JP2011219816A - 車両用加飾樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

車両用加飾樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベース色に金属光沢が加わった色の意匠面を有する車両用加飾樹脂成形品を、変色のない安定した品質で、環境への負荷なしに有利に製造可能な方法を提供する。
【解決手段】意匠面14が所定のベース色とされた基材12を成膜室内に収容し、その後、金属薄膜16を形成する形成物質と結合して、金属化合物を生成する反応ガスを成膜室内に導入した後、物理蒸着法又は化学蒸着法を実施することにより、それら形成物質と反応ガスとが結合して生成された金属化合物からなり且つ意匠面のベース色を透過可能な金属薄膜16を、意匠面14に形成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用加飾樹脂成形品の製造方法に係り、特に、樹脂成形品からなる基材の意匠面に、金属調加飾が施されてなる車両用加飾樹脂成形品の有利な製造方法に関する。
一般に、自動車等の車両には、多くの種類の内装部品や外装部品が使用されている。そのような車両用部品の一種として、例えば、特開2004−300566号公報(特許文献1)に記載されるように、樹脂成形品からなる基材の意匠面に金属調加飾が施されてなる、所謂車両用加飾樹脂成形品がある。この車両量加飾樹脂成形品は、多くの場合、基材の意匠面に対して、例えば、メタリック塗装による塗膜や、金属めっきによるめっき膜を形成することにより製造されている。
一方、近年では、消費者ニーズの多様化に伴って、意匠面が、単純な銀色の金属色とされた一般的な加飾樹脂成形品の他に、例えば、意匠面が、黒色や濃いグレー等の銀色以外のベース色に金属光沢が加わった特別な色を呈する加飾樹脂成形品、即ち、銀色以外のベース色を基調とする金属調加飾が意匠面に施された加飾樹脂成形品の需要もある。このような銀色の金属色以外の特別な色を呈する意匠面を備えた加飾樹脂成形品は、これまで、基材の意匠面に金属めっきによるめっき膜を形成した後、このめっき膜に対して、黒色や濃いグレー等のベース色を有する塗膜を、めっき膜の色が透過可能な程度に十分に薄い厚さで積層形成することによって、製造されていた。
ところが、そのような従来の加飾樹脂成形品の製造手法では、金属めっきの実施により、有害な廃液が生ずるといった問題が内在していた。また、十分に薄い塗膜をめっき膜の全面に均一な厚さで形成することが容易ではなく、そのために色ムラが生じやすいといった問題も存していた。
なお、廃液処理の問題を解消するために、金属めっきによるめっき膜に代えて、スパッタリング等を始めとした公知の薄膜形成技術により、基材の意匠面に金属薄膜を形成することも考えられる。しかしながら、従来手法において、たとえめっき膜を金属薄膜に代えたとしても、めっき膜に代わる金属薄膜に対して、所定のベース色を呈する塗膜を均一な厚さで薄く形成するのが困難であるといった問題は、何等解決されない。それどころか、加飾樹脂成形品の車両への装着状態での使用中に金属薄膜が大気中の酸素と結合して、金属薄膜の化学組成が変化してしまい、その結果、意匠面の色の明度が低下して、意匠面が変色するといった新たな問題が惹起される恐れがあったのである。
特開2004−300568号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、銀色以外のベース色に金属光沢が加わった特別な色の意匠面を有する車両用加飾樹脂成形品が、環境への負荷を生じさせることなく、しかも意匠面での色ムラや変色のない安定した品質をもって有利に製造され得る方法を提供することにある。
本発明は、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。そして、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そして、本発明にあっては、上記せる課題の解決のために、樹脂成形品からなる基材の意匠面に対して、所定のベース色に金属光沢を加えた金属調の加飾が施されてなる車両用加飾樹脂成形品を製造する方法であって、(a)前記基材として、前記意匠面の色が前記所定のベース色とされた樹脂成形品を準備する工程と、(b)該準備された基材を成膜室内に収容した後、該基材の前記意匠面に金属薄膜を形成するための操作を物理蒸着法又は化学蒸着法により実施すると共に、該金属薄膜を形成する形成物質と結合して、金属化合物を生成する反応ガスを該成膜室内に導入し、それら形成物質と反応ガスとを結合させることによって、該金属化合物からなり且つ該意匠面の前記ベース色を透過させることができる金属薄膜を該基材の意匠面に形成して、該ベース色に金属光沢を加えた金属調の加飾を該意匠面に施す工程とを含むことを特徴とする車両用加飾樹脂成形品の製造方法を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記成膜室内の雰囲気ガスが、実質的に、該成膜室内に導入された前記反応ガスのみとされた状態で、前記形成物質と前記反応ガスとの結合操作が行われる。なお、ここで言う「実質的に、成膜室内に導入された反応ガスのみとされた状態」とは、成膜室内の雰囲気が、完全に、導入された反応ガスのみで構成された状態に加えて、成膜室内の雰囲気が、導入された反応ガスと、その他に、反応ガスの導入によって成膜室内から排出されるべきであったものの、成膜室内に僅かに残存してしまった、例えば空気等のガスとにて構成された状態を含んだものを言う。
また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記基材として、黒又は暗色のベース色を有する前記意匠面を備えた樹脂成形品が用いられると共に、該基材の意匠面に対して、前記金属薄膜が直接に形成されることとなる。
さらに、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記基材が、ABS系樹脂を用いて形成された樹脂成形品にて構成される。
更にまた、本発明の好適な態様の一つによれば、前記金属薄膜の形成操作がスパッタリング法により実施される。
すなわち、本発明に従う車両用加飾樹脂成形品の製造方法においては、金属めっきが何等実施されない。そのため、有害なめっき廃液が生ずることがない。それ故、金属めっきを実施する従来手法とは異なって、有害なめっき廃液による環境への負荷の発生が未然に防止され得る。その上、めっき廃液処理のための作業が不要となり、その分だけ、目的とする車両用加飾樹脂成形品の製造作業の簡略化も、有利に図られ得る。
また、本発明手法では、所定のベース色を呈する意匠面に対して、かかるベース色を透過可能な金属薄膜が形成される。このため、めっき膜が形成された意匠面に対して、ベース色を呈する塗膜を十分に薄く形成する従来手法とは異なって、塗膜の形成により、意匠面の色を所定のベース色とする場合にあっても、塗膜の厚さを薄くする必要がない。それ故、従来手法とは異なって、意匠面に塗膜を形成する際にも、塗膜の厚さを自由に設定でき、それにより、塗膜を均一な厚さとすることが容易となる。しかも、例えば、基材として、それ自体の色が所定のベース色とされたものを使用すれば、意匠面への塗膜の形成が省略され、目的とする加飾樹脂成形品の製造作業が、より簡略化され得ると共に、塗膜の形成ムラによる意匠面の色ムラの発生も、効果的に皆無とされ得る。
そして、本発明手法においては、特に、基材の意匠面に形成される金属薄膜が、反応ガスと結合した金属化合物にて構成されている。それ故、最終的に得られる加飾樹脂成形品の車両への装着状態下での使用中に、金属薄膜が大気中の酸素と結合して、金属薄膜の化学組成が変化することが有利に無くされ得る。そして、その結果、そのような金属薄膜の化学組成の変化に起因して、意匠面が変色するようなことも効果的に解消され得る。
従って、かくの如き本発明に従う車両用加飾樹脂成形品の製造方法によれば、銀色以外のベース色に金属光沢が加わった特別な色の意匠面を有する車両用加飾樹脂成形品が、環境への負荷を生じさせることなく、しかも意匠面での色ムラや変色のない安定した品質をもって有利に製造され得ることとなるのである。
本発明手法に従って製造された加飾樹脂成形品の一実施形態を示す部分断面説明図である。 図1に示された加飾樹脂成形品の製造に際して実施されるスパッタリング操作による金属薄膜の成形過程を模式的に示す説明図である。 本発明手法に従って製造された加飾樹脂成形品の意匠面に形成される金属薄膜の厚さと、かかる金属膜のCIELAB色空間におけるL値(明度)との関係、及び従来手法に従って製造された加飾樹脂成形品の意匠面に形成される金属薄膜の厚さと、かかる金属薄膜のCIELAB色空間におけるL値(明度)との関係を、それぞれ示すグラフである。 本発明手法に従って製造された加飾樹脂成形品の意匠面のCIELAB色空間におけるL値とΔE(色差)との関係と、従来手法に従って製造された加飾樹脂成形品の意匠面のCIELAB色空間におけるL値とΔEとの関係とを、それぞれ示すグラフである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明手法に従って製造された車両用加飾樹脂成形品たる自動車用加飾樹脂成形品の一例が、その断面形態において部分的に示されている。この自動車用加飾樹脂成形品10(以下、単に、加飾樹脂成形品10と言う)は、自動車用内装部品として使用されるものであって、図1に示されるように、樹脂成形品からなる基材12を有している。この基材12は、例えば平板状を呈し、その一方の板面が、意匠面14とされている。そして、かかる基材12の意匠面14を含めた全表面が、黒色からなるベース色を呈している。
そのような基材12の意匠面14上には、ステンレス鋼からなる金属薄膜16と、透明な塗膜からなるトップコート層18とが、その順番で積層形成されている。即ち、基材12の意匠面14には、金属薄膜16が直接に形成されており、従来品において、意匠面14と金属薄膜16との間に形成されるアンダーコート層が省略されている。
金属薄膜16の形成材料は、ステンレス鋼に何等限定されるものではない。金属薄膜16の形成材料としては、ステンレス鋼以外に、例えば、金、銀、パラジウム、銀−パラジウム合金、白金、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、錫、チタン、ニッケル−クロム合金、モリブデンのうちの何れか1種類の金属材料、或いはそれら例示の金属材料にステンレス鋼を加えた複数種類のうちの何れか2種類以上からなる合金材料が、適宜に使用され得る。また、それら例示の金属材料や合金材料の中でも、樹脂成形体からなる基材12の線膨張係数と可及的に近い値となる、例えば6.0×10−6以上の線膨張係数を有する材料が、金属薄膜16の形成材料として、好適に用いられる。そのような金属材料や合金材料を用いて金属薄膜16が形成されることによって、加飾樹脂成形品10が加熱されたときに、基材12と金属薄膜16との間の線膨張係数の違いに起因して、金属薄膜16に割れや皺等が発生したり、基材12に歪みが生じたりすることが効果的に防止され得る特徴が発揮される。
一方、トップコート層18は、基材12の意匠面14が有する黒色のベース色と、意匠面14上に形成された金属薄膜16が発する金属光沢とが外部から視認され得る状態を維持しつつ、金属薄膜16を保護すること等を目的として、金属薄膜16の基材12側とは反対側の面上に形成されるものである。それ故、そのようなトップコート層18の形成材料は、透明性を有するものであれば、その種類が、特に限定されるものではない。
しかしながら、上記のように、ここでは、意匠面14と金属薄膜16との間に、それらの接着性を高めること等を目的として、一般に形成されるアンダーコート層が省略されている。そのため、トップコート層18の形成材料としては、単に透明性を有するだけでなく、高分子有機材料たる樹脂成形品にて構成された基材12と、無機材料たる金属材料を用いて形成された金属薄膜16の両方に対して、良好な付着性を発揮する特性を備えた塗料が、好適に使用される。これによって、意匠面14と金属薄膜16との間にアンダーコート層が形成されていないにも拘わらず、金属薄膜16の意匠面14に対する接着性が、十分に確保され得るようになる。この理由は、明確ではないものの、後述するように、金属薄膜16が、物理蒸着法や化学蒸着法によって形成されていることで、内部と外部とを相互に連通する連通孔を多数備えた多孔質形態とされている。そのため、金属薄膜16に積層されるトップコート層18の一部が、金属薄膜16内に連通孔を通じて浸透して、金属薄膜16と基材12の両方に対して付着するようになることに起因すると考えられる。
そのような樹脂と金属の両方に付着する特性を備えた透明な塗料としては、例えば、UV硬化型や、熱硬化型、2液硬化型等の各種の透明塗料が、何れも使用可能であるが、主剤と硬化剤又は架橋剤等の2液からなり、それら2液のうちの何れか一方が、樹脂への付着性を発揮する官能基を有する一方、それらのうちの何れか他方が、金属への付着性を発揮する官能基を有する透明な2液硬化型塗料が、有利に用いられている。それにより、UV硬化型塗料や熱硬化型塗料を用いる場合とは異なって、紫外線照射装置や加熱装置等の特別な装置を用いることなく、塗料を常温で硬化させることが出来、以て、トップコート層18の形成作業の効率化と低コスト化とが、有利に図られ得る。なお、このような透明な2液硬化型透明な塗料としては、アクリルシリコン系の透明な2液硬化型塗料や、アクリルウレタン系の透明な2液硬化型塗料等が、例示され得る。
また、そのような形成材料からなるトップコート層18は、透明でなければならないが、必ずしも無色である必要はない。例えば、基材12の意匠面14が有するベース色(黒色)と同色系の色を有していても良い。トップコート層18は、上記に例示された塗料等を用いて形成される他、例えば、透明な無色又は有色の樹脂フィルムを金属薄膜16上に貼り付けること等によっても形成可能である。
ところで、かくの如き構造を有する加飾樹脂成形品10は、例えば、以下の作用手順に従って、製造される。
すなわち、先ず、意匠面14が黒色を呈する基材12を、成形して、準備する。本工程では、例えば、所定の樹脂材料を用いた射出成形等の金型成形を実施することにより、基材12が成形されて、準備される。
前記したように、目的とする加飾樹脂成形品10では、基材12の意匠面14上に、金属薄膜16が、アンダーコート層なしで直接に形成される。そのため、基材12の意匠面14に凹凸部分が存在していても、それをアンダーコート層によって隠蔽することができない。それ故、意匠面14において所望の意匠性を安定的に確保する上から、意匠面14には、無用な凹凸部分が存在しないことが望ましい。
そこで、基材12を形成する樹脂材料としては、特に限定されるものではないものの、望ましくはABS樹脂や、AAS樹脂、AES樹脂、ポリカーボネートとASAのアロイ材等のABS系樹脂が用いられる。また、その他に、そのようなABS系樹脂に対して、融点と降温結晶化温度との差が大きい、具体的には融点が降温結晶化温度よりも10℃以上高いPET、PBT等の、所謂微結晶性樹脂が混合された混合樹脂等も、好適に用いられる。これらのABS系樹脂を用いることによって、基材12の意匠面14に無用な凹凸部が形成されることが可及的に防止され得る等の特徴が発揮される。
すなわち、例示されたABS系樹脂を用いて金型成形された樹脂成形品は、成形収縮率が比較的に小さい。そのため、かかる樹脂成形品においては、ヒケが生じ難く、ウェルドラインも発生し難い等の特徴が発揮される。また、上記のABS系樹脂と微結晶性樹脂との混合樹脂を用いて金型成形された樹脂成形品にあっても、ヒケとウェルドラインが何れも生じ難いといった特徴を有する。それ故、基材12が、ABS系樹脂やABS系樹脂と微結晶性樹脂との混合樹脂(以下からは、総称して、ABS系樹脂と言う)を用いて成形された樹脂成形品にて構成される場合には、意匠面14に対して、ヒケやウェルドラインによる無用な凹凸部分が形成されることが可及的に回避され得る。それによって、意匠面14に形成された金属薄膜16に無用な凹凸部分が生ずること、更にはそのような無用な凹凸部分にて、金属薄膜16による金属調加飾が施された意匠面14の意匠性が損なわれること等が、有効に防止されるようになる。
また、基材12の意匠面14を黒色と為す必要があるが、本工程では、基材12を形成する樹脂材料の選択によって、基材12の成形と同時に、意匠面14の全面が、黒色とされる。
すなわち、ここでは、基材12の形成材料として、例えば、顔料や染料等により予め黒色に着色された樹脂材料、所謂材着樹脂が用いられる。これにより、基材12の成形と同時に、意匠面14を含む基材12の全表面が、色ムラ等のない均一な黒色で色付けされるようになっている。
なお、基材12の意匠面14のベース色を黒色とするには、材着樹脂以外の樹脂材料を用いて金型成形された基材12の意匠面14に対して、黒色塗料を用いた塗装を行って、黒色の塗膜を形成したり、黒色インキを用いた印刷を行って、黒色のインキ層を形成したり、或いは表面が黒色とされたフィルムやシートを固着したりする方法も、適宜に採用され得る。意匠面14が有するベース色は、特に黒色に限定されるものではない。例えば、濃いグレーや濃紺等の暗色、或いは暗色以外の青色系、ゴールド等の黄色系等、目的とする加飾樹脂成形品に要求される様々な色が、意匠面14のベース色として、適宜に採用され得る。
次に、上記のようにして形成された基材12の意匠面14に対して、その全面を覆うように、金属薄膜16を形成する。この金属薄膜16は、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーディング法等の物理蒸着法(PVD法)、又は熱CVD法やプラズマCVD法、光CVD法等の化学蒸着法(CVD法)を利用して、意匠面14に対して直接に形成される。そして、それら物理蒸着法や化学蒸着法等の金属薄膜形成手法により金属薄膜16を形成する際には、特に、金属薄膜16を与える金属材料と結合して、金属化合物を生成する反応ガスを含む雰囲気ガス中で、かかる金属薄膜形成手法が実施される。
すなわち、基材12の意匠面14に対して、金属薄膜16を形成する際には、例えば、図2に示される如きスパッタリング装置20を用いたスパッタリングが実施される。
図2から明らかなように、ここで用いられるスパッタリング装置20は、開閉可能とされて、内部が成膜室21とされた真空チャンバ22を有している。この真空チャンバ22の成膜室21内には、一軸回りに回転する円形の回転ステージ24が設けられている。回転ステージ24上には、複数(ここでは4個)の支持装置26が、回転ステージ24の周方向に等間隔を隔てた位置に、それぞれ立設されている。それら各支持装置26は、回転ステージ24の回転軸と平行な回転軸回りに、回転ステージ24の回転とは独立して、回転可能とされている。また、各支持装置26には、基材12を取り外し可能に取り付ける取付治具28が、支持装置26の周方向と上下方向とに、それぞれ複数個ずつ支持されている。
真空チャンバ22における周壁部の内周面の周上の一箇所には、ステンレス鋼からなるターゲット30が固定されている。このターゲット30は、金属薄膜16の形成材料にて構成されるものである。それ故、金属薄膜16をステンレス鋼以外の金属材料にて形成する場合には、ターゲット30が、そのようなステンレス鋼以外の金属材料にて構成される。
真空チャンバ22の周壁部におけるターゲット30の固定部位の側方には、ガス導入管32が、成膜室21内に開口するように設けられている。図示されてはいないものの、ガス導入管32には、その途中に、開閉バルブが設けられている。また、ガス導入管32の成膜室21内への開口側とは反対側の端部には、金属薄膜16の形成材料たるステンレス鋼を構成する鉄やニッケル、クロム等と反応して、金属化合物を形成する、反応ガスとしての窒素ガスが収容されたガスボンベや、窒素ガスを発生する窒素ガス発生装置(共に図示せず)に接続されている。
真空チャンバ22の周壁部には、ガス排出管34が、ガス導入管32の設置部位とは別の部位において、成膜室21内に開口するように設けられている。このガス排出管34は、成膜室21内への開口側とは反対側の端部において、真空ポンプ(図示せず)に接続されている。
このようなスパッタリング装置20を用いて、金属薄膜16の形成工程を実施する際には、先ず、真空チャンバ22を開放し、回転ステージ24に立設された各支持装置26の取付治具28に対して、基材12をそれぞれ取り付ける。その後、必要に応じて、回転ステージ24を回転させて、複数の支持装置26のうちの1個を、ターゲット30の前方に位置させる。また、それと共に、ターゲット30の前方に配置された支持装置26に取り付けられる基材12の意匠面14が、ターゲット30の放出面36と対向位置するように、かかる支持装置26を回転させる。
次に、真空チャンバ22を閉じて、成膜室21内を密閉した後、図示しない真空ポンプを作動させることにより、ガス排出管34を通じて、成膜室21内の空気を外部に排出して、成膜室21内を所定の真空度の真空状態とする。その後、ガス導入管32上の開閉バルブを開作動して、窒素ガスを、前記ガスボンベや窒素ガス発生装置から、ガス導入管32を通じて成膜室21内に導入する。
そして、窒素ガスが成膜室21内に充満したら、ターゲット30に接続された電源装置を作動させて、ターゲット30と支持装置26との間に高電圧を印加する。これにより、成膜室21内のターゲット30と支持装置26との間に存在する窒素ガスをイオン化し、このイオン化された窒素ガスをターゲット30の放出面36に衝突させるスパッタリング現象を発生させて、ターゲット30の放出面36から無数のスパッタ粒子(ステンレス鋼粒子)を放出させる(叩き出す)。
かくして、ターゲット30と対向位置する基材12の意匠面14に対して、ターゲット30の放出面36から放出されたスパッタ粒子を堆積させ、それによって、それら各基材12の意匠面14に、金属薄膜16を直接に形成する。なお、このようなスパッタリングによる金属薄膜16の形成操作は、ターゲット30の前方に位置する支持装置26を連続的に又は間欠的に回転させながら実施される。そうして、ターゲット30の前方に配置された支持装置26の周方向や上下方向に取り付けられる複数の基材12の全てのものの意匠面14に対して、金属薄膜16を直接に形成するのである。
そして、本操作では、特に、成膜室21内に存在するガス状態の窒素イオンが、ターゲット30の放出面36から放出されて成膜室21を飛行するスパッタ粒子と結合したり、或いは基材12の意匠面14面に付着したスパッタ粒子と結合したりして、それらのスパッタ粒子と金属化合物を生成する。それによって、基材12の意匠面14に形成された金属薄膜16が、スパッタ粒子と窒素イオンとが結合して生成された金属化合物(窒化物)にて構成される。
そのような金属化合物からなる金属薄膜16の厚さは、意匠面14のベース色たる黒色が透過して、外部から視認され得る程度の薄い厚さとされている必要がある。これにより、意匠面14が、ベース色の黒色に金属光沢が加わった特別な色とされて、意匠面14に対して、黒色を基調とする金属調加飾が施されることとなる。
なお、金属薄膜16の厚さは、意匠面14のベース色を透過可能であれば、その具体的な厚さは、特に限定されるものではないものの、0.005〜0.05μmの範囲内の値とされる。何故なら、金属薄膜16の厚さが0.005μm未満とされる場合には、金属薄膜16が余りに薄過ぎるために、均一な膜厚とすることが難しくなるだけでなく、意匠面14において金属光沢を発現させることが困難となるからである。また、金属薄膜16の厚さが0.05μmを超える厚さとなると、余りに厚いために、意匠面14のベース色が透過し難くなって、目的とするベース色を基調とした金属加飾の実現が困難となるからである。
上記のようにして、1個の支持装置26に取り付けられた複数の基材12の意匠面14に対する金属薄膜16の形成操作(金属加飾操作)が終了したら、かかる1個の支持装置26に代えて、それと回転ステージ24の周方向に隣り合う別の1個の支持装置26がターゲット30の前方に配置されるように、回転ステージ24を所定量だけ回転させる。その後、スパッタリングによる金属薄膜16の形成操作を上記と同様に実施する。これにより、別の1個の支持装置26に取り付けられた複数の基材12の各意匠面14に対して、ガス状の窒素イオンとの金属化合物からなる金属薄膜16をそれぞれ直接に形成する。その後、このような回転ステージ24の回転操作とスパッタリングによる金属薄膜16の形成操作とを、順次、繰り返し実施する。そうして、複数の支持装置26にそれぞれ取り付けられた複数の基材12の意匠面14の全部に、ガス状の窒素イオンとの金属化合物からなる金属薄膜16をそれぞれ直接に形成する。
次に、上記のようにして、意匠面14に、金属薄膜16がアンダーコート層なしに直接に形成された複数の基材12を真空チャンバ22から取り出して、それら各基材12の意匠面14における金属薄膜16上に、トップコート層18を積層形成する。そうして、図1に示される如き構造を備えた、目的とする加飾樹脂成形品10を得るのである。
このトップコート層18の形成操作は、前述したように、透明な塗料を、各基材12の意匠面14に形成された金属薄膜16上に塗装することによって、或いは透明な樹脂フィルムを金属薄膜16上に貼り付けること等によって実施される。
かくして形成されたトップコート層18の厚さは、何等限定されるものではないものの、一般には10〜40μm程度の範囲内の厚さとされる。何故なら、トップコート層18の厚さが10μmを下回る場合には、トップコート層18が余りに薄過ぎるために、トップコート層18にて金属薄膜16を有効に保護することが困難となり、金属薄膜16の他部材との接触等による摩耗や剥離、損傷等を防止することや、各種の薬品等に対する耐久性を確保することが困難となる恐れがあるからである。また、トップコート層18が40μmを超える厚さとされる場合には、トップコート層18を塗装によって形成する際に使用される塗料の量が増大し、それに伴って、そのような塗料の一成分たる基材12を侵食する成分(例えば、シンナー等の混合溶媒)のトップコート層18中の含有量が増大する。そのために、基材12を侵食するトップコート層18の含有成分が金属薄膜16を多く透過するようになって、かかる含有成分による基材12の侵食が進んで、金属薄膜16が剥がれ易くなってしまう可能性があるからである。
このように、本実施形態においては、目的とする加飾樹脂成形品10を得るに際して、金属めっきが何等実施されない。そのため、有害なめっき廃液が生ずることがなく、また、そのようなめっき廃液の特別な廃棄処理を行う必要もない。これによって、加飾樹脂成形品10の製造作業の簡略化が図られ得ると共に、その製造に際しての環境への負荷の発生が未然に防止され得る。
また、本実施形態では、基材12が材着樹脂を用いて形成されていることで、意匠面14の色を黒色のベース色とするための塗装作業等が省略されている。これによっても、加飾樹脂成形品10の製造作業の簡素化が有利に図られている。しかも、意匠面14を塗装して、黒色のベース色とする際に色ムラが生ずる等の懸念が、完全に解消され得る。
さらに、本実施形態においては、基材12の意匠面14に形成される金属薄膜16が、窒素イオンと結合して生成された金属化合物にて構成される。それ故、加飾樹脂成形品10の自動車への装着状態での使用中に、金属薄膜16が大気中の酸素等と結合して、金属薄膜16の化学組成が変化し、それによって、意匠面14が変色することが、有利に回避され得る。
従って、かくの如き本実施形態によれば、意匠面14が、黒色のベース色に金属光沢が加わった特別な色を呈するように、意匠面14に対して、黒色を基調とした特定の金属加飾が施されてなる加飾樹脂成形品10が、意匠面14での色ムラや経時的或いは熱老化による変色等のない安定した品質をもって、極めて有利に製造され得る。しかも、その製造に際して、環境への負荷を発生させることもないのである。
また、本実施形態では、スパッタリングによる金属薄膜16の形成に際して、成膜室21内の雰囲気ガスが、実質的に窒素ガスのみとされている。これによって、金属薄膜16の形成工程で、スパッタリング粒子とガス状の窒素イオンとが、より安定的に結合し、以て、それらスパッタリング粒子と窒素イオンとの結合により生成される金属化合物からなる金属薄膜16が、安定した化学組成を有するようになる。その結果として、加飾樹脂成形品10の使用中における金属薄膜16の変色が、より効果的に防止され得ることとなるのである。
さらに、本実施形態においては、意匠面14と金属薄膜16との間へのアンダーコート層の形成が省略されている。しかも、基材12が、意匠面14への無用な凹凸部の形成が可及的に防止可能なABS系樹脂を用いて形成されている。これによって、アンダーコート層の省略による製造作業の簡略化を維持しつつ、安定した品質が有利に確保され得る。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、成膜室21内の雰囲気ガスが、実質的に窒素ガスのみとされた状態で、スパッタリング操作が実施されていた。しかしながら、成膜室21内に導入されるガスは、スパッタ粒子等の金属薄膜16の形成物質と結合して金属化合物を生成する反応ガスを少なくとも含んでおれば良い。従って、成膜室21内に導入されるガスとしては、窒素ガス以外に、例えば、酸素ガスや炭化水素系ガス(メタンガスやエタンガス等)も使用可能である。また、成膜室21内の雰囲気ガスを、それらの反応ガスのうちの2種類以上のものの混合ガスとしたり、或いは、金属薄膜16の形成物質とは反応しない、例えばアルゴンガス等の不活性ガスと、金属薄膜16の形成物質と反応する反応ガスとの混合ガスとしても良い。特に、アルゴンガスを成膜室21内に導入する場合には、金属薄膜16の成膜速度を増大させるのに有効となる。
なお、スパッタリング法以外の物理蒸着法や化学蒸着法によって金属薄膜16を形成する場合にあっても、上記のように、金属薄膜16の形成物質と結合して金属化合物を生成する反応ガスを少なくとも含んだ雰囲気内で、その操作が実施されることとなる。
また、反応ガスを成膜室21内に導入するタイミングは、金属薄膜16の形成方法(物理蒸着法と化学蒸着法の種類)に拘わらず、金属薄膜16の形成前であっても、その形成途中であっても、或いはその形成後であっても良い。即ち、金属薄膜16が形成された基材12を成膜室21から取り出す前に、金属薄膜16を形成する形成物質と反応ガスとを結合させて、金属化合物を生成することができるのであれば、反応ガスを成膜室21内に導入するタイミングは、何等限定されないのである。
そして、そのことから明らかなように、反応ガスは、金属薄膜16の形成前や形成途中に、金属薄膜16の形成物質と反応するものであっても、金属薄膜16の形成後に、金属薄膜16の形成物質と反応するものであっても良い。つまり、反応ガスと反応する金属薄膜16の形成物質とは、金属薄膜16の形成前や形成途中の金属材料と、金属薄膜16の形成後の金属材料を含んだものを言うのである。
また、トップコート層18は、必要に応じて、金属薄膜16上に形成されるものである。それ故、場合によっては、トップコート層18を省略しても、何等差し支えない。更に、アンダーコート層を、基材12の意匠面14と金属薄膜16との間に形成しても良い。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、予め黒色に着色された材着樹脂からなるABS樹脂を用いた射出成形を行うことにより、平板状の基材を、複数個、成形して、準備した。また、図2に示される如き構造を有するスパッタリング装置を準備した。
次いで、準備されたスパッタリング装置の真空チャンバの内部に設置された支持装置に、準備された複数の基材のうちの幾つかを取り付けた。そして、真空チャンバの成膜室内を真空とした後、成膜室内に窒素ガスを導入して、成膜室内の雰囲気ガスを、実質的に窒素ガスのみとした。その後、公知の手法により、ステンレス鋼からなるターゲットを用いたスパッタリング操作を実施して、支持装置に取り付けられた各基材の意匠面上に金属薄膜を形成する操作を行った。そして、スパッタリング操作の開始から所定の時間の経過毎に、スパッタリング操作を一時中断し、その中断毎に、基材を、真空チャンバ内から1個ずつ取り出した。これによって、金属薄膜の厚さが互いに異なる加飾樹脂成形品(実施例)を、複数個、作製した。
また、比較のために、先に準備されたスパッタリング装置の真空チャンバ内の支持装置に、先に準備された複数の基材のうちの幾つかを取り付けた。そして、真空チャンバの成膜室内を真空とした後、成膜室内にアルゴンガスを導入して、成膜室内の雰囲気ガスを、実質的にアルゴンガスのみとした。その後、公知の手法により、ステンレス鋼からなるターゲットを用いたスパッタリング操作を実施して、支持装置に取り付けられた各基材の意匠面上に金属薄膜を形成する操作を行った。そして、スパッタリング操作の開始から所定の時間の経過毎に、スパッタリング操作を一時中断し、その中断毎に、基材を、真空チャンバ内から1個ずつ取り出した。これによって、金属薄膜の厚さが互いに異なる加飾樹脂成形品(比較例)を、複数個、作製した。
そして、窒素ガス雰囲気中でスパッタリング操作を実施することにより、基材の意匠面上に金属薄膜が形成された幾つかの加飾樹脂成形品(実施例)と、アルゴンガス雰囲気中でスパッタリング操作を実施することにより、基材の意匠面上に金属薄膜が形成された幾つかの加飾樹脂成形品(比較例)とを用いて、それら実施例の加飾樹脂成形品における金属薄膜の膜厚とCIELAB色空間におけるL値との関係と、比較例の加飾樹脂成形品における金属薄膜の膜厚とCIELAB色空間におけるL値との関係を、それぞれ、公知の手法により調べた。その結果を図3に示した。なお、CIELAB色空間とは、CIE1976(L)空間を指し、その座標の求め方についてはJIS Z 8729−1994に記載されるものである。
次いで、実施例の加飾樹脂成形品のCIELAB色空間におけるL値とΔEとの関係と、比較例の加飾樹脂成形品のCIELAB色空間におけるL値とΔEとの関係を、それぞれ公知の手法により調べた。その結果を図4に示した。なお、ΔEは、変色度合いを示す指標として、採用した。また、図3及び図4において、「N成膜」は、実施例の加飾樹脂成形品を示し、「Ar成膜」は比較例の加飾樹脂成形品を示している。
図3から明らかなように、金属薄膜の厚さが0.01〜0.05μmの範囲内の値とされている場合には、実施例の加飾樹脂成形品のL値が比較例の加飾樹脂成形品のL値よりも低い値となっている。これは、金属薄膜の形成物質と反応ガスとを結合させた金属化合物にて、金属薄膜を形成することによって、金属薄膜の明度を有利に低く為し得ることを示している。
また、図4から明らかなように、L値が45〜55の範囲内では、実施例の加飾樹脂成形品のΔEが、比較例の加飾樹脂成形品のΔEよりも小さな値となっている。これは、金属薄膜の形成物質と反応ガスとを結合させた金属化合物にて、金属薄膜を形成することによって、金属薄膜の経時的な変色度合いを小さく為し得ることを、如実に示しているのである。
10 加飾樹脂成形品 12 基材
14 意匠面 16 金属薄膜
18 トップコート層 20 スパッタリング装置
21 成膜室 30 ターゲット

Claims (5)

  1. 樹脂成形品からなる基材の意匠面に対して、所定のベース色に金属光沢を加えた金属調の加飾が施されてなる車両用加飾樹脂成形品を製造する方法であって、
    前記基材として、前記意匠面の色が前記所定のベース色とされた樹脂成形品を準備する工程と、
    該準備された基材を成膜室内に収容した後、該基材の前記意匠面に0.005〜0.05μmの厚さの金属薄膜を形成するための操作を物理蒸着法又は化学蒸着法により実施すると共に、該金属薄膜を形成する形成物質と結合して、金属化合物を生成する反応ガスを該成膜室内に導入し、それら形成物質と反応ガスとを結合させることによって、該金属化合物からなり且つ該意匠面の前記ベース色を透過させることができる金属薄膜を該基材の意匠面に形成して、該ベース色に金属光沢を加えた金属調の加飾を該意匠面に施す工程と、
    を含むことを特徴とする車両用加飾樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記成膜室内の雰囲気ガスが、実質的に、該成膜室内に導入された前記反応ガスのみとされた状態で、前記形成物質と前記反応ガスとの結合操作が行われる請求項1に記載の車両用加飾樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記基材として、黒又は暗色のベース色を有する前記意匠面を備えた樹脂成形品が用いられると共に、該基材の意匠面に対して、前記金属薄膜が直接に形成される請求項1又は請求項2に記載の車両用加飾樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記基材が、ABS系樹脂を用いて形成された樹脂成形品からなっている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の車両用加飾樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記金属薄膜の形成操作がスパッタリング法により実施される請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の車両用加飾樹脂成形品の製造方法。
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