JP4663768B2 - 電子写真感光体を備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
より詳細には、本発明は、電子写真方式の画像形成、特にカラープリンタなどのフルカラー画像形成や多色画像形成に用いられる電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
さらに詳細には、複数の電子写真感光体と互いに異なる色の現像剤を収容する複数の現像手段とを備えるタンデム方式の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタおよびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置は、一般に、電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)、帯電手段、露光手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段を備えており、さらに転写手段による転写動作後の感光体表面に残留するトナーの回収手段を備えている。
通常、上記の感光体は、導電性材料からなる導電性基体上に光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成されている。
また、上記の感光体には、アモルファスセレン(a−Se)またはアモルファスセレン砒素(a−AsSe)などからなる層を感光層に用いたセレン系感光体;酸化亜鉛(ZnO)または硫化カドミウム(CdS)を感光層に用いた酸化亜鉛系感光体または硫化カドミウム系感光体;およびアモルファスシリコン(a−Si)を感光層に用いたアモルファスシリコン系感光体(a−Si感光体)などの無機系感光体と有機系光導電性材料、すなわち有機光導電体(Organic Photoconductor;略称:OPC)を用いた感光体(以下、「有機系感光体」ともいう)がある。
有機系感光体は、感度、耐久性および環境に対する安定性などに若干の問題を有するが、無機系感光体に比べると、毒性、製造原価および材料設計の自由度などの点において、多くの利点を有している。
さらに、有機系感光体は、感光層を、例えば浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成できるという特徴を有しているので、現在では、感光体の主流を占めてきている。
このような有機系感光体の構成としては、導電性材料からなる導電性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質(「電荷移動物質」ともいう)の双方を結着樹脂(「バインダー樹脂」、「結着剤樹脂」ともいう)に分散させ、形成させた単層構造、導電性基体上に電荷発生物質を結着樹脂に分散させた電荷発生層と、電荷輸送物質を結着樹脂に分散させた電荷輸送層とを、この順でまたは逆の順で形成させた積層構造または逆二層型積層構造などの様々な構成が提案されている。
特に、有機系感光体の性能は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型感光体の開発によって著しく改善されている。
すなわち、機能分離型感光体は、有機系感光体の有する前記の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する感光体を比較的容易に作製できるという利点をも有している。
機能分離型感光体には積層型と単層型とがある。
積層型の機能分離型感光体では、電荷発生機能を担う電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される積層型の感光層が設けられている。
電荷発生層および電荷輸送層は、通常、電荷発生物質および電荷輸送物質がそれぞれ結着剤である結着樹脂中に分散された形で形成されている。
一方、単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とが結着樹脂中に共に分散されてなる単層型の感光層が設けられている。
また、電子写真装置では、感光体に対して、前記の帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の動作が種々の環境下で繰返し実行される。
そのため、感光体には感度が高いことと光応答性に優れることに加えて、環境安定性、電気的安定性および機械的外力に対する耐久性(耐刷性)に優れることが求められる。
すなわち、クリーニング部材などによる摺擦によって感光体の表面層が磨耗しにくい、高い耐刷性が求められる。
一方、電子写真プロセスを用いてフルカラー画像または多色画像を形成する場合、装置内に互いに異なる色のトナーを収容する複数の現像手段を設け、各色のトナー画像を重ね合せることによって、フルカラー画像または多色画像を形成する。近年では、印字速度の高速化のために、トナーの色に対応する複数の感光体を並べて配置したタンデム方式の画像形成装置が用いられるようになってきている。
タンデム方式の画像形成装置では、フルカラー画像情報や多色画像情報に対応する複数の成分色画像を各感光体上にそれぞれ形成して記録用紙上に順次積層転写し、フルカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力する。このようなタンデム方式の画像形成装置は、フルカラー画像形成装置、多色画像形成装置またはフルカラー画像と多色画像との両方を形成することのできる画像形成装置として有用である。
フルカラー画像や多色画像を形成することのできるタンデム方式の画像形成装置は、通常、シアン色、マゼンタ色、イエロー色および黒色の各色のトナーをそれぞれ収容する4個の現像手段と、シアン色の画像形成に使用されるシアン色用感光体、マゼンタ色の画像形成に使用されるマゼンタ色用感光体、イエロー色の画像形成に使用されるイエロー色用感光体および黒色の画像形成に使用される黒色用感光体の4個の感光体とを含んで構成される。画像形成装置では、フルカラー画像や多色画像の形成だけでなく、白黒画像などの単色画像の形成も頻繁に行われる。したがって、実行される動作制御は、感光体の摩耗を抑えるために、使用者の指定する画像形成モードに応じて変更される。
たとえば、使用者によってフルカラー画像出力モードが指定された場合、シアン色用、マゼンタ色用、イエロー色用および黒色用の各感光体の位置を転写搬送ベルトに接する動作位置に設定し、各感光体を回転駆動させ、各感光体に対する帯電動作、露光動作および現像動作を実行させ、それによって各感光体上に形成されるトナー画像を記録用紙上に転写させる。これによって記録用紙上にフルカラー画像が形成される。
また、白黒画像出力モードが指定された場合には、まず、接離機構を駆動させてシアン色用、マゼンタ色用およびイエロー色用の各感光体を転写搬送ベルトから離間させ、これらの各感光体の回転駆動を停止させる。さらに、これらの各感光体に対する帯電動作、露光動作および現像動作も停止させる。このような状態で、黒色用の感光体のみを回転駆動させ、黒色用の感光体に対する帯電動作、露光動作および現像動作を実行させ、それによって黒色用の感光体上に形成される黒色のトナー画像を記録用紙上に転写させる。これによって記録用紙上に白黒画像が形成される。
このように、白黒画像出力モードが指定された場合には、黒色用の感光体以外の感光体を転写搬送ベルトから離間させ、かつその回転動作を停止させるので、白黒画像出力モード指定時に不要な感光体に関して、クリーニングブレードや記録用紙、転写搬送ベルトなどによる摩耗を抑えることができる。
この動作制御は、フルカラー画像の形成頻度の方が白黒画像の形成頻度よりも高い場合には有効である。しかしながら、実際に使用されている画像形成装置では、フルカラー画像の形成頻度よりも白黒画像の形成頻度の方が高いことが多いので、黒色用の感光体は、他の色用の感光体に比べ、相対的に摩耗が速い。通常、感光体の特性は、膜減り依存が大きく、摩耗による感光層の膜厚の減少に伴って低下するので、前述のように黒色用の感光体の摩耗速度が他の色用の感光体に比べて速いと、黒色用の感光体は他の色用の感光体よりも速く劣化する。したがって、画像形成枚数の増加に伴ってフルカラー画像に色むらが生じるという問題がある。
この色むらは、劣化した黒色用の感光体を新しいものに交換することによって解消することができる。しかしながら、各色の画像形成に使用される4個の感光体のうち、劣化した黒色用の感光体のみを新しいものに交換した場合、交換した黒色用の感光体を用いて形成されるトナー画像と交換しなかった他の色用の感光体を用いて形成されるトナー画像との間のカラーバランスが狂い、良好な品質のフルカラー画像を得ることはできない。
したがって、黒色用の感光体が劣化した場合には、劣化していない他の色用の感光体を含む4個全ての感光体を新しいものに交換する必要がある。すなわち、各色の画像形成に使用される4個の感光体の使用可能期間は、4個の感光体のうち、最も使用頻度の高い色に対応する感光体である黒色用の感光体に律速を受けるので、無駄が大きく、画像形成装置のランニングコストは高くなる。
画像形成装置のランニングコストを抑えるためには、寿命律速となる黒色用感光体の寿命を延長し、黒色用の感光体と他の色用の感光体とを同じ期間使用できるようにすることが必要である。このための技術として、たとえば、黒色用の感光体の感光層膜厚を、他の色用の感光体の感光層膜厚よりも厚くすること(特許文献1参照)、黒色用の感光体のみ、径を大きくすること(特許文献2参照)が提案されている。
特許文献1、特許文献2の画像形成装置のように、黒色用の感光体の寿命を延長し、黒色用の感光体と他の色用の感光体とを同じ期間使用できるようにするために、黒色用の感光体にのみ異なる構成の感光体を使用する場合、前述の黒色用の感光体にα−Si感光体またはアモルファスシリコン炭素系(α−SiC)感光体を用いる場合と同様に、黒色の画像形成に使用される帯電手段、露光手段および転写手段などの各手段を、他の色の画像形成に使用される各手段と異なる構成にする必要があるので、生産性が悪く、製造原価が高くなる。
特に、特許文献1に記載の技術のように、黒色用の感光体の感光層または電荷輸送層の膜厚を厚くすると、黒色用の感光体の帯電性が低下する、解像力が低下するなどの問題が生じる。また特許文献2に記載の技術のように、黒色用の感光体の径を大きくすると、装置本体が大きくなるという問題がある。
また、各色の画像形成に使用される4個の感光体の使用可能期間を延長するためには、前述のように黒色用の感光体の寿命を延長し、黒色用の感光体と他の色用の感光体とを同じ期間使用できるようにするだけでなく、黒色用の感光体を含む全ての感光体の寿命を延長することが必要である。そのため、黒色用の感光体を含む全ての感光体には、機械的耐久性が高く摩耗しにくいこと、すなわち機械的耐久性の高い表面層を有することが求められる。
感光体の表面層の機械的耐久性を向上させるための技術としては、例えば、感光体の表面層に共重合ポリカーボネート樹脂を含有させることが提案されている(特許文献3参照)。
一方、一般に電子写真方式の画像形成装置は、装置から発生するオゾンや帯電器等から発生するNOxにより、少なからずとも感光体が影響を受けることが多い。
オゾンやNOxの影響に関し、特に高温高湿環境下においては、帯電電位の低下、残留電位の上昇、表面抵抗の低下が生じ、解像力が低下し、出力画像上に著しく画質が低下し、結果、感光体の寿命が短くなることがある。
また、低湿環境下においては、長時間画像形成装置が放置された場合、放置後の起動時に色ムラが生じることがある。これは、画像形成装置停止時の感光体の帯電器直下部のみ集中的にオゾンやNOxが滞り、この部分の表面電位が下がるため画像濃度が低下するという問題点がある。
また、機械的耐久性が低い感光体、つまり表面層が削れ易い感光体の場合は、感光体にオゾンやNOxのダメージが蓄積される前に膜が削れていくのでこれらの問題が顕在化しにくいが、機械的耐久性が高くなるとそれだけ表面層が削れないためにオゾンやNOxのダメージが蓄積し易く、より顕著になる。
また、近年の省スペース設計の装置では感光体周りの気体の流動性が悪く、オゾンやNOxが滞り易いため、更にこれらの問題の解決が望まれる。
また、前述の低湿環境下での放置後の起動時に色ムラが生じる問題は、特にタンデム方式のカラー機の場合は深刻である。
すなわち、タンデム方式の場合、フルカラー画像情報や多色画像情報に対応する複数の成分色画像を各感光体上にそれぞれ形成して記録用紙上に順次積層転写し、フルカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するため、各感光体で部分的に濃度低下部が生じると、記録紙へ積層転写する際、各色毎に色ムラの出現箇所が異なり、非常にアンバランスな画像となり得ることになり、カラー画像形成装置としては致命的になる。
これらの問題を解決するためには、酸化防止剤等の添加剤が有効である。特にタンデム方式のカラー機の場合はより効果を持たせるために、これら添加剤の量を増やすことが有効と考えられる。
しかしながら、添加剤の量を増やすと、繰り返し使用での残留電位の上昇により、長期使用によって濃度低下を招くことになる。
そこで、長期使用の濃度低下を防ぐには、少量の使用でもより優れた効果のある添加剤を用いることが望まれる。
この観点からも、前記特許文献3は機械的耐久性が向上してもこれら問題の解決策にはなっていない。
カラー画像形成装置の添加剤の使用においては、特定の電荷発生材料と電荷輸送材料の組み合わせで、硫黄原子を有するフェノール系およびチオエーテル系酸化防止剤を用いること(特許文献4参照)が提案されているが、これらの方法でも十分とはいえず、タンデム方式のカラー画像形成装置においては、機械的耐久性の向上と少量の使用でもより優れた効果のある添加剤を用いて、長期にわたり安定した画質を提供することが望まれている。
また、ポリアリレート樹脂を使用することで電子写真感光体の耐久性を向上させることはできるが、保護層を有する場合や感光体表面にフィラーを含有する場合と同様に、酸化劣化した樹脂及び表面付着物が十分除去しきれなくなることで、感光体表面の抵抗が低下し、特に高温高湿下で画像が流れたように不鮮明になる、いわゆる画像流れを生じる。
この画像流れを防止する手段として、電荷輸送層中に酸化防止剤を添加する方法がとられている。しかし、酸化防止剤の過度の添加により、繰り返しによる感度低下を引き起こす問題があった。これらの改善に、感光体支持体と電荷輸送層用塗布液の温度制御により、電荷発生層と電荷輸送層との密着性を強くし、電荷注入効率を高めることで改善されることが提案されている(特許文献5)が十分とは言えず、より優れた酸化防止剤が望まれている。
特開2000−242056号公報 特開2000−242057号公報 特開2000−330303号公報 特開2004−12718号公報 特開2004−317944号公報
すなわち、上記のような従来の技術によっては、未だに十分な耐酸化性ガス効果が達成された感光体、及びそれを用いたカラータンデム画像形成装置は提供できてはおらず、また、このような酸化防止剤などの添加によって感度低下、残留電位上昇などの電子写真特性を悪化させるといった、実用上不十分な弊害も依然と残っているのが現状である。
よって、耐酸化ガス性を向上させ、かつ電子写真特性面における弊害の全くない新規な材料提案とそれを用いた画像形成装置が待たれている。
したがって、本発明は、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、かつ色ムラなどの異常画像が発生せず、長期にわたり安定した画像出力が可能な高耐久の電子写真感光体およびそれを備えた白黒またはカラー画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、感光体の機械的耐久性・耐酸化ガス性の改良について鋭意検討を行った結果、特定のジアミン化合物とポリアリレート樹脂を感光層に含有させ、その感光体を白黒またはカラー画像形成装置に用いることによって、長期にわたって著しく耐酸化ガス性に優れ、安定した高画質が得られ、かつ機械的耐久性が向上した感光体、及び白黒またはカラー画像形成装置が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
前記電子写真感光体は、以下の一般式(1):
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は、互いに独立して置換基を有してもよいアリールもしくはシクロアルキル基または1価の複素環基であり;
1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6は、互いに独立して置換基を有してもよい直鎖状のアルキレン基であり;
Zは、i) −Ar5−、ii) −Ar5−Ar6−もしくはiii) −Ar5−W−Ar6
(ここで、Ar5およびAr6は、互いに独立して置換基を有してもよいアリレン基または2価の複素環残基であり;
Wは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有してもよい直鎖状、分枝鎖状もしくは環状アルキレン基である)
である]
で表されるジアミン化合物を含有し、更に、以下の一般式(I):
Figure 0004663768
[式中、X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよい)を示し;
1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示し;
7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す]
で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段と、前記静電潜像を転写材に転写する転写手段を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
さらに、本発明によれば、白黒用とカラー用とに区別されて用いられる複数の電子写真感光体と、前記複数の電子写真感光体の表面を個別に帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面に対して個別に露光を施す露光手段と、互い異なる色の現像剤を収容し、露光によって前記電子写真感光体表面上に形成される静電潜像を前記現像剤でそれぞれ個別に現像する複数の現像手段と、現像によって前記電子写真感光体表面上に形成される可視像を記録媒体上に個別に転写させる転写手段とを備え、
前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
前記単層型感光層または前記積層型感光層からなる電子写真感光体が、上記の電子写真感光体である画像形成装置が提供される。
本発明によれば、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、かつ色ムラなどの異常画像が発生せず、長期にわたり安定した画像出力が可能な高耐久の電子写真感光体およびそれを備えたカラー画像形成装置を提供することができる。
すなわち、本発明の電子写真感光体、及び画像形成装置は、機械的耐久性の向上と、かつ省スペース設計なカラー画像形成装置に対応するために、より顕在化し易くなる酸化ガスによる画像不良を、耐酸化ガス性に優れた特定のジアミン化合物を含有させることで回避できる。
したがって、本発明による画像形成装置では、種々の環境下において、画像欠陥のない高品質の画像を長期間にわたって安定して形成することができる。
本発明は、前記電子写真感光体が、一般式(1):
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は、互いに独立して置換基を有してもよいアリールもしくはシクロアルキル基または1価の複素環基であり;
1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6は、互いに独立して置換基を有してもよい直鎖状のアルキレン基であり;
Zは、i) −Ar5−、ii) −Ar5−Ar6−もしくはiii) −Ar5−W−Ar6
(ここで、Ar5およびAr6は、互いに独立して置換基を有してもよいアリレン基または2価の複素環残基であり;
Wは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有してもよい直鎖状、分枝鎖状もしくは環状アルキレン基である)
である]
で示されるジアミン化合物を含有することを特徴とする。
上記のような一般式(1)のジアミン化合物の中でも、化学物質としての分解または変質などの化学的安定性、原料入手の容易性、製造の容易性および収率の高さならびに製造コストなどの点で、一般式(1)のY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6が鎖状のアルキレン基であるジアミン化合物、すなわち副式(2):
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Y5、Y6およびZは、一般式(1)における定義と同義であり;l、m、nおよびpは、同一または異なって1〜3の整数である]
のジアミン化合物が好ましい。
さらに、上記の一般式(1)のY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6が鎖状のメチレン基であるジアミン化合物、すなわち副式(3):
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4およびAr5は、一般式(1)における定義と同義である]
で示されるジアミン化合物が特に好ましい。
一般式(1)、副式(2)および副式(3)における各置換基について、以下に説明する。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の置換基を有してもよいアリール基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基およびハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、t−ブチルフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル基、メトキシナフチル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の置換基を有してもよいシクロアルキル基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基が挙げられる。
具体的には、シクロへキシル基、シクロペンチル基、4,4−ジメチルシクロへキシル基などが挙げられ、これらの中でも、シクロへキシル基が特に好ましい。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の置換基を有してもよい1価の複素環残基としては、例えばテトラヒドロフリル基、テトラメチルテトラヒドロフリル基などが挙げられ、さらに、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい1価の複素環残基が挙げられる。
具体的には、フリル基、4−メチルフリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基などが挙げられ、これらの中でも、フリル基、ベンゾフリル基が特に好ましい。
1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6の置換基を有してもよい鎖状のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアルキレン基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2、2−ジメチルプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、メチレン基、エチレン基が特に好ましい。
ZにおけるAr5およびAr6の置換基を有してもよいアリレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいアリレン基が挙げられる。
具体的には、p−フェニレン基、m−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、ベンゾオキサゾレン基、ビフェニリレン基などが挙げられ、これらの中でも、p−フェニレン基、m−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が特に好ましい。
ZにおけるAr5およびAr6の置換基を有してもよい2価の複素環残基としては、例えば1,4−フランジイル基、1,4−チオフェンジイル基、2,5−ベンゾフランジイル基、2,5−ベンゾオキサゾールジイル基およびN−エチルカルバゾール−3,6−ジイル基などが挙げられる。
ZにおけるWの置換基を有してもよい環状アルキレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキリデン基が挙げられる。
具体的には、シクロヘキシリデニル基、4,4−ジメチルシクロヘキシリデニル基、シクロペンチリデニル基などが挙げられ、これらの中でも、シクロアルキリニル基が特に好ましい。
また、置換基を有してもよい鎖状あるいは枝分かれ状のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアルキレン基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2、2−ジメチルプロピレン基などが挙げられ、これらの中でもメチレン基、エチレン基が特に好ましい。
より具体的には、前記の式(1)、副式(2)または副式(3)において、
前記のAr1、Ar2、Ar3およびAr4が、互いに独立して、次の:
Figure 0004663768
からなる群から選択される置換基であり、
前記のAr5またはAr6は、次の:
Figure 0004663768
からなる群から選択される基であり、
前記のWは、酸素原子もしくは硫黄原子であるか、またはメチレン、エチレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1,1−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、4,4−ジメチルシクロヘキシレン、2,2−ジフルオロトリメチレンおよび2,2−ジトリフルオロメチルトリメチレン基からなる群から選択される2価基であり、
前記のY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6は、互いに独立して、メチレン、エチレン、トリメチレンおよび2,2−ジメチルトリメチレン基からなる群から選択される2価基であるジアミン系化合物が挙げられる。
また、本発明は、前記電子写真感光体が、バインダ樹脂として、以下の一般式(I):
Figure 0004663768
[式中、X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよい)を示し;
1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示し;
7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す、
構造単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする。
本発明において、用語「結合手」とは、X1の両側のベンゼン環が直接結合していることを意味する。一般式(I)において、X1が結合手あるものの具体例としては、以下の表に示す構造式(1−20)で示される構成単位が挙げられる。
上記のR5及びR6の具体例としては、水素原子以外では、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子、メチル、トリフルオロメチル、イソプロピル及びブチル等の低級アルキル基、ならびにフェニル、トリル、α−ナフチル及びβ−ナフチル等のアリール基が挙げられる。
5及びR6が互いに結合して、R5及びR6の結合する炭素原子と共に形成する環構造の具体例としては、シクロヘキシリデン及びシクロペンチリデン等のシクロアルキリデン基、フルオレニリデン基、ならびに1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフチリデン基等の単環式または多環式炭化水素の環炭素原子に結合する2個の水素原子を除いてできる2価基等を挙げることができる。
また、一般式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示す。
1、R2、R3及びR4の具体例としては、水素原子以外では、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子、メチル、トリフルオロメチル、イソプロピル及びブチル等の低級アルキル基、ならびにフェニル、トリル、α−ナフチル及びβ−ナフチル等のアリール基を挙げることができる。
また、一般式(I)において、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示す。
7、R8、R9及びR10の具体例としては、水素原子以外では、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子、メチル、トリフルオロメチル、イソプロピル及びブチル等のアルキル基、ならびにフェニル、α−ナフチル及びβ−ナフチル等のアリール基等を挙げることができる。
より詳細には、前記一般式(I)で表される構造単位を有するポリアリレート樹脂としては、前記X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよい)を示し;
前記R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示し;
前記R7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す、
構造単位を有するポリアリレート樹脂が挙げられる。
さらに詳細には、前記一般式(I)で表される構造単位を有するポリアリレート樹脂として、前記X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、メチル、トリフルオロメチル、フェニルもしくはp−トリル基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって1,1−シクロヘキシレンまたは5,6,7,8−テトラヒドロ−6−ナフチリデン基を示す)を示し;
前記R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはp−トリル基を示し;
前記R7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチルまたはトリフルオロメチル基を示す、
構造単位を有するポリアリレート樹脂が挙げられる。
また、本発明は、前記電子写真感光体が、前記単層型感光層の場合には前記感光層が、前記積層型感光層の場合には前記電荷輸送層が、一般式(4):
Figure 0004663768
[式中、Ar11およびAr12は、互いに独立して置換基を有してもよいアリールまたは複素環基を示し;Ar13は、置換基を有してもよいアリール、複素環、アラルキルまたはアルキル基を示し;Ar14およびAr15は、互いに独立して水素原子、置換基を有してもよいアリール、複素環、アラルキルまたはアルキル基を示すが、ただし、Ar14およびAr15が共に水素原子になることはなく、Ar14およびAr15は、それらが結合している炭素原子と一緒になって原子または原子団を含む環構造を形成してもよく;aは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノまたはアリール基を示し;mは1〜6の整数を示し、mが2以上のとき、複数のaは、それぞれ同一でも異なってもよく、それらが結合する炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよく;R11は、水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルキル基を示し;R12、R13およびR14は、それぞれ水素原子、置換基を有してもよいアルキル、アリール、複素環またはアラルキル基を示し;nは0〜3の整数を示し、nが2または3のとき、複数のR12は同一でも異なってもよく、複数のR13は同一でも異なってもよいが、ただし、nが0のとき、Ar13は置換基を有してもよい複素環基を示す]
で示されるエナミン系化合物を電荷輸送物質として含有することを特徴とする。
より詳細には、本発明の感光体における電荷輸送物質は、前記一般式(4)において、
次の部分構造:
Figure 0004663768
が、以下の置換分:
Figure 0004663768
からなる群から選択される置換分であり、
前記のAr11、Ar12、Ar13、Ar14およびAr15が、互いに独立して水素原子、メチル、フェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニルおよび4−メトキシフェニル基から選択される基であり、
前記のR11、R12、R13およびR14が、水素原子であり、
前記のnが、1であるエナミン化合物を含有するのが、より好ましい。
上記の一般式(4)で示されるエナミン系化合物は、優れた電荷移動度を有し、さらに耐摩耗性にも優れているので、帯電電位が高く、高感度で、充分な応答性を示し、繰返し使用した場合であってもこれらの電気特性の低下することが無いという特徴を有している。
なお、上記のエナミン化合物は、例えば特開2004−151666号公報に記載の方法により合成できる。
前記のジアミン化合物の具体例を以下の表に示す。なお、以下の表において置換基を次のような略号で示す。
−Me−:メチレン基
−Et−:エチレン基
−Tr−:トリメチレン基
−Dm−:2,2−ジメチルトリメチレン基
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
上記の表に示される本発明のジアミン化合物の中でも、例示化合物No.1、2、4、8、14、22、29、38、50、53および57が好ましく、例示化合物No.1、2が特に好ましく、例示化合物No.2が効果の点からさらに好ましい。
本発明のジアミン化合物は、次の反応スキームに示す方法により製造することができる。
すなわち、一般式(6):
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Y1およびY2は、一般式(1)における定義と同義である]
および一般式(7):
Figure 0004663768
[式中、Ar3、Ar4、Y3およびY4は、一般式(1)における定義と同義である]
で示されるアミン化合物と、一般式(8):
Figure 0004663768
[式中、Y5、Y6およびZは、一般式(1)における定義と同義であり、X1およびX2は、それぞれ同一又は異なるハロゲン原子である]
で示されるジハロゲン化合物とを、有機アミン塩基の存在下に加熱することによって、簡便に収率よく高純度で目的物を製造することができる。
なお、上記のX1およびX2が意味するハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、臭素原子が、取り扱いの容易さおよび反応性などの観点から特に好ましい。
以下に、具体的な反応式を示す。
[反応式]
Figure 0004663768
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6およびZは、一般式(1)における定義と同義であり;X1およびX2は一般式(8)における定義と同義である]
上記の反応式の反応は、例えば、次のようにして実施できる。
二級アミン化合物(6)および(7)とジハロゲン化合物(8)とを溶剤に溶解または分散させ、これに有機アミン塩基を加え、加熱攪拌する。反応終了後、析出物を濾別し、エタノール、メタノール、酢酸エチルなどを単独であるいは混液として用いて再結晶を行うことにより、簡便に収率よく高純度で目的物を得ることができる。
上記の溶剤としては、上記の反応に対して不活性でかつ反応基質および有機アミン塩基を溶解または分散できるものであれば特に限定されない。
具体的には、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらを単独または混液として使用できる。
なお、溶剤の使用量は特に制限されず、反応基質の使用量、反応温度、反応時間などの反応条件に応じて、反応が円滑に進行する量を適宜設定できる。
有機アミン塩基としては、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロウンデセンなどが挙げられる。
二級アミン化合物(6)および(7)とジハロゲン化合物(8)との使用割合は特に限定されるものではない。
例えば、対称性の化合物を得る場合、すなわち、二級アミン化合物(6)および(7)の何れか一方のみ使用する場合には、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(8)1当量に対して使用する二級アミン化合物を2.0〜2.3当量程度用いるのが好ましい。
また、非対称性の化合物を得る場合、すなわち、二級アミン化合物(6)および(7)を共に使用する場合には、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(8)1当量に対して各二級アミン化合物をそれぞれ1.0〜1.2当量程度、すなわち、二級アミン化合物(6)および(7)の合計では2.0〜2.4当量程度用いるのが好ましい。
ジハロゲン化合物(8)と有機アミン塩基との使用割合は特に限定されるものではないが、反応の効率性などを考慮して、ジハロゲン化合物(8)1当量に対して、有機アミン塩基を2.05〜5.0当量程度用いるのが好ましい。
また、加熱温度および反応時間は特に限定されるものではないが、反応の効率性などを考慮して、使用する溶剤にもよるが、60〜120℃で2〜8時間反応させるのが好ましい。
本発明のジアミン化合物は、電荷輸送層に含有させることにより、感光体に耐オゾン性、耐窒素酸化物性などの耐酸化性ガス性を付与することができる。これは、本発明のジアミン化合物がオゾン、窒素酸化物、塩素酸化物、硫黄酸化物などの酸化性ガスを補足し、電荷発生層に含有される電荷発生物質への酸化性ガスの吸着を効果的に抑制することができるためであると推察される。
したがって、本発明のジアミン化合物を感光層の電荷輸送層に含有する感光体は、優れた電子写真特性を有し、システムから発生するオゾン、窒素酸化物の影響を受けにくく、繰返し使用しても安定した特性および画質を有し、極めて高い耐久性を達成することができる。
また、画像形成装置がタンデム方式のカラー機の場合は、感光体の帯電時の活性ガス、例えばオゾンやNOx等が滞留しやすく、画像不良が発生しやすい。そのため酸化防止剤を共存させることにより、画像不良の発生を防止できる。
したがって、本発明者らは、本発明によるジアミン化合物と前記ポリアリレートとの併用により、上記のようなタンデム方式のカラー機の欠点を克服でき、システムから発生するオゾン、窒素酸化物の影響を受けにくく、繰返し使用しても安定した特性および画質を有し、極めて高い耐久性を達成することができる感光体を提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の感光体に用いられる、以下の一般式(4):
Figure 0004663768
で表されるエナミン系化合物の各置換基の具体例を以下の表に示す。
Figure 0004663768
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子写真感光体201の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体201(以下、感光体と略称する)は、円筒状の導電性支持体211と、導電性支持体211の外周面上に設けられる感光層214とを含んで構成される。
感光層214は、光を吸収することによって電荷を発生させる電荷発生物質212を含有する電荷発生層215と、電荷発生物質212で発生した電荷を受入れ輸送する能力を有する電荷輸送物質213および電荷輸送物質213を結着させるバインダ樹脂217を含有する電荷輸送層216とが、導電性支持体211の外周面上にこの順序で積層されて成る積層構造から成る。
すなわち、電子写真感光体201は、積層型感光体である。
図2は、本発明の実施の第2の形態である電子写真感光体202の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施形態の電子写真感光体202は、感光層240が、電荷発生物質212と電荷輸送物質213とを、バインダ樹脂217で結着して成る単層構造から成る。
すなわち、電子写真感光体202は、単層型感光体である。
図3は、本発明の第3の実施の形態である電子写真感光体203の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体203は、上記の第1の実施の形態である電子写真感光体201の構成において、導電性支持体211と、電荷発生層215との間に、さらに下引層218が設けられていることを特徴とする。
図4は、本発明の第4の実施の形態である電子写真感光体204の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体204は、上記の第1の実施の形態である電子写真感光体201の構成において、感光層214の外表面に、さらに表面保護層219が設けられていることを特徴とする。なお、該表面保護層219は、上記の第2の実施形態における単層型感光体202における感光層240の外表面に設けることもできる。
第1の実施の形態
(導電性基体)
導電性基体211は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、例えば積層型感光体の場合、他の電荷発生層215および電荷輸送層216の支持部材としても機能する。また、該導電性基体(導電性支持体)211は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、単層型感光層においては、感光層240の支持部材としても機能する。
なお導電性基体211の形状は、円筒状が望ましいが、これに限定されることなく、円柱状、シート状または無端ベルト状等であってもよい。
導電性基体211を構成する導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン等の金属単体、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の合金を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンもしくはポリスチレン等の高分子材料、硬質紙またはガラス等の表面に、金属(アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、チタン)箔をラミネートしたもの、金属(アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、チタン)材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したもの等を用いることもできる。これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
導電性基体211の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水等による表面処理、着色処理、または表面を粗面化する等の乱反射処理を施してもよい。レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っている。そのため、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。導電性基体211の表面に前記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止できる。
(電荷発生層)
電荷発生層215は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。主成分とは、その成分がその主たる機能を発現できる量を含有することを意味する。
電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔料、インジゴまたはチオインジゴ等のインジゴ系顔料、ペリレンイミドまたはペリレン酸無水物等のペリレン系顔料、アントラキノンまたはピレンキノン等の多環キノン系顔料、金属フタロシアニンまたは無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルー等に代表されるトリフェニルメタン系色素、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリジン系色素、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表されるチアジン系色素、カプリブルーまたはメルドラブルー等に代表されるオキサジン系色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類及びチオピリリウム塩類、チオインジゴ系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、キナクリドン系色素、キノリン系色素、レーキ系色素、アゾレーキ系色素、ジオキサジン系色素、アズレニウム系色素、トリアリルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素等の有機光導電性材料、ならびにセレン及び非晶質シリコン等の無機光導電性材料等を挙げることができる。これら電荷発生物質は、一種が単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記の電荷発生物質の中でも、下記一般式(5):
Figure 0004663768
[式中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、r、s、y及びzは、それぞれ0〜4の整数を示す]
で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
上記一般式(5)における、X1、X2、X3及びX4が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
また、上記X1、X2、X3及びX4が示すアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基のようなC1〜C4のアルキル基が挙げられる。
更に、上記X1、X2、X3及びX4が示すアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ基のようなC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。
前記一般式(5)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、高い電荷発生効率と高い電荷注入効率とを有する電荷発生物質212であるので、該化合物を用いた電荷発生層215は、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送層216に含有される電荷輸送物質213に効率よく注入でき、感光層表面に円滑に輸送される。
前記一般式(5)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、例えばMoser、 Frank H及びArthur L. ThomasによるPhthalocyanine Compounds、Reinhold Publishing Corp.、New York、1963に記載されている方法等の公知の製造方法によって製造できる。
例えば、前記一般式(5)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物のうち、r、s、y及びzが0である無置換のオキソチタニウムフタロシアニンの場合は、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するかまたはα−クロロナフタレン等の適当な溶剤中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成した後、塩基または水で加水分解することによって得られる。
またイソインドリンとテトラブトキシチタン等のチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドン等の適当な溶剤中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造できる。
主成分として含まれる電荷発生物質以外の任意成分としては、増感染料、結着樹脂、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤等が挙げられる。
増感染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー及びビクトリアブルー等に代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ及びフラペオシン等に代表されるアクリジン染料、メチレンブルー及びメチレングリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー及びメルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料等が挙げられる。増感染料は、電荷発生物質100重量部に対して、10重量部以下の割合で使用することが好ましい、0.5〜2.0重量部の割合で使用することがより好ましい。
電荷発生層215の形成方法としては、前記の電荷発生物質を導電性基体211の表面に真空蒸着する方法、または前記の電荷発生物質を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性基体211の表面に塗布する方法等が挙げられる。これらの中でも、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体211の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層215に用いられる結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルホルマール樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂及びアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができる。結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用できる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、例えばテトラクロロプロパンまたはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトン、イソホロン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジフェニルスルフィド等の含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノール等のフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤等が用いられる。
また、これらの溶剤を2種以上混合した溶剤を用いることもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷発生物質と結着樹脂とを含んで構成される電荷発生層215において、電荷発生物質の重量W1と結着樹脂の重量W2との比率W1/W2は、100分の10(10/100)以上100分の200(200/100)以下であることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体の感度が低下することがあるので好ましくない。
また、前記比率W1/W2が200/100を超えると、電荷発生層215の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大することがある。そのため、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される「黒ぽち」と呼ばれる画像のかぶりが多くなることがある。比率W1/W2は、50/100以上、150/100以下であることがより好ましい。
電荷発生物質は、結着樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されていてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル及び超音波分散機等を挙げることができる。
電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミル及びサンドミル等を挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器及び分散機を構成する部材の摩耗等による不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択することが好ましい。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法及び浸漬塗布法等を挙げることができる。これらの塗布方法のうちから、塗布の物性及び生産性等を考慮に入れて最適な方法を選択できる。
これらの塗布方法の中で、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法である。このように浸漬塗布法は、比較的簡単で、生産性及び原価の点で優れているので、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層215の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1μm以下である。電荷発生層215の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下することがあるので好ましくない。
電荷発生層215の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層215内部での電荷移動が感光層の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下することがあるので好ましくない。
(電荷輸送層)
電荷発生層215上には電荷輸送層216が設けられる。電荷輸送層216は、電荷発生層215に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質及びバインダ樹脂、更に酸化防止剤を含んで構成できる。バインダ樹脂は、電荷輸送層全体に対して、30〜80重量%の範囲で含まれていることが好ましい。電荷輸送物質、酸化防止剤、結着樹脂以外に、紫外線吸収剤、レベリング剤、可塑剤、フィラー等が含まれていてもよい。
本発明の感光体における電荷輸送層は、前記の一般式(4)で示されるエナミン系化合物を、電荷輸送物質として含有することを特徴とする。
前記の一般式(4)で示されるエナミン系化合物は、優れた電荷移動度を有し、さらに耐摩耗性にも優れているので、帯電電位が高く、高感度で、充分な応答性を示し、繰返し使用した場合であってもこれらの電気特性の低下することが無いという特徴を有している。
本発明における前記の一般式(4)で示されるエナミン系化合物以外に用いられる電荷輸送物質としては、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体等を挙げることができる。
また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマーとしては、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセン等またはポリシラン等が挙げられる。
電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独または2種以上を混合して用いることができる。
また、電荷輸送層216には、酸化防止剤または紫外線吸収剤等を添加することが好ましい。これによって、オゾン、窒素酸化物等の酸化性のガスに対しての劣化を少なくできる。
また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
また、上記のジアミン化合物は、感光体の電気特性のみならず、電荷輸送層用塗布液の長期安定性に対しても優れた効果を示している。
電荷輸送物質Tと本発明のジアミン化合物Jとの使用割合は特に限定されないが、ジアミン化合物の重量Jと電荷輸送物質の重量Tとしたときに、その比率J/Tは、0.01/100以上20.0/100以下であるのが好ましく0.1/100以上、10.0/100以下であるのが特に好ましい。
本発明のジアミン化合物Jと電荷輸送物質Tとの使用割合が上記の範囲内であれば、感度の悪化や繰り返し使用時の残留電位上昇などの感光体特性に悪影響を及ぼすことなく、耐オゾン性、耐窒素酸化物性が向上した電子写真感光体を提供することができる。
比率J/Tが0.01/100未満であると、オゾン、窒素酸化物などの酸化性ガスに対する耐性が充分得られず、繰り返し使用時に画質の低下、帯電電位の低下および感度の低下などが起きるおそれがある。
一方、比率J/Tが20.0/100を超えると、感度および応答性が低下し、繰り返し使用時に残留電位の上昇などが生じるおそれがある。
一般式(1)のジアミン化合物は、電気特性を損なわない範囲で他の酸化防止剤と混合して使用されてもよい。その酸化防止剤としては、アミン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物またはトコフェロール系化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードアミン誘導体、もしくは、ヒンダードフェノール誘導体またはこれらの混合物が好適に用いられる。
これらの酸化防止剤の使用量は、合計で、電荷輸送物質100重量部当たり、0.01重量部以上50重量部以下であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。酸化防止剤の使用量が0.01重量部未満であると、塗布液の安定性の向上及び感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができない場合があるので好ましくない。また、50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
バインダ樹脂には、電荷輸送物質との相溶性に優れるものが選ばれる。バインダ樹脂に用いられる樹脂の具体例としては、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ならびにフェノール樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂も挙げられる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。前述の樹脂の中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上であって電気絶縁性に優れており、また皮膜性および電位特性などにも優れているので、好適に用いることができる。
しかしながら、本発明の感光体は、バインダ樹脂として、以下の一般式(I):
Figure 0004663768
で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴としている。
上記の一般式(I)で示される構造単位の具体例を、以下の表に示す。しかしながら、これら構造単位は、単なる例示であって、一般式(I)で示される構造単位は、これに限定されるものではない。
Figure 0004663768
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上記の構造単位を有するポリアリレート樹脂は、1つの樹脂中に上記の表の構造単位を複数有していてもよい。更に、上記の表以外の公知の構造単位を、機械的強度を損なわない範囲で有していてもよい。
バインダ樹脂として、上記表に示す構造単位を有するポリアリレート樹脂を1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。また、さらに以下に例示する公知のバインダ樹脂と併用してもよい。
一般式(I)の樹脂は、公知の方法で製造できる。例えば、フタル酸塩化物と各種のビスフェノールとを、アルカリ存在下で水と有機溶媒との混合溶媒中で撹拌し、界面重合させることによって製造できる。
フタル酸塩化物には、通常、得られるポリアリレート樹脂の溶解性を調整するために、テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物との混合物が用いられる。従って、一般式(I)で示される構造単位は、テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物との混合物から製造される形として表されている。
テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物との混合比率は、得られるポリアリレート樹脂の溶解性を考慮して決定される。ただし、いずれかの塩化物がフタル酸塩化物の全量の30モル%(mol%)以下になると、得られるポリアリレート樹脂の溶解性が極端に低下することがあるので、テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物との混合比率は、モル比で1対1であることが好ましい。
一般式(I)の樹脂は、粘度平均分子量が、10,000以上300,000以下であることが好ましく、より好ましくは15,000以上100,000以下である。一般式(I)の樹脂の粘度平均分子量が10,000未満であると、塗布膜がもろくなり、感光層214表面にキズが発生しやすくなるので好ましくない。
一般式(I)の樹脂の粘度平均分子量が300,000を超えると、塗布によって電荷輸送層216を形成する場合に、塗布液が高粘度となるため均一塗布ができず膜厚のムラが大きくなることがあるので好ましくない。更に好ましい粘度平均分子量は、15000以上50000以下である。
なお、粘度平均分子量はウベローデ型毛細管粘度計を用い、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間「t」を測定し、粘度平均分子量を算出した。
一般式(I)の樹脂は、機械的強度を損なわない範囲で他のバインダ樹脂と混合されて使用されてもよい。
混合することにより感光体生産時の生産性や溶液の安定性等が向上される。
混合比率(重量比)としては、一般式(I)の樹脂/他のバインダ樹脂=5/95〜95/5で可能であり、一般式(I)の樹脂の機械的強度と生産性や溶液の安定性の効果を効率良く発現させるためには20/80〜80/20がより好ましい。
これらバインダ樹脂の分子量は特に限定されないが、粘度平均分子量が20000〜80000が好ましい。
他のバインダ樹脂としては、一般式(I)の樹脂との相溶性に優れるものが好ましい。
具体例としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のビニル重合体樹脂及びそれらの共重合体樹脂、ならびに前記一般式(I)で示される構造単位以外の構造単位を有するポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂及びフェノール樹脂等を挙げることができる。
また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂を使用してもよい。これらバインダ樹脂の中でも、特にポリカーボネート樹脂が好ましい。
電荷輸送層216には、電荷輸送物質としての前記の一般式(4)で示されるエナミン化合物以外にも、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。
例えば、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤等を電荷輸送層216に添加してもよい。
可塑剤としては、例えばビフェニル、塩化ビフェニル、ベンゾフェノン、o−ターフェニル、二塩基酸エステル(例えば、フタル酸エステル)、脂肪酸エステル、リン酸エステル、各種フルオロ炭化水素、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤等を挙げることができる。表面改質剤としては、シリコーンオイルのようなシリコーン系レベリング剤、フッ素樹脂系レベリング剤等が挙げられる。
電荷輸送層216は、前記の電荷発生層215を塗布によって形成する場合と同様に、例えば適当な溶剤中に、電荷輸送物質、結着樹脂、シリカ微粒子、ならびに必要な場合には前記の添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層215上に塗布することによって形成される。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン及びジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジベンジルエーテル及びジメトキシメチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類、安息香酸メチルまたは酢酸エチル等のエステル類、ジフェニルスルフィド等の含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノール等のフッ素系溶剤、ならびにN,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤等を挙げることができる。
これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。また前記の溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトン等の溶剤を更に加えて使用できる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法及び浸漬塗布法等を挙げることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、電荷輸送層216を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層216の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上30μm以下である。電荷輸送層216の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下することがあるので好ましくない。電荷輸送層216の膜厚が40μmを超えると、解像度が低下することで画像劣化が生じることがあるので好ましくない。
第2の実施の形態
図2に示す本発明の電子写真感光体202は、感光層240が、電荷発生物質212と電荷輸送物質213と、前記一般式(1)で示されるジアミン化合物と前記のバインダ樹脂217で結着して成る単層構造から成る単層型感光体である。
単層型感光体は一般的に正帯電感光体として機能することがほとんどであり、その場合、負帯電感光体として機能する場合に比べ、システムから発生するオゾン、窒素酸化物の量は少ないので、前記一般式(1)で示されるジアミン化合物の感光体への耐オゾン性、耐酸化性ガス性を付与する効果は小さいといえる。したがって、前記一般式(1)で示されるジアミン化合物の耐酸化性ガス性を付与する効果は本発明の第1の形態である積層感光体の方が効果的といえる。
また、電荷輸送物質213として前記一般式(4)で示されるエナミン化合物を用いた場合、高い電荷移動度を有するので、帯電電位が高く、高感度で、充分な応答性を示し、繰返し使用した場合であってもこれらの電気特性の低下することのない電子写真感光体を得ることができるので望ましい。
電荷輸送物質213は前記一般式(4)で示されるエナミン化合物に限定されるものではなく、その使用に際しては単独または2種以上を混合して用いることができる。
感光層240は、前記の実施の第1形態の電子写真感光体201に設けられる電荷輸送層216と同様の方法で形成される。たとえば、以下のようにして形成される。前記の電荷発生物質212と電荷輸送物質213と、前記一般式(1)で示されるジアミン化合物とバインダ樹脂217とを、前記の適当な溶媒に溶解または分散させて感光層用塗布液を調製する。この感光層用塗布液を、浸漬塗布法などを用いて導電性支持体211の外周面上に塗布する。
感光層240における電荷輸送物質213(A′)とバインダ樹脂217(B′)との比率(A′/B′)は、前記の実施の第1形態の電子写真感光体1に設けられる電荷輸送層216における電荷輸送物質213(A)とバインダ樹脂217(B)との比率(A/B)と同様に、重量比で10/12以下であることが好ましい。これによって、感光層240の耐摩耗性を向上させることができる。また、感光層240を浸漬塗布法で形成する場合には、前記比率A′/B′は重量比で10/30以上であることが好ましい。
感光層240の膜厚は、5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
感光層240の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下する。
また、感光層240の膜厚が100μmを超えると、生産性が低下する。
したがって、5μm以上100μm以下とした。
以上に述べた実施の第1〜第3形態の電子写真感光体に設けられる感光層214または感光層240には、感度の向上を図り、繰返し使用時の残留電位の上昇および疲労などを抑えるために、さらに1種以上の電子受容物質や色素を添加してもよい。
電子受容物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリル等のシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等の多環もしくは複素環ニトロ化合物、またはジフェノキノン化合物等の電子吸引性材料等を用いることができる。またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものを用いることもできる。
色素としては、例えばキサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料または銅フタロシアニン等の有機光導電性化合物を用いることができる。これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
また、感光層の各層には、酸化防止剤または紫外線吸収剤等を添加してもよい。
第3の実施の形態
(他の感光体構成例)
図3に示す本発明の別の形態である電子写真感光体203は、導電性基体211と感光層214との間に、下引層218が設けられている。
導電性基体211と感光層214との間に下引層218がない場合、導電性基体211から感光層214に電荷が注入されることがある。
この電荷は、感光層214の帯電性を低下させることで、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷を減少させ、その結果、画像にかぶり等の欠陥を発生させることがある。特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成される場合がある。
そのため、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、その結果、画質の著しい劣化が生じることがある。すなわち、導電性基体211と感光層214との間に下引層218がない場合、導電性基体211または感光層214の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽち等の画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となることがある。
電子写真感光体202では、前記のように導電性基体211と感光層214との間には下引218が設けられているので、導電性基体211からの感光層214への電荷の注入を防止できる。従って、感光層214の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶり等の欠陥が発生することを防止できる。
また、下引層218を設けることによって、導電性基体211表面の凹凸を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層214の成膜性を高めることができる。また感光層214の導電性基体211からの剥離を抑え、導電性基体211と感光層214との接着性を向上できる。
下引層218には、各種樹脂材料からなる樹脂層またはアルマイト層等が用いられる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリアミド樹脂等の樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を挙げることができる。
また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール及びエチルセルロース等も挙げられる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロン及び12−ナイロン等を共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロン及びN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂等を挙げることができる。
下引層218は、金属酸化物粒子を含有してもよい。下引層218にこの粒子を含有させることによって、下引層218の体積抵抗値を調節できるので、導電性基体211からの感光層214への電荷の注入を防止する効果を高めることができる。加えて、各種の環境下において感光体の電気特性を維持できる。粒子径は、0.02〜0.5μmの範囲であることが好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び酸化スズ等の粒子を挙げることができる。
下引層218は、例えば前記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて下引層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体211の表面に塗布することによって形成される。下引層218に前記の金属酸化物粒子等を含有させる場合には、例えば前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、これらの粒子を分散させて下引層用塗布液を調製する。次いで、この塗布液を導電性基体211の表面に塗布することによって下引層218を形成できる。
下引層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。例えば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノール等の単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール類、アセトンもしくはジオキソラン等とアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタン等の塩素系溶剤とアルコール類等の混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前記の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカ等を用いる一般的な方法を使用できる。
下引層用塗布液中において、樹脂及び金属酸化物の合計重量Cと、下引層用塗布液に使用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
下引層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法及び浸漬塗布法等を挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように、比較的簡単で、生産性及び原価の点で優れているので、下引層15を形成する場合にも多く利用されている。
下引層218の膜厚は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上10μm以下である。下引層218の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に下引層218として機能し難くなり、導電性基体211の欠陥を被覆して均一な表面性を得ることが困難となる。その結果、導電性基体211からの感光層214への電荷の注入を防止することが困難となり、感光層214の帯電性の低下が生じることがあるため好ましくない。膜厚を20μmよりも厚くすることは、下引層218を浸漬塗布法によって形成する場合に、下引層218の形成が困難であるとともに、下引層218上に感光層214を均一に形成できないため、感光体の感度が低下する場合があるので好ましくない。
なお、図3には、一つの形態として下引き層218が、導電性支持体211と積層型感光層214との間に設けられた例が図示されているが、単層型感光層240と導電性支持体211との間に設けることもできる。
第4の実施の形態
図4に示す本発明の別の形態である電子写真感光体204は感光層214の次に表面保護層219が積層して設けられている。表面保護層は感光体の高耐久化を実現する方法として広く知られている。
しかし、画像形成プロセスに由来するオゾン・窒素酸化物などの酸化性ガスが表面保護層を透過して感光層の電荷輸送材料を化学変化させ種々の特性変化をもたらすという問題もあり、このような問題を解決する方法としては、酸化防止剤を表面保護層中に添加する方法が広く知られている。
酸化防止剤としては分子内にトリアジン環およびヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤、ヒンダードアミン、トリアルキルアミン、芳香族アミン等を表面保護層に添加することがこれまでに開示されているが、これらは未だ充分とは言えず、本発明のジアミン化合物を表面保護層に含有することによって、繰り返しの使用においても酸化性ガスの影響を極めて受けにくい耐久性に優れた感光体を実現することができる。
表面保護層219は、感光体の耐久性を向上させる機能を有し、バインダ樹脂と本発明のジアミン化合物を含有する。バインダ樹脂としては、機械的強度、耐久性などを向上させる目的で使用され、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用でき、本発明のジアミン化合物との相溶性に優れるものが好ましい。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
ジアミン化合物の使用割合は特に限定されないが、ジアミン化合物の重量Jと前記バインダ樹脂の重量Bとの比率J/Bが0.1/100以上30.0/100以下であるのが好ましい。
比率J/Bが0.1/100部未満では、本発明の効果が不充分になることがある。一方、比率J/Bが30.0/100を超えると、ジアミン化合物の樹脂に対する相対量比が高くなり、感度が低下するなどの現象を呈することがある。
表面保護層219は、例えば、適当な有機溶剤に本発明のジアミン化合物およびバインダ樹脂などを溶解または分散させて表面保護層形成用塗布液を調製し、この表面保護層形成用塗布液を単層型感光層または積層型感光層の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。ここで用いられる有機溶剤としては、感光層の形成に用いられる有機溶剤と同様のものを使用できる。
表面保護層219の膜厚は特に制限されないが、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。表面保護層219の膜厚が0.5μm未満では、感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性が不充分になるおそれがあり、逆に10μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
表面保護層219は図4に示したような感光層が積層型に限らず、単層型であってもよく、また、下引層が設けられていても設けられていなくても良い。
(感光体の製造方法)
感光体の製造方法に際して、好ましくは下引層218、電荷発生層215、電荷輸送層216等、各層の形成毎に乾燥工程が含まれることが好ましい。感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約150℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなるまたは溶剤が充分に蒸発せず感光層中に残るため好ましくない。また、乾燥温度が約150℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり、感光体を使用して得られる画像が劣化することがあるため好ましくない。
(塗布液)
本発明では、一般式(1)のジアミン化合物を含有し、電荷輸送層を形成するための塗布液が提供される。この塗布液は、一般式(1)のジアミン化合物が含有されているので、長期に渡って安定して保存でき(例えば、100日以上)、性質の安定した電荷輸送層を形成できる。
したがって、本発明によれば、前記のいずれか1つの電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段と、前記静電潜像を転写材に転写する転写手段を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
より詳細には、本発明によれば、白黒用とカラー用とに区別されて用いられる複数の電子写真感光体と、前記複数の電子写真感光体の表面を個別に帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面に対して個別に露光を施す露光手段と、互い異なる色の現像剤を収容し、露光によって前記電子写真感光体表面上に形成される静電潜像を前記現像剤でそれぞれ個別に現像する複数の現像手段と、現像によって前記電子写真感光体表面上に形成される可視像を記録媒体上に個別に転写させる転写手段とを備え、
前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
前記単層型感光層または前記積層型感光層からなる電子写真感光体が、前記のいずれか一つの電子写真感光体である画像形成装置が提供される。
実施の形態5
(画像形成装置)
図5は、本発明の画像形成装置100の構成例を示す図である。図5に示す画像形成装置100は、感光体3を搭載する複合機である。以下、図5を参照して複合機100の構成及び画像形成動作について説明する。なお、図5に記載の複合機100は、本発明の画像形成装置の単なる例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図5に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、本発明に関わる画像書込み装置に該当するものであり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a、11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81、82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a、11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
各給紙カセット81、82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで保持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c、12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
以下に一般式(1)で表されるジアミン化合物の合成例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの合成例および実施例により本発明が限定されるものではない。
<ジアミン化合物の合成例>
なお、以下の合成例で得られた化合物の化学構造、分子量および元素分析は、NMR、LC−MS、元素分析およびFT−IRにより測定し、目的の化合物が得られたことを確認した。
合成例1
前記の反応式において、一般式(6)および一般式(7)で示されるアミン化合物としてジベンジルアミン、一般式(8)で示されるジハロゲン化合物として4,4’−ビス(クロロメチル)フェニル、を用い、次の反応式に従って、例示化合物No.2を合成した。
Figure 0004663768
無水1,4−ジオキサン50ml中に4,4’−ビス(クロロメチル)フェニル6.06g(1.0当量)とジベンジルアミン10.0g(2.1当量)を加え、アイスバスで冷却した。この溶液中に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン6.86g(2.2当量)を徐々に加えた。その後、アイスバスを除去し、油浴を用い徐々に加熱して反応温度を100〜110℃まで上げ、100〜110℃を保つように加熱しながら4時撹拌した。
反応終了後、この反応溶液を放冷し、生じた沈殿を濾取し、充分に水洗した後、エタノールと酢酸エチルとの混合溶剤(エタノール:酢酸エチル=8:2〜7:3)で再結晶を行うことによって、白色粉末状化合物11.9gを得た。
この化合物のNMR、LC−MS、元素分析、およびのFT−IR等の分析結果から、得られた白色粉末状化合物が、例示化合物No.2のジアミン化合物であることがわかった。
合成例2〜11
上記の合成例1において、一般式(6)および(7)で示されるアミン化合物、一般式(8)で示されるジハロゲン化合物として、以下の表2に示す各原料化合物を用い、合成例1と全く同様にして、例示化合物No.1、4、8、14、22、29、38、50、53および57をそれぞれ合成した。なお、表4には、例示化合物No.2の原料化合物も併せて示す。
Figure 0004663768
また、上記の合成例1〜11で得られた各例示化合物の元素分析値と分子量の計算値およびLC−MSによる実測値[M+H]を以下の表に示す。
Figure 0004663768
Figure 0004663768
Figure 0004663768
<ポリアリレート樹脂の製造例>
製造例1
構造式(1−3)の調製
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.51g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.33g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0567g)および2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](11.99g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽(重合槽)に移した。
別途、テレフタル酸クロライド(8.80g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.49ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。
この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(226ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(226ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(226ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂(1−3)を得た。得られたポリアリレート樹脂(1−3)の粘度平均分子量は23,200であった。
なお、製造例で得られた樹脂の粘度平均分子量は、以下の方法で測定、および算出した。ポリアリレート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
製造例2〜5
製造例1において、以下の表に示されるビスフェノールとフタル酸クロライド、およびイソフタル酸クロライドを用いて同様の操作を行ない、前記表3−1〜3−3の構造式(1−1)、(1−2)、(1−6)および(1−12)の構造単位をもつポリアリレート樹脂をそれぞれ製造した。
Figure 0004663768
まず、直径:30mm、長さ:340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に種々の条件にて感光層を形成し、実施例及び比較例として準備した感光体について説明する。
実施例1(参考例)
酸化チタンTTO−MI−1(石原産業製)3重量部、CM−8000(東レ社製):アルコール可溶性ナイロン樹脂3重量部、メタノール60重量部、1,3−ジオキソラン
40重量部とをペイントシェイカにて10時間分散処理することで、下引層用塗布液3Lを調製した。
調製した下引層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜することで、下引層を形成
した。
次に、ブチラール樹脂(エスレックBM−2:積水化学製商標)10重量部、1,3−ジオキソラン1400重量部、構造式(9):
Figure 0004663768
で示されるチタニルフタロシアニン(例えば、特許登録3569422号公報に記載された公知の方法により作製)15重量部をボールミルにより72時間分散することで、電荷発生層用塗工液3Lを作製した。
この塗布液を、前記下引層を設けたアルミニウム製円筒状支持体上に浸漬塗布法により膜厚が0.2μmとなるように成膜することで、電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として、前記一般式(4)で表される表2に示す例示化合物No.5のエナミン化合物10重量部と、添加剤として、前記(I)で表される前記表1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物0.1重量部と、バインダ樹脂として前記表3−1に示す構造式(1−3)で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂(粘度平均分子量23,200)10重量部とを、テトラヒドロフラン40重量部とトルエン40重量部との混合溶媒に溶解させ、電荷輸送層用塗布液3Lを調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、先に形成した電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布した後、130℃で1時間乾燥させ、膜厚25μmの電荷輸送層を形成することで、実施例1の感光体を作製した。また、後述の耐オゾンガス性評価用に電荷輸送層の膜厚を15μmにした感光体も同様に作製した。
実施例2〜4
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1−1に示す例示化合物No.1、4、8のジアミン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例5(参考例)〜8(参考例)
電荷輸送層用塗布液のバインダ樹脂として、前記表3−1〜3−3に示す構造式(1−2)、(1−6)、(1−1)、(1−12)で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例9(参考例)
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物0.008重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例10(参考例)
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物1.2重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例11(参考例)
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物0.0004重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例12(参考例)
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物2重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例13(参考例)、14(参考例)
電荷輸送層用塗布液の電荷輸送物質として、前記一般式(4)で表される前記表2に示す例示化合物No.3、6のエナミン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例15(参考例)
電荷輸送層用塗布液の電荷輸送物質として、下記構造式(10):
Figure 0004663768
で表されるブタジエン系化合物(商品名:T-405、高砂香料社製)を用いる以外は、
実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例16(参考例)
電荷輸送層用塗布液の電荷輸送物質として、下記構造式(11):
Figure 0004663768
で表されるスチリル系化合物(保土谷化学工業株式会社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例17(参考例)
下引層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例18(参考例)
電荷発生材料として前記構造式(9)で示されるチタニルフタロシアニン8重量部をテトラヒドロフラン100重量部に混合しペイントシェイカーにて分散処理した後、前記一般式(4)で表される前記表2に示す例示化合物No.5のエナミン化合物80重量部、添加剤として、前記一般式(1)で表される前記表1−1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物2重量部と、バインダ樹脂である前記表3−1に示す構造式(1−3)で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂(粘度平均分子量23,200)100重量部と、テトラヒドロフラン300重量部とトルエン400重量部を混合し、攪拌して感光層用塗液3Lを調製した。
この塗液を直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に浸漬塗布法により塗布した後、130℃で1時間乾燥させ、膜厚25μmの感光層を形成することで、図3に示される構成の単層型感光体を作製した。また、後述の耐オゾンガス性評価用に電荷輸送層の膜厚を15μmにした感光体も同様に作製した。
実施例19(参考例)
実施例1と同様に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。
次に、前記表1−1に示す例示化合物No.2のジアミン化合物0.75重量部およびポリカーボネート樹脂(PCZ400:三菱ガス化学製)30重量部を混合し、シクロヘキサノンを溶剤として固形分10重量%の表面保護層形成用塗布液3Lを調製した。この表面保護層形成用塗布液を、先に設けた電荷輸送層表面に浸漬塗布法により塗布した後、150℃で30分間乾燥させ、膜厚1μmの表面保護層を形成することで、図4に示される構成の感光体を作製した。
比較例1
電荷輸送層用塗布液に添加剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
比較例2
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、下記構造式(12)で:
Figure 0004663768
表される化合物(商品名:K―NOX BHT、共同薬品社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
比較例3
電荷輸送層用塗布液の添加剤として、下記構造式(13):
Figure 0004663768
で表される公知の酸化防止剤(東京化成製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
比較例4
電荷輸送層用塗布液のバインダ樹脂として、ポリカーボネート樹脂(PCZ400:三菱ガス化学製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
比較例5
電荷輸送層用塗布液のバインダ樹脂として、ポリカーボネート樹脂(PCZ400:三菱ガス化学製)を用いる以外は、比較例2と同様にして、感光体を作製した。
比較例6
電荷輸送層用塗布液に添加剤を用いなかったこと以外は、比較例4と同様にして、感光体を作製した。
実施例1〜19及び比較例1〜6の各感光体を、デジタル複合機MX−2000(シャープ製)を現像器と表面電位測定器を交換できるよう改造した試験機に各色毎に装着し、評価を行った。
なお、実施例19においては、帯電、転写の極性を正帯電に改造し評価した。
[電気特性評価]
MX−2000(商品名:シャープ株式会社製)改造機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン製:model 344)を取り付けた。この複合機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−650Vに調整し、その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)し、感光体の初期の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。また、下記耐刷性評価試験後にも同様に試験後の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。この耐刷試験前後の露光電位差ΔVLの値が小さい程、繰り返し特性に優れていると評価した。
<判定基準>
◎:ΔVL<80(V)
○:80(V)≦ΔVL<150(V)
×:150(V)≦ΔVL
[耐刷性評価]
MX−2000改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm:初期線圧)に調整した。N/N環境中で、各感光体毎に上記文字テストチャートを記録紙10万枚に形成して耐刷試験を行なった。
耐刷試験開始時と10万枚画像形成後の感光層の厚みを、膜厚測定装置(商品名:F−20−EXR、フィルメトリックス製)を用いて測定した。耐刷試験開始時の膜厚と10万枚画像形成後の膜厚との差から、感光体ドラム10万回転あたりの削れ量を求めた。得られた削れ量から以下の基準で耐刷性を評価した。削れ量が多い程、耐刷性が悪いと評価した。
<判定基準>
◎:削れ量d<1.0μm/100k回転
○:1.0μm/100k回転≦削れ量d<1.6μm/100k回転
×:1.6μm/100k回転≦削れ量d
[画像劣化及び機械的耐久性評価]
MX−2000改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm:初期線圧)に調整した。温度25℃、相対湿度50%の環境中で、文字/写真テストチャートをA4記録紙4万枚に形成して試験を行った。
[画像劣化評価]
試験後の画質の低下レベルを調査するため、4万枚後の一晩放置前後において、半導体レーザのパルス幅を変調させて255階調分の80階調としたハーフトーン画像における濃淡差のある帯状のムラの有無を観察した。画像の判定基準は、以下の通りである。
<判定基準>
◎:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラなし。良好な画像。
○:目視にて、ハーフトーン画像に帯状濃度ムラが1〜2本あるが、実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、ハーフトーン画像に帯状濃度ムラが3本以上あり、実使用上問題となるレベル。
[耐オゾンガス性評価]
感光体(電荷輸送層、及び単層の場合は感光層の層厚:15μm)を前記試験用複合機にそれぞれ搭載し、N/N環境下において、帯電直後の感光体の表面電位V1(V)および帯電から3秒間経過後の感光体の表面電位V2(V)を測定した。測定された帯電直後の表面電位V1(V)および帯電から3秒間経過後の表面電位V2(V)を下記式(I)に代入し、電荷保持率DD(%)を算出し、これを初期電荷保持率DD0とした。
Figure 0004663768
次いで、オゾン発生・制御装置(商品名:OES−10A、ダイレック株式会社製)を用い、各感光体をオゾン濃度が約7.5ppm(ダイレック株式会社製のオゾン濃度計MODEL1200(商品名)にて確認)に調整された密閉された容器中で20時間オゾンに曝露した。オゾンへの曝露後、各感光体を温度25℃、相対湿度50%の環境下に2時間放置した後、オゾン曝露前と同様にして電荷保持率DD(%)を求め、これをオゾン曝露後の電荷保持率DD02とした。
オゾン曝露前の電荷保持率すなわち初期電荷保持率DD0からオゾン曝露後の電荷保持率DD02を差引いた値を、電荷保持率変化量ΔDD(=DD0−DD02)として求め、耐オゾンガス性の評価指標とした。
<判定基準>
◎:ΔDD<3.5
○:3.5≦ΔDD<5.0
×:5.0≦ΔDD
[総合評価]
上記3項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:4項目すべて◎
○:4項目とも◎或いは○
×:少なくとも1つ以上×
評価結果を以下の表7に示す。
Figure 0004663768
上記の結果から、電荷輸送層中、及び表面保護層に構造式(1)で表されるジアミン化合物を用いた実施例1〜19、及び比較例4は耐刷性評価を行った後の画像劣化評価において良好な結果を得られたが、それ以外の添加剤を用いた比較例1〜3、5、6は耐刷後の文字画像がボケ、画像劣化を引き起こした。
また、電荷輸送層中に構造式(I)で表されるポリアリレート樹を用いた実施例1〜18、表面保護層を設けた実施例19、及び比較例1〜3は耐刷性に優れ、ポリカーボネートを用いた比較例4〜6は実施例に比べると劣る結果となった。
さらに、構造式(1)で表されるジアミン化合物の添加量を実施例1、9〜12で比較すると、0.01%以上の実施例1、9、10、12は耐刷性評価を行った後の画像劣化評価において良好な結果を得られたが、0.01%より少ない実施例11は耐刷後の文字画像がややボケ、添加量が不足することがわかった。
また、添加量が20%より多い実施例12は耐刷試験前後の露光電位差ΔVLがやや大きく、添加量が過剰気味であることがわかった。このことから、添加範囲は0.01%以上で20%以下が好ましいといえる。
また、電荷輸送層中の電荷輸送物質の違いを実施例1、13〜16で比較すると、一般式(4)で表される電荷輸送物質を用いた実施例1、13、14は耐刷性に優れ、一般式(4)以外の電荷輸送物質を用いた実施例15、16は耐刷性にやや劣ることがわかった。
したがって、より優れた電子写真感光体にするためには一般式(4)で表される電荷輸送物質を用いることが好ましいといえる。
以上のように、特定のジアミン化合物と特定のポリアリレート樹脂を感光層に含有させることによって、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、かつ画像ボケなどの異常画像が発生せず、長期にわたり安定した画像出力が可能な高耐久の感光体を得ることができた。
本発明によれば、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、かつ色ムラなどの異常画像が発生せず、長期にわたり安定した画像出力が可能な高耐久の電子写真感光体およびそれを備えたカラー画像形成装置を提供することができる。
本発明の積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の単層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の他の積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の表面保護層を設けた感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
符号の説明
1 露光ユニット
2 現像器
3 感光体ドラム
4 クリーナユニット
5 帯電器
6 中間転写ベルトユニット
7 定着ユニット
10 転写ローラ
11a、11b ピックアップローラ
12a〜12d 搬送ローラ
13 レジストローラ
61 中間転写ベルト
62 中間転写ベルト駆動ローラ
63 中間転写ベルト従動ローラ
64 中間転写ローラ
65 中間転写ベルトクリーニングユニット
71 ヒートローラ
72 加圧ローラ
73 外部加熱ベルト
81 給紙カセット
82 手差し給紙カセット
91 排紙トレイ
92 原稿載置台
100 レーザプリンタ(画像形成装置)
110 装置本体
120 自動原稿処理装置
201、202、203、204 感光体
211 導電性支持体(導電性基体)
212 電荷発生物質
213 電荷輸送物質
214、240 感光層
215 電荷発生層
216 電荷輸送層
217 バインダ樹脂
218 下引層
219 表面保護層

Claims (11)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
    前記電子写真感光体は、以下の一般式():
    Figure 0004663768
    [式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は、互いに独立して、:
    Figure 0004663768
    からなる群から選択される置換基であり、
    Ar 5 は、次の:
    Figure 0004663768
    からなる群から選択される置換基である]
    で表されるジアミン化合物を含有し、更に、以下の一般式(I):
    Figure 0004663768
    [式中、X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよい)を示し;
    1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示し;
    7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す]
    で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記一般式(I)で表される構造単位を有するポリアリレート樹脂において、
    前記X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよい)を示し;
    前記R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基またはアリール基を示し;
    前記R7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す、
    構造単位を有するポリアリレート樹脂である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(I)で表される構造単位を有するポリアリレート樹脂において、前記X1は、結合手または−CR56−(ここで、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、メチル、トリフルオロメチル、フェニルもしくはp−トリル基を示すか、またはR5及びR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって1,1−シクロヘキシレンまたは5,6,7,8−テトラヒドロ−6−ナフチリデン基を示す)を示し;
    前記R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはp−トリル基を示し;
    前記R7、R8、R9及びR10は、互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチルまたはトリフルオロメチル基を示す、
    構造単位を有するポリアリレート樹脂である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電子写真感光体が、
    前記単層型感光層の場合には、前記導電性支持体と、前記感光層との間に下引き層が設けられており、
    前記積層型感光層の場合には、前記導電性支持体と、前記電荷発生層との間に下引き層が設けられている請求項1〜のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記電子写真感光体が、
    前記単層型感光層の場合には、前記感光層の外表面に、さらに表面保護層が設けられており、前記積層型感光層の場合には、前記積層型感光層の外表面に、さらに表面保護層が設けられている請求項1〜のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記電子写真感光体が、
    前記単層型感光層の場合には前記感光層が、前記積層型感光層の場合には前記電荷輸送層が、請求項1に記載のジアミン化合物を含有する請求項1〜のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記電子写真感光体が、
    前記単層型感光層の場合には、前記単層型感光層が含有する電荷輸送物質の重量Tと、
    前記積層型感光層の場合には、前記電荷輸送層における電荷輸送物質の重量Tと、
    請求項1に記載のジアミン化合物の重量Jとの比率J/Tが、0.01/100以上10.0/100以下の範囲で、電荷輸送物質およびジアミン化合物を、
    それぞれ含有する請求項1〜のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  8. 前記電子写真感光体が、
    前記単層型感光層の場合には、前記単層型感光層が、また
    前記積層型感光層の場合には、前記電荷輸送層が、
    下記一般式(4):
    Figure 0004663768
    [式中、Ar11およびAr12は、互いに独立して置換基を有してもよいアリールまたは複素環基を示し;Ar13は、置換基を有してもよいアリール、複素環、アラルキルまたはアルキル基を示し;Ar14およびAr15は、互いに独立して水素原子、置換基を有してもよいアリール、複素環、アラルキルまたはアルキル基を示すが、ただし、Ar14およびAr15が共に水素原子になることはなく、Ar14およびAr15は、それらが結合している炭素原子と一緒になって原子または原子団を含む環構造を形成してもよく;aは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノまたはアリール基を示し;mは1〜6の整数を示し、mが2以上のとき、複数のaは、それぞれ同一でも異なってもよく、それらが結合する炭素原子と一緒になって環構造を形成してもよく;R11は、水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルキル基を示し;R12、R13およびR14は、それぞれ水素原子、置換基を有してもよいアルキル、アリール、複素環またはアラルキル基を示し;nは0〜3の整数を示し、nが2または3のとき、複数のR12は同一でも異なってもよく、複数のR13は同一でも異なってもよいが、ただし、nが0のとき、Ar13は置換基を有してもよい複素環基を示す]
    で示されるエナミン系化合物を電荷輸送物質として含有する請求項1〜のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 前記一般式(4)において、
    次の部分構造:
    Figure 0004663768
    が、以下の置換分:
    Figure 0004663768
    からなる群から選択される置換分であり、
    前記のAr11、Ar12、Ar13、Ar14およびAr15が、互いに独立して水素原子、メチル、フェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニルおよび4−メトキシフェニル基から選択される基であり、
    前記のR11、R12、R13およびR14が、水素原子であり、
    前記のnが、1である請求項に記載の電子写真感光体。
  10. 請求項1〜のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段と、前記静電潜像を転写材に転写する転写手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  11. 白黒用とカラー用とに区別されて用いられる複数の電子写真感光体と、前記複数の電子写真感光体の表面を個別に帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面に対して個別に露光を施す露光手段と、互い異なる色の現像剤を収容し、露光によって前記電子写真感光体表面上に形成される静電潜像を前記現像剤でそれぞれ個別に現像する複数の現像手段と、現像によって前記電子写真感光体表面上に形成される可視像を記録媒体上に個別に転写させる転写手段とを備え、
    前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層が積層されてなり、
    前記単層型感光層または前記積層型感光層からなる電子写真感光体が、請求項1〜のいずれか一つに記載の電子写真感光体である請求項10に記載の画像形成装置。
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