JP2002196519A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
光体を得る。 【解決手段】本発明の電子写真感光体は、オキシチタニ
ウムフタロシアニンと無金属フタロシアニンとを有し、
CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラ
ッグ角(2θ±0.2°)7.0°、9.0°、18.
0°、23.9°、27.2°にピークを有するフタロ
シアニン組成物を電荷発生材料として有しており、この
ような電荷発生材料は長波長域に高い感光度を有する
上、塗工液とした時の結晶安定性も高い。上記の電荷発
生材料は、下記一般式(1)、(2)に示す化合物のい
ずれか一方又は両方を有する電荷発生材料との相性が良
く、本発明の電子写真感光体は、高感度且つ低残留電位
という優れた電気特性を示す。
Description
るフタロシアニン組成物を電荷発生材料として含有し、
特定の化合物を電荷移動材料として含有する電子写真感
光体に関する。
ンパクトプリンタの露光光源としては半導体レーザーや
LED(Light Emitting diode)
など長波長の光源が主に使用されている。そのため、電
子写真感光体は長波長域に感度を有する電荷発生材料を
使用するのが一般的である。従来より、このような材料
としてフタロシアニン系顔料がよく用いられている。こ
のフタロシアニン系顔料はその結晶型によって感度が異
なることはよく知られている。
電子写真装置の露光光源の出力を抑えるために電子写真
感光体には高感度化の要求が高まっている。一方、電子
写真感光体を製造する方法としてはさまざまな方法が検
討されているが、電荷発生材料や電荷移動材料などを結
着樹脂とともに溶媒に分散して塗工液をなし、それを導
電性基板上に薄膜形成する方法が一般的である。
のなかで長波長域に高い感度を有するものとしてはオキ
シチタニウムフタロシアニンがあげられる。オキシチタ
ニウムフタロシアニンには、いくつもの結晶型が紹介さ
れているが、その中でも9.5°、9.7°、11.7
°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°
にX線回折ピークを示すものが高感度であるとされてい
る。しかしながら、充分な高感度を得ることができない
のが現状である。
材料を用いても、電荷移動材料との相性が悪いと充分な
感度を得ることができないだけでなく、残留電位の上昇
などが起こってしまう。電荷発生材料と電荷移動材料と
の相性は、さまざまな視点から研究されているが、明確
に見出されてはいないのが現状である。
塗工液化した電荷発生材料の結晶型が安定しないなどの
不具合が発生し、結晶転移による電子写真感光体の電気
特性の劣化、塗工性の悪化などの原因となっている。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電荷発生材料とし
て特定のX線回折ピークを示すフタロシアニン組成物を
用い、特定化合物の電荷移動材料を用いた電子写真感光
体が、前記従来の技術の問題点を解決することを見い出
し、本発明を完成するに至った。
れたものであり、請求項1記載の発明は、導電性支持体
上に少なくとも電荷発生材料と電荷移動材料と結着樹脂
を含有する感光層を積層してなる電子写真感光体におい
て、前記電荷発生材料がオキシチタニウムフタロシアニ
ンと無金属フタロシアニンとを含有するフタロシアニン
組成物であって、前記フタロシアニン組成物がCuKα
を線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角
(2θ±0.2°)7.0°、9.0°、18.0°、
23.9°、27.2°にピークを有し、前記電荷移動
材料が一般式(1)に表す化合物又は一般式(2)に示
す化合物のいずれか一方又は両方を有することを特徴と
する電子写真感光体である。
は、各々炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、一
般式(1)中に示される置換基R3は、水素原子又はジ
アルキルアミノ基のいずれか一方である。〕
子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基とからなる群より
選択されるいずれか1種類の置換基をである。一般式
(2)中に示される置換基R8は水素原子と、ハロゲン
原子と、炭素数が1以上6以下のアルキル基と、アルコ
キシ基と、アリール基と、アルケニル基と、アルカジエ
ニル基と、一般式(3)に表される置換基とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一般式
(2)中のmは0又は1の整数を表す。〕
々水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下
のアルキル基と、アルコキシ基と、アリール基とからな
る群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一
般式(3)中のnは0又は1の整数を表す。〕 請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真感光体
であって、前記フタロシアニン組成物がCuKαを線源
とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2°)26.1°、27.8°にもピークを有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。請求項3記載
の発明は導電性支持体上に少なくとも電荷発生材料と電
荷移動材料と結着樹脂を含有する感光層を積層してなる
電子写真感光体において、前記電荷発生材料がオキシチ
タニウムフタロシアニンと無金属フタロシアニンとを含
有するフタロシアニン組成物であって、前記フタロシア
ニン組成物が、前記感光層が形成された後に感光層から
抽出した状態でCuKαを線源とするX線回折スペクト
ルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.0°、
9.0°、18.0°、23.9°、27.2°にピー
クを有し、前記電荷移動材料が一般式(1)に示す化合
物又は、一般式(2)に示す化合物のいずれか一方又は
両方を有することを特徴とする電子写真感光体である。
は、各々炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、一
般式(1)中に示される置換基R3は、水素原子又はジ
アルキルアミノ基のいずれか一方の置換基からなる。〕
子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基とからなる群より
選択されるいずれか1種類の置換基を表し、一般式
(2)中に示される置換基R8は水素原子と、ハロゲン
原子と、炭素数が1以上6以下のアルキル基と、アルコ
キシ基と、アリール基と、アルケニル基と、アルカジエ
ニル基と、一般式(3)に表される置換基とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一般式
(2)中のmは0又は1の整数を表す。〕
々水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下
のアルキル基と、アルコキシ基と、アリール基とからな
る群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一
般式(3)中のnは0又は1の整数を表す。〕 請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれ
か1項記載の電子写真感光体であって、前記感光層は、
少なくとも前記電荷発生材料と前記結着樹脂とを有する
電荷発生層と、少なくとも前記電荷移動材料と前記結着
樹脂とを有する電荷移動層よりなることを特徴とする電
子写真感光体である。請求項5記載の発明は、請求項1
乃至請求項4のいずれか1項記載の電子写真感光体であ
って、前記電荷移動材料が下記化学式(4)に示される
化合物と、下記化学式(5)に示される化合物と、下記
化学式(6)に示される化合物と、下記化学式(7)に
示される化合物とからなる群より選択される化合物のう
ち、少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴と
する電子写真感光体である。
発明に用いられるフタロシアニン組成物は、長波長域に
高い光感度を有し、しかも塗工液とした時の結晶安定性
が高い。そして上記一般式(1)もしくは上記一般式
(2)で表される化合物は、該フタロシアニンとの相性
がよく、本発明の電子写真感光体は、高感度且つ低残留
電位という優れた電気特性を示すものである。
れる置換基がアルキル基である場合、それらのアルキル
基が置換基を有しても良い。又、上記一般式(2)中の
R4 〜R7で表される置換基がアリール基である場合、該
アリール基が置換基を有しても良く、置換基R4〜R7が
アルケニル基である場合、該アルケニル基が置換基を有
していても良い。同様に、上記一般式(3)で示される
置換基R9とR10がアリール基である場合、該アリール
基が置換基を有しても良い。
する。本発明で用いられるフタロシアニン組成物は、オ
キシチタニウムフタロシアニンと無金属フタロシアニン
を含有するものである。これらのフタロシアニンは公知
の製造方法で合成することができる。
例えば、オキシチタニウムフタロシアニンと無金属フタ
ロシアニンを酸に溶解させ、水と有機溶剤混合液で析出
させる方法、あるいは上記酸溶液をアルコールで析出さ
せる方法、オキシチタニウムフタロシアニンと無金属フ
タロシアニンを上記と同様に酸に溶解させ水中で析出さ
せたウェットペーストを有機溶剤で処理する方法、ま
た、オキシチタニウムフタロシアニン(または無金属フ
タロシアニン)存在下で無金属フタロシアニン(または
オキシチタニウムフタロシアニン)を合成しそれを水の
存在下で有機溶剤で処理する方法等が好ましく挙げられ
る。
成物は、図1に示すようにCuKαを線源とするX線回
折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)
7.0°、9.0°、18.0°、23.9°、27.
2°にピークを示すものである。このフタロシアニン組
成物は26.1°、28.6°にもピークを示す。
タニウムフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含有
しているが、オキシチタニウムフタロシアニンと無金属
フタロシアニン以外のフタロシアニン類を更に含有して
もよい。その含有してもよいフタロシアニン類として
は、それ自体公知のフタロシアニン及びその誘導体の何
れでもよい。この場合の誘導体とは、フタロシアニンの
イソインドール環に置換基を有するもの、あるいは中心
金属に配位子を有するものを挙げることができる。
としては無金属フタロシアニン類、オキシチタニウムフ
タロシアニン類、バナジルフタロシアニン類、銅フタロ
シアニン類、アルミニウムフタロシアニン類、ガリウム
フタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、ゲル
マニウムフタロシアニン類、リチウムフタロシアニン
類、ナトリウムフタロシアニン類、カリウムフタロシア
ニン類、ジルコニウムフタロシアニン類、ハフニウムフ
タロシアニン、マグネシウムフタロシアニン類、スズフ
タロシアニン類、亜鉛フタロシアニン類、コバルトフタ
ロシアニン類、ニッケルフタロシアニン類、バリウムフ
タロシアニン類、ベリリウムフタロシアニン類、カドミ
ウムフタロシアニン類、コバルトフタロシアニン類、鉄
フタロシアニン類、シリコンフタロシアニン類、鉛フタ
ロシアニン類、銀フタロシアニン類、金フタロシアニン
類、白金フタロシアニン類、ルテニウムフタロシアニン
類、パラジウムフタロシアニン類、無金属ナフタロシア
ニン類、チタニルナフタロシアニン類等が挙げられる。
ニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロガリ
ウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン、ジクロロゲルマニウムフタロシアニン、ヒドロキシ
アルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、ジ
ヒドロキシゲルマニウムフタロシアニンが好ましい。
キシチタニウムフタロシアニンとオキシチタニウムフタ
ロシアニン以外のフタロシアニン類の比率は、オキシチ
タニウムフタロシアニン100重量部に対して、オキシ
チタニウムフタロシアニン以外のフタロシアニン類は
0.1重量部以上、50重量部以下が好ましく、1重量
部以上、40重量部以下がより好ましい。オキシチタニ
ウムフタロシアニン以外のフタロシアニン類としては、
無金属フタロシアニン単独、あるいは先に示したフタロ
シアニン類と無金属フタロシアニンの混合でもよい。混
合する場合の比率は、無金属フタロシアニン100重量
部に対して100重量部以下が好ましく、50重量部以
下がより好ましい。
光体の好ましい実施の形態の構成を示す断面図である。
図2において符号1は本発明に適用可能な機能分離型の
電子写真感光体を示したものであり、導電性の基体11
上に、電荷発生層12と電荷移動層13とがこの順で形
成されており、これら電荷発生層12と電荷移動層13
とによって感光層14が構成されている。
の方法を使用することができるが、例えば本発明のフタ
ロシアニン組成物を電荷発生材料として用い、バインダ
ー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した
塗布液を、所定の下地となる基体11上に塗布し、必要
に応じて乾燥させて形成することができる。
荷移動材料を有するものであり、この電荷移動層13
は、例えば、その下地となる電荷発生層12上に電荷移
動剤をバインダー樹脂を用いて結着することにより形成
することができる。
の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移
動材料をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散
もしくは溶解した塗布液を、下地となる電荷発生層12
上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
層13を上下逆に積層させることもできる。図3におい
て、符号2は本発明に適用可能な単層型の電子写真感光
体を示したものであり、基体21上に、電荷発生材料と
電荷移動材料とを含有させた感光層24が形成されてい
る。
ロシアニン組成物が電荷発生材料として用いられてい
る。感光層24の形成方法としては、電荷発生材料であ
るフタロシアニン組成物と、後述する電荷移動材料と、
バインダー樹脂とを共に混合、分散し、作成した塗布液
を下地となる基体21上に塗布、乾燥させる方法を用い
ることができる。
21としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニ
ッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリ
ブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体を
用いることができる。
着、メッキ等により導電性物質の薄膜を形成してもよ
い。基体自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電
性のプラスチック板およびフィルム表面に、上記金属や
炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導
電性を持たせてもよい。
中に金属粉や導電性カーボンなどの導電剤を含有させた
り、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもで
きる。さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に
酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆
し、導電性を持たせてもよい。その種類や形状は、特に
制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使
用して基体11、21を構成することができる。
アルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したも
の、またはアルミニウム管上に樹脂層(下引層)を形成
したものがよく用いられる。この樹脂層は接着向上機
能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリ
ヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をも
つ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各
種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独
の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して
構成してもよい。
カ、樹脂粉末等を分散させることもできる。更に、特性
改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物
質等を含有させることもできる。電荷発生材料として
は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて
ブラッグ角(2θ±0.2°)7.0°、9.0°、1
8.0°、23.9°、27.2°にピークを有するフ
タロシアニン組成物が用いられる。
形成した後、その感光層から抽出されたフタロシアニン
組成物においても上記と同様の測定結果が得られる。こ
のようなフタロシアニン組成物を用いることにより、長
波長域に優れた感度を示す電子写真感光体を提供でき
る。
する場合には、フタロシアニン組成物が結晶転移しない
ように注意しなければならない。また、感光層中にはバ
インダー樹脂や電荷移動材料などが含有されており、X
線回折スペクトルを測定する上でそれらが障害になる。
よって、バインダー樹脂や電荷移動材料等を除去しフタ
ロシアニン組成物の結晶型を変えない溶媒を適宜選択す
る必要がある。
用を得るために、本発明のフタロシアニン組成物ととも
に、フタロシアニン顔料やアゾ顔料などを混合させるこ
ともできる。これらは、感度の相性が良い点で望まし
い。その他、例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、ト
リスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔
料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、
キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができ
る。
ダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹
脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルス
ルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、
EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリ
ロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、A
BS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂
及びエポキシアリレート等の樹脂がある。
混合して使用することも可能である。分子量の異なった
樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善
できて好ましい。なお、感光層が電荷発生層と電荷移動
層とからなる場合には、前記樹脂はどちらの層にも適用
できる。
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の
飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、ジオキサン、あるいはアニソール等のエーテル系
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等がある。特にその中でも、ケトン系溶媒、エス
テル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化
水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以
上の混合溶媒として用いることができる。
料としては一般式(1)で表される化合物もしくは一般
式(2)で表される化合物が用いられる。
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、R
3は、水素原子又はジアルキルアミノ基のいずれかを表
す。〕
も異なっていてもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ
基、又は置換基を有してもよいアリール基のいずれかを
表し、R8は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の
アルキル基若しくはアルコキシ基、置換基を有してもよ
いアリール基、又は置換基を有してもよいアルケニル基
若しくはアルカジエニル基、若しくは一般式(3)のい
ずれかを表し、mは0又は1の整数を表す。〕
ても異なっていてもよく、各々独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルコキシ
基、又は置換基を有してもよいアリール基のいずれかを
表し、nは0又は1の整数を表す。〕
の相性がよく、本発明の電子写真感光体は、高感度且つ
低残留電位という優れた電気特性を示すものである。こ
れらの中でも、特に化学式(4)に示される化合物と、
化学式(5)に示される化合物と、化学式(6)に示さ
れる化合物と、化学式(7)に示される化合物よりなる
群から選ばれる化合物の少なくとも1種類を用いること
で、更に優れた特性を示す。
材料を含有させることもできる。他の電荷移動材料とし
ては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニル
カルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロ
キノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニ
ルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピ
ラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロ
ール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリ
イソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、
ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、
ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高
分子化合物を用いることができる。
オレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アン
トラキノン及びこれらの誘導体、アントラセン、ピレ
ン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合
物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オ
キサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメ
タン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等を
使用することができる。
レンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル
酸等の高分子化合物にリチウムイオン等の金属イオンを
ドープした高分子固体電解質等も用いることができる。
さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメ
タンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物
で形成された有機電荷移動錯体等も電荷移動材料として
本発明に用いることができ、これらの電荷移動材料を1
種だけ添加して又は2種以上の電荷移動材料を混合して
添加して、所望の感光体特性を得ることができる。
ための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、
架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性
の向上を図ることができる。特に、フェノール系酸化防
止剤は感光体の耐久性向上に寄与し有用である。さら
に、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリ
ング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感
光体の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。
ニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜
や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシ
ロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設
けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上する
ので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他
の機能を向上させるために設けてもよい。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)共重合ナイロン樹脂(東レ(株)社製の商
品名「CM4000」)と酸化チタンを重量比2:1の
割合で用意し、これをメタノールとクロロホルムの容量
比1:1の混合溶媒に溶解分散し、下引層用塗工液を準
備する。アルミ合金からなる円筒状基体を該下引層用塗
工液に浸漬塗工し、120℃で30分乾燥してメタノー
ルとクロロホルムとを蒸発させ、膜厚1.0μmの下引
層を形成した。
スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.
0°、9.0°、18.0°、23.9°、27.2°
にピークを有し、オキシチタニウムフタロシアニンと無
金属フタロシアニンとを有するフタロシアニン組成物か
らなる電荷発生材料とポリビニルブチラール樹脂を重量
比2:1の割合で用意し、1,3−ジオキソランとシク
ロヘキサノンの容量比9:1の混合溶媒で湿式分散し、
電荷発生層用塗工液を準備する。下引層を形成した基体
を該電荷発生層用塗工液に浸漬塗工後乾燥し、膜厚0.
2μmの電荷発生層を形成した。
リカーボネート樹脂と2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチル−フェノールを重量比8:10:0.8で用
意し、クロロホルムに溶解し、電荷移動層用塗工液を準
備する。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗
工液に浸漬塗工し、100℃で60分乾燥し、電荷発生
層の表面に膜厚24.0μmの電荷移動層を形成し、電
荷発生層と電荷移動層とからなる感光層を有する実施例
1の電子写真感光体を作製した。
円周方向とそれに交差する円筒軸方向にそれぞれ切込み
を入れ、一辺が約2cmの切れ目を形成させる。その切
り目の入った部分よりピンセットを用いて感光膜(感光
層)を剥離する。
TX)15mlを50mlビーカーに入れ、その中に剥
離した感光膜を浸漬し、感光層の電荷移動層を完全にP
TXに溶解させた後によくかき混ぜて電荷発生層をゲル
状の微細片としてPTX中に分散させる。これをテフロ
ン(登録商標)製メンブランフィルター(Pore s
ize 0.2μm)で吸引ろ過し、ろ過物を新たなP
TX 10mlで洗浄する。この状態では電荷移動層や
ポリビニルブチラール樹脂等は除去され、ろ過物中には
電荷発生層のフタロシアニン組成物のみが残留してい
る。
した面をシリコン無反射板に密着させ、メンブランフィ
ルターだけを剥がしてシリコン無反射板にろ過物(フタ
ロシアニン組成物)を付着させ、それを風乾しX線回折
の検体試料とした。この検体試料をCuKαを線源とす
るX線回折装置で測定すると、図4に示すように回折ス
ペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.0
°、9.0°、18.0°、23.9°、27.2°に
ピークを示した。
荷移動材料に代えて、上記化学式(5)〜化学式(7)
で表される3種類の電荷移動材料を用い、他は実施例1
と同様にして電子写真感光体を作成した。各電子写真感
光体をそれぞれ実施例2〜4とした。
動材料に代えて、化学式(5)で表される電荷移動材料
と、化学式(6)で表される電荷移動材料の両方を用
い、化学式(5)で表される電荷移動材料と、化学式
(6)で表される電荷移動材料と、ポリカーボネート樹
脂と、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フ
ェノールの重量比を2:6:10:0.8とした以外は
実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
荷移動材料に代えて、下記化学式(8)〜化学式(1
1)で表される電荷移動材料を用い、他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成した。各電子写真感光体
をそれぞれ比較例1〜4とした。
及び比較例1〜4で得られた電子写真感光体について、
感光ドラム評価装置(ダイナミックモード測定)を使用
し、以下の条件で繰り返しにおける電気特性を測定し
た。
ながら、−5.5kVのコロナ放電にて感光ドラム表面
に帯電させ、100luxの白色タングステン光照射で
表面電位を除電する。
サイクル繰り返した後、帯電後の表面電位を初期特性
(V0)とし、除電後の表面電位を初期特性(VL)と
して下記表1に記載する。また、1万サイクル繰り返し
後、帯電後の表面電位をV0’とし、除電後の表面電位
をVL’として下記表1に記載する。
nmのレーザーを適用し、帯電された感光ドラムを上記
レーザー光で露光し、露光後の表面電位を1/2に減衰
させる露光量を測定した。測定環境は室温25℃相対湿
度40%で行った。結果を下記表1に示す。
が少なく高感度であることがわかる。また、初期電位と
1万サイクル後の電位差がほとんどなく、繰り返し使用
における電位安定性に優れていることがわかる。比較例
1〜4は半減露光量が多く長波長域における感度が不足
しているため、レーザーを光源とするプリンター等には
採用できない。また、初期電位と1万サイクル後の電位
差が大きいことがわかる。その為、長寿命化の市場要求
に適合しないものである。
ように、高感度を示す電荷発生材料を用いても、電荷移
動材料との相性が悪いと感度不足や残量電位の上昇を引
き起こす。また、本発明の電荷移動材料は、多少着色し
ているために紫外線遮断効果があると思われ、1万サイ
クル後の特性に現れるように、光疲労に強い材料であ
る。
物は長波長域に高い感光度を有するだけでは無く、塗工
液とした場合の結晶安定性も高い。また、フタロシアニ
ン組成物だけでは無く、電荷移動材料との相性も良いの
で、光疲労に強い電子写真感光体が得られる。
成物のX線回折図
Claims (5)
- 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも電荷発生材料
と電荷移動材料と結着樹脂を含有する感光層を積層して
なる電子写真感光体において、前記電荷発生材料がオキ
シチタニウムフタロシアニンと無金属フタロシアニンと
を含有するフタロシアニン組成物であって、前記フタロ
シアニン組成物がCuKαを線源とするX線回折スペク
トルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.0°、
9.0°、18.0°、23.9°、27.2°にピー
クを有し、前記電荷移動材料が一般式(1)に表す化合
物又は一般式(2)に示す化合物のいずれか一方又は両
方を有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 〔一般式(1)中に示される置換基R1と置換基R2と
は、各々炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、一
般式(1)中に示される置換基R3は、水素原子又はジ
アルキルアミノ基のいずれか一方である。〕 【化2】 〔一般式(2)中に示される置換基R4〜R7は、水素原
子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基とからなる群より
選択されるいずれか1種類の置換基をである。一般式
(2)中に示される置換基R8は水素原子と、ハロゲン
原子と、炭素数が1以上6以下のアルキル基と、アルコ
キシ基と、アリール基と、アルケニル基と、アルカジエ
ニル基と、一般式(3)に表される置換基とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一般式
(2)中のmは0又は1の整数を表す。〕 【化3】 〔一般式(3)中、置換基R9と、置換基R10とは、各
々水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下
のアルキル基と、アルコキシ基と、アリール基とからな
る群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一
般式(3)中のnは0又は1の整数を表す。〕 - 【請求項2】前記フタロシアニン組成物がCuKαを線
源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ
±0.2°)26.1°、27.8°にもピークを有す
ることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】導電性支持体上に少なくとも電荷発生材料
と電荷移動材料と結着樹脂を含有する感光層を積層して
なる電子写真感光体において、前記電荷発生材料がオキ
シチタニウムフタロシアニンと無金属フタロシアニンと
を含有するフタロシアニン組成物であって、前記フタロ
シアニン組成物が、前記感光層が形成された後に感光層
から抽出した状態でCuKαを線源とするX線回折スペ
クトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.0
°、9.0°、18.0°、23.9°、27.2°に
ピークを有し、前記電荷移動材料が一般式(1)に示す
化合物又は、一般式(2)に示す化合物のいずれか一方
又は両方を有することを特徴とする電子写真感光体。 【化4】 〔一般式(1)中に示される置換基R1と置換基R2と
は、各々炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、一
般式(1)中に示される置換基R3は、水素原子又はジ
アルキルアミノ基のいずれか一方の置換基からなる。〕 【化5】 〔一般式(2)中に示される置換基R4〜R7は、水素原
子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下のアルキ
ル基と、アルコキシ基と、アリール基とからなる群より
選択されるいずれか1種類の置換基を表し、一般式
(2)中に示される置換基R8は水素原子と、ハロゲン
原子と、炭素数が1以上6以下のアルキル基と、アルコ
キシ基と、アリール基と、アルケニル基と、アルカジエ
ニル基と、一般式(3)に表される置換基とからなる群
より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一般式
(2)中のmは0又は1の整数を表す。〕 【化6】 〔一般式(3)中、置換基R9と、置換基R10とは、各
々水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数が1以上6以下
のアルキル基と、アルコキシ基と、アリール基とからな
る群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、一
般式(3)中のnは0又は1の整数を表す。〕 - 【請求項4】前記感光層は、少なくとも前記電荷発生材
料と前記結着樹脂とを有する電荷発生層と、少なくとも
前記電荷移動材料と前記結着樹脂とを有する電荷移動層
よりなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れか1項記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】前記電荷移動材料が下記化学式(4)に示
される化合物と、下記化学式(5)に示される化合物
と、下記化学式(6)に示される化合物と、下記化学式
(7)に示される化合物とからなる群より選択される化
合物のうち、少なくとも1種類の化合物を含有すること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載
の電子写真感光体。 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000394099A JP2002196519A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000394099A JP2002196519A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002196519A true JP2002196519A (ja) | 2002-07-12 |
Family
ID=18859784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000394099A Pending JP2002196519A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002196519A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004240184A (ja) * | 2003-02-06 | 2004-08-26 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2004252052A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機感光体、画像形成方法及び装置 |
US7629096B2 (en) * | 2003-12-26 | 2009-12-08 | Yamanashi Electronics Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor with an undercoat layer containing a polyimide resin and electrophotographic apparatus with the photoreceptor |
JP2016184100A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | シャープ株式会社 | 有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 |
-
2000
- 2000-12-26 JP JP2000394099A patent/JP2002196519A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004252052A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機感光体、画像形成方法及び装置 |
US7629096B2 (en) * | 2003-12-26 | 2009-12-08 | Yamanashi Electronics Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor with an undercoat layer containing a polyimide resin and electrophotographic apparatus with the photoreceptor |
JP2016184100A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | シャープ株式会社 | 有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 |
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