JP5509539B2 - 像担持体用保護剤、およびそれを用いた保護層形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体の表面を保護し、電子写真方式の画像形成に用いられる像担持体用保護剤、および該保護剤からなる保護層を像担持体表面に形成する保護層形成装置、これらを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置、並びに画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、光導電性物質等を含有する感光層を有する像担持体上に静電荷による静電潜像を形成し、この静電潜像に帯電したトナーを付着させて可視像を形成している。この可視像は、紙等の記録媒体に転写後、熱、圧力、溶剤気体等によって記録媒体に定着されて、出力画像が得られる。
このような画像形成では、可視像化のためのトナーを帯電させる方法により、トナーとキャリアの攪拌および混合による摩擦帯電を用いる二成分現像方式と、キャリアを用いずトナーへの電荷付与を行う一成分現像方式とに大別される。この一成分現像方式では、更に、現像ローラへのトナーの保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に分類される。
これまで、高速性および画像再現性を要求される複写機、または複写機をベースとした複合機等では、トナーの帯電安定性、立上がり性、画像品質の長期的安定性等の要求から、二成分現像方式が多く採用されている。一方、省スペース性、低コスト化等の要求が大きい、小型のプリンタ、ファクシミリ等には、一成分現像方式が多く採用されている。
昨今、いずれの現像方式においても、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して強くなっている。このような高画質化を図るため、トナーの平均粒径は小さくなり、その粒子形状は角張った部分がなくなり、トナーはより丸い形状になってきている。
また、電子写真方式の画像形成装置は、現像方式の違いによらず、一般的に、ドラム形状やベルト形状をした像担持体を回転させつつ一様に帯電し、レーザ光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、該潜像パターンをトナーで可視像(トナー像)化して、記録媒体上に転写を行っている。そして、記録媒体へトナー像を転写した後の像担持体上には、転写されなかったトナー成分が残存する。これらの残存物が、そのまま帯電工程に搬送されると、像担持体の均等な帯電を阻害するため、通常は、転写工程を経た後に、像担持体上に残存するトナー等を、クリーニングブレード等のクリーニング手段にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、帯電が行われる。
このように像担持体表面は、帯電、現像、転写、クリーニング等の各工程で、さまざまな物理的ストレスや電気的ストレスを受け、使用時間を経るに伴って表面状態が変化する。これらのストレスのうちクリーニング工程での摩擦によるストレスは、像担持体を磨耗させ、擦過傷を発生させる。この課題を解消すべく、これまでにも像担持体とクリーニングブレードとの間での摩擦力を低減させるため、潤滑剤成分の供給、塗布、潤滑剤層の形成方法について、多くの提案がなされている。
固体潤滑剤を塗布ローラによって塗布後、像担持体上の潤滑剤を均す均しブレードを設け、該均しブレードを特定硬度以上とすることにより、潤滑剤を塗布する案が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。
しかしながら、該特許文献1では、ソリッド状の固体潤滑剤をブラシ等の供給部材により掻き取り像担持体表面へ供給しているため、同文献中図4に図示されているように様々な大きさの潤滑剤粒子が存在している。そのため、均一な潤滑層を形成するには、該均しブレードは、比較的硬度が高いものを使用する必要があり、また、潤滑剤の削られ方を均等にするために、押圧力の均一化を高精度で図る必要があった。すなわち、潤滑剤の供給量変動が生じ、特に供給量が少なくなった際には、均しブレードが高硬度であるがゆえに、像担持体へ与えるストレスが大きくなり、像担持体の傷や均しブレードの磨耗といった不具合が発生する恐れがある。
また、ソリッド状の固体潤滑剤をブラシ状の供給部材により掻き取り像担持体表面へ供給する際に、ブラシにフリッキング部材を接触させ、供給量の均一化を図った提案がある(例えば、特許文献2 参照。)。
これによれば、確かにトータルの供給量の均一化はある程度期待できる。しかしながら、この提案においても、ソリッド状の固体潤滑剤を使用しているため、掻き取られた潤滑剤の大きさは様々であり、幅方向での均一性を確保できるとは限らない。
また、ソリッド状固体潤滑剤の供給量を安定化するために、潤滑剤揺動機構や、削り部材、温度検出器といった、付加部材を要する提案がある(例えば、特許文献3、4、5 参照。)が、機構や制御面で煩雑となる。
また、固体潤滑剤の構成自体で、供給量を経時的にも安定させることが提案がある(例えば、特許文献6 参照。)。しかしながら、この提案においても固体潤滑剤としては未だにソリッド状の構成のままであり、これをブラシで削りながら使用しているため、削り取られた潤滑剤粒子の大きさは、全く考慮されず、供給量の位置的なバラツキを解消できるものではない。
上述のように像担持体の保護のためには、その表面にできるだけ均等な保護層を形成する必要があり、そのためには、できるだけ大きさの揃った保護剤粒子を像担持体表面に供給する必要がある。
しかしながら前述の塗布方法は、いずれも密状態であるソリッド状の潤滑剤を用いて、潤滑剤の供給を行っているため、ソリッド状の潤滑剤の表面を削り取る際に、削り取った粒子の大きさが不揃いになりやすく、また掻き取り部材の経時変化に伴って、掻き取られた潤滑剤粒子の大きさに変動が生じ、安定した保護層を長期間に渡って形成することが困難であった。
また、特許文献3、4、5等では、潤滑剤の供給量を安定にするために潤滑剤供給部材以外の安定化部材を配設する必要があり、装置の小型化の妨げとなっていた。
一方で、潤滑剤を粉体のままで保有し、これを一定量ずつ供給する方法も提案されている(例えば、特許文献7、8 参照。)。この方法によれば、予め粒子の大きさを揃えておくことにより、供給される潤滑剤粒子の大きさを、経時的に安定させることはできる。
しかしながら粉体を供給する場合、装置の傾斜や、搬送時の扱い方によって、潤滑剤粉体に左右差といった位置的な偏りが生じ、供給量が安定しないことがある。これを一定にするには、アジテータ等で潤滑剤粉体を攪拌し、場所によるバラツキをなくす等の工夫が必要であるが、そのためには広い空間を要し、また、攪拌機構が必要となり、潤滑剤の供給装置が大掛かりとなりやすく、画像形成装置の小型化の妨げとなる。
特許文献7によれば、上述のような粉体を位置的に均一にする機構は設けられていないため、幅方向での供給量が不均一になる恐れがある。
また、特許文献8の構成によってでも、潤滑剤貯留部で粉体の偏りが生じた場合には、均一な供給ができなくなる恐れがある。
また、潤滑剤としてフッ素樹脂の多孔質体を用いることにより、フッ素樹脂の摩耗量を適度に抑えられ、しかも、多孔質であるため孔のないフッ素樹脂に比べて柔らかいため、感光体表面を傷つけることなく、感光体ドラムの表面摩擦係数を低減させることができるという提案がある(例えば、特許文献9 参照。)。
しかしながら、一般にフッ素樹脂は、融点や軟化温度が高く、多孔質の成形体を製造するには多くのエネルギーを用いて、焼結体とする必要である。このような多孔質体は、粒子境界が強固に結着しているため、掻き取られた粒子は、粒子境界でほぐれることなく、ソリッド状潤滑剤の場合と同様に大きさが不揃いとなりやすい。このように、フッ素樹脂を用いた多孔質の潤滑剤では、安定して像担持体表面へ潤滑剤を供給することは、困難であった。
像担持体用保護剤は、画像形成装置中における画像形成過程中の保護層形成過程で、像担持体表面上に付着と同時もしくは付着後に、皮膜化し均一な保護層が形成されることが必要である。この皮膜化が不十分であると、引き続き行われる帯電過程における電気的なストレスから像担持体表面を保護することができない。
保護層の形成を確実になすには、像担持体に像担持体用保護剤を、必要十分な量、供給する必要があるが、ブラシなどの摺擦部材で像担持体用保護剤を掻きとって、像担持体表面に供給する場合には、供給量や供給粉体の大きさは像担持体用保護剤の硬さや脆さに、強く依存する。
像担持体用保護剤をソリッドで使用した場合には、供給量は使用する材料自体の機械的強度によるところが大きい。よって、供給量を十分に確保しようとすると、像担持体用保護剤は、軟質であるか脆性が大きな性質にならざるを得ない。
ところが像担持体用保護剤が軟質になると、供給源の像担持体用保護剤表面に転写残トナー等の異物が付着もしくは埋没し、像担持体用保護剤の供給量が経時で変動する場合や、供給不良が発生する場合がある。
一方、像担持体用保護剤ソリッドの脆性を大きくした場合には、ブラシ等の供給部材により掻き取られた保護剤粉体の粒径がばらつきやすく、広い粒度分布を持った保護剤粉体が像担持体上に供給されてしまう。このような保護剤粉体の粒度バラツキは、像担持体上に形成される保護層厚みのバラツキに繋がるため、保護剤による像担持体の保護効果が制限されてしまう。
したがって、潤滑剤成分を像担持体表面に均一に精度良く供給し、像担持体表面を帯電工程における電気的ストレスから保護することは、像担持体や帯電部材の長寿命化や画像品質の安定化に対して、極めて重要な課題であるにもかかわらず、未解決の課題として残されているのが現状である。
特開2007−140391号公報 特開2006−84878号公報 特開2002−6679号公報 特開平9−90847号公報 特開平9−138622号公報 特開2000−338819号公報 特開2000−330443号公報 特開2007−102038号公報 特開2000−98838号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電等による電気ストレスおよびリーニング部材の摺擦等による機械的ストレスから像担持体を保護し、かつ電気的ストレスによって劣化した保護剤が画像の品質や周辺部材へ影響を与えにくくするに適した、供給粉末の大きさが揃い、経時的に安定して一定量の供給がしやすい像担持体用保護剤、および該保護剤からなる保護層を像担持体表面に形成する保護層形成装置、これらを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置、並びに画像形成方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、像担持体表面に付与して該像担持体表面を保護する像担持体用保護剤であって、該像担持体用保護剤が脂肪酸金属塩を含み、該像担持体用保護剤が一定重量の粉末状の像担持体用保護剤原材料を一定の圧縮量で一定体積となるように金型内で加圧成形した粉末圧密体であり、連続気泡率が3〜15体積%、且つ、独立気泡率が0〜1体積%の多孔質体であり、前記加圧成形した粉末圧密体の粉体間結着力の調整を行う熱処理が施され、前記像担持体用保護剤は、該像担持体用保護剤の総重量の10重量%以下で、個数平均粒子径D1が0.1〜1.5μmの微粒子を含み、前記熱処理が125℃/30分の熱処理であることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、像担持体に近接配置可能に構成される保護層形成装置であって、前記像担持体表面に像担持体用保護剤を供給可能に配置される保護剤供給部材と、該保護剤供給部材に前記像担持体用保護剤を押圧して当接させる押圧力付与部材とを有し、前記像担持体用保護剤が請求項1に記載の像担持体用保護剤であることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の保護層形成装置において、該装置が前記像担持体に近接配置されたとき、該像担持体表面に供給された像担持体用保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、画像形成装置本体に対し着脱可能に構成され、少なくとも、像担持体と、保護層形成手段とを有するプロセスカートリッジであって、前記保護層形成手段は請求項またはに記載の保護層形成装置であることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体の回転方向に関し、前記保護層形成手段より上流側に、前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段を設けたことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、像担持体と、該像担持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、保護層形成手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記保護層形成手段は、請求項またはに記載の保護層形成装置であることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の画像形成装置において、前記像担持体の回転方向に関し、前記転写手段より下流側、且つ、前記保護層形成手段より上流側に、前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項またはに記載の画像形成装置において、前記潜像形成手段が前記像担持体表面に接触ないし近接して配置された帯電器を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、転写後の前記像担持体表面に像担持体用保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記像担持体用保護剤は、請求項1に記載の像担持体用保護剤であることを特徴とする。
本発明によれば、従来における問題を解決することができ、削り取られ方にバラツキが生じやすい材料を含む像担持体用保護剤を、像担持体上へ安定して供給できるため、帯電等による電気的ストレスおよびクリーニング部材の摺擦等による機械的ストレスから像担持体を保護できる像担持体用保護剤、および該保護剤からなる保護層を像担持体表面に形成する保護層形成装置、これらを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置、並びに画像形成方法を提供することができる。
(像担持体用保護剤)
本発明の像担持体用保護剤は、少なくとも、像担持体用保護剤、像担持体表面に像担持体用保護剤を供給する保護剤供給部材および、保護剤供給部材に像担持体用保護剤を押圧して当接させる押圧力付与部材を有する、保護層形成装置に用いる、像担持体用保護剤において、像担持体用保護剤が、連続気泡率=3〜15体積%かつ、独立気泡率=0〜1体積%の、連通孔を持つ多孔質体であることを特徴とする像担持体用保護剤である。
本発明によれば、連続気泡率が3〜15体積%と、保護剤材料が緻密になり過ぎず、また、空隙の偏りが発生しない程度に圧密され、かつ、独立気泡率が0〜1体積%と、閉じた内部空隙を実質的に持たず、供給部材により削られた際に、ほぐれて粒径が揃った保護剤粉体になり、像担持体上に供給される形態をもつ像担持体用保護剤を使用するため、長期間に渡り、供給量を安定にすることができ、かつ、位置的な保護層の均一性を確保することが可能となる。
よって、像担持体を含む画像形成装置は、長期間にわたって、良好な状態に維持しつづけられる。
ここで連続気泡率、独立気泡率とは、該像担持体用保護剤の成形体が占める見かけ上の体積の内、気体(一般的には空気)が占める割合を表す指標のことであり、連続気泡率は像担持体用保護剤の成形体外部と連続的に繋がった空隙部の割合を指し、独立気泡率は像担持体用保護剤の成分により成形体外部と隔てられた空隙部の割合のことを指す。
これらの割合は、例えば、JIS K7138「硬質発泡プラスチック−連続気泡率および独立気泡率の求め方」に示された方法に準拠して計測することができる。
各気泡率は、像担持体用保護剤成形体を、できるだけ細分化することなく計測した方が良いが、長さ3cm程度までであれば、バー状の成形体を切断して計測用の試料としても、表面気泡の影響を補正することなく、十分な精度で気泡率を得ることができる。
像担持体の保護のためには、保護剤供給部材を用いて、像担持体用保護剤の一定量を、十分に大きさが揃った状態で、像担持体上に供給する必要がある。そのためには、供給量や粒径の分布状態は、像担持体用保護剤の材料特性に依存しないことが好ましく、像担持体用保護剤が、粉末状の保護剤原材料を加圧成形した粉末圧密体であることが好ましい。
これにより、保護剤粒子間の境界(粒界)では、物質的に不連続な状態を保ったまま、粒子間凝集力を主とした結合力により、成形体の構造を保つこととなる。このような粒子の凝集による成形体は、比較的緩やかな力で元の粒子径をもつ粉体にまでほぐれ易く、粒子径の揃った保護剤粉体を必要量供給することが可能となる。
また、像担持体用保護剤は、脂肪酸金属塩を含むことが好ましく、この保護剤粉体を大きさが揃った粒子として、像担持体表面に供給することにより、良好な潤滑性を持つ保護被膜を速やかに、均一に形成することができる。
脂肪酸金属塩としては、特に限定されるものではないが、ステアリン酸、パルミチン酸、メリシン酸等の長鎖脂肪酸とナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属イオン、アルミニウム、亜鉛等の金属イオン等が結合した化合物を挙げることができる。中でも、ステアリン酸亜鉛では、結晶性が高い分子構造を持ち、粒子径の揃った原料粉体を容易に得られるため好ましく用いることができる。
また、像担持体用保護剤は、保護層形成過程や保護層除去過程での補助的な役割を担う構成物として、個数平均粒子形D1=0.1〜1.5μmの微粒子を含むことが好ましい。これらの微粒子は、像担持体上で保護剤粉体が延展し保護層を形成する際に、自身で転動したり滑りながらの移動を行うことにより、保護剤粉体を薄く引き延ばし、均等な保護剤層が素早く形成されることの補助をするため、好ましく併用される。また、保護剤層中で電気的なストレスを受けた保護剤は、できるだけ速やかに除去され、新たにストレスを受けていない保護剤と置き換えられることが好ましい。微粒子を併用することにより、ストレスにより劣化した保護剤成分を微粒子により絡め取り、速やかに系外へ除外することもでき、保護剤粉体の安定した供給とあいまって非常に安定した保護剤層の代謝が行われ、像担持体の保護を非常に安定して行うことができる。
微粒子としては、本願規定の構造を阻害しないものであれば、特にその種類が制限ざれるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の金属酸化物微粒子や金属複酸化物微粒子、チッ化ホウ素、二硫化モリブデン、フッ化カルシウム等に代表される固体潤滑剤粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子等の有機微粒子等を用いることができる。
また、この他の保護剤材料としては、ワックス類を粉末にしたものも好ましく用いることができる。
ワックスの例としては、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素、カルナウバロウ、米ぬかロウ、キャンデリラロウ等の植物性天然ワックス類、蜜ロウ、雪ロウ等の動物性天然ワックス類が例として挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、分子内の結合が、反応性が低く安定した飽和結合のみからなる、脂肪族飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素が好ましく、中でもノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびシクロパラフィンといった炭化水素ワックスが、付加反応が生じ難く化学的に安定であり、実使用の大気中で酸化反応を生じにくいため、経時安定性の面で好ましく用いられる。
また特に、比較的硬質なワックスとして、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスの少なくとも1種を含む炭化水素ワックスを用いることにより、保護層自体の耐久性を高めることができるため、像担持体表面に形成する保護層の厚みを過剰にすることなく、像担持体の保護を実現することができるため、より好ましい。
また、前述のように像担持体表面に形成された保護剤層は電気的ストレスに曝され、劣化するため、ワックスの分子量が小さすぎると、十分な保護効果が発現しなくなることがある。
また一方で、ワックスの分子量が大きすぎると、像担持体用保護剤成分を像担持体上に膜化させる際に、大きなずり力が必要となるため、均等な保護膜が形成されない場合がある。
ワックスの分子量を、重量平均分子量Mw基準で、350〜850の範囲とすることにより、保護効果を確実に発現させることができるため好ましく、400〜800であることが更に好ましい。
(その他の配合物)
この他に、像担持体用保護剤と像担持体表面との親和性を高め、保護剤層形成の補助をする配合物として、界面活性剤のような両親媒性の有機化合物を、添加物として併用しても良い。
本発明の像担持体保護剤を、一定の形状、例えば角柱状や円柱状に成型するためには、粉末成型方法のひとつである、乾式成形法を用いる。
前記乾式成型法の代表的な例として、一軸加圧成形法は、概ね以下の手順によって行うことができる。
1.予め、一定の粒子径となるように粉末化して分級した保護剤原材料粉末を、所定量計量する。
2.所定形状の型枠中に、計量した像担持体用保護剤原材料粉末を投入する。
3.押し型により投入した粉末を加圧し、特定の連続気泡率および独立気泡率を持つ粉末圧密体を作成する。
この粉末圧密体を型枠から外し、像担持体用保護剤の多孔質成形体とする。
4.その後、切削加工などにより、像担持体用保護剤の形状を整えてもよい。
ただしこの時、発熱体を押圧して表面の平滑性を増すような加工を行うと、表面の保護剤粒子がお互いに融着し粗大化するため好ましくない。
また、必要に応じ、粉末圧密体を、所定温度で一定時間養生後、放冷または除冷により冷却して、原材料粉末界面の結合力を調節しても良い。
ただし、過剰な温度や長時間の養生は、粒子間の結合を強固にし、過度の焼結状態に移行してしまうため好ましくない。焼結が進み過ぎると、保護剤成形体内部では、連続気泡の周りが封鎖され、独立気泡へ変化する。よって、前述のように独立気泡の割合を規定することにより、粒子間結合力の程度を見積もることができ、過剰な焼結を防止し、保護剤のほぐれやすさを確実に維持した成形体を作成することができる。
前記型枠としては、寸法精度の良さ、熱伝導性の良さから鋼材、ステンレス、アルミニウム等の金属製型枠が好ましい。また、型枠内壁面には、離型性を良くするために、微量のフッ素樹脂、シリコーン樹脂などの離型剤をコーティングしても良い。
(保護層形成装置)
本発明の保護層形成装置は、像担持体と、像担持体表面に像担持体用保護剤を供給する保護剤供給部材と、保護剤供給部材に像担持体用保護剤を押圧して当接させる押圧力付与部材とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。本発明の前記像担持体用保護剤は、連続気泡を適度に有する多孔質構造になっているため、均等な大きさの保護剤粉体にほぐれ易い構造となっている。従って、像担持体用保護剤は、容易にかつ均等に供給部材によって掻き取られる。
これにより、像担持体用保護剤は、速やかに像担持体表面へ供給される。
したがって、像担持体表面には、適度な被膜強度を持つ保護層が速やかに形成される。
前記保護層形成手段は、像担持体用保護剤を押圧して保護剤供給部材に当接させる押圧力付与部材と、像担持体表面に像担持体用保護剤を供給する保護剤供給部材と、供給された像担持体用保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材とを有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
また、前記保護層形成装置が前記保護層形成部材を有する場合には、該保護層形成部材はクリーニング部材を兼ねてもよいが、より確実に保護層を形成するには、予めクリーニング部材により像担持体上のトナーを主成分とする残存物を除去し、残存物が保護層内に混入しないようにすることが好ましい。
図1は本発明の保護層形成装置の一例を示す概略図である。
同図において符号1は感光体ドラム、2は保護層形成装置、3は帯電ローラ、4はクリーニング機構、21は像担持体用保護剤、22は保護剤供給部材、23は押圧力付与部材、24は保護層形成部材、41はクリーニング部材、42はクリーニング押圧機構をそれぞれ示す。
保護層形成装置2は、像担持体である感光体ドラム1の表面に対向して近接配設され、像担持体用保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与部材23、保護層形成部材24等から主に構成される。ここで、近接配置とは、保護剤供給部材22が像担持体表面に接触可能であって、保護剤供給部材22が担持した像担持体用保護剤を像担持体表面に供給可能な位置を意味する。
本発明の像担持体用保護剤21は、押圧力付与部材23からの押圧力により、例えばブラシ状の保護剤供給部材22へ接する。保護剤供給部材22は像担持体1と線速差をもって同方向もしくは逆方向に回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材表面に保持された像担持体用保護剤を像担持体表面に供給する。
像担持体表面に供給された像担持体用保護剤は、物質種の選択によっては供給時に十分な保護層にならない場合があるため、より均一な保護層を形成するために、例えば、像担持体表面に対し若干の圧力を以て接触するブレード状の部材を持つ保護層形成部材24により薄層化されて保護層となる。
前記保護層が形成された像担持体1は、例えば、図示しない高電圧電源により直流電圧もしくはこれに交流電圧を重畳させた電圧を印加した帯電ローラ3を、接触ないし近接させて配置し、微小空隙での放電による像担持体の帯電が行われる。この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じて、劣化物となる。
劣化した像担持体用保護剤は、通常のクリーニング機構により、像担持体に残存したトナー等の成分と共に除去される。このようなクリーニング機構は、上述の保護層形成部材と兼用にしてもよいが、像担持体表面残存物を除去する機能と、保護層を形成する機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがあるため、機能を分離し、同図に示すように
像担持体の回転方向に関し、像担持体用保護剤供給部より上流側に、クリーニング部材41、クリーニング押圧機構42等からなるクリーニング機構4を設けることが好ましい。
前記保護層形成部材に用いるブレードの材料としては、特に制限はなく、クリーニングブレード用材料として公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらブレードは、像担持体との接点部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理してもよい。また、弾性体の硬度を調整するために、有機フィラー、無機フィラー等の充填材を分散させてもよい。
前記クリーニングブレードは、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって、ブレード支持体に固定される。前記ブレードの厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
また、支持体から突き出し、たわみを持たせることができるクリーニングブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、1〜15mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。
保護層形成用ブレード部材の他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要に応じてカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の被覆層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施して用いてもよい。
前記被覆層は、少なくともバインダー樹脂および充填剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばPFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂;フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマーなどが挙げられる。
前記弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。前記弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施してもよい。
前記保護層形成部材で像担持体を押圧する力は、像担持体用保護剤が延展し保護層の状態になる力で十分であり、線圧として5〜80gf/cmが好ましく、10〜60gf/cmがより好ましい。
また、ブラシ状の部材が保護剤供給部材として好ましく用いられる。この場合、像担持体表面への機械的ストレスを抑制するためにはブラシ繊維は可撓性を有することが好ましい。前記可撓性のブラシ繊維の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル系樹脂またはポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂)などが挙げられる。
なお、撓みの程度を調整するため、例えばジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合してもよい。
前記保護剤供給部材の支持体としては、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状の供給部材としては、例えばブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシとしたものなどが挙げられる。前記ブラシ繊維としては繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり1.5×10〜4.5×10本)が好適である。
前記保護剤供給部材は、供給の均一性、供給の安定性の面から、ブラシ密度の高いものを使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作製することが好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することが好適である。
また、ブラシ表面には必要に応じてブラシの表面形状や環境安定性等を安定化することを目的として、被覆層を設けてもよい。該被覆層を構成する成分としては、ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分を用いることが好ましい。前記被覆層成分としては、可撓性を保持し得る材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニルまたはポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変性品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等による変性品);パーフルオロアルキルエーテル、ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂、またはこれらの複合樹脂などが挙げられる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記保護層形成手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
本発明のプロセスカートリッジは、前記像担持体用保護剤を有する本発明の保護層形成手段を有しているので、該プロセスカートリッジの交換間隔を極めて長く設定することが可能となるため、ランニングコストが低減され、廃棄物量も大幅に削減できる。特に、前記像担持体が最表面層に熱硬化性樹脂を含む場合には、電気的ストレスによる像担持体の劣化を像担持体用保護剤で防止することにより、熱硬化性樹脂を含む像担持体の機械的ストレスに対する耐久性を長期間に渉り持続的に発現させることが可能となる。
また、本発明の像担持体用保護剤は金属成分を実質含まないため、接触または近接して配設された帯電部材を、金属酸化物等で汚染することなく、帯電装置の経時変化を小さくすることができる。このため、像担持体や帯電部材等のプロセスカートリッジ構成部品の再使用も容易となり、更なる廃棄物量の削減も可能となる。
図2は本発明の保護層形成装置を用いたプロセスカートリッジ構成例を説明するための概略図である。
同図において符号5は現像装置、6は転写ローラ、7は記録媒体、51は現像ローラ、52は搬送ローラ、53は攪拌ローラ、500はプロセスカートリッジをそれぞれ示す。
前記プロセスカートリッジ500は、像担持体1である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、像担持体用保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与部材23、保護層形成部材24等から構成される。
また、像担持体1は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体用保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材41により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
同図では、クリーニング部材は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
クリーニング機構により、表面の残留トナーや劣化した像担持体用保護剤が取り除かれた像担持体表面へは、保護剤供給部材22から、像担持体用保護剤21が供給され、保護層形成部材24により皮膜状の保護層が形成される。この際、本発明で使用する像担持体用保護剤は、必要十分な量を制御性良く安定して像担持体表面に供給できるため、像担持体表面を効率よく保護し、長期間に渡って像担持体自身の劣化の進行を防ぐことができる。
このようにして保護層が形成された像担持体は、帯電後、レーザー等の露光Lによって静電線像が形成され、現像装置5により現像されて可視像化され、プロセスカートリッジ外の転写ローラ6などにより、記録媒体7へ転写される。
本発明のプロセスカートリッジは、上述したように、像担持体表面状態の変動に対しての許容範囲に優れ、像担持体への帯電性能変動等を高度に抑制した構成であるため、極めて高画質な画像を長期にわたって安定に形成することができる。
(画像形成装置および画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、保護層形成手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成装置は、前記像担持体用保護剤を有する本発明の保護層形成手段を有しているので、像担持体を極めて長期間交換することなく使用し続けることができる。特に、前記像担持体が最表面層に熱硬化性樹脂を含む場合には、電気的ストレスによる像担持体の劣化を像担持体用保護剤で防止することにより、熱硬化性樹脂を含む像担持体の機械的ストレスに対する耐久性を長期間に亘って持続的に発現させることが可能となる。これにより、像担持体は実質無交換で使用できるレベルまで耐久性を引き上げることが可能となる。
また、前記像担持体表面に接触または近接して配設された帯電装置では、放電領域が像担持体のごく近傍に存在するため電気的ストレスが大きくなりがちであるが、像担持体保護層を形成した本発明の画像形成装置であれば、像担持体を電気的ストレスに曝すことなく使用できる。
更に、本発明の像担持体保護成分に含まれる金属成分は十分に抑制されているため、接触または近接して配設された帯電装置を、金属酸化物等で汚染することなく、帯電装置の耐久性も向上させることができる。
また、像担持体の表面は形成された保護層の効果により、表面状態の変化を極めて小さくできるため、クリーニングの良否が像担持体の状態変化に対して敏感に変動してしまうような、平均円形度が大きなトナーや平均粒径が小さなトナーであっても、長期間に亘って安定したクリーニングを行うことができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、保護層形成工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記保護層形成工程は前記保護層形成手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<静電潜像形成工程および静電潜像形成手段>
静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
−像担持体−
像担持体(「静電潜像担持体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
本発明の画像形成装置に用いる像担持体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層としては、電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、または電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mmが好ましく、24〜100mmがより好ましく、28〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。
また、従来公知のエンドレスニッケルベルト、またはエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的または電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料または染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および光導電性樹脂等を使用することができる。該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%が好ましい。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
また、前記感光層中にはレベリング剤を添加しても構わない。該レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、またはオリゴマーが使用される。前記レベリング剤の使用量は、前記バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が好ましい。
次に、静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程および現像手段>
現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触または非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
−トナー−
前記トナーは、下記数式1で表される円形度SRの平均値である平均円形度が0.93〜1.00のものが好ましく、0.95〜0.99がより好ましい。この平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
<数式1>
円形度SR=(トナー粒子の投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(トナー粒子の投影像の周囲長)
前記平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。また、トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。また、ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で記録媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。また、トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
前記円形度SRは、例えばフロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製、FPIA−1000)を用いて測定することができる。
まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
前記トナーの重量平均粒径(D4)は3〜10μmが好ましく、4〜8μmがより好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。前記重量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすいことがあり、10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しいことがある。
また、前記トナーは、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)は1.00〜1.40が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。前記比(D4/D1)が1に近づくほど、そのトナーの粒度分布がシャープであることを意味し、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。また、トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。また、トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密にかつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
ここで、前記トナーの重量平均粒径(D4)、および粒度分布の測定は、例えばコールターカウンター法による。該コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋および/または伸長反応させることにより作製することができる。この反応で製造されたトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセットを少なくすることができ、定着装置の汚れとなって、それが画像上に表れるのを抑えることができる。
前記変性ポリエステル系樹脂からなるプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられ、また、該プレポリマーと伸長または架橋する化合物としては、アミン類(B)が挙げられる。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
前記ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)、3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
前記ジオール(1−1)としては、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、これらの中でも、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(2−1)としては、例えばアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が特に好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]は、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
前記ポリイソシアネート(3)としては、例えば脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]は、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。前記[NCO]/[OH]が5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、[NCO]のモル比が1未満であると、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
前記末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、0.5〜40重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、2〜20重量%が更に好ましい。前記含有量が0.5重量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になり、40重量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。1分子当たり1個未満であると、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
更に、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、またはそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]は、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。前記[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満であると、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。前記ウレア結合のモル比が10%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
これらの反応により、前記トナーに用いられる変性ポリエステル、中でもウレア変性ポリエステル(i)が作製できる。これらウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜1000万がより好ましく、3万〜100万が更に好ましい。前記重量平均分子量が1万未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
また、ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、20,000以下が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記数平均分子量が20,000を超えると、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が悪化することがある。
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。前記(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上するので、単独使用より好ましい。前記(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。
したがって、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、5/95〜80/20が好ましく、5/95〜30/70がより好ましく、5/95〜25/75が更に好ましく、7/93〜20/80が特に好ましい。前記(i)の重量比が5重量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。
前記(ii)のピーク分子量は、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記ピーク分子量が1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると低温定着性が悪化することがある。前記(ii)の水酸基価は5以上が好ましく、10〜120がより好ましく、20〜80が更に好ましい。前記水酸基価が5未満であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。前記(ii)の酸価は1〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が50℃未満であると、トナーの高温保管時のブロッキングが悪化することがあり、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明に用いるトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
前記結着樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、100℃以上が好ましく、110〜200℃がより好ましい。前記温度(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、180℃以下が好ましく、90〜160℃がより好ましい。前記温度(Tη)が、180℃を超えると、低温定着性が悪化する。即ち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。なお、差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
前記結着樹脂は、以下の方法などで製造することができる。
まず、前記ポリオール(1)と、前記ポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。更に(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、例えば芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
なお、ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
また、本発明に用いるトナーは、以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
前記トナーは、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成してもよいし、予め製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いてもよい。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下、トナー原料と称することもある)、着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、および帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、50〜2000重量部が好ましく、100〜1000重量部がより好ましい。前記使用量が50重量部未満であると、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2000重量部を超えると、経済的でない。
また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするためには高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましい。前記分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分間である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。高温な方が、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させてもよいし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしてもよい。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
前記反応においては、必要に応じて、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。これら界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物またはこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物またはこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、またはこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマーまたは共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
前記分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
更に、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。
前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。
前記プレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、0〜300重量部が好ましく、0〜100重量部がより好ましく、25〜70重量部が更に好ましい。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。反応温度は0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。更に必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発させて除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、不要の微粒子または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、(1)高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、(2)高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
また、該トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料および染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独あるいは混合して用いることができる。
更に必要に応じて、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、例えばフェライト、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄類;鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用することもできる。
また、本発明で用いられるトナー中の着色剤の個数平均粒径は0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。前記個数平均粒径が0.5μmを超えると、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。一方、前記個数平均粒径が0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、前記個数平均粒径が0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、前記個数平均粒径が0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさおよび鮮やかさが低下する傾向がある。更に、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こすことがある。前記個数平均粒径が0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下が好ましく、5個数%以下がより好ましい。
また、前記着色剤を結着樹脂の一部もしくは全部と共に、予め湿潤液を加えた上で混練しておくことにより、初期的に結着樹脂と着色剤が十分に付着した状態となって、その後のトナー製造工程でのトナー粒子中における着色剤分散がより効果的に行われ、着色剤の分散粒径が小さくなり、一層良好な透明性を得ることができる。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤および湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤、水が、着色剤の分散性の面から好ましい。これらの中でも、水の使用は、環境への配慮および、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から特に好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層よくなる。
前記トナー中には、前記結着樹脂および前記着色剤とともに離型剤を含有することが好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが特に好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えばポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);ジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)などが挙げられる。これらの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記離型剤の融点は、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が更に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすくなることがある。
前記離型剤の溶融粘度は、融点より20℃高い温度で、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が乏しくなることがある。
前記離型剤の前記トナー中における含有量は、0〜40重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
また、トナー帯電量およびその立ち上がりを早くするために、トナー中に、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。前記帯電制御剤として有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色または白色に近い材料が好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の添加量は、バインダー樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法などによって異なり、一義的に規定できるものではないが、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。前記添加量が10重量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、有機溶剤に直接溶解し、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後、固定化させてもよい。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加してもよい。
前記樹脂微粒子は、水性分散体を形成し得る樹脂であればいかなる樹脂も使用することができ、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、またはそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーが用いられ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子が好適である。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は20〜500m/gが好ましい。前記無機微粒子の前記トナーにおける添加量は、0.01〜5重量%が好ましく、0.01〜2.0重量%がより好ましい。
その他の高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、トナーには流動化剤を添加することもできる。該流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。前記流動化剤としては、例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、感光体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
このようなトナーを用いることにより、上述の如く、現像の安定性に優れる、高画質なトナー像を形成することができる。
また、本発明の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成の重合法トナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、この場合にも、装置寿命を大幅に延ばすことができる。このような粉砕法のトナーを構成する材料としては、通常、電子写真用トナーとして使用されるものが、特に制限なく、適用可能である。
前記粉砕法トナーに使用される結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレンまたはその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体またはその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が、電気特性、コスト面等から好ましく、更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が特に好ましい。
前記粉砕法トナーでは、これらの樹脂成分と共に、前述のような着色剤成分、ワックス成分、電荷制御成分等を、必要により前混合後、樹脂成分の溶融温度近傍以下で混練して、これを冷却後、粉砕分級工程を経て、トナーを作製すればよく、また、必要に応じて前記外添成分を、適宜添加し混合すればよい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写工程および転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いた転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記像担持体は、感光体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に記録媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写体であってもよい。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、体積抵抗1.0×10〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗が1.0×10Ω・cmを下回る場合には、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを上回る場合には、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独または併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<保護層形成工程および保護層形成手段>
前記保護層形成工程は、転写後の前記像担持体表面に本発明の前記像担持体用保護剤を付与して保護層を形成する工程である。
前記保護層形成手段としては、上述した、本発明の保護層形成装置を用いることができる。
<定着工程および定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程および定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真用トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、像担持体の回転方向に関し、転写手段より下流側かつ保護層形成手段より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図3は、本発明の保護層形成装置を具備する画像形成装置の一例を示す断面図である。
同図において符号8は潜像形成装置、100は画像形成装置、200は給紙機構をそれぞれ示す。その他の符号は図1、2に準ずる。添字Y、M、C、Kは現像色であるイエロー、マゼンタ、シアン、黒をそれぞれ示す。
ドラム状の像担持体1Y,1M,1C,1Kの周囲に、それぞれ保護層形成装置2、帯電装置3、潜像形成装置8、現像装置5、転写装置6、およびクリーニング装置4が配置される。
次に、画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置による像担持体の帯電が行われる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、像担持体1Y,1M,1C,1Kを所望の電位に帯電させるに適した、予め定められた所定の大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1Y,1M,1C,1Kは、レーザ光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザ光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザ光は半導体レーザから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1Y,1M,1C,1Kの表面を、像担持体の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子およびキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1Y,1M,1C,1Kの露光部と非露光部の間にある、予め定められた所定の大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した像担持体1Y,1M,1C,1K上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写体7上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの記録媒体上に、トナー像が転写される。
このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写体7は、像担持体から分離され、転写像が得られる。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
画像形成装置としては、上述の現像装置が複数配置されたものを用い、複数の現像装置によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次転写材上へ転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を順次一旦中間転写体上に順次転写した後、これを一括して紙のような記録媒体に転写後に、同様に定着する装置であってもよい。
また、前記帯電装置3は、像担持体表面に接触または近接して配設された帯電装置であることが好ましく、これにより、放電ワイヤを用いた、いわゆるコロトロンやスコロトロンと言われるコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することが可能となる。
このような帯電部材を像担持体表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が像担持体表面近傍の領域で行われるため、像担持体への電気的ストレスが大きくなりがちである。しかし、本発明の像担持体用保護剤を用いた保護層形成装置を用いることにより、長期間に渡り像担持体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
本発明の画像形成装置は、上述したように、像担持体表面状態の変動に対しての許容範囲に優れ、像担持体への帯電性能の変動等を高度に抑制した構成であるため、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定に形成することができる。
以下、本発明の実施例および参考例を説明するが、本発明は、これらの実施例および参考例に何ら限定されるものではない。なお、「実施例」は、「実施例および参考例」と読み替えるものとする。
参考例1
−像担持体用保護剤1の作製−
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業製、SZ−2000)を、酸化アルミニウム微粒子(住友化学製、AA−05;平均粒子径=0.5μm)と共に、表1の混合比(重量基準)に従って混合した。なお、表1において、実施例1〜実施例8をそれぞれ参考例1〜8と、実施例9を実施例1と、それぞれ読み替えるものとする。
混合は、ワンダーブレンダー(WB−1、販売元:大阪ケミカル株式会社)を用い、25000rpmの回転速度で、10秒間の混合を2度行い、試料の混合物粉体とした。
予め測定した各原材料の比重、配合比および、所望の充填率から、型枠へ投入する混合物の量を算出した。本実施例では、保護剤処方1混合物の23.9gを計量し、像担持体用保護剤の成形体を以下の手順で作成した。
深さ20mm×幅8mm×長さ350mmのアルミニウム製の金型に、計量した保護剤処方1の組成物を投入し、ヘラで表面を均した後、充填物の高さが8mmとなるように、押し型で加圧圧縮して、粉末圧密体を成形した。
保護剤処方1の固形物を型から外し、8mm×8mm×310mmに整形して、金属製支持体に貼り付け、像担持体用保護剤1を作製した。
参考例2〜実施例1、および比較例1〜5]
−像担持体用保護剤2〜14の作製−
参考例1において、保護剤の原材料種類、混合比、混合物投入量として、表1に記載の通りとした以外は、参考例1と同様にして、像担持体用保護剤2〜12を作製した。
この内、実施例(保護剤9)、比較例3(保護剤12)については、粉末圧密体成形後、表1の温度、時間条件で養生後に室温まで徐冷することにより、粉体間結着力の調整を施して、像担持体用保護剤とした。
また、参考例1、7と同一の処方を用いて、加圧圧縮成形の代わりに、溶融成形を行い、保護剤13、14を作成した。
Figure 0005509539
得られた像担持体用保護剤について、以下のようにして特性を測定した。
<保護剤特性の測定>
像担持体用保護剤の連続気泡率および独立気泡率は、以下の手順で測定した。
1.像担持体用保護剤から約5cm×8mm×8mmの直方体を3本切り出す。
2.ノギスを用い切り出した像担持体用保護剤を各々採寸し、独立気泡および連続気泡を含む見掛けの体積V1(cm)を算出する。
3.切り出した像担持体用保護剤の重量W1(g)を計量する。
4.像担持体用保護剤をまとめて、ベックマン空気比較式比重計(東京サイエンス社製)に入れ、独立気泡を含む見掛けの体積V2(cm)を得る。
5.見掛けの体積V1、V2を測定し終えた試料サンプルを、独立気泡がなくなるまで粉砕し、その一部を精秤してW2(g)とする。
6.粉砕した試料を、4.と同様にして、ベックマン空気比較式比重計に入れ、気泡を含まない保護剤W2(g)の体積V3(cm)を得る。
7.各測定値より、次式に従って、連続気泡率並びに独立気泡率を算出する。
連続気泡率(%)=100×(V1−V2)/V1 (体積%)
独立気泡率(%)=100×{V2−V3・(W1/W2)}/V1 (体積%)
なお、一連の特性測定は、約20℃、50%RHの実験室環境下で行った。
各像担持体用保護剤の連続気泡率および独立気泡率を、表1に併記する。
参考例10]
像担持体(感光体)の周りに、転写工程に引き続き、カウンタータイプのクリーニングブレード、ブラシ状の保護剤供給部材、トレーリングタイプの保護層形成部材を、上流からこの順で設け、参考例1の像担持体用保護剤1を用いた保護層形成装置を有するプロセスカートリッジを作製した。
得られたプロセスカートリッジを、該プロセスカートリッジが搭載可能なように改造した画像形成装置(株式会社リコー製、カラーMFP imagio Neo C600)に搭載し、A4サイズ版、画像面積率6%原稿10万枚の連続画像出図試験を行った。試験前後における画像の異常の有無を、20℃、50%RHの常温常湿環境、10℃、25%RHの低温低湿環境、および35℃、80%RHの高温高湿環境にて確認した。
この時、トナーは、重量平均粒径(D4)=5.1μm、個数平均粒径(D1)=4.3μm、D4/D1=1.19、平均円形度=0.98の重合法により作製したトナーを用いた。
連続通紙試験後の画像の異常としては、クリーニング性能の良否に関係する、スジ状の画像欠陥、ハーフトーン画像ムラ、および画像ボケについて、以下の基準により評価した。
<スジ状の画像欠陥の評価基準>
◎:極めて優れている
○:実用上問題ないレベル
△:実用上許容できるレベル
×:使用不可
<ハーフトーン画像ムラの評価基準>
◎:極めて優れている
○:実用上問題ないレベル
△:実用上許容できるレベル
×:使用不可
<画像ボケの画像欠陥の評価基準>
◎:極めて優れている
○:実用上問題ないレベル
△:実用上許容できるレベル
×:使用不可
また、10万枚出力時点での、像担持体用保護剤表面への、異物固着の有無を目視観察し、下記基準で評価した。
<像担持体用保護剤の状態の評価基準>
◎:固着なし
○:うっすらとした固着
△:点在した固着(実使用可能レベル)
×:広範囲の固着あり
更に、像担持体、クリーニングブレード、および帯電部材の劣化が画像へ及ぼす影響の大きさを評価するため、初期、および10万枚出力時点でのそれぞれの部材の状態を観察し、異常の有無を確認し、下記基準で評価した。
<各部材の状態の評価基準>
○:初期と同等レベル
△:やや変化している(実使用可能レベル)
×:劣化している
その結果、各部材とも、出図枚数の増加に伴う劣化は認められず、また、初期、10万枚出力後共に良好な画像品質が得られ、ヒートサイクル後の画像にも異常は認められず、本発明の画像形成装置が、画像品質、寿命の両面で有用であることが判った。
各画質評価結果については表2〜表3に示し、部材劣化状態の観察結果については表4に示す。それぞれの表には以後の実施例分、参考例分、および比較例分も含めて記載してある。なお、表2〜表3において、実施例10〜17、19〜21は、それぞれ参考例10〜17、19〜21と読み替えるものとする。また、実施例18は、そのまま実施例18とするものとする。
なお、参考例10の画像形成装置について、連続画像出図試験に引き続いて、合計50万枚まで、通紙試験を行ったところ、画像への影響は全く見られず、また、像担持体、クリーニング部材、および帯電部材の劣化もほとんど認められなかった。
Figure 0005509539
Figure 0005509539
Figure 0005509539
参考例11〜17、および実施例18]
参考例10において、像担持体用保護剤1を像担持体用保護剤2〜9に変えた以外は、参考例10と同様にして評価を行った。
各画質評価結果および観察結果等については表2〜4に示す(以下同様)。なお、表4において、実施例10〜17、19〜21は、それぞれ参考例10〜17、19〜21と読み替えるものとする。また、実施例18は、そのまま実施例18とするものとする。
参考例19]
参考例11において、やや像担持体用保護剤2の供給過多が認められたため、供給部材への押圧力を参考例10の0.8倍に設定して、参考例11と同様の評価を行ったところ、供給過多はなくなり、参考例10と同様の優れた保護効果が発現した。
参考例20]
参考例12において、やや像担持体用保護剤3の供給不足が認められたため、供給部材への押圧力を参考例10の1.2倍に設定して、参考例12と同様の評価を行ったところ、供給不足はなくなり、参考例10と同様の優れた保護効果が発現した。
[比較例6〜10]
実施例10において、像担持体用保護剤1の代わりに像担持体用保護剤10〜14を用いた以外は、参考例10と同様にして評価を行った。
また、保護剤10〜14について、保護剤供給部材への押圧力を調整し、像担持体保護剤の供給量を調整しても、像担持体の保護が行われる範囲では、保護剤の塗布ムラは解消されず、スジ状や帯状の画像欠陥は解消できなかった。
参考例21]
像担持体の周りに、転写工程に引き続き、ブラシ状の保護剤供給部材、カウンタータイプのクリーニングブレード兼用となる保護層形成部材を、上流からこの順で設け、参考例1の像担持体用保護剤1を用いた保護層形成装置を有するプロセスカートリッジを作製した。
上記プロセスカートリッジが搭載可能なように改造した画像形成装置(株式会社リコー製、カラーMFP imagio Neo C455)に搭載し、A4サイズ版、画像面積率6%原稿10万枚の連続画像出図試験を行い、試験前後における画像の異常の有無を確認した。
この時、トナーは、重量平均粒径(D4)=5.1μm、個数平均粒径(D1)=4.3μm、D4/D1=1.19、平均円形度=0.98の重合法により作製したトナーを用いた。
画像の異常としては、実施例1と同様にしてクリーニング性能の良否に関係する、スジ状の画像欠陥、ハーフトーン画像ムラ、および画像ボケを評価した。
また、参考例10と同様にして、像担持体、クリーニングブレードおよび帯電部材の劣化が画像へ及ぼす影響の大きさを評価するため、初期、および10万枚時点でのそれぞれの状態を観察し、異常の有無を確認した。
表2〜表4の結果から、本発明に係る像担持体用保護剤を用いた参考例10〜17、実施例18、参考例19〜21は、比較例6〜10に比べて、スジ、画像ムラ、画像ボケ等の画像品質が良好であり、また、出図枚数の増加による像担持体、クリーニング部材、および帯電部材の劣化が極めて少ないことが認められる。
参考例10(保護剤1)と、像担持体用保護剤に含まれる微粒子の粒子径が異なる、参考例13(保護剤4)、参考例14(保護剤5)、参考例15(保護剤6)並びに、微粒子を含まない参考例16(保護剤7)との対比より、像担持体用保護剤の含まれる微粒子の粒子径が大きくなるにつれて、像担持体表面に機械的ダメージを与えやすくなるという点で、像担持体用保護剤としての性能は徐々に低下した。微粒子の平均粒子径が、1.5μmを上回ると、保護剤層の除去性が高くなりすぎ、未劣化の保護剤までも除去してしまうことに伴う、画像品質面で性能の低下が認められた。
一方で、像担持体用保護剤の含まれる微粒子の粒子径が小さくなり過ぎる、もしくは微粒子を含まない場合には、像担持体表面に電気的ダメージを蓄積しやすくなるという点で、像担持体用保護剤としての性能は徐々に低下した。微粒子の平均粒子径が小さい場合には、保護剤層の除去性が不足し、劣化した保護剤の除去が不十分となることがあり、画像品質面で若干の性能低下が認められた。また、微粒子を含まない場合には、保護剤層の均一性は確保されるものの、各部材への影響が未発生の期間が若干短くなった。
脂肪酸金属塩を用いない参考例17(保護剤8)においては、長期間に渡っての経時変化は十分に抑制されるものの、均一な保護剤層が形成されるまでに若干時間がかかり、初期の段階で像担持体表面の変化が伴い、最良の画像品質をそのままで維持できないことがあった。
参考例10(保護剤1)と、これを熱養生処理した実施例18(保護剤9)との対比より、熱養生を行うと粉体間の結着力が大きくなっていき、像担持体用保護剤成形体の維持性には良くなるものの、供給粉体が均等にほぐされ難くなるため、保護剤層の微視的な均一性が損なわれはじめ、僅かに画像品質面で性能の低下が認められた。また、この時、独立気泡の増加が認められた。
参考例10(保護剤1)と、連続気泡率が異なる参考例11(保護剤2)、参考例12(保護剤3)との対比より、連続気泡率による像担持体用保護剤の供給性の違いが認められ、供給手段の条件を変更しない場合には、保護剤供給量の過不足に伴う、若干の画像品質面で性能の低下が認められた。しかしながら、これらの保護剤供給量は供給手段の条件変更で安定化でき、安定した保護剤層を形成することができ、高い画像品質を長期間に渡って維持することができた。
これに対し、像担持体用保護剤として、本発明の要件を満たさない保護剤10、保護剤11、保護剤12を用いた比較例6、比較例7、比較例8は、供給手段の条件を調整しても、いずれも、像担持体用保護剤の均等な供給と、像担持体の保護を両立させられず、画像品質を維持しつつ、像担持体の保護効果は発現させることはできなかった。
また、像担持体用保護剤として、溶融成形品を用いた比較例9、10は、供給される保護剤粉体の大きさが不揃いとなり、均一な保護剤層を形成することができず、像担持体をストレスから保護できる程度の厚みを持たせると、極めて保護剤層が厚い部分ができて画像への影響が発生した。逆に保護剤層の厚みを一定以下に制限すると、像担持体上で保護剤が不足してまばらにしか存在しない部分が生じ、均等な保護効果や潤滑効果を発現させることができず、長期間に渡る画像品質の維持はできなかった。
本発明の像担持体用保護剤および保護層形成装置は、帯電等による電気ストレスおよびクリーニング部材の摺擦等による機械的ストレスから像担持体を保護し、かつ保護剤を安定して供給できるため、電子写真方式のプロセスカートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法などに好適に用いられる。
図1は本発明の保護層形成装置の一例を示す概略図である。 図2は本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図3は本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 像担持体(感光体ドラム)
2 保護層形成装置
3 帯電ローラ
4 クリーニング機構
5 現像装置
6 転写ローラ
7 中間転写体
8 潜像形成装置
21 像担持体用保護剤
22 保護剤供給部材
23 押圧力付与部材
24 保護層形成部材
41 クリーニング部材
42 クリーニング押圧部材
100 画像形成装置
200 給紙機構
L 露光

Claims (9)

  1. 像担持体表面に付与して該像担持体表面を保護する像担持体用保護剤であって、該像担持体用保護剤が脂肪酸金属塩を含み、該像担持体用保護剤が一定重量の粉末状の像担持体用保護剤原材料を一定の圧縮量で一定体積となるように金型内で加圧成形した粉末圧密体であり、連続気泡率が3〜15体積%、且つ、独立気泡率が0〜1体積%の多孔質体であり、前記加圧成形した粉末圧密体の粉体間結着力の調整を行う熱処理が施され、前記像担持体用保護剤は、該像担持体用保護剤の総重量の10重量%以下で、個数平均粒子径D1が0.1〜1.5μmの微粒子を含み、前記熱処理が125℃/30分の熱処理であることを特徴とする像担持体用保護剤。
  2. 像担持体に近接配置可能に構成される保護層形成装置であって、前記像担持体表面に像担持体用保護剤を供給可能に配置される保護剤供給部材と、該保護剤供給部材に前記像担持体用保護剤を押圧して当接させる押圧力付与部材とを有し、前記像担持体用保護剤が請求項1に記載の像担持体用保護剤であることを特徴とする保護層形成装置。
  3. 請求項2に記載の保護層形成装置において、該装置が前記像担持体に近接配置されたとき、該像担持体表面に供給された像担持体用保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材を有することを特徴とする保護層形成装置。
  4. 画像形成装置本体に対し着脱可能に構成され、少なくとも、像担持体と、保護層形成手段とを有するプロセスカートリッジであって、前記保護層形成手段は請求項2または3に記載の保護層形成装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項4に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体の回転方向に関し、前記保護層形成手段より上流側に、前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段を設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 像担持体と、該像担持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、保護層形成手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記保護層形成手段は、請求項2または3に記載の保護層形成装置であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、前記像担持体の回転方向に関し、前記転写手段より下流側、且つ、前記保護層形成手段より上流側に、前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6または7に記載の画像形成装置において、前記潜像形成手段が前記像担持体表面に接触ないし近接して配置された帯電器を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、転写後の前記像担持体表面に像担持体用保護剤を付与して保護層を形成する保護層形成工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記像担持体用保護剤は、請求項1に記載の像担持体用保護剤であることを特徴とする画像形成方法。
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