JP2007219377A - 電子写真感光体、電子写真装置及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真装置及び電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像品質の良い電子写真感光体を提供する。
【解決手段】本発明の電子写真感光体11では、感光層25が、下記一般式(1)で示される電荷移動剤をテトラヒドロフランに溶解した塗布液を、導電性支持体21上に塗布乾燥して形成される。テトラヒドロフランは感光層25中に残留しても、感光層25の特性に影響を与えないので、低温、短時間の乾燥で感光層25を作成できる。従って、感光層25にはクラックが発生せず、品質に優れた電子写真感光体11が得られる。
【化15】
Figure 2007219377

【選択図】図1

Description

本発明は、有機光導電性物質を含有する電子写真感光体および電子写真装置に関する。
近年、電子写真方式を採用する、ノンインパクトプリンタの露光光源としては半導体レーザーやLED等長波長の光源が主に使用されている。最近では、デジタル方式の複写機、プリンター等の電子写真装置が浸透してきており、高画質化、小型化、高速化の要求が一層高まってきている。
特に露光工程から現像工程までの移動時間が短い高速の複写機では、ドット画像や細線が鮮明に再現できないなどの問題があったため、電子写真感光体は長波長域に高い感度を有する電荷発生剤を含んだ電荷発生層と、高耐刷、高移動度の電荷移動剤をバインダー樹脂に分散させた電荷移動層とに、機能を分離させて感光層を形成する積層型電子写真感光体が提案され、実用化されている。
この積層型電子写真感光体において一般に用いられる電荷発生物質は、フタロシアニン系,アゾ系,スクエアリリウム系,シアニン系,ペリレン系等の各種顔料である。これらの電荷発生物質は電荷発生層内で比較的高い電荷発生能を有し、さらに前記した電荷移動物質が電荷移動層内で比較的高い電荷輸送能を有するため、この構成の感光体は比較的高い感度が得られる。
また電荷移動物質が比較的低分子化合物であり、バインダー樹脂としてポリカーボネートやアクリルのような機械的特性に優れたポリマーにも電荷移動物質を容易に固溶させることができるため、電荷移動層が比較的耐摩耗性に優れ、このため感度だけでなく寿命においても比較的満足のいくものが得られるようになった。
上述のように、導電性の支持体上に電荷発生層、電荷移動層の順に積層してなる積層型電子写真感光体は耐光性,帯電性に優れ、さらに高感度が得られることから盛んに検討されている。
一般に、電荷移動層は電荷移動剤とバインダー樹脂とを塗料化溶剤に溶解して塗布液を作成し、該塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して形成される。
しかし、電荷移動剤は、種々の溶剤に対して十分には溶解し難く、また種々のバインダー樹脂に対しても十分には溶解し難い物質である。
従来では、塗料化溶剤として、塩化メチレンやジクロロエタンの使用が検討されているこれらの塗料化溶剤は、上記電荷移動物質やバインダー樹脂の溶解性が比較的高く、しかも低沸点であって塗布膜厚の均一性が得やすく乾燥も容易と考えられる。(例えば、特許文献1参照。)
特開2001−125288号公報 特開2000−314977号公報 特開2004−354673号公報
しかしながら、塩化メチレンやジクロロエタンを塗料化溶剤に用いた場合には、電荷移動層の塗布形成後の加熱乾燥を十分に行って完全に塗料化溶剤を蒸発させないと、有機感光体の局部的に帯電電圧が低下する部分が発生し、画像ノイズとなって画像品質を低下させる問題があった。
またこの問題解決のため長時間の加熱乾燥を行った場合には、電荷移動層にクラックが発生し画像ノイズとなる問題があり、適切な乾燥条件の決定が難しく、量産歩留まりが向上し難い問題があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、電子写真感光体の画像ノイズやクラックを防止し、歩留まり高く生産できる電子写真感光体を提供することを目的とするものである。
また、高画質化、小型化、高速化に向かっているデジタル方式の複写機、プリンター等の電子写真装置に適用する高解像性の電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた電子写真装置を提供することにある。
本発明者等が鋭意検討を行った結果、塗料化溶剤として感光層にテトラヒドロフランが残留するものは、他の塗料化溶剤が残留する場合に比べて、電子写真感光体としての特性が優れていることが分かった。
係る知見に基づいて成された請求項1記載の発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層が形成され、像露光工程から現像工程までの電子写真感光体の周速度が0.1秒以下のプロセススピードでトナー画像を形成する電子写真装置に用いられる電子写真感光体において、前記電荷移動剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、前記感光層は、前記電荷移動剤をテトラヒドロフランに溶解させ、前記テトラヒドロフランを蒸発して形成されており、前記感光層には、残留する前記テトラヒドロフランが含有されたことを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 2007219377
(式中、R1〜R3は、水素と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数6以上12以下のアリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真感光体であって、前記電荷移動剤は、下記化学式(1a)で表される化合物である電子写真感光体である。
Figure 2007219377
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子写真感光体であって、前記感光層はバインダー樹脂を含有し、前記電荷移動剤と、前記バインダー樹脂との重量比が5/10以上8/10以下である電子写真感光体である。
請求項4記載の発明は、電子写真感光体を有し、像露光工程から現像工程までの電子写真感光体の周速度が0.1秒以下のプロセススピードでトナー画像を形成する電子写真装置であって、前記電子写真感光体は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子写真感光体である電子写真装置。
請求項5記載の発明は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置された感光層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、下記一般式(1)で表される電荷移動剤と、バインダー樹脂とをテトラヒドロフランを含有する溶媒に溶解して塗布液を作成し、前記塗布液を導電性支持体上に塗布乾燥して前記感光層を形成する電子写真感光体の製造方法である。
Figure 2007219377
(式中、R1〜R3は、水素と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数6以上12以下のアリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。)
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電子写真感光体の製造方法であって、前記電荷移動剤は、下記化学式(1a)で表される化合物である電子写真感光体の製造方法である。
Figure 2007219377
尚、本発明でアルキル基とは、アルキル基に他の置換基が結合した置換アルキル基と、他の置換基が結合しない未置換アルキル基があり、アリール基とは、アリール基に他の置換基が結合した置換アルキル基と、他の置換基が結合しない未置換アリール基がある。
局部的な帯電電圧の低下による画像ノイズや電荷移動層のクラックを発生せず、耐光性,帯電性に優れ、画像品質の良い状態で安定して歩留まり高く生産できる電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(1)に示す化合物において、特に下記化学式(1a)〜(1d)に示す化合物がテトラヒドロフランとの相性がよく好ましい。
以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2007219377
Figure 2007219377
Figure 2007219377
Figure 2007219377
本発明の電子写真感光体11は、導電性支持体21と、導電性支持体21上に配置された感光層25とを有している(図1)。ここでは、電子写真感光体11は積層型電子写真感光体であって、感光層25は、例えば、導電性支持体21上に配置された電荷発生層22と、電荷発生層22上に配置された電荷移動層23とを有しており、電荷移動層23は、電荷移動剤として、少なくとも上記一般式(1)で示される化合物を含有する。
電荷移動層23が上記電荷移動剤を含有することによって、感光層25は耐光性,帯電性に優れたものになる。
さらにこの電荷移動層23の塗料化溶剤として、後述するテトラヒドロフランを用いることによって、電荷移動層23中に残留する溶剤による局部的帯電電位の低下による画像ノイズの発生を減少させるものである。
この結果、電荷移動剤を塗料化溶剤に溶解した塗布液を塗布乾燥して電荷移動層23を形成する際、比較的低温短時間で、加熱せずに乾燥して電荷移動層23にテトラヒドロフランが残留していても、画像ノイズの発生がない。
このように、電荷移動層23を形成する際に高温又は長時間乾燥させる必要が無く、容易に適切な乾燥条件を設定できるから、出来上がった電荷移動層23にはクラックの発生が無く、耐光性,帯電性に優れ高感度な感光体を、画像品質の良い状態で安定して歩留まり高く生産できるものである。
以下、本発明の積層型電子写真感光体11についてより詳細に説明する。
本発明の積層型電子写真感光体11は導電性支持体21上の感光層25が、少なくとも電荷発生層22上に電荷移動層23を積層してなる積層型有機感光体である。
本発明の電子写真感光体11の電荷発生層22に用いる電荷発生物質としては、フタロシアニン系,アゾ系,スクエアリリウム系,シアニン系,キノン系,ペリレン系などの各種顔料あるいは染料があげられる。
電荷発生層22の形成工程を説明すると、先ず、上述した電荷発生物質と、適当なバインダー樹脂とを、塗料化溶剤に溶解あるいは分散させて塗料化し、電荷発生層用塗料を得る。
電荷発生層用塗料に用いられるバインダー樹脂は、電荷発生物質の分散性向上,他層との接着性向上,塗布膜の均一性向上,塗工時の流動性調整などの目的で、必要に応じて用いられ、具体的には、ポリエステル,ポリ塩化ビニル,ポリビニルブチラ−ル,ポリ酢酸ビニル,ポリカ−ボネイト,フッ素樹脂,メタクリル樹脂,シリコーン樹脂またはこれらの樹脂の共重合体などがあげられる。
また、塗料化溶剤としては電荷発生物質、バインダー樹脂を溶解あるいは分散させ得るものであればよく、具体的には、ハロゲン化炭化水素類,芳香族炭化水素類,ケトン類,エステル類,エーテル類,アルコール類などを用いることができる。
電荷発生層22はこの電荷発生層用塗料を、浸漬塗工法,スピン塗工法,スプレイ塗工法,静電塗工法等の通常の塗布法によって、導電性支持体21上に塗布・乾燥し、数μm、好ましくは0.02μm以上2μm以下の膜厚で形成する。
本発明の電子写真感光体の電荷移動層用塗料は、電荷移動物質として電子供与性物質である上記式一般式(1)の化合物と、バインダー樹脂とを、塗料化溶剤であるテトラヒドロフランに溶解して得る。
上記塗料を用いて電荷発生層22上に浸漬塗工法,スピン塗工法,スプレイ塗工法,静電塗工法等の通常の塗布法によって塗布層を形成し、更にその塗布層を乾燥させて過剰なテトラヒドロフランを除去して電荷移動層23を形成する。
尚、上記塗料の塗布方法によっては結露、ゆず肌等の問題が生じるため、その改善のために塗料に適当な添加剤を併せて加えても良い。電荷移動層23の膜厚としては数μm以上数十μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下である。
電荷移動層23に用いられるバインダー樹脂は、他層との接着性向上、塗布膜の均一性向上、塗工時の流動性調整などの目的で、必要に応じて用いられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の樹脂がある。また、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラ−ル、ポリ酢酸ビニル、ポリカ−ボネイト、フッ素樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂またはこれらの樹脂の共重合体などがあげられる。
これらのバインダー樹脂は1種類だけを電荷移動層23に含有させてもよいし、2種類以上を同じ電荷移動層23に含有させてもよい。
尚、感光層25が電荷発生層22と、電荷移動層23とからなる場合には、上述した電荷移動層23用のバインダー樹脂は、電荷発生層22にも使用できる。
電荷移動層23中の一般式(1)で表される化合物の含有量は、バインダー樹脂1重量部に対し、0.5重量部以上0.8重量部以下とすることが好ましい。この化合物の含有量が0.5重量部より少ないと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、0.8重量部より多いと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
さらに、一般式(1)で表される化合物と他の電荷移動剤とを混合して同じ電荷移動層23に用いることもできる。この場合、一般式(1)の化合物aと他の電荷移動剤bとの含有比率(a:b、重量比)は、5:95以上50:50以下、好ましくは5:95以上30:70以下の範囲がよい。
また、導電性支持体21と感光層25との間に樹脂層(下引層)を形成してもよい。この樹脂層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。
この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。
また、樹脂層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。さらに、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。これらの添加剤は、単体で用いてもよいが、2種以上混合して使用することも可能である。樹脂層に分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
本発明の電子写真感光体11を製造するための塗布液(例えば、電荷移動層用塗料、電荷発生層用塗料)には、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、電子写真感光体11の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
特に酸化防止剤は電子写真感光体11の耐久性向上に寄与し有用で、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、電子写真感光体11の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。
加えて、感光層25の導電性支持体21と反対側の面上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、電子写真感光体11の耐久性が向上するので好ましい。
本発明に用いることができる導電性支持体21としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やそれらの合金の加工体が挙げられる。
形状は、シ−ト状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であればいずれのものでもよく、そして、無端、有端を問わない。
導電性支持体21としては、上記フレキシブルな形状の金属担体や加工体を円筒形状に成形したものが用いられ、その円筒の内径は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
この中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行なった導電性支持体21が好ましく、更に、その導電性支持体21の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理、またはこれらの加工、処理を行なわない無切削管などいずれのものでもよい。
以上は、導電性支持体21上に、電荷発生層22と、電荷移動層23とが記載した順番に積層された積層型電子写真感光体11について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電荷発生層22と、電荷移動層23の積層の順番を逆にし、導電性支持体21上に、電荷移動層23と、電荷発生層22が記載した順番に積層された積層型電子写真感光体11も本発明には含まれる。
さらに、電荷発生剤と電荷移動剤とを同一層35に含有させた単層型電子写真感光体31にも適用できる(図2)。
本発明の電子写真感光体が搭載される電子写真装置としては、通常、帯電方式はブラシ、ロ−ラ−などの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよく、正負いずれの帯電電荷でもよい。
露光方式は、LED、LD等いずれでもよい。現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。転写方式もロ−ラ−、ベルト等いずれでもよい。本発明の電子写真感光体は、接触帯電方式の電子写真感光体に使用した電子写真装置の場合に優れた特性を発揮する。
次に、本発明の電子写真装置について説明する。図3は、本発明の電子写真装置1の概略の構成図であり、この電子写真装置1は、上述した電子写真感光体11を有している。
電子写真感光体11は、円柱又は円筒状の導電性支持体21の側面に上述した感光層25が形成されて構成されており、全体の形状は円柱又は円筒状にされている。電子写真感光体11は不図示の回転手段によって、その中心軸線を中心として回転するように構成されている。
電子写真感光体11の周囲には、帯電装置12と、露光装置14と、現像装置15と、転写装置16と、クリーニング装置17とが、記載した順番に電子写真感光体11の回転方向に沿って並べられている。
電子写真感光体11を一定の周速で回転させると、感光層25表面は、帯電装置12によって所定電位に一様に帯電され、次いで、帯電された部分は露光装置14によって露光され、露光された部分の電荷を消して、感光層25に静電潜像を形成し、露光されていない部分に、現像装置15によって静電潜像を可視化させて現像し、得られたトナー像を転写装置16によって記録紙5に転写する。
トナー像が転写された記録紙5は電子写真感光体11から定着装置19に送られ、定着装置19は記録紙5上のトナーを加熱、加圧して記録紙5に定着させる。
尚、記録紙5にトナー像が転写された後の感光層25は、電子写真感光体11の回転によってクリーニング装置17に送られ、クリーニング後は、再び帯電装置12に送られて、上述した帯電、露光、現像、転写の工程が繰り返される。
その際の、本発明の電子写真装置において、電子写真感光体11の露光位置から現像位置まで感光体の周速度が0.1秒以下として画像を形成するものである。
露光位置から現像位置までの感光体の周速度、即ち、像露光工程から現像工程までの感光体の周速度は、像露光光の照射が完了する位置から、現像によりトナーが付着しはじめる位置へ到達するまでの時間を言う。
次に、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に示す組合せに限定されるものではない。
<実施例1>
アルキド樹脂(商品名「ベッコライトM-6401-50」、大日本インキ化学工業(株)社製)とアミノ樹脂(商品名「スーパーベッカミンG-821-60」、大日本インキ化学工業(株)社製)とを65:35(重量比)の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(商品名「CR-EL」、石原産業(株)社製)を1:3(重量比)の割合とし、それぞれメチルエチルケトンに溶解して塗布液を作成した。直径30mmのアルミニウム合金からなる円筒ドラムを導電性支持体21とし、上記塗布液をそのドラム上に、塗布、乾燥して、膜厚1.5μmの下引層を形成した。
次いで、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名「BM-1」積水化学工業(株)社製)を用いたγ型オキシチタニウムフタロシアニン(三菱製紙(株)社製)分散液を浸漬塗布工程により塗布した後、乾燥し、膜厚0.1μmの電荷発生層22を前記下引層上に積層した。
次いで、上記化学式(1a)の電荷移動剤と、添加剤である酸化防止剤(N−phenyl−1−naphthylamine)と、バインダー樹脂であるポリカーボネート樹脂(商品名「Z400」、三菱瓦斯化学(株)社製)とをテトラヒドロフランに溶解し、電荷移動層用塗料を得た。
この塗料を前記電荷発生層22上に浸漬塗布し、加熱乾燥させて膜厚18μmの電荷移動層23を形成し、実施例1の電子写真感光体11を得た。
<実施例2>
電荷移動物質として化学式(1a)の化合物を化学式(1b)の化合物に代えた以外は、実施例1と同じ条件で実施例2の電子写真感光体11を作成した。
<実施例3>
電荷移動物質として化学式(1a)の化合物を化学式(1c)の化合物に代えた以外は、実施例1と同じ条件で実施例3の電子写真感光体11を作成した。
<実施例4>
電荷移動物質として化学式(1a)の化合物を化学式(1d)の化合物に代えた以外は、実施例1と同じ条件で実施例4の電子写真感光体11を作成した。
<実施例5>
電荷移動層に用いる酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤を用いて電荷移動層用塗料を作製した以外は、実施例1と同じ条件で実施例5の電子写真感光体11を作成した。
尚、上記実施例1〜6の電子写真感光体から電荷移動層を剥離し、熱分解ガスクロマトグラフイー(GCMS−QP2000GF:島津製作所製)にて電荷移動層中の残留THF(テトラヒドロフラン)の定性試験を行ったところ、各電荷移動層中にTHFがそれぞれ残留していることが確認された。
<比較例1>
電荷移動層用塗料に用いる塗料化溶剤として、テトラヒドロフランの代わりに塩化メチレンを用いて電荷移動層用塗料を作製した以外は、実施例1と同じ条件で比較例1の電子写真感光体を作成した。
<比較例2>
電荷移動層用塗料に用いる塗料化溶剤として、テトラヒドロフランの代わりにクロロホルムを用いて電荷移動層用塗料を作製した以外は、実施例1と同じ条件で比較例2の電子写真感光体を作成した。
<比較例3>
電荷移動物質として化学式(1a)の化合物を下記化学式(A)の化合物に代えた以外は、実施例1と同じ条件で比較例3の電子写真感光体を作成した。
Figure 2007219377
<比較例4>
電荷移動物質として化学式(1a)の化合物を下記化学式(B)の化合物に代えた以外は、実施例1と同じ条件で比較例4の電子写真感光体を作成した。
Figure 2007219377
<評価試験>
評価方法は、以下に述べるとおりである。
〔静電特性の測定〕
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業(株)社製)に、上記実施例1〜4、比較例1〜6の電子写真感光体11を装着して、図3に示したような電子写真装置1とした。
帯電、露光、現像、転写を1サイクルとして、1サイクル目の電位を初期とし、さらに1万サイクル後の表面電位(V0)、残留電位(VL)の静電特性を測定し、変化量を求めることにより評価した。
また、像露光工程から現像工程までの移動時間(周速度)を表1の通り設定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2007219377
尚、上記表1中の実施例6は、実施例1の電子写真感光体を用いた電子写真装置1において、像露光工程から現像工程までの移動時間を0.15秒と設定した場合の評価結果である。
上記表1から明らかなように、実施例1〜5は一般式(1)の化合物とテトラヒドロフランの組み合わせにより、初期帯電電位、残留電位、1万サイクル後の帯電電位、残留電位も大きな変化がなく、感光体特性として良好なものであった。
また、実施例6も感光体特性に優れており、本願の電子写真感光体は、周速度が0.1秒以下と短い場合だけでなく、0.1秒を超える場合であっても使用可能なことが分かる。
これに対し、比較例1、2は、テトラヒドラフラン以外の溶媒を用いた結果、1万サイクル後の帯電電位が大きく変化し、感光体特性として満足できるものでなかった。
また、比較例3、4は、一般式(1)以外の化合物を電荷移動剤として用いた結果、初期残留電位及び1万サイクル後の残留電位が大きく変化し、感光体特性として満足できるものでなかった。
このように、感光層25の作成工程において、テトラヒドロフラン以外の溶剤を使用したり、一般式(1)以外の化合物を電荷移動剤として用いると、特に、周速度が0.1秒以下と速い装置においては感光特性が満足できないことがわかる。
本発明の電子写真感光体の一例の断面図 本発明の電子写真感光体の他の例の断面図 本発明の電子写真装置の断面図
符号の説明
1……電子写真装置 11……電子写真感光体 22……電荷発生層 23……電荷移動層 25……感光層 13……電源 12……帯電装置 14……露光装置 15……現像装置 16……転写装置 19……定着装置 17……クリーニング装置

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層が形成され、
    像露光工程から現像工程までの電子写真感光体の周速度が0.1秒以下のプロセススピードでトナー画像を形成する電子写真装置に用いられる電子写真感光体において、
    前記電荷移動剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、
    前記感光層は、前記電荷移動剤をテトラヒドロフランに溶解させ、前記テトラヒドロフランを蒸発して形成されており、
    前記感光層には、残留する前記テトラヒドロフランが含有されたことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2007219377
    (式中、R1〜R3は、水素と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数6以上12以下のアリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。)
  2. 前記電荷移動剤は、下記化学式(1a)で表される化合物である請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 2007219377
  3. 前記感光層はバインダー樹脂を含有し、
    前記電荷移動剤と、前記バインダー樹脂との重量比が5/10以上8/10以下である請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子写真感光体。
  4. 電子写真感光体を有し、
    像露光工程から現像工程までの電子写真感光体の周速度が0.1秒以下のプロセススピードでトナー画像を形成する電子写真装置であって、
    前記電子写真感光体は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子写真感光体である電子写真装置。
  5. 導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置された感光層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、
    下記一般式(1)で表される電荷移動剤と、バインダー樹脂とをテトラヒドロフランを含有する溶媒に溶解して塗布液を作成し、
    前記塗布液を導電性支持体上に塗布乾燥して前記感光層を形成する電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2007219377
    (式中、R1〜R3は、水素と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数6以上12以下のアリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。)
  6. 前記電荷移動剤は、下記化学式(1a)で表される化合物である請求項5記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2007219377
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