JP2008173796A - 樹脂部品及びその製造方法 - Google Patents
樹脂部品及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008173796A JP2008173796A JP2007007230A JP2007007230A JP2008173796A JP 2008173796 A JP2008173796 A JP 2008173796A JP 2007007230 A JP2007007230 A JP 2007007230A JP 2007007230 A JP2007007230 A JP 2007007230A JP 2008173796 A JP2008173796 A JP 2008173796A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- aluminum
- aluminum layer
- resin component
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
【解決手段】樹脂基材1の上に、例えば溶射、望ましくは、100〜150℃の低温溶射によって、純アルミニウム材を用いて、アルミニウム層2を形成し、得られたアルミニウム層の表面に、好ましくはバフ研磨した後、陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜層3を形成する。
【選択図】図1
Description
例えば、メーターパネルにおいては、樹脂成形品にアルミニウム板材から成るプレス品を組み付けた部品が用いられている。また、車室内のドアハンドルには、アルミニウムのダイカスト品を用いる例がある。
また、上記ドアハンドル等のように、アルミニウム合金のダイカスト品を用いた場合には、アルミニウムの鋳造一体品であるため、樹脂等に比較してかなりの重量増となると共に、材料費が高く、コストアップの原因となる。
また、本発明の樹脂部品の製造方法においては、樹脂基材の上に溶射によってアルミニウム層を形成したのち、得られたアルミニウム層に陽極酸化処理を施すようにしたことを特徴とする。
例えば、アルミニウム層2の形成に、後述するような溶射、特に100〜150℃で行う低温溶射を適用することを考慮すれば、この温度に耐える樹脂であれば、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、AES(アクリロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン・スチレン)、PE(ポリエチレン)等といった熱可塑性樹脂や、フェノール、ウレタンなどの熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。
このとき、アルミニウム層2の厚さが100μmに満たないと樹脂基材が透けて見えるなどの外観不良となる一方、150μmを超えると樹脂基材の変形という不具合が生じる傾向がある。なお、アルミニウム層2の厚さとしては、120〜130μmの範囲内とすることがより望ましい。
なお、ここで言う「純アルミニウム材料」とは、例えばJIS H4000に合金番号1100、1085,1080,1070,1050として規定される99.0%以上のAlを含有する材料を意味する。
すなわち、陽極酸化皮膜の厚さが5μmに満たない場合には、陽極酸化皮膜形成による効果が十分に発揮されず、逆に100μmを超えると、母材への皮膜追従性が悪化し、皮膜割れを起こすことがある。
例えば、樹脂基材1の表面へのブラスト処理によって樹脂基材1は表面の深さ方向に約20〜30μm削り取られ、表面粗さRaで20μm〜70μmの粗面化した表面が得られ、これによって基材1上に形成されるアルミニウムの溶射層2と樹脂表面との優れた密着性を確保することができる。なお、粗面化による表面粗さがRa20μm〜70μmの範囲を外れると、アルミニウム溶射層2と基材1の樹脂との密着性が劣るようになることがある。
溶射に際しては酸素、アセチレンやプロパンの炎を熱源とし、100〜150℃で行う低温溶射法を適用することが望ましい。この低温溶射法では、通常の溶射方法に比べて、極めて低温でアルミニウムの溶射層を形成することができるため、部品となる樹脂基材が熱影響を受けることが少なくなって、寸法変化、変形、割れ、強度劣化等を避けることができるようになり、したがって樹脂基材の材料として、上記したような汎用的な樹脂を用いることができることになる。
溶射されるアルミニウムの粉末粒径が30〜120μmの範囲の場合、粗面化によりRa20μm〜70μmの表面粗さを有する樹脂基材1との組合わせにおいて最も良い密着性が得られる。
陽極酸化処理は、例えば、アルミニウム層に対する溶解やヤケ防止のため、低重合アクリル樹脂組成物添加溶液を使用して実施され、アルミニウム層2の表面に陽極酸化皮膜層3が形成される。陽極酸化皮膜3の厚さとしては、上記したように、5〜100μm程度とすることが好ましい。
加えて陽極酸化処理を行い、アルミニウム層の本来の金属層の厚さよりも厚いアルミニウム層を得ることができる。
なお、外観意匠性をさらに向上させるためには、アルミニウムの溶射後、バフ研磨などの研磨仕上げを行い、平滑面とした後に陽極酸化処理を施すことが好ましい。
例えば、耐食性と硬度に優れたアルミニウム層を有する樹脂を使用した部品や品物の例としては、電磁調理器による加熱調理が可能な料理器具や食器等を挙げることができる。
樹脂基材として、100×100mm、厚さ5mmのABS樹脂を用い、この表面にブラスト加工を施して約20ミクロン程度樹脂表面を削り取り、表面粗さRa30μmの粗面を有する樹脂基材を得た。
次いで、この粗面化された樹脂表面に、アセチレン炎を熱源として、1100系純アルミニウム線材を用いると共に、所定径の溶射ノズルを用いて、100℃にて溶射アルミニウムの粒径が60〜80μmの溶射材を噴射し、樹脂基材表面に200μmの溶射アルミニウム層を形成した。
次いで、下記条件によって、溶射アルミニウム層の表面に、12μmの陽極酸化皮膜を生成させ、80℃の純水中にて15分間の封孔処理を施すことによって、本例の樹脂部品を得た。
(1)電解液
硫酸250〜350g/L、硫酸ニッケル15〜25g/L、低重合アクリル樹脂組成物280〜320g/L、酒石酸5〜15g/Lを混合した溶液を使用した。
(2)電解条件
電流密度4A/dm2の直流電流により、処理液温度10℃にて10分間処理を行い 、80℃の純水中にて封孔処理を実施した。
JIS H5302(アルミニウム合金ダイカスト)に規定されるADC12材(Al−Si−Cu系)を用いて、自動車用の室内用ドアハンドルをダイカスト成形し、アルミニウム合金の一体鋳造品からなる本例の部品を得た。
ABS樹脂を用いて、自動車用メーターパネルを射出成形により作成した後、この樹脂成形品の形状に合わせてアルミニウム板材(1100系)をプレス成形し、両者を一体化することによって本例の樹脂部品を得た。
自動車内装用の樹脂パネルに、フレーク状の形態をなす金属顔料を用い、金属調の印刷フィルムを適用したフィルム加飾品をABS樹脂基材に貼付することによって、本例の樹脂部品(印刷加飾樹脂品)を得た。
上記実施例1によって得られた樹脂部品と、従来品である比較例1(ダイカスト品)、比較例2(樹脂−プレス成形一体化部品)及び比較例3(印刷加飾樹脂部品)について、次のような評価試験を行った。その結果を表1に示す。
(1)金属触感
○:金属触感そのもの
×:金属触感がない
(2)表面硬度
HV硬度を測定した(但し、比較例3については、ロックウェル硬度)。
(3)耐傷付き性
4Hの鉛筆を用いて表面の傷付き性を評価した。
○:傷付きなし
△:傷付き小
×:傷付き大
(4)コスト比較
実施例1の原料及び製造コストを100とする相対値によって示した。
2 アルミニウム層
3 陽極酸化被膜層
Claims (11)
- 樹脂基材の上にアルミニウム層を備え、該アルミニウム層の表面に陽極酸化皮膜層が形成されていることを特徴とする樹脂部品。
- 上記アルミニウム層の厚さが100〜150μmであることを特徴とする請求項1記載の樹脂部品。
- 上記アルミニウム層が純アルミニウム材料から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂部品。
- 上記陽極酸化皮膜層の厚さが5〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の樹脂部品。
- 樹脂基材の上にアルミニウム層を溶射し、得られたアルミニウム層に陽極酸化処理を施すことを特徴とする樹脂部品の製造方法。
- 樹脂基材の表面粗さをRa20〜70μmに粗面化した状態で、アルミニウム層を溶射することを特徴とする請求項5に記載の樹脂部品の製造方法。
- 樹脂基材の表面をブラスト処理により粗面化することを特徴とする請求項6に記載の樹脂部品の製造方法。
- 上記溶射が低温溶射であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つの項に記載の樹脂部品の製造方法。
- 上記溶射に用いる溶射アルミニウムの粉末粒径が30〜120μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つの項に記載の樹脂部品の製造方法。
- 上記溶射に純アルミニウム線材を用いることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1つの項に記載の樹脂部品の製造方法。
- 溶射により得られたアルミニウム層にバフ研磨を行った後、陽極酸化処理を施すことを特徴とする請求項5〜10のいずれか1つの項に記載の樹脂部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007007230A JP2008173796A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 樹脂部品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007007230A JP2008173796A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 樹脂部品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008173796A true JP2008173796A (ja) | 2008-07-31 |
Family
ID=39701189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007007230A Pending JP2008173796A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 樹脂部品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008173796A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012141464A2 (ko) * | 2011-04-13 | 2012-10-18 | 바코스 주식회사 | 다이캐스팅 합금의 표면처리 방법 및 이에 의하여 제조된 표면구조를 가지는 다이캐스팅 합금재 |
JPWO2014112218A1 (ja) * | 2013-01-18 | 2017-01-19 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 金属酸化物含有膜付き物品 |
CN110945972A (zh) * | 2017-06-20 | 2020-03-31 | 惠普发展公司,有限责任合伙企业 | 电子设备 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6480523A (en) * | 1987-09-22 | 1989-03-27 | Sekisui Chemical Co Ltd | Polyolefin coated aluminum alloy laminate |
JPH02225041A (ja) * | 1989-02-27 | 1990-09-07 | Sky Alum Co Ltd | アルミニウムの複合皮膜の形成法 |
JPH0313827U (ja) * | 1989-06-27 | 1991-02-13 | ||
JPH08165553A (ja) * | 1994-12-08 | 1996-06-25 | Nippon Alum Co Ltd | 化粧板の製造方法 |
JPH093614A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-07 | Dainippon Toryo Co Ltd | 金属溶射皮膜の形成方法 |
JPH10296908A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | アルミニウム板ベース銅張積層板の製造法 |
JP2002178425A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Bio System Kk | 航空機用耐火性内装材及びその製法 |
-
2007
- 2007-01-16 JP JP2007007230A patent/JP2008173796A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6480523A (en) * | 1987-09-22 | 1989-03-27 | Sekisui Chemical Co Ltd | Polyolefin coated aluminum alloy laminate |
JPH02225041A (ja) * | 1989-02-27 | 1990-09-07 | Sky Alum Co Ltd | アルミニウムの複合皮膜の形成法 |
JPH0313827U (ja) * | 1989-06-27 | 1991-02-13 | ||
JPH08165553A (ja) * | 1994-12-08 | 1996-06-25 | Nippon Alum Co Ltd | 化粧板の製造方法 |
JPH093614A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-07 | Dainippon Toryo Co Ltd | 金属溶射皮膜の形成方法 |
JPH10296908A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | アルミニウム板ベース銅張積層板の製造法 |
JP2002178425A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Bio System Kk | 航空機用耐火性内装材及びその製法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012141464A2 (ko) * | 2011-04-13 | 2012-10-18 | 바코스 주식회사 | 다이캐스팅 합금의 표면처리 방법 및 이에 의하여 제조된 표면구조를 가지는 다이캐스팅 합금재 |
WO2012141464A3 (ko) * | 2011-04-13 | 2013-01-03 | 바코스 주식회사 | 다이캐스팅 합금의 표면처리 방법 및 이에 의하여 제조된 표면구조를 가지는 다이캐스팅 합금재 |
KR101334323B1 (ko) | 2011-04-13 | 2013-11-27 | 바코스 주식회사 | 다이캐스팅 합금의 표면처리 방법 및 이에 의하여 제조된 표면구조를 가지는 다이캐스팅 합금재 |
JPWO2014112218A1 (ja) * | 2013-01-18 | 2017-01-19 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 金属酸化物含有膜付き物品 |
US10450651B2 (en) | 2013-01-18 | 2019-10-22 | Fujimi Incorporated | Article comprising metal oxide-containing coating |
CN110945972A (zh) * | 2017-06-20 | 2020-03-31 | 惠普发展公司,有限责任合伙企业 | 电子设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5850353B2 (ja) | 陽極酸化及びめっき表面処理 | |
US10837117B2 (en) | Method for coating an object by means of a multilayer system with a nickel-phosphorus alloy | |
JP4776033B2 (ja) | スパッタリングによる樹脂導電化を利用した装飾めっき品の製造方法 | |
CA2800381A1 (en) | Articles with super-hydrophobic and/or self-cleaning surfaces and method of making same | |
AU2005200519A1 (en) | Method and manufacture of corrosion resistant and decorative coatings and laminated systems for metal substrates | |
US20110017603A1 (en) | Anodized Aluminum Cookware with Exposed Copper | |
JP6432653B2 (ja) | 装飾めっき製品、及び製造方法 | |
KR20130134645A (ko) | 레이저 식각처리를 이용한 도금방법 | |
KR101263707B1 (ko) | 엠블렘이 일체로 구비되어 도금되는 휠캡의 제조방법 및 상기 방법으로 제조한 휠캡 | |
JP2008173796A (ja) | 樹脂部品及びその製造方法 | |
US6905777B2 (en) | Laminate material | |
US5637404A (en) | Reflective aluminum strip | |
US20190345611A1 (en) | Method for producing corrosion-stable and optionally colour/metallically coated and decorative plastic components | |
JP2012236574A (ja) | 樹脂製装飾品 | |
JP4993857B2 (ja) | 加飾方法 | |
WO2008004558A1 (fr) | Procédé de production un objet ornemental plaqué en convertissant une résine en une résine conductrice par métallisation sous vide et gabarit suspendu pour la fixation du moulage de résine | |
JP4051319B2 (ja) | 母材表面がメッキ処理された自動車用アルミニウムホイールの表面処理方法 | |
JP6591121B1 (ja) | シリカコーティングが施されたメッキ層 | |
KR101543122B1 (ko) | 그래픽 칼라 복합코팅 구조와 그 코팅방법 | |
CN218661645U (zh) | 一种表面铜镍铬多层金属复合的汽车车标 | |
JP4788452B2 (ja) | エンボス化粧板及びその製造方法 | |
CN209987857U (zh) | 一种汽车装饰件涂层及汽车装饰件 | |
JPH06297901A (ja) | アルミホイール | |
KR101584293B1 (ko) | 색상이 구현된 제품 및 이의 제조 방법 | |
JP2023102621A (ja) | 車両用加飾品及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110531 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110601 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110801 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110908 |