JP4320762B2 - 光学用易接着フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用易接着フィルム、特に優れた透明性、易接着性を有し、かつ光学欠点の少ない光学用易接着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
二軸配向ポリエステルフィルムは優れた透明性、寸法安定性、耐薬品性から各種光学用フィルムとして多く利用されている。特に、タッチパネル用ベースフィルム、AR(アンチリフレクション)フィルム、CRT用の破砕防止フィルム等の用途は、優れた強度、寸法安定性が要求されるため100μm以上の比較的厚手のフィルムが好適に用いられる。前記光学用途では、基材フィルムの両面に他の部材を積層されることが多いことから、基材フィルムとしては両面に易接着性を有し、かつ透明性に優れ、さらに光学的な欠点となるフィルム中に含まれる微小な異物も極力少ないことが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に二軸配向ポリエステルフィルムは、概して他の材料、例えばアクリレートを主成分とするプリズムレンズやハードコートとの接着性が悪いことが知られている。また、ポリエステルフィルムはハンドリング性を良くするために、不活性粒子をフィルム中に含有させることにより、フィルム表面に凹凸を形成させることが一般に行われている。しかしながら、光学用途に二軸配向ポリエステルフィルムを用いる場合、不活性粒子をフィルム中に含有させることは、透明性を悪化させる原因となる。
【0004】
また、基材フィルムを製膜する際、原料ポリマー中に異物が存在すると、製膜時の延伸工程でこの異物の周囲でポリエステル分子の配向が乱れ、光学的歪みが発生する。この光学的歪みのため、実際の異物の大きさよりもかなり大きな欠点として認識されるため、著しく品位を損なう。例えば、大きさ20μmの異物でも、光学的には50μm以上の大きさとして認識され、さらには100μm以上の大きさの光学欠点として認識される場合もある。高透明なフィルムを得るためには、基材フィルム中に易滑性を付与するための粒子を含有させないか、透明性を阻害しない程度に少量しか含有させないことが望ましいが、粒子含有量が少なくフィルムの透明性が高くなるほど、微小な異物による光学欠点はより鮮明となる傾向にある。また、フィルムが厚手になるほど、フィルム単位面積当たりの異物の含有量が薄手のフィルムより多くなる傾向にあり、一層この問題は大きくなる。
【0005】
一方、フィルムの透明性を高くするために、基材フィルム中に粒子を含有させないか、透明性を阻害しない程度に少量しか含有させないと、フィルムの易滑性が不十分となりハンドリング性が悪化する。そのため、易接着層に易滑性付与を目的とした粒子を添加する必要があり、これらの粒子は透明性を確保するために可視光線の波長以下の極めて平均粒径が小さい粒子を用いる必要がある。しかし、これらの微細粒子は粗大凝集物となりやすく、この粗大凝集物を含有する易接着層を基材フィルムに積層すると光学欠点の原因となる。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、前記問題点に鑑み、優れた透明性、易接着性を有し、且つ光学欠点の少ない光学用易接着フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の課題は、以下の達成手段により達成される。
A.ポリエチレンテレフタレートからなる厚みが100μm以上の二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、前記基材の両面に高分子易接着層を形成したフィルムであって、前記高分子易接着層は共重合ポリエステル系樹脂(A)及びポリウレタン系樹脂(B)及び粒子を含み、前記共重合ポリエステル系樹脂(A)と前記ポリウレタン系樹脂(B)の重量比(A):(B)が90:10〜10:90であり、前記基材フィルム中に実質的に粒子を含まず、且つ、下記測定方法により測定された前記基材フィルム表面に凸部の高さが1μm以上で最大径が20μm以上の形状を有し、凸部に隣接している所から100μm以内の凹部の深さが0.5μm以上の異物が10個/m以下であり、前記高分子易接着層の表面及び内部に存在する最大径が100μm以上の異物が3個/m 以下であることを特徴とする光学用易接着フィルム。
(測定方法)
(1)光学欠点の検出方法
投光器として20W×2灯の蛍光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度で入射すると、そこに光学欠点が存在すると光り輝き、その光量をXYテーブル上方500mmに配置したCCDイメージセンサカメラで電気信号に変換し、その電気信号を増幅し、微分してスレッシュホールドレベルとコンパレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力する。また、CCDイメージセンサカメラから入力されたビデオ信号を画像手順により光学欠点の大きさを計測し設定された大きさの光学欠点の位置を表示する。
(2)フィルム表面の凹凸の高さ及び深さの測定
非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)を使用して測定する。前述の光学欠点検出装置を用い、検出した欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中粒子の粗大凝集物による光学欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り取って、Al蒸着を行い、非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)でフィルム面に対して垂直方向から観察した時の大きさと高さ及び深さを測定した。
【0008】
.前記記載の二軸配向ポリエステルフィルムのヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする記載の光学用易接着フィルム。
.前記光学用易接着フィルムの製造方法において、未延伸シートを冷却する方法として、冷却ロールとの接触面とは反対側のフィルム表面に高速気流を吹きつけて冷却することを特徴とするAまたはB記載の光学用易接着フィルム。
D.A乃至C記載の光学用易接着フィルムの少なくとも一方の高分子易接着層面にアクリレート系樹脂を積層してなる光学フィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学用易接着フィルムにおける実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の基材フィルムである二軸配向ポリエステルフィルムはポリエチレンテレフタレートから形成された二軸配向フィルムある。
【0011】
た、上記ポリエステル系樹脂には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤として、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙げられる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、易滑性付与を目的とした粒子は実質的に含有していない。
【0012】
また、本発明の光学易接着フィルムの易接着層は、二軸配向ポリエステルフィルムの両面に積層され、好ましくは未延伸または一軸延伸後のポリエステルフィルムの両面に易接着層を設け、その後少なくとも一軸方向に延伸・熱固定処理するインラインコート法により積層される。インラインコート法により積層される易接着層に、適切な粒径の微粒子を含有させることにより滑り性をもたせておけば、良好な巻き取り性、キズ発生防止機能を付与できる。このため、二軸配向ポリエステル中には微粒子を含有させる必要がなく、高透明性を保持することができる。
【0013】
また、二軸配向ポリエステルフィルムの原料であるポリエステル樹脂ペレットの固有粘度は、0.45から0.70dl/gの範囲が好ましい。固有粘度が0.45dl/gよりも低いと、耐引き裂き性向上効果が悪化する。一方、固有粘度が0.70dl/gより大きいと、濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難となる。
【0014】
本発明でいう易接着とは、[0062]に記載の方法にしたがって測定したときに得られるアクリレート製コートとの接着性が85%以上を意味し、好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。
本発明の光学用易接着フィルムの易接着層は、主な樹脂成分として、共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含有させることが好ましい。共重合ポリエステル系樹脂単独では、ポリエステル系基材フィルムとの接着性は十分であるが、防眩ハードコートなどに使用されるアクリル系樹脂との接着性に劣る傾向がある。また、ポリウレタン系樹脂単独ではアクリレート系樹脂との接着性には優れるが、ポリエステル系基材フィルムとの接着性に劣る傾向がある。
【0015】
本発明の易接着層に好適に使用される共重合ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分と分岐したグリコール成分を構成成分とするものが好ましい。前記の分岐したグリコール成分とは、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0016】
上記の分岐したグリコール成分は、全グリコール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含有される。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレンリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いても良い。
【0017】
共重合ポリエステル系樹脂に構成成分として含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分のほかに、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフタル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好ましい。例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジカルボン酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソフタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
【0018】
本発明の光学用易接着フィルムの易接着層に好適に使用されるポリウレタン樹脂としては、例えば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であって、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下ブロックと言う)した、熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙げられる。上記イソシアネート基のブロック化剤としては、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノール類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メチレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイソシアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるいは水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット過程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロック化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
【0019】
上記ブロック化剤の内、熱処理温度、熱処理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、重亜硫酸塩類が最も好ましい。上記樹脂において使用される、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000の化合物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは、(3)分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得られる、末端イソシアネート基を有する化合物である。
【0020】
上記(1)の化合物として一般に知られているのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。 ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド及び、プロピレンオキシド等アルキレンオキシド類、あるいはスチレンオキシドおよびエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそれらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合物がある。
【0021】
ポリエステルポリオール及びポリエーテルエステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール類の混合物とを縮合することにより得ることができる。
【0022】
さらにポリエステルポリオールとしては、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエーテルエステル類も使用することができる。
【0023】
上記(2)の有機ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。
【0024】
上記(3)の少なくとも2個の活性水素を有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノアルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリコール類、あるいは水が挙げられる。
【0025】
ウレタンプレポリマーを合成するには通常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシアネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは70〜120℃の温度において、5分ないし数時間反応させる。活性水素原子に対するイソシアネート基の比は、1以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポリマー中に遊離のイソシアネート基が残存することが必要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含有量は10重量%以下であればよいが、ブロック化された後のウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量%以下であるのが好ましい。
【0026】
得られた上記ウレタンプレポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫酸塩水溶液と混合し、約5分〜1時間、よく攪拌しながら反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが好ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱反応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜200℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プレポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応によってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官能基への付加を起こす性質を有するようになる。
【0027】
上記に説明したブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)の1例としては、第一工業製薬(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネート基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するため、水溶性となっている。
【0028】
本発明で好適に使用される、分岐したグリコール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A)およびブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(A)と樹脂(B)の重量比は(A):(B)=90:10〜10:90が好ましく、更に好ましくは(A):(B)=80:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対する上記樹脂(A)の割合が10重量%未満では、基材フィルムへの塗布性が不良となりやすく、表面層と該フィルムとの間の接着性が不十分となりやすい。固形分重量に対する上記樹脂(B)の割合が10重量%未満の場合には、UV硬化タイプのハードコートにおいては実用性のある接着性が得られない傾向がある。
【0029】
本発明で使用される水性塗布液には、熱架橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例えば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用いられる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
【0030】
上記水性塗布液を基材フィルム表面に塗布する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性活性剤およびノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等のアルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とする。
【0031】
有機溶剤の添加量が50重量%未満であれば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには火災などの危険性も考えられる。
【0032】
本発明の光学易接着フィルムは、基材フィルム中に易滑性付与を目的とした粒子を実質的に含有しないため、耐スクラッチ性、フィルムの巻き上げ性を向上させるために、易接着層に適当な粒子を含有させ、易接着層表面に適度な突起を形成させることが好ましい。
【0033】
かかる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。なかでもシリカ粒子はポリエステル樹脂と屈折率が比較的近く、高透明のフィルムを得やすいため最も好適である。
【0034】
上記水性塗布液に添加する粒子の平均粒径は、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。平均粒径が1.0μmを超えると、フィルムの易接着面が粗面化し、フィルムの透明性が低下する傾向がある。また、上記塗液中に含まれる粒子含有量は、通常、塗布、乾燥後で塗布膜の粒子含有量が60重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下になるよう添加する。塗布膜の粒子含有量が60重量%を超えると、フィルムの易接着性が損なわれることがある。
【0035】
フィルムの易接着層中に、前記粒子を2種類以上配合してもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを配合してもよい。いずれにしても、粒子全体の平均粒径、および合計の含有量が、上記した範囲を満足することが好ましい。上記塗布液を塗布する際には、塗布液中の粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液が精密濾過されるように濾材を配置する必要がある。
【0036】
本発明で使用する、塗布液を精密濾過するための濾材は、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μm以下であることが好ましい。濾過粒子サイズが25μmを超えると、粗大凝集物の除去が不十分となりやすい。そのため、濾過で除去できなかった粗大凝集物は、塗布乾燥後の一軸延伸又は二軸延伸工程での延伸応力により広がって、100μm以上の凝集物として認識され、結果として光学欠点の原因となる。
塗布液を精密濾過するための濾材のタイプは、上記性能を有していれば特に限定はなく、例えば、フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。
塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記性能を有しかつ塗布液に悪影響を及ばさない限り特に限定はなく、例えば、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
【0037】
前記水性塗布液の組成物には、その効果を消失しない限りにおいて、帯電防止剤、紫外線吸収防止剤可塑剤、顔料、有機フィラーおよび潤滑剤等の種々の添加剤を混合してもよい。さらに、塗布液が水性であるため、その寄与効果を消失しない限りにおいて、性能向上のために、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエマルジョン等を塗布液に添加してもよい。
【0038】
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、100μm以上であることが好ましく、さらに好ましいのは50〜300μmであり、特に好ましいのは100〜250μmである。フィルム厚みが100μm未満では剛性が不十分となる傾向がある。また、フィルムヘーズ値は1.0%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.6%以下である。フィルムヘーズ値が1.0%を超えると、該フィルムをタッチパネル用ベースフィルム、ブラウン管用AR(アンチリフレクション)フィルム、CRT用の破砕防止等に用いた場合、画面の鮮明度が低下する傾向があるので好ましくない。
【0039】
次に、本発明の光学用易接着フィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)を例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。易滑性付与を目的とした粒子を実質的に含有していないPETのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この際、溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。
【0040】
さらに、溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μm以下の濾材を使用して溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより生産性が低下する場合があるが、光学欠点の少ない光学用フィルムを得るには極めて好適である。
【0041】
未延伸シートを冷却する方法としては、溶融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート上に押し出し、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知の方法が適用できる。このシート状物のエア面(冷却ドラムと接触する面との反対面)を冷却する方法としては、公知の方法が適用することができる。例えば、シート面に槽内の冷却用液体に接触させる方法、シートエア面にスプレーノズルで蒸散する液体を塗布する方法、高速気流を吹きつけて冷却する方法などを併用しても良い。また、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させる方法としては、例えば、シート状溶融物にエアナイフを使用する方法や静電荷を印荷する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、後者の静電印荷キャスト法が厚みむらの点から好適である。
【0042】
溶融樹脂の押し出し工程において濾材を通過する微細な異物であっても、シート状溶融物の冷却過程において異物の周囲で結晶化が進み、これが次に述べる延伸工程において延伸の不均一性を引き起こし、微小な厚みの差異を生じせしめレンズ状態となる。ここでは光はレンズがあるかの様に屈折又は散乱し、肉眼で観察した時には実際の異物より大きく見える様になる。この微小な厚みの差は、凸部の高さと凹部の深さの差として観測することができ、凸部の高さが1μm以上で、凸部に隣接する凹部の深さが0.5μm以上であると、レンズ効果により、大きさが20μmの形状の物でも肉眼的には50μm以上の大きさとして認識され、さらには100μm以上の大きさの光学欠点として認識される場合もある。高透明なフィルムを得るためには、基材フィルム中に易滑性を付与するための粒子を含有させない方が望ましいが、粒子添加量が少なく透明性が高い程、微小な凹凸による光学欠点はより鮮明となる傾向にある。また、厚手のフィルムの表面は薄手のフィルムより急冷となりにくく、結晶化が進む傾向にあり、一層この問題は大きい。
【0043】
得られた未延伸シートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向あるいは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施してもよい。
【0044】
この工程中の任意の段階でポリエステルフィルムの両面に、前述した共重合ポリエステルやポリウレタン樹脂の水溶液を塗布する。
上記水性塗布液を塗布するには、公知の任意の方法で行うことができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカーテン・コート法などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
【0045】
上記水性塗布液を塗布する工程は、通常の塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルムに塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好ましくは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布する。水性塗布液中の固形分濃度は、30重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%以下である。該水性塗布液の塗布量(フィルム単位面積当りの固形分重量)は、0.04〜5g/m2であることが好ましく、特に好ましくは0.2〜4g/m2である。該水性塗布液が塗布されたフィルムは、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこで加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、ポリエステル系積層フィルムとなる。インキとの良好な密着性を得るためには、この時の塗布量が0.01g/m2以上であって、100℃、1分以上の熱処理が必要である。
【0046】
かくして得られた易接着ポリエステルフィルムは、透明性及び易接着性に優れ、かつ光学欠点が少ないという特徴を有しており、タッチパネル用のベースフィルムやAR(アンチリフレクション)フィルム用のベースフィルム及びCRT用の破砕防止フィルム等に好適に使用できる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、当然、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0048】
(実施例1)
(1)塗布液の調整
本発明に用いる塗布液は、次の方法にしたがって調製した。ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタレート95部、エチレングリコール35部、ネオペンチルグリコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化アンチモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5-ナトリウムスルホイソフタル酸6.0部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間かけて重縮合反応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポリエステル樹脂を得た。
【0049】
得られたポリエステル樹脂(A)の30%水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラストロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品名Cat64)を0.5部、水を47.8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤を1重量%、滑剤(日産化学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し塗布液とした。(以下、塗布液ABと略記する。)
【0050】
(2)易接着フィルムの製膜
実施例原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得た。
この際、溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いた。次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。その後、前記塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で両面に塗布、乾燥した。この時のコート量はいずれも0.01g/m2であった。塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持して、130℃に加熱された熱風ゾーンに導き乾燥した後、幅方向に4.0倍に延伸し、厚さ100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
【0051】
(実施例2)
キャスティングフィルムの厚さが1750μm、製膜後の厚さが125μmであること以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
【0052】
(実施例3)
キャスティングフィルムの厚さが2632μm、製膜後の厚さが188μmであり、冷却ロールとの接触面とは反対側のフィルム表面に高速気流を吹きつけて冷却をした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
【0053】
(実施例4)
溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が10μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0054】
(実施例5)
溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が10μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例3と同様の方法で厚さ188μmのフィルムを得た。
【0055】
(実施例6)
塗布液を精密濾過するための濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が10μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmにフィルムを得た。
【0056】
(比較例1)
高分子易接着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
【0057】
(比較例2)
塗布液を片面に塗布した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ100μmのフィルムを得た。
【0058】
(比較例3)
異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0059】
(比較例4)
異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0060】
(比較例5)
実施例原料ポリマーとして、平均粒径1.4μmのシリカを200ppm含有し、かつ固有粘度が0.60dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmにフィルムを得た。
【0061】
(比較例6)
異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例3と同様の方法で厚さ188μmのフィルムを得た。
【0062】
(比較例7)
異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いて、冷却ロールとの接触面とは反対側の表面に高速気流を吹きつけて冷却することをしなかった以外は、実施例5と同様の方法で厚さ188μmのフィルムを得た。
【0063】
(評価方法)
以下に本発明で用いた評価方法について説明する。
(1)アクリレート製コート層との接着性
実施例及び比較例で得たフィルムの易接着層面に、大日精化社製ハードコート剤(セイカビームEXF01(B))を#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で200mJ/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件下で、厚み3μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法で接着性を求めた。具体的には、易接着層を貫通して基材フィルムに達する100個の升目状の切り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405番;24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がして目視により下記の式から接着性を求めた。
接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
【0064】
(2)光学欠点の検出方法
以下に説明する光学欠点検出装置により、250mm×250mmのフィルム片16枚について、光学的に50μm以上の大きさと認識される光学欠点を検出した。
(光学欠点の検出原理)
投光器として20W×2灯の蛍光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度で入射すると、そこに光学欠点が存在すると光り輝き、その光量をXYテーブル上方500mmに配置したCCDイメージセンサカメラで電気信号に変換し、その電気信号を増幅し、微分してスレッシュホールドレベルとコンパレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力する。また、CCDイメージセンサカメラから入力されたビデオ信号を画像手順により光学欠点の大きさを計測し設定された大きさの光学欠点の位置を表示する。
【0065】
(3)フィルム中異物及び塗布液中粒子の粗大凝集物の大きさの測定方法
前述の光学欠点検出装置より検出した欠点部分から、異物による光学欠点及び塗布液中粒子の粗大凝集物による光学欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り取って、スケール付き顕微鏡で、フィルム面に対して垂直方向から観察した時の大きさを測定した。
異物による光学欠点の場合、20μm以上の最大径を有する異物の個数(個/m2)を求めた。塗布液中粒子の粗大凝集物の場合、100μm以上の最大径を有する異物の個数(個/m2)を求めた。
【0066】
(4)フィルム表面の凹凸の高さ及び深さの測定
非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)を使用して測定する。前述
の光学欠点検出装置を用い、検出した欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中粒子の粗大凝集物による光学欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り取って、Al蒸着を行い、非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)でフィルム面に対して垂直方向から観察した時の大きさと高さ及び深さを測定した。異物による光学欠点の場合、異物の最大径が20μm以上の異物の個数(個/m2)を求めた。
【0067】
(5)フィルムヘイズ値の測定
JIS−K7105に準じ、ヘイズメーター(東京電色工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
【0068】
実施例1〜6、及び比較例1〜7について、条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004320762
【0070】
【表2】
Figure 0004320762
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた透明性とAR(アンチリフレクション)加工等のアクリル酸系樹脂に対し優れた接着性を有し、さらに光学欠点の少ない光学用フィルムを得ることができる。

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレートからなる厚みが100μm以上の二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、前記基材の両面に高分子易接着層を形成したフィルムであって、
    前記高分子易接着層は共重合ポリエステル系樹脂(A)及びポリウレタン系樹脂(B)及び粒子を含み、
    前記共重合ポリエステル系樹脂(A)と前記ポリウレタン系樹脂(B)の重量比(A):(B)が90:10〜10:90であり、
    前記基材フィルム中に実質的に粒子を含まず、
    且つ、下記測定方法により測定された前記基材フィルム表面に凸部の高さが1μm以上で最大径が20μm以上の形状を有し、凸部に隣接している所から100μm以内の凹部の深さが0.5μm以上の異物が10個/m以下であり、
    前記高分子易接着層の表面及び内部に存在する最大径が100μm以上の異物が3個/m 以下であることを特徴とする光学用易接着フィルム。
    (測定方法)
    (1)光学欠点の検出方法
    投光器として20W×2灯の蛍光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度で入射すると、そこに光学欠点が存在すると光り輝き、その光量をXYテーブル上方500mmに配置したCCDイメージセンサカメラで電気信号に変換し、その電気信号を増幅し、微分してスレッシュホールドレベルとコンパレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力する。また、CCDイメージセンサカメラから入力されたビデオ信号を画像手順により光学欠点の大きさを計測し設定された大きさの光学欠点の位置を表示する。
    (2)フィルム表面の凹凸の高さ及び深さの測定
    非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)を使用して測定する。前述の光学欠点検出装置を用い、検出した欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中粒子の粗大凝集物による光学欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り取って、Al蒸着を行い、非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)でフィルム面に対して垂直方向から観察した時の大きさと高さ及び深さを測定した。
  2. 前記記載の二軸配向ポリエステルフィルムのヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする請求項記載の光学用易接着フィルム。
  3. 前記光学用易接着フィルムの製造方法において、未延伸シートを冷却する方法として、冷却ロールとの接触面とは反対側のフィルム表面に高速気流を吹きつけて冷却することを特徴とする請求項1または2記載の光学用易接着フィルム。
  4. 請求項1乃至3記載の光学用易接着フィルムの少なくとも一方の高分子易接着層面にアクリレート系樹脂を積層してなる光学フィルム。
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