JP2003098704A - 負帯電単層分散型感光体 - Google Patents

負帯電単層分散型感光体

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JP2003098704A
JP2003098704A JP2001290712A JP2001290712A JP2003098704A JP 2003098704 A JP2003098704 A JP 2003098704A JP 2001290712 A JP2001290712 A JP 2001290712A JP 2001290712 A JP2001290712 A JP 2001290712A JP 2003098704 A JP2003098704 A JP 2003098704A
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JP2001290712A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Kiuchi
保行 木内
Toyozo Sato
豊三 佐藤
Hiroki Suzuki
宏記 鈴木
Mitsuyo Momose
光代 百▲せ▼
Tadayoshi Uchida
忠良 内田
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Permachem Asia Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Permachem Asia Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度な感光体を提供する。 【解決手段】導電性支持体11と、導電性支持体11上
に配置されたブロッキング層12と、ブロッキング層1
2上に配置された感光層13とを有する電子写真感光体
10では、導電性支持体11から感光層13への正孔注
入がブロッキング層12によって防止できるので、露光
前の帯電時において高い帯電性を示し、更に高電位を保
持する高電位保持正を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体の
技術分野にかかり、特に、電子移動材料と正孔移動材料
と電荷発生物質を単一の感光層に含有する負帯電型の電
子写真感光体(負帯電単層分散型感光体)に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、帯電して画像露光し
て静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像、定
着させる事によって画像形成を行なう。近年では、電荷
発生材料を含有する電荷発生層と、電荷移動材料を含有
する電荷移動層とを別々の層に積層させた機能分離型の
積層感光体が一般的である。しかし積層感光体は電荷発
生層と電荷移動層をそれぞれ形成するため製造工程が複
雑になり、コストが掛かる為に安価に製造する事が困難
である。
【0003】それに比べ、単層分散型感光体は1つの感
光層に電荷発生材料と電荷移動剤を含有するもので、電
荷発生層と電荷移動層とに機能分離した積層型感光体に
比べて層構成が少ないので、製造が容易であり低コスト
である。負帯電型の単層型感光体は、電荷発生材料、正
孔移動材料、電子移動材料が単一の感光層に含まれ、感
光層が導電性支持体上に形成する構造である。
【0004】一方、感光体としては、暗時には高帯電能
を示し、光照射時には電位が減衰する機能を併せ持つこ
とが必要である。しかしながら単層感光体は感光層が電
荷移動材料を含む単一の層であるため、導電性支持体上
に直接感光層を形成すると導電性支持体より感光層へ電
荷注入がおこり暗時に暗電流が大きく、高帯電とならな
い問題がある。負帯電単層分散型感光体の場合、感光層
表面に負電荷を帯電させると、導電性支持体側には正孔
が誘起される。誘起された正孔は電界に引かれて導電性
支持体より感光層へ注入し、暗電流が大きくなってしま
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術の課題を解決するためになされたもので、高
帯電性、高電位保持率である負帯電型の感光体を提供す
ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明者らは負帯電単層
分散型感光体の特性を改良する過程で、正孔移動材料と
電子移動材料、電荷発生材料を単一の感光層に含む負帯
電単層分散型感光体において、導電性支持体と感光層の
間にブロッキング層を形成させる事で、導電性支持体か
らの正孔注入を防ぎ、高帯電、高電位保持率を示す事を
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】上記知見にもとづいてなされた請求項1記
載の発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生材
料、電子移動材料及び正孔移動材料を含む単一の感光層
を有してなる負帯電単層分散型感光体において、導電性
支持体と感光層との間にブロッキング層が形成された事
を特徴とする負帯電単層分散型感光体である。請求項2
記載の発明は、請求項1記載の負帯電単層分散型感光体
であって、前記電子移動材料は下記一般式(1)で表さ
れる化合物であることを特徴とする負帯電単層分散型感
光体である。
【0007】
【化5】
【0008】(前記一般式(1)において、置換基R1
〜R4は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2からなる群よ
り選択されるいずれか一種類の置換基である。置換基W
は4員環以上8員環以下の環であって、上記一般式
(1)を下記一般式(1’)に書き換えたときに、
【0009】
【化6】
【0010】置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方
の元素であり、構造Zは環を構成する2以上の原子から
なる。) 請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれ
か1項記載の負帯電単層分散型感光体であって、前記電
子移動材料は下記一般式(2)で表される化合物である
ことを特徴とする負帯電単層分散型感光体である。
【0011】
【化7】
【0012】(前記一般式(2)において、置換基R1
〜R5は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基
Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。) 請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれ
か1項記載の負帯電単層分散型感光体であって、前記電
子移動材料は下記一般式(3)で表される化合物である
ことを特徴とする負帯電単層分散型感光体である。
【0013】
【化8】
【0014】(前記一般式(3)において、置換基R1
〜R6は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基
Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。) 請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれ
か1項記載の負帯電単層分散型感光体であって、前記ブ
ロッキング層は、前記導電性支持体表面に形成された酸
化被膜からなることを特徴とする負帯電単層分散型感光
体である。請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項
4のいずれか1項記載の負帯電単層分散型感光体であっ
て、前記ブロッキング層は樹脂被膜からなることを特徴
とする負帯電単層分散型感光体である。
【0015】尚、上記一般式(1)、(1’)、
(2)、(3)中のR1〜R6で表される置換基がアルキ
ル基、アリール基、複素環基、エステル基、アルコキシ
基、アラルキル基、アリル基、アミド基、アミノ基、ア
シル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボキシル
基、カルボニル基、カルボン酸基である場合、それらの
基に他の置換基が結合したものも本発明には含まれる。
また、それらの置換基R1〜R6のうち、R1とR2、R3
とR4は互いに結合して環を形成する場合もある。
【0016】置換基R1〜R6はそれぞれが異なる種類の
置換基であっても良く、また、それらの置換基R1〜R6
のうち、2つ以上の置換基が同じ種類の置換基であって
も良い。また、上記一般式(1)〜(3)において、4
員環以上8員環以下の環式化合物である置換基Wと他の
環状化合物とが縮合し、縮合環を形成した場合も本発明
には含まれる。尚、構造Zがヘテロ原子を1個以上含む
場合、構造Zが炭素のみからなる場合、及び、構造Zに
置換基が結合する場合も本発明には含まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者によれば、負帯電単層分
散型感光体の特性を改良する過程で、正孔移動材料と電
子移動材料、電荷発生材料を単一の感光層に含む負帯電
単層分散型感光体において、導電性支持体と感光層の間
にブロッキング層を形成させる事で、導電性支持体から
感光層への正孔注入を防止できる。正孔注入を防ぐ事
で、露光前の帯電時において高い帯電性を示し、さらに
高電位を保持する高電位保持性を示す優れた負帯電型の
単層分散型感光体が得られる。以下負帯電単層分散型感
光体(電子写真感光体)の組成について説明する。
【0018】本発明の負帯電単層分散型感光体は、一例
として図1に示す層構成をなす。図1の符号10は単層
分散型の電子写真感光体(単層分散型感光体)を示して
おり、該電子写真感光体10は導電性支持体11と、導
電性支持体11上に配置されたブロッキング層12と、
ブロッキング層12上に配置された感光層13とを有し
ている。
【0019】感光層13は電荷発生材料と正孔移動材料
と電子移動材料が樹脂中に分散されてなる。また、感光
層13の上に保護層を設けることもでき、更に、ブロッ
キング層12と保護層とを同じ負帯電単層分散型感光体
に設けることもできる。感光層13の形成方法として
は、各種の方法を使用することができるが、通常の場
合、電荷発生材料と正孔移動材料、電子移動材料を樹脂
とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液
を、ブロッキング層上に塗布し、乾燥させる方法を用い
ることができる。感光層13の膜厚は特に限定されない
が、5μm以上50μm以下がよく、特に好ましくは1
0μm以上35μm以下である。感光層13の膜厚は、
薄くすると感光体感度が向上するが膜減り等に対する耐
久性が低下し、厚くすると耐久性は向上するが感度が低
下する傾向がある。
【0020】本発明で用いる電子移動材料としてはトリ
ニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキ
ノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等を用いるこ
とができる。この中でも、キノン誘導体及びジフェノキ
ノン誘導体が好ましく用いられる。キノン誘導体として
は、一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。こ
の電子移動材料は電子移動度が高く単層分散型感光体に
用いた場合、感度が高く好ましい。
【0021】
【化9】
【0022】(前記一般式(1)において、置換基R1
〜R4は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2からなる群よ
り選択されるいずれか一種類の置換基である。置換基W
は4員環以上8員環以下の環であって、上記一般式
(1)を下記一般式(1’)に書き換えたときに、
【0023】
【化10】
【0024】置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方
の元素であり、構造Zは環を構成する2以上の原子から
なる。) 上記一般式(1)において、下記一般式(2)及び一般
式(3)で表される電子移動材料は更に移動度が高く、
感光体の感度も向上し好ましい。
【0025】
【化11】
【0026】(前記一般式(2)において、置換基R1
〜R5は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基
Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
【0027】
【化12】
【0028】(前記一般式(3)において、置換基R1
〜R6は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロ
ゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール
基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、ア
ラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、
アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボ
キシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる
群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換
基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基
Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
【0029】更に、一般式(2)及び一般式(3)にお
いて、置換基X及びYが酸素であり、R1及びR3がt−
Bu基、R2及びR4が水素である化合物は、製造が容易
であり移動度が高くより好ましい。一般式(1)で表さ
れる化合物は、上記一般式(2)及び一般式(3)の他
に、表A(1)〜表A(26)で表されるような一般式
とすることもできる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
【0044】
【表15】
【0045】
【表16】
【0046】
【表17】
【0047】
【表18】
【0048】
【表19】
【0049】
【表20】
【0050】
【表21】
【0051】
【表22】
【0052】
【表23】
【0053】
【表24】
【0054】
【表25】
【0055】
【表26】
【0056】一般式(1)で表される化合物の具体例を
下記表B(1)〜表B(4)に示すが、これに限定され
るものではない。
【0057】
【表27】
【0058】
【表28】
【0059】
【表29】
【0060】
【表30】
【0061】ジフェノキノン誘導体としては、下記化学
式(34)、(35)で表される化合物が電子移動度が
高く好ましい。
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】上記電子移動材料は、感光層13中に1種
類含有されてもよいし、2種類以上でもよい。感光層1
3中の電子移動材料の濃度は要求される感光体性能によ
り異なるため特に限定されないが、0.1重量%以上7
0重量%以下が好ましい。濃度が低いと電子移動が不充
分になり感光体特性に影響を与えることがあり、濃度が
高いと樹脂との相溶性が悪くなり不均一な膜になったり
樹脂濃度が低くなるため膜強度が低下する可能性があ
る。本発明の単層分散型感光体に用いることが出来る正
孔移動材料としては下記一般式(25)、一般式(2
6)、一般式(27)で表される化合物が好ましい。
【0065】
【化15】
【0066】(上記一般式(25)中、R7〜R9は水素
原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、
アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基
と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるい
ずれか1種類の置換基であり、それらの置換基に別の置
換基が結合している場合もある。l、m、nはそれぞれ
0以上2以下の整数であり、l、m、nが2の場合は、
同一のフェニル基に結合する2個の置換基(R72
(R92が互いに結合して環を形成する場合がある。)
【0067】
【化16】
【0068】(上記一般式(26)中、R10、R11、R
12、R13は水素原子と、アルキル基と、アリル基と、ア
ルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、
ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれ
か1種類の置換基であり、それらの置換基に別の置換基
が結合している場合もある。)
【0069】
【化17】
【0070】(上記一般式(27)中、R14、R15、R
16、R17は水素原子と、アルキル基と、アリル基と、ア
リール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の
置換基であり、それらの置換基には別の置換基が結合し
ている場合もある。)一般式(25)で表される化合物
としては、下記一般式(28)、一般式(29)、一般
式(30)で示される化合物が好ましい。
【0071】
【化18】
【0072】(一般式(28)の、R7、R8、R18、R
19は水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルア
ミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択さ
れるいずれか1種類の置換基であり、それらの置換基に
他の置換基が結合している場合がある。a、b、m、n
は0以上2以下の整数であり、a、b、m、nが2の場
合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基
(R72、(R82、(R182、(R192が互いに結
合して環を形成する場合も含む。)
【0073】
【化19】
【0074】(一般式(29)の、R7、R8は水素原子
と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アル
コキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジ
フェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか
1種類の置換基である。m、nは0以上2以下の整数で
あり、m、nが2の場合は、同一フェニル基に結合する
2個の置換基(R72、(R82は互いに結合して環を
形成する場合も含む。R 20、R21は水素原子と、アルキ
ル基と、アリール基と、アリル基とからなる群より選択
されるいずれか1種類の置換基である。置換基R7
8、R20、R21には他の置換基が結合している場合も
ある。)
【0075】
【化20】
【0076】(一般式(30)の、R7、R8、R22、R
23は水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルア
ミノ基とジフェニルアミノ基とからなる群より選択され
るいずれか1種類の置換基であり、それらの置換基には
他の置換基が結合している場合もある。c、d、m、n
は0以上2以下の整数であり、a、b、m、nが2の場
合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基
(R72、(R82、(R222、(R232が互いに結
合して環を形成する場合も含む。) 一般式(26)の化合物としては、一般式(31)、一
般式(32)で示される化合物が好ましい
【0077】
【化21】
【0078】(一般式(31)中、R24、R25は水素原
子とアルキル基のいずれか一方を表し、R26は、水素原
子とジアルキルアミノ基のいずれか一方を表す。)
【0079】
【化22】
【0080】(一般式(32)のR27〜R30は、水素原
子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリ−ル基とからなる群より
選択されるいずれか1種類の置換基であり、R31は水素
原子と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基と、アルケニル基
と、アルカジエニル基と、下記一般式(33)で表され
る化合物からなる群より選択されるいずれか1種類の置
換基である。置換基R27〜R30がアリール基、アルケニ
ル基、アルカジエニル基、又は下記一般式(33)に表
される置換基である場合は、該置換基に別の置換基が結
合している場合もある。eは0又は1の整数を表す。)
【0081】
【化23】
【0082】(一般式(33)のR32、R33は、水素原
子と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル
基とアルコキシ基と、アリール基とからなる群より選択
されるいずれか1種類の置換基であり、該置換基がアリ
−ル基である場合は、他の置換基が結合している場合も
ある。fは0又は1の整数を表す。) 一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)で表
される化合物は、感光層13中に1種類含有されてもよ
いし、2種類以上でもよい。感光層13中の正孔移動材
料の濃度は要求される感光体性能により異なるため特に
限定されないが、0.1重量%以上70重量%以下が好
ましい。濃度が低いと正孔移動が不充分になり感光体特
性に影響を与えることがあり、濃度が高いと樹脂との相
溶性が悪くなり不均一な膜になったり樹脂濃度が低くな
るため膜強度が低下する可能性がある。
【0083】本発明に用いる電荷発生材料としては、フ
タロシアニン顔料やアゾ顔料などを混合させることもで
きる。これらは、感度の相性が良い点で望ましい。その
他、例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ
顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トル
イジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリ
ドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。これ
らの電荷発生材料は単体で用いてもよいし、適切な光感
度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用
いてもよい。感光層13中の電荷発生材料の濃度は0.
005重量%以上70重量%以下が一般的に用いられ、
好ましくは1重量%以上10重量%以下である。電荷発
生材料の濃度が低いと感光体感度が低下する傾向があ
り、濃度が高くなると電位保持率や膜強度が低下する傾
向がある。
【0084】上記した電荷発生材料の中でも、Cu−K
α線に対するX線回折角(2θ±0.2°)で7.6
°、28.6°に特徴的なピークを持つオキシチタニウ
ムフタロシアニン、27.3°に特徴的なピークを持つ
オキシチタニウムフタロシアニン、特徴的なピークを示
さないオキシチタニウムフタロシアニン、ジクロロスズ
フタロシアニン及び無金属フタロシアニンが好ましく用
いられる。
【0085】Cu−Kα線に対するX線回折角(2θ±
0.2°)で7.6°、28.6°に特徴的なピークを
持つオキシチタニウムフタロシアニンは、一般的に7.
6°が最大ピークであるが、28.6°が最大ピークに
なってもよい。また、これらピーク以外では、12.5
゜、13.3゜、22.5゜、25.4゜にも明瞭なピーク
を示すが、結晶状態や測定条件などによりブロードにな
ったりスプリットしたりシフトすることもあり得る。
【0086】Cu−Kα線に対するX線回折角(2θ±
0.2°)で27.2°に特徴的なピークを持つオキシ
チタニウムフタロシアニンは、27.2°以外では、
9.5、14.2、24.1゜にもピークを示すが、結
晶状態や測定条件などによりブロードになったりスプリ
ットしたりシフトすることもあり得る。特徴的なピーク
を示さないオキシチタニウムフタロシアニンとは、無定
形のオキシチタニウムフタロシアニンであり、明瞭なピ
ークを示さないが、ブロードなピークが見られることも
ある。尚、これらのX線回析分析の測定条件を下記に記
載する。 X線回析分析条件 X線源:Cu−Kα線 管電圧、電流:45kv、40mA 測定範囲:5〜30°
【0087】ジクロロスズフタロシアニンは、フタロシ
アニンの中心にSnCl2を配するものである。ジクロ
ロスズフタロシアニンの結晶型としては、特開平11−
286618号公報に記載される、X線回折角(2θ±
0.2°)で10.5°に最大ピークを有し、5°〜9
°の範囲のピーク強度が10.5°のピーク強度の10
%以下であるもの、特開平5−140472号公報に記
載される、X線回折角(2θ±0.2°)で8.7°、
9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、1
6.3°、17.4°、21.9°、25.5°あるい
は、9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、
17.0°、25.3°に強い回折ピークを示すもの、
或いは特開平6−228453号公報に記載される、X
線回折角(2θ±0.2°)で8.4°、10.6°、
12.2°、13.8°、16.0°、16.5°、1
7.4°、19.1°、22.4°、28.2°、3
0.0°、あるいは、8.4°、11.2°、14.6
°、15.6°、16.9°、18.6°、19.6
°、25.7°、27.2°、28.5°に強い回折ピ
ークを示すものが使用できる。この中でも、X線回折角
(2θ±0.2°)で10.5°に最大ピークを有し、
5°〜9°の範囲のピーク強度が10.5°のピーク強
度の10%以下であるものが特に好ましい。
【0088】無金属フタロシアニンは中心金属を配しな
いフタロシアニンである。無金属フタロシアニンとして
は多数の結晶型が報告されているが、いずれの型でもよ
い。特に、上記オキシチタニウムフタロシアニンの場合
と同じX線回析分析条件において、X線回折角(2θ±
0.2°)で7.5゜、9.1゜、15.1゜、16.6
゜、17.3゜、18.5゜、22.2゜、23.8
゜、25.9゜、27.29゜、28.6゜に強い回折
ピークを示す物が好ましい。
【0089】本発明の感光体10における導電性支持体
11としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニ
ッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリ
ブデン、インジウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、シリコ
ン、ガリウム、ゲルマニウム等の金属単体やその合金の
加工体を用いることができる。上記金属や合金等の表面
に、さらに蒸着、メッキ等により導電性物質の薄膜を形
成してもよい。導電性支持体11自体を導電性物質で構
成してもよいが、非導電性のプラスチック板およびフィ
ルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等
の方法により形成し、導電性を持たせてもよい。
【0090】また、導電性支持体11として樹脂を用い
る場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボンなどの導電剤
を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用
いることもできる。さらに、導電性支持体11にガラス
を用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨ
ウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性
を有する種々の材料を使用して導電性支持体11を構成
することができる。
【0091】本発明に用いるブロッキング層12として
は、導電性支持体11から感光層13への正孔注入を防
止できるものが用いられ、酸化被膜により形成された
物、樹脂を主成分とする膜(樹脂被膜)により形成され
た物、有機金属化合物より形成される酸化膜等が使用出
来る。ブロッキング層12の機能として正孔ブロッキン
グ機能だけではなく、感光層13から導電性支持体11
への電子注入を阻害しないことも重要である。
【0092】また、ブロッキング層12の他の機能とし
て感光層13の密着性の向上、導電性支持体11の表面
欠陥の被覆、入射光を乱反射させ印刷画像の干渉縞を防
止する機能を付加させることもできる。ブロッキング層
12の膜厚は、ブロッキング層12を形成する材料、ブ
ロッキング層12に付加させる機能によって異なるが、
0.001μm乃至100μmの範囲で任意に設定さ
れ、好ましくは0.1μm乃至50μmの範囲で任意に
設定することができる。
【0093】ブロッキング層12として用いることがで
きる酸化被膜は、金属表面上に天然に存在する被膜とは
異なり、人為的に作成した酸化被膜の事である。酸化被
膜の形成方法としては、導電性支持体11を構成する金
属を陽極酸化処理する方法または化学被膜処理する方法
がある。
【0094】陽極酸化被膜処理は、電解浴中で金属に電
気化学処理を行うことで金属表面に酸化被膜を形成させ
る処理の事である。陽極酸化被膜はアルミニウムあるい
はアルミニウム合金、ステンレス鋼及びチタンなどに形
成可能である。電解浴としては、ホウ酸塩、酒石酸塩等
の中性電解液、硫酸、燐酸、シュウ酸、クロム酸等の酸
性電解液を用いる事が出来る。
【0095】また、陽極酸化被膜処理によって形成され
た酸化被膜には吸水性の孔が形成される場合があり、こ
れらの孔が多数形成されると酸化被膜の耐久性が低下す
るので、陽極酸化被膜処理を行った後は孔を埋めるため
の封孔処理をすることができる。封孔処理としては、酸
化被膜を水洗後沸騰した純水で加熱水浴させる沸純水騰
水法、酸化被膜を水洗後加圧蒸気中に置く蒸気法、酢酸
ニッケルを用いる酢酸ニッケル法や、重クロム酸を用い
る重クロム酸法、珪酸ナトリウムを用いる珪酸ナトリウ
ム法などを用いることが出来る。
【0096】化学被膜処理によって酸化被膜を形成する
方法は、処理剤に導電性支持体11である金属を浸漬
し、金属表面と処理剤とを反応させて導電性支持体11
表面に酸化被膜を形成させる処理である。化学被膜処理
はアルミニウムあるいはアルミニウム合金ステンレス
鋼、鉄及び銅などに用いることができる。処理剤として
はアルカリ−クロム酸塩系、クロム酸塩系、リン酸−ク
ロム酸塩系、リン酸亜鉛系等がある。酸化被膜を形成す
る方法は目的の感光体仕様により異なり、酸化被膜が1
μm以上必要である場合には陽極酸化被膜処理が好まし
く、1μm以下である事が好ましい場合には化学被膜処
理法が安価に製造できるので好ましい。
【0097】樹脂被膜からなるブロッキング層12を形
成するには、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹
脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いる
ことができる。単独の樹脂で構成してもよく、2種類以
上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属
酸化物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させるこ
ともできる。更に、特性改善のために各種顔料、電子受
容性物質や電子供与性物質等を含有させることもでき
る。
【0098】ブロッキング層12に有機金属化合物より
形成される酸化膜を用いる場合には、導電性支持体11
上にチタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、
シランカップリング剤等の有機金属化合物を均一に塗工
し加水分解させ金属酸化膜を形成させる方法を用いる。
ブロッキング層12は1層でもよく、2層以上でもよ
い。2層以上の場合は、上記した各種ブロッキング層1
2を組み合わせることができる。
【0099】感光層13を形成するための樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹
脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ
エーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキド樹脂、ポリ
アセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコ
ーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・
酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化
ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレ
ート等の樹脂がある。それらは単体で用いてもよいが、
2種以上混合して使用することも可能である。分子量の
異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗
性を改善できて好ましい。
【0100】塗布液に使用する溶剤には、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の
飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、メトキシエタノール、ジメトキシエタン、ジオキ
ソラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロ
ピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。
【0101】特にその中でも、ケトン系溶媒、エステル
系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素
系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の
混合溶媒として用いることができる。本発明の感光体1
0には、感度を高めたり残留電位を低下させる目的で、
上記した電子移動材料や正孔移動材料の他に電荷移動物
質を添加することもできる。
【0102】そのような特性改良のために添加できる電
荷移動物質としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲ
ン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフ
ェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジ
ン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオ
フェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレ
ンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポ
リジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジ
イル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシア
ニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
【0103】又、低分子化合物として、トリニトロフル
オレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アン
トラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレ
ン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合
物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オ
キサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメ
タン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブ
タジエン化合物等を使用することができる。
【0104】また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル
酸等の高分子化合物にLi(リチウム)イオン等の金属
イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることが
できる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノ
キノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容
性化合物とで形成された有機電荷移動錯体等も用いるこ
とができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化
合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ること
ができる。なお、本発明の感光体10を製造するための
塗工液には、電子写真感光体の特性を損なわない範囲
で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化
剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久
性、機械特性の向上を図ることができる。
【0105】さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分か
れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等
を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗工液の寿命
を改善できる。加えて、感光層13の上に、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリ
コン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水
分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成
膜して保護層を設けてもよい。その場合には、感光体の
耐久性が向上するので好ましい。この保護層は、耐久性
向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
【0106】
【実施例】以下、本発明に係る電子写真感光体実施例を
詳細に説明する。
【0107】<実施例1〜23>電荷発生材料としてオ
キシチタニウムフタロシアニン1重量部と、バインダー
樹脂としてポリカーボネート12重量部とTHF90重
量部を溶媒として混練分散し、電子移動材料として化学
式(4)で表される化合物9重量部と、正孔移動材料と
して下記化学式(36)で表されるブタジエン系化合物
3重量部を溶解して塗工液を作製した。
【0108】
【化24】
【0109】そして、導電性支持体11であるアルミニ
ウム合金ドラムに陽極酸化被膜処理によってアルミニウ
ム合金ドラム表面にブロッキング層12(被膜膜厚7μ
m)を形成させた後、該ブロッキング層12表面に上記
塗工液を浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20
μmの電荷発生と電荷移動を兼ねた感光層13を形成
し、負帯電型の単層分散型感光体10(負帯電単層分散
型感光体)を作製した(実施例1)。
【0110】また、実施例1で用いた電子移動材料に代
え、化学式(5)〜(24)、(34)、(35)で表
される化合物を用いた以外は実施例1と同じ条件で22
種類の塗工液を作製し、これら塗工液を用いて実施例1
と同じ条件で実施例2〜23の負帯電単層分散型感光体
10を作製した。
【0111】<実施例24〜46>導電性支持体11で
あるアルミニウム合金ドラムをクロム酸−弗化水素が主
成分である化学処理剤中に3分間浸漬させたのち純水で
洗浄し、アルミニウム合金ドラム上にブロッキング層1
2(酸化被膜0.1μm)を形成させた(化学被膜処
理)。このブロッキング層12表面に実施例1〜23で
用いた23種類の塗工液を実施例1〜23と同様にそれ
ぞれ塗工して23種類の負帯電単層分散型感光体10を
作製し、各々実施例24〜46とした。
【0112】<実施例47〜69>アルコキシメチル化
ナイロン樹脂5重量部と共重合ナイロン樹脂5重量部を
メタノール70重量部、クロロホルム30重量部の混合
溶液に溶解させた後に、酸化チタン15重量部と共にボ
ールミルで5時間分散した。この分散液を導電性支持体
11であるアルミニウム合金からなる円筒状基体に浸漬
塗工し、130℃で1時間乾燥させて膜厚1μmの樹脂
被膜からなるブロッキング層12を形成させた。このブ
ロッキング層12表面に実施例1〜23で用いた23種
類の塗工液を実施例1と同様に塗工して感光層13を形
成し、23種類の負帯電単層分散型感光体10を作製し
た。各々実施例47〜69とした。
【0113】<実施例70〜92>アルキド樹脂を6重
量部、メラミン樹脂を4重量部、酸化チタン15重量部
を混合、メチルエチルケトン100重量部と共にボール
ミルで5時間分散し分散液を作成した。この分散液を導
電性支持体11であるアルミニウム合金からなる円筒状
基体に浸漬塗工し、130℃で20分乾燥し膜厚0.8
μmの樹脂被膜からなるブロッキング層12を形成し
た。このブロッキング層12上に実施例1〜23で用い
た23種類の塗工液を実施例1と同様に塗工して感光層
13を形成し、23種類の負帯電単層分散型感光体10
を作製した。各々実施例70〜92とした。
【0114】<実施例93〜115>N,N−ジメチル
ホルムアミド100重量部に下記構造式(37)に示さ
れる構造単位を有するポリイミド前駆体を溶解させて得
られた塗工液を、導電性支持体11であるアルミニウム
合金からなる円筒状基体に浸漬塗工し、140℃で30
分乾燥し、膜厚1.0μmの樹脂被膜からなるブロッキ
ング層12を形成した。このブロッキング層12上に実
施例1〜23で用いた23種類の塗工液を実施例1と同
様に塗工して感光層13を形成し、23種類の負帯電単
層分散型感光体10を作製した。各々実施例93〜11
5とした。
【0115】
【化25】
【0116】(上記構造式(37)中、gは重合度を示
し、ポリスチレンを基準物質としてGPC(Gel Permea
tion Chromatography:ゲルろ過クロマトグラフィー)
により求めた上記ポリイミド前駆体の平均分子量は20
000である。) <比較例1〜23>導電性支持体であるアルミニウム合
金表面にブロッキング層を形成せずに、直接感光層を形
成させた以外は実施例1〜23と同じ条件で23種類の
負帯電単層分散型感光体を作製した。各々比較例1〜2
3とした。
【0117】<測定条件>コロナ放電電流が17μAと
なるようにコロナ放電器を設定し、前記実施例1〜16
8、比較例1〜23において作製した単層分散型感光体
10を暗所にてコロナ放電により負帯電させて帯電電位
を測定した。この時の表面電位を初期帯電位(V)とす
る。その後、感光体10の表面電位が−700Vになる
ように放電電流を調節し、780nmの光で露光し、各
感光体の表面電位を−700Vから−350に半減させ
る露光量を測定した。この時の露光量を半減露光量(μ
J/cm2)とする。この半減露光量は感光体10の感
度を示す値である。
【0118】その後、再度感光体10の表面電位が−7
00Vになるように帯電し、暗所に10秒間放置した時
の表面電位V10を測定し、電位保持率(%)=V10
/−700×100を求める。この電位保持率は感光体
10の絶縁性を示す指標となる。上記測定はLL環境
(温度15℃、湿度15%)、NN環境(温度25℃、
湿度40%)、HH環境(温度35℃、湿度80%)の
3環境下で測定を行なう。各感光体10の3環境下での
半減露光量の平均を求め、各感光体における各環境下の
半減露光量との差を2乗して合計した値を、感度環境安
定性指数として求める。感度環境安定指数は下記数式
(1)で表される。
【0119】 数式(1):感度環境安定性指数=(LL環境の半減露光量−3環境下の半減 露光量の平均)2+(NN環境の半減露光量−3環境下の半減露光量の平均)2+ (HH環境の半減露光量−3環境下の半減露光量の平均)2 この値は環境に対する感光体感度の変動大きさを示し、
小さいほど環境が変化しても感光体感度が変化しないこ
とを示す。
【0120】<測定結果>実施例1〜115及び比較例
1〜23の測定結果は、下記表C(1)〜表C(6)の
通りである。
【0121】
【表31】
【0122】
【表32】
【0123】
【表33】
【0124】
【表34】
【0125】
【表35】
【0126】
【表36】
【0127】前記実施例と比較例を比べると、実施例は
帯電性、電位保持率が高いことがわかる。また、陽極酸
化被膜からなるブロッキング層12を設けた実施例1〜
23の感光体10は感光体感度が他のブロッキング層1
2を設けた感光体より高感度であることがわかる。さら
に、ブロッキング層12として樹脂を用いた実施例47
〜113の中で、樹脂にアルキド樹脂、メラミン樹脂、
酸化チタンを用いた実施例70〜92の感光体10は他
の樹脂を用いた実施例47〜69及び実施例93〜11
5の感光体10より環境安定指数が低く、環境に依存し
ない安定した特性を示す事が分る。
【0128】さらにまた、ブロッキング層12を有し、
電子移動材料に一般式(1)で示される化合物を用いた
実施例1〜21、24〜44、47〜67、70〜9
0、93〜113の感光体10は他の電子移動材料を用
いた感光体より高感度であり優れた感光体である事が分
る。
【0129】
【発明の効果】以上述べたように本発明の単層分散型感
光体は高帯電性、高電位保持率を示す感光体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層分散型感光体の一例を示す断面図
【符号の説明】 10……電子写真感光体(負帯電単層分散型感光体) 11……導電性支持体 12……ブロッキング層 13……感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内 保行 神奈川県横浜市金沢区鳥浜町14番地29 株 式会社パーマケム・アジア内 (72)発明者 佐藤 豊三 神奈川県横浜市金沢区鳥浜町14番地29 株 式会社パーマケム・アジア内 (72)発明者 鈴木 宏記 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 (72)発明者 百▲せ▼ 光代 山梨県甲府市下河原町3番44−302号 (72)発明者 内田 忠良 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA20 AA31 AA42 AA43 AA52 BA16 BA17 BA63 BA64 BB28 CA32 CA33 FA12 FA20 FC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも電荷発生材
    料、電子移動材料及び正孔移動材料を含む単一の感光層
    を有してなる負帯電単層分散型感光体において、導電性
    支持体と感光層との間にブロッキング層が形成された事
    を特徴とする負帯電単層分散型感光体。
  2. 【請求項2】前記電子移動材料は下記一般式(1)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1記載の負
    帯電単層分散型感光体。 【化1】 (前記一般式(1)において、置換基R1〜R4は、水素
    原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒ
    ドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基
    と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、
    アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、ア
    ルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カ
    ルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択され
    るいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、
    イオウと、=C(CN)2からなる群より選択されるい
    ずれか一種類の置換基である。置換基W は4員環以上
    8員環以下の環であって、上記一般式(1)を下記一般
    式(1’)に書き換えたときに、 【化2】 置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素であ
    り、構造Zは環を構成する2以上の原子からなる。)
  3. 【請求項3】前記電子移動材料は下記一般式(2)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2のいずれか1項記載の負帯電単層分散型感光体。 【化3】 (前記一般式(2)において、置換基R1〜R5は、水素
    原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒ
    ドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基
    と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、
    アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、ア
    ルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カ
    ルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択され
    るいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、
    イオウと、=C(CN)2とからなる群より選択される
    いずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイ
    オウのいずれか一方の元素からなる。)
  4. 【請求項4】前記電子移動材料は下記一般式(3)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2のいずれか1項記載の負帯電単層分散型感光体。 【化4】 (前記一般式(3)において、置換基R1〜R6は、水素
    原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒ
    ドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基
    と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、
    アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、ア
    ルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カ
    ルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択され
    るいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、
    イオウと、=C(CN)2とからなる群より選択される
    いずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイ
    オウのいずれか一方の元素からなる。)
  5. 【請求項5】前記ブロッキング層は、前記導電性支持体
    表面に形成された酸化被膜からなることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の負帯電単層分
    散型電子写真感光体。
  6. 【請求項6】前記ブロッキング層は樹脂被膜からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
    載の電子写真感光体。
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