JPH07128884A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07128884A
JPH07128884A JP27214193A JP27214193A JPH07128884A JP H07128884 A JPH07128884 A JP H07128884A JP 27214193 A JP27214193 A JP 27214193A JP 27214193 A JP27214193 A JP 27214193A JP H07128884 A JPH07128884 A JP H07128884A
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Application number
JP27214193A
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English (en)
Inventor
Keisuke Sumita
圭介 住田
Nariaki Muto
成昭 武藤
Mikio Kadoi
幹男 角井
Sakae Saito
栄 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高感度で耐久性にすぐれた高性能な電子写真
感光体を提供する。 【構成】 電荷発生材料として一般式(1): (式中、AおよびAはカップラー残基を、Rは水
素原子、アルキル基、アリール基または複素環式基を示
し、nは0または1を示す。)で表されるビスアゾ顔料
を、電荷輸送材料として一般式(2): (式中、R〜Rはアルキル基、アルコキシ基など
を、p,qは0〜3の整数を、k,l,mおよびoは0
〜2の整数を示す。)で表されるジアミン系化合物を、
結着樹脂としてポリカーボネートおよびポリアリレート
を含有する感光層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成
装置に利用される電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来技術】カールソンプロセス等の電子写真法は、コ
ロナ放電により、電子写真感光体の表面を均一に帯電さ
せる工程と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し
て、当該表面に静電潜像を形成する露光工程と、形成さ
れた静電潜像に現像剤を接触させて、この現像剤に含ま
れるトナーにより、静電潜像をトナー像に顕像化する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。
【0003】近時、上記電子写真法に使用される電子写
真感光体には、毒性があるために取扱いが困難なセレ
ン、硫化カドミウム等の無機光導電体を主成分とするも
のに代わって、毒性の少ない有機光導電性化合物を使用
した、いわゆる有機感光体が種々提案されている。かか
る有機感光体は、加工性がよく、製造が容易であると共
に、機能設計の自由度が大きいという利点がある。
【0004】このような有機感光体には、一般に、光照
射により電荷を発生させる電荷発生材料と、発生した電
荷を輸送する電荷輸送材料とを含む機能分離型の感光層
が多く使用されている。上記電子写真感光体に使用され
る電荷発生材料として、特開平1−202757号公報
には特定のビスアゾ顔料が開示されている。このビスア
ゾ顔料は、下記の一般式(1) で表される。
【0005】
【化5】
【0006】(式中、A1 およびA2 は同一または異な
ってカップラー残基を示し、R1 は水素原子、アルキル
基、アリール基または複素環式基を示し、アルキル基、
アリール基および複素環式基は置換基を有していてもよ
い。nは0または1を示す。)かかるビスアゾ顔料(1)
は、熱および光に対して安定で、高い電荷発生効率を有
し高感度で繰り返し特性にもすぐれているという利点を
有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電荷発生材
料および電荷輸送材料を用いた機能分離型の有機感光体
を作成するためには、感度、電位保持性、電位安定性、
残留電位等の電子写真特性をすべて満足させるマッチン
グのよい材料を選択しなければならない。例えば、いく
ら電荷発生材料が充分な電荷を発生したとしても、その
電荷を効率よく注入し、搬送することが可能な電荷輸送
材料と組み合わせないと、満足のいく電子写真特性を得
ることが出来ない。
【0008】前記特開平1−202757号公報によれ
ば、一般式(1) で表されるビスアゾ顔料を種々の電荷輸
送材料(キャリア移動物質)と組み合わせて使用するこ
とにより、熱および光に対して安定な感光体が得られる
旨が開示されている。しかし、前記公報に開示されてい
る電荷発生材料は、通常使用される電荷発生材料である
フタロシアニン系、ペリレン系の顔料、フルオレン型ビ
スアゾ顔料(特開昭57−96345号公報)、ペリノ
ン骨格を持ったカップラーを有するオキサジアゾール型
アゾ顔料(特開昭59−229564号公報)等と比較
して、複写機内で発生するオゾンや窒素酸化物NOx 、
光等により酸化劣化しやすく、感光体特性の低下を引き
起こしやすいという欠点がある。かかるビスアゾ顔料
(1) の酸化劣化は、オゾン等がアゾ基に吸着してアゾ基
を分解するために生じると推測される。
【0009】このような酸化劣化は、上記ビスアゾ顔料
(1) を、電子供与性化合物である電荷輸送材料と組み合
わせて使用したときに促進される。これは、電子供与性
化合物の塩基性が強い場合、電子供与性化合物がアゾ基
に配位し、アゾ基の電子密度を増加させるため、オゾン
や窒素酸化物の攻撃を受けやすくなるためと考えられ
る。
【0010】また、電荷発生材料と電荷輸送材料とのマ
ッチングがよくても、これらの材料を結合して感光層を
構成する結着樹脂の物性に問題があると、総合的に電子
写真特性にすぐれた感光体は得られない。例えば感光層
の強度が十分でない場合や感光層の下地への接着性が十
分でない場合には、画像形成装置内において感光体表面
に圧接されたクリーニングブレード、トナー飛散防止用
のフェルト、帯電ローラ、転写ローラ等の部材や、画像
形成時に感光体表面に接触する紙等からの物理的な衝撃
により、表面に傷が付いたり感光層が剥離したりしやす
いため、いくら感度がよくても欠陥のない良好な画像が
得られず、またいくら繰り返し特性がよくても十分な耐
久性が得られないのである。
【0011】そこで本出願人は、前記一般式(1)で表
されるビスアゾ顔料を電荷発生材料として用い、高感度
で耐久性に優れた高性能な電子写真感光体を提供するこ
とを目的として、前記一般式(1)で表されるビスアゾ
顔料と前記一般式(2)で表されるジアミン系化合物
と、結着樹脂としてのポリカーボネートと特定のポリエ
ステルを組み合わせた電子写真感光体を先に出願した。
(特願平4−111911号)すなわち、先の出願は、
「電荷輸送材料として使用する前記ジアミン系化合物
(2)は電子の非極在化が進んでおり、かつ窒素原子を
フェニル基が取り囲んだ立体的な障害のため、ビスアゾ
顔料(1)のアゾ基への配位が阻害されており、そのた
めアゾ基の電子密度を増加させることがないので、前記
ポリエステルの極性基としてのカルボニル基(アクセプ
ター)やオゾン等の攻撃を受けにくく、また前記特定の
ポリエステルが、従来のものに比べて主鎖が柔軟で、接
着性に寄与するエステル結合が下地に十分作用するの
で、少量の添加で感光層の接着性を十分向上できる。」
という技術思想に基づくものであった。しかしながら、
先の出願の感光体(特願平4−111911号)では、
帯電能に問題があり、本発明者らは、前記一般式(1)
で表されるビスアゾ顔料を電荷発生材料として用い、帯
電能の低下が少なく、さらに高感度で耐久性に優れた電
子写真感光体を提供することを目的とした。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記ビスアゾ顔料と組み合わせて使用する電荷輸送
材料ならびに結着樹脂について鋭意研究を重ねた結果、
導電性基体上に、電荷発生材料として前記一般式(1) で
表されるビスアゾ顔料を、電荷輸送材料として一般式
(2) :
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
よびR7 は同一または異なってアルキル基、アルコキシ
ル基、ハロゲン原子、アリール基、ニトロ基、シアノ基
またはアルキルアミノ基を示す。p,qは0〜3の整数
を示す。k,l,mおよびoは0〜2の整数を示す。)
で表されるジアミン系化合物を、結着樹脂としてポリカ
ーボネートおよびポリアリレートをそれぞれ含有する感
光層を設けた電子写真感光体が、先の出願(特願平4−
111911号)に比べて、上記ビスアゾ顔料(1) の有
するすぐれた利点を損なわずに、帯電能の低下が少な
く、より高い感度および耐久性を発揮しうるという新た
な事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0015】すなわち、本発明においては、上記特定の
電荷発生材料と電荷輸送材料と結着樹脂とを組み合わせ
ることにより、オゾンや窒素酸化物、さらに光による酸
化劣化に対して安定で、しかも導電性基体等の下地に対
する接着性にすぐれかつ強靱な感光層を形成できるた
め、帯電能の低下を防ぎ、なおかつ感度および耐久性を
向上させることができる。本発明における上記電荷発生
材料と電荷輸送材料と結着樹脂との組合せによる作用は
必ずしも明らかではないが、オゾンや窒素酸化物やアク
セプターによって引き起こされる酸化劣化等の抑制作用
および高感度化については、以下のように考えられる。
【0016】(電荷発生材料と電荷輸送材料の関係)前
述のように、電荷輸送材料として使用する前記ジアミン
系化合物(2) は電子の非局在化が進んでおり、かつ窒素
原子をフェニル基が取り囲んだ立体的な障害のため、ビ
スアゾ顔料(1) のアゾ基への配位が阻害されており、そ
のためアゾ基の電子密度を増加させることがないので、
窒素酸化物やオゾン等の攻撃を受けにくくなる。
【0017】加えて、上記ビスアゾ顔料(1) は高い電荷
発生効率を有し高感度であることと、上記ジアミン系化
合物(2) がイオン化ポテンシャルにおいてビスアゾ顔料
(1)と良い関係にあり、しかも耐光性、耐久性にすぐれ
移動度の電界強度異存性も少ないことから、これらの諸
特性が減じられることなく、最適な組み合わせとなって
電子写真感光体の高性能化となって発現したものと考え
られる。
【0018】なおビスアゾ顔料(1) とジアミン系化合物
(2) とがイオン化ポテンシャルにおいて良い関係にある
とは、両者のイオン化ポテンシャルが近似〔(ビスアゾ
顔料(1) のイオン化ポテンシャルは5.7〜5.9eV
程度、ジアミン系化合物(2)のイオン化ポテンシャルは
5.4〜5.7eV程度)〕しており、露光時にビスア
ゾ顔料(1) からジアミン系化合物(2) への電荷の注入
が、障壁がなく容易に行われることを指し、イオン化ポ
テンシャルの差がおよそ0.3eV以内となるビスアゾ
顔料(1) とジアミン系化合物(2) とを組み合わせれば、
繰り返し特性等が向上する。これに対し、電荷発生材料
と電荷輸送材料とが良い関係にない場合とは、イオン化
ポテンシャルの差が大きすぎることを言う。たとえば電
荷発生材料のイオン化ポテンシャルが電荷輸送材料のイ
オン化ポテンシャルに比べてかなり大きい場合には、帯
電時(暗時)に電荷発生材料から電荷輸送材料へ電荷が
注入されやすくなるため、帯電能の低下が生じる。逆に
電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルが電荷発生材料の
イオン化ポテンシャルに比べてかなり大きい場合には、
とくに低電界での電荷の注入が困難になり、露光後電位
が大きくなる。
【0019】(電荷発生材料と電荷輸送材料と結着樹脂
の関係)感光体への露光により光を吸収した電荷発生材
料は、イオン対〔正孔(+)・電子(−)〕を生成す
る。この生成したイオン対がキャリアとなり有効に表面
電荷を打ち消す為には、イオン対が再結合して消失して
しまう割合が小さい方がよい。ここで、電荷発生材料周
辺にアクセプター性官能基を有する化合物が存在する
と、電荷発生材料周辺が局所的に強電界となり、生成し
たイオン対が再結合するのを阻止することができる。本
発明では、アクセプター性官能基を有するポリアリレー
トを含んだ樹脂媒質中に電荷発生材料が分散している
為、電荷発生材料に近接してアクセプター性官能基が存
在することになる。従って、イオン対の生成の際、電子
がアクセプター性官能基側に移動し、イオン対がキャリ
アへ分離し易くなり、電荷発生効率が向上するため高感
度化に繋がる。一方高感度である為には、キャリアの移
動時に不純物によるキャリアトラップが発生しないこと
も必要となる。上記アクセプター性官能基は、電荷発生
効率の向上に寄与する反面、キャリアトラップとも成り
うる。通常、キャリアの移動過程には少量の不純物等に
よるトラップが存在し、キャリアは、トラップ−脱トラ
ップを繰り返しながら移動してゆく。従って、キャリア
が脱トラップ不可能なレベルに落ち込むと、キャリアト
ラップとなってしまいその移動は中断される。後述の実
施例より明白なように、ポリエステルもポリアリレート
もアクセプター性官能基(カルボニル基等)を繰り返し
単位中に含有しているものの、ポリアリレートを含有し
ている本発明の感光体の方が、耐光性や耐NOX性に優
れ、予想外に露光後電位が低いことが判る。この結果、
露光後電位にはアクセプター性の強弱が影響すると考え
られる。結着樹脂のアクセプター性の強弱は、通常、主
鎖と官能基の関係で決定されるといわれている。このこ
とから、ポリアリレートに比べてポリエステルの方がア
クセプター性が強く、両結着樹脂のキャリア輸送に対す
るトラップレベルを考えると、ポリエステルの方がトラ
ップの深さが深く、電界によってもキャリアが脱トラッ
プされず、露光後電位として測定されるものである。こ
れに対してポリアリレートの方はアクセプター性が弱
く、これに伴いトラップの深さも浅く、キャリアがアク
セプター性官能基によるトラップに落ち込んだとして
も、電界によって脱トラップが可能なレベルであり、キ
ャリア移動の障害にならないと推論される。この様にト
ラップの存在はキャリアの移動を妨げ、露光後電位の上
昇、蓄積の原因となるため、トラップ準位を電荷輸送材
料に対して浅くする必要がある。また前記ポリアリレー
トは、接着性に寄与するエステル結合部が下地に十分に
作用するので、強靱な物性を有するポリカーボネート製
の感光層の接着性を向上させることができる。
【0020】
【好適態様】前記一般式(1) で表されるビスアゾ顔料に
おいて、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭
素数1〜6のアルキル基があげられる。アリール基とし
ては、例えばフェニル基、o−ターフェニル基、ナフチ
ル基、アントリル基、フェナントリル基等があげられ
る。複素環式基としては、例えばチエニル基、ピロリル
基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリ
ル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル
基、2H−イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリ
ル基、テトラゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピベ
リジル基、ピペリジノ基、3−モルホリニル基、モルホ
リノ基、チアゾリル基などがあげられる。また、芳香族
環と縮合した複素環式基であってもよい。
【0021】上記基に置換してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化さ
れてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基
を有することのある炭素数2〜6のアルケニル基等が挙
げられる。A1 、A2 で表されるカップラー残基として
は、例えば一般式(a) 〜(g) に示す基が挙げられる。
【0022】
【化7】
【0023】各式中、R30は、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、アン
トラニロイル基、カルバゾイル基、グリシル基、ヒダン
トイル基、フタルアモイル基、および、スクシンアモイ
ル基を表す。これらの基は、ハロゲン原子、置換基を有
してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル
基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、
カルボニル基、カルボキシル基等の置換基を有していて
もよい。
【0024】R31は、上記R30および水酸基を有するベ
ンゼン環と縮合して芳香族環、多環式炭化水素または複
素環を形成するのに必要な原子団を表し、これらの環は
前記と同様な置換基を有してもよい。R32は、酸素原
子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R33は、2価
の鎖式炭化水素または芳香族炭化水素を表し、これらの
基は前記と同様な置換基を有してもよい。
【0025】R34は、アルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、または、複素環基を表し、これらの基は前記と
同様な置換基を有してもよい。R35は、2価の鎖式炭化
水素、芳香族炭化水素、または、上記一般式(e)(f)中
の、下記式(h):
【0026】
【化8】
【0027】で表される部分とともに複素環を形成する
のに必要な原子団を表し、これらの環は前記と同様な置
換基を有してもよい。R36は、水素原子、アルキル基、
アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アロフ
ァノイル基、カルボキシル基、カルボキシル基のエステ
ル、アリール基、または、シアノ基を表し、水素原子以
外の基は前記と同様な置換基を有していてもよい。
【0028】R37は、アルキル基またはアリール基を表
し、これらの基は前記と同様な置換基を有してもよい。
前記R31において、R30および水酸基を有するベンゼン
環と縮合して芳香族環を形成するのに必要な原子団とし
ては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
【0029】上記R31と、R30および水酸基を有するベ
ンゼン環との縮合により形成される芳香族環としては、
例えばナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン
環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環等が挙げられ
る。前記R31において、R30および水酸基を有するベン
ゼン環と縮合して多環式炭化水素を形成するのに必要な
原子団としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等の、炭素数1〜4のアルキレン
基があげられる。
【0030】前記R31において、R30および水酸基を有
するベンゼン環と縮合して多環式炭化水素としては、例
えばカルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾ
フラン環等が挙げられる。また、R31において、R30
よび水酸基を有するベンゼン環と縮合して複素環を形成
するのに必要な原子団としては、例えばベンゾフラニル
基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、1H−イン
ドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル
基、1H−インダドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ク
ロメニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、キノリ
ニル基、イソキノリニル基、シンノリニル基、フタラジ
ニル基、キナゾニリル基、キノキサリニル基、ジベンゾ
フラニル基、カルバゾリル基、キサンテニル基、アクリ
ジニル基、フェナントリジニル基、フェナジニル基、フ
ェノキサジニル基、チアントレニル基等があげられる。
【0031】上記R31と、R30および水酸基を有するベ
ンゼン環との縮合により形成される芳香族性複素環基と
しては、例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、オ
キサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イ
ソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリ
アゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、チアゾリル
基があげられる。また、さらに他の芳香族環と縮合した
複素環基(例えばベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリ
ル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キ
ノリル基など)であってもよい。
【0032】前記R33,R35において、2価の鎖式炭化
水素としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチ
レン基等が挙げられ、2価の芳香族炭化水素としては、
例えばフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン
基等があげられる。前記R34において、複素環基として
は、例えばピリジル基、ピラジル基、チエニル基、ピラ
ニル基、インドリル基等が挙げられる。
【0033】前記R35において、前記式(h) で表される
部分とともに複素環を形成するのに必要な原子団として
は、例えばフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等があ
げられる。上記R35と、前記式(h) で表される部分とに
より形成される芳香族性複素環基としては、例えばベン
ゾイミダゾール基、ベンゾ〔f〕ベンゾイミダゾール
基、ジベンゾ〔e,g〕ベンゾイミダゾール基、ベンゾ
ピリミジン基等があげられる。これらの基は前記と同様
な置換基を有してもよい。
【0034】前記R36において、カルボキシル基のエス
テルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステル等があげられ
る。上記一般式(a) 〜(g) で表されるカップラー残基A
1 ,A2 の具体例としては、例えば以下のような基が挙
げられる。
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】上記ビスアゾ系化合物(1) の具体例として
は、例えば下記式(B1)〜(B11) に示す化合物があげられ
る。
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】前記一般式(2) で表されるジアミン系化合
物において、式中のR2 〜R7 に相当するアルキル基お
よびアリール基としては、例えば前記一般式(1) で示し
た基と同様のものが挙げられる。ハロゲン原子として
は、例えば塩素、ヨウ素、臭素、フッ素が挙げられる。
アルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、
ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0044】アルキルアミノ基としては、例えばメチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ
基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチル
アミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などが
あげられる。前記一般式(2) で表されるジアミン系化合
物の具体的化合物としては、例えば下記式(A1)〜(A13)
に示す化合物があげられる。
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】前記ジアミン系化合物(2) は、種々の方法
で合成することが可能であり、例えば、下記一般式(40)
で表される化合物と一般式(41)〜(44)で表される化合物
とを同時または順次反応させることにより製造すること
ができる。
【0051】
【化21】
【0052】(式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
7 ,k,l,m,o,p,およびqは前記に同じ。X
はハロゲン原子を示す。) 上記一般式(40)で表される化合物と一般式(41)〜(44)で
表される化合物との反応は、通常有機溶媒中で行われ、
溶媒としてはこの反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれ
ばいずれの溶媒も使用でき、例えば、ニトロベンゼン、
ジクロロベンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド
などの有機溶媒が例示される。反応は、通常、銅粉、酸
化銅、ハロゲン化銅などの触媒、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの塩基性物質の存
在下、150〜250℃の温度で行われる。
【0053】また、対称構造を有する一般式(2) で表さ
れる化合物は、置換基R2 ,R3 ,R4 およびR5 の置
換位置などが制御されており、例えば下記一般式(45)で
表される化合物と一般式(41)(43)で表される化合物との
反応により下記一般式(46)で表される化合物を得、次い
で一般式(46)で表される化合物を加水分解して脱アシル
化し、下記一般式(47)で表される化合物を得た後、さら
に一般式(42)(44)で表される化合物と反応させることに
より製造することができる。
【0054】
【化22】
【0055】(式中、R8 およびR9 はアルキル基を示
し、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,k,l,
m,o,p,およびqは前記に同じ。) 上記一般式(45)で表される化合物と一般式(41)(43)で表
される化合物との反応は、前記一般式(40)で表される化
合物と一般式(41)(42)(43)(44)で表される化合物との反
応と同様にして行うことができる。一般式(46)で表され
る化合物の加水分解による脱アシル化反応は、塩基性触
媒の存在下、常法により行うことができる。また、上記
一般式(47)で表される化合物と一般式(42)(44)で表され
る化合物との反応は、前記一般式(40)で表される化合物
と一般式(41)(42)(43)(44)で表される化合物との反応と
同様に行うことができる。
【0056】反応終了後、反応混合物を濃縮し、再結
晶、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー等の慣用の手
段で容易に分離精製することができる。ポリアリレート
としては、従来公知の種々のものが使用できるが、とく
に前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する化合
物が好適に使用される。前記一般式(3) で表されるポリ
アリレートにおいて、式中R8 〜R11に相当するアルキ
ル基、アリール基およびそれぞれの置換基としては、例
えば前記一般式(1)で示した基と同様のものが挙げら
れる。上記ポリアリレート(3)の具体的化合物として
は、例えば下記(D1)〜(D7)の繰り返し単位を有
する化合物が挙げられる。
【0057】
【化23】 結着樹脂としてのポリカーボネートとポリアリレートの
うち、ポリアリレートの含有割合は、1〜30重量%、
特に1〜5重量%であるのが好ましい。ポリアリレート
の含有割合が1重量%未満では、感光層の接着性を十分
に向上できないおそれがあり、含有割合が30重量%を
大幅に上回るときは、帯電能が低下し、露光後電位が上
昇するおそれがある。また、ポリカーボネートの含有割
合が少なくなる分、強度が低下して、耐擦傷性に優れた
強靱な感光層が得られなくなるおそれもある。
【0058】ポリアリレートとともに結着樹脂に使用さ
れるポリカーボネートとしては、従来公知の種々のもの
が使用できるが、とくに前記一般式(4)(5)(6)の何れか
で表される繰り返し単位を有する化合物のうち少なくと
も一種が好適に使用される。前記一般式(4)(5)(6)中の
脂肪族基としては、前記と同様なアルキル基やアルコキ
シル基があげられ、芳香族基としては前記と同様なアリ
ール基や、ベンジル基等のアラルキル基があげられる。
これらの基は前記と同様な置換基を有していてもよい。
【0059】前記一般式(4) で表されるポリカーボネー
トの具体的化合物としては、例えば下記(K1)〜(K3)の繰
り返し単位を有する化合物があげられる。
【0060】
【化24】
【0061】また、一般式(5) で表されるポリカーボネ
ートの具体的化合物としては、例えば下記(K4)の繰り返
し単位を有する化合物があげられる。
【0062】
【化25】
【0063】(上記式中sおよびtは
【0064】
【数2】
【0065】である。) さらに、一般式(6) で表されるポリカーボネートの具体
的化合物としては、例えば下記(K5)〜(K7)の繰り返し単
位を有する化合物があげられる。
【0066】
【化26】
【0067】本発明の感光体は、感光層として単層型お
よび積層型の何れにも適応可能である。但し、電荷発生
材料と電荷輸送材料と結着樹脂との組み合わせによる効
果は、特に各材料が同一の層内に含有された単層型感光
層においてより顕著に顕れるので、本発明は、単層型感
光層を備えた電子写真感光体に適用するのがより好まし
いといえる。
【0068】単層型の感光体を得るには、電荷発生材料
である前記ビスアゾ顔料(1) と、電荷輸送材料である前
記ジアミン系化合物(2) と、結着樹脂であるポリカーボ
ネートおよびポリアリレート等とを含有する感光層を塗
布等の手段により導電性基体上に形成すればよい。ま
た、積層型の感光体を得るには、導電性基体上に、蒸着
または塗布等の手段により前記ビスアゾ顔料(1) と結着
樹脂とを含有する電荷発生層を形成し、この電荷発生層
上に、前記ジアミン系化合物(2) と結着樹脂とを含有す
る電荷輸送層を形成すればよい。また、上記とは逆に、
導電性基体上に電荷輸送層を形成し、次いで電荷発生層
を形成してもよい。積層型の場合、上下両層の結着樹脂
をともにポリカーボネートとポリアリレートで構成する
のが、強靱でかつ接着性に優れた感光層を形成する上で
より好ましいが、何れか一方の層をポリカーボネートと
ポリアリレートで構成するだけでもよい。
【0069】なお、電荷発生材料としては、前記ビスア
ゾ顔料(1) の他に、所望の領域に吸収波長域を有するよ
うに電子写真感光体の感度領域を拡げる等の目的の為、
さらに、従来公知の他の電荷発生材料を併用することも
できる。他の電荷発生材料としては、セレン、セレン−
テルル、セレン−ヒ素、アモルファスシリコン、ピリリ
ウム塩、前記一般式(1) で表されるもの以外のアゾ系顔
料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系
顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系
顔料、キナクリドン系顔料、ジチオケトピロロピロール
系顔料等が挙げられる。
【0070】電荷輸送材料である前記ジアミン系化合物
(2) は、単独で使用する他、従来公知の他の電荷輸送材
料と組み合わせて使用することができる。従来公知の電
荷輸送材料としては、種々の電子吸引性化合物、電子供
与性化合物を用いることができる。電子吸引性化合物と
しては、例えば2,6−ジメチル−2, ,6, −ジte
rt−ジブチルジフェノキノン等のジフェノキノン誘導
体、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシア
ノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等の
フルオレノン系化合物、ジニトロベンゼン、ジニトロア
ントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示される。
【0071】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系
化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化
合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、
イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾ
ール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物
が例示されている。
【0072】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
積層型の場合、電荷輸送層の結着樹脂は必ずしも必要で
ない。結着樹脂としては、前記ポリカーボネートおよび
ポリアリレートの他に、感光層の強度や接着性を阻害し
ない範囲で、種々の樹脂を併用することができる。例え
ばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステルアルキド樹脂、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ジアリル
フタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキ
シアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性
樹脂等があげられる。これらの結着樹脂は1種または2
種以上を混合して用いることができる。
【0073】単層型および積層型の各有機感光層には、
増感剤、フルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の劣化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有させること
ができる。また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を電荷発生材料と併用しても
よい。
【0074】積層感光体において、電荷発生層を構成す
る電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
発生材料5〜1000重量部、特に30〜500重量部
の割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する電
荷輸送材料と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しな
い範囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で使用す
ることができるが、光照射により電荷発生層で生じた電
荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に
対して、電荷輸送材料10〜500重量部、特に25〜
200重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0075】また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生
層が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に
形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、特に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
単層型の感光体においては、結着樹脂100重量部に対
して電荷発生材料は0.1〜50重量部、特に0.5〜
30重量部、電荷輸送材料は20〜500重量部、特に
30〜200重量部であるのが適当である。また、単層
型の感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μ
m程度に形成されるのが好ましい。
【0076】単層型感光体にあっては、導電性基体と感
光層との間に、また、積層型感光体にあっては、導電性
基体と電荷発生層との間や、導電性基体と電荷輸送層と
の間、または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体
の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていても
よく、感光体の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
【0077】上記各層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ、
例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の
金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプ
ラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0078】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。上記各層を、塗布の方法により形成する
場合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、結
着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、例え
ば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシ
ェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して
塗布液を調整し、これを公知の手段により塗布、乾燥す
ればよい。
【0079】塗布液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能で、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、等の脂肪族
系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0080】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0081】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。実施例1〜3、比較例1〜2(単層型感光体) 下記ビスアゾ顔料を48時間ボールミルで粉砕した後、
下記の各成分を超音波分散機にて2分間分散し、単層型
感光層用の塗布液を作成した。そしてこの塗布液を、ア
ルミニウムシリンダーの表面に浸漬塗工法によって塗工
し、100℃で30分間乾燥し、膜厚25μmの単層型
感光層を形成して、正帯電型の単層型電子写真感光体を
得た。使用したビスアゾ顔料は前記式(B10)の化合
物、ジアミン系化合物は前記式(A2)の化合物、ポリ
カーボネートは前記式(K3)の繰り返し単位を有する
化合物、ポリアリレートは前記式(D1)の繰り返し単
位を有する化合物、およびポリエステルは(積水化学社
製・商品名バイロン200)を用いた。なお、結着樹脂
の配合比は、表1中に、具体的に示した。
【0082】 (成分) (重量部) ビスアゾ顔料(電荷発生材料) 6 ジアミン系化合物(電荷輸送材料) 100 テトラヒドロフラン(溶剤) 200 結着樹脂 100
【0083】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて以下の試験を行い、その特性を評価した。電気特性 ・初期帯電特性 各実施例および比較例で作成した電子写真感光体をドラ
ム感度試験機にセットし、流れ込み電流25μAを印加
してその表面を帯電させた際の表面電位V1 s. P(V)
を測定した。 ・初期露光後電位 各実施例および比較例で作成した電子写真感光体をドラ
ム感度試験機にセットし、流れ込み電流を調整すること
でその表面を+800V付近に帯電させた後、感光体表
面の照度が20ルックスとなるように調整したハロゲン
ランプを用いて0.1秒間露光し、露光開始後0.25
秒後の表面電位V1 R.P(V)を露光後電位として測定
した。 ・耐光性 各実施例および比較例で作成した電子写真感光体に、感
光体表面の照度が4000ルックスとなるように調整し
たハロゲンランプを20分間照射し、照射後の電子写真
感光体をドラム感度試験機にセットし、その表面を+8
00V付近に帯電させた後、感光体表面の照度が20ル
ックスとなるように調整したハロゲンランプを用いて
0.1秒間露光し、露光開始後0.25秒後の表面電位
V2 R.P(V)を露光後電位として測定した。また、前
記V1 R.P値とV2 R.P値との差を、電位変化値ΔVR.P
として算出した。 ・耐NO2性 各実施例および比較例で作成した電子写真感光体をドラ
ム感度試験機にセットし、流れ込み電流を調整すること
でその表面を+800V付近に帯電させた時の表面電位
V1's.P(V)を測定した後、各実施例および比較例で
作成した電子写真感光体を、濃度10ppmのNO2
スを充満させた密閉容器内で48時間暴露し、その後電
子写真感光体をドラム感度試験機にセットし、上記V1'
s.P(V)を測定した時と同値の流れ込み電流を印加
し、その表面電位V2's.P(V)を測定した。また、前
記V1'S.P値とV2'S.P値との差を、電位変化値ΔVS.P
として算出した。 ・接着性 JIS K 5400「塗料一般試験方法」所載の碁盤
目試験に準じて、感光層の接着性を評価した。
【0084】以上の試験結果を表1に示した。
【0085】
【表1】
【0086】これらの表から明らかなように、ポリアリ
レートを含有しない比較例1は接着性が著しく低い。ま
た、ポリエステルを含有した比較例2は接着性は向上す
るものの、帯電特性が低く、耐光性および耐NO2性が
不十分であった。
【0087】これに対し、各実施例の感光体はいずれも
接着性がよい上感度が高く、耐光性および耐NO2性に
優れるものであった。しかしながら、ポリアリレートの
添加量を増加させると帯電能が低下する傾向にある。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、電荷発生材料である一
般式(1) で表されるビスアゾ顔料を選択し、これに電荷
輸送材料として前記一般式(2) で表されるジアミン系化
合物と、結着樹脂としてポリカーボネートおよびポリア
リレートを組み合わせることにより、従来にない、きわ
めて優れた電子写真特性を有する有機感光体を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 栄 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、電荷発生材料として一般
    式(1) : 【化1】 (式中、A1 およびA2 は同一または異なってカップラ
    ー残基を示し、R1 は水素原子、アルキル基、アリール
    基または複素環式基を示し、アルキル基、アリール基お
    よび複素環式基は置換基を有していてもよい。nは0ま
    たは1を示す。)で表されるビスアゾ顔料を、電荷輸送
    材料として一般式(2) : 【化2】 (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 およびR7 は同
    一または異なってアルキル基、アルコキシル基、ハロゲ
    ン原子、アリール基、ニトロ基、シアノ基またはアルキ
    ルアミノ基を示す。p,qは0〜3の整数を示す。k,
    l,mおよびoは0〜2の整数を示す。)で表されるジ
    アミン系化合物を、結着樹脂としてポリカーボネートお
    よびポリアリレートをそれぞれ含有する感光層を設けた
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】上記ポリアリレートが下記一般式(3): 【化3】 (式中、R8 ,R9 ,R10およびR11は同一または異な
    って水素原子、アルキル基、アリール基を示し、アルキ
    ル基、アリール基は置換基を有していてもよい。)で表
    される繰り返し単位を有する請求項1記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】結着樹脂としてのポリカーボネートおよび
    ポリアリレートのうち、ポリアリレートの含有割合が1
    〜30重量%である請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】ポリカーボネートが、一般式(4)(5)(6):
    【化4】 (式中R38およびR20は同一または異なって水素原子、
    脂肪族基または芳香族基を示し、脂肪族基および芳香族
    基は置換基を有していてもよい。またR38およびR39
    互いに結合して環を形成してもよい。R40,R41
    42,R43,R44,R 45,R46およびR47は同一または
    異なって水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基または芳香
    族基を示し、脂肪族基および芳香族基は置換基を有して
    いてもよい。R 48およびR49は水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基およびアリール基を示し、アルキル基お
    よびアリール基は置換基を有していてもよい。sおよび
    tは 【数1】 の数を示す。)の何れかで表される繰り返し単位を有す
    る化合物のうち少なくとも1種である請求項1記載の電
    子写真感光体。
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