JP5663908B2 - 像担持体保護剤ブロック、保護層形成装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
また、特に昨今、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して強くなっている。
高画質化のためには、トナーの平均粒径は小さくなり、またその粒子形状は角張った部分がなくなり、より丸い形状になってきている。
また、転写媒体へトナー像を転写した後の像担持体上へは、転写されなかったトナー成分が残存する。これらの残存物が、そのまま帯電工程に搬送されると、像担持体の均等な帯電を阻害することがしばしばあるため、一般的には、転写工程を経た後に、像担持体上に残存するトナー成分等を、クリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、帯電が行われる。
さらには、同じ材料で、かつ、硬度が異なる固形潤滑剤ブロックが実現でき、それを重ねて使用したとしても、ブロックの境目で固形潤滑剤の消費量の変曲点ができてしまうので、この場合も経時に渡り同じ品質を維持することができなくなってしまう。
また、本発明は、良好な像担持体保護層を形成する保護層形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、良好な品質の画像を安定して得ることができるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、感光体の表面に像担持体保護剤を塗布しまたは付着させるときの供給源となる固形状の像担持体保護剤ブロックであって、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素とを含む粒状または顆粒状の原料を圧縮成型してなり、消費され始める表面から反対側の裏面に向かって密度が連続的に小さくなるように形成され、表面側の密度に対し、裏面側の密度が、1〜3.5%低いことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の像担持体保護剤ブロックにおいて、前記原料は、前記ステアリン酸亜鉛と前記窒化ホウ素とを重量比8対2で混合したものであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の保護層形成装置において、前記感光体の表面へ供給された前記像担持体保護剤を押圧し皮膜化する層形成部材を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記感光体の移動方向における前記転写装置より下流側で、かつ、前記保護層形成装置より上流側に、前記感光体の表面に残留したトナーを、該感光体との摺擦によって該表面から除去するクリーニング装置を備えてなることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6ないし8の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記感光体の表面に接触または近接して配設された帯電装置を備え、前記帯電装置は、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加装置を具備してなることを特徴とする。
特に、前記感光体が少なくとも最表面に生成された層に熱硬化性樹脂を含む場合には、電気的ストレスによる像担持体の劣化を像担持体保護剤で防止することにより、熱硬化性樹脂を含む感光体の機械的ストレスに対する耐久性を長期間に渡り持続的に発現させることが可能となる。これにより、感光体は実質無交換で使用できるレベルまで耐久性を引き上げることが可能となる。
また、前記感光体表面に接触または近接して配設された帯電装置では、放電領域が感光体のごく近傍に存在するため電気的ストレスが大きくなりがちであるが、像担持体保護層を形成した画像形成装置であれば、感光体を電気的ストレスに曝すことなく使用できる。
また、感光体の表面は形成された保護層の効果により、表面状態の変化を極めて小さくできるため、クリーニングの良否が感光体の状態変化に対して敏感に変動してしまうような、円形度が大きなトナーや平均粒径が小さなトナーであっても、長期間に渡り安定したクリーニングを行うことができる。
像担持体保護剤は、均一に素早く像担持体表面に延展し、像担持体表面を保護すると同時に、クリーニング装置を構成するクリーニング部材としてのクリーニングブレードを保護するために「潤滑性」を付与する働きを持つ材料が好ましく、具体的には脂肪酸金属塩、無機潤滑剤、ワックス類、オイル類、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材料中でも、「脂肪酸金属塩」および「無機潤滑剤」を混合して使用することが最も好ましい。すなわち、本発明およびその実施形態では、「脂肪酸金属塩」と、「無機潤滑剤」とをすべて含むことを必須の構成としている。
脂肪酸金属塩の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウムおよびそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。
中でも「ステアリン酸亜鉛」は、後述する実施例の裏付けにより、特に像担持体表面への成膜性に優れることから、本発明においては最も好ましく用いられる。
中でも「窒化ホウ素」は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することおよび後述する実施例の裏付けにより、本発明においては最も好ましく用いられる。
なお、これらの「無機潤滑剤」は、疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
以下、図1〜図9を参照して、本発明の像担持体保護剤の実現手段、製造方法の一例を示す。
図1は、本発明の像担持体保護剤を製造するために使用する型の全体を示している。同図に示すように、使用する型は、1個の上型31、1個の下型32、2個の横型33、2個の端型34である。
下型32の上方に画定された空間を形成するように、下型32を2個の横型33と2個の端型34とで挟みこんだ場所に、圧縮する前の原材料15を入れた後、上型31でプレスして、原材料15が所定密度の固形ブロック状の像担持体保護剤(以下、「像担持体保護剤ブロック」ともいう)になるように圧縮成型する。
図2〜図7は、像担持体保護剤をその長手方向(後述する像担持体の一例としての感光体ドラムの軸・長手方向でもある)と直交する面側から見た断面図である。像担持体保護剤の製造手順・工程は、図2〜図7に示す工程を経る。図8および図9は、図2〜図7に示す工程を経て製造された本発明の固形ブロック状の像担持体保護剤の概略図である。
先ず、図1および図2に示すように、下型32を横型33と端型34で挟みこんだ場所に、計量した像担持体保護剤の原材料15を投入する。ここに、原材料15は、少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含む粒状または顆粒状のものである。
次いで、図2ないし図3に示すように、上型31を設置し、図3に示すようにプレス35で上型31を加圧・降下させて原材料15を圧縮する。このとき、上型31の両側壁を挟さみ込む状態で、両側の横型33上面とプレス35下面との間に、ストッパ36を設置することで、同じ高さの像担持体保護剤ブロックを成型することができる。
次いで、図5に示すように、密度が異なり高さが同一の複数の像担持体保護剤ブロックを、密度の小さい順に下から重ねてブロック積載物17を形成する。
次いで、図6に示すように、上型31を設置し、プレス35で上型31を加圧・降下させてブロック積載物17を圧縮する。このとき、図3で説明したと同様にしてストッパ36を設置することで、同じ高さの像担持体保護剤ブロックを成型することができる。この工程によって、密度の異なるブロックの境目が無くなり、連続的な密度の像担持体保護剤ブロック21になる。
次いで、図7に示すように、プレスを解除し、上型31を外し、下型32を上に押し上げて、圧縮された像担持体保護剤ブロック(固形ブロック状の像担持体保護剤)21を取り出す。
このように、図2〜図7の工程を順次経ることで、少なくとも脂肪酸金属塩と、無機潤滑剤とを含み、かつ、消費され始める表面から消費し終わりの裏面にかけて連続的に密度が小さくなっていく像担持体保護剤ブロック(固形ブロック状の像担持体保護剤)21を製造することができる。
但し、前記の工程はあくまで一例であり、これに限るものではない。
後述する図10等で説明する、像担持体の表面に像担持体保護剤を塗布または付着させる保護層形成装置で使用される際には、像担持体保護剤ブロック21を、供給部材(図10等参照)を介して像担持体表面へ供給することになるが、図9に示すように、像担持体保護剤ブロック21の「表面」は、供給部材と当接して削られていくことで消費され始める被削面側を、「裏面」は消費し終わりの側をそれぞれ意味している。同図においては、像担持体保護剤ブロック21の高さ方向に密度の粗密状態が変わり、像担持体保護剤ブロック21の密度が、消費され始める表面から裏面に向かって連続的に小さく(密→粗)形成されている。像担持体保護剤ブロック21は、その裏面側が、保持部材としての例えば金属製のホルダ25に例えば両面テープ等で接着されることで保持される。
図10を参照して、本発明の保護層形成装置に係る実施形態を説明する。図10は、本実施形態に係る保護層形成装置の構成を示す概略的な構成図である。
同図において、像担持体としての感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2および4は、像担持体保護剤21、供給部材としての保護剤供給部材22、押圧力付与機構23、層形成部材としての保護層形成機構24、クリーニング機構4等から主に構成される。像担持体保護剤21の配置は、あくまで一例であり、これに限るものではない。
像担持体保護剤21は、押圧力付与機構23からの押圧力により、例えばブラシ状の保護剤供給部材22へ接する。保護剤供給部材22は感光体ドラム1と線速度差をもって回転して感光体ドラム1の表面に摺擦し、この際に、保護剤供給部材22表面に保持された像担持体保護剤を、像担持体である感光体ドラム1表面に供給する。
保護層が形成された感光体ドラム1には、例えば、図示しない電圧印加装置により交流成分を有する電圧を印加した帯電装置としての帯電ローラ3を、接触または近接させ、微小空隙での放電による感光体ドラム1の帯電が行われる。
この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じる。そこで、劣化した像担持体保護剤は、通常のクリーニング装置であるクリーニング機構4により、感光体ドラム1に残存したトナー等の他成分と共に除去される。
クリーニング装置4は、軸41cを中心に揺動可能に設けられたブレード支持体41bと、該ブレード支持体41bにその一端部を(感光体ドラム1側と反対側端部)を支持され、他端部が感光体ドラム1の表面にカウンター方向で当接するクリーニングブレード41aと、ブレード支持体41bを反時計回り方向に付勢してクリーニングブレード41aの先端を感光体ドラム1の表面に押圧するバネを備えたクリーニング押圧機構42とを有している。
これらのブレードは、ブレード支持体24bに、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。ブレード厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく使用でき、1〜3mm程度であればさらに好ましく使用できる。
また、ブレード支持体24bから突き出し、たわみを持たせることができるクリーニングブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく使用でき、2〜10mm程度であればさらに好ましく使用できる。
弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、ブラシ状の部材は保護剤供給部材22として好ましく用いられるが、この場合、像担持体表面への機械的ストレスを抑制するためにはブラシ繊維は可撓性を持つことが好ましい。
可撓性のブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用することができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などのうち、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
保護剤供給部材22は、供給の均一性やその安定性の面から、極力ブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
図11を参照して、本発明のプロセスカートリッジに係る実施形態を説明する。図11は、保護層形成装置2を用いたプロセスカートリッジ12の構成例の概略を示す断面図である。
同図に示すように、プロセスカートリッジ12には、像担持体である感光体ドラム1、保護層形成装置2、帯電装置としての帯電ローラ3、現像装置5、クリーニング装置4等が一体に収容されている。
感光体ドラム1は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材であるクリーニングブレード41aにより表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
図11では、クリーニングブレード41aは、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で感光体ドラム1の表面に当接されている。
図12を参照して、本発明の画像形成装置に係る実施形態を説明する。図12は、保護層形成装置2およびプロセスカートリッジ12を有する画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機100の一例を示す断面図である。
同図に示すように、カラー複写機100は、装置本体101と、装置本体101の上部に配置された画像読取装置であるスキャナ102と、該スキャナ102のさらに上部に配置された自動原稿給送装置(ADF)103とを有している。
装置本体101の下部には、複数の給紙カセット104a,104b,104c,104dを備えた給紙部104が配置されている。
支持ローラ108の近傍には、2次転写後に中間転写ベルト105上に残留する残留トナー等を除去する中間転写体クリーニング装置109が設けられている。
支持ローラ106と支持ローラ107との間に張り渡された中間転写ベルト105上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成手段としてのプロセスカートリッジ12Y,12M,12C,12Kがこの順に並設・配置され、タンデム画像形成部10が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定されるものではない。
2次転写ローラ110の左側には、シート上に転写された転写画像を定着する定着装置111が配置されている。定着装置111は、無端ベルト状の定着ベルト111aに加圧ローラ111bを押し当てる構成を備えている。
定着装置111の下方には、上述したタンデム画像形成部10とほぼ平行に、シートの両面に画像を形成する場合にシートを反転するシート反転装置112が配置されている。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される感光体ドラム1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電装置としての帯電ローラ3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置3による感光体ドラム1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電装置(帯電部材)3に、感光体ドラム1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された感光体ドラム1は、レーザ光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザ光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザ光は半導体レーザから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴンミラー)等により感光体ドラム1の表面を、感光体ドラム1の回転軸方向に走査する。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、感光体ドラム1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、図示しない転写装置を構成する転写ローラ6にて中間転写ベルト105上に転写され、給紙部104から給送され、あるいは手差しトレイ113から給送された紙などの転写媒体(シート)上に、2次転写ローラ110により重ね合わされたトナー像(カラー画像)が一括転写される。
このとき、転写ローラ6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写ベルト105は、感光体ドラム1から分離され、転写像が得られる。
画像転写後のシートは、定着装置111へと搬送され、ここで熱と圧力を加えられて転写画像を定着されたシートは、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出・スタックされる。
あるいは、図示しない切換爪で搬送路を切り換えられてシート反転装置112に搬送され、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を形成された後に、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出・スタックされる。
画像転写後の中間転写ベルト105は、中間転写体ベルトクリーニング装置109により残留トナー等を除去され、タンデム画像形成部10による再度の画像形成に備える。
しかしながら、帯電部材を像担持体表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が像担持体表面近傍の領域で行われるため、像担持体への電気的ストレスが大きくなりがちである。本発明の画像形成装置、すなわち、少なくとも無機潤滑剤と脂肪酸金属塩とを含む粒状または顆粒状の原料を型内で圧縮成型される固形ブロック状の像担持体保護剤であって、その密度が、消費され始める表面から消費し終わりの裏面に向かって連続的に小さく形成されている像担持体保護剤21を用いた保護層形成装置2や、プロセスカートリッジ12、カラー複写機100を用いることにより、長期間に渡り像担持体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
本実施形態の画像形成装置に用いる感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。
また、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていても良い。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mm、好ましくは、24〜100mm、さらに好ましくは28〜70mmのものを用いることができる。ドラム状の支持体の直径が20mm以下では、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に難しく、ドラム状の支持体の直径が150mm以上では画像形成装置が大きくなってしまい好ましくない。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下、好ましくは60mm以下であることが好ましい。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
・モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
中間転写媒体としては、体積抵抗105〜1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。表面抵抗が105Ω/□を下回る場合には、感光体から中間転写媒体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1011Ω/□を上回る場合には、中間転写媒体から紙などの転写媒体へトナー像を転写した後に、中間転写媒体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
中間転写媒体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料のうち、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
まず、本発明のトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記式(1)より得られた値を円形度と定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度SR=粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長 (式1)
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。
ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。
トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。
重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
よって、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。
トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。
トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密に、かつ、整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均径D4、個数平均径D1を求めることができる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6一C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンSーl21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDSー202(ダイキンエ業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF一300(ネオス社製)などが挙げられる。
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、中でもトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。
0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさおよび彩かさが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下であることが好ましく、5個数%以下であることが、より好ましい。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤や水が、着色剤の分散性の面から好ましい。
中でも、水の使用は、環境への配慮および、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から、一層好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加しても良い。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
像担持体に対する負荷を軽減した場合には、像担持体上のトナーや小径のキャリアの除去が不十分となり、これらはクリーニング装置を通過する際に、像担持体表面を傷つけ、画像形成装置の性能を変動させる要因となる。
また、本実施形態の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成のトナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、装置寿命を大幅に延ばすことは言うまでもない。
該トナーに使用される一般的な結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。さらには、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
粉砕法のトナーでは、これらの樹脂成分と共に、前述のような着色剤成分、ワックス成分、電荷制御成分等を、必要により前混合後、樹脂成分の溶融温度近傍以下で混練して、これを冷却後、粉砕分級工程を経て、トナーを作製すれば良く、また、必要により前述の外添成分を、適宜、添加混合すれば良い。
表1に、本発明における像担持体保護剤を塗布した場合の実施例を、比較例と共に示す。
リコー製 imagio MP C5000の作像部(図12)において、クリーニング装置4の下流に、図10の保護層形成装置2を設置し、この保護層形成装置2に相当する部分から像担持体保護剤に係る実施例1〜5、比較例1〜4を供給した。
リコー製 imagio MP C5000は、像担持体保護剤を加圧する機構に、従来の固形状潤滑剤:ステアリン酸亜鉛に係る特許文献3の技術が採用されており、加圧力は実施例および比較例共に経時でほぼ一定であるようにした。
上記画像形成装置(カラー複写機)の駆動条件として、A4版、画像面積率5%原稿5万枚の連続通紙試験を行い、1万枚ごとに像担持体保護剤の消費量を測定した。消費量(g/km)は、像担持体保護剤の重量の減少分を感光体の駆動距離で割った値を示す。像担持体保護剤の消費量の判定(合格)基準としては、リコー製 imagio MP C5000において、像担持体保護剤の消費量が0.1〜0.3g/kmであることが望ましいことが判明している。
また、以下詳細に説明する以外の諸条件は、上述した実施形態で述べた最良条件が、比較例1〜4および実施例1〜5に渡り共通使用されている。
比較例1
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩を溶融し、型に流し込んで冷却して成型したものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を使用した。
現在の画像形成装置で使用されている像担持体保護剤は、全てこの方法で製造されている。
比較例2
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩を圧縮成型して成型し、密度が表面から裏面にかけて一定であるものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を使用した。
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを重量比8対2で混合して溶融し、型に流し込んで冷却して成型したものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を、無機潤滑剤には窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
比較例4
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを重量比8対2で混合して圧縮成型し、密度が表面から裏面にかけて一定であるものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を、無機潤滑剤には窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
実施例1〜3
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを重量比8対2で混合して圧縮成型し、密度が表面から裏面にかけて連続的に小さくなっているものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を、無機潤滑剤には窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
なお、表面から裏面にかけて密度が、実施例1では約1%、実施例2では約2.2%、実施例3では約3.5%小さくなるようにした(図14参照)。
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを重量比8対2で混合して圧縮成型し、密度が表面から裏面にかけて連続的に小さくなっているものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸カルシウム(和光純薬製)を、無機潤滑剤には窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
なお、実施例1と同様に、表面から裏面にかけて密度が約1%小さくなるようにした。
像担持体保護剤として、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを重量比8対2で混合して圧縮成型し、密度が表面から裏面にかけて連続的に小さくなっているものを使用した場合である。脂肪酸金属塩にはステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を、無機潤滑剤にはマイカ(資生堂製)を使用した。
なお、実施例1と同様に、表面から裏面にかけて密度が約1%小さくなるようにした。
電子写真方式の像担持体には、帯電およびクリーニングのハザードから像担持体もしくは像担持体表面を保護するために像担持体保護剤が塗付される。像担持体保護剤は固形ブロック状に成型したものをブラシ状の保護剤供給部材であるブラシローラで掻き取り、粉状になったものを像担持体上に塗布するという方法が一般的に用いられる。しかしながら、ブラシローラは、長期間使用するに従い、ブラシの毛のコシが無くなり、像担持体保護剤ブロックを削り取る力が弱くなってしまう。
また、消費量の推移は像担持体保護剤ブロックの製造方法によっても大きく影響され、図15に示すように、比較例1と比較例2の違いのように、同じ材料であっても、溶融して成型したものは経時で同じ消費量が保たれるのに対し、圧縮成型で成型したものは経時で消費量が著しく低下してしまう。
しかし一方で、比較例3のように、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを混合して溶融したものは消費量の絶対値が著しく小さい。これは、融点をもつ脂肪酸金属塩に、無機潤滑剤を混合することで、無機潤滑剤がフィラーの役割をし、像担持体保護剤ブロックが硬くなりすぎるためと思われる。このことと、図16に示す実施例1〜3の消費量結果とから、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを混合して、像担持体保護剤として使用するには、溶融成型では実使用上不可能であり、圧縮成型をすることが必須となることが判明した。
但し、前記のように、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを混合して、圧縮成型で成型した像担持体保護剤に係る比較例4は、経時で消費量が低下していき、機能を維持することができない。
また、図14より、実施例1では表面から裏面にかけて密度が約1%、実施例2では約2.2%、実施例3では約3.5%、それぞれ小さくなっている。これを踏まえ図16の消費量との関係から、密度差は1%〜3.5%の間では支障なく使用できるが、2.2%程度が特に好ましく使用できると言える。
表1において、帯電部材汚染、感光体汚染状態についての評価結果◎、○、△、×の印の意味は、以下のとおりである。
[帯電部材汚染状態]
◎:帯電部材が殆ど汚れない
○:少し汚れるが、常温環境では画像に影響がない、許容レベル
△:低温環境では画像に影響が表れる
×:早期に異常画像が発生する:使用不可
[感光体汚染・保護性]
◎:感光体摩耗・フィルミングが殆どない
○:わずかにフィルミングがあるが、許容レベル
△:経時で異常画像が発生する
×:早期に異常画像が発生する:使用不可
特に、前記像担持体が少なくとも最表面に生成された層に熱硬化性樹脂を含む場合には、電気的ストレスによる像担持体の劣化を像担持体保護剤21で防止することにより、熱硬化性樹脂を含む像担持体の機械的ストレスに対する耐久性を長期間に渡り持続的に発現させることが可能となる。これにより、像担持体は実質無交換で使用できるレベルまで耐久性を引き上げることが可能となる。
また、像担持体の表面は形成された保護層の効果により、表面状態の変化を極めて小さくできるため、クリーニングの良否が像担持体の状態変化に対して敏感に変動してしまうような、円形度が大きなトナーや平均粒径が小さなトナーであっても、長期間に渡り安定したクリーニングを行うことができる。
特に、前記像担持体が少なくとも最表面に生成された層に熱硬化性樹脂を含む場合には、電気的ストレスによる像担持体の劣化を像担持体保護剤21で防止することにより、熱硬化性樹脂を含む像担持体の機械的ストレスに対する耐久性を長期間に渡り持続的に発現させることが可能となる。
2 保護層形成装置
3 帯電ローラ(帯電装置)
4 クリーニング装置・クリーニング機構
5 現像装置
6 転写ローラ(転写装置)
8 潜像形成装置・露光装置
12 プロセスカートリッジ
21 像担持体保護剤
22 保護剤供給部材(供給部材)
24 保護層形成機構(層形成部材)
41a クリーニングブレード(クリーニング部材)
100 カラー複写機(画像形成装置)
Claims (10)
- 感光体の表面に像担持体保護剤を塗布しまたは付着させるときの供給源となる固形状の像担持体保護剤ブロックであって、
ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素とを含む粒状または顆粒状の原料を圧縮成型してなり、
消費され始める表面から反対側の裏面に向かって密度が連続的に小さくなるように形成され、
表面側の密度に対し、裏面側の密度が、1〜3.5%低いことを特徴とする像担持体保護剤ブロック。 - 前記原料は、前記ステアリン酸亜鉛と前記窒化ホウ素とを重量比8対2で混合したものであることを特徴とする請求項1記載の像担持体保護剤ブロック。
- 感光体の表面に像担持体保護剤を塗布しまたは付着させる保護層形成装置において、
前記像担持体保護剤が、請求項1または2記載の像担持体保護剤ブロックから供給されることを特徴とする保護層形成装置。 - 前記像担持体保護剤ブロックの前記表面に接して前記像担持体保護剤を保持する供給部材を有し、
前記像担持体保護剤を、前記供給部材を介して前記感光体の表面へ供給することを特徴とする請求項3記載の保護層形成装置。 - 前記感光体の表面へ供給された前記像担持体保護剤を押圧し皮膜化する層形成部材を有することを特徴とする請求項3または4記載の保護層形成装置。
- トナー像を担持する工程を経る感光体と、前記感光体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、トナー像が転写媒体に転写された後の前記感光体の表面に、像担持体保護剤を塗布しまたは付着させる保護層形成装置とを有する画像形成装置において、
前記保護層形成装置が、請求項3ないし5の何れか一つに記載の保護層形成装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記感光体の移動方向における前記転写装置より下流側で、かつ、前記保護層形成装置より上流側に、前記感光体の表面に残留したトナーを、該感光体との摺擦によって該表面から除去するクリーニング装置を備えてなることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記感光体が、少なくとも最表面に生成された層に熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項6または7記載の画像形成装置。
- 前記感光体の表面に接触または近接して配設された帯電装置を備え、
前記帯電装置は、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加装置を具備してなることを特徴とする請求項6ないし8の何れか一つに記載の画像形成装置。 - トナー像を担持する工程を経る感光体と、トナー像が転写媒体に転写された後の前記感光体の表面に、像担持体保護剤を塗布しまたは付着させる保護層形成装置とを一体に備えるプロセスカートリッジにおいて、
前記保護層形成装置が、請求項3ないし5の何れか一つに記載の保護層形成装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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