JP2008191239A - 固形潤滑剤塗布装置とこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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宏明 高橋
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洋太 左近
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Abstract

【課題】潤滑剤の装着初期から経時まで塗布ムラ及び塗布不良なく安定して感光体への潤滑剤の塗布を可能とする固形潤滑剤塗布装置とこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】固形潤滑剤3と塗布ブラシ2を備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤3と感光体1に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、潤滑剤の新品時において塗布ブラシが当接する側から順に、先端層と基体層により一体構成され、かつ、先端層は基体層と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなる固形潤滑剤塗布装置とし、これを少なくとも、感光体と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置に搭載する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方法、静電記録方法などの転写型画像形成装置に配備される感光体に潤滑剤を塗布する固形潤滑剤塗布装置とこれを搭載した画像形成装置に関する。
従来、転写型の画像形成装置では、帯電器で一様に帯電した潜像担持体としての、例えば感光体上に、原稿画像の露光を行って潜像を形成した後、この潜像に現像装置でトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このトナー像を、転写装置で転写紙あるいは中間的な転写媒体に転写する。そして、転写後の感光体上に残留したトナーを、クリーニング装置によって感光体上から除去し、感光体を継続して繰り返し使用している。
クリーニング装置としては、クリーニングブレードとして板状のウレタンゴムを感光体に当接させるブレードクリーニング方式が主流となっている。
ところが、上記のクリーニングブレードは感光体との摺擦を続けると経時で磨耗しクリーニング性が低下する。 そこで、感光体とクリーニングブレードとの間に働く摩擦抵抗を低減して、クリーニングブレード、感光体の摩耗等の不具合を解消するために、感光体表面に潤滑剤を塗布するなどの手法がとられている。また、感光体表面に潤滑剤を塗布すると、感光体表面の摩擦係数が低下するため、トナーに外添される流動化剤や帯電制御剤等がクリーニングブレードとの当接圧で感光体表面に膜状に固着する、いわゆるフィルミングの発生を防止することができる。感光体上に現像されたトナーも感光体表面との付着力が低減することで、転写性が向上する。
また、最近では高画質化を図るためにトナーの小径化が進められている。トナーが小径化すると潜像のドット再現性が向上し、高精彩な画像が得られる。トナーの小径化は従来の粉砕法による作製が難しいため、重合法により作製される場合が多い。重合法により作製されるトナーは粉砕法のトナーに比べ、角が少なく、球形に近い。
しかし、小径でかつ、球形に近いトナーは従来の粉砕法のトナーに比べ、ブレードエッジ部の隙間にトナーが入り込みやすくなり、クリーニングを行うのが難しい。これらのトナーを使用した場合は、感光体表面に潤滑剤を塗布しないとクリーニング不良を発生する場合多く、潤滑剤を塗布するのが一般的である。つまり、小径、球形トナーを使用する場合は、感光体に潤滑剤を安定的に塗布することが重要となる。
感光体表面に潤滑剤を塗布する手段としては、例えば、脂肪酸金属塩等の潤滑剤を棒状に成型した固形潤滑剤を設置し、この固形潤滑剤と感光体の両方に当接するようにブラシローラを備えるものがある。この塗布手段によれば、ブラシローラが回転駆動することにより、固形潤滑剤がブラシローラの摺擦により削られて粉体となってブラシローラのブラシ繊維に付着し、そのブラシローラに付着した粉体状の潤滑剤が感光体の表面に塗布されるようになっている。
感光体表面に塗布される潤滑剤の量は、少な過ぎると、塗布ムラが生じ、十分に潤滑剤が塗布されていない部分にクリーニング不良が発生したり、クリーニングブレード等のクリーニング部材の摩耗が進行したりする。一方、潤滑剤の塗布量が多過ぎると、感光体表面と近接又は接触する帯電ローラの表面を汚染したり、高温高湿の環境下で潤滑剤が吸湿することにより、感光体表面に形成する静電潜像が流れ、画像ボケを発生させてしまう。
特に潤滑剤の新品時である初期段階とランニング後の経時で塗布量の変動があり、初期の塗布量が少ないことによって問題となる場合が多い。さらに、球形、小径のトナーを使用した場合はクリーニング不良や帯電ローラの汚れを引き起こし、異常画像となる。
固形潤滑剤が新品時は、ブラシローラのブラシと固形潤滑剤の接触面積が少ないこと、固形潤滑剤の表面にあるスキン層の存在などの要因により、経時に比べて潤滑剤の塗布量が少なくなると考えられる。初期の塗布量を多くするために、固形潤滑剤に押し当てるブラシの圧力を増化させる方法もあるが、圧力増化によって逆に経時の塗布量が過多になる問題がある。このような問題を回避し、初期と経時における固形潤滑剤の塗布量の変動を少なくする方法して、以下の手法が知られている。
例えば、固形潤滑剤を2層構造とし、ファーブラシの当接側の上層部が、下層部よりも削れ易くする(ブラシに当接する側の固形潤滑剤層は潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を使用し、反対側の潤滑剤層はエチレンビスステアリルアミドにする構成が記載されている。)手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、ブラシと接する側の固形潤滑剤層を、柔らかい材料の潤滑剤とすることで、削れやすくして初期の塗布不良を解消し、塗布量の変動を抑制している。
しかしながら、材質(物質)が異なる2種の潤滑剤を張り合わせた構成の固形潤滑剤であるために各層の物性が異なり、温湿度の変化によって接合部にヒビが入り剥離する場合があるため安定性に欠ける。
また、トナー担持体への接触面側がより柔らかく、その反対面側がより固い硬度分布を持つ固形離型剤を有する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。すなわち、硬度の異なる固形潤滑剤を張り合わせた2層タイプのものや、固形潤滑剤の硬度が表層から内側に向かって連続的に変化するタイプが記載されており、初期に削られる表層の部分が柔らかく、内側は硬い材料からなる固形潤滑剤が開示されている。
しかし、前記同様に、硬度の異なる2層を張り合わせたタイプは、やはり、物性が異なる2層を張り合わせているため、環境変動などによって2層の境界でひびが入り、剥離が起きやすい。また、硬度が連続的に変化する固形潤滑剤を再現よく作製することは極めて難しく、このような構成のものは現実的ではない。
なお先に、本出願人は、装着時における表面粗さを調整した(例えば、新品の固形潤滑剤表面をブラシで表面研摩処理する。)潤滑剤と、この潤滑剤を像担持体に塗布する塗布ローラとを備えた塗布装置に関して提案した(例えば、特許文献3参照。)。このような塗布装置によれば、新品の感光体ユニットでも装着後すぐに所定量の潤滑剤を塗布することができ、フィルミングを防止することができる。しかし、ブラシで表面研摩を行った場合、固形潤滑剤は脆いため、固形潤滑剤の種類によってはヒビや欠けが生じて不良品がでる心配がある。
以上のように、初期と経時における固形潤滑剤の塗布量の変動を低減する技術が提案されているが、依然として、環境変動などによって固形潤滑剤にひびや割れなどの不具合が生じるなどの問題を有しており安定性が高いとは言えない。
特開2000−338819号公報 特開2004−177811号公報 特開2006−113420号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、下記課題解決を目的とする。
本発明の第一の目的は、特に潤滑剤の装着初期(新品時)における感光体の被塗布面に対する塗布ムラ及び塗布不良を抑制し、かつ環境変動による固形潤滑剤のひびや割れ発生がなく初期から経時まで安定して被塗布面への潤滑剤の塗布を可能とする固形潤滑剤塗布装置を提供することにある。
さらに第二の目的は、潤滑剤の装着初期から経時まで安定した潤滑剤の供給を行うことができる固形潤滑剤塗布装置を備えることにより、球形、小径トナーを使用しても、クリーニング不良の発生がなく、高画質な画像が得られる画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の(1)〜(7)に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
(1):上記課題は、感光体を備えた画像形成装置に搭載される固形潤滑剤塗布装置であって、
前記塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部と内層部により一体構成され、かつ、表層部は内層部と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなることを特徴とする固形潤滑剤塗布装置により解決する。
(2):上記(1)に記載の固形潤滑剤塗布装置において、前記無機微粒子の粒径が0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする。
無機微粒子の体積平均粒径を0.01μm以上1μm以下とすることにより、潤滑剤の装着初期における塗布ムラ及び塗布不良を抑制し、また感光体やクリーニング手段のブレード等を傷つけることがなく、確実に異常画像の発生を防止することができる。
(3):上記(1)又は(2)に記載の固形潤滑剤塗布装置において、前記無機微粒子が、少なくともアルミナ、シリカ、酸化チタンから選ばれるいずれか1種の微粒子であることを特徴とする。
無機微粒子としてアルミナ、シリカ、酸化チタンから選ばれる少なくともいずれか1種とすることにより、潤滑剤の新品時から経時においても固形潤滑剤塗布装置により良好な潤滑剤の塗布が行われ、感光体の摩擦係数(μ)の抑制、クリーニング性の向上などが図れる。これにより、高画質の画像形成ができる。
(4):上記(3)に記載の固形潤滑剤塗布装置において、前記無機微粒子が、シリカ又は酸化チタンであることを特徴とする。
無機微粒子がシリカまたは酸化チタンであれば、経時でのクリーニング性においても特に優れている。
(5):上記課題は、少なくとも、感光体と、該感光体にトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写体に転写する転写手段と、転写体上の画像を定着する定着手段と、前記感光体に潤滑剤を塗布する固形潤滑剤塗布装置と、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記固形潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部と内層部により一体構成され、かつ、表層部は内層部と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでいることを特徴とする画像形成装置により解決する。
(6):上記(5)に記載の画像形成装置において、前記トナーの体積平均粒径が5.8μm以下であり、円形度が0.96以上であることを特徴とする。
トナーの体積平均粒径、及び円形度を上記範囲とすることにより、潜像のドット再現性が向上し、高精彩な画像が得られる。
(7):上記(6)に記載の画像形成装置において、前記トナーの体積平均粒径が5.5μm以下であり、円形度が0.97以上であることを特徴とする。
5.5μm以下のトナーを使用することにより、潜像に対して忠実な現像ができて極めて高精細な画像が得られる。円形度を0.97以上にすることで、現像性、転写性が向上し、ハーフトーンのムラなどがない極めて高画質な画像が得られる。
本発明の固形潤滑剤塗布装置によれば、固形潤滑剤を構成する表層部の固形潤滑剤中に無機微粒子が分散されているため、装着される固形潤滑剤の新品時において塗布ブラシの引っかかりが向上して潤滑剤の塗布ムラ及び塗布不良が回避され、経時においては内層部から潤滑剤が供給されるため、初期から経時まで安定して被塗布面への潤滑剤の塗布が可能となる。また、表層部と内層部が同じ材質であるため、環境変動による固形潤滑剤のひびや割れが発生せず、安定して潤滑剤が塗布される。
また本発明の画像形成装置によれば、小径かつ球形のトナーを使用しても、上記の固形潤滑剤塗布装置を備えることにより、初期から経時まで安定した潤滑剤の塗布が可能となる。これにより、クリーニング不良が発生せず高画質な画像が得られる。
前述のように本発明における固形潤滑剤塗布装置は、感光体を備えた画像形成装置に搭載される固形潤滑剤塗布装置であって、
前記塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部と内層部により一体構成され、かつ、表層部は内層部と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなることを特徴とする固形潤滑剤塗布装ものである。なお、以降、「表層部」を「先端層」、「内層部」を「基体層」と表現することがある。
以下に固形潤滑剤塗布装置についてさらに詳しく説明する。
<固形潤滑剤塗布装置>
本発明の固形潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、固形潤滑剤に当接する塗布ブラシからなり、塗布ブラシが回転することで固形潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布するように構成されている。図1の概略構成図に、本発明における固形潤滑剤塗布装置の一例を示す。図1に示す固形潤滑剤塗布装置の場合、感光体(1)の被塗布面に対して潤滑剤塗布を行うものである。
図1において、塗布ブラシ(2)は脂肪酸金属塩等の潤滑剤を棒状に成型(無機微粒子を含む先端層と、基体層から構成)した固形潤滑剤(3)及び感光体(1)の両方に当接するように設置される。塗布ブラシは、いわゆるブラシローラであり回転駆動することにより、固形潤滑剤が塗布ブラシの摺擦により削られて粉体となってブラシローラのブラシ繊維に付着し、そのブラシローラに付着した粉体状の潤滑剤が感光体の表面に塗布されるようになっている。
また固形潤滑剤(3)が磨耗した時に、塗布ブラシ(2)との接触圧が初期に比べて大きく変化しないように、固形潤滑剤の支持板金(4)にバネ(5)を取り付けて、バネ加圧方式にしてもよい。
なお、図1では固形潤滑剤塗布装置を用い感光体の被塗布面に潤滑剤を塗布、供給するものを示したが、本発明の固形潤滑剤塗布装置は、感光体と同様にクリーニング性維持やフィルミング防止が必要とされる画像形成手段、例えば、中間転写ベルトなどへの適用も当然可能である。すなわち、この場合には固形潤滑剤塗布装置の塗布ブラシを中間転写ベルトに回転当接しつつ潤滑剤をベルトの被塗布面に塗布可能に配設すればよい。
<固形潤滑剤>
本発明の固形潤滑剤塗布装置に用いられる固形潤滑剤は、潤滑剤の新品時において塗布ブラシが当接する側から順に、先端層と基体層により一体構成され、かつ、先端層は基体層と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなる(固形潤滑剤中に無機粒子が分散されている)ことを特徴とする。つまり、基体層の固形潤滑剤は、先端層の固形潤滑剤と同じものであるが無機微粒子を含まないものである。図2の模式図に本発明に使用する固形潤滑剤の概略構成を示す。
図2の固形潤滑剤において、図中の下側が塗布ブラシと当接する面であり、22が先端層、23が基体層である。すなわち、先端層(22)と塗布ブラシとは、固形潤滑剤の新品時である初期において当接するように配設される。つまり、潤滑剤の新品時において塗布ブラシに当接する側の固形潤滑剤層のみに無機微粒子(21)が分散されている。
先端層(22)に無機微粒子(21)を含有することにより、特に固形潤滑剤の新品時である初期に、固形潤滑剤と塗布ブラシの引っかかりを向上させて固形潤滑剤の掻き取りを多くする効果がある。すなわち、無機微粒子の添加により、固形潤滑剤の掻き取り量を増加させ、初期の固形潤滑剤の塗布不良を解消させることができると共に、基体層(23)との一体構成によって経時で安定した潤滑剤の塗布が可能となる。
先端層(22)の厚さとしては、好ましくは1mm〜3mmである。1mmよりも薄いと初期における固形潤滑剤の掻き取りが不十分となり、塗布ムラや塗布不良を招き、クリーニング不良を発生しやすく、一方、3mmよりも厚いと経時における固形潤滑剤の掻き取りが多過ぎて、帯電ローラの表面汚染や、静電潜像の流れ、画像ボケなどを発生しやすい。
上記のように、先端層(22)と基体層(23)の違いについては、無機微粒子の有無のみであり、同じ潤滑剤が使用される。このため、先端層に無機微粒子の添加を行っても先端層(22)と基体層(23)とでは硬度等の物性が大きく異なることはない。従って、本発明に用いる固形潤滑剤は、硬度や物性が異なる2種の固形潤滑剤を張り合わて作製した固形潤滑剤とは異なり、温湿度変化に対しても2層構成の境界でヒビ、割れなどが発生することなく、環境安定性が良好である。
前記先端層(22)に添加する無機微粒子の体積平均粒径としては、2μm程度以下が好ましいが、0.01μm以上1μm以下が特に好ましい。固形潤滑剤の塗布の際に、固形潤滑剤と一緒に含有している無機微粒子が感光体上へ供給されるため、無機微粒子の体積平均粒径が2μm程度より大きい場合には、無機微粒子が感光体やブレードを傷つけてしまい、異常画像を引き起こす場合があり、1μm以下であれば異常画像の発生がなく高品質の画像が形成できる。0.01μmよりも小さいと固形潤滑剤の新品時において塗布ブラシの引っかかりが低減する傾向がある。
無機微粒子の体積平均粒径の測定については、動的光散乱法による粉体粒度分布測定装置であるナノトラック粒度分布測定装置(UPA−EX150 日機装(株)製)で測定することが可能である。無機微粒子を、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの適当な溶媒に分散させて測定することができる。
先端層の固形潤滑物質(固形潤滑剤)中に含有される無機微粒子用の無機材料としては、従来公知の材料が使用できる。例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、チタン酸カリウム等の無機材料からなる微粉末が挙げられ、中でもアルミナ、シリカ、酸化チタンから選ばれるいずれか1種が好ましく、特にシリカや酸化チタンが好ましい。
特にシリカや酸化チタンは画像形成装置において用いられるトナーの外添剤として一般的に使用されており、現像時等においてトナーから遊離した外添剤も感光体上にも存在する。これを踏まえて画像形成システムを構築しているため、固形潤滑剤の先端層からシリカや酸化チタンが脱離して感光体へ供給されても、不具合が生じにくい。
先端層に含まれる無機微粒子の含有量とてしては、重量部で、潤滑剤100部に対し、1〜20部が好ましい。1部より少ない添加量では固形潤滑剤の掻き取り量が十分ではなく、塗布不良を起こす場合がある。また、20部より多い場合は固形潤滑剤に対して無機微粒子の割合が多いため、固形潤滑剤の成型がうまくいかない場合や、温湿度の変化で、先端層と基体層の界面でヒビワレが生じやすくなる。また、固形潤滑剤の無機微粒子が脱離して感光体へ供給される量も多くなり、フィミング等の原因になり得る。
固形潤滑剤として使用する物質としては、例えば、ステアリン酸亜鉛を始めとした高級脂肪酸金属塩等を用いることができる。これらの高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、パルチミン酸亜鉛、オレイン酸銅、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸銅、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リコリノレン酸亜鉛及びリコリノレン酸カドミウムの如き脂肪酸の金属塩が挙げられる。
固形潤滑剤(固形離型剤)の作製方法としては、従来公知の粉体加圧法や加熱溶融させて冷却して固化する溶融法が使用できる。先端層と基体層を一体構成する多層化の方法としては、例えば、以下のような方法がある。
先端層、基体層について、それぞれ固形潤滑剤を別々に作製を行った後、2次加工によりそれらの各層を組み合わせて加熱圧縮することで一体化する。無機微粒子を含有する先端層の作製は、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤粉末、及び無機微粒子を混合し、その混合粉末を攪拌しながら加熱溶融させ、型に流しこみ冷却させることで作製できる。
次に、本発明において使用するトナーについて説明する。
<トナー>
本発明に使用するトナーの例としては、従来公知の方法で作られるトナーが使用でき、作製方法は粉砕法、重合法どちらのトナーも使用できる。高画質化を図るには小径かつ球形のトナーが良く、体積平均粒径が5.8μm以下であり、円形度が0.96以上であるものが好ましく、さらに体積平均粒径が5.5μm以下であり、円形度が0.97以上であるものが特に好ましい。
5.5μm以下のトナーを使用することで潜像に対して忠実な現像ができ、極めて高精細な画像が得られる。円形度を0.97以上にすることにより、現像性、転写性が向上し、ハーフトーンのムラなどがない極めて高画質な画像が得られる。なお、体積平均粒径及び円形度はSysmex製FPIA−2100を用いて測定した。
このよう小径かつ球形のトナーは重合法により作製できる。例えば、少なくともバインダー用の樹脂材料又は/及びそのプレポリマー、着色剤、離型剤を有機溶媒中に含むトナー材料の有機溶媒液を水系媒体中に微細液滴状に分散させた後、該有機溶媒及び水系媒体を除去することにより製造するか、又は/及び該分散している間若しくはその後に該液滴中のプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させた後、該有機溶媒及び水系媒体を除去することにより製造することができる。
好適には、少なくとも有機溶媒中に、活性水素を有する化合物及びこれと反応可能な部位を有する重合体、又は、分子内に活性水素及びこれと反応可能な部位を有すると同時に有する自己重合性材料、着色剤、離型剤を、好ましくはこれらを含有した組成物の形で、溶解又は分散させ、該活性水素と反応可能な部位を反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒及び水系媒体を除去し、洗浄、乾燥することができる。前記反応時に攪拌強さを調整したり、乾燥後に強制攪拌することでトナーの円形度を調整してもよい。
樹脂材料又は/及びそのプレポリマーとしては、各種の材料を用いることができ、特にポリエステル樹脂又は/及びポリエステルプレポリマーを好ましく用いることができる。これらは単なる一例であって、球形状トナーは、このような製法以外の方法で製造しても無論、かまわない。
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
すなわち、本発明の画像形成装置は、少なくとも、感光体と、該感光体にトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写体に転写する転写手段と、転写体上の画像を定着する定着手段と、固形潤滑剤塗布装置と、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記固形潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部(先端層)と内層部(基体層)により一体構成され、かつ、表層部(先端層)は内層部(基体層)と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでいることを特徴とするものである。
以下、図を参照して本発明の画像形成装置を説明する。
<画像形成装置>
図3の概略図に本発明における画像形成装置の構成の一例を示す。
図3において、感光体(101)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。感光体(101)には、帯電部材(102)が配置される。図3では帯電ローラを示しているが、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、をはじめとする公知の手段が配置される。
帯電部材(102)である帯電ローラは感光体(101)と当接していてもよいが、両者の間に適当なギャップ、例えば、10〜200μm程度を設けた近接配置とすることにより、両者の摩耗量が低減できると共に帯電部材へのトナーフィルミングを抑制でき、好ましく使用できる。帯電部材(102)に印加する電圧は、帯電の安定化と帯電ムラの抑制のために、直流成分に交流成分を重畳してもよい。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図3では転写ローラ(105)を示している。また、画像露光部(103)、除電ランプ(109)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。これらの光源は、図3で示されている工程のほかに、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程又は前露光等の工程に用いることもでき、感光体(101)に光が照射される。
現像手段としての現像ユニット(104)により感光体(101)上に現像されたトナーは、給紙トレイ(110)より搬送された転写紙に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(101)上に残存するトナーもあり、このようなトナーは、クリーニング手段としてのクリーニングユニット(106)のクリーニングブレードにより感光体(101)から除去される。クリーニングブレードはポリウレタンゴムが一般的に用いられ、ゴム物性としてはゴム硬度が65°〜85°、室温における反発弾性は10〜70%程度のものが使用される場合が多い。
クリーニングユニット(106)の上流には本発明の固形潤滑剤塗布装置(107)を備える。
固形潤滑剤塗布装置(107)から塗布ブラシにより供給され感光体(101)に塗布、付着した固体潤滑剤はクリーニングユニット(106)のクリーニングブレードで潤滑剤をならすことができる。転写ローラ(105)により転写紙に転写されたトナー像は、定着手段である定着装置(108)に搬送され、トナー像を紙に定着し、排紙される。なお、符号110は給紙トレイである。
前述のように画像形成装置において用いられるトナーとしては、極めて高精細で高画質な画像が得られることから、体積平均粒径が5.5μm以下で、円形度が0.97以上であるものが特に好ましく用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
(実施例1)
図2に示すような固形潤滑物質中に無機微粒子を含む先端層と、固形潤滑物質中に無機微粒子を含まない基体層との構成からなる2層タイプの固形潤滑剤を以下の条件で作製した。
<固形潤滑剤>
先端層は、固形潤滑剤物質がステアリン酸亜鉛であり、このステアリン酸亜鉛中に体積平均粒径2μmのアルミナ(無機微粒子)が分散されている固形潤滑剤層である。一方、基体層は、固形潤滑剤物質がステアリン酸亜鉛のみで無機微粒子を含まない単層の固形潤滑剤層である。
作製方法については、まず先端層と基体層をそれぞれ溶融法で成型した。
先端層の作製については、重量部で、ステアリン酸亜鉛粉末100部、体積平均粒径2μmのアルミナ2部の割合で混合を行い、攪拌しながら加熱を行い、無機微粒子が分散されたステアリン酸亜鉛の溶融溶液を得た。その溶融溶液を型に流しこみ成型させ冷却を行い、長手幅310mm、幅8mm、高さ(厚さ)2mmで、無機微粒子が分散された棒状の固形潤滑剤を得て、これを先端層に使用した。
なお、無機微粒子の体積平均粒径については、無機微粒子をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)の溶媒中に分散させ、ナノトラック粒度分布測定装置(UPA−EX150 日機装(株)製)で測定を行った。
基体層の作製については、無機微粒子の添加は行わず、ステアリン酸亜鉛粉末のみを溶融加熱し、型に流しこみ成型した。長手幅310mm、幅8mm、高さ(厚さ)5mmの固形潤滑剤を得て、これを基体層に使用した。
次に、2次加工により、上記で成型した先端層及び基体層のそれぞれの層を組み合わせて加熱圧縮して一体化を行い、長手幅310mm、幅8mm、高さ7mmの一体構成され2層構造の固形潤滑剤Aを得た。得られた固形潤滑剤Aの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Aを用いて以下の実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
<実機評価試験>
上記のようにして得た固形潤滑剤Aを、リコー製複写機ImagioNEO−C455に装着した。ImagioNEO−C455にデフォルトで固形潤滑剤塗布装置(固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されている。)がついているため、本発明の上記固形潤滑剤のみを交換して装着を行って試験を行った。また使用するトナーは重合法で作られた体積平均粒径が5.8μm、円形度が0.96のトナーを使用して、通紙試験を行った。通紙試験は30℃、80%の高温高湿下で行い、印字率5%のチャートを印刷した。通紙枚数が50枚、3000枚時に、画像評価、感光体の摩擦係数(μ)の測定、及びクリーニング試験を行った。
画像評価においては、「グレースケール画像のハーフトーンの均一性」、「細線画像の細線解像度」について、印刷画像を目視で評価した。評価方法は、ランク付け評価であり、ランク5が最良で、ランク1が最低である。
感光体の摩擦係数(μ)の測定については、オイラーベルト方式により、感光体の摩擦係数を測定した。
クリーニング試験については、通紙枚数が50枚、3000枚時に、べた画像を連続して30枚の印刷を行い、試験後の感光体表面、及び帯電ローラの汚れについて目視で観察し、ランク評価を行った。ランク5が最良であり、ランク1が最低である。実際の使用に耐えうるにはランク3以上が必要である。
<固形潤滑剤の耐環境安定性試験>
実機装着による通紙試験とは別に固形潤滑剤にヒートサイクル〔(温度、相対湿度、時間)×サイクル〕を与え、固形潤滑剤にひび、割れが発生しないか、目視で確認にした。
ヒートサイクルの具体的条件としては、下記環境下に放置した後、観察を行った。
[ヒートサイクル条件]:
30℃、80%、6時間 → 5℃、10%、6時間 → 30℃、80%、6時間 → 5℃、10%、6時間
(実施例2)
実施例1において先端層に添加混合する無機微粒子の体積平均粒径を0.3μmのアルミナ粒子に替えた以外は実施例1と全く同様にして2層構造の固形潤滑剤Bを得た。得られた固形潤滑剤Bの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Bを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(実施例3)
実施例1において先端層に添加混合する無機微粒子の体積平均粒径を0.1μmのシリカ粒子に替えた以外は実施例1と全く同様にして2層構造の固形潤滑剤Cを得た。得られた固形潤滑剤Cの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Cを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(実施例4)
実施例1において先端層に添加混合する無機微粒子の体積平均粒径を0.03μmのシリカ粒子に替えた以外は実施例1と全く同様にして2層構造の固形潤滑剤Dを得た。得られた固形潤滑剤Dの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Dを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(実施例5)
実施例1において先端層に添加混合する無機微粒子の体積平均粒径を0.04μmの酸化チタン粒子に替えた以外は実施例1と全く同様にして2層構造の固形潤滑剤Eを得た。得られた固形潤滑剤Eの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Eを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(実施例6)
実施例4で作製した固形潤滑剤と同じ条件で作製した固形潤滑剤Dを得た。得られた固形潤滑剤Dの構成層の諸元は前記と同様下記表1に示す通りである。この固形潤滑剤Dを用い、実施例1において使用したトナーの体積平均粒径を5.2μm、円形度を0.98のものに替えた以外は実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(比較例1)
長手幅310mm、幅8mm、高さ(厚さ)2mmのステアリン酸亜鉛の棒状固形潤滑剤、長手幅310mm、幅8mm、高さ(厚さ)5mmのエチレンビスステアリルアミドの棒状固形潤滑剤を溶融法によりそれぞれ作製し、これらを2次加工で重ね合わせ、加熱圧縮して一体化した。これにより、先端層がステアリン酸亜鉛、基体層がエチレンビスステアリルアミドの2層構造の固形潤滑剤Fを得た。得られた固形潤滑剤Fの構成層の諸元を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Fを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(比較例2)
長手幅310mm、幅8mm、高さ(厚さ)7mmのステアリン酸亜塩の棒状固形潤滑を溶融法で作製し、単層構造の固形潤滑剤Gを得た。得られた固形潤滑剤Gの構成を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Gを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
(比較例3)
長手幅310mm、幅8mm、高さ7mmのステアリン酸亜鉛中に体積平均粒径0.03μmのシリカ粒子が全体に分散された単層構造の固形潤滑剤Hを作製した。
固形潤滑剤Hの作製は、、ステアリン酸亜鉛粉末100部(重量部)、シリカ粒子2部(重量部)の割合で混合し、攪拌しながら加熱を行ってシリカ粒子が分散されたステアリン酸亜鉛の溶融溶液を得、この溶融溶液を型に流しこみ成型させ冷却を行い上記棒状の固形潤滑剤Hを成型した。得られた固形潤滑剤Hの構成を下記表1に示す。
この固形潤滑剤Hを用いて実施例1と同様に実機評価試験と固形潤滑剤の耐環境安定性試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2008191239
Figure 2008191239
上記表1、2から本発明の実施例1〜6は、実機試験においていずれも良好な感光体の摩擦係数(μ)、クリーニング性及び画像評価を示し、耐環境安定性も良好である。特に無機微粒子がシリカまたは酸化チタンである実施例3〜6では3000枚後のクリーニング性においても優れている。また、体積平均粒径が5.5μm以下で、円形度が0.97以上である実施例6では画像評価において優れ、極めて高画質な画像が得られている。
これに対して、比較例1〜3はいずれも感光体の摩擦係数(μ)、クリーニング性及び画像評価において実用に耐えない結果となっている。
以上のように、本発明の固形潤滑剤塗布装置は、固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなる表層部(先端層)と内層部(基体層:先端層と同じ固形潤滑物質)により一体構成された固形潤滑剤と、塗布ブラシを備えているため、潤滑剤の新品時において固形潤滑剤と塗布ブラシの引っかかりが向上し、初期における潤滑剤の塗布ムラ、及び塗布不良を抑制することができるため、初期から経時まで安定して感光体の被塗布面に潤滑剤を塗布することが可能となる。さらに、先端層と基体層が同じ固形潤滑物質により一体構成されているため、環境変動に対しても固形潤滑剤にひびや割れが発生し難く、信頼性の高い固形潤滑剤塗布装置を得ることができる。
また、上記固形潤滑剤塗布装置を搭載した画像形成装置とすることにより、小径かつ球形のトナーを使用しても、初期から経時まで安定した潤滑剤の塗布が可能となり、クリーニング不良が発生し難く、高画質な画像が得られる。
本発明における固形潤滑剤塗布装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に使用する固形潤滑剤の概略構成を示す模式図である。 本発明における画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 塗布ブラシ
3 固形潤滑剤
4 支持板金
5 バネ
21 無機微粒子
22 先端層
23 基体層
101 感光体
102 帯電部材
103 画像露光部
104 現像ユニット
105 転写ローラ
106 クリーニングユニット
107 固体潤滑剤塗布装置
108 定着装置
109 除電ランプ
110 給紙トレイ

Claims (7)

  1. 感光体を備えた画像形成装置に搭載される固形潤滑剤塗布装置であって、
    前記塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部と内層部により一体構成され、かつ、表層部は内層部と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでなることを特徴とする固形潤滑剤塗布装置。
  2. 前記無機微粒子の粒径が0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固形潤滑剤塗布装置。
  3. 前記無機微粒子が、少なくともアルミナ、シリカ、酸化チタンから選ばれるいずれか1種の微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形潤滑剤塗布装置。
  4. 前記無機微粒子が、シリカ又は酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の固形潤滑剤塗布装置。
  5. 少なくとも、感光体と、該感光体にトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写体に転写する転写手段と、転写体上の画像を定着する定着手段と、前記感光体に潤滑剤を塗布する固形潤滑剤塗布装置と、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    前記固形潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と塗布ブラシを備え、該塗布ブラシは固形潤滑剤と感光体に回転当接しつつ潤滑剤を感光体の被塗布面に塗布可能に配設されると共に、該固形潤滑剤は、表層部と内層部により一体構成され、かつ、表層部は内層部と同じ固形潤滑物質中に無機微粒子を含んでいることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記トナーの体積平均粒径が5.8μm以下であり、円形度が0.96以上であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記トナーの体積平均粒径が5.5μm以下であり、円形度が0.97以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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