JP2016184100A - 有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
トナー画像の転写後の感光体は、クリーニングブレードなどによって清掃され、転写動作時に被転写材上に転写されずに感光体表面に残留するトナーなどが除去される。
電荷輸送物質には、
(1)光および熱に対して安定であること、
(2)感光体表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾン、窒素酸化物(NOx)および硝酸などに対して安定であること、
(3)高い電荷輸送能力を有すること、
(4)有機溶剤やバインダ樹脂との相溶性が高いこと、
(5)製造が容易で安価であること
などが要求される。しかしながら、前記電荷輸送物質はこれらの要求の一部を満足するが、全てを高いレベルで満足するには至っていない。
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、Ar1およびAr2は同時に水素原子にはなり得ず、かつAr1およびAr2は、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
のエナミン化合物と、以下の一般式(2):
で表される基Aであり、
mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
で表されるブタジエン化合物とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
のエナミン化合物を電荷輸送物質として含むことが、本発明の1つの特徴である。
また、aの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基としては、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいジアルキルアミノ基が挙げられる。より具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基などが挙げられる。
さらに、aの置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、これらの中でも、フッ素原子が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアルコキシ基は、上記aと同義であり、メトキシ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基は、上記aと同義であり、ジメチルアミノ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリールチオ基としては、フェニールチオ基などが挙げられる。
さらに、b、cおよびdの置換基としてのハロゲン原子は、上記aと同義である。
Ar1およびAr5の置換基を有してもよいアリール基としては、例えばC1〜C4のアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C2〜C6ジアルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよい複素環基としては、クロマニル基、チエニル基、5−メリルチエニル基およびフリル基などが挙げられる。
で表される基Aであり、
R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20アルキル基、C1〜C20アルコキシ基、または置換基を有してもよいアリ−ル基を意味し、
mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
のブタジエン化合物を電荷輸送物質として含むことも、本発明の1つの特徴である。
図1は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性支持体11と、導電性支持体11の外周面に形成され、電荷発生物質を含む電荷発生層12と、電荷発生層12の外周面に形成され、電荷輸送物質を含む電荷輸送層13がこの順で積層された積層型感光層14とを有する。
導電性支持体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、外側に配置される感光層14の支持部材としても機能する。
導電性支持体11の形状は、本実施の形態では円筒状であるが、円筒状に限定されるものではなく、円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
あるいは、前記の高分子材料、硬質紙、またはガラスなどの表面に、導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものを前記導電性材料としてもよい。以上の導電性材料を所定の形状に加工することによって導電性支持体11が形成される。
レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。しかしながら、導電性支持体11の表面に上記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。
上記の電荷発生物質として有効な物質としては、有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
しかながら、本発明における電荷発生物質は、オキソチタニルフタロシアニンが、本発明の他の構成要素との組み合わせにより奏される効果の観点から、特に好ましい。
とくに、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を作成し、得られた塗布液(塗工液)を導電性支持体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用しれてもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記の溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。上記の溶剤は、1種が単独で使用してもよく、2種以上の混合溶剤として使用してもよい。
粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
また、電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択するのが好ましい。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に多く利用されている。
なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下することもある。
逆に、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12の内部での電荷移動が感光層12の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下することもある。
したがって、電荷発生層12の膜厚は、0.05〜5μmであると判断した。
電荷発生層12の外周面には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂とを含む。
電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質としての上記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと上記の一般式(2)で表されるブタジエンン化合物(2)の重量Yとの比X/Yが5/95〜60/40であることも本発明の1つの特徴である。
上記の電荷輸送層における結着樹脂と電荷輸送物質との割合は、一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比M/Bが、10/12〜10/36であることが好ましい。前記比M/Bを10/12〜10/36とし、バインダ樹脂を高い比率で電荷輸送層13に含有させることによって、電荷輸送層13の耐刷性を向上させることができることも本発明の1つの特徴である
さらに、電荷輸送層13には、酸化防止剤、増感剤や必要に応じて可塑剤またはレべリング剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加できる。
図2は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体2は、導電性材料から成る円筒状の導電性支持体11と、導電性支持体11の外周面に形成され、電荷輸送物質を含む電荷輸送層13と、電荷輸送層13の外周面に形成され、電荷発生物質を含む電荷発生層12がこの順で積層された積層型感光層140とを有する。
図3は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体3は、図1に示す実施の形態1の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体3において注目すべきは、導電性支持体11と感光層14との間に、中間層15が設けられていることである。
このように、導電性支持体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性支持体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となる可能性がある。
中間層15としては、アルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどから成る無機層、各種有機材料で構成される有機層などが用いられる。これらの中でも、有機層が好適に用いられる。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、垂直リング法、浸漬塗布法などを用いることができる。また、本実施の形態とは異なるけれども、導電性支持体11がシート状である場合には、ベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコータなどによって中間層用塗布液を塗布することもできる。
図4は、本実施の形態である電子写真感光体4の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体4は、図1に示す実施の形態1の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の単層型感光体4は、オゾン発生の少ない正帯電型画像形成装置用の感光体として好適であり、また積層されるべき感光層141が一層のみであるので、前述の積層型感光体1、2、3に比べ、製造原価および歩留が優れている。
図5は、本実施の形態である電子写真感光体5の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体5は、図4に示す実施の形態4の電子写真感光体4に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態である画像形成装置として、実施の形態1の感光体1を備えるデジタルカラー複写機100を、デジタルカラー複写機100の構成を簡略化して示す正面配置図である図6を用いて説明する。
本実施の形態として例示するデジタルカラー複写機100は、単色画像、多色画像およびフルカラー画像を形成することのできるタンデム方式の画像形成装置である。
光学レンズ75は、第2走査ユニット74の第3ミラー80によって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ76の予め定められる位置に結像させる。
レーザビームスキャナユニット26bは、帯電された感光体1bの外周面に対して露光を施す露光手段であり、画像形成ステーション27bの上方に設けられ、画像処理部から入力される原稿画像情報に応じて変調されたドット光を発光する図示しない半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させる偏向装置であるポリゴンミラー41bと、ポリゴンミラー41bによって偏向されたレーザビームを感光体1bの外周面に結像させるfθレンズ42b,43bおよび反射ミラー44b,45b,46bとを備える。レーザビームスキャナユニット26bの動作によって、帯電された感光体1bの外周面に対して黒色成分像に対応する画素信号に応じた露光が施され、感光体1bの外周面上に黒色成分像に対応する静電潜像が形成される。同様に、図6に示すレーザビームスキャナユニット26c,26m,26yの動作によって、感光体1c,1m,1yの外周面上に、シアン色成分像、マゼンタ色成分像およびイエロー色成分像に対応する静電潜像がそれぞれ形成される。このようにして、画像処理部によって色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体1b,1c,1m,1yの外周面上にそれぞれ形成される。
中間層の作製
酸化チタン7重量部(商品名:TTO−D1、石原産業株式会社製)と共重合ナイロン樹脂(商品名:CM8000、東レ株式会社製)13重量部とを、メタノール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層用塗布液3Kgを調製した。得られた塗布液を塗布槽に満たし、直径30mm、長手方向の長さ357mmのアルミニウム製円筒状導電性支持体を前記塗布槽に浸漬した後引上げ、自然乾燥して膜厚1μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
次いで、オキソチタニウムフタロシアニン1重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBMS、積水化学工業株式会社製)1重量部とを、メチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層用塗布液3Kgを調製した。得られた塗布液を先に形成した中間層と同様の浸漬塗布法によって中間層上に塗布した後、自然乾燥し、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として表1に示す化合物番号A1のエナミン化合物30重量部および表2に示す化合物番号B17のブタジエン化合物70重量部にバインダ樹脂として下記構造式(16):
120重量部および下記構造式(17):
以上のようにして、実施例1の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、表1のA3のエナミン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、表1のA43のエナミン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、上記表2のB43のブタジエン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を5重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を95重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を10重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を90重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を50重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を50重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例7の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を60重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を40重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例8の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を12重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例9の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を18重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例10の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を30重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例11の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を36重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例12の電子写真感光体を作製した。
中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の重量を100重量部に変更し、ブタジエン化合物を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物を用いないで、表2に示す化合物番号B17のブタジエン化合物の重量部を100に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物は用いないで、下記構造式(3):
電荷輸送層の形成に際し、比較例3で用いた構造式(3)で表わされるブタジエン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体を作製した。
以上の実施例1〜13および比較例1〜5において得られた感光体を、画像形成工程における感光体の表表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック株式会社製、型式:CATE751)を設けた、市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5000FN)にそれぞれ搭載し電気特性の評価を行った。
(1) まず、前述のデジタル複写機に、感光体への露光光量と感光体の回転周速とを変化させることができるように改造して得られた装置に、実施例1〜13および比較例1〜5で作製した各感光体をそれぞれ搭載し電位の測定を行った。このとき、感光体の回転周速を変化させることによって、感光体に対する露光の開始から現像の終了までの時間を70ミリ秒(70msec)及び50ミリ秒(50msec)に調整し、各設定時間で電位の測定を行った。
優:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが20V以下かつ70ミリ秒(70msec)時VLが200V以下
良:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが50V以下
かつ70ミリ秒(70msec)時VLが250V以下
不可:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが50Vより大きいかつ70ミリ秒(70msec)時VLが250Vよりおおきい
優:白抜け無し
良:白抜けは存在するけど実使用上問題内程度である。
不可:黒帯は発生し実使用不可
優:目視にて、画像上に異常なく、鮮明な画像。
良:目視にて、画像上に若干のドット・文字の乱れがみられるが実使用上問題ないレベル。
不可:目視にて、画像上にドット・文字の乱れが発生し不鮮明な画像。
優: 膜べり量<0.7μm/100k回転
良: 0.7μm/100k回転≦膜べり量<0.9μm/100k回転
不可: 膜べり量≧0.9μm/100k回転
上記の判定結果に基づき以下の基準で判定し、総合判定とした。
優:全てが”優”以上:高速プロセス可と高画質化に対し良好。
良:“不可”がなく、その他は”良”1つ以上:高速プロセス可と高画質化に対し実使用可能なレベル。
不可:不可が1つ以上。
以上の評価結果を表1に示す。
さらに一般式(1)で表わされるエナミン化合物を用いずに、一般式(2)に表わされるブタジエン化合物を用いた比較例2の感光体は、高感度であり、露光現像時間による感度の変化も問題ないが、画質及び白抜け等が劣っている結果となった。
また、一般式(1)で表わされるエナミン化合物以外の電荷輸送物質を用いた比較例5の感光体は、感度及び解像度は優れている結果となったが、対ガス性に弱く白抜けが発生するという結果になった。
実施例7および8では、実施例1に対して一般式(1)で表わされるエナミン化合物を多くした場合、感度の低下は若干みられるが実使用上は問題ないレベルであった。
実施例11〜12では電荷輸送物質の含有量が多いことで、膜強度の低下は若干みられる実使用上は問題ないレベルであった。
中間層を有さない実施例13の単層型感光体は、実使用上問題ないものの若干画像劣化が見られ、実施例1の単層型感光体に劣ることがわかる。
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 積層型感光層
15 中間層
140 積層型感光層
141 単層型感光層
6 画像形成部
7 給紙機構
8 画像読取り部
9 原稿送給部
21 用紙トレイ
22 分離ローラ
23 給紙ローラ
24 搬送ローラ
25 レジストローラ
26、26b、26c、26m、26y レーザビームスキャナユニット
27、27b、27c、27m、27y 画像形成ステーション
28 転写搬送ベルト機構
29 定着装置
30 駆動ローラ
31 従動ローラ
32 転写搬送ベルト
33 用紙吸着用帯電器
34 除電器
35 規制ローラ
36 パターン画像検出ユニット
41b ポリゴンミラー
42b,43b fθレンズ
44b,45b,46b 反射ミラー
51b 軸線
52b、52c,52m,52y 帯電器
53b、53c,53m,53y 現像装置
54b、54c,54m,54y 転写用放電器
55b クリーニング装置
56b 現像ローラ
57b 現像剤搬送ローラ
58b、58c、58m、58y、 ケーシング
59b クリーニングブレード
60b 回収用ケーシング
61 加熱ローラ
62 加圧ローラ
63 ニップ部
64 搬送方向切換えゲート
65 排出ローラ
66 排紙トレイ
67 スイッチバック搬送経路
70 両面自動原稿送り装置
71 原稿台
72 原稿受けトレイ
73 第1走査ユニット
74 第2走査ユニット
75 光学レンズ
76 ラインセンサ(CCDラインセンサ)
77 露光ランプ
78 第1ミラー
79 第2ミラー
80 第3ミラー
80 第3ミラー
100 デジタルカラー複写機
Claims (7)
- 少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順もしくは逆の順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が、導電性支持体上に積層された電子写真感光体であって、前記電子写真感光体が、前記電荷輸送物質として、以下の一般式(1):
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、Ar1およびAr2は同時に水素原子にはなり得ず、かつAr1およびAr2は、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
のエナミン化合物と、以下の一般式(2):
R1は、水素原子または以下の構造式:
で表される基Aであり、
R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20アルキル基、C1〜C20アルコキシ基、または置換を有してもよいアリ−ル基を意味し、
mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
で表されるブタジエン化合物とを含むことを特徴とする電子写真感光体。 - 一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの比(X/Y)が、5/95〜60/40である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 前記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比(M/B)が、10/12〜10/36である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 前記導電性支持体と前記感光層との間に中間層を更に備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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