JP2004126383A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融混錬し乾式で粉砕する粉砕系乾式トナー、溶媒中で液滴を形成し重合される重合系乾式トナーのいずれを用いた場合にも、像担持体又は中間転写体に離型剤のフィルミングが発生し難く、高品質な画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、帯電装置2と、図示しない露光装置と、像担持体1表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置3と、像担持体1表面をクリーニングするクリーニング9装置とを備える画像形成装置であって、像担持体1表面の可視像を直接又は中間転写体5Aに転写した後に記録媒体Pに転写する転写装置5とを備える画像形成装置において、トナーTが離型剤を含有するものであって、像担持体1に潤滑剤を塗布して摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4にした画像形成装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体1と、帯電装置2と、図示しない露光装置と、像担持体1表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置3と、像担持体1表面をクリーニングするクリーニング9装置とを備える画像形成装置であって、像担持体1表面の可視像を直接又は中間転写体5Aに転写した後に記録媒体Pに転写する転写装置5とを備える画像形成装置において、トナーTが離型剤を含有するものであって、像担持体1に潤滑剤を塗布して摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4にした画像形成装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を、トナーによってトナー像として可視像化し、該トナー像を直接、又は中間転写体を介して記録媒体に転写し、該記録媒体に転写されたトナー像を当該記録媒体に定着する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備える複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は、従来より周知である。かかる画像形成装置において、ワックスなどの離型剤を含有しないトナーは、一般に使用されているが、かかるトナーを用いた場合像担持体の表面へのフィルミングは発生し難いものの、記録媒体上のトナー像を定着する定着装置の定着部材にオイルを塗布して定着部材とトナーとの離型性を高めなければならない。オイルの使用は、定着装置の設置スペースの増大と、そのコストアップをもたらす。そこで、離型剤を含有するトナー、例えば離型剤含有の粉砕トナーを用い、定着部材へのオイルの塗布を行わない所謂オイルレス定着方式を採用することも公知である。
ところが、かかるトナーは、含有された離型剤がトナー粒子の表面に存在することもあるため、像担持体表面の摩擦係数が高いとその離型剤が像担持体表面に付着してその表面に離型剤のフィルミングが発生し、画像品質を低下させる。また、像担持体の摩擦係数を低くしすぎると、地汚れなどの副作用は低減するが、トナーと像担持体との付着力が低減するため、画像濃度が低下する。
【0003】
また、高解像度に代表される高画質化の必要性から、トナーの小粒径化、均一分布を狙った球形トナーが提案されている。ところが、像担持体表面の摩擦係数が高いと、球形トナーを用いたプロセスでは、トナーと像担持体との非静電的付着力とあいまって、トナー像転写工程後の像担持体表面のクリーニングの余裕度が低減し、クリーニング不良に起因する像担持体表面へのフィルミングが発生して画像品質が低下する。これは、トナー粒子が球形に近くなるほど発生しやすくなる。逆に、像担持体表面の摩擦係数が低くなりすぎると、画像濃度が低下し、この場合も画像品質の低下を招く。
また、最近は、トナーの小粒径化、均一分布を狙った球形トナーとして、溶媒中でバインダーとなるポリマーを含む液滴を形成し、重合させる湿式重合トナーが提案されている。湿式重合法には、懸濁重合法、乳化重合法、粒子を形成後凝集させる方法等が提案されている。これらの湿式重合法トナーに離型剤を含有させる場合は、離型剤を前述の溶媒中で液滴を形成してポリマーの液滴に含有させるために、離型剤がトナーの中心部に存在することが多く、定着における離型剤の効果が発揮されにくい。また、流動性を付与するために、小粒径であることからトナーにシリカ又はチタニア等の添加剤の添加量が多くなり、トナー表面から脱離する添加剤量が多くなる。この脱離した添加剤は像担持体に付着し、この添加剤を基点としてトナーの結着樹脂、離型剤のフィルミングを促進し、画像品質を低下させる。
【0004】
さらに、変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーや、離型剤と、変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーを使用する画像形成装置も公知であるが、かかるトナーを用いた場合も、像担持体表面の摩擦係数が高くなると、その表面へのフィルミングが発生しやすくなり、逆に像担持体表面の摩擦係数が低くなりすぎると、画像濃度が低下する。
また、溶融・混練し、エアー中で乾式粉砕された後に、球形化処理される乾式粉砕法トナーが知られている。特に、これらは加熱された気流中に噴霧処理されて球形化された場合に、トナーが離型剤を含有する場合にはトナーの結着樹脂より融点及び軟化点の低い離型剤が、溶融してトナー表面に露出することが多い。これにより、上述したように、像担持体又は中間転写体に離型剤がフィルミングし、画像品質を低下させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の如き溶融混錬し乾式で粉砕する粉砕系乾式トナー、溶媒中で液滴を形成し重合される重合系乾式トナーのいずれを用いた場合にも、像担持体又は中間転写体に離型剤のフィルミングが発生し難く、高品質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
とくに、小粒径で、球形のトナーを用いる画像形成装置により、細線再現性が高く、ベタ画像における粒状性の少ない高品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、潜像を形成する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と を備える画像形成装置であって、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体に転写した後に記録媒体に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、トナーが離型剤を含有するものであって、トナー表面に離型剤が露出していないトナーを用い、像担持体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4にする画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、さらに、ポリエステル、N(窒素)原子を含むプレポリマー、着色剤を含むトナー材料を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ液滴を形成し、重付加反応させるものである請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、トナー表面から1μmまでの領域における離型剤の占める面積の割合が5〜40%である請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナー表面がトナー内部より硬い請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、トナー表面とトナー内部とでN原子の濃度分布があり、トナー表面がトナー内部よりN原子濃度が高い請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤を有し、かつ、該荷電制御剤がトナー内部よりトナー表面に多く存在する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤以外の成分に存在せず荷電制御剤にのみ存在するH(水素)、C(炭素)、O(酸素)及び希ガス元素を除く長周期型周期律表における第5周期までの一元素に対して、トナー表面に存在する元素量M(wt%)と同じ元素であってトナー全体に存在する元素量T(wt%)との比(M/T)が100〜1,000である請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、樹脂微粒子がトナー表面の10〜90%を被覆している請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記画像形成装置は、前記樹脂微粒子が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂であって、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃である請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.40である請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、平均円形度0.96〜1.00であり、かつ 円形度0.96未満のトナー含有量が30wt%以下である請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、形状係数SF−1で100〜180であり、かつ 形状係数SF−2で100〜140である請求項11に記載の画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、シリカ及び/又はチタニアが添加されている請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項14に記載の発明は、前記画像形成装置は、中間転写体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを、0.1≦μ≦0.4にする請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項15に記載の発明は、前記画像形成装置は、潤滑剤を塗布する塗布装置を備える請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項16に記載の発明は、前記画像形成装置は、像担持体と現像装置との間で、交番電界を形成して潜像を可視像化する現像装置を用いる請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。先ず、画像形成装置の基本構成から明らかにする。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、ドラム状の感光体として構成された像担持体1を有し、ここに示した像担持体1は、アルミニウムなどの素管に感光性を有する有機感光体を塗布し、感光層を形成し、たものとなっている。かかる像担持体1は、図1における時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置2によって表面を一様に帯電され、その帯電面に対して、図示していない露光装置からの光L、例えば光変調されレーザ光が照射され、像担持体1表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置3を通るときトナーによってトナー像として可視像化される。この現像装置3の現像ケース3Aには、乾式の現像剤Dが収容され、この現像剤Dにより静電潜像が現像される。静電潜像が乾式トナーによってトナー像として可視像化されるのである。
【0011】
上述のトナー像は、像担持体1と転写装置5との間に送り込まれた転写紙などから記録媒体Pに転写され、トナー像を転写された記録媒体Pは、定着装置6の加熱された加熱ローラ6Aよりなる定着部材と、加圧ローラ6Bとの間を通り、このとき熱と圧力との作用によりトナー像が記録媒体上に定着される。
トナー像転写後の像担持体1表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置のクリーニングブレード9Aによって掻き取り除去される。このようにクリーニングされた像担持体1表面は、除電ランプからの光を照射されて、その表面電位が初期化される。
上述した例では、像担持体1上のトナー像を記録媒体に直に転写したが、後述する例のように、像担持体1上のトナー像を一旦、中間転写体上に転写し、そのトナー像を記録媒体に転写し、そのトナー像を定着するように構成することもできる。このように、像担持体1に静電潜像を形成し、この静電潜像を乾式トナーによってトナー像として可視像化し、該トナー像を直接、又は中間転写体を介して記録媒体に転写し、その記録媒体に転写されたトナー像を当該記録媒体に定着するものである。
【0012】
図2は現像装置3の拡大説明図であり、ここに示した現像装置3は、前述のように現像ケースに現像剤が収納され、ここで図2に模式的に拡大して示すように、トナーと磁性粒子(キャリア)とを混合してなる乾式の二成分系現像剤が使用されているが、キャリアを有さない乾式の一成分系現像剤を用いることができる。
磁性粒子Cは金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は20〜50μmの範囲が良好である。また抵抗はダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。但し測定方法は磁石を内包したローラ(φ20mm;600RPM)に磁性粒子を担持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで対向させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400V、鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0013】
現像装置3は図2における反時計方向に回転駆動される非磁性スリーブより成る現像ローラ3Bを有し、その内部に磁石3Cが固定配置されている。現像ローラ3Bを向いた側の各磁石3Cの磁極をN1,S1,N2,S2,S3として示してある。現像剤Dは撹拌されることにより、そのトナーTと磁性粒子Cが互いに逆極性に摩擦帯電され、トナーTの帯電量は、例えば−10〜−30(μc/g)である。現像ローラ3Bに担持されて搬送される現像剤Dは磁気ブラシを形成し、ドクタ3Dによってその搬送量が規制され、現像ローラ3Bと像担持体1との間に運ばれた現像剤中のトナーが静電潜像に静電的に移行して、その潜像が可視像化される。図2に例示した現像ローラ3Bは、その直径をφ18mmとし、表面はサンドブラストもしくは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜20μmRZの範囲に入るようにあらしている。また、ドクタ3Dと現像ローラ3Bの間の最近接部に於ける間隔は500μmに設定され、ドクタ3Dに対向した磁石3Cの磁極N1はドクタ3Dよりも現像ローラ3Bの回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、現像剤Dのドクタ3Dから戻るような循環流を容易に形成することが出来る。
【0014】
現像ローラ3B上の現像剤DのうちのトナーTは現像ローラ3Bに印加された現像バイアスの下に、静電潜像に移行する。ちなみに本例では像担持体1の線速は200mm/s、現像ローラ3Bの線速は240mm/sとしている。像担持体1の直径を50mm、現像ローラ3Bの直径を18mmとして、現像行程が行われる。像担持体1と現像ローラ3Bの間隙である現像ギャップは0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、その値を小さくする事で現像効率の向上を図る事が可能である。感光層の厚みを30μmとし、露光装置のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。像担持体1の帯電(露光前)電位を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470V、すなわち現像ポテンシャル350Vとして反転現像が行われる。
【0015】
ここで、本例の画像形成装置は、従来の欠点を除去すべく、像担持体1表面に潤滑剤を塗布してその表面の摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4に設定するように構成されている。以下、これに関する構成を説明する。
像担持体1の適所、図1に示した例では、像担持体1の表面移動方向に関し、クリーニング装置9よりも下流側であって、除電ランプ10よりも上流側の位置に、像担持体1表面に接触し、かつスティック状となった固形状の潤滑剤ブロック16Aにも接触したブラシローラ16Bを有する塗布装置16が設けられている。このブラシローラ16Bが回転することにより、潤滑剤ブロック16Aから潤滑剤が削り取られ、その潤滑剤が像担持体1の有機感光材料の表面に塗布される。このようにして、像担持体1表面の摩擦係数が上述した範囲の値に保たれる。潤滑剤ブロック16Aを直に像担持体1表面に当接させて潤滑剤を塗布してもよく、また、潤滑剤を常時、像担持体1に供給してもよいが、一定枚数おきに供給するようにしてもよい。さらに、中間転写体5Aを有する画像形成装置の場合には、その中間転写体5Aに潤滑剤を塗布し、これを像担持体1表面に移行させて、像担持体1表面に潤滑剤を塗布するように構成してもよい。
【0016】
潤滑剤としては、シリコーン樹脂、ポリ−4フッ化エチレン及びポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂からなる有機粒子、二硫化モリブデン等の硫化物、窒化ホウ素等の硼化物、フッ化黒鉛等のグラファイト、ステアリン酸及びパルチミン酸等の脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、ワックス等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
【0017】
ここで、摩擦係数μは、オイラーベルト方式によるものであり、当該摩擦係数は下記測定方式で算出する。図3及び図4に示すように、測定用の感光体より成るドラムの像担持体1を台座に固定して、幅が30mm、長さが例えば297mmにカットした厚み89μmの上質紙〔(株)リコー製TYPE6200ペーパー、A4T目〕24を像担持体1の周面に90°の角度に亘って巻き掛け、紙端部の一方に重量の無視できる糸20を介して0.98N(100g重)の分銅25を取り付け、もう一方の片端に重量を無視できる糸21を介して重量測定用のデジタルプッシュプルゲージ23を取り付ける。台上に載せたデジタルプッシュプルゲージ25を矢印A方向にゆっくり引き、紙24が像担持体1上を滑って移動を開始した時の重量F(N)を読みとり、次の式で摩擦係数を計算する。
μ=[ln(F/W)]/(π/2)
(ただし、μ:静止摩擦係数、F:読みとり荷重(N)、W:分銅の重さ(N))
上記紙24のその他の特性は、秤量71.7g/m2、密度0.81g/cm3、平滑度:表40s、裏37s、体積抵抗率1.2×1011Ω・cmである。像担持体1表面に潤滑剤等を塗布しない、未処理の場合の像担持体1に於ける上記方法による測定値は、0.5〜0.6であり、経時で増加する傾向にある。これに対して潤滑剤を塗布した像担持体1の測定を行うとその値は0.1〜0.4の範囲であった。
【0018】
像担持体1の摩擦係数の範囲がμ≧0.1であるのでμ<0.1の場合の弊害を述べると、μ<0.1の範囲では現像ローラ3Bのスキャベンジ能力が高まって像担持体1と現像ローラ3Bの間のトナー7が十分に像担持体1に移行させずに、低濃度の画像となるために品質が著しく劣化する。これに対し、本実施例のように像担持体1の摩擦係数を定めることにより、当初より像担持体1とトナー間の付着力が高いので濃度低下を来す事なく均一な画像が得られる。また、μ>0.4では像担持体1地肌部の地汚れが出易くなり、その防止手段として現像ローラ3Bの像担持体1に対する当接圧を増やすとか回転線速比を増やす事が有効であるが、バンディング等の異常画像が発生しやすくなる。
【0019】
次に、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーについて説明する。トナーは、ポリエステル、プレポリマーが変性されたN(窒素)原子を含むポリエステル、着色剤、離型剤を含有してなる母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を添加してなるトナーであって、トナー表面がトナー内部より硬いトナーを用いる。以下に、本発明の画像形成装置に用いるトナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0020】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0021】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0022】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録媒体への定着時、記録媒体とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
【0023】
(ウレア変性ポリエステル)
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との重付加反応により分子鎖が伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0024】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
【0025】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0026】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0027】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0028】
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
【0029】
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長反応には、必要により伸長停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0030】
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0031】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0032】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用できる。
例えば、黒色顔料としては、黒色系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。
黄色系着色剤としては、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R),ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。
【0033】
赤色系着色剤としては、例えば、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッド(F5R、FBB)、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パ−マネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が挙げられる。
青色系着色剤としては、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が挙げられる。
【0034】
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0035】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えば、負極性のトリフェニルメタン系染料、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、正極性のニグロシン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)燐の単体または化合物等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0036】
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、これらは、それぞれ単独あるいは2種類以上組合わせて用いることも可能である。好ましくは、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラ3Bとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0037】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。さらに、この時の離型剤の融点が80〜125℃であることが特に好ましい。融点を80℃以上にすることにより耐久性が優れたトナーとすることができ、又、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜15wt%、好ましくは、2〜10wt%である。1wt%以下では定着装置の定着ローラにトナーが付着するオフセットの防止効果が不十分であり、15wt%以上では転写性、耐久性等が低下する。
【0038】
このような離型剤としてのワックス類は、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることが出来るが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用する事により良好な離型性を得る事ができる。ここで、カルナウバワックスとしては、微結晶であり、酸価が5以下であり、結着樹脂中に分散した時の粒子径が1μm以下であるものが特に好ましい。又、モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であるものが特に好ましい。又、酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価が10〜30であるものが特に好ましい。
【0039】
(添加剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための添加剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。添加剤の添加量が、0.5wt%未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。また1.8wt%より多いと、流動性は向上するものの、クリーニングブレード9Aのビビリ、ブレードめくれ等の像担持体1のクリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による像担持体1等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレード9Aや像担持体1等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。さらに、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
【0040】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
【0041】
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0042】
さらに、添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されていることが好ましい。ここで、表面処理に用いる処理剤としては、有機系チタン化合物、有機系アルミニウム化合物等があるが、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。又、処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、いずれの方法も好適に用いることができる。
【0043】
次に、溶媒中の湿式重合法によるトナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、N原子を含むものとしてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0044】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
【0045】
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0046】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0047】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0048】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0049】
また、三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0050】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0051】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との重付加反応を行わせる。この反応は、分子鎖の伸長を伴うため伸長反応とも呼ぶ。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0052】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0053】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0054】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0055】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。例えば、トナーと離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0056】
なお、ここでは、トナーに、顔料とともに又は顔料の代わりに磁性体を含有させて、磁性トナーとしても使用することも出来る。具体的な磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して20〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対して40〜150重量部である。
【0057】
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
特に、本発明の画像形成装置に用いるトナーは、トナー表面がトナー内部より硬くする。これは、液滴の界面で反応させることで、トナー表面が最も難くすることができ、トナー内部に反応が進んでいく。本発明に係る溶液内で重合する湿式重合トナーでは、傾斜構造を持たせることが容易にできるが、溶融混錬した後に乾式粉砕するトナーでは、トナーの硬さを傾斜させることは困難である。
トナー全体の硬さの分布は含まれる構成元素を分析することで把握することができる。ウレタン結合したポリエステルは、Nを多く含む方が硬くなり、これをXPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。トナー表面を硬くすることで、長期間使用する場合であってもブロッキングすることを防止し、また、トナー粒子自体の流動性を良くすることで攪拌性・混合性を良くすることができる。さらに、トナー表面が硬いことは添加剤がトナー表面に埋め込まれにくくなることで、現像ケース3A内で長期間攪拌しても、トナーの流動性・帯電性が一定に保つことができる。また、トナー表面を硬くしてトナー内部にある離型剤がトナー表面にしみ出しにくくして、像担持体1へのフィルミングを防止することができる。さらに、トナー内部を柔らかくすることで、定着時における熱と圧力でトナー表面を破壊し、容易に変形させることで、離型剤を含むトナー内部を露出させ定着性を向上させることができる。
【0058】
また、このような湿式重合法では、さらに、離型剤をトナー表面に露出させずに、トナーの内側であってトナー表面近傍に優先的に分散させることができる。図5は、トナーの断面を表す模式図で、図5(a)はここで用いられる湿式重合トナーの断面を模式的に表した図であり、図5(b)は従来の湿式重合トナーの断面を模式的に表した図である。従来の湿式重合トナーでは、図5(b)に示すように、大きな粒径の離型剤がトナーの中心部にあるのに対して、ここで用いられるトナーは、図5(a)に示すように、小さい粒径の離型剤がトナー内部に分散し、かつ、トナー表面近傍に多く分散している。特に、トナー表面から1μm内部までの領域に、離型剤の占める面積率が5〜40%の範囲にあることが好ましい。これにより、記録媒体上のトナーは、定着装置により熱と圧力をかけられることで、トナー表面から離型剤がしみ出して加熱ローラ表面を覆うことで、ホットオフセットの発生を防止して、紙づまりをなくし、光沢のある高品質の画像を得ることができる。このように、ここで用いられるトナーによって定着性を向上させることができる。また、軟化点が低く、柔らかい離型剤がトナー表面に露出していないことから、離型剤が磁性キャリアに移行し、トナーとの帯電性を阻害することを防止して現像剤の寿命を延ばすことができる。ただし、トナー表面に離型剤が露出していないことから、従来のトナーに比べて像担持体1の摩擦係数が高くなりやすい。そのために、表面の摩擦係数の低い像担持体1と組み合わせることが好ましい
【0059】
さらに、現像されたトナー表面から像担持体1に移行することも防ぐことができるので、像担持体1へのフィルミングを防止することができる。このために、離型剤がトナー表面から1μm以上の内部に存在する場合は、定着装置における熱と圧力でもトナー表面にしみ出しにくく、定着性を向上させる効果が少ない。さらに、離型剤がトナー表面から1μm以下の内部に存在する場合であっても、存在する割合が5%未満では、定着性を向上させる効果が少なく、40%を越えると、トナー表面に強度が低下し、磁性キャリアとの混合時にトナー表面が割れて、離型剤がトナー表面に露出することがある。
【0060】
また、トナー表面が硬くなることで、添加剤の埋め込みが少なくなるが、添加剤がトナー表面から遊離しやすくなり、像担持体1表面に埋め込まれたり又は強く付着する。この付着した添加剤が起点となって、トナーを構成する材料が付着し成長して、像担持体1上に黒点が発生し、記録媒体上の画像ではネガ−ポジ現像で黒点、ポジ−ポジ現像では白抜け等の画像欠陥を形成する。したがって、本発明では、像担持体1表面に潤滑剤を塗布して、像担持体1表面の静止摩擦係数μを、0.1≦μ≦0.4にすることで、残留トナー又は添加剤と像担持体1との非静電的付着力を低下させて、添加剤等のクリーニングによる除去を容易にすることができる。静止摩擦係数μが、0.1未満では、画像濃度が低下する。また、静止摩擦係数μが、0.4を越えるとトナー又は添加剤が像担持体1表面を滑りにくくなり、クリーニングブレード9A等で、それらをせきとめにくくなる。
【0061】
また、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーは、トナー表面に存在する荷電制御剤とトナー全体に存在する荷電制御剤との重量比が100〜1,000である。トナーの母体粒子に荷電制御剤を混合・攪拌してトナー表面に存在させることができる。これも、XPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。荷電制御剤としては、トナーの帯電極性と同一の極性を有する荷電制御剤を用いることが好ましい。これにより、トナーの母体粒子の帯電性と添加剤の帯電性を同じにすることで、トナーの帯電立ち上がりが速くし、帯電量分布を狭くすることができる。これにより、画像形成装置においてトナー補給時のかぶり等を減少させて高品位の画像を得ることができる。
【0062】
ここで用いるトナーは、トナー表面が樹脂微粒子によりトナー表面の10〜90%を被覆するものである。樹脂微粒子は、特に限定されず種々の樹脂が用いられる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等からなるスチレン樹脂、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等からなるアクリル樹脂、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体であるスチレン・アクリル樹脂、ジメチルアミノメタクリレート、ジエチルアミノメタクリレート等を含有する含窒素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂等が挙げられる。これらの樹脂粒子を得るための手段としては、単量体を使用して乳化重合、懸濁重合等の重合反応によって合成する方法、樹脂自体を熱等によって熔融し噴霧し微粒子化する方法等が挙げられる。これらの中で、とくに、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂が好ましい。樹脂微粒子の平均粒径は、3〜10μmであることが好ましい。平均粒径が10μmを越えると、トナー表面の凹凸が大きくなり好ましくなく、3μm未満ではクリーニング性が低下する。
トナー表面の樹脂微粒子による被覆率が10%未満では、転写率が低下し、また、クリーニング性が低下する。被覆率が80%を越えると、磁性キャリアとの接触できる面積が減少するために帯電量の制御が困難である。従って、被覆率を10〜80%にすることで、非静電的付着力を低減することができ、転写率が高く、かつ、帯電立ち上がりが速く、帯電量分布のシャープなトナーを得ることができる。
【0063】
このトナーの体積平均粒径は、3〜10μmの範囲が好ましい。粒径が小さいほど、細線の再現性が高くなり、高品位な画質を得ることができる。3μm未満では液滴の形成が困難であり、10μmを越えると乾式粉砕法によるトナーの方が低コストになる。また、粒径分布は、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0064】
また、トナーの球形度を比較的高くすることが可能である。ここで球形度を投影された像の円形度をSRとすると、円形度≧0.97とする事が可能である。ここで定義:SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%とし、トナーが真球に近いほど100%に近い値となる。球形トナーとは、このSRの値が0.9以上のトナーを意味する。従来の画像形成装置において、このようなトナーを使用するとクリーニングブレード9A等のクリーニング部材の当接で十分掻き取れない場合が発生する。これはトナー表面と像担持体1との距離がミクロ的に短くなることによる、非静電的付着力の増加に起因する。この場合、対策としてはより強い力でクリーニング部材を像担持体1に当接させる事が考えられるが、像担持体1の回転もしくは移動精度に影響を与え、バンディングの原因となる。これに対し、本例の像担持体1表面には、前述のように潤滑剤が塗布され、像担持体1表面のトナーとの摩擦係数を低減させることで、転写時に残留したトナーをクリーニング部材で容易に掻き取ることが可能となる。またこのトナーには離型剤も含有されていて表面に出ているが、潤滑剤が像担持体1表面を被覆しているので、トナーが直接像担持体1表面に接触する確率が低減して離型剤の感光体へのフィルミングを防止することが可能である。また像担持体1も摩擦係数を0.1以上とすることで、トナー間の付着力が低すぎることもないので濃度低下を起こすことなくなく均一な画像が得られる。
【0065】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜140の範囲にあることが好ましい。
図6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2と説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(3)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(3)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0066】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(4)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(4)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は像担持体1との接触が点接触になるためにトナーの流動性が高くなり、お互いの吸着力が低下してし、流動性が良くなり、また、転写率が高くなる。一方、不定形化度が大きくなると、電界に沿ってトナーが現像・転写等の移動が困難で、チリ、ニジミ等の画像劣化の原因となる。したがって、トナーの形状係数SF−1とSF−2は100であって、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は140を越えない方が好ましい。
【0067】
なお、磁性キャリアに用いる磁性材料は、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に像担持体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。磁性材料としては、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高く好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0068】
また、本発明の画像形成装置には、粉砕系の乾式トナーを用いることができる。
当該実施例の画像形成装置に使用されるトナーは、離型剤を含有する乾式トナーであり、かかるトナーによって前述のように静電潜像をトナー像として可視像化する。離型剤含有トナーのより具体的な例を説明する。
このトナーTに用いられる樹脂はポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等のバインダー樹脂等が使用できる。また、このトナーは、着色剤や、必要に応じて、帯電制御剤、添加剤等を加えることも可能である。これらの材料については、上述したので省略する。
【0069】
図7は、本発明の粉砕系の乾式トナーを模式的に示す説明図である。図中の最小径の円は離型剤を示し、最大径の円は帯電制御剤(CCA)を示し、中位の径の円は着色剤を示しており、余白は樹脂である。
上述の如き離型剤含有トナーを用いた従来の画像形成装置においては、プロセスを繰り返すうちに特に離型剤が像坦持体表面に付着してフィルミングの核となる。それに微粉トナーが付着して部材等の摺擦で像坦持体表面に融着してしまうものである。これに対し、本例の画像形成装置では、前述のように、像坦持体表面に潤滑剤が付着しているので、付着しようとする物質との摩擦係数が小さくなり、特にクリーニング工程でのトナーの剥離が確実に行える。また、像坦持体表面に潤滑剤が被覆している状態なので、トナー中の離型剤、バインダー樹脂等が像坦持体表面に直接接触する確率が極めて少なくなるのでフィルミングを防止する事ができる。像担持体1の摩擦係数を下げる事により本来像担持体1への付着に不必要な地汚れトナーを除去できる。トナーと像担持体1との間の付着力を低減して像担持体1表面へのフィルミングを防止するのである。また像担持体1の表面を保護できるので、寿命を延ばす事も可能である。
【0070】
従来の像坦持体表面への潤滑剤の塗布無と比較して本実施例ではプリント枚数200,000枚でも問題なくプリントする事ができた。ちなみに従来例では150,000枚で像坦持体表面にフィルミングが発生して現像能力が低下して低濃度の状態が起こった。
【0071】
トナーTの体積平均粒径の範囲は3〜12μmが好適であるが、3〜10μmが好ましく、さらに、3〜8μmが一層好ましい。これにより、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応する事が可能である。
また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることがよい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0072】
図8は、中間転写体を有する画像形成装置を示す概略図である。ドラム状の感光体として構成された像担持体1は、図8における反時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置2によって像担持体1表面が一様に帯電され、その帯電面に図示していない露光装置からの光L、例えばレーザ光が照射されて、その表面に所定の静電潜像が形成される。現像装置3は、4個のカラー現像器(不図示)を有すると共に、これらをユニット化したものとなっていて、各現像器が選択的に作動することにより、像担持体1表面に順次作像される静電潜像が、異なる色のトナー像としてそれぞれ可視像化される。像担持体1には、複数のローラに巻き掛けられたベルトより成る中間転写体5Aが転写ローラ5B部分で接している。この中間転写体5Aは図示矢印方向に回転駆動される。中間転写体5Aは像担持体1と同期して等速で回転し、このとき像担持体1上の、異なる色の各トナー像が、転写部32において、中間転写体5Aの同一位置に順次重ね合わせて転写され、4色のトナー像が中間転写体5A上に重ね合わされる。像担持体1に順次形成される各トナー像を中間転写体5Aに転写し終えるごとに、像担持体1上に残留するトナーは、クリーニング装置9によって像担持体1から除去され、次いで像担持体1表面は除電ランプ10によって除電作用を受ける。
【0073】
中間転写体5A上に転写されたトナー像は、転写装置33によって、記録媒体Pに転写される。その記録媒体Pは定着装置6の定着ローラ6Aと加圧ローラ6Bの間を通り、このとき熱と圧力の作用でトナー像が中間転写体5A上に定着される。トナー像転写後に中間転写体5A上に付着するトナーは、クリーニング装置34によって除去される。
上述のように、本例の画像形成装置は、像担持体1に形成されたトナー像を中間転写体5Aを介して記録媒体Pに転写するように構成されているが、この画像形成装置においても、離型剤を含有する乾式トナー、乾式球形トナー、変性されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナー、或いは離型剤と、変性されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーを用いてトナー像が形成される。その際、中間転写体5Aには中間転写体クリーニング装置10のクリーニング部材に当接してストレスを受け、それに応じて中間転写体5A上のトナーも影響を受けるので、従来のこの種の画像形成装置においては、従来、像担持体1に生じていた問題と同様に問題が中間転写体5Aにも発生した。
【0074】
そこで、図8に示した画像形成装置においては、中間転写体5Aにも、潤滑剤を塗布してその表面の摩擦係数μsを0.1≦μs≦0.4とし、中間転写体5Aとこれに当接する部材との摩擦係数を下げ、上記問題の発生を阻止している。具体的には、図8に示すように、ブラシローラ16Bを潤滑剤ブロック16Aと中間転写体5Aの表面にそれぞれ接触させ、潤滑剤ブロック16Aから削り取った潤滑剤を中間転写体5Aの表面に塗布する。この場合も、潤滑剤ブロック16Aを直に中間転写体5Aに当接させて、潤滑剤を塗布してもよい。このような潤滑剤塗布装置17を、中間転写体5Aと像担持体1の両方に当接させて、その両者に潤滑剤を塗布するように構成することもできるし、像担持体1に潤滑剤を塗布する潤滑剤ブロック16Aとブラシローラ16Bにより、像担持体1上に潤滑剤を塗布し、その潤滑剤を中間転写体5Aに移行させて中間転写体5A上に潤滑剤を塗布するようにしてもよい。この場合には、中間転写体5Aに当接する潤滑剤塗布装置17は不要である。中間転写体5Aの表面の摩擦係数μsを0.1〜0.4の範囲にする事によって、トナーが付着しても潤滑剤の存在でクリーニング性及び対フィルミングに対して有効に作用して、経時的に約250,000枚のプリントでも像担持体1同様、中間転写体5Aの表面は変化が無く、均一な画像が得られていた。比較例として像担持体1、中間転写体5A共に潤滑剤を塗布しなかったものは、約180,000枚のプリントで画像濃度低下を来したのと中間転写体5A上のフィルミングで残像が顕著に発生した。中間転写体5A表面の摩擦係数μsも、図3及び図4に示したオイラーベルト方式で測定した値である。
なお、ブラシローラ14Bは、転写ローラ5C及び中間転写体クリーニング装置10と同様に、中間転写体5A上のトナー像がこれらを通過するときは、中間転写体5Aの表面から離間する。
【0075】
ところで、図2に示した現像装置3の現像ローラ3Bに対して現像時に直流電圧のみを印加するように構成することもできるが、当該現像ローラ3Bに対し、現像時に、その現像バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアスを印加することもできる。これにより、現像ローラ3Bと像担持体1との間の現像領域において、向きが交互に変化する交互電界が形成され、この電界中でトナーと磁性粒子、すなわちキャリアが激しく振動し、トナーが現像ローラ3Bとキャリアへの静電拘束力を振り切って像担持体1に飛翔し、静電潜像に付着する。交番電界を形成して、静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置3を用いるのである。
【0076】
現像ローラ3Bへの振動バイアスの印加により、像担持体1と現像ローラ3Bとの間でトナーが往復運動し、電界のバランスで最終的に像担持体1に付着するが、高帯電のトナーが存在しても現像され難く、像担持体1に対するトナーの付着力は比較的低く均一になり、しかも像担持体1表面には潤滑剤が塗布されているので、ここで記載したトナーを用いても、クリーニングが容易に行われ、これによりフィルミングが発生する可能性を低減し、経時的に安定した画像形成が行われる。具体的には、像担持体1表面にステアリン酸亜鉛を塗布してその表面の摩擦係数を0.1≦摩擦係数μ≦0.4とすることにより、前述の各トナーを用いても、従来の欠点の発生を阻止できる。
【0077】
振動バイアス電圧のピーク間電圧は、0.5〜5KVが好ましく、周波数は1〜10KHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが像担持体1に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが像担持体1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが像担持体1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
上述した構成は、図8に示した実施例の画像形成装置にも適用できることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置では、感光体又は中間転写体の表面の静止摩擦係数を0.1〜0.4に規定することで、小粒径で、球形の湿式重合法トナーが像担持体等との非静電的付着力を低減させ、像担持体への離型剤のフィルミングが無く、高品質な画像を得ることができる。
また、離型剤がトナー内部にあり、N原子を含有するプレポリマーを含むことでトナー表面が硬い湿式重合法トナーで、像担持体への離型剤のフィルミングが無く、画像欠陥のない画像を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置では、溶融混錬し、乾式粉砕される乾式粉砕法にトナーで、離型剤がトナー表面に露出し、キャリア又は像担持体に移行しやすい場合であっても、感光体又は中間転写体の表面の静止摩擦係数を0.1〜0.4に規定することで、画像欠陥のない画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】現像装置の拡大断面図である。
【図3】オイラーベルト方式を説明する図である。
【図4】図3の矢印IV方向に像担持体と紙を見た図である。
【図5】トナーの断面図である。
【図6】形状係数を説明する図である。
【図7】トナー粒子の模式拡大図である。
【図8】画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 像担持体
2 帯電装置
3 現像装置
3A 現像ケース
3B現像ローラ
3C 磁石
3D ドクタ
5 転写装置
5A 中間転写体
5B 転写ローラ
5C 転写ローラ
6 定着装置
6A 定着ローラ
6B 加圧ローラ
9 クリーニング装置
9A クリーニングブレード
10 中間転写体クリーニング装置
11 除電ランプ
14、16 塗布装置
14A、16A 潤滑剤ブロック
14B、16B ブラシローラ
20、21 紙
23 デジタルプッシュブルゲージ
24 上質紙
25 分銅
C キャリア
D 現像剤
L 光
P 記録媒体
T トナー
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を、トナーによってトナー像として可視像化し、該トナー像を直接、又は中間転写体を介して記録媒体に転写し、該記録媒体に転写されたトナー像を当該記録媒体に定着する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備える複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は、従来より周知である。かかる画像形成装置において、ワックスなどの離型剤を含有しないトナーは、一般に使用されているが、かかるトナーを用いた場合像担持体の表面へのフィルミングは発生し難いものの、記録媒体上のトナー像を定着する定着装置の定着部材にオイルを塗布して定着部材とトナーとの離型性を高めなければならない。オイルの使用は、定着装置の設置スペースの増大と、そのコストアップをもたらす。そこで、離型剤を含有するトナー、例えば離型剤含有の粉砕トナーを用い、定着部材へのオイルの塗布を行わない所謂オイルレス定着方式を採用することも公知である。
ところが、かかるトナーは、含有された離型剤がトナー粒子の表面に存在することもあるため、像担持体表面の摩擦係数が高いとその離型剤が像担持体表面に付着してその表面に離型剤のフィルミングが発生し、画像品質を低下させる。また、像担持体の摩擦係数を低くしすぎると、地汚れなどの副作用は低減するが、トナーと像担持体との付着力が低減するため、画像濃度が低下する。
【0003】
また、高解像度に代表される高画質化の必要性から、トナーの小粒径化、均一分布を狙った球形トナーが提案されている。ところが、像担持体表面の摩擦係数が高いと、球形トナーを用いたプロセスでは、トナーと像担持体との非静電的付着力とあいまって、トナー像転写工程後の像担持体表面のクリーニングの余裕度が低減し、クリーニング不良に起因する像担持体表面へのフィルミングが発生して画像品質が低下する。これは、トナー粒子が球形に近くなるほど発生しやすくなる。逆に、像担持体表面の摩擦係数が低くなりすぎると、画像濃度が低下し、この場合も画像品質の低下を招く。
また、最近は、トナーの小粒径化、均一分布を狙った球形トナーとして、溶媒中でバインダーとなるポリマーを含む液滴を形成し、重合させる湿式重合トナーが提案されている。湿式重合法には、懸濁重合法、乳化重合法、粒子を形成後凝集させる方法等が提案されている。これらの湿式重合法トナーに離型剤を含有させる場合は、離型剤を前述の溶媒中で液滴を形成してポリマーの液滴に含有させるために、離型剤がトナーの中心部に存在することが多く、定着における離型剤の効果が発揮されにくい。また、流動性を付与するために、小粒径であることからトナーにシリカ又はチタニア等の添加剤の添加量が多くなり、トナー表面から脱離する添加剤量が多くなる。この脱離した添加剤は像担持体に付着し、この添加剤を基点としてトナーの結着樹脂、離型剤のフィルミングを促進し、画像品質を低下させる。
【0004】
さらに、変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーや、離型剤と、変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーを使用する画像形成装置も公知であるが、かかるトナーを用いた場合も、像担持体表面の摩擦係数が高くなると、その表面へのフィルミングが発生しやすくなり、逆に像担持体表面の摩擦係数が低くなりすぎると、画像濃度が低下する。
また、溶融・混練し、エアー中で乾式粉砕された後に、球形化処理される乾式粉砕法トナーが知られている。特に、これらは加熱された気流中に噴霧処理されて球形化された場合に、トナーが離型剤を含有する場合にはトナーの結着樹脂より融点及び軟化点の低い離型剤が、溶融してトナー表面に露出することが多い。これにより、上述したように、像担持体又は中間転写体に離型剤がフィルミングし、画像品質を低下させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の如き溶融混錬し乾式で粉砕する粉砕系乾式トナー、溶媒中で液滴を形成し重合される重合系乾式トナーのいずれを用いた場合にも、像担持体又は中間転写体に離型剤のフィルミングが発生し難く、高品質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
とくに、小粒径で、球形のトナーを用いる画像形成装置により、細線再現性が高く、ベタ画像における粒状性の少ない高品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、潜像を形成する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と を備える画像形成装置であって、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体に転写した後に記録媒体に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、トナーが離型剤を含有するものであって、トナー表面に離型剤が露出していないトナーを用い、像担持体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4にする画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、さらに、ポリエステル、N(窒素)原子を含むプレポリマー、着色剤を含むトナー材料を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ液滴を形成し、重付加反応させるものである請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、トナー表面から1μmまでの領域における離型剤の占める面積の割合が5〜40%である請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナー表面がトナー内部より硬い請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、トナー表面とトナー内部とでN原子の濃度分布があり、トナー表面がトナー内部よりN原子濃度が高い請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤を有し、かつ、該荷電制御剤がトナー内部よりトナー表面に多く存在する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤以外の成分に存在せず荷電制御剤にのみ存在するH(水素)、C(炭素)、O(酸素)及び希ガス元素を除く長周期型周期律表における第5周期までの一元素に対して、トナー表面に存在する元素量M(wt%)と同じ元素であってトナー全体に存在する元素量T(wt%)との比(M/T)が100〜1,000である請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、樹脂微粒子がトナー表面の10〜90%を被覆している請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記画像形成装置は、前記樹脂微粒子が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂であって、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃である請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記画像形成装置は、トナーが、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.40である請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、平均円形度0.96〜1.00であり、かつ 円形度0.96未満のトナー含有量が30wt%以下である請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、形状係数SF−1で100〜180であり、かつ 形状係数SF−2で100〜140である請求項11に記載の画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、前記画像形成装置は、そのトナーが、シリカ及び/又はチタニアが添加されている請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項14に記載の発明は、前記画像形成装置は、中間転写体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを、0.1≦μ≦0.4にする請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項15に記載の発明は、前記画像形成装置は、潤滑剤を塗布する塗布装置を備える請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項16に記載の発明は、前記画像形成装置は、像担持体と現像装置との間で、交番電界を形成して潜像を可視像化する現像装置を用いる請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。先ず、画像形成装置の基本構成から明らかにする。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、ドラム状の感光体として構成された像担持体1を有し、ここに示した像担持体1は、アルミニウムなどの素管に感光性を有する有機感光体を塗布し、感光層を形成し、たものとなっている。かかる像担持体1は、図1における時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置2によって表面を一様に帯電され、その帯電面に対して、図示していない露光装置からの光L、例えば光変調されレーザ光が照射され、像担持体1表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置3を通るときトナーによってトナー像として可視像化される。この現像装置3の現像ケース3Aには、乾式の現像剤Dが収容され、この現像剤Dにより静電潜像が現像される。静電潜像が乾式トナーによってトナー像として可視像化されるのである。
【0011】
上述のトナー像は、像担持体1と転写装置5との間に送り込まれた転写紙などから記録媒体Pに転写され、トナー像を転写された記録媒体Pは、定着装置6の加熱された加熱ローラ6Aよりなる定着部材と、加圧ローラ6Bとの間を通り、このとき熱と圧力との作用によりトナー像が記録媒体上に定着される。
トナー像転写後の像担持体1表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置のクリーニングブレード9Aによって掻き取り除去される。このようにクリーニングされた像担持体1表面は、除電ランプからの光を照射されて、その表面電位が初期化される。
上述した例では、像担持体1上のトナー像を記録媒体に直に転写したが、後述する例のように、像担持体1上のトナー像を一旦、中間転写体上に転写し、そのトナー像を記録媒体に転写し、そのトナー像を定着するように構成することもできる。このように、像担持体1に静電潜像を形成し、この静電潜像を乾式トナーによってトナー像として可視像化し、該トナー像を直接、又は中間転写体を介して記録媒体に転写し、その記録媒体に転写されたトナー像を当該記録媒体に定着するものである。
【0012】
図2は現像装置3の拡大説明図であり、ここに示した現像装置3は、前述のように現像ケースに現像剤が収納され、ここで図2に模式的に拡大して示すように、トナーと磁性粒子(キャリア)とを混合してなる乾式の二成分系現像剤が使用されているが、キャリアを有さない乾式の一成分系現像剤を用いることができる。
磁性粒子Cは金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は20〜50μmの範囲が良好である。また抵抗はダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。但し測定方法は磁石を内包したローラ(φ20mm;600RPM)に磁性粒子を担持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで対向させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400V、鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0013】
現像装置3は図2における反時計方向に回転駆動される非磁性スリーブより成る現像ローラ3Bを有し、その内部に磁石3Cが固定配置されている。現像ローラ3Bを向いた側の各磁石3Cの磁極をN1,S1,N2,S2,S3として示してある。現像剤Dは撹拌されることにより、そのトナーTと磁性粒子Cが互いに逆極性に摩擦帯電され、トナーTの帯電量は、例えば−10〜−30(μc/g)である。現像ローラ3Bに担持されて搬送される現像剤Dは磁気ブラシを形成し、ドクタ3Dによってその搬送量が規制され、現像ローラ3Bと像担持体1との間に運ばれた現像剤中のトナーが静電潜像に静電的に移行して、その潜像が可視像化される。図2に例示した現像ローラ3Bは、その直径をφ18mmとし、表面はサンドブラストもしくは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜20μmRZの範囲に入るようにあらしている。また、ドクタ3Dと現像ローラ3Bの間の最近接部に於ける間隔は500μmに設定され、ドクタ3Dに対向した磁石3Cの磁極N1はドクタ3Dよりも現像ローラ3Bの回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、現像剤Dのドクタ3Dから戻るような循環流を容易に形成することが出来る。
【0014】
現像ローラ3B上の現像剤DのうちのトナーTは現像ローラ3Bに印加された現像バイアスの下に、静電潜像に移行する。ちなみに本例では像担持体1の線速は200mm/s、現像ローラ3Bの線速は240mm/sとしている。像担持体1の直径を50mm、現像ローラ3Bの直径を18mmとして、現像行程が行われる。像担持体1と現像ローラ3Bの間隙である現像ギャップは0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、その値を小さくする事で現像効率の向上を図る事が可能である。感光層の厚みを30μmとし、露光装置のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。像担持体1の帯電(露光前)電位を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470V、すなわち現像ポテンシャル350Vとして反転現像が行われる。
【0015】
ここで、本例の画像形成装置は、従来の欠点を除去すべく、像担持体1表面に潤滑剤を塗布してその表面の摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4に設定するように構成されている。以下、これに関する構成を説明する。
像担持体1の適所、図1に示した例では、像担持体1の表面移動方向に関し、クリーニング装置9よりも下流側であって、除電ランプ10よりも上流側の位置に、像担持体1表面に接触し、かつスティック状となった固形状の潤滑剤ブロック16Aにも接触したブラシローラ16Bを有する塗布装置16が設けられている。このブラシローラ16Bが回転することにより、潤滑剤ブロック16Aから潤滑剤が削り取られ、その潤滑剤が像担持体1の有機感光材料の表面に塗布される。このようにして、像担持体1表面の摩擦係数が上述した範囲の値に保たれる。潤滑剤ブロック16Aを直に像担持体1表面に当接させて潤滑剤を塗布してもよく、また、潤滑剤を常時、像担持体1に供給してもよいが、一定枚数おきに供給するようにしてもよい。さらに、中間転写体5Aを有する画像形成装置の場合には、その中間転写体5Aに潤滑剤を塗布し、これを像担持体1表面に移行させて、像担持体1表面に潤滑剤を塗布するように構成してもよい。
【0016】
潤滑剤としては、シリコーン樹脂、ポリ−4フッ化エチレン及びポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂からなる有機粒子、二硫化モリブデン等の硫化物、窒化ホウ素等の硼化物、フッ化黒鉛等のグラファイト、ステアリン酸及びパルチミン酸等の脂肪酸金属塩、シリコーンオイル、ワックス等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
【0017】
ここで、摩擦係数μは、オイラーベルト方式によるものであり、当該摩擦係数は下記測定方式で算出する。図3及び図4に示すように、測定用の感光体より成るドラムの像担持体1を台座に固定して、幅が30mm、長さが例えば297mmにカットした厚み89μmの上質紙〔(株)リコー製TYPE6200ペーパー、A4T目〕24を像担持体1の周面に90°の角度に亘って巻き掛け、紙端部の一方に重量の無視できる糸20を介して0.98N(100g重)の分銅25を取り付け、もう一方の片端に重量を無視できる糸21を介して重量測定用のデジタルプッシュプルゲージ23を取り付ける。台上に載せたデジタルプッシュプルゲージ25を矢印A方向にゆっくり引き、紙24が像担持体1上を滑って移動を開始した時の重量F(N)を読みとり、次の式で摩擦係数を計算する。
μ=[ln(F/W)]/(π/2)
(ただし、μ:静止摩擦係数、F:読みとり荷重(N)、W:分銅の重さ(N))
上記紙24のその他の特性は、秤量71.7g/m2、密度0.81g/cm3、平滑度:表40s、裏37s、体積抵抗率1.2×1011Ω・cmである。像担持体1表面に潤滑剤等を塗布しない、未処理の場合の像担持体1に於ける上記方法による測定値は、0.5〜0.6であり、経時で増加する傾向にある。これに対して潤滑剤を塗布した像担持体1の測定を行うとその値は0.1〜0.4の範囲であった。
【0018】
像担持体1の摩擦係数の範囲がμ≧0.1であるのでμ<0.1の場合の弊害を述べると、μ<0.1の範囲では現像ローラ3Bのスキャベンジ能力が高まって像担持体1と現像ローラ3Bの間のトナー7が十分に像担持体1に移行させずに、低濃度の画像となるために品質が著しく劣化する。これに対し、本実施例のように像担持体1の摩擦係数を定めることにより、当初より像担持体1とトナー間の付着力が高いので濃度低下を来す事なく均一な画像が得られる。また、μ>0.4では像担持体1地肌部の地汚れが出易くなり、その防止手段として現像ローラ3Bの像担持体1に対する当接圧を増やすとか回転線速比を増やす事が有効であるが、バンディング等の異常画像が発生しやすくなる。
【0019】
次に、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーについて説明する。トナーは、ポリエステル、プレポリマーが変性されたN(窒素)原子を含むポリエステル、着色剤、離型剤を含有してなる母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を添加してなるトナーであって、トナー表面がトナー内部より硬いトナーを用いる。以下に、本発明の画像形成装置に用いるトナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0020】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0021】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0022】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録媒体への定着時、記録媒体とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
【0023】
(ウレア変性ポリエステル)
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との重付加反応により分子鎖が伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0024】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
【0025】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0026】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0027】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0028】
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
【0029】
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長反応には、必要により伸長停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0030】
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0031】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0032】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用できる。
例えば、黒色顔料としては、黒色系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。
黄色系着色剤としては、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R),ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。
【0033】
赤色系着色剤としては、例えば、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッド(F5R、FBB)、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パ−マネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が挙げられる。
青色系着色剤としては、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が挙げられる。
【0034】
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0035】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えば、負極性のトリフェニルメタン系染料、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、正極性のニグロシン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)燐の単体または化合物等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0036】
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、これらは、それぞれ単独あるいは2種類以上組合わせて用いることも可能である。好ましくは、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラ3Bとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0037】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。さらに、この時の離型剤の融点が80〜125℃であることが特に好ましい。融点を80℃以上にすることにより耐久性が優れたトナーとすることができ、又、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜15wt%、好ましくは、2〜10wt%である。1wt%以下では定着装置の定着ローラにトナーが付着するオフセットの防止効果が不十分であり、15wt%以上では転写性、耐久性等が低下する。
【0038】
このような離型剤としてのワックス類は、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることが出来るが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用する事により良好な離型性を得る事ができる。ここで、カルナウバワックスとしては、微結晶であり、酸価が5以下であり、結着樹脂中に分散した時の粒子径が1μm以下であるものが特に好ましい。又、モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であるものが特に好ましい。又、酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価が10〜30であるものが特に好ましい。
【0039】
(添加剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための添加剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。添加剤の添加量が、0.5wt%未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。また1.8wt%より多いと、流動性は向上するものの、クリーニングブレード9Aのビビリ、ブレードめくれ等の像担持体1のクリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による像担持体1等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレード9Aや像担持体1等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。さらに、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
【0040】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
【0041】
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0042】
さらに、添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されていることが好ましい。ここで、表面処理に用いる処理剤としては、有機系チタン化合物、有機系アルミニウム化合物等があるが、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。又、処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、いずれの方法も好適に用いることができる。
【0043】
次に、溶媒中の湿式重合法によるトナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、N原子を含むものとしてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0044】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
【0045】
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0046】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0047】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0048】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0049】
また、三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0050】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0051】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との重付加反応を行わせる。この反応は、分子鎖の伸長を伴うため伸長反応とも呼ぶ。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0052】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0053】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0054】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0055】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。例えば、トナーと離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0056】
なお、ここでは、トナーに、顔料とともに又は顔料の代わりに磁性体を含有させて、磁性トナーとしても使用することも出来る。具体的な磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して20〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対して40〜150重量部である。
【0057】
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
特に、本発明の画像形成装置に用いるトナーは、トナー表面がトナー内部より硬くする。これは、液滴の界面で反応させることで、トナー表面が最も難くすることができ、トナー内部に反応が進んでいく。本発明に係る溶液内で重合する湿式重合トナーでは、傾斜構造を持たせることが容易にできるが、溶融混錬した後に乾式粉砕するトナーでは、トナーの硬さを傾斜させることは困難である。
トナー全体の硬さの分布は含まれる構成元素を分析することで把握することができる。ウレタン結合したポリエステルは、Nを多く含む方が硬くなり、これをXPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。トナー表面を硬くすることで、長期間使用する場合であってもブロッキングすることを防止し、また、トナー粒子自体の流動性を良くすることで攪拌性・混合性を良くすることができる。さらに、トナー表面が硬いことは添加剤がトナー表面に埋め込まれにくくなることで、現像ケース3A内で長期間攪拌しても、トナーの流動性・帯電性が一定に保つことができる。また、トナー表面を硬くしてトナー内部にある離型剤がトナー表面にしみ出しにくくして、像担持体1へのフィルミングを防止することができる。さらに、トナー内部を柔らかくすることで、定着時における熱と圧力でトナー表面を破壊し、容易に変形させることで、離型剤を含むトナー内部を露出させ定着性を向上させることができる。
【0058】
また、このような湿式重合法では、さらに、離型剤をトナー表面に露出させずに、トナーの内側であってトナー表面近傍に優先的に分散させることができる。図5は、トナーの断面を表す模式図で、図5(a)はここで用いられる湿式重合トナーの断面を模式的に表した図であり、図5(b)は従来の湿式重合トナーの断面を模式的に表した図である。従来の湿式重合トナーでは、図5(b)に示すように、大きな粒径の離型剤がトナーの中心部にあるのに対して、ここで用いられるトナーは、図5(a)に示すように、小さい粒径の離型剤がトナー内部に分散し、かつ、トナー表面近傍に多く分散している。特に、トナー表面から1μm内部までの領域に、離型剤の占める面積率が5〜40%の範囲にあることが好ましい。これにより、記録媒体上のトナーは、定着装置により熱と圧力をかけられることで、トナー表面から離型剤がしみ出して加熱ローラ表面を覆うことで、ホットオフセットの発生を防止して、紙づまりをなくし、光沢のある高品質の画像を得ることができる。このように、ここで用いられるトナーによって定着性を向上させることができる。また、軟化点が低く、柔らかい離型剤がトナー表面に露出していないことから、離型剤が磁性キャリアに移行し、トナーとの帯電性を阻害することを防止して現像剤の寿命を延ばすことができる。ただし、トナー表面に離型剤が露出していないことから、従来のトナーに比べて像担持体1の摩擦係数が高くなりやすい。そのために、表面の摩擦係数の低い像担持体1と組み合わせることが好ましい
【0059】
さらに、現像されたトナー表面から像担持体1に移行することも防ぐことができるので、像担持体1へのフィルミングを防止することができる。このために、離型剤がトナー表面から1μm以上の内部に存在する場合は、定着装置における熱と圧力でもトナー表面にしみ出しにくく、定着性を向上させる効果が少ない。さらに、離型剤がトナー表面から1μm以下の内部に存在する場合であっても、存在する割合が5%未満では、定着性を向上させる効果が少なく、40%を越えると、トナー表面に強度が低下し、磁性キャリアとの混合時にトナー表面が割れて、離型剤がトナー表面に露出することがある。
【0060】
また、トナー表面が硬くなることで、添加剤の埋め込みが少なくなるが、添加剤がトナー表面から遊離しやすくなり、像担持体1表面に埋め込まれたり又は強く付着する。この付着した添加剤が起点となって、トナーを構成する材料が付着し成長して、像担持体1上に黒点が発生し、記録媒体上の画像ではネガ−ポジ現像で黒点、ポジ−ポジ現像では白抜け等の画像欠陥を形成する。したがって、本発明では、像担持体1表面に潤滑剤を塗布して、像担持体1表面の静止摩擦係数μを、0.1≦μ≦0.4にすることで、残留トナー又は添加剤と像担持体1との非静電的付着力を低下させて、添加剤等のクリーニングによる除去を容易にすることができる。静止摩擦係数μが、0.1未満では、画像濃度が低下する。また、静止摩擦係数μが、0.4を越えるとトナー又は添加剤が像担持体1表面を滑りにくくなり、クリーニングブレード9A等で、それらをせきとめにくくなる。
【0061】
また、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーは、トナー表面に存在する荷電制御剤とトナー全体に存在する荷電制御剤との重量比が100〜1,000である。トナーの母体粒子に荷電制御剤を混合・攪拌してトナー表面に存在させることができる。これも、XPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。荷電制御剤としては、トナーの帯電極性と同一の極性を有する荷電制御剤を用いることが好ましい。これにより、トナーの母体粒子の帯電性と添加剤の帯電性を同じにすることで、トナーの帯電立ち上がりが速くし、帯電量分布を狭くすることができる。これにより、画像形成装置においてトナー補給時のかぶり等を減少させて高品位の画像を得ることができる。
【0062】
ここで用いるトナーは、トナー表面が樹脂微粒子によりトナー表面の10〜90%を被覆するものである。樹脂微粒子は、特に限定されず種々の樹脂が用いられる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等からなるスチレン樹脂、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等からなるアクリル樹脂、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体であるスチレン・アクリル樹脂、ジメチルアミノメタクリレート、ジエチルアミノメタクリレート等を含有する含窒素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂等が挙げられる。これらの樹脂粒子を得るための手段としては、単量体を使用して乳化重合、懸濁重合等の重合反応によって合成する方法、樹脂自体を熱等によって熔融し噴霧し微粒子化する方法等が挙げられる。これらの中で、とくに、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂が好ましい。樹脂微粒子の平均粒径は、3〜10μmであることが好ましい。平均粒径が10μmを越えると、トナー表面の凹凸が大きくなり好ましくなく、3μm未満ではクリーニング性が低下する。
トナー表面の樹脂微粒子による被覆率が10%未満では、転写率が低下し、また、クリーニング性が低下する。被覆率が80%を越えると、磁性キャリアとの接触できる面積が減少するために帯電量の制御が困難である。従って、被覆率を10〜80%にすることで、非静電的付着力を低減することができ、転写率が高く、かつ、帯電立ち上がりが速く、帯電量分布のシャープなトナーを得ることができる。
【0063】
このトナーの体積平均粒径は、3〜10μmの範囲が好ましい。粒径が小さいほど、細線の再現性が高くなり、高品位な画質を得ることができる。3μm未満では液滴の形成が困難であり、10μmを越えると乾式粉砕法によるトナーの方が低コストになる。また、粒径分布は、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0064】
また、トナーの球形度を比較的高くすることが可能である。ここで球形度を投影された像の円形度をSRとすると、円形度≧0.97とする事が可能である。ここで定義:SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%とし、トナーが真球に近いほど100%に近い値となる。球形トナーとは、このSRの値が0.9以上のトナーを意味する。従来の画像形成装置において、このようなトナーを使用するとクリーニングブレード9A等のクリーニング部材の当接で十分掻き取れない場合が発生する。これはトナー表面と像担持体1との距離がミクロ的に短くなることによる、非静電的付着力の増加に起因する。この場合、対策としてはより強い力でクリーニング部材を像担持体1に当接させる事が考えられるが、像担持体1の回転もしくは移動精度に影響を与え、バンディングの原因となる。これに対し、本例の像担持体1表面には、前述のように潤滑剤が塗布され、像担持体1表面のトナーとの摩擦係数を低減させることで、転写時に残留したトナーをクリーニング部材で容易に掻き取ることが可能となる。またこのトナーには離型剤も含有されていて表面に出ているが、潤滑剤が像担持体1表面を被覆しているので、トナーが直接像担持体1表面に接触する確率が低減して離型剤の感光体へのフィルミングを防止することが可能である。また像担持体1も摩擦係数を0.1以上とすることで、トナー間の付着力が低すぎることもないので濃度低下を起こすことなくなく均一な画像が得られる。
【0065】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜140の範囲にあることが好ましい。
図6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2と説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(3)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(3)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0066】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(4)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(4)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は像担持体1との接触が点接触になるためにトナーの流動性が高くなり、お互いの吸着力が低下してし、流動性が良くなり、また、転写率が高くなる。一方、不定形化度が大きくなると、電界に沿ってトナーが現像・転写等の移動が困難で、チリ、ニジミ等の画像劣化の原因となる。したがって、トナーの形状係数SF−1とSF−2は100であって、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は140を越えない方が好ましい。
【0067】
なお、磁性キャリアに用いる磁性材料は、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に像担持体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。磁性材料としては、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高く好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0068】
また、本発明の画像形成装置には、粉砕系の乾式トナーを用いることができる。
当該実施例の画像形成装置に使用されるトナーは、離型剤を含有する乾式トナーであり、かかるトナーによって前述のように静電潜像をトナー像として可視像化する。離型剤含有トナーのより具体的な例を説明する。
このトナーTに用いられる樹脂はポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等のバインダー樹脂等が使用できる。また、このトナーは、着色剤や、必要に応じて、帯電制御剤、添加剤等を加えることも可能である。これらの材料については、上述したので省略する。
【0069】
図7は、本発明の粉砕系の乾式トナーを模式的に示す説明図である。図中の最小径の円は離型剤を示し、最大径の円は帯電制御剤(CCA)を示し、中位の径の円は着色剤を示しており、余白は樹脂である。
上述の如き離型剤含有トナーを用いた従来の画像形成装置においては、プロセスを繰り返すうちに特に離型剤が像坦持体表面に付着してフィルミングの核となる。それに微粉トナーが付着して部材等の摺擦で像坦持体表面に融着してしまうものである。これに対し、本例の画像形成装置では、前述のように、像坦持体表面に潤滑剤が付着しているので、付着しようとする物質との摩擦係数が小さくなり、特にクリーニング工程でのトナーの剥離が確実に行える。また、像坦持体表面に潤滑剤が被覆している状態なので、トナー中の離型剤、バインダー樹脂等が像坦持体表面に直接接触する確率が極めて少なくなるのでフィルミングを防止する事ができる。像担持体1の摩擦係数を下げる事により本来像担持体1への付着に不必要な地汚れトナーを除去できる。トナーと像担持体1との間の付着力を低減して像担持体1表面へのフィルミングを防止するのである。また像担持体1の表面を保護できるので、寿命を延ばす事も可能である。
【0070】
従来の像坦持体表面への潤滑剤の塗布無と比較して本実施例ではプリント枚数200,000枚でも問題なくプリントする事ができた。ちなみに従来例では150,000枚で像坦持体表面にフィルミングが発生して現像能力が低下して低濃度の状態が起こった。
【0071】
トナーTの体積平均粒径の範囲は3〜12μmが好適であるが、3〜10μmが好ましく、さらに、3〜8μmが一層好ましい。これにより、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応する事が可能である。
また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることがよい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0072】
図8は、中間転写体を有する画像形成装置を示す概略図である。ドラム状の感光体として構成された像担持体1は、図8における反時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置2によって像担持体1表面が一様に帯電され、その帯電面に図示していない露光装置からの光L、例えばレーザ光が照射されて、その表面に所定の静電潜像が形成される。現像装置3は、4個のカラー現像器(不図示)を有すると共に、これらをユニット化したものとなっていて、各現像器が選択的に作動することにより、像担持体1表面に順次作像される静電潜像が、異なる色のトナー像としてそれぞれ可視像化される。像担持体1には、複数のローラに巻き掛けられたベルトより成る中間転写体5Aが転写ローラ5B部分で接している。この中間転写体5Aは図示矢印方向に回転駆動される。中間転写体5Aは像担持体1と同期して等速で回転し、このとき像担持体1上の、異なる色の各トナー像が、転写部32において、中間転写体5Aの同一位置に順次重ね合わせて転写され、4色のトナー像が中間転写体5A上に重ね合わされる。像担持体1に順次形成される各トナー像を中間転写体5Aに転写し終えるごとに、像担持体1上に残留するトナーは、クリーニング装置9によって像担持体1から除去され、次いで像担持体1表面は除電ランプ10によって除電作用を受ける。
【0073】
中間転写体5A上に転写されたトナー像は、転写装置33によって、記録媒体Pに転写される。その記録媒体Pは定着装置6の定着ローラ6Aと加圧ローラ6Bの間を通り、このとき熱と圧力の作用でトナー像が中間転写体5A上に定着される。トナー像転写後に中間転写体5A上に付着するトナーは、クリーニング装置34によって除去される。
上述のように、本例の画像形成装置は、像担持体1に形成されたトナー像を中間転写体5Aを介して記録媒体Pに転写するように構成されているが、この画像形成装置においても、離型剤を含有する乾式トナー、乾式球形トナー、変性されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナー、或いは離型剤と、変性されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーを用いてトナー像が形成される。その際、中間転写体5Aには中間転写体クリーニング装置10のクリーニング部材に当接してストレスを受け、それに応じて中間転写体5A上のトナーも影響を受けるので、従来のこの種の画像形成装置においては、従来、像担持体1に生じていた問題と同様に問題が中間転写体5Aにも発生した。
【0074】
そこで、図8に示した画像形成装置においては、中間転写体5Aにも、潤滑剤を塗布してその表面の摩擦係数μsを0.1≦μs≦0.4とし、中間転写体5Aとこれに当接する部材との摩擦係数を下げ、上記問題の発生を阻止している。具体的には、図8に示すように、ブラシローラ16Bを潤滑剤ブロック16Aと中間転写体5Aの表面にそれぞれ接触させ、潤滑剤ブロック16Aから削り取った潤滑剤を中間転写体5Aの表面に塗布する。この場合も、潤滑剤ブロック16Aを直に中間転写体5Aに当接させて、潤滑剤を塗布してもよい。このような潤滑剤塗布装置17を、中間転写体5Aと像担持体1の両方に当接させて、その両者に潤滑剤を塗布するように構成することもできるし、像担持体1に潤滑剤を塗布する潤滑剤ブロック16Aとブラシローラ16Bにより、像担持体1上に潤滑剤を塗布し、その潤滑剤を中間転写体5Aに移行させて中間転写体5A上に潤滑剤を塗布するようにしてもよい。この場合には、中間転写体5Aに当接する潤滑剤塗布装置17は不要である。中間転写体5Aの表面の摩擦係数μsを0.1〜0.4の範囲にする事によって、トナーが付着しても潤滑剤の存在でクリーニング性及び対フィルミングに対して有効に作用して、経時的に約250,000枚のプリントでも像担持体1同様、中間転写体5Aの表面は変化が無く、均一な画像が得られていた。比較例として像担持体1、中間転写体5A共に潤滑剤を塗布しなかったものは、約180,000枚のプリントで画像濃度低下を来したのと中間転写体5A上のフィルミングで残像が顕著に発生した。中間転写体5A表面の摩擦係数μsも、図3及び図4に示したオイラーベルト方式で測定した値である。
なお、ブラシローラ14Bは、転写ローラ5C及び中間転写体クリーニング装置10と同様に、中間転写体5A上のトナー像がこれらを通過するときは、中間転写体5Aの表面から離間する。
【0075】
ところで、図2に示した現像装置3の現像ローラ3Bに対して現像時に直流電圧のみを印加するように構成することもできるが、当該現像ローラ3Bに対し、現像時に、その現像バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアスを印加することもできる。これにより、現像ローラ3Bと像担持体1との間の現像領域において、向きが交互に変化する交互電界が形成され、この電界中でトナーと磁性粒子、すなわちキャリアが激しく振動し、トナーが現像ローラ3Bとキャリアへの静電拘束力を振り切って像担持体1に飛翔し、静電潜像に付着する。交番電界を形成して、静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置3を用いるのである。
【0076】
現像ローラ3Bへの振動バイアスの印加により、像担持体1と現像ローラ3Bとの間でトナーが往復運動し、電界のバランスで最終的に像担持体1に付着するが、高帯電のトナーが存在しても現像され難く、像担持体1に対するトナーの付着力は比較的低く均一になり、しかも像担持体1表面には潤滑剤が塗布されているので、ここで記載したトナーを用いても、クリーニングが容易に行われ、これによりフィルミングが発生する可能性を低減し、経時的に安定した画像形成が行われる。具体的には、像担持体1表面にステアリン酸亜鉛を塗布してその表面の摩擦係数を0.1≦摩擦係数μ≦0.4とすることにより、前述の各トナーを用いても、従来の欠点の発生を阻止できる。
【0077】
振動バイアス電圧のピーク間電圧は、0.5〜5KVが好ましく、周波数は1〜10KHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが像担持体1に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが像担持体1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが像担持体1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
上述した構成は、図8に示した実施例の画像形成装置にも適用できることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置では、感光体又は中間転写体の表面の静止摩擦係数を0.1〜0.4に規定することで、小粒径で、球形の湿式重合法トナーが像担持体等との非静電的付着力を低減させ、像担持体への離型剤のフィルミングが無く、高品質な画像を得ることができる。
また、離型剤がトナー内部にあり、N原子を含有するプレポリマーを含むことでトナー表面が硬い湿式重合法トナーで、像担持体への離型剤のフィルミングが無く、画像欠陥のない画像を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置では、溶融混錬し、乾式粉砕される乾式粉砕法にトナーで、離型剤がトナー表面に露出し、キャリア又は像担持体に移行しやすい場合であっても、感光体又は中間転写体の表面の静止摩擦係数を0.1〜0.4に規定することで、画像欠陥のない画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】現像装置の拡大断面図である。
【図3】オイラーベルト方式を説明する図である。
【図4】図3の矢印IV方向に像担持体と紙を見た図である。
【図5】トナーの断面図である。
【図6】形状係数を説明する図である。
【図7】トナー粒子の模式拡大図である。
【図8】画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 像担持体
2 帯電装置
3 現像装置
3A 現像ケース
3B現像ローラ
3C 磁石
3D ドクタ
5 転写装置
5A 中間転写体
5B 転写ローラ
5C 転写ローラ
6 定着装置
6A 定着ローラ
6B 加圧ローラ
9 クリーニング装置
9A クリーニングブレード
10 中間転写体クリーニング装置
11 除電ランプ
14、16 塗布装置
14A、16A 潤滑剤ブロック
14B、16B ブラシローラ
20、21 紙
23 デジタルプッシュブルゲージ
24 上質紙
25 分銅
C キャリア
D 現像剤
L 光
P 記録媒体
T トナー
Claims (16)
- 潜像を形成する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置とを備える画像形成装置であって、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体に転写した後に記録媒体に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、トナーが離型剤を含有するものであって、トナー表面に離型剤が露出していないトナーを用い、
像担持体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを0.1≦μ≦0.4にする
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、さらに、ポリエステル、N(窒素)原子を含む官能基を有するポリエステルのプレポリマー、着色剤を含むトナー材料を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ液滴を形成し、重付加反応させるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、トナー表面から1μmまでの領域における離型剤の占める面積の割合が5〜40%である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナー表面がトナー内部より硬い
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、そのトナーが、トナー表面とトナー内部とでN原子の濃度分布があり、トナー表面がトナー内部よりN原子濃度が高い
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤を有し、かつ、該荷電制御剤がトナー内部よりトナー表面に多く存在する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、荷電制御剤以外の成分に存在せず荷電制御剤にのみ存在するH(水素)、C(炭素)、O(酸素)及び希ガス元素を除く長周期型周期律表における第5周期までの一元素に対して、トナー表面に存在する元素量M(wt%)と同じ元素であってトナー全体に存在する元素量T(wt%)との比(M/T)が100〜1,000である
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、樹脂微粒子がトナー表面の10〜90%を被覆している
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、前記樹脂微粒子が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂であって、
ガラス転移点(Tg)が50〜90℃である
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、トナーが、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40である
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、そのトナーが、平均円形度0.96〜1.00であり、かつ 円形度0.96未満のトナー含有量が30wt%以下である
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、そのトナーが、形状係数SF−1で100〜180であり、かつ 形状係数SF−2で100〜140である
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、そのトナーが、シリカ及び/又はチタニアが添加されている
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、中間転写体に潤滑剤を塗布及び/又は含有して、表面の静止摩擦係数μを、0.1≦μ≦0.4にする
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、潤滑剤を塗布する塗布装置を備えることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、像担持体と現像装置との間で、交番電界を形成して潜像を可視像化する現像装置を用いる
ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置。
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