JP2006220724A - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複写機やLED(Light Emitting Diode)プリンター、LD(Laser Diode)プリンター等の電子写真装置に用いられる電子写真感光体に関し、特に下引層を形成させた有機光導電材料を用いた電子写真感光体及びそれらの感光体を搭載した電子写真装置に関するものである。
一般に感光体を用いた電子写真プロセスは、以下のように行われる。暗所で例えば接触帯電方式として帯電ローラーにより帯電し、次いで、像露光手段としてLED又はLDを用い、露光部のみの電荷を選択的に消失させて静電潜像を形成し、さらに、現像剤で可視化して画像形成する。
かかる電子写真感光体に要求される基本特性として、暗所で適当な電位に帯電できること、光照射により表面電荷を消失することができる機能を備えていること等がある。
現在実用化されている電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を形成したものが基本構成であるが、導電性支持体である切削アルミニウム管をダイアモンドバイト等により切削加工するときに、切削油や切削粉が支持体に残留し、その上に感光層を塗布することで画像形成時に欠陥となって現われたり、感光体表面に高電圧を印加した際に、前記支持体の切削バリ、汚れ、異物の付着等の欠陥部分から電流が流れ込み、部分的にショ−トしてしまうといった問題もある。
また、チリ、カブリ等の画像欠陥として現われてくる。さらに、導電性支持体上に形成する電荷発生層は1μm程度の膜厚のため、前記欠陥の影響を受け、感光体としての機能に悪影響を及ぼす。
このような導電性支持体表面の欠陥に影響されないよう通常導電性支持体上に陽極酸化処理を施しアルマイト被膜を設けたり、樹脂材料を用いた下引層を設ける等して、導電性支持体上の欠陥を被覆する方法が採られている。
このような導電性支持体表面の欠陥に影響されないよう通常導電性支持体上に陽極酸化処理を施しアルマイト被膜を設けたり、樹脂材料を用いた下引層を設ける等して、導電性支持体上の欠陥を被覆する方法が採られている。
しかし、アルマイト被膜は、その製造工程上アルマイト被膜表面に形成される微細な穴に汚れが入ったり、穴をふさぐための封孔処理、洗浄処理等の工程でアルマイト被膜表面が汚染されやすい欠点があり、導電性支持体表面の欠陥を被覆してもアルマイト被膜自身の汚れが悪影響を及ぼしてしまう。
下引層としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂材料を用いることが知られている。これらの樹脂のうち、特にポリアミド樹脂が好ましいとされている。
しかし、下引層にポリアミド樹脂等を使用した電子写真感光体においては、その体積抵抗値が1012Ω・cm〜1015Ω・cm程度であるために、下引層の膜厚を1μm以下に薄くしなければ、感光体に残留電位が蓄積され、画像にチリ、カブリ等が生じる。
一方、薄膜化すると、導電性支持体上の欠陥を被覆できなくなるばかりか、繰り返し使用時における基板からのホ−ル注入が加速され、帯電電位低下が著しく、光感度も低下するために画像にチリ、カブリ等が生じ、画質を損なうことになるという問題があった。
有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を用いた下引層であって、具体的に膜厚0.5μmで形成したものも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載されたようにポリイミド樹脂を含む下引層の膜厚を1.0μm未満の薄膜で形成させた状態の下引層と従来の電荷移動剤との組み合わせでは、感光体の繰り返し使用後の残留電位が上昇し、画像にチリ、カブリ等が発生するという問題があることがわかった。
しかしながら、特許文献1に記載されたようにポリイミド樹脂を含む下引層の膜厚を1.0μm未満の薄膜で形成させた状態の下引層と従来の電荷移動剤との組み合わせでは、感光体の繰り返し使用後の残留電位が上昇し、画像にチリ、カブリ等が発生するという問題があることがわかった。
また、帯電手段を感光体に直接接触させて帯電用電圧を印加する、接触帯電手段を備えた電子写真装置の場合、電子写真感光体に直接高電圧を印加することとなるため、チリ、カブリ等の発生が起こりやすい問題があった。
特開平8−30007号公報
本発明の課題は、優れた電子写真特性を損なうことなく導電性支持体上の欠陥を被覆し、繰り返し安定性や環境特性に優れた電子写真感光体を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、導電性支持体上に下引層を介して感光層を形成した電子写真感光体において、該下引層が特定のポリイミド樹脂を含有し、かつ特定の電荷移動剤を含有する電子写真感光体が、前記従来技術の問題点がなく、しかも長期間にわたって優れた静電特性を維持することを見出し、本発明を完成するに至った。
係る知見により成された請求項1記載の発明は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置された第一の下引層と、前記第一の下引層上に配置された感光層とを有し、前記第一の下引層はポリイミド樹脂を含有し、前記感光層は下記一般式〔I〕で示される電荷移動剤を含有する電子写真感光体である。
(上記一般式〔I〕中、R1〜R4は、水素と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数1以上12以下のアリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、fは0又は1である。)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層に含有される前記ポリイミド樹脂は、化学構造中に下記一般式〔II〕で表される繰り返し単位を有する電子写真感光体である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層に含有される前記ポリイミド樹脂は、化学構造中に下記一般式〔II〕で表される繰り返し単位を有する電子写真感光体である。
(上記一般式〔II〕中、Xは2つの芳香環が直接、又は炭素以外の原子を介して結合された2価の多環芳香族基であり、nは重合度を示す1以上の整数である。)
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層の膜厚は1.0μm以上50.0μm以下である電子写真感光体である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層は酸化チタンを含有し、前記第一の下引層は、前記酸化チタンと前記ポリイミド樹脂との重量比が1:4以上2:1以下にされた電子写真感光体である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層と、前記感光層との間には、第二の下引層が配置され、前記第二の下引層は、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有する電子写真感光体である。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記導電性支持体は無切削管である電子写真感光体である。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電子写真感光体と、前記感光層の表面に接触して前記感光層を帯電させる帯電手段とを有する電子写真装置である。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電子写真装置であって、前記感光層に半導体レーザーを照射し、前記感光層に潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層の膜厚は1.0μm以上50.0μm以下である電子写真感光体である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層は酸化チタンを含有し、前記第一の下引層は、前記酸化チタンと前記ポリイミド樹脂との重量比が1:4以上2:1以下にされた電子写真感光体である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記第一の下引層と、前記感光層との間には、第二の下引層が配置され、前記第二の下引層は、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有する電子写真感光体である。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記導電性支持体は無切削管である電子写真感光体である。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電子写真感光体と、前記感光層の表面に接触して前記感光層を帯電させる帯電手段とを有する電子写真装置である。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電子写真装置であって、前記感光層に半導体レーザーを照射し、前記感光層に潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置である。
すなわち本発明は、導電性支持体上に下引層を介して感光層を形成した電子写真感光体において、該下引層がポリイミド樹脂を含有し、前記感光層中の電荷移動剤として一般式〔I〕で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
(式中、R1〜R4は、各々独立に水素、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリ−ル基を表し、前記アルキル基は他の置換基が結合しない未置換アルキル基と、他の置換基が結合する置換アルキル基の両方の場合があり、前記アリール基は他の置換基が結合しない未置換アリール基と、他の置換基が結合する置換アリール基の両方の場合がある。fは、0又は1の整数を表す。)
かかる構成を有する請求項1記載の発明によると、導電性支持体のピンホール等の欠陥が被覆されるほか、繰り返し使用後の残留電位の上昇を抑え、画像上チリ、カブリ等の発生をなくすことができる。
かかる構成を有する請求項1記載の発明によると、導電性支持体のピンホール等の欠陥が被覆されるほか、繰り返し使用後の残留電位の上昇を抑え、画像上チリ、カブリ等の発生をなくすことができる。
本発明は、下引層が一般式〔II〕で表されるポリイミド樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
(式中、Xは芳香環が異種原子で連結されてもよい2価の多環芳香族基である。多環芳香族基の2つの芳香環は直接結合されていてもよいし、異種原子を介して結合されていてもよい。2つの芳香環を結合する異種原子は、C以外の原子であり、具体的には、O又はSである。芳香環は特に限定されないが、その一例はベンゼン環である。nは重合度を表す整数である。)
かかる構成を有する請求項2記載の発明によると、繰り返し使用後の残電上昇を抑えることができる。
かかる構成を有する請求項2記載の発明によると、繰り返し使用後の残電上昇を抑えることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、前記下引層の膜厚が1.0μm〜50μmであることを特徴とする電子写真感光体に関するものである。かかる構成を有する請求項3記載の発明によると、導電性支持体上の比較的大きな欠陥部分でも被覆でき、画像欠陥がなくなる。
請求項4記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、下引層に酸化チタンを含有させることによって、下引層の誘電率を高くすることができ、分散性も向上する。さらにポリイミド樹脂と酸化チタンとの重量比が2:1〜1:4の範囲であることが好ましい。
請求項5記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、下引層が一般式〔II〕で表されるポリイミド樹脂を含有する層とその上に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる層の2層構造を設けることによって、下引層が厚膜化しても残留電位の蓄積を抑えられ、帯電性を安定させられることから画像品質が向上する。
請求項6記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、導電性支持体が無切削管を用いることにより、導電性支持体表面の欠陥を確実に被膜することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、帯電手段として接触帯電手段を有することを特徴とする電子写真装置によって、本発明の目的を達成することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1の電子写真感光体において、帯電手段として接触帯電手段を有することを特徴とする電子写真装置によって、本発明の目的を達成することができる。
本発明の電子写真感光体は、表面電位や露光後電位等の静電特性は、繰り返し後でも大きな劣化がなく、画像欠陥が全く発生せず、繰り返し安定性に強い。よって、本発明によれば、優れた電子写真特性、クリーニング性、耐油性を有し、かつ、メンテナンスの簡略化が図れる電子写真感光体を提供できる。
以下、本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、例えば、導電性支持体の上に少なくとも電荷発生剤が含有される電荷発生層が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤が含有される電荷移動層が形成される機能分離型電子写真感光体に適用されるものである。この場合、電荷発生層と電荷移動層とにより感光層が形成される。
本発明は、例えば、導電性支持体の上に少なくとも電荷発生剤が含有される電荷発生層が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤が含有される電荷移動層が形成される機能分離型電子写真感光体に適用されるものである。この場合、電荷発生層と電荷移動層とにより感光層が形成される。
また、本発明は、電荷発生剤と電荷移動剤が同一の層(感光層)に含有される単層型電子写真感光体や、電荷移動層、電荷発生層の順に積層されて感光層が形成される逆積層型電子写真感光体等に対しても適用することができる。
本発明に用いることができる導電性支持体としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体や、上記金属や炭素等の導電性物質を蒸着、メッキ等の方法で処理し、導電性を持たせたプラスチック板及びフィルム、さらに酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆した導電性ガラス等、種類や形状に制限されることなく、導電性を有する種々の材料を使用して導電性支持体を構成することができる。また、導電性支持体の形状については、ドラム状、棒状、板状、シート状、ベルト状のものを使用することができる。
その中でも、本発明には、JIS H4000の合金番号が3000番台、5000番台、6000番台のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED (Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II (Impact Ironing) 法等一般的な方法により成形を行なった導電性支持体が好ましく、更に、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理を行なわない無切削管が好ましい。
本発明に用いることができる電荷発生剤としては、ジスアゾ顔料やオキシチタニウムフタロシアニンが感度の相性が良い点で望ましいが、それに限定されるものではない。 その他、例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン、無金属フタロシアニン、他の金属フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、多環キノン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
特にオキシチタニウムフタロシアニンには、いくつもの結晶型が紹介されているが、その中でもCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラック角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示す結晶型、7.6°及び28.3°に主たる回折ピ−クを示す結晶型、7.5°に最大ピークを有し、かつ他の回折ピ−ク強度が7.5°の回折ピ−ク強度に対して20%以下の強度である結晶型などが本発明の電子写真感光体用に特に好ましい。
上記電荷発生剤が含有される電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5.0μm以下、好ましくは0.1μm以上1.0μm以下の範囲がよい。上記電荷発生剤は単体で用いてもよいし、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の第一の下引層には、ポリイミド化する前の中間体(ポリイミド前駆体)が含まれていてもよく、第一の下引層に含有されるポリイミド樹脂の含有量は、ポリイミド樹脂の含有量から、ポリイミド樹脂の含有量とポリイミド前駆体の含有量との合計を除した値に、100を乗じた値が、20重量%以上70重量%以下であることが好ましく、より好ましくは30重量%以上50重量%以下の範囲がよい。
ポリイミド樹脂の含有量が20重量%未満だと、第一の下引層の耐溶剤性が低いため、第一の下引層上に有機溶剤を含有する塗工液(例えば、感光層用塗布液や、第二の下引層用塗布液)を塗布したときに、第一の下引層がその有機溶剤に溶解してしまう。また、ポリイミド樹脂の含有量が70重量%を超え、完全イミド化に近い状態となると、繰り返し使用後の残留電位が蓄積され画像不良となる。
ポリイミド樹脂の分子量は、1,000以上100,000以下、特に10,000以上30,000以下の範囲のものが好ましい。一般式〔II〕のXの具体例は、下記式〔X−1〕、〔X−2〕、〔X−3〕に示すとおりである。
本発明の電子写真感光体は、第一の下引層を介して感光層を形成した電子写真感光体において、第一の下引層が一般式〔II〕で表されるポリイミド樹脂を含有することにより、第一の下引層の成膜性が向上し、第一の下引層の膜厚が薄い場合においても導電性支持体のピンホール等の欠陥が被覆され、感光層のバリアー機能,接着機能が優れている。第一の下引層の膜厚の一例は、1.0μm以上50μm以下であり、好ましくは20μm以上40μm以下で使用される。
第一の下引層は、例えば、上述したポリイミド樹脂と有機溶媒とを含有する塗布液を、導電性支持体上に、塗布、乾燥して形成される。第一の下引層を形成する際の乾燥温度は110℃以上170℃以下の範囲が適当であり、好ましくは130℃以上150℃以下が良い。
乾燥温度が110℃未満では第一の下引層が溶剤で溶解してしまう為、第一の下引層上に有機溶剤を含有する上記塗布液を塗布できない。なお、乾燥温度を110℃以上にすると有機溶剤に溶解しない。乾燥温度が170℃を超えると繰り返し使用後の残留電位が上昇し、画像濃度変化が発生してしまうという若干の問題が生ずる。
本発明の電子写真感光体は、第一の下引層に酸化チタンを含有させてもよい。本発明で用いる酸化チタンは、体積抵抗値を低下させない限り、酸化チタン粒子表面に種々の処理を施してもよい。例えば、アルミニウム,ケイ素ニッケル等を処理剤として、酸化チタン粒子表面に酸化膜の被覆を行うことができる。その他、必要に応じてカップリング材等を用い、酸化チタン粒子に撥水性を付与することも可能である。また、酸化チタンの平均粒径1μm以下のものが好ましく、0.01μm以上0.5μm以下のものがさらに好ましい。酸化チタンの含有量(重量)はポリイミドの重量1に対して0.5倍以上4倍以下の範囲が好ましい。
一般式〔II〕で表されるポリイミド樹脂を含有する第一の下引層の上に、更に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する第二の下引層を設け、下引層を2層構造にすることによって、下引層が厚膜化しても残留電位の蓄積を抑えられ、かつ画像品質が向上する。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール、メラミン・アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は単独で第二の下引層に用いてもよいし、2種類以上を混合して第二の下引層に用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で第二の下引層に用いてもよいし、2種類以上を混合して第二の下引層に用いてもよい。第一の下引層の上に設ける第二の下引層の膜厚は0.1μm以上10.0μm以下、好ましくは0.8μm以上5.0μm以下の範囲で使用できる。
また、上記第一、第二の下引層のうち、いずれか一方又は両方の下引層に、半導体レーザー露光時の光干渉を抑制する目的で白色顔料を含有させてもよい。白色顔料としては、例えば、酸化チタン,酸化亜鉛,シリカ等が挙げられる。
感光層を形成するために用いることができる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアリレート等の光硬化樹脂等がある。これらは、1種でも2種以上混合して感光層に使用することも可能である。また、分子量の異なった樹脂を混合して感光層に用いれば、感光層の硬度や耐摩耗性を改善できるのでより好ましい。
本発明に用いることができる電荷移動剤としては、一般式〔I〕に示す化合物において、特に下記式〔Ia〕〜〔Id〕に示す化合物がポリイミド樹脂との相性がよく好ましい。以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
一般式〔I〕で示される化合物は単独で感光層に単独で用いてもよいし、2種類以上混合して感光層に用いてもよい。
また、上記一般式〔I〕で示される電荷移動剤と一緒に、後述する他の電荷移動剤を感光層に用いることもできる。一般式〔I〕で示される電荷移動剤と、他の電荷移動剤とを一緒に感光層に含有させると、感光層の感度を高めたり、残留電位を低下させることができるので、本発明の電子写真感光体の特性を改良することができる。
そのような特性改良のために添加できる電荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
また上記導電性高分子化合物以外にも、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン、ヒドラゾン化合物等を電荷移動剤として添加することができる。
また、同様の目的の電荷移動剤として、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLi(リチウム)イオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等を添加することもできる。
さらに、同様の目的の電荷移動剤として、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性物質と電子受容性物質で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができる。
なお、前記電荷移動剤は、1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。上記電荷移動剤が含有される電荷移動層の膜厚は、5.0μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下がよい。
また、本発明の電子写真感光体の場合、感光層の膜厚と、下地層(第一、第二の下地層)の膜厚の合計は、10μm以上100μm以下の範囲がよい、例えば15μm以上25μm以下の範囲がよい。例えば、第一、第二の下引層の合計膜厚が25μm程度になるよう厚く設けた場合は、電荷移動層は15μm程度に薄く設ければよい。逆に第一、第二の下引層の合計膜厚が1μm程度なるように薄く設けた場合は、電荷移動層を25μm程度に厚く設ければよい。
この理由として、帯電手段として、接触帯電手段を有する電子写真プロセスにおいて、感光体の耐圧性が要求されている。一般に、耐圧性が低い感光体は、リ−ク電流により感光体内から表面において欠陥が生じ、これが画像欠陥として現われる。即ち、感光体の耐圧性は感光体の総膜厚(例えば、感光層の膜厚と、第一、第二の下引層の膜厚との合計量)により決定されるので、下引層の膜厚を厚くすることで、耐圧性が向上するため電荷移動層を薄膜にできる。
本発明の電子写真感光体は、光導電材料(例えば、電荷移動剤や電荷発生剤)や結着樹脂の酸化劣化による感光層の特性変化、感光層のクラックの防止、感光層の機械的強度の向上の目的で、その感光層中に酸化防止剤や紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
本発明に用いることができる酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3′−5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種もしくは2種以上を一緒に感光層中に含有することができる。
また、紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を一緒に感光層に含有することができる。
また、酸化防止剤と紫外線吸収剤を一緒に感光層に添加することもできる。これらの添加は感光層中であれば何れの層でもよいが、最表面の層、特に電荷移動層に添加することが好ましい。
なお、酸化防止剤は、その酸化防止剤が添加される層の結着樹脂に対して3重量%以上20重量%以下とすることが好ましく、紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に対して3重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。さらに、酸化防止剤と紫外線吸収剤との両者を添加する場合には、両成分の添加量は、結着樹脂に対して5重量%以上40重量%以下とすることが好ましい。尚、上記添加剤(紫外線吸収剤や酸化防止剤)の結着樹脂に対する添加量は、添加剤と結着樹脂との合計重量から、添加剤の重量を除した値に、100を乗じた値である。
前記酸化防止剤、紫外線吸収剤以外にも、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール化合物等の光安定剤、ジフェニルアミン化合物等の老化防止剤、界面活性剤等の添加剤を感光層に添加することもできる。
感光層の形成方法としては、所定の感光材料と結着樹脂と共に溶媒に分散あるいは溶解して塗工液を作成し、所定の下地上に塗工する方法が一般的である。
塗工方法としては、浸漬塗工、カーテンフロー、バーコート、ロールコート、リングコート、スピンコート、スプレーコート等、下地の形状や塗工液の状態に合わせて行うことができる。また、電荷発生層は真空蒸着法により形成させることもできる。
塗工方法としては、浸漬塗工、カーテンフロー、バーコート、ロールコート、リングコート、スピンコート、スプレーコート等、下地の形状や塗工液の状態に合わせて行うことができる。また、電荷発生層は真空蒸着法により形成させることもできる。
塗工液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類等がある。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
第一の下引層と感光層との間、又は第二の下引層と感光層との間には、樹脂中に金属化合物、金属酸化物、カーボン、シリカ、樹脂粉体等を分散させた中間層を形成することもできる。さらに、中間層には特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
加えて、感光層の表面に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
次に、本発明の電子写真プロセス、電子写真装置について説明する。本発明の電子写真プロセスには、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリ−ニング手段等公知の手段を使用することができる。
帯電手段においては、コロナ帯電方式等の非接触帯電方式、帯電ロ−ラ−、帯電ブラシ等帯電手段を、感光層に接触させて感光層を帯電させる接触帯電方式を用いることができる。像露光手段の光源は、ハロゲン光、蛍光灯及びレ−ザ−光等を用いることができる。半導体レ−ザ−の波長は、780nm以下、好ましくは500nm以上780nm以下であり、レーザービーム径を絞る等の方式でもよい。現像方式は、乾式現像法、湿式現像法、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれの現像方式でもよい。転写方式もローラー、ベルトのいずれの転写手段を用いてもよい。
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例を比較例とともに詳細に説明する。
<実施例1>
直径30mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム(導電性支持体)上に、アルミナ被覆された酸化チタン粒子と、一般式〔II〕のXが上記式[X−1]のポリイミド樹脂とを、重量比で1:1の割合で混合したものを塗布し、140℃で30分乾燥し、膜厚20.0μmの第一の下引層を形成した。
<実施例1>
直径30mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム(導電性支持体)上に、アルミナ被覆された酸化チタン粒子と、一般式〔II〕のXが上記式[X−1]のポリイミド樹脂とを、重量比で1:1の割合で混合したものを塗布し、140℃で30分乾燥し、膜厚20.0μmの第一の下引層を形成した。
次いで、前記下引層上に、熱硬化性樹脂としてのメラミン・アミド樹脂と酸化チタンとを重量比で1:2の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、その塗布液を第一の下引層表面に塗布、乾燥し、前記第一の下引層上に第2の下引層を18.0μmの膜厚で積層した。
次いで、結着樹脂としてポリビニルブチラールを用い、X線回折強度7.5度に最大ピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンと、上記結着樹脂が分散された分散液を浸漬塗工により、第二の下引層表面に乾燥後の膜厚が0.1μmになるように塗布、乾燥し、電荷発生層を形成した。
次いで、結着樹脂としてポリカーボネート共重合体と、電荷移動剤として式〔Ia〕のブタジエン化合物と、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールとを、1.0:0.8:0.18の重量比でテトラヒドロフランに溶解して塗工液を調製した。
そして、浸漬塗工によりこの塗工液を上記電荷発生層表面に塗布した後、120℃の温度下で1時間乾燥し、20μmの膜厚の電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
<実施例2>
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂と酸化チタンとの重量比を2:1に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂と酸化チタンとの重量比を2:1に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例3>
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂と酸化チタンとの重量比を1:4に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂と酸化チタンとの重量比を1:4に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例4>
実施例1の無切削アルミニウムを切削アルミニウムに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の無切削アルミニウムを切削アルミニウムに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例5>
実施例1の第一の下引層の膜厚を1.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層の膜厚を1.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例6>
実施例1の第一の下引層の膜厚を5.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層の膜厚を5.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例7>
実施例1の第一の下引層の膜厚を30.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層の膜厚を30.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例8>
実施例1の第一の下引層の膜厚を50.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層の膜厚を50.0μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例9>
実施例1の第二の下引層のメラミン・アミド樹脂をナイロン樹脂に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の第二の下引層のメラミン・アミド樹脂をナイロン樹脂に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例10>
第二の下引層を形成せずに、第一の下引層の表面に電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
第二の下引層を形成せずに、第一の下引層の表面に電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例11>
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤を式〔Ib〕の電荷移動剤に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤を式〔Ib〕の電荷移動剤に変えた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例12>
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤に加え、式〔Ic〕の電荷移動剤を電荷移動層に用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤に加え、式〔Ic〕の電荷移動剤を電荷移動層に用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例13>
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤に加え、式〔Id〕の電荷移動剤を電荷移動層に用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の式〔Ia〕の電荷移動剤に加え、式〔Id〕の電荷移動剤を電荷移動層に用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<実施例14>
実施例1の第一の下引層の膜厚を0.5μmにした以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層の膜厚を0.5μmにした以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
<比較例1>
実施例1の第一、第二の下引層の代わりに陽極酸化処理したアルマイト層を形成し、そのアルマイト層表面に電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一、第二の下引層の代わりに陽極酸化処理したアルマイト層を形成し、そのアルマイト層表面に電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
<比較例2>
実施例1の第一の下引層を形成せず、導電性支持体の表面に第二の下引層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一の下引層を形成せず、導電性支持体の表面に第二の下引層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
<比較例3>
実施例1の第一及び第二の下引層を形成せず、導電性支持体表面に直接電荷発生層を形成した以外は実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
実施例1の第一及び第二の下引層を形成せず、導電性支持体表面に直接電荷発生層を形成した以外は実施例1と同様の方法により電子写真感光体を作製した。
<比較例4>
実施例1の式〔Ia〕で表される電荷移動剤に代えて、下式〔A〕で表されるヒドラゾン化合物を用いた他は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
実施例1の式〔Ia〕で表される電荷移動剤に代えて、下式〔A〕で表されるヒドラゾン化合物を用いた他は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
<比較例5>
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂に代え、ナイロン樹脂を用いた以外は、 実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
上記実施例1〜16と、比較例1〜5の、第一、第二の下引層の膜厚と、第二の下引層の組成と、電解移動剤の種類と、導電性支持体の種類の組み合わせを下記表1に示す。
実施例1の第一の下引層のポリイミド樹脂に代え、ナイロン樹脂を用いた以外は、 実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
上記実施例1〜16と、比較例1〜5の、第一、第二の下引層の膜厚と、第二の下引層の組成と、電解移動剤の種類と、導電性支持体の種類の組み合わせを下記表1に示す。
<評価試験:静電特性の測定、繰り返しサイクル試験、画像試験>
常温常湿(24℃、40%RH)の環境下にて、接触帯電方式のプリンター((株)沖デ−タ社製の商品名「Microline14」)を用い、実施例1〜16及び比較例1〜5によって作製された円筒状電子写真感光体を帯電後の感光体表面電位が−800Vになるよう帯電させ、LED露光後の感光体の表面電位が−50Vになるようにして初期設定し、次いでA4用紙20,000枚印字後の表面電位V0(−V)、残留電位VR(−V)を測定した。画像試験は、20,000枚連続印字後の画像を評価した。以上の結果を表1に示す。判定は、「○」は良好なもの、「×」は画像不良等があり実用上問題があるものとした。
常温常湿(24℃、40%RH)の環境下にて、接触帯電方式のプリンター((株)沖デ−タ社製の商品名「Microline14」)を用い、実施例1〜16及び比較例1〜5によって作製された円筒状電子写真感光体を帯電後の感光体表面電位が−800Vになるよう帯電させ、LED露光後の感光体の表面電位が−50Vになるようにして初期設定し、次いでA4用紙20,000枚印字後の表面電位V0(−V)、残留電位VR(−V)を測定した。画像試験は、20,000枚連続印字後の画像を評価した。以上の結果を表1に示す。判定は、「○」は良好なもの、「×」は画像不良等があり実用上問題があるものとした。
「濃度低下」は20,000枚連続印字後に、印刷開始時に比べて印刷画像の濃度低下が見られたものを「○」、濃度低下が見られなかったものを「×」とした。
「黒点」は画像を形成しない領域に、黒点状のしみが多く確認された場合を「×」、しみが数個確認された場合を「△」、しみが確認されなかったものを「○」とした。
「チリ、かぶり」は、画像による評価において、白地となるべき非画像部にトナーが付着している場合を「×」、トナーが付着していない場合を「○」とした。
「耐リーク」は、画像による評価において、リーク現象がある場合は白地画像上に黒点となり、そのような黒点がある場合を「×」、黒点が無い場合を「○」とした。
「転写メモリー」は、画像評価において、前のサイクルで印字した残像が次のサイクルの印字で印刷される現象で、画像上に残像が形成された場合を「×」、残像が形成されなかった場合を「○」とした。
上記評価試験の測定結果を下記表2に記載する。
上記評価試験の測定結果を下記表2に記載する。
上記表2から明らかなように、実施例1〜14の電子写真感光体は20,000枚繰り返し後の帯電性、光疲労特性において良好であり、画像においてもチリ、カブリ等の画像欠陥が全く発生しなかった。
加えて、ポリイミド樹脂に酸化チタンを混合した場合やポリイミド樹脂層の上に熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を積層した場合でも良好な結果が得られた。
加えて、ポリイミド樹脂に酸化チタンを混合した場合やポリイミド樹脂層の上に熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を積層した場合でも良好な結果が得られた。
これに対し、比較例2及び3のように、いずれもポリイミド樹脂層がない場合は、転写メモリーによる黒点やチリ、カブリが発生した。また、第一の下引層にポリイミド樹脂以外の樹脂で構成された比較例5では、耐リーク、転写メモリー、チリ、カブリ、濃度低下、黒点の全ての評価試験で実用に耐えない結果となった。
Claims (8)
- 前記第一の下引層の膜厚は1.0μm以上50.0μm以下である請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 前記第一の下引層は酸化チタンを含有し、
前記第一の下引層は、前記酸化チタンと前記ポリイミド樹脂との重量比が1:4以上2:1以下にされた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子写真感光体。 - 前記第一の下引層と、前記感光層との間には、第二の下引層が配置され、
前記第二の下引層は、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電子写真感光体。 - 前記導電性支持体は無切削管である請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電子写真感光体と、
前記感光層の表面に接触して前記感光層を帯電させる帯電手段とを有する電子写真装置。 - 前記感光層に半導体レーザーを照射し、前記感光層に潜像を形成する露光手段を有する請求項7記載の電子写真装置。
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2005
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