JP2009251365A - 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性を向上させた上で、感度、残留電位、帯電能だけでなく画像ボケや休止メモリー現象などの画像欠陥をより効果的に防止し得る、接触帯電方式の画像形成装置に好適に用いられる電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、前記電荷輸送層が、主成分としての電荷輸送物質と、結合剤としてのバインダ樹脂と、酸化防止剤としての特定のジアミン化合物とを含有し、かつ前記ジアミン化合物の含有量が、前記電荷輸送物質に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする接触帯電方式の画像形成装置用の電子写真感光体により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、接触帯電方式の画像形成装置に好適に用いられる、耐久性および画像特性に優れた積層型電子写真感光体に関する。
電子写真技術を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(「電子写真装置」ともいう)は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに多用されている。
電子写真装置では、以下のような電子写真プロセスを経て画像が形成される。
まず、装置に備わる帯電手段から電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)の表面に所定の帯電電位を供給して、感光層の表面を一様に帯電させた後、露光手段から画像情報に応じて照射されるレーザ光などの光により露光して静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対して現像手段から現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を付着させることによって静電潜像を現像し、トナー像として顕像化する。形成されたトナー像を、転写手段によって感光体の表面から記録紙などの記録媒体上に転写し、定着手段によって定着させて、所望の画像を形成する。
帯電手段としては、一般にワイヤ電極からのコロナ放電によって感光体表面に帯電電位を供給するコロナ帯電方式の帯電装置が用いられている。
しかしながら、コロナ帯電方式の帯電装置では、非接触で帯電を行うので、感光体表面に対する帯電効率が低く、感光体表面の帯電電位に比して大きな電圧をワイヤ電極に印加する必要がある。例えば、感光体表面を−700Vに帯電させるためには、ワイヤ電極に−5kV〜−6kV程度の電圧を印加しなければならない。
このため、大型の電源装置が必要になり、装置コストの上昇を招くという問題がある。
また、コロナ帯電方式の帯電装置では、コロナ放電によって多量のオゾンが発生するので、感光体を構成する材料が変質して画像が劣化し易い、人体に悪影響を与えるなどの問題もある。
そこで、近年では、感光体表面に帯電部材を当接させて直接電位を供給する接触帯電方式の帯電装置の開発が進められている。例えば、ローラ状に形成された金属製芯材の表面に、絶縁性の弾性材料中に導電性粒子などの導電性材料を分散させた複合材料を貼付した帯電部材を用いた帯電装置が提案されている(例えば、特開昭64−73365号公報(特許文献1)および特開平1−172857号公報(特許文献2)参照)。
複合材料は、体積抵抗が106〜107Ωcm程度になるように形成され、複合材料部分を感光体の表面に当接させた状態で金属製芯材に電圧を印加することによって、導電性粒子を介して感光体表面に電位が供給されるようになっている。
絶縁性の弾性材料としては、例えばシリコーンゴム、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(ethylene-propylene-diene copolymer;略称:EPDM)ゴムおよびニトリルゴムなどの高分子材料が用いられている。
また、導電性粒子としては、例えばカーボン粉、カーボンファイバ、金属粉およびグラファイトなどが用いられている。
接触帯電方式の帯電装置による帯電は、具体的には、帯電部材と感光体との間の微小空隙で発生するギャップ放電によって行われる。このギャップ放電は、帯電部材と感光体との間に、ある値以上の電圧を印加することによって発生する。すなわち、帯電は、ギャップ放電が発生する電圧である放電しきい値電圧以上の電圧を帯電部材と感光体との間に印加することによって開始される。したがって、感光体を帯電する際には、放電しきい値電圧以上の所定の値、例えば1〜2kV程度の電圧が帯電部材に印加される。
この電圧は一般には直流電圧であるが、帯電部材に直流電圧のみを印加しても、感光体の表面電位を所望の値にすることは困難である。これは、装置周辺の温度や湿度の変動などによる帯電部材の抵抗値の変動、繰返し使用による感光層の膜厚の変化などによる帯電の不均一化が原因となって起こる。
そこで、上記の特許文献1および特許文献2では、帯電の均一化を目的として、所望の帯電電圧に相当する直流成分に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流成分を重畳した振動電圧を、帯電部材に印加している。このような振動電圧を印加することによって、感光体の表面電位が振動電圧の直流成分よりも大きな値になった際に、感光体表面の過剰な電荷を放電によって感光体側から帯電部材側に逆転移させることができ、環境や感光体の膜削れなどの外的要因による影響を抑え、感光体の表面電位を印加された振動電圧の直流成分に収束させることができる。
一方、感光体としては、従来から、セレン、硫化カドミウムおよび酸化亜鉛などの無機光導電性物質を用いた無機感光体が広く用いられている。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)に代表される光導電性ポリマー、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子量の有機光導電性物質およびこれらの有機光導電性物質に各種の染料や顔料を組合せた有機光導電性物質を用いた有機感光体も知られている。
有機感光体は、感光層の成膜性が良好で、塗工によって生産できるので、生産性が極めて高く、安価であるという利点を有する。また、使用する染料や顔料などを適宜選択することにより、感光体の波長域を自在に制御できるという利点も有する。
このように有機感光体は、多くの利点を有することから幅広い検討がなされている。
特に最近では、有機光導電性の染料や顔料を電荷発生物質として含有する電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子量の有機光導電性物質を電荷輸送物質として含有する電荷輸送層とが積層された機能分離型感光体の開発によって、従来の有機感光体の欠点であった感度や耐久性が著しく改善され、有機感光体が感光体の主流になってきている。
しかしながら、有機感光体では、電荷輸送物質や電荷発生物質が凝集した部分などで欠陥が発生し易く、有機感光体に対して接触帯電方式の帯電装置を用いて帯電を行うと、次のような問題が生じる。
すなわち、接触帯電方式の帯電装置では、感光層と帯電部材との当接部分に集中して高電界が発生するので、感光層中に何らかの欠陥があると、帯電部材からの電荷がその欠陥部分に集中して感光層が不均一に帯電し、点状や帯状の画像欠陥が生じる。
また、このような電荷の集中が激しい場合には、感光層にリークが発生して感光層自体が絶縁破壊してしまい、それ以降、正常な画像形成を行うことができなくなり、リーク電流によって帯電部材自体も損傷を受け、使用に耐えなくなる。
この感光層のリークに起因する問題を解決するための技術としては、例えば、電荷輸送層を複数回に分けて塗布形成して、電荷輸送層の膜厚方向における欠陥の重なりを少なくすること、感光層においてバインダ樹脂に対する電荷輸送物質の量を少なくして、電荷輸送物質の凝集を抑えることなどが提案されている。
上記のように感光体の帯電にはコロナ放電やギャップ放電が利用されるが、有機感光体では、これらの放電で発生するオゾンやNOxなどの活性ガスによって電荷輸送物質などの分解や劣化が生じて感光層表面が劣化し易く、繰返し使用によって帯電性、感度および応答性などの電気特性が低下し、画質が劣化するという問題がある。
接触帯電方式の帯電装置を用いる場合には、放電が感光体表面近傍で起こるので、帯電による感光体表面の劣化は、コロナ帯電方式のような非接触帯電方式の帯電装置を用いる場合よりも深刻である。
また、帯電の均一化のために帯電部材に振動電圧を印加する場合には、上記のように感光体表面の過剰な電荷が感光体側から帯電部材側に逆転移する際にも放電が起こり、直流電圧のみを印加する場合に比べて放電の頻度が増加するので、感光体表面の劣化がさらに顕著になる。
さらに、接触帯電方式の帯電装置を用いる場合、感光層表面は帯電部材との接触によって削られるので、コロナ帯電方式のような非接触帯電方式の帯電装置を用いた場合に比べて、繰返し使用による感光層の摩耗量が多い。感光層の摩耗量が多いと、帯電保持能が低下し、高品質の画像を提供することができなくなり、感光層の膜厚が減少すると、感光層の絶縁破壊がさらに発生し易くなる。
特開昭64−73365号公報 特開平1−172857号公報
本発明は、耐久性を向上させた上で、感度、残留電位、帯電能だけでなく画像ボケや休止メモリー現象などの画像欠陥をより効果的に防止し得る、接触帯電方式の画像形成装置に好適に用いられる感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討を行った結果、特定構造のジアミン化合物を電荷輸送層中に添加することにより、膜減りの激しい接触帯電方式の画像形成装置に採用し得る感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
前記電荷輸送層が、主成分としての電荷輸送物質と、結合剤としてのバインダ樹脂と、酸化防止剤としての一般式(I):
Figure 2009251365
[式中、
Ar6、Ar7、Ar8およびAr9は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基または置換基を有してもよい1価の複素環残基であり;
1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6は、同一または異なって、置換基を有してもよい鎖状のアルキレン基であり;
Zは、i)−Ar10−Ar11−またはii)−Ar10−W−Ar11−(式中、Ar10およびAr11は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリレン基または置換基を有してもよい2価の複素環残基であり;Wは、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、置換基を有してもよい鎖状もしくは枝分かれ状のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;Ar10およびAr11は、それらに結合する原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)である]
で示されるジアミン化合物とを含有し、かつ
前記ジアミン化合物の含有量が、前記電荷輸送物質に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする接触帯電方式の画像形成装置用の感光体が提供される。
また、本発明によれば、上記の感光体と、前記感光体を帯電させる接触帯電方式の帯電手段と、帯電された前記感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記有機感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段を少なくとも備える画像形成ユニットが複数配列して設けられ、前記複数の画像形成ユニット毎に異なる色のトナーを用いて異なる色のトナー像を記録媒体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、耐オゾン性、耐NOx性に優れ、接触帯電方式を採用する画像形成装置において、それらの特性が低下せず、光暴露による影響を受けない感光体を提供することができる。
したがって、本発明によれば、より長期間の使用でも画像ボケや休止メモリーの発生しない高感度で高ライフの感光体を提供することができる。
本発明の接触帯電方式の画像形成装置用の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、前記電荷輸送層が、主成分としての電荷輸送物質と、結合剤としてのバインダ樹脂と、酸化防止剤としての一般式(I)で示されるジアミン化合物とを含有し、かつ前記ジアミン化合物の含有量が、前記電荷輸送物質に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする。
このような一般式(I)のジアミン化合物の中でも、化学物質としての分解または変質などの化学的安定性、原料入手の容易性、製造の容易性および収率の高さならびに製造コストなどの点で、一般式(I)のY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6が鎖状のアルキレン基であるジアミン化合物、すなわち副式(II)
Figure 2009251365
(式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9およびAr10は、一般式(I)と同義である)
および副式(III):
Figure 2009251365
(式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、Ar10およびAr11は、一般式(I)と同義である)
で示されるジアミン化合物が好ましく、副式(II)で示されるジアミン化合物が特に好ましい。
一般式(I)、副式(II)および副式(III)における置換基について説明する。
Ar6、Ar7、Ar8およびAr9の置換基を有してもよいアリール基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
具体的には、フェニル基、o−トリル基、2,4−キシリル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基、o−トリル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が特に好ましい。
Ar6、Ar7、Ar8およびAr9の置換基を有してもよいシクロアルキル基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基が挙げられる。
具体的には、シクロへキシル基、シクロペンチル基、4,4−ジメチルシクロへキシル基などが挙げられ、これらの中でも、シクロへキシル基が特に好ましい。
Ar6、Ar7、Ar8およびAr9の置換基を有してもよい1価の複素環残基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい1価の複素環残基が挙げられる。
具体的には、フリル基、4−メチルフリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基テトラヒドロフリル基、テトラメチルテトラヒドロフリル基などが挙げられ、これらの中でも、フリル基、ベンゾフリル基が特に好ましい。
1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6の置換基を有してもよい鎖状のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアルキレン基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、メチレン基、エチレン基が特に好ましい。
ZにおけるAr10およびAr11の置換基を有してもよいアリレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいアリレン基が挙げられる。
具体的には、p−フェニレン基、m−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、ベンゾオキサゾレン基、ビフェニリレン基などが挙げられ、これらの中でも、p−フェニレン基、m−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が特に好ましい。
ZにおけるAr10およびAr11の置換基を有してもよい2価の複素環残基としては、例えば1,4−フランジイル基、1,4−チオフェンジイル基、2,5−ベンゾフランジイル基、2,5−ベンゾオキサゾールジイル基およびN−エチルカルバゾール−3,6−ジイル基などが挙げられる。
ZにおけるWの置換基を有してもよいシクロアルキリデン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキリデン基が挙げられる。
具体的には、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、4,4−ジメチルシクロヘキシリデニル基、シクロペンチリデン基などが挙げられる。
また、置換基を有してもよい鎖状あるいは枝分かれ状のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアルキレン基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基などが挙げられ、これらの中でもメチレン基、エチレン基が特に好ましい。
本発明のジアミン化合物の具体例を表1に示す。
なお、表1−1〜1−6において置換基を次のような略号で示す。
−Me−:メチレン基
−Et−:エチレン基
−Tr−:トリメチレン基
−Dm−:2,2−ジメチルトリメチレン基
Figure 2009251365
Figure 2009251365
Figure 2009251365
Figure 2009251365
Figure 2009251365
Figure 2009251365
表1−1〜1−6に示される本発明のジアミン化合物の中でも、例示化合物No.1、2、4、8、14、22、29、38、50、53および57が好ましく、下記構造式(IV)で示される例示化合物No.2および下記構造式(V)で示される例示化合物No.1が特に好ましく、例示化合物No.2がさらに好ましい。
Figure 2009251365
Figure 2009251365
本発明のジアミン化合物は、次の反応スキームに示す方法により製造することができる。すなわち、一般式(4)および一般式(5)で示されるアミン化合物と、一般式(6)で示されるジハロゲン化合物とを、有機アミン塩基の存在下に加熱することによって、簡便に収率よく高純度で目的物を製造することができる。
[反応式]
Figure 2009251365
(式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y9およびZは、一般式(I)と同義であり;X1およびX2はハロゲン原子を示す)
反応式におけるX1およびX2のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。
上記の反応式の反応は、例えば、次のようにして実施できる。
二級アミン化合物(4)および(5)とジハロゲン化合物(6)とを溶剤に溶解または分散させ、これに有機アミン塩基を加え、加熱攪拌する。反応終了後、析出物を濾別し、エタノール、メタノール、酢酸エチルなどの単独あるいは混合溶剤系において再結晶を行うことにより、簡便に収率よく高純度で目的物を得ることができる。
溶剤は、上記の反応に不活性でかつ反応基質および有機アミン塩基を溶解または分散できるものであれば特に限定されない。具体的には、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらは単独または混合溶剤として使用できる。
なお、溶剤の使用量は特に制限されず、反応基質の使用量、反応温度、反応時間などの反応条件に応じて、反応が円滑に進行する量を適宜設定すればよい。
有機アミン塩基としては、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロウンデセンなどが挙げられる。
二級アミン化合物(4)および(5)とジハロゲン化合物(6)との使用割合は特に限定されるものではない。
例えば、対称性の化合物を得る場合(二級アミン化合物(4)および(5)の何れか一方のみ使用する場合)には、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(6)1当量に対して二級アミン化合物を2.0〜2.3当量程度用いるのが好ましい。
また、非対称性の化合物を得る場合(二級アミン化合物(4)および(5)を共に使用する場合)には、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(6)1当量に対して各二級アミン化合物を1.0〜1.2当量程度(二級アミン化合物(4)および(5)の合計では2.0〜2.4当量程度)用いるのが好ましい。
ジハロゲン化合物(6)と有機アミン塩基との使用割合は特に限定されるものではないが、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(6)1当量に対して、有機アミン塩基を2.05〜5.0当量程度用いるのが好ましい。
また、加熱温度および反応時間は特に限定されるものではないが、反応の効率性などを考慮して、使用する溶剤にもよるが、60〜120℃で2〜8時間反応させるのが好ましい。
本発明の感光体について図面を用いて具体的に説明する。
図1および図2は、本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の2層型の感光体は、導電性支持体201上に、電荷発生物質202を含有する電荷発生層205と電荷輸送物質203を含有する電荷輸送層206とがこの順で積層された積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)204が形成されている。
図2の3層型の感光体は、導電性支持体201上に、下引き層(中間層)208と、電荷発生物質202を含有する電荷発生層205と電荷輸送物質203を含有する電荷輸送層206とがこの順で積層された積層型感光層204とがこの順で形成されている。
積層型感光層204は、電荷発生層205と電荷輸送層206とを逆順で形成した逆積層型であってもよいが、前記積層型が好ましい。
[導電性支持体201]
導電性基体201は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層、具体的には電荷発生層205と電荷輸送層206とがこの順で積層された積層型感光層204、下引き層(中間層)208の支持部材としても機能する。
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の形状は、図1および図2に示すようなシート状に限定されず、円筒状、円柱状、無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性支持体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
[積層型感光層204]
積層型感光層204は、電荷発生層205と電荷輸送層206とからなる。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることにより、各層を構成する最適な材料を独立して選択することができる。
[電荷発生層205]
電荷発生層205は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質202を主成分とし、任意に公知の添加剤およびバインダ樹脂(結合剤)を含有する。
電荷発生物質としては、当該分野で用いられる化合物を使用できる。
具体的には、アゾ系顔料(カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有する、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(キナクリドン、アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなど)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、スクアリリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料または染料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
これらの電荷発生物質の中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環およびフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料は高い電荷発生能を有することから好ましく、X線回折スペクトルのブラッグ角(2±0.2°)27.3°に回折ピークを示す結晶型のオキソチタニルフタロシアニンは高感度であり特に好ましい。
電荷発生層は、本発明の好ましい特性が損なわれない範囲内で、化学増感剤、光学増感剤、ホール輸送物質、電子輸送物質、酸化防止剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などから選択される1種または2種以上の公知の添加剤を適量含有していてもよい。
化学増感剤および光学増感剤は、感光体の感度を向上させ、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑え、電気的耐久性を向上させる。これらの増感剤は、後述する電荷輸送層に含有されてもよく、電荷発生層および電荷輸送層の両方に含有されてもよい。
化学増感剤としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物;ジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料およびこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。
光学増感剤としては、例えばキサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料およびチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
酸化防止剤は、長期にわたって感度安定性を維持させる。
酸化防止剤としては、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられる。
レベリング剤および可塑剤は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
無機化合物および有機化合物の微粒子は、機械的強度を増強し、電気特性を向上させる。このような微粒子としては、例えば、後述する下引き層において例示する微粒子が挙げられる。
電荷発生層は、公知の乾式法および湿式法により形成することができる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体201の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じて添加剤およびバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体201の表面に、または導電性支持体201上に形成された下引き層208の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
バインダ樹脂は、電荷発生層の機械的強度や耐久性、層間の結着性などを向上させる。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる樹脂を使用できる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
バインダ樹脂の含有量は特に限定されないが、通常、電荷発生物質100重量部に対して120〜300重量部程度であるのが好ましい。
バインダ樹脂の含有量が120重量部未満であると、感度特性は良好であるものの、帯電特性、膜の機械的強度、帯電プロセスにて発生するオゾン、NOxなどに対する画像安定性(ハーフトーン白抜け、黒帯発生)が低下し、バインダ樹脂の比率が高いときに比べて耐刷性が低くなり、感光層の摩耗量が増加するおそれがある。
一方、バインダ樹脂の含有量が300重量部を超えると、バインダ樹脂の比率が高くなり、機械的強度は良好であるものの浸漬塗布法によって感光層を形成する場合には、塗布液の粘度が増大するので、塗布速度低下を招き生産性が著しく悪くなるあそれがある。また、塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層に白濁が発生するおそれがある。
有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類;安息香酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤;ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらは単独または混合溶剤として使用できる。また、このような溶剤に、アルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンを加えた混合溶剤を使用することもできる。
構成物質を樹脂溶液に溶解または分散させるに先立ち、電荷発生物質を予備粉砕してもよい。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解または分散は、例えば、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法は、シートの場合にはベーカーアプリケーター法、バーコーター法、キャスティング法、スピンコート法、ロール法、ブレード法など、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング法、浸漬塗工法などが挙げられる。
浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に導電性支持体201を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって導電性支持体201上に層を形成する方法である。この方法は比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に多く利用されている。なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。これは、電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感度が低下するおそれがあり、逆に電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷輸送が感光体表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下するおそれがある。
[電荷輸送層206]
電荷輸送層206は、電荷発生物質202で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質203と、酸化防止剤としての一般式(I)で示されるジアミン化合物と、バインダ樹脂(結合剤)とを含有する。
電荷輸送物質としては、当該分野で用いられる化合物を使用できる。
具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質;
フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電荷輸送物質の中でも、オゾン雰囲気下でなるべくダメージを受け難く、高い電荷輸送能力とホ−ル輸送能力を有し、かつバインダーリッチの状態でも高い感度が得られエナミンスチリル系化合物、トリフェニルアミン誘導体、ビスアミン系化合物が特に好ましい。
バインダ樹脂は、電荷発生層に含まれるものと同様のバインダ樹脂の1種または2種以上を使用できる。
これらの樹脂の中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、一般式(I)で示されるジアミン化合物との相溶性に特に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましい。
また、これらの中でも、樹脂自体の透明性の点でポリカーボネートが特に好ましく、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂がさらに好ましい。実施例に具体例を記載する。
バインダ樹脂の電荷輸送物質100重量部に対する含有量は、120〜300重量部が好ましく、150〜200重量部が特に好ましい。
バインダ樹脂の含有量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。バインダ樹脂の含有量が120重量部未満であると、感光体の機械的強度が不足するおそれがあり、300重量部を超えると、感光体全体として感度不足になるおそれがある。
酸化防止剤としての一般式(I)で示されるジアミン化合物の電荷発生物質に対する含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、3〜6重量%が特に好ましい。
ジアミン化合物の含有量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。ジアミン化合物の含有量が0.5重量%未満であると、酸化防止剤としての効果を発揮できないことがあり、10重量%を超えると、逆に電荷トラップとなり、感度を悪化させることがある。
電荷輸送層は、本発明の好ましい特性を損なわない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
電荷輸送層206は、電荷輸送物質、一般式(I)で示されるジアミン化合物、バインダ樹脂および必要に応じて他の添加剤を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この塗布液を電荷発生層205の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。より具体的には、例えば、バインダ樹脂を有機溶剤に溶解してなる樹脂溶液に電荷輸送物質、および必要に応じて他の添加剤を溶解または分散させることにより、電荷輸送層形成用塗布液を調製する。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、5〜50μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがあり、逆に電荷輸送層の膜厚が50μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
[下引き層(「中間層」ともいう)208]
本発明の感光体は、導電性支持体201と積層型感光層204との間に下引き層208を有するのが好ましい。
下引き層は、導電性支持体から積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、下引き層で導電性支持体の表面を被覆する下引き層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、積層型感光層の成膜性を高め、導電性支持体と積層型感光層との密着性を向上させることができる。
下引き層208は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて下引き層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体2011の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
樹脂材料としては、電荷発生層に含まれるものと同様のバインダ樹脂に加えて、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどの天然高分子材料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用できる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂が好ましく、アルコール可溶性ナイロン樹脂が特に好ましい。
アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた共重合ナイロン;N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
樹脂材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグライム類、これらの溶剤を2種以上混合した混合溶剤などが挙げられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
また、下引き層形成用塗布液は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子は、下引き層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
下引き層形成用塗布液における樹脂材料と金属酸化物粒子との合計含有量をC、溶剤の含有量をDとするとき、両者の重量比率(C/D)は、1/99〜40/60が好ましく、2/98〜30/70が特に好ましい。
また、樹脂材料の含有量(E)と金属酸化物粒子の含有量(F)との重量比率(E/F)は、1/99〜90/10が好ましく、5/95〜70/30が特に好ましい。
下引き層の膜厚は特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましくは、0.1〜10μmが特に好ましい。下引き層の膜厚が0.01μm未満では、下引き層として実質的に機能しなくなり、導電性支持体11の欠陥を被覆して均一な表面が得られないおそれがあり、下引き層の膜厚が20μmを超えると、均一な下引き層を形成し難く、また感光体の感度も低下するおそれがある。
なお、導電性支持体1の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、下引き層とすることができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる接触帯電方式の帯電手段と、帯電された感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段を少なくとも備える画像形成ユニットが複数配列して設けられ、前記複数の画像形成ユニット毎に異なる色のトナーを用いて異なる色のトナー像を記録媒体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする。
次に、本発明の画像形成装置について図1を用いて具体的に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す、本発明の感光体を搭載したタンデム方式カラー複合機の概略断面図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、色分解された画像情報に応じて各色相に合致した現像剤(トナー)により形成される現像剤像(トナー像)を担持する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)を備えた画像形成部を構成する複数のプロセス印刷ユニット20(20a,20b,20c,20d)と、感光体ドラム3に形成されたトナー像を積層して一時的に転写する無端の中間転写ベルト(中間転写体)7と、中間転写ベルト7から記録用紙にトナー像を転写する転写部(転写機構)11と、記録用紙に転写されたトナー像を熱定着させる定着ユニット12と、中間転写ベルト7から記録用紙上に転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナーを除去する転写ベルトクリーニングユニット(クリーニング部)9とを備えている。
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像情報を色分解して色相毎に画像を形成してカラー画像を出力するようにした、いわゆるデジタルカラー複合機であって、大略的に画像形成部108と給紙部109とにより構成され、外部に接続されたパーソナルコンピュータなどの情報処理装置(図示省略)からの印刷ジョブに基づいて多色画像または単色画像を記録用紙上に形成するものである。記録用紙は紙類の他、樹脂製シート類、金属製シート類も必要に応じて使用することができる。
画像形成部108は、電子写真方式で、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(BK)の各色を用いて多色画像を形成するものであって、主に、露光ユニット50、プロセス印刷ユニット20、定着ユニット12、中間転写ベルト7を備える転写手段としての転写ベルトユニット8、中間転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、転写ベルトクリーニングユニット9とにより構成されている。
画像形成部108の概略構成は、画像形成装置1の筐体1aの一端側の上部に定着ユニット12を配置し、該定着ユニット12の下方に筐体1aの一端側から他端側に渡り転写ベルトユニット8を配置するとともに、該転写ベルトユニット8の下方にプロセス印刷ユニット20を配置し、さらに該プロセス印刷ユニット20の下方に露光ユニット50を配置している。
また、転写ベルトユニット8の他端側には転写ベルトクリーニングユニット9が設けられている。さらに、画像形成部108の上部には定着ユニット12に隣接して排紙トレイ15が設けられている。そして、この画像形成部108の下側に給紙部109が構成されている。
画像形成装置1では、プロセス印刷ユニット20として、ブラック(BK)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色に対応した4個のプロセス印刷ユニット20a、20b、20c、20dが中間転写ベルト7に沿って順次設けられている。この各色の並び順によって、中間転写ベルト7上に色にじみのないトナー像の重なりを実現している。
中間転写ベルト7上に転写されるトナー像の中で最初に転写される色相のプロセス印刷ユニット20d、すなわち、転写部11から最も遠い位置に配置される色相のプロセス印刷ユニット20dは、イエローの色相のトナーを備え、中間転写ベルト7上に最初にイエローのトナー像を形成するものである。
これらプロセス印刷ユニット20a、20b、20c、20dは、筐体1a内で略水平方向(図中の左右方向)に平行して並設され、色毎に像担持体たる感光体ドラム3a、3b、3c、3d、該感光体ドラム3a、3b、3c、3dを帯電させる帯電器(帯電手段)5a、5b、5c、5d、現像器(現像手段)2a、2b、2c、2d、クリーナユニット4a、4b、4c、4d等をそれぞれ備えている。
ここで、各色毎に対応する構成要素に付したa、b、c、dの記号は、それぞれブラック(BK)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色に対応するように記載したものであるが、以下の説明において、特定の色に対応する構成要素を指定して説明する場合を除き、各色に対して設けられている構成要素をまとめて、感光体ドラム3、帯電器5、現像器2、クリーナユニット4と記載するものとする。
感光体ドラム3は、外周面の一部が中間転写ベルト7の表面に接触するように配置されるとともに、ドラムの外周面に沿って電界発生部としての帯電器5、現像器2、およびクリーナユニット4が近接配置されている。
帯電器5は、ローラ型帯電器が用いられ、感光体ドラム3を挟んで転写ベルトユニット8が配置する位置と略反対側で感光体ドラム3の外周面に接触するように配置されている。なお、本実施形態では帯電器5としてオゾン、NOx発生量の少ないローラ型帯電器を用いているが、ローラ型帯電器の代わりにブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器等を用いてもよい。
本発明の画像形成装置では、画像形成ユニットの帯電手段は、ローラ形状またはブラシ形状の帯電部材を備えてなるのが好ましい。
露光ユニット50は、帯電器5によってドラム表面が均一な電位に帯電された各々の感光体ドラム3に対して、印刷用の画像データに基づいて各色毎に各々の感光体ドラム3上にレーザ光を照射して、それらの感光体ドラム3表面に静電潜像を生成させる機能を有するものである。
露光ユニット50は、主に、レーザ照射部51aを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)51、ポリゴンミラー52、および色毎にレーザ光を反射する反射ミラー53a、53b、53c、53d、54a、54b、54c等により構成され、レーザ照射部51aより出射されたレーザ光を複数の感光体ドラム3a、3b、3c、3dにそれぞれ出射する光走査装置である。
筐体50aの底部には、一方端部にレーザスキャニングユニット51が配置され、その一方端側から他方端側に向かって、ポリゴンミラー52、fθレンズ55、反射ミラー53a、53b、53c、53dの順に配置されている。
レーザスキャニングユニット51は、レーザ照射部51aの代わりにEL(Electro Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子をアレイ状に並べた書込ヘッドを用いる構成であってもよい。
fθレンズ55は、2つのレンズにより成り、例えば、第1のレンズとしてシリンダレンズ55aと、第2のレンズとしてトロイダルレンズ55bとにより構成されている。
筐体50aの上面には、感光体ドラム3a、3b、3c、3dと対向する位置で感光体ドラムの軸線に沿った方向に沿って長く開口された開口部が形成され、その開口部には、反射ミラー53d、54a、54b、54cで反射されたレーザ光が透過し、それぞれの感光体ドラム3a、3b、3c、3d上で焦点を結ぶ集光レンズ56a、56b、56c、56dがそれぞれ配置されている。
現像器2は、感光体ドラム3の外周面に前述した露光ユニット50によって形成された静電潜像にブラック(BK)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびイエロー(Y)の各色のトナーを供給して顕像化するものである。
現像器2は、ブラック(BK)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびイエロー(Y)の各色のトナーが各色ずつ現像器2毎に収納されており、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器5より下流側に配置されている。そして、該感光体ドラム3の外周面に形成された静電潜像に各色のトナーを供給して顕像化するように構成されている。
クリーナユニット4は、現像器2によって現像された感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に転写後にその感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去し、回収するものである。このクリーナユニット4は、感光体ドラム回転方向に沿って中間転写ベルト7の下流側であって帯電器5より上流側に配置されている。
また、クリーナユニット4は、クリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを感光体ドラム3の外周面に沿って当接配置し、該感光体ドラム3上の残留トナーを掻き取り回収するように構成されている。
転写ベルトユニット8は、装置本体と別体で構成され、装置本体に対して着脱可能に設けられている。その構成は、主に、中間転写ベルト7、転写ベルト駆動ローラ8−1、転写ベルト従動ローラ8−2、転写ベルトテンション機構8−3、中間転写ローラ6a、6b、6c、6dとにより構成されている。
そして、転写ベルトユニット8は、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有する。
中間転写ベルト7は、材質にクロロプレンゴムを用いて無端状に形成されている。
尚、本実施形態とは別の中間転写ベルトの構成として、材質にポリイミド、ポリカーボネイト、サーモプラスチックエラストマーアロイ等を用いた厚さ75μm〜120μm程度のフィルムを無端状に形成したものであってもよい。
また、中間転写ベルト7は、その表面が感光体ドラム3の外周面と接触するように、転写ベルト駆動ローラ8−1、転写ベルト従動ローラ8−2、転写ベルトテンション機構8−3、中間転写ローラ6により張架され、該転写ベルト駆動ローラ8−1の駆動力により副走査方向(図中の矢印B方向)へ移動するように構成されている。
転写ベルト駆動ローラ8−1は、筐体1aの一端側に配置され、中間転写ベルト7に駆動を掛けて該中間転写ベルト7を搬送するとともに、中間転写ベルト7と記録用紙とを重ね合わせた状態で転写部11(転写ローラ11a)とで挟み込んで圧接しながら記録用紙を搬送するように設けられている。
転写ベルト従動ローラ8−2は、筐体1aの他端側に配置され、転写ベルト駆動ローラ8−1とともに中間転写ベルト7を筐体1aの一端側から他端側に渡り略水平に架設している。
中間転写ローラ6は、転写ベルト駆動ローラ8−1から転写ベルト従動ローラ8−2に渡り巻回された中間転写ベルト7の内側空間に配置され、中間転写ベルト7の内側面を押圧して、前記中間転写ベルト7の外側面が感光体ドラム3の外周面の一部と当接して所定のニップ量を得るように設けられている。
また、中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えば、ステンレス)軸を備え、その金属軸の外周面にEPDM、発泡ウレタン等の導電性を有する弾性材が被覆されている。
このように構成された中間転写ローラ6は、感光体ドラム3に形成されたトナー像を中間転写ベルト7に転写するために高電圧の転写バイアス、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加され、弾性材により中間転写ベルト7に対して均一的に高電圧を印加するようにされている。
尚、本実施形態では、中間転写を行うための構成として、ローラ形状の電極を用いた中間転写ローラを使用しているが、その他の方式として、ブラシ状の転写電極(転写ブラシ)を中間転写ベルト7の裏側に接触させるようにしたものであってもよい。
上述の各感光体ドラム3上で各色相に応じた顕像化されトナー像(静電像)が中間転写ベルト7で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト7の接触位置に配置される転写部11で記録用紙に転写されるようになっている。
転写部11は、中間転写ベルト7に転写された現像剤像を記録用紙に転写する転写手段を構成するものであって、転写ローラ11aを備え、転写ローラ11aが転写ベルト駆動ローラ8−1に対して略水平で平行に対向し、該転写ベルト駆動ローラ8−1に巻回される中間転写ベルト7に対して搬送ベルト11bを介して所定のニップで圧接するように配設されている。
転写ローラ11aは、中間転写ベルト7上に形成された多色トナー像を記録用紙上に転写させるための電圧、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加されるように構成されている。
また、転写ローラ11aと転写ベルト駆動ローラ8−1とは、その何れか一方が硬質材料(金属等)からなり、他方が芯金の表面に軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が被覆された弾性ローラで構成されている。これによって、所定幅のニップが定常的に得られる。
転写ベルト駆動ローラ8−1と転写部11の下方にはレジストローラ14が設けられている。レジストローラ14は、給紙部109から供給された記録用紙の先端と中間転写ベルト7上のトナー像の先端とを整合して転写部11側へ搬送するように構成されている。
また上記のように、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、または中間転写ローラ6によって記録用紙上に転写画行われずに中間転写ベルト7残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収されるように設定されている。
転写ベルトクリーニングユニット9は、転写ベルト従動ローラ8−2の近傍に設けられ、中間転写ベルト7に当接(または摺接)するように配置したクリーニングブレード9aと、該クリーニングブレード9aにより中間転写ベルト7上の残留トナーを掻き取ったトナー(廃トナー)を一旦収納するボックス状のトナー回収部9bとを備え、中間転写ベルト7上の残留トナーを掻き取り回収するようにされている。回収された廃トナーは廃トナー回収容器9cに搬送されるようになっている。
また、転写ベルトクリーニングユニット9は、プロセス印刷ユニット20aより中間転写ベルト7の移動方向上流側で該プロセス印刷ユニット20aに近接して配置されている。また、中間転写ベルト7のクリーニングブレード9aが外側面に接触する部分は、その内側面が転写ベルト従動ローラ8−2で支持されている。
定着ユニット12は、図1に示すように、加熱ローラ31と加圧ローラ32とにより構成された一対の定着ローラ12aと、その定着ローラ12aの上方に搬送ローラ25−5を備え、記録用紙を定着ローラ12aの下方より搬入して上方に搬出するようにされている。
さらに、定着ユニット12の上方には、搬送ローラ25−5に隣接して排紙ローラ25−6が設けられ、搬送ローラ25−5から搬送された記録用紙を該排紙ローラ25−6により排紙トレイ15上に記録用紙を排紙するようにされている。
定着ユニット12によるトナー像の定着は、加熱ローラ31の内部若しくは近接して設けられたヒータランプ等の加熱手段(図示省略)を温度検出器(図示省略)の検出値に基づいて制御することにより、加熱ローラ31を所定の温度(定着温度)に保つとともに、トナー像が転写された記録用紙を加熱ローラ31と加圧ローラ32とにより挟んで回転搬送しながら加熱・加圧することで記録用紙上にトナー像を熱定着するようにされている。
給紙部109は、画像形成に使用する記録用紙を収容するための複数の給紙トレイ10を備え、給紙トレイ10から記録用紙を一枚ずつ画像形成部108に供給するようにされている。
給紙トレイ10は、筐体1a内の画像形成部108および露光ユニット50の下側に設けられ、装置の仕様により規定されたサイズ、または利用者が予め定めたサイズの記録用紙を大量に収容可能となっている。
給紙トレイ10の一端部(図中の左側端部)の上にはそれぞれピックアップローラ16が設けられ、給紙トレイ10にセットされた記録用紙の最上部にある記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗により一枚ずつ確実に繰り出して搬送するようになっている。
画像形成装置1の上部には、排紙トレイ15が設けられ、印刷済みの記録用紙がフェイスダウンで排出されて積載されるようになっている。
また、給紙部109には、給紙トレイ10の記録用紙を転写部11および定着ユニット12を経由して上方に設けられた排紙トレイ15に搬送するための略垂直形状の用紙搬送路Sが構成されている。
また、給紙トレイ10から排紙トレイ15に到る用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、転写部11、定着ユニット12および記録用紙を搬送する搬送ローラ25(25−1〜25−8)などが配されている。
レジストローラ14は、用紙搬送路Sにより搬送された記録用紙を一旦所定位置に停止させて次の搬送タイミングを計るようにしたものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端と記録用紙の先端とを同期させるタイミングで該記録用紙を転写部11へ搬送する機能を有している。
給紙トレイ10から搬送される記録用紙は、搬送路中の搬送ローラ25−1〜25−4によってレジストローラ14まで搬送されて一旦停止し、レジストローラ14により、停止した記録用紙の先端と中間転写ベルト7上のトナー像の先端を整合させるタイミングで転写部11へ搬送される。
搬送された記録用紙は、転写部11で中間転写ベルト7上のトナー像が転写され、さらに定着ユニット12に搬送されて、記録用紙上の未定着トナーが熱で溶融して記録用紙に融着する。定着ユニット12を通過後は、自然に冷却されて記録用紙上に固着する。そして、記録用紙は、搬送ローラ25−5を経て排紙ローラ25−6から排紙トレイ15上に排出される。
なお、多色トナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラ25−5、25−6によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
排紙トレイ15の下方には、制御基板40が配置されている。
制御基板40は、画像形成装置1の各部の動作を制御するためのマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータが実行する制御プログラムを格納するROM、マイクロコンピュータの処理のためのワークエリアおよび画像データの記憶領域を提供するRAMを有する。
マイクロコンピュータは、制御プログラムを実行することによって制御部として機能する。この制御部の機能により、前述した画像形成、トナー像の転写、記録用紙の搬送や定着部の温度制御などが実現される。
また、制御基板40は、入力回路と出力回路を有している。入力回路は、画像形成装置1内の各部に配置されたセンサからの信号が入力され、入力された信号を用いてマイクロコンピュータによる処理が実行されるように構成されている。出力回路は、各部に配置された負荷を駆動するための信号を出力する回路である。
本発明の画像形成装置の画像形成ユニットは、中間転写体を備えるのが好ましい。これにより、高速印字が可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
また本発明の画像形成装置の画像形成ユニットにおける帯電手段は、接触帯電方式であるのが好ましい。これにより、従来のコロナ帯電方式より少ないオゾン量、NOx量に抑えることができ、高速、高耐久性の画像形成装置を提供することができる。
以下に製造例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの製造例および実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、製造例で得られた化合物の化学構造、分子量および元素分析は、以下の装置および条件により測定した。
(化学構造)
核磁気共鳴装置:NMR(ブルカーバイオスピン社製、型式:DPX−200)
サンプル調整 約4mg試料/0.4m(CDCl3)
測定モード 1H(通常)、13C(通常、DPET−135)
(分子量)
分子量測定装置:LC−MS(サーモクエスト社製、
フィネガン LCQ Deca マススペクトロメーターシステム)
LCカラム GL-Sciences Inertsil ODS-3 2.1×100mm
カラム温度 40℃
溶離液 メタノール:水=90:10
サンプル注入量 5μl
検出器 UV254nmおよびMS ESI
(元素分析)
元素分析装置:パーキン エールマー社製、Elemental Analysis 2400
サンプル量: 約2mgを精秤
ガス流量(ml/分):He=1.5、O2=1.1、N2=4.3
燃焼管温度設定:925℃
還元管温度設定:640℃
なお、元素分析は、差動熱伝導度法による炭素(C)、水素(H)および窒素(N)同時定量法に分析した。
(製造例1)
次の反応式にしたがって、例示化合物No.1(構造式(V))を製造した。
Figure 2009251365
[アミン−ビスアルデヒド中間体(7aa)の製造]
無水1,4−ジオキサン50ml中に4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル6.06g(1.0当量)とジベンジルアミン10.0g(2.1当量)を加え、アイスバスにて氷冷下に冷却した。この溶液中に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン6.86g(2.2当量)を徐々に加えた。その後、徐々に加熱して反応温度を100〜110℃まで上げ、100〜110℃を保つように加熱しながら4時撹拌した。反応終了後、この反応溶液を放冷し、生じた沈殿を濾取し、充分に水洗した後、エタノールと酢酸エチルとの混合溶剤(エタノール:酢酸エチル=8:2〜7:3)で再結晶を行うことによって、白色粉末状化合物12.1gを得た。
得られた白色粉末状化合物を化学分析した結果、
核磁気共鳴装置:NMR
1H−NMRスペクトル(通常)は、δ(ppm)=3.58(S.12H)7.07 7.84(m.28H)を示した。
また、13C−NMRスペクトル(通常、DPET−135)は、δ=57.80(CH2、シグナル強度2)、58.07(CH2、シグナル強度4)、126.94(CH、シグナル強度4)、128.32(CH、シグナル強度8)、128.72(CH、シグナル強度4)、128.83(CH、シグナル強度4)、128.85(CH、シグナル強度8)、138.29(C、シグナル強度2)、139.25(C、シグナル強度4)、139.28(C、シグナル強度2)を示した。
さらに、分子量測定装置:LC−MSは例示化合物No.1(分子量の計算値:572.30)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが573.2に観測された。
また、白色粉末状化合物の元素分析値は以下のとおりであった。
<例示化合物No.1の元素分析値>
理論値 C:88.07%、H:7.04%、N:4.89%
実測値 C:87.25%、H:6.88%、N:4.42%
以上、NMR、LC−MSおよび元素分析などの分析結果から、得られた白色粉末状化合物が、例示化合物No.1のジアミン化合物であることがわかった(収率:87.5%)。また、LC−MS測定時のHPLCの分析結果から、得られた例示化合物No.1の純度は99.0%であった。
(製造例2〜10)
製造例1において、一般式(4)および(5)で示されるアミン化合物、一般式(6)で示されるジハロゲン化合物として表3に示す各原料化合物を用いて全く同様の操作を行ない、例示化合物No.2、4、8、14、22、29、38、53および57をそれぞれ製造した。なお、表2には、例示化合物No.1の原料化合物も併せて示す。
Figure 2009251365
また、上記の製造例1〜10で得られた各例示化合物の元素分析値と分子量の計算値およびLC−MSによる実測値[M+H]を表3に示す。
Figure 2009251365
Figure 2009251365
Figure 2009251365
(実施例1)
酸化チタン(商品名:タイペークTTO55A、石原産業株式会社製)5重量部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)13重量部を、メタノール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理して下引き層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直径30mm、全長340mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後引き上げ、自然乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。
次いで、電荷発生物質としてオキソチタニルフタロシアニン1重量部およびブチラール樹脂(商品名:エスレックスBM−S、積水化学工業株式会社製)1重量部を、メチルエチルケトン98重量部に加え、ペイントシェーカにて6時間分散処理して電荷発生層形成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、下引き層と同様の方法で、先に設けた下引き層表面に塗布し、自然乾燥して膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として、下記構造式(A)で示されるエナミン化合物100重量部、下記構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部、下記構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部、構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)5重量部およびシリコンオイル0.02重量部を混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分25重量%の電荷輸送層用塗液を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液を、下引き層と同様の方法で、先に設けた電荷発生層表面に塗布し、温度130℃で乾燥して膜厚が26μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
Figure 2009251365
(式中、Ar1はフェニル基、Ar2はフェニル基、Ar3はメトキシ基、Ar4は水素原子、Ar5はフェニル基、aはナフタレン基、mは整数1、R1は水素原子、R2水素原子、R3は水素原子、R4は水素原子、nは整数1である)
Figure 2009251365
(実施例2)
構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部に代えて構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)50重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)50重量部を用い、構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて構造式(V)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例3)
構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部に代えて構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)60重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)60重量部を用い、構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて構造式(V)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例4)
構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部に代えて構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)150重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)150重量部を用い、構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて構造式(V)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例5)
構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部に代えて構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)160重量部および構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)160重量部を用い、構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて構造式(V)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例6)
下引き層を形成しないこと以外は実施例1と同様にして、図1に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例7)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて例示化合物No.3のジアミン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例8)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて例示化合物No.4のジアミン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例9)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)に代えて例示化合物No.5のジアミン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例10)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)0.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(実施例11)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)10重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(比較例1)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)を用いないこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(比較例2)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)0.4重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
(比較例3)
構造式(IV)で示されるジアミン化合物(例示化合物No.2)12重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される感光体サンプルを作製した。
以上のようにして作製した実施例1〜11および比較例1〜3の感光体サンプルについて、以下のようにして(a)電位および(b)耐久性を評価した。
(a)電位の評価
接触帯電方式のプロセススピードが225mm/secであるタンデム方式のデジタルカラー複合機(試作品)に、同一条件で試作した感光体をそれぞれ黒色用、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)用に搭載し、現像槽を取り出し、その代わりに現像部位に表面電位計(トレック(Trek)社製、型式:Model344)をセットし、黒ベタ原稿の電位V0を−600ボルトに調整した後、白ベタ原稿の電位VLを測定することで、初期感度を評価した。なお、評価機をそれぞれブラシ帯電およびコロナ帯電に改造し、実施例1の感光体サンプルについて評価した。これらをそれぞれ実施例12および比較例4とした。
(b)耐久性の評価
上記(a)の評価後、表面電位計を取り出し、再び現像槽を評価用複合機に搭載し、白黒画像出力モードの指定で3枚およびカラー画像出力モードの指定で2枚の5枚1セットのコピーパターン8000セットを、A4サイズ紙を用いて計40,000枚コピーした。その後、各色のハーフトーン画像を確認し、繰返し使用時の画質を評価した。また、感光層の膜減り量(初期とA4サイズ紙40,000枚のコピー後における膜厚差)を求め耐刷性を評価した。なお、評価機をそれぞれブラシ帯電およびコロナ帯電に改造し、実施例1の感光体サンプルについて評価した。これらをそれぞれ実施例12および比較例4とした。
得られた結果を感光体の構成および各評価基準と共に表4に示す。
表4中の略号は次のことを意味する。
CTA(No.):ジアミン化合物(酸化防止剤)(例示化合物No.)
CTM(A):構造式(A)で示されるエナミン化合物(電荷輸送物質)
CTB(B):構造式(B)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂
CTB(C):構造式(C)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂
CTB:ポリカーボネート樹脂
Figure 2009251365
表4の評価結果から、次のことがわかる。
・実施例1〜12および比較例1〜4の評価結果によれば、一般式(I)で示されるジアミン化合物を電荷輸送物質に対して0.5〜10重量%含有する感光体を用いた画像形成装置は、初期感度および繰り返し特性に優れている。
・実施例1、4および5の評価結果によれば、バインダ樹脂の含有量が、電荷輸送物質100重量部に対して120〜300重量部である場合には、特に光感度特性、繰り返し使用における特性安定性、機械的耐久性に優れている。
・比較例1の評価結果によれば、一般式(I)で示されるジアミン化合物を含有しない場合には、耐オゾン性に問題がある。
・実施例7の評価結果によれば、下引き層を有さない感光体は、下引き層を有する実施例1に比べて感度特性および耐オゾン性に劣り、下引き層を設けることが望ましい。
・比較例4の評価結果によれば、非接触帯電方式(コロナ帯電)の画像形成装置は、感光体自身の劣化が激しく、画像ボケが発生する。
本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体を搭載したタンデム方式カラー複合機の概略断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
1a、50a 筐体
2、2a、2b、2c、2d 現像器(現像手段)
3、3a、3b、3c、3d 感光体(感光体ドラム)
4、4a、4b、4c、4d クリーナユニット
5、5a、5b、5c、5d 帯電器(帯電手段)
6、6a、6b、6c、6d 中間転写ローラ
7 中間転写ベルト(中間転写体)
8 転写ベルトユニット(中間転写ユニット)
8−1 転写ベルト駆動ローラ
8−2 転写ベルト従動ローラ
8−3 転写ベルトテンション機構
9 転写ベルトクリーニングユニット(クリーニング部)
9a クリーニングブレード
9b トナー回収部
10 給紙トレイ
11 転写部(転写機構)
11a 転写ローラ
12 定着ユニット
14 レジストローラ
15 排紙トレイ
16 ピックアップローラ
20、20a、20b、20c、20d プロセス印刷ユニット(画像形成部)
搬送ローラ25(25−1〜25−8)
31 加熱ローラ
32 加圧ローラ
40 制御基板
50 露光ユニット
51 レーザスキャニングユニット(LSU)
51a レーザ照射部
52 ポリゴンミラー
53a、53b、53c、53d、54a、54b、54c 反射ミラー
55a シリンダレンズ
55b トロイダルレンズ
56a、56b、56c、56d 集光レンズ
108 画像形成部
55 fθレンズ
109 給紙部
201 導電性支持体
202 電荷発生物質
203 電荷輸送物質
204 積層型感光層
205 電荷発生層
206 電荷移動層
208 下引き層(中間層)

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
    前記電荷輸送層が、主成分としての電荷輸送物質と、結合剤としてのバインダ樹脂と、酸化防止剤としての一般式(I):
    Figure 2009251365
    [式中、
    Ar6、Ar7、Ar8およびAr9は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基または置換基を有してもよい1価の複素環残基であり;
    1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6は、同一または異なって、置換基を有してもよい鎖状のアルキレン基であり;
    Zは、i)−Ar10−Ar11−またはii)−Ar10−W−Ar11−(式中、Ar10およびAr11は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリレン基または置換基を有してもよい2価の複素環残基であり;Wは、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、置換基を有してもよい鎖状もしくは枝分かれ状のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;Ar10およびAr11は、それらに結合する原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよい)である]
    で示されるジアミン化合物とを含有し、かつ
    前記ジアミン化合物の含有量が、前記電荷輸送物質に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする接触帯電方式の画像形成装置用の電子写真感光体。
  2. 前記ジアミン化合物が、副式(II):
    Figure 2009251365
    (式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9およびAr10は、一般式(I)と同義である)
    で示される請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ジアミン化合物が、副式(III):
    Figure 2009251365
    (式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、Ar10およびAr11は、一般式(I)と同義である)
    で示される請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ジアミン化合物が、構造式(IV):
    Figure 2009251365
    で示される請求項2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記ジアミン化合物が、構造式(V):
    Figure 2009251365
    で示される請求項3に記載の電子写真感光体。
  6. 前記バインダ樹脂が、2種類以上のポリカーボネート樹脂である請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記バインダ樹脂の含有量が、前記電荷輸送物質100重量部に対して120〜300重量部である請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  8. 前記導電性支持体と前記積層型感光層との間に下引き層を有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる接触帯電方式の帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段を少なくとも備える画像形成ユニットが複数配列して設けられ、前記複数の画像形成ユニット毎に異なる色のトナーを用いて異なる色のトナー像を記録媒体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成ユニットの帯電手段が、ローラ形状またはブラシ形状の帯電部材を備えてなる請求項9に記載の画像形成装置。
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