JPH0627320B2 - 基体用の耐摩耗性且つ付着性コーティング及び、ホウ素と炭素との組成物からなるコーティングを形成する方法 - Google Patents

基体用の耐摩耗性且つ付着性コーティング及び、ホウ素と炭素との組成物からなるコーティングを形成する方法

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JPH0627320B2
JPH0627320B2 JP59198429A JP19842984A JPH0627320B2 JP H0627320 B2 JPH0627320 B2 JP H0627320B2 JP 59198429 A JP59198429 A JP 59198429A JP 19842984 A JP19842984 A JP 19842984A JP H0627320 B2 JPH0627320 B2 JP H0627320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、基体用の耐摩耗性且つ付着性コーティング及
びホウ素と炭素との組成物からなるコーティングを形成
する方法に係る。
従来、消耗する工具等の物品は、或る種のパラメータを
制御することにより様々な硬度、平滑度及び消耗特性を
付与して製造されてきた。例えば焼入れ前の鋼の加工及
び形削り用の工具は、非常に硬いマルテンサイトが形成
されるほどの量の炭素を含有した鋼から製造され得る。
より複雑な組成において炭素含量及び合金含量を変化さ
せれば、不変形鋼、耐衝撃鋼、熱間加工鋼、あるいは高
速度鋼がもたらされ得る。このような鋼の幾種類かに
は、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン及
びクロムなどの合金元素が用いられる。これらの元素は
炭素に対する親和力が大きく、耐摩耗生の硬い金属炭化
物を形成する。しかし多くの場合、その硬度及び/また
は平滑度を改善するコーティングを表面に備えた工具を
提供することが望ましい。このことは特に、例えば工具
寿命の延長もしくは生産性の向上が望まれる場合、ある
いは焼入鋼の形削り及び加工を行なう必要がある場合に
ついて指摘される。しかし多くの種類の耐摩耗コーティ
ングは、適用の際に高温を要するので多種の基板材料に
対して使用不能であり、なぜならそのような高温下では
基体としての基板の特性が甚だしく変化する恐れがある
からである。他の種類のコーティングは、作業条件下に
おいて基板に十分付着しない。
即ち、比較的低温で適用され得、基板特性に重大な変化
をもたらさない耐摩耗コーティングが必要とされる。工
具のような物品のために、その寿命を延長する耐摩耗コ
ーティングが必要であり、また改善された付着特性及び
破断耐性を有する耐摩耗コーティングも必要である。
本発明の目的は、基体本来の物理的特性を実質的に損う
ことなく基体上に形成され得ると共に、基体に対する付
着性において優れており付着用のコーティングを必要と
しない耐摩耗性且つ付着性コーティングを提供すること
にある。
本発明によれば前述の目的は、炭素及びホウ素から構成
される材料の層からなり、当該量はスパッタリングによ
って形成されると共にアモルファス相、長距離秩序を欠
く多結晶相及び微結晶相から選択された少なくとも一つ
の相をなす炭素とホウ素の結合からなり、前述の材料は
1-x (但し、Xは実質的に0.60から0.90である)
で表わされる原子基準の組成を有する、基体用の耐摩耗
性且つ付着性コーティングにより達成される。
本発明の基体用の耐摩耗性且つ付着性コーティングは、
スパッタリングにより形成される。スパッタリングは比
較的低い基体温度( 200℃以下、通常は約 100℃以下)
で実施され得るため、本発明のコーティングは基体の物
理的特性、特に寸法、硬度及び坑折力を実質的に変化さ
せることなく基体上に形成され得、特に本発明のコーテ
ィングが基体に適用される際に基体の寸法変化が比較的
少ないため、本発明のコーティングは基体に対する付着
性において優れている。即ち本発明のオーティングは基
体本来の物理的特性を実質的に損うことなく基体上に形
成され得ると共に、基体に対する付着性において優れて
おり付着用のコーティングを必要としない。
本発明の他の目的は、基体の物理的特性を実質的に変化
させることなしに、B1-x (但し、Xは実質的に0.
60から0.90である)で表わされる原子基準の組成を有す
る物質の相からなるコーティングを基体に施し得るコー
ティングの形成方法を提供することにある。
本発明によれば、前述の他の目的は、B1-x (但
し、Xは実質的に0.60から0.90である)で表わされる原
子基準の組成に対応する組成を有するターゲットを用い
ながらスパッタリングを行うことによって、前述の原子
基準の組成を有する物質の層からなるコーティングを基
体上に形成することを特徴とする、基体上にホウ素と炭
素との組成物からなるコーティングを形成する方法によ
り達成される。
本発明のコーティングを形成する方法は、B1-x
(但し、Xは実質的に0.60から0.90である)で表わされ
る原子基準の組成に対応する組成を有するターゲットを
用いて、スパッタリングを行うことによって、基体上に
ホウ素と炭素との組成からなるコーティングを形成する
方法である。本発明方法に用いられるスパッタリングは
比較的低い基体温度( 200℃以下、通常は約 100℃以
下)で実施され得るため、基体の物理的特性、特に寸
法、硬度及び坑折力を実質的に変化させることなしに、
基体に前述の組成を有する物質の層からなるコーティン
グを施すことができる。
本明細書の文中“基板”と“物品”とは相互に置換えら
れ得、かつこれらの概念には本発明のコーティング以外
の1種または複数種のコーティングも包含され得る。
本発明のコーティングを形成する層は、アモルファス
相、長距離秩序を欠く多結晶相及び微結晶相から選択さ
れた少なくとも一つの相からなる。即ち本発明のコーテ
ィングは、アモルファス、多結晶質(長距離秩序を欠い
た)、微晶質、あるいはこれらの相の任意の組合せでの
混合からなる層である。
このコーティングの組成は、 B1-x であり、ここで“B”はホウ素を、“C”は炭素を表わ
し、また“x”及び“1−x”は各々コーティング中に
存在するホウ素及び炭素の相対量を原子基準で表わして
おり、“x”は約0.60〜約0.90である。
本明細書において、アモルファス、多結晶質(長距離秩
序を欠いた)、微晶質、あるいはこれらの相の任意の組
合せでの混合からなる状態を「無秩序」という用語で表
現する。
本発明のコーティングは、BとCの相対的割合がB0.60
0.900.100.40で示されるので、組成がBC(B
0.80.2 )で示されるコーティングは勿論、B0.60
0.40からB0.80.2 の範囲内及びB0.80.2 からB
0.900.10の範囲内の組成を有するコーティングをも包
含する。
本発明のコーティングは、形成時に無秩序化される。無
秩序であって耐摩耗性すなわち耐損耗性を有するコーテ
ィングは単一相の結晶質コーティングよりも良好に機能
すると考えられる。無秩序コーティングでは基板表面と
コーティングとの拡散結合が単一相の結晶質コーティン
グの場合よりも生じ易く、その結果付着がより良好とな
り得る。無秩序物質はまた、破断面を伝播させ得る広い
格子平面を欠き、通常比較的大きい変形力にも破断面を
生じることなく耐え得る。このような物質は通常単一相
の結晶物質よりも、腐食及び酸化のような有害な化学的
攻撃を蒙りにくい。上述の諸利点は、アモルファスであ
るかもしくは実質的にアモルファスであるコーティング
においてより完全に実現されると考えられる。
本発明によれば、非化学量論的である無秩序な耐摩耗性
且つ付着性のコーティングが提供され、このコーティン
グの組成におけるホウ素及び炭素の量は所望の特性を達
成するべく調節され得、その際コーティングの付着性、
耐摩耗性あるいはその他の特性に有害な影響を及ぼし得
る、非無秩序物質中に存在するような広い格子平面の形
成は回避される。
無秩序コーティングの形成には、あらゆる適当な方法が
用いられ得る。コーティング形成の一方法は、スパッタ
リングによる。スパッタリングは比較的低い基板温度
( 200℃以下、通常約 100℃以下)で実施され得るの
で、コーティングは基板材料の特性に重大な変化を生じ
ることなく形成され得、向上した耐摩耗性と優れた潤滑
性とを有する表面を提供する。従って本発明は特に、例
えば工具鋼及びタングステンカーバイドのような材料の
コートに有用であり、なぜならそのような材料の諸特性
は本発明コーティングでの処理の際の温度によって劣化
しないからである。低い基板温度でのスパッタリングに
よって、無秩序状態のコーティングの形成も可能とな
る。
コーティングは工具表面もしくは基板表面に連続的に薄
層として形成され得、その際コーティングの厚みが比較
的薄くされ得、かつ厳密に制御され得るので、工具の寸
法が甚だしく変化することはない。コーティングを既に
具備しているかまたは未だ具備していない工具を使用に
供した後、該工具に本発明コーティングが適用され得、
それによって所望の公差が得られるか、または工具上で
既に摩耗した材料に替わり新しいコーティングが機能す
る。即ち本発明によって、廃棄されるはずの工具の再使
用が可能となる。
本発明によるコーティングは基板表面上に直接適用され
得、その際例えば損傷あるいは摩擦を蒙る工具または他
の表面上で有用な、優れた付着性を発揮する。本発明の
コーティングは優れた付着性を有し得るので、付着用コ
ーティングもしくは付着用の層は必要無い。好ましく
は、コーティングは基板表面と連続している。
本発明の無秩序ホウ素炭素コーティングは更に、比較的
不活性かつ安定で、例えば湿気及び熱に晒される結果と
しての品質劣化に対する十分な耐性を有することでも特
徴付けられ得る。
本明細書中“機械加工”(加工及び工作)という語は広
義に用いられており、非限定的に切削、研削、形削り、
研摩、リーマ仕上げ、施削、ドリル加工、ブローチ削
り、刃付け等を包含している。この機械加工は、工具の
作用面の少なくとも一部分即ち加工刃あるいは加工面を
本発明による耐摩耗性且つ付着性のホウ素炭素からなる
コーティングでコートされた物品を用いて工作物を加工
することを含む。
本発明の他の特徴によれば、無秩序なホウ素炭素からな
るコーティングは装飾用コーティングとしても有用であ
る。無秩序なホウ素炭素からなるコーティングは、高い
光沢を有し、かつ美しい灰色を呈することによって特徴
付けられ得る。このようなコーティングは無論、良好な
耐摩耗性も提示する。
コーティングの色は、コーティング中に存在するホウ素
及び炭素の相対量に依存する。炭素を比較的多量に有す
るコーティングは、炭素がより少ないコーティングに比
べて濃い灰色を呈する。
ある程度までは、コーティングの厚みがコーティングの
灰色度を決定する。コーティングの光学濃度は、該コー
ティングの厚みがそれ以上増しても光学濃度の著しい増
大がもたらされないある一定の値に達するまで前述の厚
みと関連する。
一般に、コーティングが適用される基板表面の滑らかさ
がコーティングの光沢に影響する。普通表面を滑らかに
するほど、より光沢のあるコーティングが得られる。従
って高光沢のコーティングが所望である場合は、基板表
面を比較的滑らかにするべきである。
コーティングは実質的に炭素とホウ素のみを含有するこ
とが好ましいが、少量の不純物がほぼ常に存在すると了
解されるべきである。更に、所望の色、光沢または耐摩
耗性を損わないものであれば、炭素以外の元素あるいは
化合物がコーティング中に存在してもよい。
本発明のコーティングは更に、比較的不活性かつ安定
で、例えば紫外線に晒される結果としての変色に対する
十分な耐性を有することでも特徴付けられ得る。前述の
コーティングは化学的攻撃に対しても良好な耐性を示
す。
本発明コーティングが装飾用に用いられる場合、その厚
みは通常耐摩耗用のコーティングよりも薄いが、所望で
あればより厚いコーティングも装飾用として使用され得
る。
本発明の無秩序コーティングはスパッタリングによって
形成される。好ましいタイプのスパッタリングはバイア
ス電圧を用いるdcマグネトロンスパッタリングであ
る。スパッタリングを用いると比較的低温でコーティン
グを設けることができ、このため比較的高温度を要する
別の方法よりも基板特性に影響を与え難い。
スパッタリングデポジションは当業者に公知の普及した
方法であるが、本発明の利点を最も良く発揮させるには
コートすべき表面の特定幾何学形状に適応したスパッタ
リング法を用いて所望のコーティングを形成するのが有
利である。通常は、スパッタリングによるコーティング
の形成中に基体としての基板にdc又はrfバイアスを
かける。バイアスは、基板上に形成されたコーティング
の付着力を向上させ、コーティング内の応力を低減し、
コーティングの密度を増加する。基板の幾何学形は、特
定用途に対して最も好ましいスパッタリング法を決定す
るための1つの要因となる。
スパッタデポジション以前に、工具又は基体としての基
板のコートすべき表面部分を原子的に正常な表面にして
おくことが重要である(本明細書中での“基板”なる用
語は、本発明のコーティングを一層又は複数層含まない
工具又は基板の部分を意味する)。これにより、基板表
面に付着する均一コーティングが容易に形成される。原
子的に清浄なスパッタリング用表面を与えるために幾つ
かの方法が当業者に公知であり、これらの方法のいずれ
を使用してもよい。後述の表面調整方法は単なる例とし
て示されるものであり、本発明を限定すると解釈されて
はならない。
原子的に洗浄な基板表面を準備するための1つの方法に
よれば、基板を塩素化炭化水素脱脂剤で脱脂する。次
に、基板をメタノールですすぎ、プラズマエッチング又
はドライケミカルエッチングで処理する。プラズマエッ
チングを採用する場合、好ましくは四フッ化炭素の如き
フッ素化されたキャリヤーガスを使用する。キャリヤー
ガスが分解してフッ素を生じ、このフッ素が基板表面を
洗浄にする。原子的に清浄なコーティング用表面を与え
るための最終ステップでは、アルゴンプラズマ中でスパ
ッタエッチングを行なう。
基板又は少くともコートすべき基板部分を原子的に清浄
な表面にした後に、コーティングを形成し得る。
装飾用には通常、高光沢コーティングが望まれる。この
ような場合、表面が比較的滑らかであるのが好ましい。
滑らかな表面では高光沢コーティングが形成され易いと
考えられるからである。或る種の表面に既に滑らかであ
り処理は全く不要である。表面をより滑らかにしたいな
らば、適当な如何なる処置を用いてもよい。例えば、表
面を研摩してもよく、又は、表面に、熱可塑性もしくは
熱硬化性ポリマー樹脂の如きポリマー材料又は比較的滑
らかな表面を与える別の材料から成る1つ以上の層をプ
レコートしてもよい。このようなポリマー材料の例とし
て、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂がある。研摩とプレ
コート層形成との双方を組合せて用いてもよい。
本発明のコーティングはスパッタリングによって形成さ
れる。好ましいスパッタリング条件は、表面の幾何学形
と所望の微細構造のタイプとに左右される。しかし乍ら
一般的には、特に摩耗即ち損耗が考えられる多くの用途
に於いては、コーティングの表面が滑らかであるのが望
ましい。無秩序コーティングの内部微細構造は柱状でも
よく又は柱状でなくてもよい。ある種の用途では、柱状
表面をもつコーティングが望まれる。
柱状微細構造を生成したい場合、柱状微細構造を生成す
る当業者に公知のいかなるタイプのスパッタリング法も
使用し得る。柱状微細構造を生成するための1つの方法
では、基板に十分なバイアス電圧を印加して柱状微細構
造の形成を生起せしめる。或る種のコーティング材料及
び/又は基板の幾何学形状次第では、高いバイアス電圧
を用いても尚、柱状微細構造が形成されない場合があ
る。当業者に公知の如く、バイアススパッタリングはデ
ポジション中に基板上で負バイアス電圧を維持するプロ
セスである。
基板にバイアス電圧を印加することによってコーティン
グの密度と純度と付着力と内部応力とをコントロールし
得る。一般には、バイアス電圧の印加によって、密度と
純度と付着力とが増加しコーティングの内部応力が減少
する傾向を示す。
基板に印加するバイアス電圧をスパッタリング中に所望
のシーケンスで変更し得る。基板の幾何学形状と所望の
微細構造とに基づいて好ましいバイアスシーケンスを選
択し得る。複雑な付形物又は比較的高いアスペクト比
(約 2.0以上)をもつ表面では(アスペクト比とは、表
面の幅に対する巨視的深度の比、例えば平坦面のアスペ
クト比は0であり、幅に等しい深さのくぼみをもつ表面
のアスペクト比は1である)、先ず比較的低いバイアス
電圧(例えば約−100Vから−200V)でコーティング材
料を基板にスパッタし、完全な被覆を確保するのが望ま
しい。次にバイアス電圧を比較的高い値に上げる(例え
ば、約−1000Vから−2500V)。バイアス電圧を漸増
(傾斜増加)させてもよく又は逓増(ステップ増加)さ
せてもよい。このようなバイアス電圧を使用すると、付
着力がより大きく内部応力がより小さい高密度高純度の
コーティングの形成が促進され、同時に柱状構造の成長
が促進される。一般に柱状微細構造によって付着力が向
上すると考えられており、これは該構造が基板に機械的
に定着するためであると推測されている。比較的高いア
スペクト比を有する表面にコーティングを形成する場合
は、コーティングの外側面を形成するときに、コーティ
ングの内側部分の形成に用いたバイアス電圧と同じバイ
アス電圧を使用し得る。但し、コーティングの外側面が
滑らかであることを望む場合には、デポジションの終期
にバイアス電圧を(例えば通常は約−100Vから−200V
まで)下げるか又は除去する。この操作によって滑らか
な表面が形成され得る。
アスペクト比約 0.5から約2.0 の表面の場合、一般には
−500Vから−1000Vのほぼ一定のバイアス電圧でコー
ティングをスパッタするのが好ましい。より高い電圧の
使用も可能である。コーティングの外側部分に関して
は、比較的滑らかな表面を所望する場合、バイアス電圧
を適宜調整する必要がある。
比較的低いアスペクト比(0から約0.5)を有する表面の場
合、バイアス電圧を最初に高くし(約−1000Vから−25
00V)次にステップ式もしくは傾斜式に低電圧(約−10
0Vから−200V)まで下降させるか、又は、除去するの
が好ましい。この場合にも、バイアス電圧の減少又は除
去を通常はコーティングのデポジションの終期に行な
う。バイアス電圧を漸減させるか又は比較的低いバイア
ス電圧を用いると、比較的滑らかな表面が形成され易
い。このような表面は一般に潤滑性が大きい。このこと
は多くの場合に望ましい。
基板を比較的低温( 200℃以下、一般には例えば約 100
℃以下)に維持してスパッタリングを実施するので、基
板材料の特性の有意な変化を生じること無くコーティン
グを形成することができ、しかも、耐摩耗性即ち耐損耗
性が向上しすぐれた潤滑性を有する表面が得られる。従
って、本発明のコーティングによって特に有効にコート
される材料としては、工具鋼、アルミニウム、シンチュ
ウ、クロム、ニッケル、タングステンカーバイド、焼結
カーバイド、黒鉛、ガラス、天然及び合成ポリマーがあ
り、また、例えば高温度で好ましくない影響を受けるよ
うな別の材料基板がある。本発明に於いて用いられる処
理温度ではこれらの材料の特性が劣化しない。基板を低
温に維持して行なわれるスパッタリングでは更に、無秩
序状態のコーティングを形成し得る。本発明はまた、基
板組成に関わり無く、高精度で寸法決めされた基板をコ
ートするのに適している。
スパッタリングによって無秩序コーティングを形成する
際、このような無秩序コーティングが形成され易いよう
に、一般には基板表面温度を約 200℃未満、通常は約 1
00℃又はそれ以下に維持してスパッタリングを実施す
る。従って、本発明のコーティングは比較的低温で形成
され得る。ターゲットの蒸発、融解又はそれ以外の好ま
しくない劣化を阻止するために通常はターゲットも冷却
される。その結果、例えば工具表面に、寸法、硬度及び
曲げ破断強さの如き工具の物性を有意に変化させないで
コーティングが設けられる。一般には、無秩序コーティ
ングの形成を阻害するような基板温度、ターゲット組
成、デポジション速度、ガス圧は使用すべきでない。
装飾用の場合、コーティングの膜厚を変化させることが
でき、必要な最小膜厚は存在しない。しかし乍ら約2000
Åから約5000Å(10,000Å=1μm)の範囲の膜厚が好
ましい。膜厚がより薄いとコーティングがより透明にな
りコーティグの灰色度が小さくなる。5000Åより厚いコ
ーティングの使用も可能であるが、装飾用ではコストが
制約要因になるであろう。コーティングが実質的に不透
明になるだけの十分な膜厚を有するのが好ましい。
耐摩耗性、即ち耐損耗性については通常は、膜厚約1μ
mから約8μmのコーティングを形成するのが好まし
い。工具用の好ましい膜厚は通常、約 2.5μmである。
高い許容差が必要な用途では特に約8μmを上回る膜厚
のコーティングは好ましくない。基板表面の幾何学形状
が比較的簡単であるか複雑であるかに従って、前述の如
きガイドラインに従ってスパッタリング法を選択する。
本文中に記載のコーティング及びコーティング方法は、
工具がこのコーティングを備えるか備えないかに関わり
無く工具に対して使用することができる。例えば、本発
明によるコーティングを1つ以上有する工具が使用され
て摩耗するか又は所望の許容範囲を超えたときに、本発
明による同種コーティング又は別種コーティングを工具
に形成して工具寿命を延長することも可能である。ま
た、本発明のコーティングを以前には備えていなかった
工具にコーティングを形成することも可能である。この
ようにして、普通なら廃却される筈の工具が再生され
る。
第1図から第7図は、本発明の方法によってコートされ
得る数種の加工品を示す。
第1図は、本発明の方法によってコートされ得る歯車ハ
ブ10を示す。歯車ハブ10は径方向に伸びる複数個の歯12
を有しており、複雑な表面の1例である。
第2図は、側面16と斜面18とを有するインサート工具14
の斜視図である。基体としての基板たるインサート工具
の全面に無秩序ホウ素炭素から成る耐摩耗性且つ付着性
のコーティングをコートする。
第3図は、支持ピン20の斜視図である。支持ピン20は、
ホウ素炭素の耐摩耗性且つ付着性のコーティングによる
コート処理が可能な比較的単純な表面の1例である。
第4図は、径方向に伸びる複数個の歯24から成る歯車成
形バイト22である。歯車成形バイト22は、本発明のコー
ティングの使用に適した比較的複雑な表面の別の例であ
る。
第5図から第7図は、本発明のコーティングを主として
装飾用に使用し得るいくつかの加工品を示す。コーティ
ングを適用し得る加工品の種類に事実上の制約が無いこ
と、これらの図面が単なる代表例であることは勿論理解
されよう。第5図は、本発明のコーティング28を表面に
有し得る自動車のスチール製バンパ26を示す。コーティ
ング28は、実質的にアモルファスのホウ素炭素から成る
灰色の薄層であり膜厚約2000Åから約5000Åであり、光
沢度が高い。
第6図は、表面に本発明のコーティング32を有し得る自
動車ドアのプラスチック製ロックボタン30を示す。
第7図は、本発明のコーティング36を有する給水栓34を
示す。
コーティングを装飾用に使用する場合、コーティングの
上に保護オーバーコート層を設けてもよい。多くの用途
では、保護オーバーコートが実質的に透明で明澄であ
る。必要ならばオーバーコートを着色してもよい。ホウ
素炭素コーティングを好ましくない程度まで劣化させな
いような材料を使用し得る。例えば、熱可塑性又は熱硬
化性のポリマー樹脂を使用し得る。適当なポリマー樹脂
を広範囲の材料グループから選択することができ、この
グループに含まれる材料として、例えば、ポリウレタ
ン、ビニルポリマー、塩化ビニリデンと酢酸ビニルとの
コポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとのコ
ポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ABSコ
ポリマー等がある。これらの材料はまた、表面をより滑
らかにするために基板に設けるプレコートとして使用す
るにも適している。オーバコート層又はプレコート層を
設けるために適当な任意の方法を使用し得る。このよう
な方法として例えば、スプレー法、ブラシ法、ローラー
コート法、浸漬法、スピンコート法、真空蒸発、電解、
静電スプレー等がある。
第8図は、本発明の無秩序ホウ素炭素コーティング40を
有する基体としての基板の一部の拡大断面図である。コ
ーティング40の表面に薄い保護オーバーコート層42を設
けた。層42はコーティング40を衝撃から保護する機能を
果す。
保護オーバーコート42は実質的に透明なポリマー樹脂で
ある。
一般に、本発明のホウ素炭素コーティングのKHN(50
g)硬度は、或る程度の微晶質物質を含む実質的にアモ
ルファスの膜厚50μの(ホウ素炭素)コーティングにつ
いて測定すると約 4.700kg/mm2である。
無秩序コーティングの膜厚は一般に比較的薄いので、普
通に使用される膜厚を直接測定することはできない。コ
ーティングの膜厚が上記の例より薄い場合にもほぼ同じ
硬度が維持されると予想される。また、本発明のコーテ
ィングは比較的硬いにも関わらず、一般にすぐれた耐摩
耗性を示す。このため、本発明で処理された工具は寿命
が長く、しかも、このような工具で工作された部品の表
面仕上が改良される。
本発明及びその利点は、以下の実施例からより完全に理
解されよう。
実施例 1 純度99%の結晶質BC粉末をホットプレスして形成し
たターゲットを用いdcマグネトロンスパッタリングに
よって本発明の無秩序コーティングを形成した。ターゲ
ットを支持板にシルバーエポキシ結合し、先ずdc 300
wを6時間与えてデポジションを開始し、次にrf 500
wを2時間与え、次に30分を要して最終的にdc1050w
に到達せしめ、この電圧を更に30分維持してプレクリー
ン処理した。膜厚約50μmのホウ素炭素コーティングが
形成された。X線回折データによれば、コーティングは
実質的にアモルファスで或る程度の微晶質物質を含んで
いた。
示差熱分析によれば、無秩序ホウ素炭素コーティングの
結晶化温度は約1280℃であった。
実施例 2 99%純度の結晶質BC粉末をホットプレスして形成し
たターゲットを用い、dcマグネトロンスパッタリング
によって本発明のアモルファスホウ素炭素コーティング
を形成した。M2高速鋼一山バイトとM7高速鋼ドリル
とにコーティングを形成した。先ず原子的に清浄な表面
を与えるために、工具をdcエッチし、次にアモルファ
スホウ素炭素コーティングを形成した。最初に6μのア
ルゴンガス圧と 500Vのdcバイアス電圧とを用いたd
cマグネトロンスパッタリングによって膜厚の約40%ま
でコーティングを形成し、次に、 250Vのdcバイアス
電圧で残りのコーティングをデポジットした。各工具毎
のコーティングの総膜厚は約 3.2μmであった。X線回
折テストによれば、コーティングはアモルファスであっ
た。
コーティングを設けた工具と設けなかった工具との寿命
を比較するために旋盤バイトとドリルとをテストした。
旋盤バイトを冷間圧延した1040鋼の削り作業に用いた。
ドリルをブリネル硬度数 219から 239の粗鋳鉄板の孔あ
けテストに用いた。切削テスト及び孔あけテストのいず
れでも潤滑剤を使用しなかった。
旋盤バイトは、送り速度 0.008インチ(約0.02cm)/回
転で速度 170フィート(約51m)/分で使用した。削り
の深さは 0.050インチ(約 0.125cm)であった。アモル
ファスホウ素炭素コーティングを備えた旋盤バイトの耐
用寿命は、同条件下で使用されたコーティングをもたな
い同種旋盤バイトの寿命の4倍であった。
孔あけテストでは、ドリルの先端とショルダとを完全に
侵入させて厚み 1/2インチ(約1.25cm)の粗鋳鉄板に貫
通孔を設けた。送り速度は0.0083インチ(約 0.021cm)
/回転であった。突発故障が生じるまでの開孔数を工具
寿命の基準とした。孔あけテストで以下の結果が得られ
た。
前述の結果より、本発明のコーティングを有する工具を
使用するとコーティングをもたない工具に比べて、かな
りの改良が得られることが明らかである。
実施例 3 ステンレススチール板に本発明のアモルファスホウ素炭
素コーティングを設けた。実施例2の手順でステンレス
スチール板にコーティングを形成した。コーティングの
膜厚は約 3.2μmであった。
コーティングを設けたステンレススチール板を相対湿度
約88%及び温度約33℃の大気に曝した。大気との接触を
56日間以上続けても、コーティングの明らかな剥離、劣
化又は付着性の低下は生じなかった。
実施例 4 ステンレススチール板を実施例3と同様にコートした。
コートしたステンレススチール板に切削流体の還流蒸気
を作用させた。
蒸気の温度を約 100℃に維持し、蒸気との接触を8時間
維持した。
切削流体は、細菌増殖を制御するために使用されるイオ
ウ及び塩素系の添加剤を含んでいた。テスト後のコーテ
ィングに肉眼で見える変化は生じなかった。
実施例 5 本発明方法に従いdcマグネトロンスパッタリングによ
ってクロム給水栓にホウ素炭素コーティングを形成し
た。コーティングは膜厚約10,000Åであり光沢のある美
しい灰色を有していた。スチールウールでこすってもコ
ーティングに肉眼で見える掻き傷は生じなかった。
スパッタリングの使用とターゲット組成の適切な選択と
によって所望の割合のホウ素炭素の無秩序コーティング
を形成し得る。“アモルファス”なる用語は、長距離無
秩序を有する物質を意味するが、物質が短距離又は中距
離秩序を有していてもよく、また時には結晶質介在物が
或る程度混在していてもよい。
本発明のコーティングは、例えば、軸受、エンジン部
品、取付部品の如き摩耗し易い表面及び摩擦又は摩耗を
生じるような別のデバイスにも適用することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図から第7図は、本発明のコーティングを備える種
々の加工品の概略説明図、第8図は別の透明コーティン
グが重ねて適用された本発明のコーティングの断面図で
ある。 10……歯車ハブ、14……インサート工具、 20……支持ピン、22……歯車成形バイト、 26……バンパ、30……ロックボタン、 34……給水栓。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエームズ・ドミニツク・フラスツク アメリカ合衆国、ミシガン・48063、ロチ エスター、ノートン・2274 (56)参考文献 特開 昭57−11811(JP,A) 特開 昭56−156767(JP,A) 特開 昭58−67865(JP,A) 特開 昭57−25320(JP,A) 特公 昭48−1600(JP,B1) 特公 昭47−24861(JP,B1) 「化学大事典5縮刷版」共立出版株式会 社1963.11.15、703ページ「たんかほう 3」

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素及びホウ素から構成される材料の層か
    らなり、当該層はスパッタリングによって形成されると
    共にアモルファス相、長距離秩序を欠く多結晶相及び微
    結晶相から選択された少なくとも一つの相をなす炭素と
    ホウ素の結合からなり、前記材料はB1-x (但し、
    Xは実質的に0.60から0.90である)で表わされる原子基
    準の組成を有する、基体用の耐摩耗性且つ付着性コーテ
    ィング。
  2. 【請求項2】前記層がdcマグネトロンスパッタリング
    によって形成されている特許請求の範囲第1項に記載の
    コーティング。
  3. 【請求項3】前記層の少なくとも一部分がバイアススパ
    ッタリングによって形成されている特許請求の範囲第1
    項又は第2項に記載のコーティング。
  4. 【請求項4】前記スパッタリングの少なくとも一部分に
    おいて前記基体にバイアス電圧を印加するdcマグネト
    ロンスパッタリングによって、前記層が形成されている
    特許請求の範囲第1項又は第2項に記載のコーティン
    グ。
  5. 【請求項5】前記層がアモルファス材料を実質的に含む
    特許請求の範囲第1項から第4項のいずれか一項に記載
    のコーティング。
  6. 【請求項6】前記層が微結晶材料を含む特許請求の範囲
    第1項から第5項のいずれか一項に記載のコーティン
    グ。
  7. 【請求項7】前記層が長距離秩序を欠く多結晶材料を含
    む特許請求の範囲第1項から第6項のいずれか一項に記
    載のコーティング。
  8. 【請求項8】B1-x (但し、Xは実質的に0.60から
    0.90である)で表わされる原子基準の組成に対応する組
    成を有するターゲットを用いながらスパッタリングを行
    うことによって、前記原子基準の組成を有する物質の層
    からなるコーティングを基体上に形成することを特徴と
    する、基体上にホウ素と炭素との組成物からなるコーテ
    ィングを形成する方法。
  9. 【請求項9】前記コーティングがアモルファス相、長距
    離秩序を欠く多結晶相及び微結晶相から選択された少な
    くとも一つの相を含むことを特徴とする特許請求の範囲
    第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記層がdcマグネトロンスパッタリン
    グにより形成されることを特徴とする特許請求の範囲第
    8項又は第9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記層の少なくとも一部分がバイアスス
    パッタリングによって形成されることを特徴とする特許
    請求の範囲第8項から第9項のいずれか一項に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】前記層の形成の少なくとも一部分におい
    てバイアス電圧が前記基体に印加されるdcマグネトロ
    ンスパッタリングによって、前記層が形成されることを
    特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記バイアス電圧を前記基体のアスペク
    ト比に応じて変化させることを特徴とする特許請求の範
    囲第12項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記基体が工具の作用面の少なくとも一
    部分であることを特徴とする特許請求の範囲第8項から
    第13項のいずれか一項に記載の方法。
JP59198429A 1983-09-23 1984-09-21 基体用の耐摩耗性且つ付着性コーティング及び、ホウ素と炭素との組成物からなるコーティングを形成する方法 Expired - Lifetime JPH0627320B2 (ja)

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