JP4048539B2 - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の電荷発生物質と特定の電荷移動物質とを感光層中に含有する電子写真感光体及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機材を利用した有機感光体が提案され、実用に供されている。この有機感光体は、一般に導電性支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる所謂機能分離型と、電荷発生物質と電荷移動物質の両方を一層に含有する感光層を導電性支持体上に積層してなる単層型とが広く知られている。上記機能分離型の有機感光体では、電荷発生層で電荷発生物質が光を吸収してキャリアーが発生し、発生したキャリアーは電荷移動層に注入され、電荷移動層中を移動するが、移動層中で不純物等によりトラップされることなく、表面まで電荷が移動できる材料を選択することが肝要である。そして、上記機能分離型の電子写真用感光体の電子写真特性は、電荷発生物質と電荷移動物質との組み合わせにより大きく左右される。
【0003】
しかしながら実験の結果、電荷発生層と電荷移動層とに組み合わせて感光層とした場合、実用上必要とされる感光体の諸特性、条件を満足する化合物は極めて少ないことが知られている。上記問題は、機能分離型だけでなく単層型においても同様に生じる。
また、電子写真装置においては、高解像度、低価格化が求められている中で特にデジタルプリンターの短波長化に伴う高品質な感光体が求められている。
【0004】
電荷発生物質としてアゾ顔料、電荷移動物質としてアミン化合物を組み合わせた感光体は、すでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−249326号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなアゾ顔料とアミン化合物とを形成させた感光体では、繰り返し使用後の残留電位が上昇し、画像濃度の変化又は画像にチリカブリが発生するという問題がある。また、特に短波側の露光波長をもつデジタルプリンターに搭載した場合、画像濃度が薄くなり、細線がぼやけるといった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、高帯電性、高感度且つ低残留電位で、繰り返し使用時の電位安定性に優れた電子写真感光体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、一般式[I]で表される特定の電荷発生物質と一般式[II]で表される電荷移動物質とを組み合わせることで良好な特性を示す電子写真感光体が得られることを見出した。
【0009】
(1) 本発明は、導電性支持体上に電荷発生物質と電荷移動物質とを含有する感光層からなる電子写真感光体において、電荷発生物質として、一般式[I]で表される化合物を含有し、電荷移動物質として、一般式[II]で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
【化3】
〔式中、Arは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。〕
【化4】
〔式中、R23及びR24は、各々同一であっても異なっていてもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基を置換基として有するフェニル基のいずれかを表す。
また、R25は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基のいずれかを表し、R26は、水素原子、塩素原子、メチル基、又はメトキシ基のいずれかを表す。〕
【0010】
(2) 本発明はまた、導電性支持体上に電荷発生物質と電荷移動物質とを含有する感光層からなる電子写真感光体において、電荷発生物質として、一般式[I]で表される化合物とフタロシアニン顔料とを含有することを特徴とする(1)記載の電子写真感光体に関する。
【0011】
(3) 本発明はさらに、露光波長400nm〜700nmの光を照射することを特徴とする(1)又は(2)記載の電子写真感光体用の電子写真装置に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態の構成を示す断面図である。
図1において、1は本発明に適用可能な機能分離型の電子写真感光体であり、導電性の基体11上に、電荷発生層12と電荷移動層13とがこの順で形成されており、これら電荷発生層12と電荷移動層13とによって感光層14が構成されている。
【0013】
電荷発生層12の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができ、例えば、電荷発生物質を結着樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、基体11上に塗布し、乾燥させて形成させることができる。
電荷移動層13は、少なくとも電荷移動物質を有するものである。電荷移動層13の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移動物質をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、電荷発生層12上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
【0014】
図2において、2は本発明に適用可能な単層型の電子写真感光体を示したものであり、基体21上に電荷発生物質と電荷移動物質とを含有させた感光層24が形成されている。
この電子写真感光体2は、基体21の上に電荷発生物質と電荷移動物質とを結着樹脂と共に混合、分散された塗布液を、基体21上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
【0015】
本発明の電子写真感光体1、2においては、導電性支持体11、21として、例えば、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体を用いることができる。
【0016】
本発明の場合、導電性支持体11、21自体をこれらの金属で構成するほか、上述した金属や炭素等からなる基体の表面に、例えば蒸着、メッキ等により、導電性物質の薄膜を形成することによって導電性支持体11、21を構成することもできる。
【0017】
また、非導電性のプラスチック管又はフィルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法に導電性支持体11、21を構成することもできる。さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に、酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使用して基体11、21を構成することができる。
【0018】
一般に基体11、12としては、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、又は必要に応じて基体と感光層との間に樹脂層を形成したものがよく用いられる。この樹脂層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。さらに、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
【0019】
本発明において電荷発生物質として用いられる化合物の構造は、下記一般式[I]で表される。
【化5】
〔式中、Arは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。〕
なお、本発明に用いられる一般式[I]におけるR1及びArの好ましい例としては、表1のものが挙げられる。
【0020】
【表1】
【0021】
さらに、適切な光感度波長や増感作用を得るために、他の電荷発生物質を混合させることもできる。例えば、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
【0022】
感光層14、24を形成するための結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。
それらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
【0023】
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
【0024】
電荷移動物質としては、一般式[II]
【化6】
〔式中、R23及びR24は、各々同一であっても異なっていてもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基を置換基として有するフェニル基のいずれかを表す。
また、R25は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ基のいずれかを表し、R26は、水素原子、塩素原子、メチル基、又はメトキシ基のいずれかを表す。〕
で表される化合物を含有する。
【0025】
さらに好ましくは、下記式〔III〕、〔IV〕で表される化合物が用いられる。
【化7】
【化8】
【0026】
上記一般式[II]を用いると同時に、以下のような化合物を含有させることもできる。すなわち、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
【0027】
なお、本発明の電子写真感光体1、2を製造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。
【0028】
加えて、感光層14、24の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例により詳しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれに限定されるものではない。
【0030】
<実施例1>
直径30mmのアルミニウムからなる円筒ドラム上に、電荷発生物質として表1の(6)で表される化合物と結着樹脂としてポリビニルブチラールとを2/1の割合で分散した塗工液を浸漬塗工により0.1μm塗布し、電荷発生層を形成した。
次いで、電荷移動物質として式[IV]で表される化合物と結着樹脂としてポリカーボネートZを、電荷移動物質/結着樹脂=1の割合でクロロホルムに溶解して塗工液を調製した。
そして、浸漬塗工によりこの塗工液を塗布した後、100℃の温度下で1時間乾燥し、20μmの膜厚の電荷移動層を形成した。以上のような方法で機能分離型電子写真感光体を作製した。
【0031】
<実施例2>
実施例1において、電荷発生物質を表1の(4)に相当するものに代えた以外の条件は全て同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【0032】
<実施例3>
実施例1において、電荷移動物質を式[III]のものに代えた以外の条件は全て同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【0033】
<実施例4>
電荷発生物質として表1の(6)に相当する化合物に対して、フタロシアニン顔料を10%混合分散したものを使用して、電荷発生層を形成した以外の条件は実施例1と同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【0034】
<実施例5>
以下の方法により単層型電子写真感光体を作成した。まず、直径30mmのアルミニウムからなる円筒ドラム上に、電荷発生物質として表1の(6)に相当する化合物と、電荷移動物質として式[IV]で表される化合物と、結着樹脂としてポリカーボネートZを、電荷発生物質/電荷移動物質/結着樹脂=1/10/10の割合で溶剤テトラヒドロフランに分散・溶解して塗工液を調製した。
そして、浸漬塗工によりこの塗工液を浸漬塗工によって上記円筒ドラム上に塗布した後、100℃の温度下で1時間乾燥し、20μmの膜厚の感光層を形成した。
【0035】
<実施例6>
実施例5において、電荷発生物質として表1の(6)に相当する化合物に対し、フタロシアニン顔料を10%混合分散した。それ以外の条件は実施例5と同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【0036】
<比較例1>
実施例1において、電荷移動物質を式[III]のものを下記式[V]のものに代えた以外の条件は全て同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【化9】
【0037】
<比較例2>
実施例1において、電荷移動物質を式[VI]のものに代えた以外の条件は全て同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【化10】
【0038】
<比較例3>
実施例1において、電荷発生物質を式[VII]のものに代えた以外の条件は全て同様にして、機能分離型電子写真感光体を作成した。
【化11】
【0039】
<比較例4>
実施例1において、電荷発生物質を式[VIII]のものに代えた以外の条件は全て同様にして機能分離型電子写真感光体を作成した。
【化12】
【0040】
<比較例5>
実施例4において、電荷発生物質を式[VII]のものに代えた以外の条件は全て同様にして単層型電子写真感光体を作成した。
【化13】
【0041】
<比較例6>
実施例4において、電荷移動物質を式[IX]のものに代えた以外の条件は全て同様にして、単層型電子写真感光体を作成した。
【化14】
【0042】
<電気特性評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4で作製した機能分離型感光体に、感光ドラム評価装置(ダイナミックモード測定)を使用し、以下の条件で電子写真特性を評価した。
まず、−5kVのコロナ放電を5秒間行って帯電せしめ、10秒間暗所に放置した後、100luxの白色タングステン光を照射し、再度−5kVのコロナ放電を20秒間行った後の表面電位V0を測定し初期表面電位とした。表面電位帯電後、10秒間放置した後の電位保持率DDRを測定した。また、白色光を50lux照射しながら帯電−除電を繰り返し100サイクル後と10,000サイクル後の除電後を残留電位Vrとした。さらに、光照射後表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/2)を測定し、感度とした。結果を表2に示す。また、実施例5〜6及び比較例5〜6で作製した単層型感光体についても同様な評価を行った。結果を表3に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
<分光感度特性>
図3は、分光感度特性を示す。
【0046】
電子写真の特性上、表面電位の値は大きいほど優れており、感度及び残留電位の値は小さいほど優れている。また、繰り返し疲労試験前後に於いては、表面電位の変化量が少ない程繰り返しによる劣化が少ないことになる。
上記表2から分かるように、比較例1及び2では、初期表面電位が実施例よりも低くなっている。また、比較例1〜4は電荷発生物質に対し適正な電荷移動物質を用いていないために、残留電位の上昇、感度の低下が見られる。比較例に比べ実施例1〜4ではすべての電子写真特性が安定していることが明らかである。
また、表3においても表1と同様な傾向が見られる。
図3の分光感度特性評価においては、実施例の感光体は波長450nm〜660nmで感度が著しく高いが、比較例の感光体は同領域での感度不足を示している。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、表面電位、電位保持率、感度、残留電位ともに優れ、且つ露光波長領域450nm〜660nmの短波長側に高感度な電子写真感光体を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型電子写真感光体の一例を示す断面図である。
【図2】単層型電子写真感光体の一例を示す断面図である。
【図3】分光感度特性を示す。
【符号の説明】
1、2 電子写真感光体
11、21 基体
12 電荷発生層
13 電荷移動層
14、24 感光層
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