JP5472579B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンター、複写機などに用いられる電子写真用感光体に係り、特に耐オゾン性、耐NOx性に優れた高耐久性を有する電子写真感光体に関するものである。
電子写真用感光体(以下「感光体」ということもある。)には、暗所で表面電荷を保持する機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を受容して電荷を輸送する機能が必要であるが、一つの層でこれらの機能を併せ持ったいわゆる単層型感光体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷と光受容時の電荷移動に寄与する層とに機能分離した層を積層したいわゆる機能分離積層型感光体とがある。
これらの感光体を用いた電子写真法による画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。この方式での画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーによる現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定着により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残留トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供される。
近年、可とう性、熱安定性、成膜性などの利点により、有機物質を用いた電子写真用感光体が実用化されてきた。最近においては、感光層として電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷移動剤を含有する電荷移動層からなる機能分離積層型感光体が主流となっており、中でも有機顔料を電荷発生剤として蒸着層または樹脂中に分散させた層を電荷発生層とし、有機低分子化合物を電荷移動剤として樹脂中に分散させた層を電荷移動層として用いる負帯電型感光体が数多く提案されている。
有機物質は、無機物質にはない多くの長所を持つが、また同時に電子写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満足するものが得られていないのが現状である。即ち繰り返し使用による帯電電位の低下、残留電位の上昇、感度変化等により、画像品質の劣化が引き起こされる。この劣化の原因について全てが解明されているわけではないが、要因の一つとしてコロナ放電帯電器より放出されるオゾン、NOxなどの酸化性ガスあるいは大気中に存在するオゾン、NOxなどの酸化性ガスが感光層に著しいダメージを与えることが分っている。これらの酸化性ガスは、感光体中の材料と化学変化を起こしたり、あるいは感光層表面に吸着物を形成することで種々の特性変化をもたらす。例えば帯電電位の低下、残留電位の上昇、表面抵抗の低下による解像力の低下などが見られる。その結果著しく画質を低下させ、感光体の寿命を短くしている。これらの対策として感光層に酸化防止剤や安定剤を添加し、劣化を防ぐ提案がなされている。例えば、特許文献1(特開平01−230055号公報)に代表されるようにヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤の添加が多数提案されている。他にも、アミン誘導体の添加例として特許文献2(特開平03−172852号公報)、特許文献3(特開2002−333731号公報)、あるいは特許文献4(特開平04−56866号公報)等があげられる。これらの提案はそれなりの効果を有していた。近年複写機あるいはプリンターの高速化、小型化の要求から感光体には高耐久且つ高応答性への要求が高まった。高応答性に対応するためには、分子量の大きい、あるいはイオン化ポテンシャル(Ip)値の低い電荷移動剤の使用が必要になる。これらの電荷移動剤は、オゾン、NOxに対する耐久性が弱く、従来の酸化防止剤等の添加では不十分であった。
本発明の課題は、複写機、プリンタ装置の小型化、高速化に伴い、感光体の小径化、周速の早いプロセスに対応できる感光体であって、且つ、耐オゾン性、耐NOx性が高く、繰り返し使用しても電気特性の劣化がなく、しかも安定性が高い電子写真感光体を提供することである。
本発明は下記の(1)から(12)によって解決される。
(1) 導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層が下記一般式(I)で表わされる電荷移動剤と一般式(II)で表される酸化防止剤を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005472579
〔式中、R〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表わす。〕
Figure 0005472579
〔式中、A、Bはそれぞれ下記i)ii)より選ばれ、同一であっても、異なってもよい。
i)−CH
ii)−CHCH
X,Yはそれぞれ芳香族残基を表し、これらは置換基を有してもよい。〕
(2) 前記電荷移動剤が下記式(Ia)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(3) 前記電荷移動剤が下記式(Ib)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(4) 前記電荷移動剤が下記式(Ic)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(5) 前記電荷移動剤が下記式(Id)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(6) 前記酸化防止剤が下記式(IIa)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(7) 前記酸化防止剤が下記式(IIb)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(8) 前記酸化防止剤が下記式(IIc)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(9) 前記酸化防止剤が下記式(IId)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(10) 前記酸化防止剤が下記式(IIe)で表わされる化合物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005472579
(11) 前記感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする前記(1)乃至(10)いずれか1に記載の電子写真感光体。
(12) 前記感光層にフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする前記(1)乃至(11)いずれか1に記載の電子写真感光体。
本発明の感光層に含有される特定電荷移動剤と特定酸化防止剤を組み合わせた電子写真感光体は、残留電位が極めて低く、耐オゾン性、耐NOx性に優れた繰り返しの使用に対しても安定した電子写真特性を示すことを発見した。
また、後述する実施例と比較例の特性差およびオゾン環境放置試験、NOx環境放置試験の結果からみてもわかるように、本発明の電子写真感光体は、高い応答性を持ち、繰り返し安定性を有し、高い市場要求に応えられるものである。
本発明に係る電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成の例を示す断面図である。 実施例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。
本発明の電子写真感光体は、感光層に特定の電荷移動剤と特定の酸化防止剤を含有させたものである。
本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態を図面に沿って説明する。
感光層としては一般に単層型と積層型がある。単層型の構成では単一の層に少なくとも電荷発生剤と電荷輸送剤を含有する構成のものであり、積層型の構成では少なくとも電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷移動剤を含有する電荷移動層を順次形成した機能分離を狙いとした構成で現在の主流となっている構成である。
図1は積層型電子写真感光体の構成例を示す断面図である。導電性支持体(1)上に、少なくとも電荷発生剤が含有される電荷発生層(2)が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤が含有される電荷輸送層(3)が形成された積層型電子写真感光体が適用されるものである。この場合、電荷発生層と電荷輸送層とにより感光層(4)が形成される。(5)は接着性の改善などの目的で適宜設けることができる下引き層を表す。
電荷移動層は、少なくとも後述する電荷移動剤と酸化防止剤を有するものであり、この電荷移動層は、例えば、その下地となる電荷発生層上に、電荷移動剤と酸化防止剤とをバインダー樹脂を用いて結着することにより形成することができる。
本発明の電子写真感光体には、電荷移動層に下記一般式(I)で表わされる電荷移動剤が含有される。
Figure 0005472579
〔式中、R〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表わす。〕
上記電荷移動剤は、応答性がよく、耐環境性に強い電子写真感光体を提供できるものである。
上記一般式(I)に示す電荷移動剤において、特に下記式(Ia)〜(Id)で表わされる電荷移動剤により応答性のよい電子写真感光体が提供できる。
以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 0005472579
Figure 0005472579
Figure 0005472579
Figure 0005472579
積層型の場合、電荷移動層中の一般式(I)で表わされる化合物の含有量は、バインダー樹脂1重量部に対し、0.3〜2.0重量部とすることが好ましい。この化合物の含有量が0.3重量部より少ないと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、3.0重量部より多いと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
さらに、一般式(I)で表わされる化合物と他の電荷移動剤とを混合して用いることもできる。この場合、一般式(I)の化合物と他の化合物の含有比率は、重量比で(I):他の化合物=50:50〜95:5、好ましくは70:30〜95:5の範囲がよい。
他の電荷移動剤としてはポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等を使用することができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加して又は2種以上の化合物を混合して添加して、所望の感光体特性を得ることができる。
本発明では、電荷移動層に一般式(II)で表される酸化防止剤が含有される。
Figure 0005472579
〔式中、A、Bはそれぞれ下記i)ii)より選ばれ、同一であっても、異なってもよい。
i)−CH
ii)−CHCH
X,Yはそれぞれ芳香族残基を表し、これらは置換基を有してもよい。〕
上記一般式(II)に示す酸化防止剤において、特に下記式(IIa)〜(IIe)で表わされる酸化防止剤を含有させることにより、耐オゾン性および耐NOx性が高く、安定した性能を示す電子写真感光体が提供できる。
以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 0005472579
Figure 0005472579
Figure 0005472579
Figure 0005472579
Figure 0005472579
積層型の場合、電荷移動層中の一般式(II)で表わされる酸化防止剤の含有量は、電荷移動剤1.0重量部に対し、0.01〜0.30重量部とすることが好ましい。この化合物の含有量が0.01重量部より少ないと、耐オゾン性、耐NOx性が低下し、画像濃度の変化が大きくなるなどの弊害が発生する。他方、含有量が0.30重量部以上では残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。
電荷移動層の膜厚は実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。
本発明の電荷移動層には、特性を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。特に、本発明の酸化防止剤一般式(II)とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤を合わせて使用することにより、耐久性の向上に更に寄与する。
紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。
例えば、フェノール系酸化防止剤は、2.6−ジ−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2.4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2.2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1.1.3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
本発明の電荷移動層に添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤の添加量は、電荷移動剤100重量部対して3〜20重量部とすることが好ましい。
電荷移動層を形成するためのバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の樹脂がある。
それらは単体で用いてもよいが、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。特にその中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
電荷移動層の形成方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、リングコート、バーコート、スピナーコート等、各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移動剤をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、下地となる電荷発生層上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
また、電荷発生層と電荷移動層を上下逆に積層させた逆積層型電子写真感光体等についても適用することができる。
本発明の電荷発生層に含有する電荷発生剤としては、公知の電荷発生剤を使用することができるが、オキシチタニウムフタロシアニンが高感度特性を有することから望ましく、中でも図3に示す、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンが本発明の電荷移動剤との組み合わせにおいて相性がよい。さらに本発明はそれに限定されるものではない。その他、例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン、無金属フタロシアニン、他の金属フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、多環キノン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
電荷発生層を形成するためのバインダー樹脂、塗布液に使用する溶剤としては、電荷移動層と同様なものを使用できる。
電荷発生層中の結着樹脂の量は、電荷発生剤100重量部に対し、10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部が適当である。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷発生層の形成方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、リングコート、バーコート、スピナーコート等、各種の方法を使用することができ、例えばフタロシアニン組成物を電荷発生剤として用い、バインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、所定の下地となる支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥させて形成することができる。
図2は単層型電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(1)上に、少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤が含有される単層型の感光層(6)が形成される単層型電子写真感光体である。図示していないが、単層型電子写真感光体の場合にも積層型の場合と同様に下引き層を設けることもできる。
単層型の感光層は少なくとも電荷発生剤と一般式(I)で表される電荷移動剤と一般式(II)で表される酸化防止剤を有するものである。
電荷移動剤は、単層型の場合にも上記積層型と同様、一般式(I)で表される電荷移動剤と、他の電荷移動剤(正孔移動剤、電子移動剤)を併用することができる。特に単層型の場合には感度向上のために他の電子移動剤を併用することが好ましい。
他の電荷移動剤(正孔移動剤、電子移動剤)としては上記のものを用いることができ、それらを1種又は2種以上混合して用いることができる。
一般式(I)で表わされる電荷移動剤と他の正孔移動剤とを混合して用いる場合、一般式(I)の電荷移動剤と他の正孔移動剤の含有比率は、重量比で、(電荷移動剤(I):他の正孔移動剤)=50:50〜95:5、好ましくは70:30〜95:5の範囲がよい。
一般式(I)で表される電荷移動剤は、バインダー樹脂100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは10〜150重量部が適当である。
他の電子移動剤を併用する場合は、電荷移動剤(電子移動剤を含む)の総量が、バインダー樹脂100重量部に対して20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部が適当である。
一般式(II)で表わされる酸化防止剤の含有量は、電荷移動剤1.0重量部に対し、0.01〜0.30重量部とすることが好ましい。
単層型の感光層に含有される電荷発生剤は、上記積層型の電荷発生層と同様なものが使用でき、電荷発生剤の含有の量は、感光層全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%が適当である。
感光層を形成するためのバインダー樹脂、塗布液に使用する溶剤は、上記積層型感光層と同様なものを使用することができ、上記電荷移動層と同様に、特性を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
これらをバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を所定の下地となる支持体上に、上記各種の方法により塗布し、乾燥させて形成することができる。
単層型の感光層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。
加えて、積層型または単層型の感光層の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。保護層の膜厚は、0.1〜20μmが適当である。
本発明に用いることができる導電性支持体としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やそれらの合金の加工体が挙げられる。形状は、円筒状の他、シート状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であってもよく、そして、無端、有端を問わない。また、導電性支持体の直径は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
この中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行なった導電性支持体が好ましく、更に、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理、またはこれらの加工、処理を行なわない無切削管などいずれのものでもよい。
また、基体として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボン等の導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもできる。
さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
また、支持体上に下引き層を形成してもよい。この下引き層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能、モアレ防止機能等をもつ。この下引き層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの下引き層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。さらに、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
これらの下引き層は感光層と同様に適当な溶媒、分散、塗工法を用いて形成することができる。下引き層の膜厚は、0.1μm〜50μm、好ましくは0.5μm〜20μmが適当である。
本発明の電子写真感光体が搭載される電子写真装置としては、通常、帯電方式はブラシ、ローラーなどの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよく、正負いずれの帯電電荷でもよい。露光方式は、LED,LD等いずれでもよい。現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。転写方式もローラー、ベルト等いずれでもよい。
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例を実験例、比較例とともに詳細に説明する。
直径24mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG−821−60大日本インキ化学工業社製)を重量比で65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR−EL石原産業社製)を重量比で1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、膜厚1.5μmの下引き層を形成した。
(オキシチタニウムフタロシアニンの合成)
フタロジニトリル64.4gとα−クロロナフタレン150mlの混合物中に窒素気流下で6.5mlの四塩化チタンを5分間滴下した。滴下後、マントルヒーターにより200℃で2時間加熱して反応を完結させた。その後析出物をろ過し、ろ過残渣をαクロロナフタレンで洗浄した後、クロロホルムで洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。その後、濃アンモニア水60mlとイオン交換水60mlの混合液により沸点下で10時間の加水分解反応を行ったのち、室温で吸引ろ過し、イオン交換水で洗浄が中性になるまで洗浄した。その後、メタノールで洗浄したのち、90℃の熱風で10時間乾燥したところ、青紫色の結晶型チタニルフタロシアニン粉末64.6gを得た。
次に、約10倍量の濃硫酸に溶解し、水にあけて析出させ、ろ過した後にウエットケーキをジクロロエタンにて室温で1時間攪拌して、本実施例で用いるオキシチタニウムフタロシアニン40gを得た。
このオキシチタニウムフタロシアニンのスペクトルを図3に示す。
CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有することがわかる。
このオキシチタニウムフタロシアニン粉末10gをガラスビーズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BM−1積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビーズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作製した。これを前記下引き層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次にバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(Z400三菱ガス化学社製)と、電荷移動剤として、式(Ia)で表わされる化合物と、式(IIa )で表される酸化防止剤と式(A)で表される紫外線吸収剤とを、重量比1.0:1.0:0.1:0.1で用意し、テトラヒドロフランに溶解し、電荷移動層用塗工液を調製した。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、130℃で60分乾燥し膜厚25.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(Ib)で表わされる電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(Ic)で表わされる電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(Id)で表わされる電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1において該電荷移動層用塗工液のバインダー、電荷移動剤式〔Ia〕、酸化防止剤式(IIa )及び紫外線吸収剤の重量比を1:1:0.01:0.1とした以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1において該電荷移動層用塗工液のバインダー、電荷移動剤式〔Ia〕、酸化防止剤式(IIa )及び紫外線吸収剤の重量比を1:1:0.3:0.1とした以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式(IIb)で表される酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式(IIc)で表される酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式(IId)で表される酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式(IIe)で表される酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1において該電荷移動層用塗工液に、式(B)で表される酸化防止剤を加え、バインダー、電荷移動剤式〔Ia〕、酸化防止剤式(IIa )、紫外線吸収剤、及び式(B)で表される酸化防止剤の重量比を1:1:0.1:0.1:0.1とした以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<比較例1>
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、下記式〔C〕で表わされる電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<比較例2>
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、下記式〔D〕で表わされる電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<比較例3>
実施例1の電荷移動層に酸化防止剤式(IIa )を含有させなかった他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<比較例4>
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、酸化防止剤式〔B〕を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<比較例5>
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式〔E〕で表されるアミン系酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<比較例6>
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式〔F〕で表されるアミン系酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<比較例7>
実施例1で用いられた酸化防止剤式(IIa )に代えて、式〔G〕で表されるアミン系酸化防止剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005472579
<簡易測定器での電気特性評価>
実施例1〜11及び比較例1〜7で作製した電子写真感光体に、感光ドラム評価装置(ダイナミックモード測定)を使用し、以下の条件で電子写真特性を評価した。
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例、比較例で作製された電子写真感光体を温度23℃、湿度50%の環境下で、スコロトロン方式で感光体の表面電位が約−700Vになるように放電電流を調節しその時の帯電電位を(V0)とし、電子写真感光体を帯電させ、波長650nmの半導体レーザーで照射した際、0.13〜0.15μJの露光エネルギー量で感光体の表面電位が約1/2(約−300V)になる様に調整した表面電位を(VH)とした。また、0.6μJ/cmの露光エネルギー量で露光した時の表面電位を感光体残留電位(VL)とした。
上記電子写真感光体をオゾン暴露試験装置(ダイレック製)でオゾン濃度5ppm、暴露時間5日間暴露した。この時の暴露前後の感光体の表面電位(VO)、感度電位(VH)、残留電位(VL)をそれぞれ測定した。除電は波長660nmのLED(20μW)を用いた。電子写真感光体のドラム回転数は150rpmとし、レーザー光照射してから電位を測定するまでの時間(露光位置から測定位置までの移動時間)は0.06秒であった。結果を表1に示す。
同様に、電子写真感光体をNOx暴露試験装置(ダイレック製)でNO濃度40ppm、NO濃度10ppmで4日間暴露した。この時の暴露前後の感光体の表面電位(VO)、感度電位(VH)、残留電位(VL)をそれぞれ測定した。除電は波長660nmのLED(20μW)を用いた。電子写真感光体のドラム回転数は150rpmとし、レーザー光照射してから電位を測定するまでの時間(露光位置から測定位置までの移動時間)は0.06秒であった。結果を表1に示す。
<実機での画像評価(ハーフトーン評価)>
実施例1〜11、比較例1〜7で作製した電子写真感光体で初期の感光体とオゾン暴露試験あるいはNOx暴露試験を行った感光体とを、カラープリンター(リコー社製:IPSiO SP C220)に搭載して、温度23℃、湿度50%の常温環境でハーフトーン画像(2by2)を出力し、初期と暴露後の画像濃度差(マクベス濃度計で測定)△IDを比較した結果を表2に表わす。
△ID=初期ID−暴露試験後ID
Figure 0005472579
Figure 0005472579
表1において、表面電位V0、VHの値は初期設定値V0が約700(−V)、約VH350(−V)に対し、光照射後の電位変化量が小さいほど優れている。また、VLは値が小さいほど高応答性に優れている。
実施例1〜11は、一般式(I)からなる電荷移動剤および、一般式(II)で表される酸化防止剤を感光層に添加することにより、高感度、高応答性および耐オゾン性、耐NOx性に優れた電子写真感光体であり、帯電電位、感度電位、残留電位、画像濃度変化において良好なものであった。実施例5は式(IIa )の酸化防止剤の添加量が少ない場合であるがは、実施例1に比べ表面電位、感度電位が若干劣るものの画像上での濃度差は実用レベルであった。また、実施例6は式(IIa )の酸化防止剤の添加量が多い場合であるが、VLが多少高目にはなるが、画像濃度においては実施例1と同じレベルであった。
比較例1、比較例2は、それぞれ一般式(I)で表される電荷移動剤とは異なる電荷移動剤を用いて電子写真感光体を作製したものであるが、VH、V0の値が高く、高感度、高応答性感光体の要求に応えることは困難であった。比較例3は式(IIa )で表される酸化防止剤を添加することなく感光体を作製したものであるが、オゾン暴露、NOx暴露後のV0、VHが著しく低下し、画像濃度変化△I Dも著しく大きな値になる。比較例4〜7はそれぞれ一般式(II)で表される酸化防止剤とは異なる酸化防止剤を感光層に添加して感光体を作製したものであるが、オゾン暴露、NOx暴露後のV0、VHの低下小さいが、VLの上昇を示すものもある。画像濃度変化については、比較例3に比べれば変化の程度は小さいが実用に供するレベルではなく、実施例1〜11に比べて劣る結果となった。
以上の説明からわかるように、本発明の感光体は耐オゾン性、耐NOx性に優れ、また帯電、感度、残留電位等の変化量が少なく電気特性も優れている。
1・・・導電性支持体
2・・・電荷発生層
3・・・電荷移動層
4・・・感光層
5・・・下引き層
6・・・単層型の感光層
特開平01−230055号公報 特開平03−172852号公報 特開2002−333731号公報 特開平04−56866号公報

Claims (12)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層が下記一般式(I)で表わされる電荷移動剤と一般式(II)で表される酸化防止剤を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005472579
    〔式中、R〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表わす。〕
    Figure 0005472579
    〔式中、A、Bはそれぞれ下記i)ii)より選ばれ、同一であっても、異なってもよい。
    i)−CH
    ii)−CHCH
    X、Yはそれぞれ芳香族残基を表し、これらは置換基を有してもよい。〕
  2. 前記電荷移動剤が下記式(Ia)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  3. 前記電荷移動剤が下記式(Ib)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  4. 前記電荷移動剤が下記式(Ic)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  5. 前記電荷移動剤が下記式(Id)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  6. 前記酸化防止剤が下記式(IIa)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  7. 前記酸化防止剤が下記式(IIb)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  8. 前記酸化防止剤が下記式(IIc)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  9. 前記酸化防止剤が下記式(IId)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  10. 前記酸化防止剤が下記式(IIe)で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005472579
  11. 前記感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1に記載の電子写真感光体。
  12. 前記感光層にフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1に記載の電子写真感光体。
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