JP2000238221A - 光学用易接着フィルム - Google Patents

光学用易接着フィルム

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JP2000238221A JP4285099A JP4285099A JP2000238221A JP 2000238221 A JP2000238221 A JP 2000238221A JP 4285099 A JP4285099 A JP 4285099A JP 4285099 A JP4285099 A JP 4285099A JP 2000238221 A JP2000238221 A JP 2000238221A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性、易接着性を有し、且つ光学欠
点の少ない光学用易接着フィルムを提供する。 【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムを基材と
し、前記基材の両面に高分子易接着層を形成したフィル
ムであって、前記基材フィルム中に実質的に粒子を含ま
ず、且つ、前記基材フィルム表面に凸部の高さが1μm
以上で最大径が20μm以上の形状を有し、凸部に隣接
している所から100μm以内の凹部の深さが0.5μ
m以上の異物が10個/m2以下であることを特徴とす
る光学用易接着フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用易接着フィ
ルム、特に優れた透明性、易接着性を有し、かつ光学欠
点の少ない光学用易接着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】二軸配向ポリエステルフィルムは優れた透
明性、寸法安定性、耐薬品性から各種光学用フィルムと
して多く利用されている。特に、タッチパネル用ベース
フィルム、AR(アンチリフレクション)フィルム、C
RT用の破砕防止フィルム等の用途は、優れた強度、寸
法安定性が要求されるため100μm以上の比較的厚手
のフィルムが好適に用いられる。前記光学用途では、基
材フィルムの両面に他の部材を積層されることが多いこ
とから、基材フィルムとしては両面に易接着性を有し、
かつ透明性に優れ、さらに光学的な欠点となるフィルム
中に含まれる微小な異物も極力少ないことが望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に二軸
配向ポリエステルフィルムは、概して他の材料、例えば
アクリレートを主成分とするプリズムレンズやハードコ
ートとの接着性が悪いことが知られている。また、ポリ
エステルフィルムはハンドリング性を良くするために、
不活性粒子をフィルム中に含有させることにより、フィ
ルム表面に凹凸を形成させることが一般に行われてい
る。しかしながら、光学用途に二軸配向ポリエステルフ
ィルムを用いる場合、不活性粒子をフィルム中に含有さ
せることは、透明性を悪化させる原因となる。
【0004】また、基材フィルムを製膜する際、原料ポ
リマー中に異物が存在すると、製膜時の延伸工程でこの
異物の周囲でポリエステル分子の配向が乱れ、光学的歪
みが発生する。この光学的歪みのため、実際の異物の大
きさよりもかなり大きな欠点として認識されるため、著
しく品位を損なう。例えば、大きさ20μmの異物で
も、光学的には50μm以上の大きさとして認識され、
さらには100μm以上の大きさの光学欠点として認識
される場合もある。高透明なフィルムを得るためには、
基材フィルム中に易滑性を付与するための粒子を含有さ
せないか、透明性を阻害しない程度に少量しか含有させ
ないことが望ましいが、粒子含有量が少なくフィルムの
透明性が高くなるほど、微小な異物による光学欠点はよ
り鮮明となる傾向にある。また、フィルムが厚手になる
ほど、フィルム単位面積当たりの異物の含有量が薄手の
フィルムより多くなる傾向にあり、一層この問題は大き
くなる。
【0005】一方、フィルムの透明性を高くするため
に、基材フィルム中に粒子を含有させないか、透明性を
阻害しない程度に少量しか含有させないと、フィルムの
易滑性が不十分となりハンドリング性が悪化する。その
ため、易接着層に易滑性付与を目的とした粒子を添加す
る必要があり、これらの粒子は透明性を確保するために
可視光線の波長以下の極めて平均粒径が小さい粒子を用
いる必要がある。しかし、これらの微細粒子は粗大凝集
物となりやすく、この粗大凝集物を含有する易接着層を
基材フィルムに積層すると光学欠点の原因となる。
【0006】すなわち、本発明の目的は、前記問題点に
鑑み、優れた透明性、易接着性を有し、且つ光学欠点の
少ない光学用易接着フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、以
下の達成手段により達成される。 A. 二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、前記
基材の両面に高分子易接着層を形成したフィルムであっ
て、前記基材フィルム中に実質的に粒子を含まず、且
つ、前記基材フィルム表面に凸部の高さが1μm以上で
最大径が20μm以上の形状を有し、凸部に隣接してい
る所から100μm以内の凹部の深さが0.5μm以上
の異物が10個/m2以下であることを特徴とする光学
用易接着フィルム。 B. A記載の高分子易接着層が、共重合ポリエステル
系樹脂及びポリウレタン系樹脂からなることを特徴とす
る光学用易接着フィルム。
【0008】C. 前記記載の高分子易接着層に粒子を
含有することを特徴とするAまたはB記載の光学用易接
着フィルム。 D. 前記記載の高分子易接着層の表面及び内部に存在
する、最大径が100μm以上の異物が3個/m2以下
であることを特徴とするA乃至C記載の光学用易接着フ
ィルム。 E. 前記記載の二軸配向ポリエステルフィルムのヘイ
ズ値が1.0%以下であることを特徴とするA乃至D記
載の光学用易接着フィルム。 F. 前記記載の二軸配向ポリエステルフィルムの厚み
が100μm以上であることを特徴とするA乃至E記載
の光学用易接着フィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学用易接着フィ
ルムにおける実施の形態を説明する。
【0010】本発明の基材フィルムである二軸配向ポリ
エステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする
共重合体が用いられるが、中でもポリエチレンテレフタ
レートから形成された二軸配向フィルムが特に好適であ
る。
【0011】二軸配向ポリエステルフィルムを形成する
樹脂として、ポリエステル共重合体を用いる場合、その
ジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット
酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;
p−キシレングリコール等の芳香族グリコール;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;
平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコ
ール等が用いられる。好ましい共重合体の比率は20%
未満である。20%以上ではフィルム強度、透明性、耐
熱性が劣る場合がある。また、上記ポリエステル系樹脂
には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤と
して、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙
げられる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムには、易滑性付与を目的とした粒子は実質的に含有し
ていない。
【0012】また、本発明の光学易接着フィルムの易接
着層は、二軸配向ポリエステルフィルムの両面に積層さ
れ、好ましくは未延伸または一軸延伸後のポリエステル
フィルムの両面に易接着層を設け、その後少なくとも一
軸方向に延伸・熱固定処理するインラインコート法によ
り積層される。インラインコート法により積層される易
接着層に、適切な粒径の微粒子を含有させることにより
滑り性をもたせておけば、良好な巻き取り性、キズ発生
防止機能を付与できる。このため、二軸配向ポリエステ
ル中には微粒子を含有させる必要がなく、高透明性を保
持することができる。
【0013】また、二軸配向ポリエステルフィルムの原
料であるポリエステル樹脂ペレットの固有粘度は、0.
45から0.70dl/gの範囲が好ましい。固有粘度
が0.45dl/gよりも低いと、耐引き裂き性向上効
果が悪化する。一方、固有粘度が0.70dl/gより
大きいと、濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難とな
る。
【0014】本発明でいう易接着とは、[0062]に
記載の方法にしたがって測定したときに得られるアクリ
レート製コートとの接着性が85%以上を意味し、好ま
しくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上で
ある。本発明の光学用易接着フィルムの易接着層は、主
な樹脂成分として、共重合ポリエステル系樹脂及びポリ
ウレタン系樹脂を含有させることが好ましい。共重合ポ
リエステル系樹脂単独では、ポリエステル系基材フィル
ムとの接着性は十分であるが、防眩ハードコートなどに
使用されるアクリル系樹脂との接着性に劣る傾向があ
る。また、ポリウレタン系樹脂単独ではアクリレート系
樹脂との接着性には優れるが、ポリエステル系基材フィ
ルムとの接着性に劣る傾向がある。
【0015】本発明の易接着層に好適に使用される共重
合ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分と分
岐したグリコール成分を構成成分とするものが好まし
い。前記の分岐したグリコール成分とは、例えば、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパン
ジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,
3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0016】上記の分岐したグリコール成分は、全グリ
コール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合
で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含有され
る。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレ
ンリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールなどを用いても良い。
【0017】共重合ポリエステル系樹脂に構成成分とし
て含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他
のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,
6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸
を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分の
ほかに、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフ
タル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好まし
い。例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジ
カルボン酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソ
フタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
【0018】本発明の光学用易接着フィルムの易接着層
に好適に使用されるポリウレタン樹脂としては、例え
ば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であっ
て、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下ブロ
ックと言う)した、熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙
げられる。上記イソシアネート基のブロック化剤として
は、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノー
ル類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メ
チレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイソ
シアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるいは
水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット過
程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロッ
ク化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂
は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエ
ステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等
とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため
耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完
了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤
がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
【0019】上記ブロック化剤の内、熱処理温度、熱処
理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、
重亜硫酸塩類が最も好ましい。上記樹脂において使用さ
れる、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、
(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機
ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個
の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000
の化合物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは、(3)
分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤
を反応せしめて得られる、末端イソシアネート基を有す
る化合物である。
【0020】上記(1)の化合物として一般に知られて
いるのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を
含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエ
ーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオー
ル等が挙げられる。 ポリエーテルポリオールとして
は、例えば、エチレンオキシド及び、プロピレンオキシ
ド等アルキレンオキシド類、あるいはスチレンオキシド
およびエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるい
はそれらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価ア
ルコールへの付加重合を行って得られた化合物がある。
【0021】ポリエステルポリオール及びポリエーテル
エステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは
分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、
フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不
飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽
和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエ
チレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれら
アルコール類の混合物とを縮合することにより得ること
ができる。
【0022】さらにポリエステルポリオールとしては、
ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステル
類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、あ
らかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシド
あるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエー
テルエステル類も使用することができる。
【0023】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネー
ト及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート
類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリ
メチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソ
シアネート類が挙げられる。
【0024】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6
−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等
の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエ
タノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノア
ルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリ
コール類、あるいは水が挙げられる。
【0025】ウレタンプレポリマーを合成するには通
常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシ
アネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは
70〜120℃の温度において、5分ないし数時間反応
させる。活性水素原子に対するイソシアネート基の比
は、1以上であれば自由に選べるが、得られるウレタン
プレポリマー中に遊離のイソシアネート基が残存するこ
とが必要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含
有量は10重量%以下であればよいが、ブロック化され
た後のウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、
7重量%以下であるのが好ましい。
【0026】得られた上記ウレタンプレポリマーは、好
ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫
酸塩水溶液と混合し、約5分〜1時間、よく攪拌しなが
ら反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが
好ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱
反応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用す
る際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜
200℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が
解離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プ
レポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応
によってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官
能基への付加を起こす性質を有するようになる。
【0027】上記に説明したブロック型イソシアネート
基を含有する樹脂(B)の1例としては、第一工業製薬
(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。
エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネー
ト基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水
性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するた
め、水溶性となっている。
【0028】本発明で好適に使用される、分岐したグリ
コール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A)お
よびブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)
を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(A)と樹脂
(B)の重量比は(A):(B)=90:10〜10:
90が好ましく、更に好ましくは(A):(B)=8
0:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対す
る上記樹脂(A)の割合が10重量%未満では、基材フ
ィルムへの塗布性が不良となりやすく、表面層と該フィ
ルムとの間の接着性が不十分となりやすい。固形分重量
に対する上記樹脂(B)の割合が10重量%未満の場合
には、UV硬化タイプのハードコートにおいては実用性
のある接着性が得られない傾向がある。
【0029】本発明で使用される水性塗布液には、熱架
橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例え
ば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性
物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用い
られる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ
性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
【0030】上記水性塗布液を基材フィルム表面に塗布
する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均
一にコートするために、公知のアニオン性活性剤および
ノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることが
できる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、
イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等の
アルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未
満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満
であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範
囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類
とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とす
る。
【0031】有機溶剤の添加量が50重量%未満であれ
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の
濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するた
めに、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには
火災などの危険性も考えられる。
【0032】本発明の光学易接着フィルムは、基材フィ
ルム中に易滑性付与を目的とした粒子を実質的に含有し
ないため、耐スクラッチ性、フィルムの巻き上げ性を向
上させるために、易接着層に適当な粒子を含有させ、易
接着層表面に適度な突起を形成させることが好ましい。
【0033】かかる粒子の例としては、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二
酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の
無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有
機粒子を挙げることができる。なかでもシリカ粒子はポ
リエステル樹脂と屈折率が比較的近く、高透明のフィル
ムを得やすいため最も好適である。
【0034】上記水性塗布液に添加する粒子の平均粒径
は、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、
さらに好ましくは0.1μm以下である。平均粒径が
1.0μmを超えると、フィルムの易接着面が粗面化
し、フィルムの透明性が低下する傾向がある。また、上
記塗液中に含まれる粒子含有量は、通常、塗布、乾燥後
で塗布膜の粒子含有量が60重量%以下、好ましくは5
0重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下になる
よう添加する。塗布膜の粒子含有量が60重量%を超え
ると、フィルムの易接着性が損なわれることがある。
【0035】フィルムの易接着層中に、前記粒子を2種
類以上配合してもよく、同種の粒子で粒径の異なるもの
を配合してもよい。いずれにしても、粒子全体の平均粒
径、および合計の含有量が、上記した範囲を満足するこ
とが好ましい。上記塗布液を塗布する際には、塗布液中
の粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布
液が精密濾過されるように濾材を配置する必要がある。
【0036】本発明で使用する、塗布液を精密濾過する
ための濾材は、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)
が25μm以下であることが好ましい。濾過粒子サイズ
が25μmを超えると、粗大凝集物の除去が不十分とな
りやすい。そのため、濾過で除去できなかった粗大凝集
物は、塗布乾燥後の一軸延伸又は二軸延伸工程での延伸
応力により広がって、100μm以上の凝集物として認
識され、結果として光学欠点の原因となる。塗布液を精
密濾過するための濾材のタイプは、上記性能を有してい
れば特に限定はなく、例えば、フィラメント型、フェル
ト型、メッシュ型が挙げられる。塗布液を精密濾過する
ための濾材の材質は、上記性能を有しかつ塗布液に悪影
響を及ばさない限り特に限定はなく、例えば、ステンレ
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げ
られる。
【0037】前記水性塗布液の組成物には、その効果を
消失しない限りにおいて、帯電防止剤、紫外線吸収防止
剤可塑剤、顔料、有機フィラーおよび潤滑剤等の種々の
添加剤を混合してもよい。さらに、塗布液が水性である
ため、その寄与効果を消失しない限りにおいて、性能向
上のために、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエマ
ルジョン等を塗布液に添加してもよい。
【0038】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの厚みは、100μm以上であることが好ましく、
さらに好ましいのは50〜300μmであり、特に好ま
しいのは100〜250μmである。フィルム厚みが1
00μm未満では剛性が不十分となる傾向がある。ま
た、フィルムヘーズ値は1.0%以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは
0.6%以下である。フィルムヘーズ値が1.0%を超
えると、該フィルムをタッチパネル用ベースフィルム、
ブラウン管用AR(アンチリフレクション)フィルム、
CRT用の破砕防止等に用いた場合、画面の鮮明度が低
下する傾向があるので好ましくない。
【0039】次に、本発明の光学用易接着フィルムの製
造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略称する)を例にして説明するが、当然これに限
定されるものではない。易滑性付与を目的とした粒子を
実質的に含有していないPETのペレットを十分に真空
乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃でシート
状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシ
ートを製膜する。この際、溶融樹脂が約280℃に保た
れた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するた
めに高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いら
れる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体
の濾材の場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分
とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適で
ある。
【0040】さらに、溶融樹脂の高精度濾過に用いられ
る濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は15
μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μm
を超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となり
やすい。濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15
μm以下の濾材を使用して溶融樹脂の高精度濾過を行う
ことにより生産性が低下する場合があるが、光学欠点の
少ない光学用フィルムを得るには極めて好適である。
【0041】未延伸シートを冷却する方法としては、溶
融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート上に押し
出し、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させなが
ら、急冷してシートとする公知の方法が適用できる。こ
のシート状物のエア面(冷却ドラムと接触する面との反
対面)を冷却する方法としては、公知の方法が適用する
ことができる。例えば、シート面に槽内の冷却用液体に
接触させる方法、シートエア面にスプレーノズルで蒸散
する液体を塗布する方法、高速気流を吹きつけて冷却す
る方法などを併用しても良い。また、シート状溶融物を
回転冷却ドラムに密着させる方法としては、例えば、シ
ート状溶融物にエアナイフを使用する方法や静電荷を印
荷する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、後者
の静電印荷キャスト法が厚みむらの点から好適である。
【0042】溶融樹脂の押し出し工程において濾材を通
過する微細な異物であっても、シート状溶融物の冷却過
程において異物の周囲で結晶化が進み、これが次に述べ
る延伸工程において延伸の不均一性を引き起こし、微小
な厚みの差異を生じせしめレンズ状態となる。ここでは
光はレンズがあるかの様に屈折又は散乱し、肉眼で観察
した時には実際の異物より大きく見える様になる。この
微小な厚みの差は、凸部の高さと凹部の深さの差として
観測することができ、凸部の高さが1μm以上で、凸部
に隣接する凹部の深さが0.5μm以上であると、レン
ズ効果により、大きさが20μmの形状の物でも肉眼的
には50μm以上の大きさとして認識され、さらには1
00μm以上の大きさの光学欠点として認識される場合
もある。高透明なフィルムを得るためには、基材フィル
ム中に易滑性を付与するための粒子を含有させない方が
望ましいが、粒子添加量が少なく透明性が高い程、微小
な凹凸による光学欠点はより鮮明となる傾向にある。ま
た、厚手のフィルムの表面は薄手のフィルムより急冷と
なりにくく、結晶化が進む傾向にあり、一層この問題は
大きい。
【0043】得られた未延伸シートを、80〜120℃
に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸し
て、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルム
の端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱さ
れた熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0
倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾー
ンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完
了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向
あるいは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施してもよ
い。
【0044】この工程中の任意の段階でポリエステルフ
ィルムの両面に、前述した共重合ポリエステルやポリウ
レタン樹脂の水溶液を塗布する。上記水性塗布液を塗布
するには、公知の任意の方法で行うことができる。例え
ば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、
キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート
法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、
パイプドクター法、含浸・コート法およびカーテン・コ
ート法などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは
組み合わせて行うことができる。
【0045】上記水性塗布液を塗布する工程は、通常の
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好まし
くは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布す
る。水性塗布液中の固形分濃度は、30重量%以下であ
ることが好ましく、特に好ましくは10重量%以下であ
る。該水性塗布液の塗布量(フィルム単位面積当りの固
形分重量)は、0.04〜5g/m2であることが好ま
しく、特に好ましくは0.2〜4g/m2である。該水
性塗布液が塗布されたフィルムは、延伸および熱固定の
ためにテンターに導かれ、そこで加熱されて、熱架橋反
応により安定な被膜を形成し、ポリエステル系積層フィ
ルムとなる。インキとの良好な密着性を得るためには、
この時の塗布量が0.01g/m2以上であって、10
0℃、1分以上の熱処理が必要である。
【0046】かくして得られた易接着ポリエステルフィ
ルムは、透明性及び易接着性に優れ、かつ光学欠点が少
ないという特徴を有しており、タッチパネル用のベース
フィルムやAR(アンチリフレクション)フィルム用の
ベースフィルム及びCRT用の破砕防止フィルム等に好
適に使用できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、当然、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0048】(実施例1) (1)塗布液の調整 本発明に用いる塗布液は、次の方法にしたがって調製し
た。ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタ
レート95部、エチレングリコール35部、ネオペンチ
ルグリコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化
アンチモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3
時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5-ナトリ
ウムスルホイソフタル酸6.0部を添加し、240℃で
1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減
圧下(10〜0.2mmHg)で2時間かけて重縮合反
応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポリエス
テル樹脂を得た。
【0049】得られたポリエステル樹脂(A)の30%
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一工
業製薬製:商品名Cat64)を0.5部、水を47.
8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞれ混
合し、さらにアニオン性界面活性剤を1重量%、滑剤
(日産化学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%
添加し塗布液とした。(以下、塗布液ABと略記す
る。)
【0050】(2)易接着フィルムの製膜 実施例原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/
gで、かつ粒子を実質上含有していないポリエチレンテ
レフタレート樹脂ペレットを、135℃で6時間減圧乾
燥(1Torr)した。その後、押し出し機に供給し、
約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度2
0℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1400
μmのキャストフィルムを得た。この際、溶融樹脂の異
物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率9
5%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いた。次
に、このキャストフィルムを加熱されたロール群及び赤
外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のある
ロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PET
フィルムを得た。その後、前記塗布液を濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)が25μmのフェルト型ポリプ
ロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で両面
に塗布、乾燥した。この時のコート量はいずれも0.0
1g/m2であった。塗布後引き続いて、フィルムの端
部をクリップで把持して、130℃に加熱された熱風ゾ
ーンに導き乾燥した後、幅方向に4.0倍に延伸し、厚
さ100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
【0051】(実施例2)キャスティングフィルムの厚
さが1750μm、製膜後の厚さが125μmであるこ
と以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
【0052】(実施例3)キャスティングフィルムの厚
さが2632μm、製膜後の厚さが188μmであり、
冷却ロールとの接触面とは反対側のフィルム表面に高速
気流を吹きつけて冷却をした以外は、実施例1と同様の
方法でフィルムを得た。
【0053】(実施例4)溶融樹脂の異物除去用濾材と
して、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が10μ
mのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と
同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0054】(実施例5)溶融樹脂の異物除去用濾材と
して、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が10μ
mのステンレス製焼結濾材を用いた以外は、実施例3と
同様の方法で厚さ188μmのフィルムを得た。
【0055】(実施例6)塗布液を精密濾過するための
濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が
10μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材を用いた以
外は、実施例2と同様の方法で厚さ125μmにフィル
ムを得た。
【0056】(比較例1)高分子易接着層を設けなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmの
二軸配向PETフィルムを得た。
【0057】(比較例2)塗布液を片面に塗布した以外
は、実施例1と同様の方法で厚さ100μmのフィルム
を得た。
【0058】(比較例3)異物除去用濾材として、濾過
粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmのステン
レス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法
で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0059】(比較例4)異物除去用濾材として、濾過
粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmのステン
レス製焼結濾材を用いた以外は、実施例2と同様の方法
で厚さ125μmのフィルムを得た。
【0060】(比較例5)実施例原料ポリマーとして、
平均粒径1.4μmのシリカを200ppm含有し、か
つ固有粘度が0.60dl/gのポリエチレンテレフタ
レート樹脂ペレットを用いた以外は、実施例2と同様の
方法で厚さ125μmにフィルムを得た。
【0061】(比較例6)異物除去用濾材として、濾過
粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmのステン
レス製焼結濾材を用いた以外は、実施例3と同様の方法
で厚さ188μmのフィルムを得た。
【0062】(比較例7)異物除去用濾材として、濾過
粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステン
レス製焼結濾材を用いて、冷却ロールとの接触面とは反
対側の表面に高速気流を吹きつけて冷却することをしな
かった以外は、実施例5と同様の方法で厚さ188μm
のフィルムを得た。
【0063】(評価方法)以下に本発明で用いた評価方
法について説明する。 (1)アクリレート製コート層との接着性 実施例及び比較例で得たフィルムの易接着層面に、大日
精化社製ハードコート剤(セイカビームEXF01
(B))を#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1
分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で200mJ
/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件
下で、厚み3μmのハードコート層を形成した。得られ
たフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準
じた試験方法で接着性を求めた。具体的には、易接着層
を貫通して基材フィルムに達する100個の升目状の切
り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付け
た。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405
番;24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け、消し
ゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がし
て目視により下記の式から接着性を求めた。 接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
【0064】(2)光学欠点の検出方法 以下に説明する光学欠点検出装置により、250mm×
250mmのフィルム片16枚について、光学的に50
μm以上の大きさと認識される光学欠点を検出した。 (光学欠点の検出原理)投光器として20W×2灯の蛍
光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット
幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線
上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度
で入射すると、そこに光学欠点が存在すると光り輝き、
その光量をXYテーブル上方500mmに配置したCCD
イメージセンサカメラで電気信号に変換し、その電気信
号を増幅し、微分してスレッシュホールドレベルとコン
パレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力する。
また、CCDイメージセンサカメラから入力されたビデ
オ信号を画像手順により光学欠点の大きさを計測し設定
された大きさの光学欠点の位置を表示する。
【0065】(3)フィルム中異物及び塗布液中粒子の
粗大凝集物の大きさの測定方法 前述の光学欠点検出装置より検出した欠点部分から、異
物による光学欠点及び塗布液中粒子の粗大凝集物による
光学欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り取っ
て、スケール付き顕微鏡で、フィルム面に対して垂直方
向から観察した時の大きさを測定した。異物による光学
欠点の場合、20μm以上の最大径を有する異物の個数
(個/m2)を求めた。塗布液中粒子の粗大凝集物の場
合、100μm以上の最大径を有する異物の個数(個/
2)を求めた。
【0066】(4)フィルム表面の凹凸の高さ及び深さ
の測定 非接触式三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)を
使用して測定する。前述の光学欠点検出装置を用い、検
出した欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中
粒子の粗大凝集物による光学欠点を選び出した。さらに
適当な大きさに切り取って、Al蒸着を行い、非接触式
三次元粗さ計(マイクロマップ社製550)でフィルム
面に対して垂直方向から観察した時の大きさと高さ及び
深さを測定した。異物による光学欠点の場合、異物の最
大径が20μm以上の異物の個数(個/m2)を求め
た。
【0067】(5)フィルムヘイズ値の測定 JIS−K7105に準じ、ヘイズメーター(東京電色
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
【0068】実施例1〜6、及び比較例1〜7につい
て、条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、優れた透明性とAR
(アンチリフレクション)加工等のアクリル酸系樹脂に
対し優れた接着性を有し、さらに光学欠点の少ない光学
用フィルムを得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01C AK41A AK41B AK41C AK42 AK51B AK51C AL01B AL01C AL05B AL05C BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 CA23B CA23C DD07A DE01B DE01C EJ38A GB41 GB90 JL11B JL11C JN01 JN02A JN06 YY00A YY00B YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフィルムを基材と
    し、前記基材の両面に高分子易接着層を形成したフィル
    ムであって、前記基材フィルム中に実質的に粒子を含ま
    ず、且つ、前記基材フィルム表面に凸部の高さが1μm
    以上で最大径が20μm以上の形状を有し、凸部に隣接
    している所から100μm以内の凹部の深さが0.5μ
    m以上の異物が10個/m2以下であることを特徴とす
    る光学用易接着フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高分子易接着層が、共重
    合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂からなる
    ことを特徴とする光学用易接着フィルム。
  3. 【請求項3】 前記記載の高分子易接着層に粒子を含有
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の光
    学用易接着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記記載の高分子易接着層の表面及び内
    部に存在する、最大径が100μm以上の異物が3個/
    2以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載の
    光学用易接着フィルム。
  5. 【請求項5】 前記記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ムのヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする請
    求項1乃至4記載の光学用易接着フィルム。
  6. 【請求項6】 前記記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ムの厚みが100μm以上であることを特徴とする請求
    項1乃至5記載の光学用易接着フィルム。
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