JP2016184100A - 有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成プロセスにおける感光体表面の耐刷性および耐久性が向上した電子写真感光体および高品位な画質を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順もしくは逆の順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が積層された電子写真感光体であって、電荷輸送物質として、以下の一般式(1):
Figure 2016184100

のエナミン化合物と、特定構造のブタジエン化合物とを含む電子写真感光体。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置に関する。より具体的には、本発明は、電子写真方式による画像形成に用いられる電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどとして多用されている電子写真方式の画像形成装置(以下、電子写真装置とも称する)では、電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の表面をコロナ帯電や帯電ローラ等の帯電手段によって一様に帯電させ、該表面を露光して画像情報に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーと呼ばれる微粒子で現像して可視画像であるトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を転写紙などの被転写材に転写して定着させることによって、被転写材上に画像を形成する。
トナー画像の転写後の感光体は、クリーニングブレードなどによって清掃され、転写動作時に被転写材上に転写されずに感光体表面に残留するトナーなどが除去される。
電子写真感光体は、導電性支持体上に光導電性材料を含む感光層が積層されて成る。電子写真感光体の光導電性材料としては、従来から、セレン(Se)、硫化カドミウム(CdS)、酸化亜鉛(ZnO)などの無機光導電性材料が用いられている。しかしながら、これらの無機光導電性材料には毒性を有するなどの問題があることから、近年では、無公害で成膜性に優れ、かつ材料の選択範囲が広い、有機光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、有機感光体とも称する)の開発が盛んに行われている。
有機感光体としては、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型感光体が用いられている。機能分離型感光体は、バインダ樹脂と呼ばれる結着性を有する樹脂中に電荷発生機能を担う電荷発生物質と電荷輸送機能を担う電荷輸送物質とが共分散された感光層を備える単層型感光体と、電荷発生物質が分散された電荷発生層と電荷輸送物質が分散された電荷輸送層とが積層されて成る感光層を備える積層型感光体とに大別される。
積層型感光体は、感光層の設計が容易であり、感度および安定性に優れる電子写真感光体を比較的容易に作製できるという利点を有することから、有機感光体の主流を占めている。一方、単層型感光体は、感光層が単一の層から成るので、積層型感光体に比べ、生産性が高く、低い製造原価で製造することができ、また帯電時に有害物質であるオゾンが発生しにくい正帯電プロセスでの使用が可能であることから、実用化され始めている。
電荷輸送物質には、
(1)光および熱に対して安定であること、
(2)感光体表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾン、窒素酸化物(NO)および硝酸などに対して安定であること、
(3)高い電荷輸送能力を有すること、
(4)有機溶剤やバインダ樹脂との相溶性が高いこと、
(5)製造が容易で安価であること
などが要求される。しかしながら、前記電荷輸送物質はこれらの要求の一部を満足するが、全てを高いレベルで満足するには至っていない。
先行技術(特許文献1参照)では、前述の応答性低下の問題を解決するために、電荷輸送物質として、高い電荷移動度を有する特定のブタジエン化合物を用いた感光体が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示のブタジエン化合物を用いた感光体は、近年の電子写真プロセスの高速化に伴い、さらなる感光体の高応答性が求められており、特許文献1に開示したブタジエン化合物を用いたとしても、高応答を要する電子写真装置においては、不十分になりつつある。
また別の先行技術では(特許文献2)高移動度のブタジエン(TPA誘導体)化合物で高応答性がえられるが、それだけでは画質(解像度や白抜けなど)の不具合がでる。一方システムとして、(特許文献2)に記載のような接触帯電が主流になりつつあるが、高速機/プロユースゾーンでは帯電/画質安定性の面でスコロトロンシステムが採用されており、高移動度かつこの帯電システムに適した(解像度や白抜けなど)感光体が望まれている。
特開平2005−316197号公報 特開平2011−64905号公報
また前記要求の中でも、特に、高い電荷輸送能力を有することが求められる。すなわち、電荷輸送物質がバインダ樹脂と共に分散されて形成された電荷輸送層が感光体の表面層となる場合、充分な光応答性を確保するために、電荷輸送物質には高い電荷輸送能力が求められる。感光体が複写機またはレーザビームプリンタなどに搭載されて使用される際、感光体の表面層は、クリーニングブレードや帯電ローラなどの接触部材によってその一部が削り取られることを余儀なくされる。複写機やレーザビームプリンタの高耐久化のためには、それらの接触部材に対して強い表面層、すなわちそれらの接触部材によって削り取られることの少ない耐刷性の高い表面層が求められる。
そこで、表面層を強くして耐久性を向上させるために、表面層である電荷輸送層中のバインダ樹脂の含有率を高くすると、光応答性が低下する。これは、電荷輸送物質の電荷輸送能力が低いため、バインダ樹脂の含有率の増加に伴って電荷輸送層中の電荷輸送物質が希釈され、電荷輸送層の電荷輸送能力が一層低下して光応答性が悪くなるものである。光応答性が悪いと、残留電位が上昇し、感光体の表面電位が充分に減衰していない状態で繰返し使用されることになるので、露光によって消去されるべき部分の表面電荷が充分に消去されず、早期に画像品質が低下するなどの弊害が生じる。したがって、充分な光応答性を確保するためには、電荷輸送物質に高い電荷輸送能力が求められるのである。
また近年、電子写真装置の小型化および高速化が進み、感光体特性として高速化に対応した高感度化が要求されており、電荷輸送物質としてはますます高い電荷輸送能力が求められている。また高速プロセスでは、露光から現像までの時間が短いので、光応答性のよい感光体が求められる。前述のように、光応答性は電荷輸送物質の電荷輸送能力に依存するので、このような点からもより高い電荷輸送能力を有する電荷輸送物質が求められる。
本発明はスコロトロンシステムを用いた帯電方法の電子写真において、電子写真感光体が後述する一般式(1)および一般式(2)であらわされる構造を有する電子輸送材料のうち少なくとも一種を含まない場合に比べ、高応答で有り、解像度及び耐酸化性ガス性の特性を低下する事がない電子感光体、画像形成装置を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく研究を行なった結果、電荷輸送物質として、特定のエナミン化合物と特定のブタジエン化合物とを組合せて用いることによって、スコロトロンシステムを用いたとしても、感度、応答性、帯電性などの電気特性を良好に維持しながら、耐オゾン性および耐酸性ガス性などの耐活性ガス性を著しく向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
かくして、本発明によれば、少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順もしくは逆の順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が、導電性支持体上に積層された電子写真感光体であって、前記電子写真感光体が、前記電荷輸送物質として、以下の一般式(1):
Figure 2016184100
(式中、
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
ArおよびArは、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、ArおよびArは同時に水素原子にはなり得ず、かつArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
のエナミン化合物と、以下の一般式(2):
Figure 2016184100
(式中、
は、水素原子または以下の構造式:
Figure 2016184100
(式中、RおよびR10は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換基を有してもよいアリ−ル基を意味する)
で表される基Aであり、
、R、R、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換基を有してもよいアリ−ル基を意味し、
mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
で表されるブタジエン化合物とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
また、本発明によれば、前記の一般式(1)のエナミン化合物において、次の部分構造:
Figure 2016184100
が、以下の:
Figure 2016184100
であり、次の部分構造:
Figure 2016184100
が、互いに独立して、以下の:
Figure 2016184100
であり、次の部分構造:
Figure 2016184100
が、以下の:
Figure 2016184100
であり、前記ArまたはArが、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味するか、または、前記ArまたはArが、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味するか、あるいは前記ArおよびArが一緒になって、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味する、電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物が、以下の:
Figure 2016184100
または
Figure 2016184100
の少なくとも1つの化合物である、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと、前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの比X/Yが、5/95〜60/40である、前記の電子写真感光体。
また、本発明によれば、前記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比M/Bが、10/12〜10/36である、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記の導電性支持体と前記感光層との間に中間層を更に備える前記の電子写真感光体が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置が提供される。
本発明による電子写真感光体は、一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物を電荷輸送物質として感光層に含有するものであり、感度、応答性および帯電性などの電気特性に優れるとともに、耐活性ガス性に優れ、繰返し使用されても、また周囲の環境が変化しても前述の良好な電気特性が低下しない。したがって、本発明による電子写真感光体を備える画像形成装置は、信頼性に優れ、各種の環境下において長期間にわたって安定して高品質の画像を形成することができる。
本発明の実施の形態1に記載の電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2に記載の電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3に記載の電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態4に記載の電子写真感光体4の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態5に記載の電子写真感光体5の構成を簡略化して示す部分断面図である。 デジタルカラー複写機100の構成を簡略化して示す正面配置図である。 黒色画像形成用のレーザビームスキャナユニット26bおよび画像形成ステーション27bの構成を示す拡大図である。
本発明による電子写真感光体は、電荷輸送層が、下記一般式(1):
Figure 2016184100
(式中、
aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
ArおよびArは、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、ArおよびArは同時に水素原子にはなり得ず、かつArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
のエナミン化合物を電荷輸送物質として含むことが、本発明の1つの特徴である。
上記一般式(1)の規定における、aの置換基を有してもよいアルキル基としては、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、ハロゲン原子または複素環で置換されていてもよいアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、チエニルメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メトキシエチル基、フルオロメチル基およびトリフルオロメチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、イソプロピル基およびトリフルオロメチル基が特に好ましい。
また、aの置換基を有してもよいアルコキシ基としては、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基が挙げられる。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基などが挙げられ、これらの中でも、メトキシ基が特に好ましい。
また、aの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基としては、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいジアルキルアミノ基が挙げられる。より具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基などが挙げられる。
また、aの置換基を有してもよいアリール基としては、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル基およびメトキシナフチル基などが挙げられる。
さらに、aの置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、これらの中でも、フッ素原子が特に好ましい。
上記一般式(1)の規定における、b、cおよびdの置換基を有してもよいアルキル基は、上記aと同義であり、メチル基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアルコキシ基は、上記aと同義であり、メトキシ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基は、上記aと同義であり、ジメチルアミノ基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリール基としては、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜C10アリール基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ビフェニルイル基、ナフチル基、メトキシナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基およびビフェニルイル基が特に好ましい。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
また、b、cおよびdの置換基を有してもよいアリールチオ基としては、フェニールチオ基などが挙げられる。
さらに、b、cおよびdの置換基としてのハロゲン原子は、上記aと同義である。
ArおよびArの置換基を有してもよいアルキル基は、上記aと同義であり、メチル基が特に好ましい。
ArおよびArの置換基を有してもよいアリール基としては、例えばC〜Cのアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cジアルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
より具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、t−ブチルフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロエチルフェニル基、ナフチル基およびメトキシナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基およびナフチル基が特に好ましい。
ArおよびArの置換基を有してもよいアラルキル基としては、ベンジル基などが挙げられる。
ArおよびArの置換基を有してもよい複素環基としては、クロマニル基、チエニル基、5−メリルチエニル基およびフリル基などが挙げられる。
より具体的には前記エナミン化合物、一般式(1)において、部分構造:
Figure 2016184100
が、以下の:
Figure 2016184100
であり、次の部分構造:
Figure 2016184100
が、互いに独立して、以下の:
Figure 2016184100
であり、次の部分構造:
Figure 2016184100
が、以下の:
Figure 2016184100
であり、前記ArまたはArが、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味するか、または、前記ArまたはArが、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味するか、あるいは前記ArおよびArが一緒になって、以下の置換基:
Figure 2016184100
を意味する。
一般式(1)で示されるテトラアリールエナミン化合物は、特開2004−151666号公報に記載の方法により合成でき、その具体的化合物を以下の表1に示す。
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
Figure 2016184100
これらの化合物の中でも、化合物A−1及びA−3、A−43が特に好ましい。
また、本発明による電子写真感光体は、前記の一般式(1)のエナミン化合物と同時に以下の一般式(2):
Figure 2016184100
(式中、
は、水素原子または以下の構造式:
Figure 2016184100
(式中、RおよびR10は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換基を有してもよいアリ−ル基を意味する)
で表される基Aであり、
、R、R、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換基を有してもよいアリ−ル基を意味し、
mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
のブタジエン化合物を電荷輸送物質として含むことも、本発明の1つの特徴である。
より具体的には、上記一般式(2)における置換基は、好ましくは、Rは、水素原子または上記の基(A)であり、該基(A)は置換基RおよびR10をフェニル基に有していてもよい4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル基(基(A))であり、Rは、水素原子または3−メチル基であり、Rは、水素原子、3−メチル基または3−メトキシ基であり、Rは、水素原子、2−メチル基、4−メチル基、4−メトキシ基であり、Rは、水素原子、3−メチル基、4−メチル基、4−メトキシ基であり、Rは、水素原子または4−メチル基であり、RおよびRは、互いに同一または異なって、水素原子、3−メチル基、4−メチル基または4−メトキシ基であり、RおよびR10は、互いに同一または異なって、水素原子、3−メチル基、4−メチル基、4−メトキシ基であり、mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である。
上記一般式(2)で表されるブタジエン化合物の好ましい具体例B1〜B52を以下の表2に示す。
Figure 2016184100
Figure 2016184100
上記のブタジエン化合物の中でも、電荷輸送能力および合成の観点からB17およびB43が特に好ましい。
以下、本発明の実施の形態および実施例について、図1〜7を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に記述する実施の形態および実施例は本発明の具体的な一例に過ぎず、本発明はこれらよって限定されるものではない。
実施の形態1
図1は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性支持体11と、導電性支持体11の外周面に形成され、電荷発生物質を含む電荷発生層12と、電荷発生層12の外周面に形成され、電荷輸送物質を含む電荷輸送層13がこの順で積層された積層型感光層14とを有する。
導電性支持体11
導電性支持体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、外側に配置される感光層14の支持部材としても機能する。
導電性支持体11の形状は、本実施の形態では円筒状であるが、円筒状に限定されるものではなく、円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体11を構成する導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金等の導電性金属、または、当該導電性金属の合金材料が挙げられる。あるいは、前記の導電性材料として、アルミニウム、酸化錫、金、酸化インジウム等の導電性金属、または、当該導電性金属の合金材料或いは金属酸化物を用いてもよい。
また、高分子材料(ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリオキシメチレンもしくはポリスチレンなど)、硬質紙またはガラスなどの表面に、前記の導電性金属からなる金属箔をラミネートまたは蒸着したものを前記導電性材料としてもよい。
あるいは、前記の高分子材料、硬質紙、またはガラスなどの表面に、導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものを前記導電性材料としてもよい。以上の導電性材料を所定の形状に加工することによって導電性支持体11が形成される。
導電性支持体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施すことが好ましい。
レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。しかしながら、導電性支持体11の表面に上記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
電荷発生層12
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。
上記の電荷発生物質として有効な物質としては、有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
上記有機系光導電性材料としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料が挙げられる。
また、上記無機系光導電性材料としては、セレン、セレン合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。
しかながら、本発明における電荷発生物質は、オキソチタニルフタロシアニンが、本発明の他の構成要素との組み合わせにより奏される効果の観点から、特に好ましい。
電荷発生物質は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料と組み合わせて使用してもよい。
電荷発生層12の形成方法としては、前記の電荷発生物質を導電性支持体11の表面に真空蒸着する方法、または前記の電荷発生物質を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性支持体11の表面に塗布する方法などが用いられる。
とくに、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を作成し、得られた塗布液(塗工液)を導電性支持体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層12に用いられる結着樹脂としては、たとえばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびに、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。
結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用しれてもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、例えばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類;またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。
上記の溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。上記の溶剤は、1種が単独で使用してもよく、2種以上の混合溶剤として使用してもよい。
電荷発生物質は、結着樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。
粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
また、電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択するのが好ましい。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に多く利用されている。
なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚は、0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下することもある。
逆に、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12の内部での電荷移動が感光層12の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下することもある。
したがって、電荷発生層12の膜厚は、0.05〜5μmであると判断した。
電荷輸送層13
電荷発生層12の外周面には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂とを含む。
本発明による電荷輸送層は、電荷輸送物質として上記の一般式(1)で表されるエナミン化合物とブタジエン化合物とを含むことも本発明の1つの特徴である。
電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質としての上記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと上記の一般式(2)で表されるブタジエンン化合物(2)の重量Yとの比X/Yが5/95〜60/40であることも本発明の1つの特徴である。
上記の電荷輸送層における結着樹脂と電荷輸送物質との割合は、一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比M/Bが、10/12〜10/36であることが好ましい。前記比M/Bを10/12〜10/36とし、バインダ樹脂を高い比率で電荷輸送層13に含有させることによって、電荷輸送層13の耐刷性を向上させることができることも本発明の1つの特徴である
このように、前記比率M/Bを10/12以下とし、電荷輸送層13におけるバインダ樹脂の比率を高くすると、結果として電荷輸送物質として含有される一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物の比率が低下する。従来公知の電荷輸送物質を用いた場合に、電荷輸送層13における電荷輸送物質の重量とバインダ樹脂の重量との比率(電荷輸送物質/バインダ樹脂)を同様に10/12以下とすると、光応答性が不足し、画像欠陥の生じることがある。
しかしながら、本実施の形態において電荷輸送物質として用いられる一般式(1)で表されるエナミン化合物は優れた電荷輸送能力を有するので、前記比率M/Bを10/12以下として電荷輸送層13におけるバインダ樹脂の比率を高くしても、感光体1の応答性は維持される。したがって、本実施の形態では、応答性を低下させることなく、前記比率M/Bを10/16〜10/36として電荷輸送層13の耐刷性を向上させ、感光体1の機械的耐久性を向上させることができる。
なお、前記比M/Bが10/36未満であり、バインダ樹脂の比率が大幅に高くなると、電荷輸送層13の耐刷性が一層向上され、感光体1の機械的耐久性は向上するけれども、応答性が低下する可能性がある。また電荷輸送層13を浸漬塗布法によって形成する場合に前記比M/Bが10/36未満であると、塗布液の粘度が増大して塗布速度が低下し、生産性が著しく悪くなるおそれがある。また塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層13に白濁が発生する可能性がある。一方、前記比M/Bが10/12を超え、バインダ樹脂の比率が大幅に低くなると、応答性は向上するけれども、電荷輸送層13の耐刷性が低下し、感光層14の膜減り量が著しく増加するおそれがある。
電荷輸送層13を構成する結着樹脂には、透明性や耐刷性に優れるなどの理由から、当該分野で周知のポリカーボネートを主成分とするポリカーボネート樹脂が好適に選択される。
その他、上記のポリカーボネート樹脂以外に第2成分である結着樹脂として、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂、または、これらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、あるいは、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂またはポリカーボネート骨格とポリジメチルシロキサン骨格を有する共重合体樹脂などを用いることもできる。
これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上であって電気絶縁性に優れており、また皮膜性および電位特性などにも優れているので、特に好適に用いられる。バインダ樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷輸送層13は、前記ブタジエン系電荷輸送材料及び前記エナミン系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含んでいてもよい。そのような電荷輸送材料として、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。
電荷輸送層13を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が単独あるいは2種以上混合して用いられる。
また、画像形成装置内で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質が含有される。本実施形態に用いる感光体に使用される電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl、CN、NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に望ましい。
更に、感光体の表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種粒子を添加してもよい。それらは、単独で用いてもよいし、併用してもよい。粒子の一例として、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系粒子や「第8回ポリマー材料フォ−ラム講演要旨集 p89-90」に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる粒子が挙げられる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノ−ル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等が挙げられる。
電荷輸送層13には、本発明の好ましい特性を損なわない範囲内で、一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物以外の他の電荷輸送物質が含有されてもよい。他の電荷輸送物質としては、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、たとえばポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリ(1−ビニルピレン)およびポリ(9−ビニルアントラセン)なども挙げられる。
なお、電荷輸送層13には、耐摩耗性等を向上させる目的として、フィラー粒子を添加できる。
さらに、電荷輸送層13には、酸化防止剤、増感剤や必要に応じて可塑剤またはレべリング剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加できる。
また、電荷輸送層13には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。すなわち、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などを電荷輸送層13に添加してもよい。上記可塑剤としては、たとえばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。また、上記レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
レベリング剤は、電荷輸送層13の成膜性、可撓性、塗布性などを向上させることを目的として添加される。レベリング剤としては、シリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーまたはオリゴマーなどを使用することができる。これらのレベリング剤は、バインダ樹脂100重量部に対して、0.0001〜1重量部の範囲内で使用されることが好ましい。
電荷輸送層13は、たとえば、適当な溶媒中に、一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物を含む電荷輸送物質の適量、バインダ樹脂の適量、ならびに必要に応じてレベリング剤、可塑剤などの添加剤の適量を加え、溶解および/または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層12上に塗布することによって形成することができる。
電荷輸送層用塗布液に使用される溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられ、これらの中でも、テトラヒドロフランが好ましい。これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷輸送層用塗布液の調製方法としては、電荷輸送物質およびバインダ樹脂、ならびに必要に応じて前述の添加剤を計量し、これらを同時に溶剤に溶解および/または分散させる方法を用いてもよいけれども、まず電荷輸送物質を溶剤に溶解および/または分散させ、次いでバインダ樹脂および必要に応じて前述の添加剤を投入し、溶解および/または分散させる方法を用いる方がより好ましい。この方法を用いることによって、バインダ樹脂中への電荷輸送物質の分散性を向上させ、電荷輸送層13中における電荷輸送物質の潜在的かつ局所的な結晶化を抑制することができるので、初期感度、繰返し使用における電位安定性および画像特性などを一層良好にすることができる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、垂直リング法、浸漬塗布法などを用いることができる。なお本実施の形態とは異なるけれども、導電性支持体11がシート状である場合には、ベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコータなどを用いて電荷輸送層用塗布液を塗布することができる。
電荷輸送層13の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下である。電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下する可能性がある。電荷輸送層13の膜厚が50μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
感光層14は、以上のようにして形成される電荷発生層12と電荷輸送層13とが積層されて成る積層構造を有する。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることによって、各層を構成する材料を独立して選択することができるので、電荷発生機能および電荷輸送機能それぞれに最適な材料を選択することができる。したがって、感光体1は、帯電性、感度および光応答性などの電気特性、ならびに電気的および機械的耐久性に特に優れる。
実施の形態2
図2は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体2は、導電性材料から成る円筒状の導電性支持体11と、導電性支持体11の外周面に形成され、電荷輸送物質を含む電荷輸送層13と、電荷輸送層13の外周面に形成され、電荷発生物質を含む電荷発生層12がこの順で積層された積層型感光層140とを有する。
実施の形態3
図3は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体3は、図1に示す実施の形態1の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体3において注目すべきは、導電性支持体11と感光層14との間に、中間層15が設けられていることである。
導電性支持体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性支持体11から感光層14に電荷が注入され、感光層14の帯電性が低下し、露光される部分以外の表面電荷が減少し、画像にかぶりなどの欠陥の発生することがある。
特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、画質の著しい劣化が生じるおそれがある。
このように、導電性支持体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性支持体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となる可能性がある。
本実施形態の感光体3では、前述のように導電性支持体11と感光層14との間に中間層15が設けられているので、導電性支持体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光される部分以外での表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
また中間層15を設けることによって、導電性支持体11表面の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14の成膜性を高めることができる。また中間層15が導電性支持体11と感光層14とを接着する接着剤として機能するので、感光層14の導電性支持体11からの剥離を抑えることができる。
中間層15
中間層15としては、アルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどから成る無機層、各種有機材料で構成される有機層などが用いられる。これらの中でも、有機層が好適に用いられる。
中間層15として用いられる有機層を構成する有機材料としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリイミドまたはポリアミド樹脂などの樹脂などが挙げられる。またカゼイン、セルロース類、ゼラチン、デンプンなども挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。ポリアミド樹脂が好適に用いられるのは、ポリアミド樹脂が、中間層15上に感光層14を形成する際に用いられる溶媒に対して溶解および膨潤などを起こさないこと、導電性支持体11との接着性に優れること、可撓性を有することなどの理由による。ポリアミド樹脂のうち、特に好ましいものとしては、アルコール可溶性ナイロン樹脂が挙げられる。アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、たとえば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどのいわゆるナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロン、N−アルコキシエチル変性ナイロンなどの、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
有機層で構成される中間層15には、無機顔料であるアルミニウム、銅、錫、亜鉛、チタンなどの金属、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物などの導電性または半導電性の微粒子を含有させることが好ましく、酸化チタンを含有させることが特に好ましい。中間層15に含有される酸化チタンとしては、非晶質のものを用いてもよく、アナターゼ型、ルチル型などの特定の結晶型を有するものを用いてもよく、またこれらを2種以上混合して用いてもよい。酸化チタン粒子の表面は、酸化アルミニウム(化学式:Al)、二酸化ジルコニウム(化学式:ZrO)などの金属酸化物で被覆されていることが好ましい。
有機層で構成される中間層15は、たとえば、適当な溶媒中に、前述の樹脂などの有機材料の適量、および必要に応じて前述の酸化チタンなどの無機顔料の適量を加え、ボールミル、ダイノーミルまたは超音波発振機などの分散機を用いて分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体11の表面に塗布することによって形成することができる。
中間層用塗布液の溶剤としては特に制限されず、公知の有機溶媒を使用することができる。ただし、有機層を構成する有機材料としてアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いる場合には、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤を用いることが好ましく、これらのアルコール系溶剤に、アルコール系以外の溶剤、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランなどのエーテル類などを混合して用いることがより好ましい。
アルコール系溶剤とアルコール系以外の溶剤との混合系溶剤を用いることによって、酸化チタンなどの無機顔料の分散性が改善され、塗布液の保存安定性が向上される。また塗布液の再生が可能になる。また中間層用塗布液中に導電性支持体11を浸漬して中間層15を塗布形成する際に、中間層15の塗布欠陥や塗布むらを防止することができるので、中間層15の表面に感光層14を均一に塗布形成することができ、膜欠陥の無い非常に優れた画像特性を有する感光体3を得ることができる。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、垂直リング法、浸漬塗布法などを用いることができる。また、本実施の形態とは異なるけれども、導電性支持体11がシート状である場合には、ベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコータなどによって中間層用塗布液を塗布することもできる。
実施の形態4
図4は、本実施の形態である電子写真感光体4の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体4は、図1に示す実施の形態1の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体4において注目すべきは、電荷発生物質と電荷輸送物質とが、単一の層から成る単層型感光層141に含有されることである。
本実施の形態の単層型感光体4は、オゾン発生の少ない正帯電型画像形成装置用の感光体として好適であり、また積層されるべき感光層141が一層のみであるので、前述の積層型感光体1、2、3に比べ、製造原価および歩留が優れている。
単層型感光層141は、実施の形態1に記載の感光体1に設けられる電荷輸送層13と同様の方法で形成することができる。たとえば、前述の電荷発生物質と、電荷輸送物質としての一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物と、バインダ樹脂と、必要に応じて前述の添加剤とを、前述の電荷輸送層用塗布液と同様の適当な溶剤に溶解および/または分散させて感光層用塗布液を調製し、この感光層用塗布液を浸漬塗布法などによって導電性支持体11の表面に塗布することによって、感光層141を形成することができる。
感光層141において、一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量B’との比M/B’は、10/12〜10/36であることが好ましい。これによって、実施の形態1において、電荷輸送層13における一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量(X)と一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比M/Bを10/12〜10/36とする場合と同様に、応答性を低下させることなく、感光層141の耐刷性を向上させ、感光体4の機械的耐久性を向上させることができる。
実施の形態5
図5は、本実施の形態である電子写真感光体5の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体5は、図4に示す実施の形態4の電子写真感光体4に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体4において注目すべきは、電荷発生物質と電荷輸送物質とが、単一の層から成る単層型感光層141に含有され、この単層型感光層141が、導電性支持体11上に積層された中間層15上に積層されていることである。
本発明の電子写真感光体は、以上に述べた図1〜図5に示す感光体1〜5の構成に限定されるものではなく、一般式(1)で表されるエナミン化合物と一般式(2)で表されるブタジエン化合物とを感光層に含有するものであれば、他の異なる構成であってもよい。
実施の形態6
次に、本発明の実施の形態である画像形成装置として、実施の形態1の感光体1を備えるデジタルカラー複写機100を、デジタルカラー複写機100の構成を簡略化して示す正面配置図である図6を用いて説明する。
本実施の形態として例示するデジタルカラー複写機100は、単色画像、多色画像およびフルカラー画像を形成することのできるタンデム方式の画像形成装置である。
以下、デジタルカラー複写機100の構成と動作について説明する。デジタルカラー複写機100は、前述の感光体1を備える画像形成部6と、給紙機構7と、画像読取り部8と、原稿送給部9と、図示しない操作パネルとを含んで構成される。操作パネルは、複写機本体の上面に設けられる。
原稿送給部9は、複写されるべき原稿を自動的に送給する両面自動原稿送り装置(Reversing Automatic Document Feeder;略称RADF)70と、RADF70から送給された原稿が予め定められる位置に載置される原稿台71と、原稿受けトレイ72とを含む。RADF70は、原稿台71に対して予め定められる位置関係を有するとともに開閉可能な状態で支持される。RADF70は、原稿の一方の面が原稿台71の予め定められる位置であって画像読取り部8に対向する位置に載置されるように原稿を搬送し、この一方の面についての画像情報の読取りが終了すると、他方の面が原稿台71の予め定められる位置であって画像読取り部8に対向する位置に載置されるように原稿を反転して搬送し、さらに他方の面についての画像情報の読取りが終了すると、原稿を原稿受けトレイ72へ排出する。
以上のようにして、1枚の原稿について、両面の画像情報の読取りが終了する。以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、デジタルカラー複写機100の全体動作に関連して制御される。なお原稿の一方の面のみを複写する場合には、原稿の反転搬送は実行されない。また、複数枚数の原稿の複写を行う場合には、1枚目の原稿の両面または片面の画像情報の読取りが終了し、原稿が原稿受けトレイ72に排出されると、次の原稿に対して前述の原稿の搬送および表裏反転の動作が行われる。
画像読取り部8は、原稿台71の下方に配置され、RADF70によって原稿台71上に搬送されてきた原稿の画像情報を読取る動作を行う手段であり、原稿台71の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体である第1走査ユニット73および第2走査ユニット74と、光学レンズ75と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ76とを含む。
第1走査ユニット73は、読取るべき原稿画像表面を露光する露光ランプ77と、原稿からの反射光像を予め定められる方向に偏向する第1ミラー78とを備え、原稿台71の下面に対して一定の距離を保ちながら予め定められる走査速度で往復移動する。第2走査ユニット74は、第1走査ユニット73の第1ミラー78によって偏向された原稿からの反射光像をさらに予め定められる方向に偏向する第2ミラー79および第3ミラー80を備え、第1の走査ユニット13と一定の速度関係を保って原稿台71の下面に沿って平行に往復移動する。
光学レンズ75は、第2走査ユニット74の第3ミラー80によって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ76の予め定められる位置に結像させる。
CCDラインセンサ76は、第1走査ユニット73および第2走査ユニット74によって読取られ、光学レンズ75によって結像された白黒原稿またはカラー原稿からの反射光像を、赤色(red;略称R)、緑色(green;略称G)および青色(blue;略称B)の各色成分に色分解してRGB信号として読取り、順次光電変換して電気信号とし、ラインセンサ毎に画像ラインデータとして出力する3ラインのカラー用CCDである。CCDラインセンサ76から電気信号として出力される原稿画像情報は、図示しない画像処理部に入力される。
画像処理部は、CCDラインセンサ76から入力される原稿画像情報に対して、RGB信号からシアン色(cyan;略称C)、マゼンタ色(magenta;略称M)、イエロー色(yellow;略称Y)および黒色(black;略称K)の各色成分のCMYK信号を生成するなどの予め定められる画像データ処理を施し、得られた原稿画像情報を画像形成部6に入力する。
給紙機構7は、画像形成部6の下方に設けられ、記録媒体である記録用紙Pを積載収容する用紙トレイ21と、用紙トレイ21内の記録用紙Pを1枚ずつ分離送給する分離ローラ22および給紙ローラ23とを含み、画像形成部6に対して記録用紙Pを供給する。本実施形態では、記録用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。用紙トレイ21から1枚ずつ送り出される記録用紙Pは、記録用紙Pの搬送経路各所に設けられる搬送ローラ24によって搬送され、図示しないガイド内を通過する際にその先端部分が図示しないセンサによって検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて、画像形成部6の手前に設けられる一対のレジストローラ25によって一旦停止される。一旦停止された記録用紙Pは、レジストローラ25によって給紙タイミングが制御されて画像形成部6に供給される。
画像形成部6は、画像読取り部8と給紙機構7との間に配置され、レーザビームスキャナユニット26と、前述の感光体1を備える画像形成ステーション27と、転写搬送ベルト機構28と、定着装置29とを含む。
前述のように、デジタルカラー複写機100は、単色画像、多色画像およびフルカラー画像を形成することのできるタンデム方式の画像形成装置であるので、レーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27は、黒色、シアン色、マゼンタ色およびイエロー色の各色に対応して4組が設けられる。各レーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27は、現像に用いられるトナーの色が、黒色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色に異なること、および画像処理部から入力される原稿画像情報のうち、黒色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、イエロー色成分像に対応する画素信号が、それぞれ入力されること以外は構成を同じくするので、黒色に対応するレーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27を代表例として説明し、他については説明を省略する。なお、各色に対応するレーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27を個々に示す場合には、アルファベットの添字:b(黒色)、c(シアン色)、m(マゼンタ色)、y(イエロー色)を付して表す。
図7は、黒色画像形成用のレーザビームスキャナユニット26bおよび画像形成ステーション27bの構成を示す拡大図である。
レーザビームスキャナユニット26bは、帯電された感光体1bの外周面に対して露光を施す露光手段であり、画像形成ステーション27bの上方に設けられ、画像処理部から入力される原稿画像情報に応じて変調されたドット光を発光する図示しない半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させる偏向装置であるポリゴンミラー41bと、ポリゴンミラー41bによって偏向されたレーザビームを感光体1bの外周面に結像させるfθレンズ42b,43bおよび反射ミラー44b,45b,46bとを備える。レーザビームスキャナユニット26bの動作によって、帯電された感光体1bの外周面に対して黒色成分像に対応する画素信号に応じた露光が施され、感光体1bの外周面上に黒色成分像に対応する静電潜像が形成される。同様に、図6に示すレーザビームスキャナユニット26c,26m,26yの動作によって、感光体1c,1m,1yの外周面上に、シアン色成分像、マゼンタ色成分像およびイエロー色成分像に対応する静電潜像がそれぞれ形成される。このようにして、画像処理部によって色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体1b,1c,1m,1yの外周面上にそれぞれ形成される。
画像形成ステーション27bは、後述する転写搬送ベルト32の上方に近接して設けられ、前述の感光体1bを備える。感光体1bは、円筒状であって、軸線51bまわりに回転自在に支持され、矢符F方向に所定の周速度Vpで回転駆動される(以下、この周速度Vpを感光体1の回転周速Vpとも称する。)。感光体1bの周囲には、帯電器52bと、現像装置53bと、転写用放電器54bと、クリーニング装置55bとが、矢符Fで示される感光体1bの回転方向上流側から下流側に向かってこの順序で設けられる。
帯電器52bは、前述のレーザビームスキャナユニット26bで露光される前に感光体1bの外周面を一様に帯電させる帯電手段である。本実施形態では、帯電器52bは、放電によって感光体1bの外周面を一様に帯電させるコロナ帯電方式などの非接触式の帯電手段である。
現像装置53bは、レーザビームスキャナユニット26bから出力されるレーザビームによる露光によって感光体1bの外周面に形成される静電潜像を現像して可視化する現像手段である。現像装置53bは、感光体1bに対向して設けられ感光体1bの外周面にトナーを供給する現像ローラ56bと、現像ローラ56bにトナーを含む現像剤を供給する現像剤搬送ローラ57bと、現像ローラ56bおよび現像剤搬送ローラ57bを感光体1bの軸線51bと平行な軸線まわりに回転可能に支持するとともに、その内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング58bとを備える。ケーシング58bには、黒色のトナーが収容されている。レーザビームスキャナユニット26bの動作によって感光体1bの外周面上に形成される静電潜像は、ケーシング58bに収容される黒色のトナーによって現像され、黒色成分像に対応する可視像である黒色のトナー画像になる。
なお、図6に示すケーシング58cにはシアン色のトナーが収容され、ケーシング58mにはマゼンタ色のトナーが収容され、ケーシング58yにはイエロー色のトナーが収容されている。レーザビームスキャナユニット26c,26m,26yの動作によって感光体1c,1m,1yの外周面上にそれぞれ形成される静電潜像は、対応する各色のトナーによってそれぞれ現像され、各色のトナー画像となる。このようにして、画像処理部によって色変換された原稿画像情報が各色のトナー画像として再現される。
転写用放電器54bは、転写搬送ベルト32を介して感光体1bに対向して設けられ、転写搬送ベルト32によって送給される記録用紙Pをトナーと逆の極性に帯電させることによって、現像されて感光体1bの外周面上に形成される可視像であるトナー画像を記録用紙P上に転写させる転写手段である。
クリーニング装置55bは、転写用放電器54bによる転写動作後に感光体1bの外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、感光体1bの外周面に残留するトナーを前記外周面から剥離させるクリーニングブレード59bと、クリーニングブレード59bによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング60bとを備える。
再び図6に戻って、レーザビームスキャナユニット26bおよび画像形成ステーション27bと、レーザビームスキャナユニット26cおよび画像形成ステーション27cと、レーザビームスキャナユニット26mおよび画像形成ステーション27mと、レーザビームスキャナユニット26yおよび画像形成ステーション27yとは、記録用紙Pの搬送方向上流側から下流側に向かってこの順序で並べて設けられる。
転写搬送ベルト機構28は、画像形成部6の下部に配置され、駆動ローラ30と、従動ローラ31と、駆動ローラ30と従動ローラ31とによって略平行に伸びるように張架される無端ベルト状の転写搬送ベルト32と、転写搬送ベルト32の表面を帯電させ、給紙機構7から供給される記録用紙Pを静電吸着させるための用紙吸着用帯電器33と、転写搬送ベルト32に静電吸着されている記録用紙Pを転写搬送ベルト32から分離するための除電器34と、転写搬送ベルト32の下方に近接して設けられるパターン画像検出ユニット36と、転写搬送ベルト32を介してパターン画像検出ユニット36に対向して設けられ、転写搬送ベルト32とパターン画像検出ユニット36との間の距離を一定に保つように転写搬送ベルト32を押さえる規制ローラ35とを備える。パターン画像検出ユニット36は、現像条件を決めるために作像されたトナーパッチの濃度を測定するセンサ装置であり、パターン画像検出ユニット36によって測定されたトナーパッチの濃度を元にプロセスのコントロールがなされる。
転写搬送ベルト32は、駆動ローラ30の軸線まわりの回転によって矢符Z方向に摩擦駆動される。用紙吸着用帯電器33は、記録用紙Pの搬送経路におけるレジストローラ25と画像形成ステーション27bとの間であって従動ローラ31の上方に設けられ、転写搬送ベルト32の表面を帯電させる。除電器34は、記録用紙Pの搬送経路における画像形成ステーション27yと定着装置29との間であって駆動ローラ30の上方に設けられる。除電器34には、転写搬送ベルト32に静電吸着されている記録用紙Pを転写搬送ベルト32から分離させるための交流電流が印加されている。
給紙機構7のレジストローラ25によって一旦停止された記録用紙Pは、各画像形成ステーション27b,27c,27m,27yとのタイミングが取られ、矢符Z方向に摩擦駆動されている転写搬送ベルト32上に送給される。このとき、転写搬送ベルト32は前述のように用紙吸着用帯電器33の動作によって予め定められる電位に帯電されているので、転写搬送ベルト32に送給された記録用紙Pは、転写搬送ベルト32上に確実に静電吸着され、転写搬送ベルト32上からずれることなく安定して画像形成ステーション27bから画像形成ステーション27yへと順次搬送供給される。
転写搬送ベルト32によって記録用紙Pが画像形成ステーション27bに供給されると、転写用放電器54bの動作によって、感光体1bの外周面上に形成された黒色のトナー画像が記録用紙P上に転写される。黒色のトナー画像が転写された記録用紙Pは、転写搬送ベルト32に静電吸着されたまま矢符Z方向に搬送され、搬送方向上流側から下流側に向かって以下の順に設けられるシアン色、マゼンタ色、イエロー色のレーザビームスキャナユニット26c,26m,26yおよび画像形成ステーション27c,27m,27yを通過する際に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナー画像が、前述の黒色のトナー画像の場合と同様にして順次転写される。これによって、感光体1b,1c,1m,1yの外周面上にそれぞれ形成されたトナー画像が記録用紙P上において重ね合わされる。
イエロー色画像形成用の画像形成ステーション27yにおいてイエロー色のトナー画像が転写された記録用紙Pは、除電器34の下方を通過する際に、除電器34の動作によって先端部分から順次転写搬送ベルト32から剥離され、記録用紙Pの搬送経路において転写搬送ベルト32よりも記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられる定着装置29へ送給される。
なお、以上のレーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27の動作制御は、操作パネルから使用者によってフルカラー画像出力モードが指定された場合のものである。使用者によって単色画像または多色画像出力モードが指定された場合には、画像形成に使用されない色に対応するレーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27は、非動作状態とされる。たとえば、白黒画像出力モードが指定された場合には、感光体1c,1m,1yは、図示しない接離機構によって転写搬送ベルト32から離間され、さらに回転駆動が停止される。また帯電器52c,52m,52yによる帯電動作、レーザビームスキャナユニット26c,26m,26yによる露光動作、現像装置53c,53m,53yによる現像動作および転写用放電器54c,54m,54yによる転写動作も停止される。
定着装置29は、記録用紙P上に転写されたトナー画像を記録用紙Pに定着させる定着手段であり、図示しない加熱手段を備える加熱ローラ61と、加熱ローラ61に対向して設けられ加熱ローラ61に押圧されて当接部いわゆるニップ部63を形成する加圧ローラ62とを備える。定着装置29に供給された記録用紙Pは、ニップ部63を通過する際に加熱および加圧される。これによって、記録用紙P上のトナー画像が記録用紙Pに溶融定着され、堅牢なフルカラー画像が形成される。
定着装置29のニップ部63を通過した後の記録用紙Pが搬送される方向には、搬送方向切換えゲート64が設けられる。搬送方向切換えゲート64は、定着装置29による定着動作後の記録用紙Pの搬送方向を、デジタルカラー複写機100の側面に設けられる排紙トレイ66に向かう方向と、再度画像形成部6に向かう方向との間で選択的に切換える。
定着装置29によって一方の表面にトナー画像が定着された記録用紙Pは、さらに続けて他方の表面に画像を形成しない場合には、搬送方向切換えゲート64の動作によってその上方に送給され、さらに排出ローラ65によって図示しない用紙排出口から排紙トレイ66上に排出される。一方、さらに続けて他方の表面に画像を形成する場合には、記録用紙Pは、搬送方向切換えゲート64の動作によってその下方に送給され、スイッチバック搬送経路67を経て表裏反転された後、再度画像形成部6の手前まで搬送され、レジストローラ25によって給紙タイミングが制御されて画像形成部6に再度供給される。その後、一方の表面に対する画像形成と同様にして、他方の表面に対する画像形成が行われる。
本実施の形態のデジタルカラー複写機100に備わる感光体1は、一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物を電荷輸送物質として感光層14に含有するものであり、感度、応答性および帯電性などの電気特性に優れるとともに、耐活性ガス性に優れ、繰返し使用されても、また周囲の環境が変化しても前述の良好な電気特性が低下しない。したがって、デジタルカラー複写機100は、信頼性に優れ、各種の環境下において長期間にわたって安定して高品質の画像を形成することができる。
また、感光体1は高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても画質の低下を引起すことがないので、デジタルカラー複写機100は画像形成速度の高速化が可能である。たとえば、感光体1として直径25〜35mmのものを用い、感光体1の回転周速Vpを毎秒100〜140mm程度に設定して高速で電子写真プロセスを行ない、デジタルカラー複写機100の画像形成速度をJIS P0138に規定されるA4判用紙25枚/分程度にして高速で画像を形成しても、高品質の画像を提供することができる。
なお、本実施の形態のデジタルカラー複写機100に備わる感光体は、実施の形態1の感光体1であるけれども、これに限定されることなく、前述の図2〜図5に示す感光体2〜5などの本発明に係る感光体であれば、どのような構成のものであってもよい。
また、本実施の形態では、光書込みユニットとして、レーザビームを走査して露光することによって感光体1への光書込みを行うレーザビームスキャナユニット26を用いているけれども、これに限定されることなく、レーザビームスキャナユニット26に代えて、発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称:LED)アレイと結像レンズアレイとからなるLEDヘッドを光書込みユニットとして用いもよい。LEDヘッドは、レーザビームスキャナユニット26に比べ、小型であり、また可動部分がなく無音で動作するので、デジタルカラー複写機100などのように複数個の光書込みユニットを必要とするタンデム方式の画像形成装置に好適である。
また、転写手段には、押圧力を用いずに転写を行なう非接触式の転写手段である転写用放電器54が用いられるけれども、これに限定されることなく、押圧力を利用して転写を行なう接触式の転写手段を用いてもよい。接触式の転写手段としては、たとえば転写ローラを備え、記録用紙Pの感光体1との当接面の反対面側から転写ローラを感光体1に対して押圧させ、感光体1と記録用紙Pとを圧接させた状態で転写ローラに電圧を印加することによって、トナー画像を記録用紙P上に転写させるものなどを用いることができる。
また、本実施の形態のデジタルカラー複写機100は、画像読取り部8において読取られた原稿画像情報に基づいて、画像形成部6において画像を形成する画像形成装置であるけれども、これに限定されることなく、外部の装置から入力される画像情報に基づいて画像を形成する装置たとえばプリンタまたはファクシミリ装置などであってもよく、また画像読取り部8において読取られた原稿画像情報に基づく画像形成と外部の装置から入力される画像情報に基づく画像形成との両方を行うことのできる複合型の画像形成装置であってもよい。
本発明の画像形成装置は、以上に述べた図6に示すデジタルカラー複写機100の構成に限定されるものではなく、本発明に係る感光体を使用することができるものであれば、他の異なる構成であってもよい。たとえば、レーザビームスキャナユニット26および画像形成ステーション27を1つずつ備え、黒色などの単色の画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、感光体を1つ備え、感光体の周囲に各色に対応する帯電手段、露光手段および現像手段をそれぞれ設け、一度の転写で記録用紙上または被転写体上に多色のトナー画像を形成する構成としてもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は以下の記載に限定されるものではない。
実施例1
中間層の作製
酸化チタン7重量部(商品名:TTO−D1、石原産業株式会社製)と共重合ナイロン樹脂(商品名:CM8000、東レ株式会社製)13重量部とを、メタノール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層用塗布液3Kgを調製した。得られた塗布液を塗布槽に満たし、直径30mm、長手方向の長さ357mmのアルミニウム製円筒状導電性支持体を前記塗布槽に浸漬した後引上げ、自然乾燥して膜厚1μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
電荷発生層の作製
次いで、オキソチタニウムフタロシアニン1重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBMS、積水化学工業株式会社製)1重量部とを、メチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層用塗布液3Kgを調製した。得られた塗布液を先に形成した中間層と同様の浸漬塗布法によって中間層上に塗布した後、自然乾燥し、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層の作製
次いで、電荷輸送物質として表1に示す化合物番号A1のエナミン化合物30重量部および表2に示す化合物番号B17のブタジエン化合物70重量部にバインダ樹脂として下記構造式(16):
Figure 2016184100
で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)
120重量部および下記構造式(17):
Figure 2016184100
で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)120重量部と、シリコーンオイル0.02重量部とを混合し、テトラヒドロフラン1140重量部を溶剤として固形分23重量%の電荷輸送層用塗布液3Kgを調製した。得られた塗布液を前述の中間層と同様の浸漬塗布法によって電荷発生層上に塗布した後、温度130℃で1時間乾燥し、膜厚27μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、実施例1の電子写真感光体を作製した。
実施例2
電荷輸送層の形成に際し、表1のA3のエナミン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
実施例3
電荷輸送層の形成に際し、表1のA43のエナミン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を作製した。
実施例4
電荷輸送層の形成に際し、上記表2のB43のブタジエン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を作製した。
実施例5
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を5重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を95重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体を作製した。
実施例6
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を10重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を90重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
実施例7
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を50重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を50重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例7の電子写真感光体を作製した。
実施例8
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の量を60重量部に変更し、ブタジエン化合物の量を40重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例8の電子写真感光体を作製した。
実施例9
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を12重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例9の電子写真感光体を作製した。
実施例10
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を18重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例10の電子写真感光体を作製した。
実施例11
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を30重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例11の電子写真感光体を作製した。
実施例12
電荷輸送層のバインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を36重量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例12の電子写真感光体を作製した。
実施例13
中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13の電子写真感光体を作製した。
比較例1
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物の重量を100重量部に変更し、ブタジエン化合物を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を作製した。
比較例2
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物を用いないで、表2に示す化合物番号B17のブタジエン化合物の重量部を100に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
比較例3
電荷輸送層の形成に際し、エナミン化合物は用いないで、下記構造式(3):
Figure 2016184100
で表わされるブタジエン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体を作製した。
比較例4
電荷輸送層の形成に際し、比較例3で用いた構造式(3)で表わされるブタジエン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体を作製した。
比較例5
電荷輸送層の形成に際し、下記構造式(4):
Figure 2016184100
のエナミン化合物を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例5の電子写真感光体を作製した。
評価
以上の実施例1〜13および比較例1〜5において得られた感光体を、画像形成工程における感光体の表表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック株式会社製、型式:CATE751)を設けた、市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5000FN)にそれぞれ搭載し電気特性の評価を行った。
(1) まず、前述のデジタル複写機に、感光体への露光光量と感光体の回転周速とを変化させることができるように改造して得られた装置に、実施例1〜13および比較例1〜5で作製した各感光体をそれぞれ搭載し電位の測定を行った。このとき、感光体の回転周速を変化させることによって、感光体に対する露光の開始から現像の終了までの時間を70ミリ秒(70msec)及び50ミリ秒(50msec)に調整し、各設定時間で電位の測定を行った。
電気特性の評価は以下のようである。
優:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが20V以下かつ70ミリ秒(70msec)時VLが200V以下
良:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが50V以下
かつ70ミリ秒(70msec)時VLが250V以下
不可:70ミリ秒(70msec)時VL−50ミリ秒(50msec)時VLのΔが50Vより大きいかつ70ミリ秒(70msec)時VLが250Vよりおおきい
(2) 次に、表面電位計を取りだし現像装置を搭載し、所定のパターンの画像を日本工業規格(JIS)A4判用紙5万枚に複写させた。5万枚の複写が終了した時点から1時間停止させた後に、黒ベタ部を含む所定のパターンのテスト画像を記録用紙に複写させ、評価画像を形成した。評価画像を目視によって観察し、黒ベタ部となるべき部分への白抜け(トナーが付着していない部分)の発生の程度によって黒ベタ部の画質評価し、白地部分となるべき部分への黒帯(トナーが帯状に付着した部分)の発生の程度によって白地部の画質を評価した。
白地部の画質の評価は以下のようである。
優:白抜け無し
良:白抜けは存在するけど実使用上問題内程度である。
不可:黒帯は発生し実使用不可
(3) 次に、画像判定(ドット・文字再現性<鮮鋭性>)試験用複写機にて、N/N環境中で、耐刷試験スタート前に1200dpi相当の1ドット1スペース画像及び5ポイントの文字画像を出力した。これらの画像から、以下の判断基準で画像評価(文字・ドット再現性)を行った。
優:目視にて、画像上に異常なく、鮮明な画像。
良:目視にて、画像上に若干のドット・文字の乱れがみられるが実使用上問題ないレベル。
不可:目視にて、画像上にドット・文字の乱れが発生し不鮮明な画像。
(4) 次に、5万枚実写による感光体膜厚の変化量(5万枚の実写前の感光体膜厚と5万枚の実写後の感光体膜厚との差)を、渦電流式膜厚計(フィッシャー社製)を用いて測定し、測定値を、感光体10万回転当たりの膜減り量に換算した。つまり、前記の変化量をそのまま膜減り量とした。この膜減り量に基づいて膜減り評価を行った。
優: 膜べり量<0.7μm/100k回転
良: 0.7μm/100k回転≦膜べり量<0.9μm/100k回転
不可: 膜べり量≧0.9μm/100k回転
(5) 総合判定
上記の判定結果に基づき以下の基準で判定し、総合判定とした。
優:全てが”優”以上:高速プロセス可と高画質化に対し良好。
良:“不可”がなく、その他は”良”1つ以上:高速プロセス可と高画質化に対し実使用可能なレベル。
不可:不可が1つ以上。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2016184100
表3から、電荷輸送物質として一般式(1)で表わされるエナミン化合物と一般式(2)で表わされるブタジエン化合物とを用いた実施例1〜13の感光体は、露光からの現像時間70mmsに対し50mmsと比較して感度の変化量が少なく高応答であり、また白抜けに対しても強く、画質も優れている。
これに対し一般式(2)で表わされるブタジエン化合物を用いずに、一般式(1)に表わされるエナミン化合物を用いた比較例1の感光体は、画質及び白抜けに対しては優れており、感度も実使用上問題無く使用出来る範囲ではあるが、露光から現像までの時間50mmsと高速化するにつれ感度の変化が大きく、不十分な応答性という結果となった。
さらに一般式(1)で表わされるエナミン化合物を用いずに、一般式(2)に表わされるブタジエン化合物を用いた比較例2の感光体は、高感度であり、露光現像時間による感度の変化も問題ないが、画質及び白抜け等が劣っている結果となった。
また、一般式(2)で表わされるブタジエン化合物以外の電荷輸送物質を用いた比較例4の感光体は実施例1〜13の感光体と比べ、画質及び解像度は同等ではあるが、露光から現像までの時間50mmsと高速化するにつれ感度の変化が大きく、応答性が劣っている。
また、一般式(1)で表わされるエナミン化合物以外の電荷輸送物質を用いた比較例5の感光体は、感度及び解像度は優れている結果となったが、対ガス性に弱く白抜けが発生するという結果になった。
実施例5および6では、実施例1に対して一般式(1)で表わされるエナミン化合物を少なくした場合、白抜け画質の劣化は若干みられるが実使用上は問題ないレベルであった。
実施例7および8では、実施例1に対して一般式(1)で表わされるエナミン化合物を多くした場合、感度の低下は若干みられるが実使用上は問題ないレベルであった。
実施例9〜10では電荷輸送物質の含有量が少ないことで、感度の低下は若干みられるが実使用上は問題ないレベルであった。
実施例11〜12では電荷輸送物質の含有量が多いことで、膜強度の低下は若干みられる実使用上は問題ないレベルであった。
中間層を有さない実施例13の単層型感光体は、実使用上問題ないものの若干画像劣化が見られ、実施例1の単層型感光体に劣ることがわかる。
本発明によれば、一般式(1)で表されるエナミン化合物および一般式(2)で表されるブタジエン化合物を電荷輸送物質として感光層に含有するものであり、感度、応答性および帯電性などの電気特性に優れるとともに、耐活性ガス性に優れ、繰返し使用されても、また周囲の環境が変化しても前述の良好な電気特性が低下しない電子写真感光体が提供される。したがって、本発明によれば、本発明による電子写真感光体を備え、信頼性に優れ、各種の環境下において長期間にわたって安定して高品質の画像を形成することができる画像形成装置が提供される。
1、1b、1c、1m、1y、2、3、4、5 感光体
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 積層型感光層
15 中間層
140 積層型感光層
141 単層型感光層
6 画像形成部
7 給紙機構
8 画像読取り部
9 原稿送給部
21 用紙トレイ
22 分離ローラ
23 給紙ローラ
24 搬送ローラ
25 レジストローラ
26、26b、26c、26m、26y レーザビームスキャナユニット
27、27b、27c、27m、27y 画像形成ステーション
28 転写搬送ベルト機構
29 定着装置
30 駆動ローラ
31 従動ローラ
32 転写搬送ベルト
33 用紙吸着用帯電器
34 除電器
35 規制ローラ
36 パターン画像検出ユニット
41b ポリゴンミラー
42b,43b fθレンズ
44b,45b,46b 反射ミラー
51b 軸線
52b、52c,52m,52y 帯電器
53b、53c,53m,53y 現像装置
54b、54c,54m,54y 転写用放電器
55b クリーニング装置
56b 現像ローラ
57b 現像剤搬送ローラ
58b、58c、58m、58y、 ケーシング
59b クリーニングブレード
60b 回収用ケーシング
61 加熱ローラ
62 加圧ローラ
63 ニップ部
64 搬送方向切換えゲート
65 排出ローラ
66 排紙トレイ
67 スイッチバック搬送経路
70 両面自動原稿送り装置
71 原稿台
72 原稿受けトレイ
73 第1走査ユニット
74 第2走査ユニット
75 光学レンズ
76 ラインセンサ(CCDラインセンサ)
77 露光ランプ
78 第1ミラー
79 第2ミラー
80 第3ミラー
80 第3ミラー
100 デジタルカラー複写機

Claims (7)

  1. 少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順もしくは逆の順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が、導電性支持体上に積層された電子写真感光体であって、前記電子写真感光体が、前記電荷輸送物質として、以下の一般式(1):
    Figure 2016184100
    (式中、
    aは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基もしくはアリール基を意味し;
    eは1〜6の整数であり、eが2以上のとき、複数のaは、同一または異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環構造を形成してもよく;
    b、cおよびdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基を意味し;
    f、gおよびhは、互いに同一または異なって、1〜5の整数であり、f、gまたはhが2以上のとき、複数のb、cまたはdのそれぞれは、互いに同一または異なっていてもよく、あるいはベンゼン環の隣接する炭素原子に結合するb、cまたはdのそれぞれは、互いに結合して環構造を形成してもよく;
    ArおよびArは、互いに同一または異なって、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を意味するが、ただし、ArおよびArは同時に水素原子にはなり得ず、かつArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)
    のエナミン化合物と、以下の一般式(2):
    Figure 2016184100
    (式中、
    は、水素原子または以下の構造式:
    Figure 2016184100
    (式中、RおよびR10は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換を有してもよいアリ−ル基を意味する)
    で表される基Aであり、
    、R、R、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20アルキル基、C〜C20アルコキシ基、または置換を有してもよいアリ−ル基を意味し、
    mおよびnは、互いに同一または異なって0または1である)
    で表されるブタジエン化合物とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記の一般式(1)のエナミン化合物において、次の部分構造:
    Figure 2016184100
    が、以下の:
    Figure 2016184100
    であり、次の部分構造:
    Figure 2016184100
    が、互いに独立して、以下の:
    Figure 2016184100
    であり、次の部分構造:
    Figure 2016184100
    が、以下の:
    Figure 2016184100
    であり、前記ArまたはArが、以下の置換基:
    Figure 2016184100
    を意味するか、または、前記ArまたはArが、以下の置換基:
    Figure 2016184100
    を意味するか、あるいは前記ArおよびArが一緒になって、以下の置換基:
    Figure 2016184100
    を意味する、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物が、以下の:
    Figure 2016184100
    または
    Figure 2016184100
    の少なくとも1つの化合物である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの比(X/Y)が、5/95〜60/40である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記の一般式(1)で表されるエナミン化合物の重量Xと前記の一般式(2)で表されるブタジエン化合物の重量Yとの合計量M(=X+Y)と、バインダ樹脂の重量Bとの比(M/B)が、10/12〜10/36である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記導電性支持体と前記感光層との間に中間層を更に備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置。
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