JP2007148038A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光記録媒体の記録層の積層時に生ずる収縮応力を利用して得られる平坦な優れた光記録媒体及び該光記録媒体を高精度で安定して効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】第一の基板と、第二の基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、フィルタ層とを有する光記録媒体の製造方法であって、前記記録層を積層する側が椀形状の凸側になるよう、前記第一の基板及び前記第二の基板のいずれかを基板固定治具に固定して前記記録層を積層することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラフィを利用して情報が記録される光記録媒体及びその製造方法に関する。
高密度画像データ等の大容量の情報を書き込み可能な記録媒体の一つとして光記録媒体が挙げられる。この光記録媒体としては、例えば、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の書換型光記録媒体やCD−R等の追記型光記録媒体については既に実用化されているが、光記録媒体の更なる大容量化に対する要求は高まる一方である。
しかし、従来から提案されている光記録媒体は全て二次元記録であり、記録容量の増大化には限界があった。そこで、近時、三次元的に情報を記録することができるホログラム型光記録方法が注目されている。
前記ホログラム型光記録方法は、一般に、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉像を利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報の読み出し(再生)は、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光を前記記録層から出射させることにより行われる。
このホログラム型光記録方法では、記録層内に光学特性分布が三次元的に形成されるので、一の情報光により情報が書き込まれた領域と、他の情報光により情報が書き込まれた領域とを部分的に重ね合わせること、即ち、多重記録が可能であり、大容量化の要請にマッチしている。このような多重記録にデジタルボリュームホログラフィを利用した場合には、1スポットの信号対雑音比(SN比)は極めて高くなるので、重ね書きによりSN比が多少低くなっても元の情報を忠実に再現できるホログラム型の光記録媒体が得られる。その結果、多重記録回数が数百回までに及び、光記録媒体の記録容量を著しく増大させることができる(特許文献1参照)。
このようなホログラム型の光記録媒体としては、例えば、図8に示すように、第二の基板1表面にサーボピットパターン3を設け、このサーボピットパターン表面にアルミニウム等からなる反射膜2と、この反射膜上に記録層4と、この記録層上に第一の基板5とを有する光記録媒体20(特許文献2参照)や、図9に示すよう、第二の基板1表面にサーボピットパターン3を設け、このサーボピットパターン表面にアルミニウム等からなる反射膜2と、第一ギャップ層8と、この第一ギャップ層8上にフィルタ層6と、このフィルタ層6上に第二ギャップ層7と、この第二ギャップ層7上に記録層4と、この記録層上に第一の基板5とを有する光記録媒体21が提案されている。図7は、図9に示す光記録媒体21の各層毎に分解した斜視図を表している。
前記ホログラム型の光記録媒体の製造方法としては、例えば、図7に示すように、中心部に内孔1aを有する第二の基板1上に、第二ギャップ層8、フィルタ層6、第二ギャップ層7の順に形成し、第二ギャップ層7上に内周スペーサ38の開口部分と前記内孔1a及び外周スペーサ37の外周と前記第二の基板1の外周とを一致させて各々接着剤で接着し、次に、内外周スペーサ表面に接着剤を付与し、第一の基板5を貼り合わせて、内部に隙間(セル)を有する積層体を形成する。そして、得られた積層体の外周スペーサ37に設けられた注入口からセル内に記録材料を注入し、硬化させて記録層4を形成して、光記録媒体が製造される。
しかしながら、このようにして製造された光記録媒体の場合、外周スペーサ37の注入口から充填された記録材料を硬化させて記録層を形成する際に、フォトポリマーからなる記録層の硬化時に体積の収縮が起こり、被積層体である前記第一の基板及び第二の基板に応力が生じる結果、図4に示すように、椀形状に変形してしまうことがあるという問題がある。
このような椀形状の変形は光記録媒体の回転ムラを生ずる原因となり、安定した品質が得られないという問題がある。
そこで、光記録媒体の記録層を形成する際に、予め椀形状の変形を予測し、該椀形状と逆の椀形状になるように固定し、記録材料を充填し、該記録層が硬化する際に、被積層体である前記第一の基板及び第二の基板に硬化時の収縮による応力を利用して改善を図ることができる。このように、記録層の硬化の際に生ずる収縮応力を作用させて得られる平坦な優れた光記録媒体及び該光記録媒体を高精度で安定して効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法が望まれている。
特開2002−123949号公報 特開平11−311936号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光記録媒体の記録層の積層時に生ずる収縮応力を利用して得られる平坦な優れた光記録媒体及び該光記録媒体を高精度で安定して効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 第一の基板と、第二の基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、フィルタ層とを有する光記録媒体の製造方法であって、前記記録層を積層する側が椀形状の凸側になるよう、前記第一の基板及び前記第二の基板のいずれかを基板固定治具に固定して前記記録層を積層することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<2> 椀形状に固定された基板の凸側の最も突出した部分と、凹側の基板の縁部分との間隔をLとし、光記録媒体の平均厚みをtとし、平均直径をDとしたとき、(L−t)が、1.0×10-3D〜10.0×10-3Dとなるように基板固定治具に前記基板を固定する前記<1>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<3> 第二の基板上に、コレステリック液晶層を積層した積層体からなるフィルタ層を形成するフィルタ層形成工程を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法である。
<4> フィルタ層からなる光記録媒体用フィルタを光記録媒体形状に加工し、該加工したフィルタを前記第二の基板と貼り合わせてフィルタ層を形成するフィルタ層形成工程を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする光記録媒体である。
<6> 前記<5>に記載の光記録媒体に対する、情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われる光記録方法に用いられる光記録媒体である。
<7> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層を有する前記<5>から<6>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<8> フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する色材含有層と、該色材含有層上にコレステリック液晶層とを有する前記<5>から<7>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<9> 色材が、赤色顔料である前記<7>から<8>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<10> 赤色顔料における532nmの光に対する透過率が、33%以下であり、かつ655nmの光に対する透過率が66%以上である前記<9>に記載の光記録媒体である。
<11> フィルタ層が、色材含有層上に誘電体蒸着層を有する前記<7>から<10>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<12> 色材含有層が、バインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂がポリビニルアルコール樹脂である前記<7>から<11>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<13> 色材含有層表面が、ラビング処理されている前記<7>から<12>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<14> フィルタ層が、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層した誘電体蒸着層を有する前記<5>から<13>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<15> 該誘電体蒸着層が、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層した前記<14>に記載の光記録媒体である。
<16> 誘電体蒸着層が、誘電体薄膜を2〜20層積層した前記<14>から<15>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<17> フィルタ層が、単層のコレステリック液晶層を有する前記<7>から<16いずれかに記載の光記録媒体である。
<18> フィルタ層が、コレステリック液晶層を2層以上積層した積層体である前記<5>から<17>のいずれかに記載の光記録媒体である。
該<18>に記載の光記録媒体においては、コレステリック液晶層を2層以上積層しており、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、記録又は再生時に用いられる情報光及び参照光、更に再生光は、反射膜に到達しないので、反射面上での乱反射による拡散光が発生することを防ぐことができる。したがって、この拡散光によって生じるノイズが再生像に重畳されてCMOSセンサ又はCCD上で検出されることもなく、再生像が少なくともエラー訂正可能な程度に検出することができるようになる。拡散光によるノイズ成分はホログラムの多重度が大きくなればなるほど大きな問題となる。つまり、多重度が大きくなればなるほど、例えば、多重度が10以上になると、1つのホログラムからの回折効率が極めて小さくなり、拡散ノイズがあると再生像の検出が非常に困難となるのである。この構成によれば、このような困難性は除去することができ、今までにない高密度画像記録が実現できる。
<19> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域が連続的である前記<17>から<18>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<20> コレステリック液晶層が、少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有する前記<17>から<19>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<21> コレステリック液晶層が、円偏光分離特性を有する前記<17>から<20>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<22> コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が互いに同じである前記<17>から<21>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<23> コレステリック液晶層における選択反射中心波長が互いに異なる前記<17>から<22>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<24> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域幅が100nm以上である前記<17>から<23>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<25> フィルタ層が、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光を反射する前記<5>から<24>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<26> 第一の光の波長が、350〜600nmであり、かつ第二の光の波長が600〜900nmである前記<25>に記載の光記録媒体である。
<27> フィルタ層内の±40°以内の光における655nmでの光透過率が、50%以上であり、かつ532nmでの光反射率が30%以上である前記<5>から<26>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<28> フィルタ層が、入射角度±40°における655nmでの光透過率が50%以上であり、かつ532nmでの光反射率が30%以上である前記<5>から<27>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<29> フィルタ層のλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上である前記<5>から<28>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<30> フィルタ層のλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が、40%以上である前記<5>から<29>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<31> フィルタ層が、ホログラフィを利用して情報を記録する光記録媒体の選択反射膜として用いられる前記<5>から<30>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<32> フィルタ層が、光反応型カイラル化合物を有し、該光反応型カイラル化合物が、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種である前記<5>から<31>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<33> 光反応性基が、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基である前記<32>に記載の光記録媒体である。
<34> 第二の基板が、サーボピットパターンを有する前記<5>から<36>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<35> サーボピットパターン表面に反射膜を有する前記<34>に記載の光記録媒体である。
<36> 反射膜が、金属反射膜である前記<35>に記載の光記録媒体である。
<37> フィルタ層と反射膜との間に、第二の基板表面を平滑化するための第一ギャップ層を有する前記<35>から<36>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<38> 記録層とフィルタ層との間に、第二ギャップ層を有する前記<5>から<37>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<39> 前記<5>から<38>のいずれかに記載の光記録媒体に対する情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行われることを特徴とする光記録方法である。
<40> 光記録媒体が反射型ホログラムである前記<39>に記載の光記録方法である。
<41> 前記<39>から<40>のいずれかに記載の光記録方法により記録層に形成された干渉像に参照光と同じ再生光を照射して該干渉像に対応した記録情報を再生することを特徴とする光再生方法である。
<42> 再生光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度になるようにして、該再生光を干渉像に照射して記録情報を再生する前記<41>に記載の光再生方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、光記録媒体の記録層の積層時に生ずる収縮応力を利用して得られる平坦な優れた光記録媒体及び該光記録媒体を高精度で安定して効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することができる。
(光記録媒体の製造方法)
本発明の光記録媒体の製造方法は、記録層積層工程と、フィルタ層形成工程と、ギャップ層積層工程と、積層体形成工程と、必要に応じて適宜選択した組成物調製工程などのその他の工程とを含むことを特徴とする。
<組成物調製工程>
前記組成物調製工程は、光記録用組成物を調製する工程であり、モノマー、光開始剤、増感剤、オリゴマー及びバインダーなどからなるフォトポリマー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分を含む光記録用組成物を、溶剤を用いて、溶解、分散、混合などにより調製する。前記調製の条件としては、例えば、温度23℃、湿度10%、低温度乾燥の環境で行われる。
<記録層積層工程>
前記記録層積層工程としては、記録層を硬化させた後に、記録層の収縮応力による変形がなく平坦な積層体が得られる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該記録層を積層する基板が椀形状になり、かつ該記録層を積層する側が椀形状の凸側になるように基板固定治具に、前記第一の基板及び第二の基板のいずれかを固定して記録層を積層する方法、などが挙げられる。
−基板固定治具−
前記基板固定治具としては、該記録層を積層する基板が椀形状になり、かつ該記録層を積層する側が椀形状の凸側になるように固定しうる治具であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図1に示すように、中心部に基板に形成された内孔の直径とほぼ同じ直径のボス部を有する円盤状のベース25と、該ベース25の外周部分に固定され、基板を挟持する溝部を有し、着脱自在に形成されている基板固定具26と、挟持した基板が椀形状になるように矯正するためのスペーサ27が前記ボス部に嵌め込まれている治具などが挙げられる。
前記基板固定治具の構造としては、基板が着脱可能に固定される構造であれば、単一の部材からなる単一構造でもよく、複数の部材からなる結合構造でもよい。
前記基板固定治具の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、木材、セラミック、ガラスなどが挙げられる。
これらの中でも、高精度で形成しうる金属、プラスチックなどが好ましい。
前記金属の場合は、モールド法、切削加工などにより高精度に形成でき、プラスチックの場合は、インジェクションなどにより高精度に形成することができる。
前記基板固定治具に、基板を装着するには、例えば、図1に示すように、サーボピットパターンなどが形成された第二の基板に第一ギャップ層、フィルタ層。第二ギャップ層が積層されその上に外周スペーサ37と内周スペーサ38が接合された積層体の、該外周スペーサ37及び内周スペーサ38が表面になるように、該積層体の中央開口部を前記基板固定治具24のボス部に挿入し、基板固定部26を前記外周スペーサ37の表面に当接させてベース25に固定することにより行われる。
このように基板固定治具24に固定された前記積層体は、図2に示すように、記録層を積層する側が表面となり、かつ表側が凸になるように椀形状に変形する。
前記椀形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記椀形状に固定された基板の凸側の最も突出した部分と、凹側の基板の縁部分との間隔をLとし、光記録媒体の平均厚みをtとし、平均直径をDとしたとき、(L−t)が、1.0×10-3D〜10.0×10-3Dとなるような形状などが好ましい。前記(L−t)が、1.0×10-3D未満であると、固定治具による光記録媒体の反りの変位が小さすぎるため期待する変形をしないことがあり、10.0×10−3Dを超えると、固定治具による光記録媒体の反りの変位が大き過ぎるため、該光記録媒体の変形にばらつきが発生し、該光記録媒体が精度よく変形しないことがある。
前記間隔Lは、本発明の基板固定治具24を用いなかった場合に、椀形状に変形したときのそり量とほぼ同様の大きさが好ましい。即ち、光記録媒体の平均直径Dが120mm、平均厚みtが、1.2mmの場合には、Lは1.2〜2.2mmが好ましく、1.2〜1.5mmがより好ましく、1.2〜1.25mmが特に好ましい。
前記Lを得るためには、図1に示すスペーサ27の厚みは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.15〜0.65mmがより好ましい。また外周の直径は110〜130mmが好ましく、115〜125mmがより好ましい。
このような関係に変形させることにより、前記外周スペーサ37及び前記内周スペーサ38により形成された溝部分に前記組成物調製工程において調製された組成物を充填すると、該組成物の硬化時の収縮応力の作用により、充填された記録層部分が収縮するので、前記積層体が平坦になる方向に矯正され、図3に示すように、変形の極めて少ない平坦な積層体を得ることができる。
前記椀形状における反りの大きさ、即ち、(L−t)を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光記録媒体を回転させ、光学的に反りを測定する光学的測定方法、3次元形状測定装置を用いる測定方法などが挙げられる。
前記光学的測定方法としては、例えば、レーザ変位計を用いた方法、光学顕微鏡のフォーカス点の変位を測定する方法などが挙げられる。図5に示すように、光記録媒体21を回転装置(不図示)に装着し、該光記録媒体21の回転中心45を軸にして、所定の回転速度で回転させ、レーザ変位計40を光記録媒体21の半径方向に移動させる。レーザ変位計40からはレーザ光41が光記録媒体21の表面に出射され、該表面から反射した反射光を受光し、半径方向における反射面の位置が検出され、順次取り込まれる。該反射面の位置がスタートを基準として、測定位置との差を計測し、その差を反り量とすることができる。他方、反りが全くない光記録媒体の前記半径方向の位置を測定し格納しておき、被測定光記録媒体の前記半径方向と同一の位置における測定値と比較して反り量を求めることもできる。
前記レーザ変位計40を半径方向に移動せず、光記録媒体21を所定の回転速度で1周回転させると、光記録媒体21の円周方向の変形量(面ぶれ量)を測定することができる。反り量の測定と同様に、反りが全くない光記録媒体の前記円周方向の位置を測定し格納しておき、被測定光記録媒体の前記円周方向と同一の位置における測定値と比較して変形量(面ぶれ量)を求めることもできる。
前記光記録媒体の測定ポイントとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直径120mmのディスクの場合、反り量の測定の場合、半径方向の移動位置としては、半径18〜23mmから半径57〜60mmまでの直線距離、変形量(面ぶれ量)の場合、半径60mm付近の表面位置を基準として測定装置を固定した測定ポイントなどが挙げられる。
前記測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザ変位計、光学顕微鏡のフォーカス点の変位を測定する方法などが挙げられる。
これらの測定方法により、本発明の光記録媒体の椀形状の変形が少なくなった効果を確認することができる。
本発明の記録層積層工程としては、サーボピットパターンの形成されていない第一の基板上に直接スペーサを接合した積層体を基板固定治具に装着する第一の形態、前記フィルタ層又は該フィルタ層、第一ギャップ層及び第二ギャップ層が積層された第二の基板における最外層上にスペーサを接合した積層体を基板固定治具に装着する第二の形態、などが挙げられる。
前記第一の形態及び前記第二の形態のいずれにおいても、前記組成物を充填し、記録層として乾燥硬化させる際に、該記録層の体積全体が収縮し、生じた収縮応力により、前記第一の基板又は前記第二の基板面が変形し、元の平坦な積層体として形成することができる。
−記録層積層工程の第一の形態−
前記第一の形態は、図14〜図18に示すように、サーボピットパターンの形成されていない第一の基板上に直接スペーサを接合した積層体を基板固定治具に装着し、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物を該スペーサにより形成された溝部分に充填する形態である。
まず、図14に示すように、中央部に開口部を有する円盤状の第一の基板5の一面に、外形状が前記第一の基板5と同一であり、断面形状が四角形である外周スペーサ37を、配置しUV接着剤で接着する。更に、中心部に第一の基板5の開口部と同一の大きさの開口部を有し、断面形状が前記外周スペーサ37と同一の内周スペーサ38を、前記開口部どうしの中心軸が一致するように、第一の基板5の前記一面上に配置し、UV接着剤で接着し積層体を形成する。
次に、図15に示すように、前記積層体の外周スペーサ37及び内周スペーサ38で形成された窪み部分が表側になるように、前記開口部を前記基板固定治具24のボス部に挿入し、基板固定具26で、前記外周スペーサ37部分を押圧するようにベース25に固定する。固定後に、図16に示すように、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物溶液を前記窪み部分に流し込んで記録層を形成する。
充填により記録層を形成してから、基板固定治具から取り外さずに記録層を硬化させ、その後、図17に示すように、前記基板固定治具24の基板固定具26を取り外して、前記積層体を取り出し、前記積層体を、水平を保ったまま、80℃で1時間オーブンに載置し、前記光記録用組成物からなる記録層を硬化させる。
その後は、図18に示すように、フィルタ層6、第一ギャップ層8及び第二ギャップ層7が積層された第二の基板1と前記積層体が、後述の積層体形成工程において貼り合わされる。
−記録層積層工程の第二の形態−
前記第二の形態は、図19〜図23に示すように、前記フィルタ層、又はフィルタ層と、第一ギャップ層と、第二ギャップ層とが積層され、サーボピットパターンを有する第二の基板における最外層上にスペーサを接合した積層体を基板固定治具に装着し、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物を該スペーサにより形成された溝部分に充填する形態である。
まず、図19に示すように、中央部に開口部を有し、フィルタ層6、又はフィルタ層、第一ギャップ層8及び第二ギャップ層7が塗布形成され、サーボピットパターンを有する円盤状の第二の基板1の第二ギャップ層7の面上に、外形状が前記第二の基板1と同一であり、断面形状が四角形である外周スペーサ37を配置し、UV接着剤で接着する。更に、中心部に第二の基板1の開口部と同一の大きさの開口部を有し、断面形状が前記外周スペーサ37と同一の内周スペーサ38を、前記開口部どうしの中心軸が一致するように、第二ギャップ層7の面上に配置し、UV接着剤で接着し積層体を形成する。
次に、図20に示すように、前記積層体の外周スペーサ37及び内周スペーサ38で形成された窪み部分が表側になるように、前記開口部を前記基板固定治具24のボス部に挿入し、基板固定具26で、前記外周スペーサ37部分を押圧するようにベース25に固定する。固定後に、図21に示すように、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物溶液を前記窪み部分に流し込んで記録層を形成する。
充填により記録層を形成してから、基板固定治具から取り外さずに記録層を硬化させ、その後、図22に示すように、前記基板固定治具24の基板固定具26を取り外して、前記積層体を取り出し、前記積層体を、水平を保ったまま、80℃で1時間オーブンに載置し、前記光記録用組成物からなる記録層を硬化させる。
その後は、図23に示すように、第一の基板5と前記積層体が、後述の積層体形成工程において貼り合わされる。
このようにして、積層された前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
以上の方法により、前記積層体は前記記録層の収縮応力を利用することにより、記録層の硬化後に平坦になり、安定して高品質の光記録媒体が得られる。
前記記録層の厚みの測定方法及び測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、測定方法として、ノギス測定、マイクロメータ測定、レーザー膜厚測定法、測定装置として、ノギス、マイクロメータ、レーザー膜厚計、などが挙げられる。
−外周スペーサ−
前記外周スペーサの形状は、外周が光記録媒体の外周形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記外周スペーサの断面形状は、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。図7に示す外周スペーサ37は、その断面が四角形の一例である。
前記外周スペーサ37の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記記録層の厚みと略同一の厚みであることが好ましい。具体的には、前記記録層の厚みと同じ100〜1,000μmであることが好ましい。
前記外周スペーサの幅としては、少なくとも0.5mmあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜5mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましく、0.5〜2mmが特に好ましい。前記幅が、0.5mm未満であると、前記記録層の厚みを一定にするための保持機能が機械強度の面や支持面積の面で低下することがあり、5mmを超えるとホログラム記録領域が狭められ、記録容量が損なわれることがある。
前記外周スペーサ37の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができるが、成形性やコストの点から前記有機材料が好ましい。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、セラミック、石英、シリコンなどが挙げられる。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、剥離性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記外周スペーサ37の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形型押し出し加工、削り出し加工などが挙げられる。
−内周スペーサ−
前記内周スペーサの形状は、内周が光記録媒体に設けられている開口部の形状と略同一であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形、円形、楕円形、多角形などが挙げられる。これらの中でも、円形が好ましい。
前記内周スペーサの断面形状は、前記外周スペーサと同じ形状が好ましく、例えば、四角形、矩形、台形、円形、楕円形などが挙げられる。これらの中でも、厚みを一定にする作用の観点から四角形、台形、矩形などが好ましい。
前記内周スペーサの厚みは、前記記録層の厚みの均一性の観点から前記外周スペーサと同一であることが求められる。
前記内周スペーサの幅は、前記記録層の厚みの均一性保持機能の観点、及び記録層の記録領域の確保の観点から前記外周スペーサと同一であってもよく、異なっていてもよい。 前記内周スペーサの材料及び製造方法は外周スペーサと異なっていてもよく、同一であってもよい。
−第一の基板−
前記第一の基板としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記光記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記第一の基板の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができるが、光記録媒体の機械的強度を確保できるものであり、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する透過型の場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記第一の基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記第一の基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターなどにより回転して用いる場合には、過剰な負荷をかけることがある。
−第二の基板−
前記第二の基板は、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、光記録媒体の機械的強度を確保できる材料のものを選定する必要がある。また、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記第二の基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。
前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が特に好ましい。
前記第二の基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記第二の基板には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォブルピットを用いることができる。なお、光記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くてもよい。
前記第二の基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷をかけることがある。
−記録層−
前記記録層は、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものであり、所定の波長の電磁波(γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など)を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料が用いられる。
前記記録層の材料はフォトポリマー及び必要に応じて適宜選択したその他の成分が含まれる。
−フォトポリマー−
前記フォトポリマーとしては、光照射で重合反応が起こり高分子化するものや光照射で分解するものなどが挙げられ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、及び光開始剤を含有してなり、更に必要に応じて増感剤、オリゴマー、バインダー等のその他の成分を含有してなる。
前記フォトポリマーとしては、例えば、「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会、1989年)、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業新聞社、1989年)、SPIE予稿集 Vol.3010 p354−372(1997)、及びSPIE予稿集
Vol.3291 p89−103(1998)に記載されているものなどが挙げられる。また、米国特許第5,759,721号明細書、同第4,942,112号明細書、同第4,959,284号明細書、同第6,221,536号明細書、米国特許第6,743,552号明細書、国際公開第97/44714号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、同第99/26112号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、特許第2880342号公報、同第2873126号公報、同第2849021号公報、同第3057082号公報、同第3161230号公報、特開2001−316416号公報、特開2000−275859号公報などに記載されているフォトポリマーなどが挙げられる。
−モノマー−
前記モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマー、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、単官能であっても多官能であってもよい。また、光架橋反応を利用したものであってもよい。
前記ラジカル重合型のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾール、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(M1)〜(M6)で表される化合物などが挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2007148038
−光開始剤−
前記光開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応などを引き起こす材料などが挙げられる。
前記光開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)、ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム〕、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用してもよい。
−増感色素−
前記増感色素としては、「Research Disclosure,Vol.200,1980年12月、Item 20036」や「増感剤」(p.160〜p.163、講談社;徳丸克己、大河原信/編、1987年)等に記載された公知の化合物を使用することができる。
前記増感色素として、分光増感色素などが挙げられる。該分光増感色素として、例えば、特開昭58−15603号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−28328号公報、同60−53300号公報に記載のナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−89303号公報、同60−60104号公報に記載のメロシアニン化合物などが挙げられる。
また、「機能性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224(1987))等に記載された色素も挙げることができ、具体的には、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオン性スチリル色素が挙げられる。
さらに、クマリン(ケトクマリンまたはスルホノクマリンも含まれる。)色素、メロスチリル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も分光増感色素に含まれる。
前記分光増感色素は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂は、塗膜性、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものであり、ホログラム材料および光熱変換物質との相溶性を考慮して適宜選択される。前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコール、マレイン酸及びアクリル酸の少なくともいずれかとの共重合体;塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体;塩化ビニル/アクリロニロリル共重合体;エチレン/酢酸ビニル共重合体;ニトロセルロース樹脂等のセルロース誘導体;ポリアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノボラック樹脂、可溶性ナイロン、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フォルマリン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分散性及び耐久性を更に高めるため、以上に挙げたバインダー樹脂分子中に、極性基(エポキシ基、COH、OH、NH、SOM、OSOM、PO、OPO(ただし、Mは水素原子、アルカリ金属、又はアンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい)を導入したものが好ましい。該極性基の含有量としては、バインダー樹脂1グラム当り10−6〜10−4当量が好ましい。以上列挙したバインダー樹脂は、ヘミアセタール系やイソシアネート系の公知の架橋剤を添加して硬化処理しても良い。
前記記録層の固形分中のバインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜95質量%であることが好ましく、35〜90質量%であれることがより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、安定な干渉像が得られないことがあり、95質量%を超えると、回折効率の点で望ましい性能が得られないことがある。
前記バインダーの感光層中における含有量は、全感光層固形分中、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。
−重合禁止剤及び酸化防止剤−
前記記録層の貯蔵安定性を改良する目的でフォトポリマーの重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。重合禁止剤、酸化防止剤としては例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシヤリ−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。使用量としては組成物に使用するモノマーの全量に対して3質量%以内であり、3質量%を越えると重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなる。
−記録層に含まれるその他の成分−
前記記録層の感度を向上させる目的で光熱変換材料を含有させることもできる。光熱変換材料としては、特願2005−84780号明細書の記載を参考にすることができる。
また、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。
−−記録層の硬化−−
前記記録層の硬化方法としては、加熱処理によるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、記録層の積層後に、該積層体に対して40〜100℃で、30〜360分間加熱し、該記録層を硬化させる。前記加熱温度が40℃未満であると、記録層のフォトポリマーの架橋が進まない、又は架橋速度が遅くなり架橋が完了しないことがあり、100℃を超えると記録層のモノマーが重合を起こして、ホログラム記録感度が低下することがある。
加熱処理により硬化させ、紫外線による硬化方法を用いなかったのは、前記記録層を紫外線で硬化させると、記録層のモノマーが光重合を起こすというメカニズムにより、ホログラム記録感度が低下するという弊害があるからである。
<フィルタ層形成工程>
前記フィルタ層形成工程は、光記録媒体用フィルタを光記録媒体形状に加工し、該加工したフィルタを前記第二の基板に貼り合わせてフィルタ層を形成する工程である。ここで、前記光記録媒体用フィルタについては、後述する通りである。なお、場合によっては、基板上に直接フィルタ層を形成する工程でもよく、例えば、基板上に色材含有層用塗布液を塗布して色材含有層を形成し、該色材含有層上にスパッタリング法により誘電体蒸着膜を形成する方法などが挙げられる。
前記光記録媒体形状としては、ディスク形状、カード形状、などが挙げられ、前記加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレスカッターによる切り出し加工、打ち抜きカッターによる打ち抜き加工、などが挙げられる。前記貼り合わせでは、例えば、接着剤、粘着剤、などを用いて気泡が入らないようにフィルタを基板に貼り付ける。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV硬化型、エマルジョン型、一液硬化型、二液硬化型等の各種接着剤が挙げられ、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
−光記録媒体用フィルタ−
前記光記録媒体用フィルタは、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能がある。前記光記録媒体内に前記光記録媒体用フィルタを用いてフィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録が得られる。
前記光記録媒体内に積層された前記フィルタ層の機能は、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光を反射することが好ましく、前記第一の光の波長が350〜600nmであり、かつ第二の光の波長が600〜900nmであることが好ましい。そのためには、光学系側から見て、記録層、フィルタ層、及びサーボビットパターンの順に積層されている構造の光記録媒体であることが好ましい。
また、前記フィルタ層は、入射角度±40°における、655nmでの光透過率が50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、かつ532nmでの光反射率が30%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。
前記フィルタ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック液晶層、更に必要に応じてその他の層の積層体により形成される。また色材含有層を有していてもよい。
−誘電体蒸着層−
前記誘電体蒸着層は、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなり、波長選択反射膜とするためには、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種に限定されず、それ以上の種類であってもよい。また色材含有層を設ける場合は、誘電体蒸着層の下に形成する。
前記積層数は、2〜20層が好ましく、2〜12層がより好ましく、4〜10層が更に好ましく、6〜8層が特に好ましい。前記積層数が、20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記誘電体薄膜の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。前記屈折率が高いか低いかを決めるしきい値としては1.8が好ましい。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用してもよい。
前記高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrOなどが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、これらの中でも、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOがより好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThFなどが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、これらの中でも、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、Siがより好ましい。
なお、前記誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリングが好ましく、スパッタリングがより好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長オーダーで、λ/16〜λが好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8が特に好ましい。
−コレステリック液晶層−
前記コレステリック液晶層は、少なくとも、コレステロール誘導体、又はネマチック液晶化合物及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記コレステリック液晶層は、単層コレステリック液晶層及び2層以上の複数層コレステリック液晶層のいずれであってもよい。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。該コレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。
前記光記録媒体用フィルタは、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常の光記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。このためにはコレステリック液晶層の選択反射波長幅が大きいことが好ましい。
具体的には、単層コレステリック液晶層の場合には、コレステリック液晶層の選択反射波長領域幅Δλは、下記数式1で表されることから、(ne−no)の大きな液晶を用いることが好ましい。
<数式1>
Δλ=2λ(ne−no)/(ne+no)
ただし、前記数式1中、noは、コレステリック液晶層に含有されるネマチック液晶分子の正常光に対する屈折率を表す。neは、該ネマチック液晶分子の異常光に対する屈折率を表す。λは、選択反射の中心波長を表す。
また、特願2004−352081号明細書記載のように、カイラル化合物として感光性を有し、光によって液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができる光反応型カイラル化合物を用い、該光反応型カイラル化合物の含有量やUV照射時間を調整することにより、螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化した光記録媒体用フィルタを用いることが好ましい。
また、複数層コレステリック液晶層の場合には、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を積層することが好ましい。
前記コレステリック液晶層は、上記特性を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述したように、ネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向させ、そのまま冷却等して固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、紫外線(UV)重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−カイラル化合物−
前記カイラル化合物としては、複数層コレステリック液晶層の場合には、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、液晶化合物の色相、色純度改良の観点から、例えば、イソマンニド化合物、カテキン化合物、イソソルビド化合物、フェンコン化合物、カルボン化合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記カイラル化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Merck社製の商品名S101、R811、CB15;BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC756などが挙げられる。
前記複数層コレステリック液晶層の各液晶層におけるカイラル化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマーなどが挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフィン誘導体、チオキサントン/アミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPOなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記増感剤は、必要に応じて用いることができ、コレステリック液晶層の硬化度を上げるために添加される。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
前記増感剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.001〜1.0質量%が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記添加量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステル等のアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記コレステリック液晶層の形成方法としては、例えば、前記溶媒を用いて調製したコレステリック液晶層用塗布液(複数層の場合には各コレステリック液晶層用塗布液)を前記基材上に塗布し、乾燥させて、例えば紫外線照射することにより、コレステリック液晶層を形成することができる。
最も量産適性のよい手法としては、前記基材をロール状に巻いた形で準備しておき、該基材上にコレステリック液晶層用塗布液をバーコート、ダイコート、ブレードコート、カーテンコートのような長尺連続コーターにて塗布する形式が好ましい。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、照射紫外線は、160〜380nmが好ましく、250〜380nmがより好ましい。照射時間としては、例えば、0.1〜600秒が好ましく、0.3〜300秒がより好ましい。紫外線照射の条件を調整することによって前記反応性カイラル剤を用いた光コレステリック液晶層における螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に沿って連続的に変化させることができる。
前記紫外線照射の条件を調整するために、前記コレステリック液晶層に紫外線吸収剤を添加することもできる。該紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが好適に挙げられる。これらの紫外線吸収剤の具体例としては、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同第3,707,375号明細書、同第3,754,919号明細書、同第4,220,711号明細書などに記載されている。
前記複数層の場合には各コレステリック液晶層の厚みは、例えば、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、選択反射率が十分でなくなり、10μmを超えると、液晶層の均一配向が乱れてしまうことがある。
また、各コレステリック液晶層の合計厚み(単層の場合にはコレステリック液晶層の厚み)は、例えば、1〜30μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
<コレステリック液晶層を有する光記録媒体用フィルタの製造方法>
前記光記録媒体用フィルタの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光記録媒体用フィルタは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基材ごとディスク形状に加工(例えば、打ち抜き加工)されて、光記録媒体の第二の基板上に配置されるのが好ましい。また、光記録媒体のフィルタ層に用いる場合は、基材を介さず直接第二の基板上に設けることもできる。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。前記基材の厚みが、10μm未満であると、基板の撓みにより密着性が低下することがある。一方、500μmを超えると、情報光と参照光の焦点位置を大きくずらさなければならなくなり、光学系サイズが大きくなってしまう。波長選択膜の貼り合わせには、それぞれ、公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
<ギャップ層積層工程>
前記ギャップ層積層工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第二の基板とフィルタ層の間に、第一ギャップ層を形成する第一ギャップ層形成工程、フィルタ層と記録層の間に第二ギャップ層を形成する第二ギャップ層形成工程などが挙げられる。
−第一ギャップ層形成工程−
前記第一ギャップ層形成工程は、必要に応じて前記フィルタ層と前記反射膜との間に第一ギャップ層を形成する工程であり、第二の基板表面を平滑化する目的で形成される。また、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するのにも有効である。即ち、前記記録層は、参照光及び情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、前記記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
前記第一ギャップ層は、例えば、サーボピットパターンの上から紫外線硬化樹脂等の材料をスピンコート等で塗布し、硬化させることにより形成することができる。また、フィルタ層として透明基材の上に塗布形成したものを使用する場合には、該透明基材が第一ギャップ層としても働くことになる。
前記第一ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
−第二ギャップ層形成工程−
前記第二ギャップ層形成工程は、必要に応じて記録層とフィルタ層との間に第二ギャップ層を形成する工程である。
前記第二ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル=ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、又は、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、及び商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記第二ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
<積層体形成工程>
前記積層体形成工程は、前記記録層積層工程、前記フィルタ層形成工程、第一ギャップ層及び前記第二ギャップ層形成工程により、前記記録層、前記フィルタ層、第一ギャップ層及び第二ギャップ層が形成された第二の基板と、前記第一の基板とを貼り合わせて積層体を形成し、必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む工程である。
前記貼り合わせ方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第一の基板と前記第二の基板と必要に応じて適宜選択したその他の層とを、接着剤で接着する方法、接着剤を用いず圧着する方法、真空中で貼り合わせる方法などが挙げられる。
前記接着剤で接着する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図18及び図23に示すように、前記第一の基板と、前記第二の基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、外周を合致させ、各層間に接着剤39を塗布し、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。
該接着の際に、気泡が無く均一に密着させるためには、真空中で貼り合わせることが好ましい。
−接着剤−
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
これらの中でも、透明性に優れていることから、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤がより好ましい。
前記接着剤を用いず圧着する方法は、各層の有する接着性を利用して密着させて積層体を形成することも可能である。前記第一の基板と、前記第二の基板と、必要に応じて適宜選択したその他の層とを、各外周を合致させ、外側から0.01〜0.5MPaの圧力をかけて、23〜100℃で接着する。該密着の際に、気泡が無く密着させるためには、真空中で貼りあわせることが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としてとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反射膜形成工程などが挙げられる。
−反射膜形成工程−
前記反射膜形成工程は、前記第二の基板のサーボピットパターン表面に反射膜を形成する工程である。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
前記反射膜の厚みとしては、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
<光記録媒体>
本発明の光記録媒体は、2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラムであってもよく、透過型及び反射型のいずれであってもよい。また、ホログラムの記録方式もいずれであってもよく、例えば、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラム、などでもよい。
本発明の光記録媒体は、少なくとも一の支持体上に記録層を積層し、情報光と参照光とが異なる方向から照射される一般的なホログラムの記録に用いられる2光束干渉法によるものや、第一の基板と、第二の基板と、該第二の基板上に記録層と、前記第二の基板と該記録層との間にフィルタ層とを有し、情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われるコリニア方式に用いられるものなどが挙げられる。以下コリニア方式に用いられる光記録媒体について説明するが、この方式に限定されるものではなく、2光束干渉法によるものでもよい。
<光記録方法及び再生方法>
前記光記録方法としては、前記光記録媒体に情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録するいわゆるコリニア方式による光記録方法などが挙げられる。
前記再生方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光記録方法により記録層に形成された干渉像に参照光と同じ光を照射して該干渉像に対応した記録情報を再生することができる。
前記光記録方法及び再生方法では、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射される。
ここで、前記光記録方法及び再生方法は、以下に説明する光記録再生装置を用いて行われる。
前記光記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置について図13を参照して説明する。
図13は、前記光記録再生装置の全体構成図である。なお、光記録再生装置は、光記録装置と再生装置を含んでなる。
この光記録再生装置100は、光記録媒体21が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光記録媒体21の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、光記録媒体21に対して情報光と参照光とを照射して情報を記録すると共に、光記録媒体21に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光記録媒体21に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31を光記録媒体21の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)を光記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光記録媒体21の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31を光記録媒体21の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、光記録媒体21のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したり、アドレスを判別したりする信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。
コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
ここで、本発明の前記反射膜、前記第一及び前記第二ギャップ層を有する光記録媒体の具体例1及び2について、図面を参照して更に詳しく説明する。なお、前記第一及び前記第二ギャップ層のいずれか又は双方を積層せずに光記録媒体を作製してもよい。
<光記録媒体の具体例1>
図9は、本発明の具体例1における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例1に係る光記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂又はガラスの第二の基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図9では第二の基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、図8に示すように周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1,750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚みに比べて充分に小さいものである。
第一ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂等の材料を第二の基板1の反射膜2上にスピンコート等により塗布して形成される。第一ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、記録層4において参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるため、記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けると有効である。
第一ギャップ層8上にはフィルタ層6が設けられ、また、フィルタ層6と記録層4との間に第二ギャップ層7が設けられ、該フィルタ層6と第一の基板5(ポリカーボネート樹脂基板やガラス基板)によって第2のギャップ層及び記録層4を挟むことによって光記録媒体21が構成される。なお、情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが存在するが、このフォーカシングエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり、多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第二ギャップ層7を設けることが有効となる。
図9において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。したがって、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層6a、6b、6cからなる。このコレステリック液晶層からなるフィルタ層6は、第一ギャップ層8上に塗布によって直接形成してもよいし、基材上にコレステリック液晶層を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層によって、λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上となり、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることがなくなる。
具体例1における光記録媒体21は、ディスク形状でもよいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、この光記録媒体21では、第二の基板1は0.6mm、第一ギャップ層8は100μm、フィルタ層6は2〜3μm、第二ギャップ層7は70μm、記録層4は0.6mm、第一の基板5は0.6mmの厚みであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図12を参照して、光記録媒体21周辺での光学的動作を説明する。まず、サーボ用レーザから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、第一の基板5、記録層4、第二ギャップ層7、フィルタ層6、及び第一ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第一ギャップ層8、フィルタ層6、第二ギャップ層7、記録層4、及び第一の基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
なお、図11に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ光が655nmの場合はサーボ光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲はフィルタ層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用するフィルタ層におけるコレステリック液晶層の螺旋ピッチを十分大きくすれば、フィルタ層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合はλ〜1.1λのコレステリック液晶層でよいのでサーボ光透過には全く支障がなくなる。
また、記録用/再生用レーザから生成された情報光及び参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体21に照射される。情報光及び参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び参照光は記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した3層のコレステリック液晶層から形成され、赤色光のみを透過する性質を有するからである。あるいは、フィルタ層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度フィルタ層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
<光記録媒体の具体例2>
図10は、前記具体例2における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この具体例2に係る光記録媒体22では、フィルタ層6以外は具体例1と同様に構成される。
図10において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。したがって、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、色材含有層上に、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜が7層積層された誘電体蒸着層を形成した積層体である。この色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせであるフィルタ層6は、第一ギャップ層8上に塗布及び蒸着により直接形成してもよいし、基材上に色材含有層及び誘電体蒸着膜を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。フィルタ層として色材含有層と誘電体蒸着膜との組み合わせを用いることによって、入射角度±40°における、655nmでの光透過率が50%以上であり、かつ532nmでの光反射率が30%以上となり、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることがなくなる。
前記具体例2における光記録媒体22の形状は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよく、具体例1と同様に形成される。
次に、図10を参照して、光記録媒体21と同様に構成された光記録媒体22周辺での光学的動作を説明する。光記録媒体22では、光記録媒体21と同様、まず、サーボ用レーザから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体22に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体22の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、第一の基板5、記録層4、第二ギャップ層7、フィルタ層6、及び第一ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第一ギャップ層8、フィルタ層6、第二ギャップ層7、記録層4、及び第一の基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。具体例1と同様に、記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
また、記録用/再生用レーザから生成された情報光及び参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体22に照射される。情報光及び参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び参照光は記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は色材含有層と誘電体蒸着膜とを組み合わせており、赤色光のみを透過する性質を有するからである。あるいは、フィルタ層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度フィルタ層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光記録媒体の作製>
実施例1の光記録媒体は、第一の基板と、記録層と、第二ギャップ層と、フィルタ層と、第一ギャップ層と、第二の基板とを、本発明の基板固定治具を用いてこの順に積層することにより、以下のように作製した。前記フィルタ層は、フィルム状のフィルタを作製して、積層することにより以下のように形成した。
−記録層用の感光性組成物溶液の組成−
下記組成からなる感光性組成物を窒素気流下で混合し、感光性組成物溶液を調製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート・・・・・・・・31.5質量%
・ポリプロピレンオキサイドトリオール(分子量1,000)・61.2質量%
・テトラメチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・2.5質量%
・2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート・・・・・・・・3.1質量%
・光重合開始剤
(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)・・0.69質量%
・ジブチルジラウレートスズ・・・・・・・・・・・・・・・・1.01質量%
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−フィルタの作製−
まず、ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名ユーピロン)厚み100μm上に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名MP203)を厚み1μmとなるように塗布したベースフィルムを用意する。このベースフィルムをラビング装置に通して、ポリビニルアルコール膜面をラビングし、液晶配向能を付与することができる。
次に、下記表1に示す組成のコレステリック液晶層用塗布液A、B及びCを常法により調製することができる。
Figure 2007148038
*UV重合性液晶:BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC242
*カイラル剤:BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC756
*光重合開始剤:チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名イルガキュア369
*増感剤:ジエチルチオキサントン
*溶剤:メチルエチルケトン(MEK)
次に、前記ベースフィルム上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Aをバーコーターで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Aを形成した。
次に、コレステリック液晶層A上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Bをバーコーターで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Bを形成した。
次に、コレステリック液晶層B上に、前記コレステリック液晶層用塗布液Cをバーコーターで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで露光して、厚み2μmのコレステリック液晶層硬化膜Cを形成した。
以上により、円偏光分離特性を有し、各コレステリック液晶層における選択反射中心波長が互いに異なり、かつ各コレステリック液晶層における螺旋の回転方向が互いに右回り方向で同じである3層構造の実施例1の光記録媒体用フィルタを作製した。
次に、作製した光記録媒体用フィルタを前記基板に設置できるように所定のディスクサイズに打ち抜いた。
−第一の基板−
前記第一の基板は、直径120mm、板厚0.5mmのポリカーボネート樹脂板を使用した。この基板の表面は滑らかであり、サーボピットパターンなどの凹凸のないものを用いた。
−第二の基板−
前記第二の基板としては、直径120mm、板厚0.6mmのDVD+RW用に用いられている一般的なポリカーボネート樹脂製基板を使用した。この基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは0.74μmであり、溝深さは175nm、溝幅は300nmである。
まず、第二の基板のサーボピットパターン表面に、波長が532nmの光に対して垂直な入射光による反射率が90%となるように反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により厚み200nmのAl反射膜を成膜した。
−外周スペーサ−
前記外周スペーサは、第一の基板及び第二の基板の外形と同一の直径120mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ600μm、したがって、断面形状は0.5mm×600μmの四角形となる。
前記外周スペーサの材料は、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型機(住友重工株式会社製)により作製した。
−内周スペーサ−
前記内周スペーサは、図7に示すように、第一の基板5及び第二の基板1の開口部5a及び1aの開口径と同じ外形である15mmの円形で、面方向の幅は、0.5mm±100μm、厚みは記録層4の厚みと同じ600μm、したがって、断面形状は外周スペーサと同一の0.5mm×600μmの四角形となる。
前記内周スペーサの材料は、外周スペーサと同一の、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネートを用いて、射出成型機(住友重工株式会社製)により作製した。
−積層体の形成−
図7に示すように、第二の基板1における反射膜が形成されたサーボピットパターン面上に第一ギャップ層8をスピン塗布し、得られた光記録媒体用フィルタを、隙間に気泡が入らないように、UV接着剤(型名SD−640、大日本インキ化学工業社製)を塗布した後、積層してフィルタ層6を形成した。
前記フィルタ層6の面上に、ラミネーター装置(型名HAL110aa、三共株式会社製)により、圧着ロール温度23℃、圧着ロール圧力0.1MPa、圧着速度1.0m/分の条件の下、厚み500μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートからなる第二ギャップ層7を貼り付けた。
次に、図19に示すように、外形状が前記第二の基板1と同一であり、断面形状が四角形である外周スペーサ37を配置し、UV接着剤で接着した。更に、中心部に第二の基板1の開口部と同一の大きさの開口部を有し、断面形状が前記外周スペーサ37と同一の内周スペーサ38を、前記開口部どうしの中心軸が一致するように、第二ギャップ層7の面上に配置し、UV接着剤で接着し積層体を形成した。
次に、図20に示すように、前記積層体の外周スペーサ37及び内周スペーサ38で形成された窪み部分が表側になるように、前記開口部を前記基板固定治具24のボス部に挿入し、基板固定具26で、前記外周スペーサ37部分を押圧するようにベース25に固定する。固定後に、図21に示すように、前記組成物調製工程において調製された光記録用組成物溶液を前記窪み部分に流し込んで厚み600μmの記録層を形成した。
前記基板固定治具24において、椀形状に固定された基板の凸側の最も突出した部分と、凹側の基板の縁部分との間隔をLとし、前記光記録媒体の平均厚みをt(1.2mm)とし、平均直径をD(120mm)としたとき、(L−t)が、4.2×10−3D(500μm)となるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.5mmとした。
充填により記録層を形成してから、基板固定治具から取り外さずに記録層を硬化させ、その後、図22に示すように、前記基板固定治具24の基板固定具26を取り外して、前記積層体を取り出し、図22に示すように、前記積層体を、水平を保ったまま、80℃で1時間オーブンに載置し、前記光記録用組成物からなる記録層を硬化させた。
その後は、図23に示すように、前記記録層4上に、接着剤39(型名GM−9002、ブレニー技研社製)を塗布し、前記第一の基板5の外側面及び前記第二の基板1の外側面を、0.08MPaの圧力で、80℃で、40分間、加圧し、積層体を形成し、最後に、端部を湿分硬化型の接着剤で封止し、45℃で24時間放置することにより、実施例1の厚み2.4mmの記録媒体を作製した。
−光記録媒体のそりの測定−
得られた光記録媒体の反りについて、レーザー変位測定装置(型名:LA−2000、キーエンス社製)を用いて、光記録媒体を回転させながら、半径方向にレーザー変位計をスキャンさせる方法により、実施例1の光記録媒体のそりについて測定した。その結果、そりは、50μmであり、極めて小さいことが確認された。
−光記録媒体の記録及び評価−
得られた光記録媒体を、パルステック工業株式会社製、コリニアホログラム記録再生試験機SHOT−1000を用いて、記録ホログラムの焦点位置における記録スポットの大きさが直径200μmで一連の多重ホログラムを書き込み、感度(記録エネルギー)、多重数について測定、評価を行った。
−感度の測定−
記録時の照射光パワー(mJ/cm)を変化させ、再生信号のエラー確率(BER:Bit Error Rate)の変化を測定した。通常、記録光パワーの増加に伴い再生信号の輝度が増加することにともない、再生信号のBERが徐々に低下する傾向にある。ここでは、ほぼ良好な再生像(BER<10−3)が得られる最低の記録光パワーを記録材料の記録感度とした。
−多重数の評価−
光記録媒体の多重評価手法として、ISOM’04、Th−J−06、pp.184−185、Oct.2004に記載されている記録スポットをスパイラル状にシフトさせて評価する手法により行った。ここで、記録ホログラム数13×13=169ホログラム、記録ピッチは28.5μmとした。最終169個目のホログラム記録時の多重度は49多重となる。記録ホログラム数の増加に従い多重度が増加するため、記録材料の多重特性が不十分であると記録数の増加に従いBERが増加する。ここではBER>10−3となる記録ホログラム数を材料の多重特性Mとした。この手法により多重特性Mとして169多重相当の特性が得られることを確認した。
−生産性の評価−
前記生産性は、生産現場における人、物、設備の有効活用を図ることができ、より少ない設備投資で仕掛りの少なく(生産リードタイムが短い)、作業効率100%を目指した生産ラインに効果的であるか否か、歩留まりの程度、品質の均一性などを総合評価し、下記の基準により段階評価した結果、本発明の生産性は従来の製造方法に対して、効果的であることがわかった。
◎ 生産性に極めて効果的である。
○:生産性に効果的である。
△:生産性に効果が乏しい。
×:生産性の向上に障害となる。
(実施例2)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、第2基板の厚さを0.6mmから1.2mmに変更し、基板固定治具24のボス部に挿入した光記録媒体の平均厚みtを1.2mmから1.8mmに変更し、さらに、(L−t)を2.5×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.3mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例2の厚み2.4mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(実施例3)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、外周スペーサ及び内周スペーサの厚みを600μmから300μmに変更し、厚み300μmの記録層を形成し、さらに、(L−t)を2.1×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.25mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例3の厚み1.5mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(実施例4)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、第二の基板の厚さを0.6mmから1.8mmに変更し、基板固定治具24のボス部に挿入した光記録媒体の平均厚みtを1.2mmから2.4mmに変更し、さらに、(L−t)を1.6×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.2mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例4の厚み3.0mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(実施例5)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、第1基板、第2基板、及び外周スペーサの直径120mmを直径130mmに変更し、直径130mmの光記録媒体を作製し、さらに、(L−t)を3.8×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が55mmで、厚みが、0.5mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例5の厚み1.8mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(実施例6)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、(L−t)を0.9×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.1mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例6の厚み1.8mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(実施例7)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、(L−t)を1.1×10-3Dとなるように基板固定具26に固定した。具体的には、スペーサ27は、材料をアクリル樹脂を用い、その外周の直径が50mmで、厚みが、0.13mmとした。その後、実施例1と同様に記録層を硬化し、積層体を形成し、実施例7の厚み1.8mmの光記録媒体を作製し、実施例1と同様に得られた光記録媒体を評価した。
(比較例1)
実施例1において、基板固定治具を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の厚み1.8mmの光記録媒体を作製し、評価した。
(比較例2)
実施例2において、基板固定治具を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして、比較例2の厚み2.4mmの光記録媒体を作製し、評価した。
(比較例3)
実施例3において、基板固定治具を使用しなかった以外は、実施例3と同様にして、比較例3の厚み1.5mmの光記録媒体を作製し、評価した。
(比較例4)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、外周スペーサ及び内周スペーサの厚みを600μmから300μmに変更し、厚み300μmの記録層を形成し、さらに、第二の基板の厚さを0.6mmから2.1mmに変更し、光記録媒体の平均厚みtを1.2mmから2.4mmに変更し、基板固定治具を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例4の厚み3.0mmの光記録媒体を作製し、評価した。
(比較例5)
実施例1の光記録媒体の製造方法において、第1基板、第2基板、及び外周スペーサの直径120mmを直径130mmに変更し、直径130mmの光記録媒体を作製し、第二の基板の厚さを0.6mmから1.8mmに変更し、光記録媒体の平均厚みtを1.2mmから2.4mmに変更し、基板固定治具を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例5の厚み3.0mmの光記録媒体を作製し、評価した。
Figure 2007148038
表2の結果により、実施例1〜7の基板固定治具を使って製作した光記録媒体は、光記録媒体の反りが小さくなり、基本的な記録特性を十分満足したものが得られるが、比較例1〜5の基板固定治具を使わずに作製した光記録媒体は、光記録媒体の反りが大きく、実施例の光記録媒体よりも記録特性が劣り、生産性が不十分であることが判った。
本発明の光記録媒体の製造方法により、光記録媒体の記録層の積層時に生ずる収縮応力を利用して、平坦な優れた光記録媒体が安定して効率よく得られる。2次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラム、反射型ホログラムなどの製造方法に幅広く用いられる。
図1は、基板固定治具を用いた光記録媒体の製造方法の一例を示す概念図である。 図2は、基板固定治具に固定された基板のそり状態を示す断面図である。 図3は、基板固定治具を用いた光記録媒体の一例を示す断面図である。 図4は、光記録媒体の反りを示す説明図である。 図5は、本発明の光記録媒体の反りを測定する方法の概念図である。 図6は、本発明の光記録媒体の一部を切り取った斜視図である。 図7は、本発明の光記録媒体の各層の分解斜視図である。 図8は、従来の光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図9は、本発明による具体例1に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図10は、本発明による具体例2に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図11は、コレステリック液晶層を3層積層したフィルタの正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図12は、本発明による光記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図13は、本発明の光記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。 図14は、本発明の記録層積層工程における第一の形態を表す断面図である。 図15は、本発明の記録層積層工程における第一の形態を表す断面図である。 図16は、本発明の記録層積層工程における第一の形態を表す断面図である。 図17は、本発明の記録層積層工程における第一の形態を表す断面図である。 図18は、本発明の記録層積層工程における第一の形態を表す断面図である。 図19は、本発明の記録層積層工程における第二の形態を表す断面図である。 図20は、本発明の記録層積層工程における第二の形態を表す断面図である。 図21は、本発明の記録層積層工程における第二の形態を表す断面図である。 図22は、本発明の記録層積層工程における第二の形態を表す断面図である。 図23は、本発明の記録層積層工程における第二の形態を表す断面図である。
符号の説明
1 第二の基板
1a 内孔
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 記録層
5 第一の基板
5a 内孔
6 フィルタ層
6a、6b、6c コレステリック液晶層
7 第二ギャップ層
8 第一ギャップ層
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20、21、22 光記録媒体
24 基板固定治具
25 ベース
26 基板固定部
27 スペーサ
28 凹側縁部
29 凸側最凸部
31 ピックアップ
37 外周スペーサ
38 内周スペーサ
39 接着層
40 レーザ変位計
41 レーザ光
45 光記録媒体の回転中心
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 操作部
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (4)

  1. 第一の基板と、第二の基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層と、フィルタ層とを有する光記録媒体の製造方法であって、前記記録層を積層する側が椀形状の凸側になるよう、前記第一の基板及び前記第二の基板のいずれかを基板固定治具に固定して前記記録層を積層することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 椀形状に固定された基板の凸側の最も突出した部分と、凹側の基板の縁部分との間隔をLとし、光記録媒体の平均厚みをtとし、平均直径をDとしたとき、(L−t)が、1.0×10-3D〜10.0×10-3Dとなるように基板固定治具に前記基板を固定する請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする光記録媒体。
  4. 光記録媒体に対する、情報光及び参照光の照射が、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸になるようにして行われる光記録方法に用いられる請求項3に記載の光記録媒体。
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