JP5509681B2 - 電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンター等に使用される電子写真感光体に関し、特に、有機薄膜を使用した電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法に関する。
従来は、複写機やレーザープリンター等に用いられる電子写真感光体には、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン等の材料で構成された薄膜が感光層として用いられていた。
しかしながら近年では、低価格で環境汚染の少ない有機感光体を用いたものが主流になりつつある。
そのような有機感光体を感光層の構造で分類すると、単層分散型の感光層と機能分離型の感光層とに分けられる。
機能分離型感光体は、電荷を発生させる電荷発生層(CGL)と、発生した電荷を移動させる電荷移動層(CTL)とを別々に成膜したものであり、単層分散型感光体は、電荷移動剤の媒体中に電荷発生剤を分散させ、単層膜で両方(CGL及びCTL)の機能を持たせたものである。
他方、有機感光体を帯電型で分類すると、正帯電型と負帯電型の2種類に分けられるが、現在知られている電荷移動剤のうち、移動度が高いものは正孔移動性のものがほとんどであるため、実用化されている有機感光体は負帯電型が主流となっている。
ところで、一般に、電子写真感光体を負帯電させるためにはコロナ放電現象が利用されているが、その放電に伴う多量のオゾンの発生によって、室内環境が汚染されたり、電子写真感光体の劣化が早まったり等、種々の不都合が生じていた。
そこで、オゾンを捕捉するフィルター等を付加する等の改良が行われていたが、装置が複雑化、大型化するという問題があった。一方、オゾンを発生させない特殊な帯電方式の採用も試みられているが、電子写真プロセスが複雑になる等、新たな問題が生じている。
このような問題を解決するために、最近の市場ではオゾン発生が少なく、コロナ放電も安定している正帯電に対応した電子写真感光体が要求されている。一般に、有機物はマイナス電荷を輸送しにくいことから、正帯電型の電子写真感光体は機能分離した積層型では困難であり、単層型に多く用いられている。
しかしながら、正帯電単層型の電子写真感光体は、電子写真感光体として求められるすべての要求性能を必ずしも満足しているわけではなく、例えば画像メモリーという現象が生じる。
ここで、正帯電単層型の電子写真感光体を用いる画像形成装置の場合、感光体表面に正電荷を帯電させた後、画像情報を露光する。露光により電荷発生剤は電子−正孔対を形成し、電子、正孔の移動により露光部の表面電位が周辺に比べて低くなる。反転現像方式では、一定バイアスの下、表面電荷が低下した部分(前記露光部)に正電荷を帯びたトナーを静電的に付着させる。感光体表面に付着したトナーは紙を介して負帯電を印加することにより紙上にトナー像として転写される。
露光メモリーとは、帯電−露光−現像−転写の一連のプロセスを経た後、再度電子写真感光体を帯電した際、前プロセスで露光された部分が露光されていない部分に比べて正帯電が低くなる現象を言う。再度の帯電の後更に、露光−現像−転写を行うと、前プロセスで露光された部分とされていない部分とで画像濃度差が生じ、画像欠陥である画像メモリーとして視認される。
このような正帯電単層型感光体における画像メモリーの発生を防ぐ技術として、いくつかの提案がなされている。
例えば特許文献1では、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値とマイナス極性の感度の絶対値との差を特定の値以下とすることで、画像メモリーの発生を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2では、特定の電荷輸送剤を用いることで画像メモリーの発生を抑制する技術が開示されている。さらに、特許文献3では、特定の電荷発生剤を用いることで画像メモリーの発生を抑制する技術が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3にかかる技術をもってしても画像メモリーの発生を充分に抑制しているとは言えず、さらなる改善が望まれている。
以上説明したような反転現像方式に用いられる正帯電単層型の電子写真感光体における帯電−露光された部分では、感光層中にトラップが形成され、転写による負帯電により電子がトラップされるため、画像メモリーが発生すると考えられる。画像メモリーを防ぐ方法としては電子移動度の高い材料、電子移動を妨げない(電子トラップとならない)正孔移動剤、及び電荷発生剤の選択が重要になる。しかしながら、画像メモリーは単に電子の移動度を高くするだけでは解決できず、感光体の静電特性として露光メモリーに関する特性を充足する必要がある。
即ち、本発明は、上記従来技術の欠点を解決し、高感度で画像メモリーが発生しない正帯電単層型の電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、画像メモリーとプラス極性での帯電時、即ち正帯電時の残留電位と、マイナス極性での帯電時、即ち負帯電時の残留電位に関連のあることを見出した。
即ち、感光体の帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がそれぞれ150V以下であり、且つプラス極性の感度の絶対値がマイナス極性の感度の絶対値より大きいとする特性を備えた正帯電単層型の電子写真感光体は、転写時の帯電に供された後も電子移動度が維持でき、画像メモリーの発生を抑制できることを見出した。また、上記特性を発現させるための電子移動剤、正孔移動剤、電荷発生剤の組合せについても明確にした。
上記課題を解決するために本発明に係る電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法は、具体的には下記(1)〜()に記載の技術的特徴を有する。
(1):導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える正帯電単層型の電子写真感光体であって、該感光層は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有し、当該電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きく、前記電荷発生剤はチタニルフタロシアニンであり、CuKα線に対する回折角ピーク(2θ±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有し、前記正孔移動剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有し、前記電子移動剤は、下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
(上記式(I)中、R 〜R は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
Figure 0005509681
(上記式(II)中、R 〜R は、飽和炭化水素であって、相互に同じであっても異なっていてもよい。)
):前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ia)で表されることを特徴とする上記()に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ib)で表されることを特徴とする上記()に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ic)で表されることを特徴とする上記()に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Id)で表されることを特徴とする上記()に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ie)で表されることを特徴とする上記()に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):前記一般式(II)で表される電子移動剤は、下記化学式(IIa)で表されることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体である。
Figure 0005509681
):導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を備えた正帯電単層型の電子写真感光体を用いて行う電子写真方式の画像形成方法であって、前記感光層は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有し、前記電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きく、前記電荷発生剤はチタニルフタロシアニンであり、CuKα線に対する回折角ピーク(2θ±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有し、前記正孔移動剤は、前記一般式(I)で表される化合物を含有し、前記電子移動剤は、前記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真方式の画像形成方法である。
本発明によれば、高感度で画像メモリーが発生しない正帯電単層型の電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明の一例である単層分散型の電子写真感光体の構成を示す断面図である。 本発明で用いたY型チタニルフタロシアニンのX線回折図である。 本発明の一例である画像形成方法を実施するための電子写真装置の構成を示す断面図である。 比較例で用いたα型チタニルフタロシアニンのX線回折図である。 比較例で用いたβ型チタニルフタロシアニンのX線回折図である。 実施例で用いた評価用画像と、該評価用画像において画像メモリーが発生した例を示す。
〔電子写真感光体〕
本発明に係る電子写真感光体101は、正帯電単層型であって、導電性支持体102と、該導電性支持体102上に設けられた感光層103と、を備え、該感光層103は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有し、当該電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きいことを特徴とする。
次に、本発明に係る電子写真感光体(以下、単に感光体と称することもある。)についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は本発明に係る電子写真感光体の一実施の形態における構成を示す断面概略図である。
本発明の電子写真感光体101は、導電性支持体102上に感光層103が設けられてなる構成である。
《導電性支持体102》
本発明に用いることができる導電性支持体102の材料としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体及びそれらの合金が挙げられる。これらを加工体として用い、その形状は、シート状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であればいずれのものでもよく、そして、無端、有端を問わない。この他、ドラム形状などのインフレキシブルなものであってもよい。
また、導電性支持体102がドラム形状である場合の直径(外径)は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
この中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行った導電性支持体が好ましく、更に、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理、またはこれらの加工、処理を行わない無切削管などいずれのものでもよい。
また、導電性支持体102として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボン等の導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いたりすることもできる。
さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
《感光層103》
本発明において、感光層103は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有してなる。
感光層103の層厚は、10〜50μmであることが好ましい。10μm未満であると帯電性の低下が大きくなり、50μmより大きいと残留電位の増加が顕著となる。
以下、感光層103に含有される各材料について詳細に説明する。
<電荷発生剤>
本発明に用いることができる電荷発生剤としては、チタニウムフタロシアニンが高感度特性を有することから望ましく、中でも図2に示すようなX線回折ピーク図のY型チタニウムフタロシアニンが(後述する)本発明に用いられる電荷移動剤との組合せにおいて相性がよい。即ち、電荷発生剤に用いられるチタニルフタロシアニンは、CuKα線に対する回折角ピーク(2θ±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有することが好ましい。
但し、本発明はこれに限定されるものではなく、その他、例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン、無金属フタロシアニン、他の金属フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、多環キノン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
電荷発生剤は、感光層103中に0.005重量%以上70重量%以下含有されてなることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。電荷発生剤の含有量が0.005重量%未満であると感光体感度が低下する傾向にある。また、電荷発生剤の含有量が70重量%を超えると、帯電性や膜強度が低下する傾向にある。
<正孔移動剤>
本発明の正帯電単層型の電子写真感光体における感光層103には、正孔移動剤として下記一般式(I)で表わされる化合物が含有される。
Figure 0005509681
上記式(I)中、R〜Rは、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。また、R〜Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、特に、メチル基またはメトキシ基であることが好ましい。
前記一般式(I)で表される正孔移動剤を用いることで、正帯電単層型の電子写真感光体の応答性が良好なものとなる。
前記一般式(I)で表される正孔移動剤において、特に下記化学式(Ia)〜(Ie)で表わされる正孔移動剤により応答性のよい電子写真感光体が提供できる
以下、具体的化合物を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005509681
Figure 0005509681
Figure 0005509681
Figure 0005509681
Figure 0005509681
本発明では、前記一般式(I)で表わされる化合物の含有量は、要求される感光体性能や帯電極性により異なるため特に限定されないが、感光層103中の正孔移動剤の含有量は0.1重量%以上70重量%以下であることが好ましい。含有量が0.1重量%未満であると正孔移動が不充分になり感光体特性に影響を与えることがある。また、含有量が70重量%より多いと樹脂との相溶性が悪くなり不均一な膜になり、さらには、バインダー樹脂濃度が低くなると膜強度が低下する可能性もある。
また、前記一般式(I)で表される化合物を2種以上混合して用いてもよい。さらに、前記一般式(I)で表わされる化合物と他の正孔移動剤とを混合して用いることもできる。
<電子移動剤>
本発明の正帯電単層型の電子写真感光体における感光層103には、バインダー樹脂との相溶性に優れた電子移動剤である下記一般式(II)で表わされる化合物が含有される。
Figure 0005509681
上記式(II)中、R〜Rは飽和炭化水素であって、相互に同じであっても異なっていてもよい。また、R〜Rは炭素数1〜6の飽和炭化水素であることがより好ましく、特に、炭素数1〜4であることが好ましい。
上記一般式(II)で表される電子移動剤の具体的な化合物の好ましい例として、下記化学式(IIa)、(IIb)で表される化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に、下記化学式(IIa)で表わされる電子移動剤は樹脂との相溶性もよく、正帯電単層型の電子写真感光体の感度が高感度となる。
Figure 0005509681
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前記一般式(II)で示されるジフェノキノン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。更に、前記一般式(II)で示されるジフェノキノン化合物は、感光層103中に0.1重量%から80重量%の割合で含まれていることが好ましい。
更に、これら前記一般式(II)で表される電子移動剤に、他の電子移動剤を添加することもでき、その場合には、感度を高め、残留電位を低下させることができ、電子写真感光体の特性を改良することができる。
<バインダー樹脂>
本発明に用いることのできるバインダー樹脂としては特に限定されるものではないが、正孔移動剤、電子移動剤との相溶性に優れたビスフェノールZ型ポリカーボネートが望ましく、また粘度平均分子量が、40,000から60,000のものが正帯電単層型の電子写真感光体に用いた場合の耐摩耗性等に優れている。
感光層103に含有させうるその他のバインダー樹脂としては、例えば、ビスフェノールZ型以外のポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の樹脂がある。また、それらの共重合体樹脂であってもよい。
それらは単体で用いてもよいが、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
<溶剤>
本発明に用いることの出来る溶剤としては、環境への負荷等を考慮してテトラヒドロフラン(THF)が望ましい。その他の溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキソラン、ジオキサン、アニソール、メトキシエタノール等のテトラヒドロフラン(THF)以外のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。特にその中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
<その他の添加物>
本発明の電子写真感光体を製造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。
例えば、フェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
《表面保護層》
加えて、感光層103の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
《露光メモリーに関する特性》
以上のような層構成を有する本発明に係る電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きいことを特徴とする。
即ち、帯電電位、露光波長、露光エネルギー及び露光時間を所定の条件のものとして電子写真感光体を帯電・露光させた後の感度(V)について規定するものであって、(1)感光体を+800Vで帯電させ、上記所定の条件で露光した後の感度(プラス極性の感度)が150V以下であり、(2)感光体を−800Vで帯電させ、上記所定の条件で露光した後の感度(マイナス極性の感度)が−150V以下であり、(3)前記プラス極性の感度の絶対値がマイナス極性の感度の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
上記(3)を充足することで、画像メモリーが大幅に抑制される。また、プラス極性の感度の絶対値とマイナス極性の感度の絶対値との差は、150V以下で、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値よりも大きいことが好ましい。
上記(3)については、例えば、前記一般式(I)で表される化合物を添加し、その添加量を調整して制御することができる。
〔画像形成方法、電子写真装置〕
本発明の正帯電単層型の電子写真感光体が搭載される電子写真装置としては、通常、帯電方式はブラシ、ローラなどの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよい。露光方式は、LED,LD等いずれでもよい。現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。転写方式もローラ、ベルト等いずれでもよい。
次に、図面を用いて本発明に係る画像形成方法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
図3は、本発明の画像形成方法を説明するための概略図であり、本発明に係る画像形成方法を実施するための電子写真装置の一実施の形態における構成を示す概略図である。
図3において、感光体1は上述した本発明に係る電子写真感光体である。感光体1はドラム状の形状をしているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
図3に示す態様においては、ドラム状の感光体1が不図示の駆動手段により図中反時計周りに回転させられ、感光体1周辺に設けられた各手段により画像形成方法で画像が形成される。以下、画像形成方法の各工程の順に従い説明する。
(帯電手段、帯電工程)
先ず、帯電手段としての帯電チャージャ3により、感光体1表面が一様に帯電させられる。帯電チャージャ3は、感光体1や現像用のトナーの特性に応じて従来公知のものの中から適宜採用すればよく、感光体1表面を帯電せしめるものであればいずれも適用可能である。帯電チャージャ3としては例えば、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ等が挙げられる。
(画像露光手段、画像露光工程)
次に、一様に帯電した感光体1の表面には、画像露光手段としての画像露光部5により静電潜像が形成される。画像露光部5としては例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができ、発光ダイオードまたは半導体レーザを用いることが好ましい。そして、画像露光の際には所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを感光体1と画像露光部5との間に配置することができる。
(現像手段、現像工程)
感光体1の表面に形成された静電潜像は、トナーを用いて、現像手段としての現像ユニット6により現像される。即ち、現像ユニット6により静電潜像が現像されて可視像であるトナー画像が形成される。現像ユニット6は、使用するトナーに応じて従来公知のものの中から適宜採用すればよい。現像ユニット6としては例えば、一成分現像方式、二成分現像方式等が挙げられ、さらに夫々において磁性トナー用、非磁性トナー用のものがある。
(転写手段、転写工程)
さらに、感光体1上に担持されたトナー画像は、感光体1の回転に伴い転写手段としての転写チャージャ10まで搬送される。転写チャージャ10としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを適用することができるが、図3に示されるように転写チャージャ10と分離チャージャ11を併用したものが効果的である。さらに、転写効率を向上させるために、転写チャージャ10よりも(感光体1の回転方向に対して)上流側に転写前チャージャ7を設け、トナー画像にプレチャージすることが好ましい。転写チャージャ7としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを適用することができる。
一方、感光体1と転写チャージャ10とが対向する位置には、記録材としての転写紙9がレジストローラ8等により、当該転写紙9の所望の位置にトナー画像が転写されるように搬送される。
そして、感光体1上のトナー画像と転写紙9とが対向した位置において、転写チャージャ10によりトナー画像が転写紙9に転写される。
尚、トナー画像が転写された転写紙9は、感光体1に伴って回転することで分離爪12に到達し、この分離爪12により感光体1の表面から分離され、さらに説明を省略する搬送、定着の工程を経て電子写真装置外に排出される。
(クリーニング手段、クリーニング工程)
ここで、転写チャージャ10による転写および分離爪12による転写紙9の分離の後の感光体1の表面には、転写紙9に転写しきれなかったトナー画像、所謂転写残トナーや紙粉などの付着物が存在する。このため、クリーニング手段であるファーブラシ14及びクリーニングブレード15により感光体1表面から付着物を除去する。クリーニング手段としては、上記ファーブラシ14及びクリーニングブレード15の他、マグファーブラシなど従来公知のものを用いることができ、さらにはファーブラシのみ或いはクリーニングブレードのみを用いることもできる。尚、クリーニング効率を向上させるために、クリーニング手段に供する前にクリーニング前チャージャ13によりプレチャージすることが好ましい。クリーニング前チャージャ13としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを適用することができる。
また、画像露光部5に用いた各種の光源は、図3に示される形態に用いられることに限定されるものではなく、他に光照射を併用した転写工程、クリーニング工程、或いは前露光などの工程に用いることができる。
《その他の実施の形態》
また、本発明の画像形成方法は、上述した本発明の電子写真感光体を備えて画像形成を行うものであれば良く、従来公知のものを利用できる。
例えば、タンデム方式やリボルバ方式のカラー画像形成方法、モノクロ画像形成方法のいずれであってもよく、上述した電子写真感光体から記録媒体への直接転写方式に限らず、中間転写方式を採用した画像形成方法であってもよい。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。
<実施例1>
本発明の電子写真感光体の一例について図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施の形態である単層分散型の電子写真感光体であり、円筒状のアルミニウム管単体から成る導電性基体102と、該導電性基体102上に成膜された感光層103とを有している。
図1に示す感光層103を成膜するために、先ず、図2に示すY型チタニルフタロシアニン0.4g、ガラスビーズ10ml、テトラヒドロフラン100mlと共にペイントシェイカーで5時間分散しガラスビーズを濾別しCG液90ml得る。得られたCG液に前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤9重量部と前記化学式(IIa)で表されるジフェノキノン6重量部、粘度平均分子量50,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート15重量部を加えて溶解し単層感光体用塗料を作製した。前記導電性基体2上に膜厚30μmの薄膜を塗工し、120℃、1時間の乾燥を行い、前記感光層3を形成し、正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<実施例2>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(Ib)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<実施例3>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(Ic)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<実施例4>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(Id)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<実施例5>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(Ie)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例1>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を下記化学式(A)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
Figure 0005509681
<比較例2>
実施例1において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(B)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
Figure 0005509681
<比較例3>
実施例1において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(C)で表される電子移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
Figure 0005509681
<比較例4>
実施例1において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(D)で表される電子移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
Figure 0005509681
<比較例5>
実施例1において、電荷発生剤をX線回折ピークが図2で表されるY型チタニルフタロシアニンに代えて、X線回折ピークが図4で表されるα型チタニルフタロシアニンとした以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例6>
比較例5において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(A)で表される正孔移動剤に代えた以外は比較例5と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例7>
比較例5において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(B)で表される正孔移動剤に代えた以外は比較例5と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例8>
比較例5において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(C)で表される電子移動剤に代えた以外は比較例5と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例9>
比較例5において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(D)で表される電子移動剤に代えた以外は比較例5と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例10>
実施例1において、電荷発生剤をX線回折ピークが図2で表されるY型チタニルフタロシアニンに代えて、X線回折ピークが図5で表されるβ型チタニルフタロシアニンとした以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例11>
比較例10において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(A)で表される正孔移動剤に代えた以外は比較例10と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例12>
比較例10において、前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(B)で表される正孔移動剤に代えた以外は比較例10と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例13>
比較例10において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(C)で表される電子移動剤に代えた以外は比較例10と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例14>
比較例10において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(D)で表される電子移動剤に代えた以外は比較例10と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
<比較例15>
実施例1において、前記化学式(IIa)で表される電子移動剤を前記化学式(IIb)で表される電子移動剤に代え、さらに前記化学式(Ia)で表される正孔移動剤を前記化学式(E)で表される正孔移動剤に代えた以外は実施例1と同様にして正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
Figure 0005509681
・感光体評価
<簡易測定器での電気特性評価>
実施例1〜5及び比較例1〜15で作製した電子写真感光体に、感光ドラム評価装置(山梨電子工業社製)を使用し、以下の条件で電子写真特性を評価した。
<正極性感度評価>
電子写真感光体は、温度23℃、湿度50%の環境下で、スコロトロン方式で帯電を行い帯電させ感光体の表面電位が+800Vになるように放電電流を調節する。次に露光は半導体レーザにより波長780nm、露光エネルギーは1.0μJ/cmになるように調整する。露光開始から500msec後の電位+VL(V)を正極性感度とする。+VL(V)の絶対値が小さいほど高感度である。
<負極性感度評価>
感光体の表面電位が−800Vになるように調整した以外は上述の<正極性感度評価>と同様に−VL(V)を負極性感度とする。−VLも絶対値が小さいほど高感度である。
<実機での画像評価(メモリー評価)>
実施例1〜5及び比較例1〜15で作製した電子写真感光体をモノクロプリンター(ブラザー社製:HL−5240)に搭載して温度23℃、湿度50%の環境下で感光体帯電電位が+600Vとし、現像バイアスを+450Vの状態で、図6に示すような黒ベタ部とハーフトーン部のある評価用画像を出力し、ハーフトーン画像部に黒ベタ部の残像が発生するか、しないかをもってメモリー評価とした。メモリー評価は前記残像の有無を目視でおこなった。また黒ベタ部の画像濃度について評価し濃度低下の有無を評価した。尚、残像(画像メモリー)が発生した例を図6に併せて示す。
<評価結果>
実施例1〜5及び比較例1〜15の測定結果を表1に示す。尚、表1中の感度電位差は、負極性感度の絶対値から正極性感度の絶対値を引いた差を表す。
Figure 0005509681
実施例1〜5においては、上記製造条件で製造されたすべての電子写真感光体において正帯電感度の絶対値が負帯電感度の絶対値より大きく、正負それぞれ感度の絶対値も150V以下と高感度であった。このような特性を持つ電子写真感光体は上記画像試験を行った際に画像メモリーの発生はなかった。比較例1〜14においては、上記製造条件で製造された電子写真感光体において正帯電感度の絶対値が負帯電の絶対値より小さくなっている。このような特性を持つ電子写真感光体は上記画像試験を行った際、すべて画像メモリーが発生した。また比較例2を除き正負それぞれの感度の一方、もしくは両方の絶対値が150Vを超えるため画像濃度の低下を生じている。また比較例15では正帯電感度の絶対値が負帯電感度の絶対値より大きくなっているものの、正負それぞれの感度の絶対値が150Vを超えるため画像濃度の低下を生じている。
以上の結果からもあきらかなように、正負それぞれの感度の絶対値が150V以下で、正帯電感度の絶対値が負帯電感度の絶対値より大きい場合は、画像メモリーの発生を抑制できる。
101 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 感光層
特開2005−331965号公報 特開平11−344816号公報 特開2008−122740号公報

Claims (8)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える正帯電単層型の電子写真感光体であって、
    該感光層は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有し、
    当該電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きく、
    前記電荷発生剤はチタニルフタロシアニンであり、CuKα線に対する回折角ピーク(2θ±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有し、
    前記正孔移動剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有し、
    前記電子移動剤は、下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
    (上記式(I)中、R 〜R は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
    Figure 0005509681
    (上記式(II)中、R 〜R は、飽和炭化水素であって、相互に同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ia)で表されることを特徴とする請求項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  3. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ib)で表されることを特徴とする請求項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  4. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ic)で表されることを特徴とする請求項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  5. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Id)で表されることを特徴とする請求項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  6. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記化学式(Ie)で表されることを特徴とする請求項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  7. 前記一般式(II)で表される電子移動剤は、下記化学式(IIa)で表されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の正帯電単層型の電子写真感光体。
    Figure 0005509681
  8. 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を備えた正帯電単層型の電子写真感光体を用いて行う電子写真方式の画像形成方法であって、
    前記感光層は、電荷発生剤、正孔移動剤、電子移動剤、及びバインダー樹脂を含有し、
    前記電子写真感光体は、帯電電位を絶対値で800Vに設定し、露光波長780nm、
    露光エネルギー1.0μJ/cm、露光時間500msecの条件で露光後に測定したプラス極性の感度の絶対値及びマイナス極性の感度の絶対値がいずれも150V以下であり、且つ、前記プラス極性の感度の絶対値が前記マイナス極性の感度の絶対値より大きく、
    前記電荷発生剤はチタニルフタロシアニンであり、CuKα線に対する回折角ピーク(2θ±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有し、
    前記正孔移動剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有し、
    前記電子移動剤は、下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真方式の画像形成方法。
    Figure 0005509681
    (上記式(I)中、R 〜R は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
    Figure 0005509681
    (上記式(II)中、R 〜R は、飽和炭化水素であって、相互に同じであっても異なっていてもよい。)
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