光再生方法である。
<60> 光反応性基が、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基である前記<59>に記載の光再生方法である。
<61> 第二の基板が、サーボピットパターンを有する前記<44>から<60>のいずれかに記載の光再生方法である。
<62> サーボピットパターン表面に、反射膜を有する前記<61>に記載の光再生方法である。
<63> 反射膜が、金属反射膜である前記<62>に記載の光再生方法である。
<64> フィルタ層と反射膜との間に、第二の基板表面を平滑化するための第1ギャップ層を有する前記<63>に記載の光再生方法である。
<65> 記録層とフィルタ層との間に、第2ギャップ層を有する前記<44>から<64>のいずれかに記載の光再生方法である。
<66> ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録する手段と、前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行う手段と、を少なくとも有することを特徴とする光記録装置である。
<67> ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備え、該記録層に情報光及び参照光を照射して干渉像を形成した光記録媒体の前記干渉像に対して、前記参照光と同じ再生光を照射し、該照射により生成した回折光を受光する手段と、該干渉像に基づいて記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像と一致するように前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行う手段と、を少なくとも有することを特徴とする光再生装置である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、前記コリニア方式などにおける高多重記録を行う光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、高感度で高密度多重記録が可能な光記録方法及び光記録装置、並びに、高多重記録がなされた光記録媒体の表面温度や周囲温度の影響を受けることなく、再生時の再生干渉像のずれや歪みがない高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生方法及び光再生装置を提供することができる。
(光記録方法)
本発明の光記録方法は、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録する光記録方法であって、前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行う工程を有することを特徴とし、必要に応じて、サーボ制御など、適宜選択したその他の工程を含んでもよい。
本発明の光記録方法としては、前記情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われるいわゆるコリニア方式の光記録方法に用いられることが好ましい。以下コリニア方式を用いた場合について主に説明するが、コリニア方式に限定されず、それ以外の2光束干渉法による光記録媒体についても、本発明の光記録方法を用いることができる。
<情報光及び参照光>
前記情報光及び前記参照光の光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光源から出射される可干渉性のあるレーザ光などが好ましい。
前記レーザ光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長が、360〜850nmから選択される1種以上の波長からなるレーザ光などが挙げられる。該波長は、380〜800nmが好ましく、400〜750がより好ましく、可視領域の中心が最も見え易い500〜600nmが最も好ましい。
前記波長が、360nm未満であると、光学系の設計が困難になり、850nmを超えると、記録容量が少なくなることがある。
前記レーザ光の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体レーザ光発振器、半導体レーザ光発振器、液体レーザ光発振器、気体レーザ光発振器などが挙げられる。これらの中でも、気体レーザ光発振器、半導体レーザ光発振器などが好ましい。
前記情報光及び前記参照光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、同一の光源から出射される一のレーザ光などを分割して、該情報光及び該参照光として照射してもよく、異なる光源から出射される二つレーザ光などを照射してもよい。
前記情報光と前記参照光の照射方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記情報光の光軸とが、前記参照光の光軸と同軸となるようにして照射されるものが好ましい。
前記情報光(物体光)と参照光とを前記光記録媒体の内部で干渉させ、その際に生成される干渉縞を前記光記録媒体に書き込むことによって前記情報が記録される。
前記情報光は、コリニア方式の場合、例えば、照射される1スポット単位で、記録すべき情報がデジタルデータに加工され、前記1スポットには約4,000bitのデータがページデータパターンとして形成される。目的の光記録媒体に記録しようとする前記情報が、例えば、イメージ情報であれば、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により、画面を2次元パターンデータの最小の単位である画素(ピクセル)に微細加工される。前記加工により、前記イメージ情報は、フーリエ変換を利用したコンピュータデジタル処理により時間信号を周波数領域で表す演算処理が行われ、「0」か「1」のデジタルデータとなる。
前記デジタルデータからなる前記情報光は、図3に示すように、対物レンズ12を透過し、光記録媒体21内の記録層4の記録部分で一定の大きさに集光され、該集光がなされた光照射スポット32単位で記録がなされる。
具体的には、コリニア方式の光記録方法の場合、前記情報光37は、直径200μm程の光照射スポット32として集光され、更に前記参照光38が一定の角度をもって照射されることにより、前記情報光37及び参照光38により生成される干渉縞として該記録層4に記録される。該光照射スポット32が照射され記録されると、光記録媒体21が1ピッチ分回転し、各ピッチ毎に前記光照射スポット32が照射され、順次多重に記録がなされる。
<温度制御>
前記温度制御としては、高感度で優れた多重記録が可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜の方法を選択することができる。
光記録により記録された情報の再生精度は、再生時の光記録媒体の表面温度や周囲温度の変化により影響され、前記記録時の温度と再生時の温度との差が、大きくなるほどに、再生光の照射角度の変化が生じて、再生像の精度が低下する傾向にある。そのため、前記記録時の温度と、該記録の再生時の温度とは、ほぼ同一であるのが好ましく、再生時と同等な高精度な再生が可能となる。
記録時と再生時の温度を同一とするには、記録の際に温度制御を行って、予め一定の温度で記録し、再生時に、その温度と同一の温度となるように光記録媒体などの温度を制御することにより、容易に行える。
前記光記録媒体の温度制御としては、温度センサにより検出された光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度をもとに、加熱部による加熱及び冷却部による冷却のいずれかにより行われるのが好ましい。この中でも、制御が容易な観点から、加熱部による加熱を行うのが好ましい。
前記記録時の温度制御としては、例えば、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう行われるのが好ましい。この中でも、冷却よりも加熱が容易であることから、使用温度よりも5〜30℃高い温度となるように温度制御するのが好ましい。また、このように使用温度よりも温度を高くすることにより、記録層材料のモノマーの拡散性が向上し、記録層が高感度となって、記録性能が向上する。
ここで、前記使用温度とは、光記録のための光記録装置を使用する際の、当該光記録装置の装置温度や、当該光記録装置の周囲の温度即ち設置環境温度をいう。
前記使用温度としては、0〜50℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。該基準温度が、0℃未満であると、記録層の材料中の水分が凍結することにより、該記録層の特性が著しく変化することがあり、50℃を超えると、記録層材料の拡散性が大きくなり、正常な記録ができなくなることがある。
前記温度制御としては、例えば、前記使用温度が20〜30℃である場合、光記録媒体の表面又は表面近傍の温度が、28℃、30℃、35℃となるように温度制御する(使用温度+8〜15℃又は使用温度−2℃など)。
また、使用により光記録再生装置自体の温度が上昇し易いので、この温度上昇よりも高い一定の温度に光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を制御して記録するのが好ましい。また、通常の使用では、使用温度が40℃以下であるため、光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を、40℃や45℃に温度制御するように設定しておけば、その温度まで加熱して記録すればよいので、冷却の必要がなくなり、制御し易くなる。また、40〜45℃では、前述のように記録層に含まれるフォトポリマーなどの感度がより高くなり、記録時に高精細な記録が得られるメリットがある。
より具体的な温度制御方法としては、前記使用温度が20〜30℃の場合で、光記録媒体の表面又は表面近傍の基準温度を28℃とし、該28℃での光照射角度が最適となるように光記録装置において設定しておく。情報の記録時に、温度センサで前記光記録媒体の表面近傍の温度が25℃と感知されたときは、前記加熱部をONにして、表面近傍の温度が28℃になるように加熱する。一方、温度センサにより30℃と感知されたときは、前記冷却部をONにして、温度が28℃になるように冷却する。このように、光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を常時測定して、一定温度(28℃)に保たれるよう、フィードバック制御を行うことにより、記録の安定性を向上させることができる。
実際は、温度センサが感知した時と、加熱部又は冷却部をONにし前記光記録媒体の表面近傍の温度を上昇又は冷却させるまでにはタイムラグが生ずるが、該タイムラグを見込んで温度制御したり、PID制御を行うことにより、該タイムラグを減少させることができ、タイムラグによる温度制御の不安定性という弊害を防止することができる。
前記温度制御としては、光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかで行われる。前記表面近傍とは、前記光記録媒体の表面から高さ0.1〜10mmの位置をいい、この位置で前記温度制御が行われるのが好ましい。また、前記温度制御は、0.5〜7mmの位置で行われるのが好ましく、1〜5mmの位置で行われるのがより好ましい。
また、前記光記録媒体の表面で温度制御を行う場合には、非接触でも測定できる赤外線温度計などを用いることにより、前記光記録媒体の表面そのものの温度を感知することができる。
前記光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を制御することにより、光記録媒体の表面温度や周囲温度のがいずれであっても、影響を受けることがなく、前記感光層の高感度な記録が可能となり、高多重記録が可能となる。
また、温度制御としては、光記録媒体がスピンドルなどにセットされて記録を行う際に行われてもよいし、光記録媒体を複数収納可能な収納部などがある場合、当該収納部内で予め温度制御を行った後、スピンドルなどにセットして記録を行ってもよい。
−温度センサ−
前記温度センサとしては、光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を感知できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線温度計などの非接触放射温度計、接触式温度計、気温計、などが挙げられる。
−加熱部−
前記加熱部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非接触型で、光、RFなどの電磁波によるヒータが好ましく、具体的には、赤外線ヒータ、ハロゲンランプなどの光学ランプ(ただし、光記録媒体が感光しないように、感光波長をカットしたもの)、ホットプレート、ケーブルヒータ、カートリッジヒータ、マルチセルヒータ、厚膜ヒータ、フレキシブルヒータ、などが挙げられる。これらの中でも、前記赤外線ヒータ、前記ハロゲンランプが好ましい。
−冷却部−
前記冷却部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非接触型の冷却器が好ましく、具体的には、二種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方の金属へ熱が移動するというペルチェ効果を利用した素子を込み込んだペルチェ冷却器による冷却、外部からの空気供給による冷却、ヒートパイプによる冷却、などが挙げられる。これらの中でも、制御が容易な点で、ペルチェ冷却器が好ましい。
前記温度センサ及び加熱部の光記録媒体に対する配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図7及び図8に示すように、前記光記録媒体が円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップ43の中心位置と光記録媒体21の中心とを結ぶ線L1と、温度センサ44の中心位置と光記録媒体21の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と、前記加熱部(ヒータ42)の中心位置と光記録媒体21の中心とを結ぶ線L3とのなす角θ2が、10〜180°であり、該θ1とθ2とが、前記L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記加熱部が配置されるのが好ましい。
また、前記温度センサ及び冷却部の光記録媒体に対する配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図7及び図8に示すようにり、光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と冷却を行う冷却部の中心位置と、光記録媒体の中心とを結ぶ線L4とのなす角θ3が、10〜180°であり、θ1とθ3とが、L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記冷却部が配置されるのが好ましい。
前記θ1、θ2及びθ3が、10°未満であると、機器間の干渉により、各々での制御が不安定となることがあり、180°を超えると、温度センサと、加熱部及び冷却部とを、L1を介して互いに反対側に配置できなくなったり、制御性が低下することがある。
前記θ1としては、20〜150°が好ましく、30〜120°がより好ましい。
前記ピックアップと、加熱部又は冷却部とは、ピックアップが加熱又は冷却されないような位置とするのが好ましく、そのため、θ2及びθ3としては、30
°以上が好ましく、80°以上がより好ましく、110°以上が更に好ましく、180°であるのが最も好ましい。
前記温度センサ、加熱部、及び冷却部は、前記光記録媒体の表側及び裏側の少なくともいずれかに配置されていればよい。また、加熱部及び冷却部は、いずれか一方のみを設置してもよいし、双方を設置してもよい。
<サーボ制御>
前記サーボ制御は、前記光記録媒体にサーボ用光を照射し、該光記録媒体からの回折光を受光することにより、記録の位置決め(トラッキングサーボ)や、焦点距離の調整(フォーカスサーボ)、その他のサーボ制御を行うものであり、通常は、前記記録の際に、記録と同時進行で行われる(即ち、サーボをしながら記録が行われる)。
前記トラッキングサーボの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3ビーム法、プッシュプル法及び位相差検出法(「図解コンパクトディスク読本」オーム社、中島平太郎、小川博司共著、第一版、昭和61年11月10日発行に記載)などによるトラック位置の検出を用いたサーボなどが挙げられる。
−3ビーム法−
前記3ビーム法は、被検出ディスクに形成されているトラックに対する、サーボ用光の照射位置ずれを検出する方法で、略円形の主ビーム、副ビームA及び副ビームBの3本のビームが用いられる。副ビームA、主ビーム及び副ビームBの順に略直線上に等間隔に配置され、主ビームの円の中心が、前記トラックの幅の中央に対して照射される位置に、副ビームAの円の下部が、前記トラックの幅の端に接する位置に、副ビームBの円の上部が、前記トラックの幅の端に接する位置になるように配置される。
このような配置で、各ビームが前記トラックに照射されると、トラック面では、弱い反射光、トラック面以外では強い反射光となり、各反射光の強度を検出することにより、照射された3本のビームの位置と前記トラックとの位置ずれを検出することができる。
−プッシュプル法−
前記プッシュプル法は、被検出ディスクに形成されているトラックに対する、サーボ用光の照射位置ずれを検出する方法で、1つのビームを前記トラックに照射し、該反射光を2分割して検出する2分割光検出器を用いる。該ビームが該トラック幅の中心部分に照射されると、2分割された反射光の左右の光強度が等しくなり、該トラックの幅方向に左右にずれた場合には、該トラック部分からの反射光の強度は弱く、該トラック以外からの反射光の強度は強いので、2分割された反射光の左右の光強度分布は、左右非対象になり、ずれていることが検出できる。
−位相差検出法−
前記位相差検出(DPD法:Differential Phase Detection)は、被検出ディスクに形成されているトラックに対する、サーボ用光の照射位置ずれを検出する方法で、前記プッシュプル法の2分割を更に分割して4分割した光検出器を用いる。1つのビームが該トラック幅の中心部分に照射されると、4分割された反射光の4つの領域の左右の光強度が等しくなり、該トラックの幅方向に左右にずれた場合には、該トラック部分からの反射光の強度は弱く、該トラック以外からの反射光の強度は強いので、4分割された反射光の4つの領域の光強度分布について、対角領域にある光強度分布を検出することにより左右非対象となり、ずれていることが検出できる。
前記フォーカスサーボとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非点収差法、フーコー法及び臨界角法(「図解コンパクトディスク読本」オーム社、中島平太郎、小川博司共著、第一版、昭和61年11月10日発行に記載)などによるフォーカス検出を用いたサーボなどが挙げられる。
また、トラック情報及びアドレス情報と、集光レンズと記録光の焦点との距離を表す焦点距離情報とを含む焦点位置情報を記録したホログラムメモリを光記録媒体に記録し、該ホログラムメモリの情報を読み取ることにより、情報の記録トラック位置や円周方向での記録位置の決定、焦点距離の調整を行ってもよい。
前記サーボピットパターンにより、前記情報光及び参照光の被照射位置をサーボして、前記情報光及び参照光が出力される照射位置を、前記被照射位置に追従して回転移動させることができる。
−非点収差法−
前記非点収差法は、被検出ディスクに形成されている記録層の再生しようとする位置と、前記再生光の焦点の位置との偏差量を検出する。即ち、焦点距離(対物レンズの中心と前記再生光の焦点との距離)と、前記対物レンズの中心から前記記録層の再生しようとする部分まで距離との偏差量を検出する。光源から出射される光線が対物レンズを通過し光記録媒体に照射される光路における、前記光源から前記対物レンズの中間にビームスプリッターなどを配置し反射光を取り出し、該反射光をシリンドリカルレンズに透過させ、結像させる。該結像面が円形の場合は、前記焦点距離は一致し、縦長の楕円形の場合は、前記光記録媒体が前記対物レンズに近すぎる位置にあり、横長の楕円の場合は、前記光記録媒体が前記対物レンズに遠すぎる位置にあることが検出できる。
前記検出は、前記反射光を4分割し、前記結像の対角領域の明るさを比較することにより検出する。
−フーコー法−
前記フーコー法は、前記非点収差を用いる方法と、前記ビームスプリッターなどを配置し反射光を取り出し、該反射光をシリンドリカルレンズを透過するところまでは同じ構成を用いる。該シリンドリカルレンズにより透過した反射光が結像する部分にプリズムを用い、該プリズムの頂角に結像した場合は、前記焦点距離は一致し、該頂角を通過して結像した場合は、前記光記録媒体が前記対物レンズに近すぎる位置にあり、該頂角の手前で結像した場合は、前記光記録媒体が前記対物レンズに遠すぎる位置にあることが検出できる。前記検出は、2分割された前記反射光に対して1個づつセンサを配置し、前記2分割された反射光の明るさを感知し、前記結像位置を検出することができる。
−臨界角法−
前記臨界法は、被検出ディスクに形成されている記録層の再生しようとする位置と、前記再生光の焦点の位置とのずれを検出する。即ち、焦点距離(対物レンズの中心と前記再生光の焦点との距離)と、前記対物レンズの中心から前記記録層の再生しようとする部分まで距離とのずれを検出する。光源から出射される光線が対物レンズを通過し光記録媒体に照射される光路における、前記光源から前記対物レンズの中間に、入射する光束の中心の光線に対して、入射角がちょうど臨界角(入射する光線がプリズムの境界面で全部反射される角度)となるプリズムを配置し、該プリズムから前記反射光を取り出し、該反射光の明暗感知することにより焦点位置を検出する。前記光記録媒体が前記対物レンズに近すぎたり、遠すぎたりする場合、前記プリズムで反射する反射光は光量が減ることを利用し、遠近を+−の極性で判別することにより、前記焦点位置を検出することができる。
前記トラッキング制御及びフォーカス制御の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーボ機構などが挙げられる。
前記サーボ機構としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記移動量を、フォーカス誤差信号として生成し、前記信号を増幅する位相補償ドライブアンプなどを経由して、駆動装置へ指令し前記対物レンズの位置を移動することにより焦点距離を制御する機構などが挙げられる。
前記駆動装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクチュエータ、ステッピングモータなどが挙げられる。
前記サーボ用光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記情報光及び参照光とは異なる波長が好ましい。具体的には、350〜500nm、620〜700nm、及び750〜1,000nmのいずれかであるのが好ましく、390〜440nm、640〜690nm、及び770〜900nmのいずれかであるのがより好ましく、400〜420nm、650〜680nm、及び780〜830nmのいずれかであるのが更に好ましく、これらの中でも、405、650、780nmのいずれかであるのが特に好ましく、405nmであるのが最も好ましい。
前記サーボピットパターンのトラックピッチとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーボ用光の波長が620〜700nmの場合、前記トラックピッチは0.85〜30μmが好ましく、1.1〜20μmがより好ましく、1.3〜10μmが特に好ましく、1.5〜2μmが最も好ましい。前記トラックピッチが0.85μm未満であると、記録層の途中の光の散乱でトラッキングが不安定になることがあり、30μmを超えると記録密度が下がることがある。
前記サーボ用光の波長が750〜1,000nmの場合、前記トラックピッチは1.7〜30μmが好ましく、1.9〜20μmがより好ましく、2.3〜5μmが特に好ましい。前記トラックピッチが1.7μm未満であると、記録層の途中の光の散乱でトラッキングが不安定になることがあり、30μmを超えると記録密度が下がることがある。
前記サーボ用光の波長が350〜500nmの場合、前記トラックピッチは0.4〜30μmが好ましく、0.6〜20μmがより好ましく、0.8〜5μmが特に好ましく、1〜2μmが最も好ましい。前記トラックピッチが0.4μm未満であると、記録層の途中の光の散乱でトラッキングが不安定になることがあり、30μmを超えると記録密度が下がることがある。
前記サーボ用光の波長が405nm近傍の場合、前記トラックピッチは0.32〜0.4μmが好ましい。
前記サーボピットパターンの溝深さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーボ用光の波長をλとすると、前記溝深さは、λ/(10n)〜λ/(3n)が好ましく、λ/(8n)〜λ/(4n)がより好ましく、λ/(7n)〜λ/(5n)が更に好ましい。nは、サーボピットパターンのピット部の媒体屈折率、即ち、ピット部の光入射面側の材料の屈折率を表す。
前記λが650nmであり、nが1.6の場合は、前記溝深さは41〜135nmが好ましい。通常、nが多少変動したとしても、650nmの場合、50〜120nmが好ましく、60〜110nmがより好ましく、80〜100nmが特に好ましい。他の波長の場合は、前記溝深さは、波長に比例した値であることが好ましい。例えば、サーボ用光の波長が780nmであり、nが1.6の場合は、49〜163nmが好ましく、前記サーボ用光の波長が405nmであり、nが1.6の場合は、25〜84nmが好ましい。
前記サーボピットパターンの溝幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のCD、DVD、BD・HD DVDの幅よりは広いことが好ましい。具体的には、前記サーボ用光の波長が650nmの場合は、0.25〜1.05μmが好ましく、0.35〜0.95μmがより好ましく、0.45〜0.85μmが特に好ましく、0.55〜0.75が最も好ましい。
前記サーボ用光の波長が780nmの場合は、0.45〜2μmが好ましく、0.6〜1.6μmがより好ましく、0.8〜1.3μmが特に好ましく、1.0〜1.1が最も好ましい。
前記サーボ用光の波長が405nmの場合は、0.2〜1.0μmが好ましく、0.25〜0.8μmがより好ましく、0.3〜0.6μmが特に好ましく、0.35〜0.5が最も好ましい。
前記サーボピットパターンの角度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、25〜90度が好ましく、35〜80がより好ましく、40〜70が特に好ましく、45〜60が最も好ましい。なお、前記角度が90度の場合は、パターン形状が矩形となる。
(光再生方法)
本発明の光再生方法は、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備え、該記録層に情報光及び参照光を照射して干渉像を形成した光記録媒体の前記干渉像に対して、前記参照光と同じ再生光を前記干渉像に照射し、該干渉像に対応した記録情報として、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する回折光を生成し、CCDなどにより受光して、該干渉像に基づいて記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像と一致するように前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行い、必要に応じて、サーボ制御など、適宜選択したその他の方法を含むことが特徴である。
本発明の光再生方法としては、前記情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われるいわゆるコリニア方式の光記録媒体の光再生方法に用いられることが好ましい。以下コリニア方式を用いた場合について主に説明するが、コリニア方式に限定されず、それ以外の2光束干渉法による光記録媒体についても、本発明の光再生方法を用いることができる。
前記再生光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記記録方法における参照光と同一のものが好適に用いられる。
本発明の光再生方法では、シフト多重記録の再生時における、前述の問題点、即ち、再生光の照射角度や光軸方向における焦点距離が、光記録媒体、光再生装置、及び設置環境の温度変化、湿度変化、気圧の変化、機械的な外力などの影響により、ずれたり、歪んだりすると検出器により検出される真正干渉像からずれた再生干渉像となってしまい、正確な再生ができないという問題点を改善するため、再生した再生干渉像が真正干渉像と一致するように該再生干渉像を補正して再生することが特徴である。
<温度制御>
前記温度制御としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記再生干渉像の真正干渉像に対する縮小率、拡大率、回折光受光部の面方向及び該面と垂直方向の位置ずれ、変形率並びにそれらの複合からなる歪の少なくともいずれかの情報を検出し、検出された該情報に基づいて前記光記録媒体の表面近傍の温度を制御するものであってもよい。この場合、前記再生干渉像の真正干渉像に対する縮小率などの歪情報に基づいた温度制御が行われるので、温度変化だけでなく、湿度変化、気圧の変化、機械的な外力などによる再生精度の低下をも抑制でき、高精度な再生が可能となる。
また、本発明の前記光記録方法により記録された光記録媒体の再生を行う場合には、前記光記録方法での記録時の温度となるよう温度制御するのが好ましく、再生干渉像の真正干渉像に対する縮小率などを検出する必要がなく、より簡易な再生が可能となる。
−歪情報に基づく温度制御−
前記歪情報に基づく温度制御としては、具体的には、図1のフローチャートに示すように、ホログラム記録がなされている光記録媒体に対して、再生光を照射すると、記録されているホログラム、即ち、干渉像から回折光が生成されるので、該回折光を検出器で検出する。次に、該回折光に基づく再生干渉像と基準となる真正干渉像とが一致しているかを判定する。一致している場合には、該干渉像からなる画像をデコードし記録情報を再生する。この場合には、適正な干渉像が再現されているので温度制御を行わなくても、良好な再生が得られる。
他方、前記再生干渉像と真正干渉像とが一致していない場合は、縮小、拡大、変形及び位置ずれなどの情報を検出する。この情報に基づいて、温度制御すべき値を演算処理する。温度制御すべき値が演算処理により求まったら、該値に基づいて、温度制御し再生干渉像と真性干渉像とを一致させることが可能か判定する。可能な場合には、加熱、冷却とその所要時間を演算処理する。その演算結果に基づいて、加熱部による加熱又は冷却部による冷却を行って温度制御を実行する。該温度制御により、再生干渉像と真性干渉像とか一致していることを確認し、該干渉像からなる画像をデコードし記録情報を再生する。
このように、光記録媒体に対する温度制御がなされるので、良好な再生が効果的に得られ、かつ極めて良好なノイズのない再生が得られる。そのため、フォーカスサーボやトラッキングサーボの必要がなくなり極めて効率的に再生することができる。
−記録時の温度に基づく温度制御−
前記光記録媒体の記録時の温度に基づく温度制御としては、本発明の前記光記録方法で記録した際の温度とほぼ同一となるよう行うのが好ましく、参照光の入射角のずれなどを抑制して、記録時の情報とほぼ同一の高精度な再生が可能となる。
前記温度制御としては、本発明の前記光記録方法で述べたように、光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう、加熱部による加熱又は冷却部による冷却により、行われるのが好ましい。
前記使用温度の定義、該使用温度に対応した温度制御の方法、表面近傍での温度制御の方法などは、前述の本発明の前記光記録方法で記載したとおりである。
また、この場合も、光記録媒体の表面又は表面近傍の温度を常時温度センサにより測定して、一定温度に保たれるよう、フィードバック制御を行うことにより、再生画像の安定性を向上させることができる。
−温度センサ、加熱部、及び冷却部−
本発明の光再生方法で用いる前記温度センサ、加熱部、及び冷却部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述の本発明の前記光記録方法で用いたものと同様のものを用いることができる。
また、前記温度センサ、加熱部、及び冷却部の配置関係としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述の本発明の前記光記録方法と同様の配置関係とすることができる。
<歪情報の検出>
前記歪情報の検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真正の干渉像を基準として用い、データ信号を抽出する画像処理方法、データ信号の波形を成形する信号処理方法、データ信号をデコードする演算処理方法、などが挙げられる。これらは、通常はコンピュータ処理により行われる。
<再生干渉像のずれ等の検出と補正量の算出>
前記再生干渉像のずれ等の歪情報の検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記縮小率、拡大率、位置ずれ、変形率並びにそれらの複合からなる歪情報により検出する方法が挙げられる。
検出した歪を位置ずれで表す場合、例えば、前記検出器受光部の縦方向をY軸、横方向をX軸、前記検出器受光部面に垂直な方向をZ軸とした場合、前記位置ずれとして、(X軸方向のずれ,Y軸方向のずれ,Z軸方向のずれ)、例えば、(−0.5bit,0.3bit,−0.2bit)、(−5nm,3nm,−0.2nm)などのように表すことができる。そして、この位置ずれ量を百分率(%)で表す場合、前記画素のずれ量を、画素ピッチ(情報の記録ピッチ)で除算することにより、位置ずれ(%)を算出することができる。
更に、前記Z軸を中心とする回転方法のY軸からの角度をθ(rad)とした場合、前記歪を、角度θ(例えば、0.5°)のように、角度変化量で表してもよいが、結局、前記回折光受光部面のX軸及びY軸方向の位置ずれとして処理することができ、特別に角度変化量として検出しなくてもよい。
また、前記歪を縮小率及び拡大率を百分率(%)で表す場合、前記真正干渉像の面積に対する再生干渉像の面積の増減割合〔(再生干渉像の面積−真正干渉像の面積)/真正干渉像の面積〕を縮小率及び拡大率として表すことができる。例えば、真正干渉像の面積を100とした場合、再生干渉像の面積が90である場合は、−10%(縮小率)と表すことができる。また、再生干渉像の面積が120である場合は、20%(拡大率)と表すことができる。また、縮小率及び拡大率を、真正干渉像の面積を1とし、再生干渉像の面積の増減を、例えば、0.1などのような比率で表すことができる。
また、前記歪を変形率で表す場合、該変形率は、例えば、前記真正干渉像の各画素の座標をDmn(xmn、ymn)、前記再生干渉像の各画素の座標ををDmn(x’mn、y’mn)とした場合、下記計算式で求めることができる。
前記歪情報の検出の対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回折光の強度(W/cm)、SNR(信号とノイズとの比)、再生信号のエラー数などが挙げられる。
また、情報の検出方法としては、データ信号を抽出する画像処理方法、データ信号の波形を成形する信号処理方法、データ信号をデコードする演算処理方法、などが挙げられる。以下、詳細に説明する。
前記回折光の強度(W/cm)に基づく検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトダイオード、CCD、CMOSなどを用いた検出方法が挙げられる。
前記フォトダイオードを用いた検出方法としては、具体的には、光路の一部に光分岐ミラーを設置し、フォトダイオードに前記光分光ミラーからの分岐光を入射させることにより、回折光の強度を検出することができる。
前記回折光の強度の分布をもとに、歪量を検出する。
前記検出方法としては、更に、画像データから演算する検出方法が挙げられ、具体的には、画像データを検出する素子そのものに当たる光量の分布を、該画像データを演算することにより求め、該光量の分布により歪量を検出する方法である。前記算出された光量の分布をもとに、そのピーク値の位置により、歪量を検出する。
前記回折光の強度に基づく検出方法の中でも、画像データから演算する検出方法を用いるのが、機器を簡略化できるので好ましい。
前記SNRに基づく検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、画像データから演算する、SNR検出器を設ける、などの方法が挙げられる。
前記画像データから演算する検出方法としては、画像データをデコードし、その際のエラー数を演算することにより歪量を検出することができる。
前記SNR検出器を設けた検出方法としては、画像データの明暗を判定する基準値を設け、その基準値と画像データとを比較し、Signal量とNoise量を計算し、その比率から、歪量を検出することができる。
前記SNRに基づく検出方法の中でも、画像データから演算する検出方法を用いるのが、機器を簡略化できる点で好ましい。
前記再生信号のエラー数に基づく検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、画像データから演算する検出方法などが挙げられる。
具体的には、画像データをデコードし、その際のエラー数を演算することにより、歪量を検出することができる。
<サーボ制御>
前記サーボ制御は、前記光記録媒体にサーボ用光を照射し、該光記録媒体からの回折光を受光することにより、再生の位置決め(トラッキングサーボ)や、焦点距離の調整(フォーカスサーボ)、その他のサーボ制御を行うものであり、通常は、前記再生の際に、再生と同時進行で行われる(即ち、サーボをしながら再生が行われる)。
前記トラッキングサーボの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、本発明の前記光記録方法と同様の方法を用いることができる。
(光記録再生装置)
本発明の前記光記録方法は、本発明の光記録装置により行われる。
本発明の前記光記録方法は、本発明の光記録装置により行われる。
前記光記録方法及び光再生方法に使用される光記録装置及び光再生装置について図22を参照して説明する。
図22は、本発明に係る光記録再生装置の全体構成図である。なお、当該光記録再生装置は、前記光記録装置と前記光再生装置を含んでなり、光記録媒体への記録及び再生が可能である。
前記光記録再生装置100は、光記録媒体21が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光記録媒体21の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、光記録媒体21に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、光記録媒体21に対して再生光を照射し、回折光を検出して、光記録媒体21に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31を光記録媒体21の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。更に、前記再生光を受光し、真正干渉像に対する再生干渉像のずれ、縮小及び拡大などの歪量を算出するための、演算処理回路などからなる歪量算出処理装置(不図示)を備えている。
前記光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)を光記録媒体21の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光記録媒体21の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31を光記録媒体20の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
前記光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、光記録媒体21のデータエリアに記録されたデータを再生し、前記歪量を補正するデータ補正回路(不図示)、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別するための信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。
前記コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88などを制御するようになっている。前記スピンドルサーボ回路83は、前記信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
(光記録媒体)
本発明の前記光記録方法及び本発明の前記光再生方法に用いられる光記録媒体は、支持体上に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層及び必要に応じて適宜選択したその他の層を有する光記録媒体である。
本発明の光記録媒体は、2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラムであってもよく、透過型及び反射型のいずれであってもよい。また、ホログラムの記録方式もいずれであってもよく、例えば、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなどでもよい。
本発明の光記録媒体は、少なくとも第一の基板と、第二の基板と、該第二の基板上に記録層と、前記第二の基板と該記録層との間にフィルタ層とを有し、情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われるコリニア方式に用いられる光記録媒体が好ましい。
<第一の基板>
前記第一の基板としては、その形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記光記録媒体の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
前記第一の基板の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができるが、光記録媒体の機械的強度を確保できるものであり、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する透過型の場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要であり、光透過率としては、70〜99.9%が好ましく、80〜99%がより好ましく、90〜98%が特に好ましい。前記光透過率が、70%未満であると、信号の読み取り精度が低下することがあり、また前記光透過率は高いほど好ましいが、99.9%以上を求めると、生産効率が低下することがある。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。これらの中でも、精度の点から、ガラスが好適である。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロースなどのアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂が好ましい。
前記第一の基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記第一の基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターなどにより回転して用いる場合には、過剰な負荷をかけることがある。
<第二の基板>
前記第二の基板は、その形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、光記録媒体の機械的強度を確保できる材料のものを選定する必要がある。また、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記第二の基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。また、精度の点から、ガラスも好適である。
前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂が特に好ましい。
前記第二の基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記第二の基板には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)などによって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォブルピットを用いることができる。なお、光記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くてもよい。
また、サーボピットパターンの詳細については、前述したとおりである。
前記第二の基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷をかけることがある。
−反射膜−
前記反射膜は、前記基板のサーボピットパターン表面に形成される。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質などの点で優れている。
前記反射膜の厚さとしては、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
<記録層>
前記記録層は、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものであり、所定の波長の電磁波(γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など)を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料が用いられる。
前記記録層の材料は、光熱変換材料、感光性樹脂、バインダー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分が含まれる。
−感光性樹脂−
前記感光性樹脂としては、ホログラフィに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトポリマーが好ましい。
−−フォトポリマー−−
前記(1)のフォトポリマーとしては、光照射で重合反応が起こり高分子化するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、及び光開始剤を含有してなり、更に必要に応じて増感剤、オリゴマーなどのその他の成分を含有してなる。
前記フォトポリマーとしては、例えば、「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会、1989年)、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業新聞社、1989年)、SPIE予稿集 Vol.3010 p354−372(1997)、及びSPIE予稿集 Vol.3291 p89−103(1998)に記載されているものを用いることができる。また、米国特許第5,759,721号明細書、同第4,942,112号明細書、同第4,959,284号明細書、同第6,221,536号明細書、米国特許第6,743,552号明細書、国際公開第97/44714号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、同第99/26112号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、特許第2880342号公報、同第2873126号公報、同第2849021号公報、同第3057082号公報、同第3161230号公報、特開2001−316416号公報、特開2000−275859号公報などに記載されているフォトポリマーを用いることができる。
前記フォトポリマーに記録光を照射して光学特性を変化させる方法としては、低分子成分の拡散を利用した方法などが挙げられる。また、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。なお、前記低分子成分を含むフォトポリマーを用いて記録層を形成する場合には、記録層中に液体を保持可能な構造を必要とすることがある。また、前記酸開裂構造を有する化合物を添加する場合には、その開裂によって生じる膨張と、モノマーの重合によって生じる収縮とを補償させることにより体積変化を抑制してもよい。
前記モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマー、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、単官能であっても多官能であってもよい。また、光架橋反応を利用したものであってもよい。
前記ラジカル重合型のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾール、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(M1)〜(M6)で表される化合物、などが挙げられる。
これらのモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応などを引き起こす材料などが挙げられる。
前記光開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)、ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム〕、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用してもよい。
前記記録層の貯蔵安定性を改良する目的でフォトポリマーの重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。重合禁止剤、酸化防止剤としては例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシヤリ−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。使用量としては組成物に使用するモノマーの全量に対して3質量%以内であり、3質量%を超えると重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなる。
前記フォトポリマーは、前記モノマー、前記光開始剤、更に必要に応じてその他の成分を攪拌混合し、反応させることによって得られる。得られたフォトポリマーが十分低い粘度ならばキャスティングすることによって記録層を形成することができる。一方、キャスティングできない高粘度フォトポリマーである場合には、ディスペンサーを用いて第二の基板にフォトポリマーを盛りつけ、このフォトポリマー上に第一の基板で蓋をするように押し付けて、全面に広げて記録層を形成することができる。
前記フォトポリマー以外の有用な感光性樹脂としては、(1)フォトリフラクティブ効果(光照射で空間電荷分布が生じて屈折率が変調する)を示すフォトリフラクティブ材料、(2)光照射で分子の異性化が起こり、屈折率が変調するフォトクロミック材料、(3)ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウムなどの無機材料、(4)カルコゲン材料、などが挙げられる。
前記(1)のフォトリフラクティブ材料としては、フォトリフラクティブ効果を示すものであるならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生材、及び電荷輸送材を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、又はそれらの誘導体などのフタロシアニン色素/顔料;ナフタロシアニン色素/顔料;モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ系色素/顔料;ペリレン系染料/顔料;インジゴ系染料/顔料;キナクリドン系染料/顔料;アントラキノン、アントアントロンなどの多環キノン系染料/顔料;シアニン系染料/顔料;TTF−TCNQで代表されるような電子受容性物質と電子供与性物質とからなる電荷移動錯体;アズレニウム塩;C60及びC70で代表されるフラーレン並びにその誘導体であるメタノフラーレン、などが挙げられる。これらの電荷発生材は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送材は、ホール又はエレクトロンを輸送する材料であり、低分子化合物であってもよく、又は高分子化合物であってもよい。
前記電荷輸送材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インドール、カルバゾール、オキサゾール、インオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサアジアゾール、ピラゾリン、チアチアゾール、トリアゾールなどの含窒素環式化合物、又はその誘導体;ヒドラゾン化合物;トリフェニルアミン類;トリフェニルメタン類;ブタジエン類;スチルベン類;アントラキノンジフェノキノンなどのキノン化合物、又はその誘導体;C60及びC70などのフラーレン並びにその誘導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどのπ共役系高分子又はオリゴマー;ポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系高分子又はオリゴマー;アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フォトリフラクティブ材料を用いて記録層を形成する方法としては、例えば、前記フォトリフラクティブ材料を溶媒中に溶解乃至は分散させてなる塗布液を用いて塗膜を形成し、この塗膜から溶媒を除去することにより記録層を形成することができる。また、加熱して流動化させた前記フォトリフラクティブ材料を用いて塗膜を形成し、この塗膜を急冷することにより記録層を形成することもできる。
前記(2)のフォトクロミック材料としては、フォトクロミック反応を起こす材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、インジゴ化合物、チオインジゴ化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、フルキド化合物、アントラセン化合物、ヒドラゾン化合物、桂皮酸化合物、ジアリールエテン化合物などが挙げられる。これらの中でも、光照射によりシス−トランス異性化により構造変化を起こすアゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、光照射により開環−閉環の構造変化を起こすスピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物が特に好ましい。
前記(4)のカルコゲン材料としては、例えば、カルコゲン元素を含むカルコゲナイドガラスと、このカルコゲナイドガラス中に分散されており光の照射によりカルコゲナイドガラス中に拡散可能な金属からなる金属粒子とを含む材料、などが挙げられる。
前記カルコゲナイドガラスは、S、Te又はSeのカルコゲン元素を含む非酸化物系の非晶質材料から構成されるものであり、金属粒子の光ドープが可能なものであれば特に限定されない。
前記カルコゲン元素を含む非晶質材料としては、例えば、Ge−S系ガラス、As−S系ガラス、As−Se系ガラス、As−Se−Ce系ガラスなどが挙げられ、これらの中ではGe−S系ガラスが好ましい。前記カルコゲナイドガラスとしてGe−S系ガラスを用いる場合には、ガラスを構成するGe及びSの組成比は照射する光の波長に応じて任意に変化させることができるが、主としてGeSで表される化学組成を有するカルコゲナイドガラスが好ましい。
前記金属粒子は、光の照射によりカルコゲナイドガラス中に光ドープされる特性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、Au、Cu、Cr、Ni、Pt、Sn、In、Pd、Ti、Fe、Ta、W、Zn、Agなどが挙げられる。これらの中では、Ag、Au又はCuが光ドープをより生じやすい特性を有しており、Agは光ドープを顕著に生じるため特に好ましい。
前記カルコゲナイドガラスに分散されている金属粒子の含有量としては、前記記録層の全体積基準で0.1〜2体積%が好ましく、0.1〜1.0体積%がより好ましい。前記金属粒子の含有量が、0.1体積%未満であると、光ドープによる透過率変化が不充分となって記録の精度が低下することがあり、2体積%を超えると、記録材料の光透過率が低下して光ドープを充分に生じさせることが困難となることがある。
−バインダー−
前記バインダーは、塗膜性、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものであり、ホログラム材料および光熱変換物質との相溶性、を考慮して適宜選択される。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸などの不飽和酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルスチレンなどとの共重合体;ポリメチルメタクリレートに代表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレンなどとの共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデンとの共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロース変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/又はキシレノールとアルデヒド、アセトンなどとの縮合反応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポリ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオキシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトロセルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール;エポキシ樹脂;メラミン樹脂;フォルマリン樹脂などが挙げられる。なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
前記記録層の固形分中のバインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜95質量%であることが好ましく、35〜90質量%であれることがより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、安定な干渉像が得られないことがあり、95質量%を超えると、回折効率の点で望ましい性能が得られないことがある。
前記バインダーの感光層中における含有量は、全感光層固形分中、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。
−記録層に含まれるその他の成分−
本発明においては、光熱変換効果を向上させる目的で、ニトロセルロースを記録層中に更に含有させることが好ましい。ニトロセルロースは、近赤外レーザ光を光吸収剤が吸収し発生した熱により分解し、効率よくフォトポリマーの重合反応を促進させることができる。
前記ニトロセルロースは、常法により精製した天然のセルロースを混酸で硝酸エステル化し、セルロースの構成単位であるグルコピラノース環に存在する3個の水酸基の部分にニトロ基を一部又は全部導入することによって得ることができる。前記ニトロセルロースの硝化度としては、2〜13が好ましく、10〜12.5がより好ましく、11〜12.5が更に好ましい。ここで、硝化度とは、ニトロセルロース中の窒素原子の質量%を表す。硝化度が著しく高いと、フォトポリマーの重合反応の促進効果は高められるが、室温安定性が低下する傾向にある。また、ニトロセルロースが爆発性となり危険が伴う。硝化度が著しく低いと、フォトポリマーの重合反応の促進効果が充分得られない。
また、ニトロセルロースの重合度は20〜200が好ましく、25〜150がより好ましい。重合度が著しく高いと、記録層の除去が不完全となる傾向にある。重合度が著しく低いと、記録層の塗膜性が不良になる傾向にある。ニトロセルロースの記録層中における含有率は、記録層全固形成分に対して0〜80質量%が好ましく、0.5〜50質量%がより好ましく、1〜25質量%が更に好ましい。
前記記録層は、材料に応じて公知の方法に従って形成することができ、例えば、蒸着法、湿式成膜法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、分子積層法、LB法、印刷法、転写法などにより好適に形成することができる。また、米国特許6,743,552号明細書に記載されている2成分ウレタンマトリックス形成方法でもよい。
前記湿式成膜法による前記記録層の形成は、例えば、前記記録層材料を溶剤に溶解乃至分散させた溶液(塗布液)を用いる(塗布し乾燥する)ことにより、好適に行うことができる。該湿式成膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法などが挙げられる。
前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重記録を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
<フィルタ層>
前記フィルタ層は、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能がある。前記光記録媒体に前記フィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録が得られる。
前記フィルタ層の機能は、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の波長の光を反射することが好ましく、前記第一の光の波長が350〜600nmであり、かつ第二の光の波長が600〜900nmであることが好ましい。そのためには、光学系側から見て、記録層、フィルタ層、及びサーボビットパターンの順に積層されている構造の光記録媒体であることが好ましい。
また、前記フィルタ層は、入射角度±40°における、655nmでの光透過率が50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、かつ532nmでの光反射率が30%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。
前記フィルタ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック液晶層、更に必要に応じてその他の層の積層体により形成される。また色材含有層を有していてもよい。
前記フィルタ層は、直接記録層など共に、前記支持体上に塗布などにより積層してもよく、フィルムなどの基材上に積層して光記録媒体用フィルタを作製し、該光記録媒体用フィルタを、支持体上に積層してもよい。
−誘電体蒸着層−
前記誘電体蒸着層は、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなり、波長選択反射膜とするためには、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数回積層することが好ましいが、2種以上に限定されず、それ以上の種類であってもよい。また色材含有層を設ける場合は、誘電体蒸着層の下に形成する。
前記積層数は、2〜20層が好ましく、2〜12層がより好ましく、4〜10層が更に好ましく、6〜8層が特に好ましい。前記積層数が、20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記誘電体薄膜の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。前記屈折率が高いか低いかを決めるしきい値としては1.8が好ましい。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用してもよい。
前記高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrOなどが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、これらの中でも、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOがより好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThFなどが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、これらの中でも、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、及びSiがより好ましい。
なお、前記誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビームなどの真空蒸着法、スパッタリングなどの物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリングが好ましく、スパッタリングがより好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長λオーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8が特に好ましい。
−色材含有層−
前記色材含有層は、色材、バインダー樹脂、溶剤及び必要に応じてその他の成分により形成される。
前記色材としては、顔料及び染料の少なくともいずれかが好適に挙げられ、これらの中でも、532nmの光を吸収し、655nm若しくは780nmのサーボ光を透過させる観点から、赤色染料、赤色顔料が好ましく、赤色顔料が特に好ましい。
前記赤色染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289等の酸性染料;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112等の塩基性染料;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97等の反応性染料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記赤色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド48:1、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメントレッド146)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメントレッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメントレッド81)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、532nmの光に対する透過率が10%以下であり、かつ655nmの光に対する透過率が90%以上である透過スペクトルを示す赤色顔料が特に好ましく用いられる。
前記色材としては、更に、下記に示す有機色素材料も好適に用いることができる。
前記有機色素材料は、前記レーザ光を照射した部分の色素が変化する材料であり、色素変化を利用してデータなどの情報を記録することができる。
前記有機色素材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、及びオキソノール色素から選択される少なくともいずれか1種を含むのが好ましい。
より具体的には、例えば、記録に用いるレーザ光の波長が780nmの場合、シアニン色素、フタロシアニン色素などが好ましい。前記波長が650nmの場合、アゾ色素、オキソノール色素などが好ましい。前記波長が405nmの場合、シアニン色素、フタロシアニン色素などが好ましい。
前記オキソノール色素の具体例としては、F.M.Harmer著、Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds、John&Wiley&Sons、New York、London、1964年刊に記載のもの等が挙げられる。このようなオキソノール色素の中でも、下記一般式(1)で表される構造ものが好ましい。
前記一般式(1)中、Za1及びZa2は、各々独立に酸性核を形成する原子群を表す。Za1、Za2の具体例は、「James編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁」により定義される。
具体的には、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2又は4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、5,6員の炭素環(例えば、インダン−1,3−ジオン)、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、3−ジシアノメチリデニル−3−フェニルプロピオニトリル、メルドラム酸などの核などが挙げられる。これらの中でも、ピラゾール−5−オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンが好ましい。
Ma1、Ma2、Ma3は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表す。Ma1、Ma2、Ma3を置換する置換基は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、シアノ基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のカルバモイル基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換又は無置換のスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、置換又は無置換のスルフィニル基及び置換又は無置換のスルファモイル基を表す。
上記置換基としては、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は無置換の炭素数2〜20のヘテロ環基、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子が好ましく、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数2〜10ヘテロ環基、ハロゲン原子がより好ましく、無置換の炭素数1〜5のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数2〜6のヘテロ環基及びハロゲン原子が特に好ましい。
前記Ma1、Ma2、Ma3は、無置換のメチン基、又は無置換の炭素数1〜5のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数2〜6のヘテロ環基及びハロゲン原子で置換されたメチン基が好ましい。
前記kaは、0から3までの整数を表わし、より好ましくは1又は2の整数を表す。kaが2以上のとき、複数存在するMa1、Ma2は同じでも異なってもよい。
前記一般式(1)中のQは、電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要なQの数を表す。
ある化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するか否かは、その化合物の置換基に依存する。一般式(1)においてQで表されるイオンは、対する色素分子の電荷に応じて、陽イオンを表す場合と、陰イオンを表す場合があり、また、色素分子が無電荷の場合には、Qは存在しない。Qとして表されるイオンには特に制限は無く、無機化合物よりなるイオンであっても、有機化合物よりなるイオンであってもよい。また、Qとして表されるイオンの電荷は1価であっても多価であってもよい。
前記Qで表される陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような金属イオン、4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、セレノニウムイオン、ヨードニウムイオンなどのオニウムイオンが挙げられる。
一方、Qで表される陰イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオンのようなハロゲン陰イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオンなどのヘテロポリ酸イオン、琥珀酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、芳香族ジスルホン酸イオンのような有機多価陰イオン、四フッ化ホウ酸イオン、六フッ化リン酸イオンなどが挙げられる。
前記Qで表される陽イオンとしては、オニウムイオンが好ましく、4級アンモニウムイオンがより好ましい。4級アンモニウムイオンの中でも、特開2000−52658号公報の一般式(I−4)で表される4,4’−ビピリジニウム陽イオン及び特開2002−59652号公報に開示されている4,4’−ビピリジニウム陽イオンがより好ましい。
前記一般式(1)で表される色素の中でも、Qで表されるイオンとしては、下記一般式(2)で表される構造であるものが好ましい。
前記一般式(2)中、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R19、R20は、各々独立に水素原子又は、1価の置換基を表す。R13、R18は、各々独立に、1価の置換基を表す。
前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。
前記一般式(1)等で示されるオキソノール色素は、単独で用いてもよく、あるいは二種以上を併用してもよい。また、既述のオキソノール色素とこれ以外の色素化合物とを併用してもよい。併用する色素は、アゾ色素(金属イオンとの錯体化したものを含む)、ピロメテン色素、シアニン色素等が例として挙げられる。
前記有機色素材料に用いられる色素としては、熱分解温度が100〜350℃の範囲にあるものが好ましく、150〜300℃の範囲にあるものがより好ましく、200℃から300℃の範囲にあるものが特に好ましい。
前記色素(「既述のオキソノール色素」又は「既述のオキソノール色素及びこれと併用する色素」)のアモルファス膜の光学特性上、複素屈折率の係数n(実部:屈性率)、k(虚部:消衰係数)は、2.0≦n≦3.0、0.005≦k≦0.30が好ましく、2.1≦n≦2.7、0.01≦k≦0.15がより好ましく、2.15≦n≦2.50、0.03≦k≦0.10が特に好ましい。
前記色材の含有量としては、前記色材含有層の全固形質量に対し0.05〜90質量%が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましい。前記含有量が0.05質量%未満であると、色材含有層の厚みが500μm以上必要となってしまうことがあり、90質量%を超えると、色材含有層の自己支持性がなくなり、色材含有層の作製工程中に膜が崩れてしまうことがある。
前記色材含有層に用いるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコール、マレイン酸及びアクリル酸の少なくともいずれかとの共重合体;塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体;塩化ビニル/アクリロニロリル共重合体;エチレン/酢酸ビニル共重合体;ニトロセルロース樹脂等のセルロース誘導体;ポリアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、分散性及び耐久性を更に高めるため、以上に挙げたバインダー樹脂分子中に、極性基(エポキシ基、COH、OH、NH、SOM、OSOM、PO、OPO(ただし、Mは水素原子、アルカリ金属、又はアンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい)を導入したものが好ましい。該極性基の含有量としては、バインダー樹脂1グラム当り10−6〜10−4当量が好ましい。
以上列挙したバインダー樹脂は、イソシアネート系の公知の架橋剤を添加して硬化処理されることが好ましい。
前記バインダー樹脂の含有量としては、前記色材含有層の全固形質量に対し10〜99.95質量%が好ましく、30〜99.9質量%がより好ましい。
前記各成分は、適当な溶媒に溶解乃至は分散し、塗布液に調製し、この塗布液を所望の塗布方法により後述する基材上に塗布することにより、色材含有層を形成することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステル等のアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法、などが挙げられる。
前記色材含有層の厚みは、例えば、0.5〜200μmが好ましく、1.0〜100μmがより好ましい。前記厚みが、0.5μm未満であると、色材を包んで膜とするためのバインダー樹脂を十分な量添加することができなくなることがあり、200μmを超えると、光記録媒体の厚みが大きくなりすぎて、照射光及びサーボ光の光学系として過大なものが必要になることがある。
−コレステリック液晶層−
前記コレステリック液晶層は、少なくとも、コレステロール誘導体、又はネマチック液晶化合物及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記コレステリック液晶層は、単層コレステリック液晶層及び2層以上の複数層コレステリック液晶層のいずれであってもよい。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。このコレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。
前記光記録媒体用フィルタは、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常の光記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。このためにはコレステリック液晶層の選択反射波長幅が大きいことが好ましい。
具体的には、単層コレステリック液晶層の場合には、コレステリック液晶層の選択反射波長領域幅Δλは、下記数式1で表されることから、(ne−no)の大きな液晶を用いることが好ましい。
<数式1>
Δλ=2λ(ne−no)/(ne+no)
ただし、前記数式1中、noは、コレステリック液晶層に含有されるネマチック液晶分子の正常光に対する屈折率を表す。neは、該ネマチック液晶分子の異常光に対する屈折率を表す。λは、選択反射の中心波長を表す。
また、特願2004−352081号明細書記載のように、カイラル化合物として感光性を有し、光によって液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができる光反応型カイラル化合物を用い、該光反応型カイラル化合物の含有量やUV照射時間を調整することにより、螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化した光記録媒体用フィルタを用いることが好ましい。
また、複数層コレステリック液晶層の場合には、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を積層することが好ましい。
前記コレステリック液晶層は、上記特性を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述したように、ネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理などの配向処理を施した配向基板を用いるなどにより配向させ、そのまま冷却などして固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、紫外線(UV)重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−カイラル化合物−
前記カイラル化合物としては、複数層コレステリック液晶層の場合には、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、液晶化合物の色相、色純度改良の観点から、例えば、イソマンニド化合物、カテキン化合物、イソソルビド化合物、フェンコン化合物、カルボン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記カイラル化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Merck社製の商品名S101、R811、CB15;BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC756などが挙げられる。
前記複数層コレステリック液晶層の各液晶層におけるカイラル化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度などの硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマーなどが挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフィン誘導体、チオキサントン/アミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPOなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記増感剤は、必要に応じてコレステリック液晶層の硬化度を上げるために添加される。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
前記増感剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.001〜1.0質量%が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンなどのポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記添加量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステルなどのアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記コレステリック液晶層の形成方法としては、例えば、前記溶媒を用いて調製したコレステリック液晶層用塗布液(複数層の場合には各コレステリック液晶層用塗布液)を前記基材上に塗布し、乾燥させて、例えば、紫外線照射することにより、コレステリック液晶層を形成することができる。
最も量産適性のよい手法としては、前記基材をロール状に巻いた形で準備しておき、該基材上にコレステリック液晶層用塗布液をバーコート、ダイコート、ブレードコート、カーテンコートのような長尺連続コーターにて塗布する形式が好ましい。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、照射紫外線は、160〜380nmが好ましく、250〜380nmがより好ましい。照射時間としては、例えば、0.1〜600秒が好ましく、0.3〜300秒がより好ましい。紫外線照射の条件を調整することによって前記反応性カイラル剤を用いた光コレステリック液晶層における螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に沿って連続的に変化させることができる。
前記紫外線照射の条件を調整するために、前記コレステリック液晶層に紫外線吸収剤を添加することもできる。該紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが好適に挙げられる。これらの紫外線吸収剤の具体例としては、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同第3,707,375号明細書、同第3,754,919号明細書、同第4,220,711号明細書などに記載されている。
前記複数層の場合には各コレステリック液晶層の厚みは、例えば、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、選択反射率が十分でなくなり、10μmを超えると、液晶層の均一配向が乱れてしまうことがある。
また、各コレステリック液晶層の合計厚み(単層の場合にはコレステリック液晶層の厚み)は、例えば、1〜30μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
<コレステリック液晶層を有する光記録媒体用フィルタの製造方法>
前記光記録媒体用フィルタの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光記録媒体用フィルタは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基材ごとディスク形状に加工(例えば、打ち抜き加工)されて、光記録媒体の第二の基板上に配置されるのが好ましい。また、光記録媒体のフィルタ層に用いる場合は、基材を介さず直接第二の基板上に設けることもできる。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。前記基材の厚みが、10μm未満であると、基板の撓みにより密着性が低下することがある。一方、500μmを超えると、情報光と参照光の焦点位置を大きくずらさなければならなくなり、光学系サイズが大きくなってしまうことがある。波長選択膜の貼り合わせには、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
なお、場合によっては、基板上に直接フィルタ層を形成することもできる。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1ギャップ層、第2ギャップ層、反射防止層、保護層などが挙げられる。
−第1ギャップ層−
前記第1ギャップ層は、必要に応じて前記フィルタ層と前記反射膜との間に設けられ、第二の基板表面を平滑化する目的で形成される。また、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するのにも有効である。即ち、前記記録層は、記録用参照光及び情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、前記記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
前記第1ギャップ層は、例えば、サーボピットパターンの上から紫外線硬化樹脂(例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のSD−640など)などの材料をスピンコートなどで塗布し、硬化させることにより形成することができる。また、フィルタ層として透明基材の上に塗布形成したものを使用する場合には、該透明基材が第1ギャップ層としても働くことになる。
前記第1ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
−第2ギャップ層−
前記第2ギャップ層は、必要に応じて、記録層とフィルタ層との間に設けられる。
前記第2ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのような透明樹脂フィルム、又は、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、及び商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記第2ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
−保護層−
前記保護層は、(1)色素含有記録層の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)色素含有記録層の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。前記保護層の材料としては、無機材料又は有機材料が用いられる。前記無機材料としては、例えば、SiO、SiO等も用いることができる。前記有機材料としては、例えば、ポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性樹脂、熱溶融性樹脂、紫外線硬化樹脂なども用いることができる。これらの中でも、生産性に優れた紫外線硬化樹脂が特に好ましい。
前記保護層には、上記色素含有記録層の場合と同様に、目的に応じて更に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
(光記録媒体の製造方法)
前記光記録媒体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、組成物調製工程と、記録層積層工程と、フィルタ層形成工程と、第1ギャップ層形成工程と、積層体形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<組成物調製工程>
前記組成物調製工程は、光記録用組成物を調製する工程であり、モノマー、光開始剤、増感剤、オリゴマー及びバインダーなどからなるフォトポリマー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分を含む光記録用組成物を、溶剤により、溶解、分散、混合などにより調製する。前記調製の条件としては、例えば、温度23℃、湿度10%、低温度乾燥の環境で行われる。
<記録層積層工程>
前記記録層積層工程は、前記フィルタ層上、又は該フィルタ層上に第2ギャップ層が積層されている場合は、該第2ギャップ層上に、ホログラフィにより情報を記録する記録層を積層する工程であり、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物を塗工などにより積層する工程である。
前記記録層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式成膜法や注入法による積層方法などが挙げられる。前記湿式成膜法は、前記記録層材料を溶剤に溶解乃至分散させた溶液(塗布液)を用いる(塗布し乾燥する)ことにより形成する方法であり、該湿式成膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法などが挙げられる。
前記注入法とは、第一基板と第二基板との隙間に、記録層溶液を注入する方法である。外周スペーサ及び内周スペーサを予め第一基板と第二基板で挟み込みディスクセルを作り、前記外周スペーサの一部に切り欠きを設けてその口を注入口として、記録層溶液を注入する。
前記注入法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外周注入法、内周注入法、ギャップ注入法などが挙げられる。
前記注入の条件としては、温度23℃、粘度330mPa・s、0.5MPaの圧力、湿度10%、硬化時間として温度80℃、40分間などが挙げられる。
前記注入装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリンジ、エア圧ディスペンサーなどが挙げられる。
前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
−外周スペーサ−
前記外周スペーサの形状は、外周が光記録媒体の外周形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記外周スペーサの断面形状は、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。図17に示す外周スペーサ37及び内周スペーサ38は、その断面が四角形の一例である。
前記外周スペーサの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記記録層の厚みと略同一の厚みであることが好ましい。具体的には、前記記録層の厚みと同じ100〜1,000μmであることが好ましい。
前記外周スペーサの幅としては、少なくとも0.5mmあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜5mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましく、0.5〜2mmが特に好ましい。前記幅が、0.5mm未満であると、前記記録層の厚みを一定にするための保持機能が機械強度の面や支持面積の面で低下することがあり、5mmを超えるとホログラム記録領域が狭められ、記録容量が損なわれることがある。
前記外周スペーサの材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができるが、成形性やコストの点から前記有機材料が好ましい。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、セラミック、石英、シリコン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロースなどのアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、剥離性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記スペーサの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形型押し出し加工、削り出し加工などが挙げられる。
−内周スペーサ−
前記内周スペーサの形状は、内周が光記録媒体に設けられている開口部の形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記内周スペーサの断面形状は、前記外周スペーサと同じ形状が好ましく、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。
前記内周スペーサの厚みは、前記記録層の厚みの均一性の観点から前記外周スペーサと同一であることが求められる。
前記内周スペーサの幅は、前記記録層の厚みの均一性保持機能の観点、及び記録層の記録領域の確保の観点から前記外周スペーサと同一であってもよく、異なっていてもよい。前記内周スペーサの材料及び製造方法は外周スペーサと異なっていてもよく、同一であってもよい。
<フィルタ層形成工程>
前記フィルタ層形成工程は、本発明の前記光記録媒体用フィルタを光記録媒体形状に加工し、該加工したフィルタを前記第二の基板に貼り合わせてフィルタ層を形成する工程である。ここで、前記光記録媒体用フィルタの製造方法については、上述した通りである。なお、場合によっては、基板上に直接フィルタ層を形成することもできる。例えば、基板上に色材含有層用塗布液を塗布して色材含有層を形成し、該色材含有層上にスパッタリング法により誘電体蒸着膜を形成する方法などが挙げられる。
前記光記録媒体形状としては、ディスク形状、カード形状、などが挙げられ、前記加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレスカッターによる切り出し加工、打ち抜きカッターによる打ち抜き加工、などが挙げられる。前記貼り合わせでは、例えば、接着剤、粘着剤、などを用いて気泡が入らないようにフィルタを基板に貼り付ける。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV硬化型、エマルジョン型、一液硬化型、二液硬化型などの各種接着剤が挙げられ、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
<第1ギャップ層形成工程>
前記第1ギャップ層形成工程は、前記第2の基板と前記フィルタ層との間に、第1ギャップ層を形成する工程である。該第1ギャップ層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第二の基板上に対して、前記スピン塗布による方法、前記非熱軟化性シートを貼付する方法、前記蒸着及び前記スパッタリングなどが挙げられる。
<積層体形成工程>
前記積層体形成工程は、前記記録層積層工程、前記フィルタ層形成工程及び前記第1ギャップ層形成工程により、前記記録層、前記フィルタ層及び第1ギャップ層が形成された第二の基板と、前記第一の基板とを貼り合わせて積層体を形成し、必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む工程である。
前記貼り合わせ方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第一の基板と前記第二の基板と必要に応じて適宜選択したその他の層とを、接着剤で接着する方法、接着剤を用いず圧着する方法、真空中で貼り合わせる方法などが挙げられる。
前記接着剤で接着する方法は、前記第一の基板と、前記第二の基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、各外周を合致させ、各層間に接着剤を塗布し、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。
該接着の際に、気泡が無く密着させるためには、真空中で貼り合わせることが好ましい。
−接着剤−
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
これらの中でも、透明性に優れていることから、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤がより好ましい。
前記接着剤を用いず圧着する方法は、各層の有する接着性を利用して密着させて積層体を形成することも可能である。前記第一の基板と、前記第二の基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、各外周を合致させ、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。該密着の際に、気泡が無く密着させるためには、真空中で貼り合わせることが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としてとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記記録層と前記フィルタ層の間に、スピン塗布、樹脂シートの貼付、スパッタリング、バーコータ、スリットコータなどにより、第2ギャップ層を形成する第2ギャップ層形成工程、光記録媒体の側面周囲を接着剤で封止する側面封止工程などが挙げられる。
<光記録媒体の具体例1>
図16、図18は、本発明の具体例1における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例1に係る光記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂又はガラスの第二の基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金などでコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図16、図18では第二の基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1,750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚みに比べて充分に小さいものである。
第1ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂などの材料を第二の基板1の反射膜2上にスピンコートなどにより塗布して形成される。第1ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、記録層4において記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるため、記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けると有効である。
第1ギャップ層8上にはフィルタ層6が設けられ、また、フィルタ層6と記録層4との間に第2ギャップ層7が設けられ、該フィルタ層6と第一の基板5(ポリカーボネート樹脂基板やガラス基板)によって第2のギャップ層及び記録層4を挟むことによって光記録媒体21が構成される。なお、情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが存在するが、このフォーカシングエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり、多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第2ギャップ層7を設けることが有効となる。
図18において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層6a、6b、6cからなる。このコレステリック液晶層からなるフィルタ層6は、第1ギャップ層8上に塗布によって直接形成してもよいし、基材上にコレステリック液晶層を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層によって、図21に示すように、照射光の入射角が、30°の場合、λが470〜620nm(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が90%以上となり、図20に示すように、λが470〜620nm(ただし、λは照射光波長を表す)における光透過率が10%以下となり、λが470〜620nmを選択した反射することができる。
具体例1における光記録媒体21は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、この光記録媒体21では、第二の基板1は0.6mm、第1ギャップ層8は100μm、フィルタ層6は2〜3μm、第2ギャップ層7は70μm、記録層4は0.6mm、第一の基板5は0.6mmの厚みであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図2を参照して、光記録媒体21周辺での光学的動作を説明する。まず、サーボ用レーザから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、第一の基板5、記録層4、第2ギャップ層7、フィルタ層6、及び第1ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第1ギャップ層8、フィルタ層6、第2ギャップ層7、記録層4、及び第一の基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボなどに用いられる。記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
また、記録用/再生用レーザから生成された情報光及び記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と記録用参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体21に照射される。情報光及び記録用参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び記録用参照光は記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層から形成され、赤色光のみを透過する性質を有するからである。あるいは、フィルタ層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度フィルタ層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
このように、前記干渉パターンが記録されている記録層4に、記録用参照光と同じ再生光を、記録用参照光と同じ方向から照射すると、前記干渉パターンとして記録されているホログラム、即ち、干渉像から回折光39が生成され、該回折光39を検出器14で検出する。図22に示す光記録再生装置における検出回路85により、前記干渉像の検出器受光部33内の位置、大きさなどを検出し、該回折光39に基づく再生干渉像と基準となる真正干渉像とが一致しているかを判定する。一致していると判定された場合には、該干渉像からなる画像をデコードし記録情報を再生する。他方、前記再生干渉像と真正干渉像とが一致していない場合は、縮小、拡大、変形及び位置ずれなどの情報を検出する。この情報に基づいて、温度制御すべき値を演算処理する。温度制御すべき値が演算処理により求まったら、該値に基づいて、温度制御し再生干渉像と真性干渉像とを一致させることが可能か判定する。可能な場合には、加熱、冷却とその所要時間を演算処理する。その演算結果に基づいて、過熱か冷却のいずれかにより温度制御を実行する。該温度制御により、再生干渉像と真性干渉像とか一致していることを確認し、該干渉像からなる画像をデコードし記録情報を再生する。
このような光再生方法により、光記録媒体に対する温度制御がなされるので、効果的に良好な再生が得られ、かつ極めて良好なノイズのない再生が得られる。そのため、フォーカスサーボやトラッキングサーボの必要がなくなり極めて効率的に再生することができる。
<光記録媒体の具体例2>
図19は、前記具体例2における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例2に係る光記録媒体22では、フィルタ層6以外は具体例1と同様に構成される。
図19において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、色材含有層上に、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜が7層積層された誘電体蒸着層を形成した積層体である。この色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせであるフィルタ層6は、第1ギャップ層8上に塗布及び蒸着により直接形成してもよいし、基材上に色材含有層及び誘電体蒸着膜を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。フィルタ層として色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせを用いることによって、図20及び図21に示すように、入射角度±30°における、655nmでの光透過率が約80%以上であり、かつ532nmでの光反射率が約90%以上となり、光の波長を選択して反射することができる。
前記具体例2における光記録媒体22の形状は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよく、前記具体例1と同様に形成される。
また、前記具体例2における光記録媒体22周辺での光学的動作は、前記具体例1と同様である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光記録媒体の作製>
実施例1の光記録媒体は、第一の基板と、記録層と、第2ギャップ層と、フィルタ層と、第1ギャップ層と、第二の基板とをこの順に積層することにより、以下のように作製した。前記フィルタ層は、フィルム状の光記録媒体用フィルタを作製して、後述のように第一基板上に積層することにより形成した。
<光記録媒体用フィルタの作製>
−色材含有層の形成−
まず、ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名ユーピロン)厚み100μm上に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名MP203)を厚み1μmとなるように塗布したベースフィルムを用意した。
次に、下記組成の色材含有層用塗布液を常法により調製した。
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・赤色顔料(C.I.ピグメントレッド9) 10質量部
・バインダー樹脂
(ポリビニルアルコール樹脂、株式会社クラレ製) 100質量部
・水 700質量部
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次に、前記ベースフィルム上に、前記色材含有層用塗布液をバーコーターで塗布し、乾燥させて、厚み3μmの色材含有層を形成した。
−誘電体蒸着層の膜厚構成及び反射特性についてのシミュレーション−
次に、光学薄膜計算ソフト(商品名:TFCalc、Software Spectra社製)を用いて、以下の計算条件で誘電体蒸着層の膜厚構成及び反射特性についてのシミュレーションを行った。
<計算条件>
・TiOやSiOの屈折率はTFCalcのデータベース値を用いた。
・532nmの反射率、650nmの透過率をそれぞれ高めるように厚みを最適化した。
・媒質の屈折率は1.52とした。
・波長は、参照光及び情報光532nm(記録用)、サーボ用光650nm(トラッキング用)で計算した。
<誘電体薄膜の形成>
誘電体薄膜を、下記表1に示すように、9層積層した。
前記誘電体薄膜について、シミュレーションした結果、誘電体薄膜を9層積層した場合において、光の波長が535nmの反射率は、入射角が0°の場合96.9%、光の波長650nmの反射率は、入射角が.0°の場合91.6%であり、実用的な反射特性の結果が得られた。
−誘電体蒸着フィルタの形成−
まず、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム株式会社製、フジタック12/3)上にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製)を厚さ0.5μmとなるように塗布した基材フィルムを用意した。
次に、前記基材フィルム上に、マルチチャンバ法によるスパッタリング(Unaxis社製、Cube)により、前記9層積層の場合のシミュレーションと同様にして、9層積層した誘電体蒸着層を作製した。
前記色材含有層を設けたベースフィルムと前記誘電体蒸着層とを接着剤で貼り合わせて、光記録媒体用フィルタを作製した。
得られた光記録媒体用フィルタについて、光反射特性を分光反射測定器(光源として浜松ホトニクス株式会社製、L−5662、フォトマルチチャンネルアナライザーとして浜松ホトニクス株式会社製、PMA−11)を用いて測定した。
その結果、実施例1の光記録媒体用フィルタは、入射角度±40°以内の光に対して選択波長である532nm光を30%以上反射できることが認められた。
次に、作製した光記録媒体用フィルタを前記基板に設置できるように所定のディスクサイズに打ち抜いた。
−第一の基板−
前記第一の基板は、直径120mm、板厚0.5mmのポリカーボネート樹脂板を使用した。この基板の表面は滑らかであり、サーボピットパターンなどの凹凸のないものを用いた。
−第二の基板−
前記第二の基板としては、直径120mm、板厚1.2mmの射出成型により成型したポリカーボネート樹脂製基板を使用した。この基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは1.5μmであり、溝深さは100nm、ピット長さ1μmである。
まず、第二の基板のサーボピットパターン表面に、波長が532nmの光に対して垂直な入射光による反射率が90%となるように反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により厚み50nmのAl反射膜を成膜した。
−外周スペーサ−
前記外周スペーサは、第一の基板及び第二の基板の外形と同一の直径120mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ500μm、したがって、断面形状は0.5mm×500μmの四角形となる。
前記外周スペーサの材料は、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型(住友重工株式会社製)により作製した。
−内周スペーサ−
前記内周スペーサは、図17に示すように、第一の基板5及び第二の基板1の開口部と同じ外形である15mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ500μm、したがって、断面形状は外周スペーサと同一の0.5mm×500μmの四角形となる。
前記内周スペーサの材料は、外周スペーサと同一の、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型(住友重工株式会社社製)により作製した。
−積層体の形成−
図17に示すように、紫外線硬化樹脂(型名SD−640、大日本インキ化学工業株式会社製)からなる第1ギャップ層8が厚み0.1mmにスピン塗布された第二の基板1上に、前記フィルタを、隙間に気泡が入らないように、UV接着剤(型名SD−640、大日本インキ化学工業株式会社製)を塗布した後、積層してフィルタ層6を形成した。
前記第一の基板5の面上に、ラミネーター装置(型名HAL110aa、三共株式会社製)により、圧着ロール温度23℃、圧着ロール圧力0.1MPa、圧着速度1.0m/分の条件の下、厚み500μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートからなる第2ギャップ層7を貼り付けた。
更に、該第2ギャップ層7の表面に、得られた外周スペーサ37を、第二の基板1の外形と外周スペーサ37の外形が合致するように接着し、更に、内周スペーサ38を、該内周スペーサの中心と、第二の基板1の中心が合致するように接着した。前記接着剤は、UV接着剤(型名SD−640、大日本インキ株式会社製)を用い、UV光を照射して接着した。
外周スペーサ37及び内周スペーサ38により形成された、深さ600μmの溝部に、前記注入法により、得られた光記録層用組成物塗布液を、シリンジにより注入した。
前記注入の条件としては、温度23℃、液粘度300mPas、湿度50%とした。
注入後に、温度80℃、40分間の条件の下、光記録層用組成物を硬化させ記録層4を形成した。該記録層4の厚みは600μmであった。
該記録層4上に、接着剤(型名GM−9002、ブレニー技研社製)を塗布し、前記第一の基板の外側及び前記第二の基板の外側を、0.08MPaの圧力で、80℃で、40分間、加圧し、積層体を形成し、最後に、端部を湿分硬化型の接着剤で封止し、45℃で24時間放置することにより、図19に示す光記録媒体22と同様の光記録媒体を作製した。
<温度センサなどの設置>
前記温度センサは、温度センサ44として、赤外線温度計(IT2:キーエンス社製)を採用した。図7及び図8に示すように、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体21盤の中心とを結ぶ線L1と、該温度センサの中心位置と光記録媒体21の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1をθ1とした場合、該θ1約45°になるような位置で、前記光記録媒体21の外縁よりも内側で裏面側に設置した。
前記ヒータ42として、ハロゲンランプを採用し、前記L1と該ヒータ42の中心位置と円盤の中心とを結ぶ線L3とのなす角をθ2とした場合、本実施例1では、該θ2が、約180°になるように、前記光記録媒体21の外縁よりも内側で裏面側に設置した。また、記録層材料が感光しないよう、前記光記録媒体21と前記ヒータ42との間に、赤色のフィルタ(不図示)を設置した。
本実施例では、前記冷却器45は設けず、自然冷却を採用した。
−光記録媒体の記録−
得られた光記録媒体を、パルステック工業株式会社製、コリニアホログラム記録再生試験機SHOT−1000を用いて、情報光及び記録用参照光を照射し、光記録媒体の記録層に情報を干渉像として書き込みした。前記記録時の使用温度は、25℃であり、前記光記録媒体表面の温度が、使用温度よりも10℃高い35℃となるよう温度制御しながら、前記記録を行った。
<画像データの補正及び再生>
前記で記録された光記録媒体21に再生光を照射して、画像データを再生したところ、図22に示す光記録再生装置100における検出回路85で、約2%の縮小歪が検出された。光記録媒体21の表面温度は、25℃であり、前記ヒータ42(ハロゲンランプ)により、該光記録媒体21の表面温度を35℃まで上昇させて再生したところ、エラーは3/フレームであった。その後、同一箇所を1時間再生し続けたところ、エラーは5/フレームで、エラー上昇を抑えることができた。
本実施例1の光再生方法では、検出器14により受光した再生干渉像に、約2%の縮小歪が生じていた場合でも、温度制御により、得られた再生画像は、エラー5個/フレームの良好な画像となる。
(実施例2)
前記実施例1と同様の方法で記録がされた光記録媒体21を用いて、実施例1において、光記録媒体21の温度が35℃に保たれるよう、フィードバック制御を行って、同一箇所を1時間再生し続けたところ、エラーは3/フレームで、エラーが上昇しなかった。
(実施例3)
前記実施例1と同様の方法で記録がされた光記録媒体21を、40℃で10時間保存した後、実施例2と同様にして、フィードバック制御を行いながら、温度制御を行って、同一箇所を1時間再生し続けたところ、エラーは3/フレームから3/フレームで、エラーが上昇しなかった。
(比較例1)
前記実施例1と同様の方法で記録がされた光記録媒体21を用いて、温度制御を行わずに、実施例1と同様にして、再生光を照射して、画像データを再生したところ、エラーが、3/フレームから10フレームに大きく上昇し、良好な画像再生ができなかった。
本発明の光記録方法は、温度制御を行うことにより記録層を高感度とすることができ、コリニア方式などにおける多重記録を良好に行うことが可能となり、高密度の記録媒体の記録に好適に用いられる。2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、透過型及び反射型のいずれにも好適に用いられる。また、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなど種々のホログラムを記録する方法として幅広く用いられる。具体的には、CD、DVD、BD、HD DVD、磁気テープ、コンピュータ用バックアップテープ、放送用テープなどの記録に用いられる。
本発明の光再生方法は、コリニア方式における高多重記録がなされている光記録媒体に対する、再生時の再生干渉像のずれや歪みが生ずることなく、高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生方法であり、高密度の記録媒体の再生に好適に用いられる。2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、透過型及び反射型のいずれにも好適に用いられる。また、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなど種々のホログラムを再生する方法として幅広く用いられる。具体的には、CD、DVD、BD、HD DVD、磁気テープ、コンピュータ用バックアップテープ、放送用テープなどの再生に用いられる。
本発明の光記録装置は、記録層を高感度とすることができ、コリニア方式における高多重記録を良好に行うことができ、高密度の記録媒体の光記録装置に好適に用いられる。2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、透過型及び反射型のいずれの光記録装置にも好適に用いられる。また、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなど種々のホログラムを記録する光記録装置として幅広く用いられる。具体的には、CD、DVD、BD、HD DVD、磁気テープ、コンピュータ用バックアップテープ、放送用テープなどの光記録装置に用いられる。
本発明の光再生装置は、コリニア方式における高多重記録がなされている光記録媒体に対する、再生時の再生干渉像のずれや歪みが生ずることなく、高精度の再生画像が得られ、SNRの優れた再生が得られる光再生装置であり、高密度の記録媒体の光再生装置に好適に用いられる。2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、透過型及び反射型のいずれの光再生装置にも好適に用いられる。また、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなど種々のホログラムを再生する光再生装置として幅広く用いられる。具体的には、CD、DVD、BD、HD DVD、磁気テープ、コンピュータ用バックアップテープ、放送用テープなどの光再生装置に用いられる。
図1は、本発明の光再生方法のフローチャートである。 図2は、本発明による光記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図3は、光記録媒体に情報光及び参照光を集光照射して記録層に記録する概念図である。 図4は、光記録媒体に入射する再生光と干渉像から生成される回折光の光路の説明図である。 図5は、光記録媒体に入射する再生光と干渉像から生成される回折光の光路の説明図である。 図6は、光記録媒体に入射する再生光と干渉像から生成される回折光の光路の説明図である。 図7は、光記録媒体に対するピックアップ、温度センサ、ヒータ及び冷却器の配置を示す斜視図である。 図8は、光記録媒体に対するピックアップ、温度センサ、ヒータ及び冷却器の配置を示す平面図である。 図9は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図10は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図11は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図12は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図13は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図14は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図15は、本発明の光検出器の受光部における干渉像を示す説明図である。 図16は、本発明の光再生方法に用いる光記録媒体の一例を示す斜視図である。 図17は、本発明の光再生方法に用いる一例の光記録媒体の積層体の分解斜視図である。 図18は、本発明の光再生方法に用いる光記録媒体の一例を示す斜視図である。 図19は、本発明の光再生方法に用いる光記録媒体の一例を示す斜視図である。 図20は、本発明の光再生方法に用いる光記録媒体のフィルタ層の光学特性を示すグラフである。 図21は、本発明の光再生方法に用いる光記録媒体のフィルタ層の光学特性を示すグラフである。 図22は、本発明の光記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。 図23は、本発明の光再生方法に用いる演算処理装置の一例を表すブロック図である。
符号の説明
1 第二の基板
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 記録層
5 第一の基板
6 フィルタ層
6a、6b、6c コレステリック液晶層
7 第2ギャップ層
8 第1ギャップ層
9 1/4波長板
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
21、22 光記録媒体
27 外周スペーサ
28 内周スペーサ
31 ピックアップ
32 光照射スポット
33 検出器受光部
34 真正干渉像
35 再生干渉像
36 記録干渉像
37 情報光
38 参照光
38a 再生光
39 回折光
42 ヒータ
43 ピックアップ
44 温度センサ
45 冷却器
71 画像センサ
72 フォーカストラッキング回路
73 CPU
74 メモリ
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 操作部
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (15)

  1. ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録する光記録方法であって、前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行うことを特徴とする光記録方法。
  2. 光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう行われる請求項1に記載の光記録方法。
  3. 使用温度が、0〜50℃である請求項2に記載の光記録方法。
  4. 光記録媒体の温度制御が、温度センサにより検出された光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度をもとに、加熱及び冷却のいずれかにより行われる請求項1から3のいずれかに記載の光記録方法。
  5. 光記録媒体の表面近傍での温度制御が、該光記録媒体の表面から垂直方向に0.1〜10mmの位置で行われる請求項1から4のいずれかに記載の光記録方法。
  6. 光記録媒体が、円盤状であり、情報光及び参照光を照射するピックアップの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L1と、温度センサの中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L2とのなす角θ1が、10〜180°であり、前記L1と、加熱を行う加熱部の中心位置と光記録媒体の中心とを結ぶ線L3とのなす角θ2が、10〜180°であり、該θ1とθ2とが、前記L1を中心として互いに反対側となるように、かつ、前記光記録媒体の外縁よりも内側であって、前記光記録媒体の表面と接触しないように、前記温度センサ及び前記加熱部が配置される請求項4から5のいずれかに記載の光記録方法。
  7. 情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われる請求項1から6のいずれかに記載の光記録方法。
  8. ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備え、該記録層に情報光及び参照光を照射して干渉像を形成した光記録媒体の前記干渉像に対して、前記参照光と同じ再生光を照射し、該照射により生成した回折光を受光し、該干渉像に基づいて記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像と一致するように前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行うことを特徴とする光再生方法。
  9. 光記録媒体の温度制御が、再生干渉像の真正干渉像に対する縮小率、拡大率、回折光受光部の面方向及び該面と垂直方向の位置ずれ、変形率並びにそれらの複合からなる歪の少なくともいずれかの情報を検出し、検出された該情報に基づいて行われる請求項8に記載の光再生方法。
  10. 光記録媒体の温度制御が、使用温度よりも5〜30℃高い温度、及び使用温度よりも5〜30℃低い温度のいずれかとなるよう行われる請求項8から9のいずれかに記載の光再生方法。
  11. 使用温度が、0〜50℃である請求項8から10のいずれかに記載の光再生方法。
  12. 情報の検出が、回折光の強度(W/cm)、SNR(信号とノイズとの比)、及び再生信号のエラー数から選択される少なくともいずれか1種に基づいて行われる請求項8から11のいずれかに記載の光再生方法。
  13. 情報の検出が、データ信号を抽出する画像処理方法、データ信号の波形を成形する信号処理方法、及びデータ信号をデコードする演算処理方法から選択される少なくともいずれか1種により行われる請求項8から12のいずれかに記載の光再生方法。
  14. ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備えた光記録媒体に対し、情報光及び参照光を照射して干渉像を形成し、前記情報を前記記録層に記録する手段と、
    前記記録の際に、前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行う手段と、
    を少なくとも有することを特徴とする光記録装置。
  15. ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を備え、該記録層に情報光及び参照光を照射して干渉像を形成した光記録媒体の前記干渉像に対して、前記参照光と同じ再生光を照射し、該照射により生成した回折光を受光する手段と、
    該干渉像に基づいて記録情報を再生する際、再生した再生干渉像が基準となる真正干渉像と一致するように前記光記録媒体の表面及び表面近傍のいずれかの温度制御を行う手段と、
    を少なくとも有することを特徴とする光再生装置。
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