JP3524994B2 - トリプトアントリン誘導体および電子写真感光体 - Google Patents

トリプトアントリン誘導体および電子写真感光体

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JP3524994B2 JP22990595A JP22990595A JP3524994B2 JP 3524994 B2 JP3524994 B2 JP 3524994B2 JP 22990595 A JP22990595 A JP 22990595A JP 22990595 A JP22990595 A JP 22990595A JP 3524994 B2 JP3524994 B2 JP 3524994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なトリプトア
ントリン誘導体および複写機、レーザービームプリンタ
等の画像形成装置に使用される電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】複写
機等の画像形成装置においては、当該画像形成装置の光
源の波長領域に感度を有する有機感光体(OPC)が多
く使用されている。有機感光体としては、電荷発生層と
電荷輸送層とを積層した積層型の感光体が多いが、電荷
発生剤と電荷輸送剤とを同一の層中に分散させた単層型
の有機感光体も知られている。
【0003】これらの感光体に使用される電荷輸送剤と
しては、キャリヤ移動度の高いものが要求されている
が、キャリヤ移動度の高い電荷輸送剤は殆どが正孔輸送
性であるため、実用に供されている感光体は、機械的強
度面から最外層に電荷輸送層を設けた負帯電型の積層型
有機感光体に限られている。しかしながら、負帯電型の
有機感光体では、負極性コロナ放電を利用するため、オ
ゾンの発生量が多く、したがって環境を汚染したり、感
光体を劣化させるなどの問題があった。
【0004】そこで、このような欠点を排除するため
に、電荷輸送剤として電子輸送剤を使用することが検討
されており、特開平1−206349号公報には、ジフ
ェノキノン構造を有する化合物を電子写真感光体用の電
子輸送剤として使用することが提案されている。しかし
ながら一般に、ジフェノキノン類等の電子輸送剤は、電
荷発生剤とのマッチングが困難であるため、電荷発生剤
から電子輸送剤への電子注入が不十分であり、そのため
光感度が充分でなかった。
【0005】また、有機感光体を単層の分散型で使用で
きれば、感光体の製造が容易になり、被膜欠陥の発生を
防止し、光学的特性を向上させる上でも多くの利点があ
る。しかし、単層型の有機感光層では、ジフェノキノン
と正孔輸送剤との相互作用により電子の輸送が阻害され
るという問題があった。一方、特開平4−295853
号公報には、3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブ
チル−4,4’−ジフェノキノンからなる電子輸送剤
と、アルキル置換トリフェニルジアミン等の正孔輸送剤
と、フタロシアニン顔料等の電荷発生剤とを組み合わせ
て感度の高い電子写真感光体を作製することが提案され
ているが、得られる感光体は耐磨耗性が不十分である。
【0006】また、特開昭61−134354号公報に
は、高い正孔輸送能を有する化合物として3,3′−ジ
メチルベンジジン誘導体が開示されている。しかしなが
ら、この誘導体は総じて融点が低いため(およそ180
℃未満)、これを用いて得られる感光層はガラス転移温
度が低く、感光体の耐久性、耐熱性が不十分である。さ
らに、感光体の帯電極性に関しては、1つの感光体を正
帯電および負帯電の両方に用いることができれば、感光
体の応用範囲を広げることができるが、そのような感光
体は未だ実用化されるに至っていない。
【0007】本発明の主たる目的は、上述の技術的課題
を解決し、電子写真感光体などの電子輸送剤として好適
な新規化合物を提供することである。本発明の他の目的
は、電荷発生剤からの電子の注入と輸送がスムーズに行
われ、従来よりも感度が向上した電子写真感光体を提供
することである。本発明のさらに他の目的は、耐磨耗性
に優れた有機感光層を有する電子写真感光体を提供する
ことである。
【0008】本発明の他の目的は、感光層のガラス転移
温度が充分に高く、耐久性および耐熱性に優れた電子写
真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、顔料中間体として
公知の物質である、式(2) :
【0010】
【化7】
【0011】で表されるトリプトアントリンが、従来の
ジフェノキノン系化合物よりも高い電子輸送能を有して
おり、電子輸送剤としての機能にすぐれたものであるこ
とを見出した。すなわち、上記トリプトアントリンは、
溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性が良好である
と共に、電荷発生剤(顔料)とのマッチングにすぐれ電
子の注入が円滑に行われるとともに、とくに低電界での
電子輸送性にすぐれている。
【0012】そこで、上記トリプトアントリンを基本骨
格として、さらに電子輸送剤として好適な化合物を開発
すべく検討を重ねた結果、一般式(1) :
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R2a
2b、R2cおよびR2dは同一または異なって、水素原
子、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を示す。た
だし、R 1a、R1b、R1cおよびR1dは同時に水素原子で
あってはならない。)で表されるトリプトアントリン誘
導体が、前記トリプトアントリンよりもさらに溶剤への
溶解性と結着樹脂との相溶性にすぐれるため、感光体等
において、より高い電子輸送能を示すことを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明のトリプトアントリン誘
導体は、上記一般式(1) で表されるものである。かかる
本発明の誘導体は、その高い電子輸送能を利用して、太
陽電池、EL素子などの用途にも使用することができ
る。また、本発明の誘導体は発ガン性などに対しても安
全である。
【0016】また、上記一般式(1) で表される本発明の
トリプトアントリン誘導体を電子輸送剤として電子写真
感光体に使用するときは、高感度な有機感光体を提供す
ることができる。本発明の電子写真感光体においては、
上記一般式(1) で表されるトリプトアントリン誘導体の
他、式(2) で表されるトリプトアントリンを電子輸送剤
として使用することもでき、その場合にも、高感度な有
機感光体を提供することができる。
【0017】従って、本発明の電子写真感光体は、導電
性基体上に設けた有機感光層が、下記一般式(3)で表さ
れるトリプトアントリン誘導体を含有したものである。
【0018】
【化9】
【0019】(式中、R1A、R1B、R1CおよびR1Dは同
一または異なって、水素原子、アルキル基またはハロゲ
ン化アルキル基を示し、R2a、R2b、R2cおよびR2d
前記と同じである。)この一般式(3)のトリプトアント
ン誘導体は、上記一般式(1)で表されるトリプトアン
トリン誘導体および式(2)で表されるトリプトアントリ
ンを包含する。
【0020】前記トリプトアントリン誘導体(3)は、従
来より電子輸送剤として用いられているジフェノキノン
誘導体に比べてより拡がりを持ったπ電子共役系を有し
ており、高い電子輸送能を示す。また、溶剤への溶解性
および結着樹脂との相溶性が良好であるとともに、電荷
発生剤とのマッチングにも優れている。この電荷発生剤
とのマッチングは、式(3)の化合物の置換基としてアル
キル基またはハロゲン化アルキル基を導入することでよ
り優れたものとなる。
【0021】従って、上記トリプトアントリン誘導体
(3)を電子写真感光体における電子輸送剤として用いた
場合、電荷発生剤からの電子の注入が円滑に行われ、低
電界での電子輸送性が向上するとともに、再結合する電
子と正孔との割合が減少し、見掛けの電荷発生効率が実
際の値に近づく結果、感光体の感度が向上する。また、
感光体の残留電位も低くなり、繰り返し露光を行った際
の安定性、耐久性も向上する。
【0022】本発明における好ましい有機感光層は、結
着樹脂と、電荷発生剤と、前記一般式(3)で表されるト
リプトアントリン誘導体からなる電子輸送剤と、一般
式:
【0023】
【化10】
【0024】(式中、R3a、R3b、R3c、R4a、R4b
4c、R5a、R5b、R5c、R6a、R6b、R6c、R7a、R
7bおよびR7cは同一または異なって水素原子、アルキル
基、置換を有していてもよいアリール基、アルコキシ基
またはハロゲン化アルコキシ基を示す。)で表されるフ
ェニレンジアミン誘導体からなる正孔輸送剤とからな
る。
【0025】すなわち、式(4)で表される特定の構造を
有するフェニレンジアミン誘導体を正孔輸送剤として用
い、上記の電子輸送剤と組み合わせることにより、感度
のみならず、耐磨耗性にも優れた電子写真感光体が得ら
れる。また、本発明における好ましい他の有機感光層
は、結着樹脂と、電荷発生剤と、前記一般式(3)で表さ
れるトリプトアントリン誘導体からなる電子輸送剤と、
一般式:
【0026】
【化11】
【0027】(式中、R8a、R8b、R9aおよびR9bは同
一または異なって水素原子またはアルキル基を示し、R
10a 、R10b 、R11a 、R11b 、R12a 、R12b 、R
13a およびR13b は同一または異なってアルキル基を示
す。)、
【0028】
【化12】
【0029】(式中、R14a 、R14b 、R15a およびR
15b は同一または異なって水素原子またはアルキル基を
示し、R16a 、R16b 、R17a およびR17b は同一また
は異なってアルキル基を示し、R18およびR19は同一ま
たは異なって炭素数3〜5のアルキル基または置換基を
有していてもよいアリール基を示す。)および
【0030】
【化13】
【0031】(式中、R20a 、R20b 、R21a
21b 、R22およびR23は同一または異なって水素原子
またはアルキル基を示し、R24およびR25は同一または
異なって水素原子、アルキル基または置換基を有してい
てもよいアリール基を示す。)で表されるベンジジン誘
導体から選ばれる少なくとも1つの正孔輸送剤とからな
る。
【0032】すなわち、上記特定の化学構造を有するベ
ンジジン誘導体(5) ,(6) および(7) は高い正孔輸送能
と結着樹脂に対する良好な相溶性と、高い融点とを有す
るとともに、電子輸送剤の電子輸送を阻害する作用を有
しない。従って、かかるベンジジン誘導体(5) ,(6) お
よび(7) の少なくとも1つを上記した電子輸送剤と組み
合わせることにより、残留電位が低く、感度が優れるだ
けでなく、感光層のガラス転移温度が十分に高く、耐久
性および耐熱性にも優れた電子写真感光体が得られる。
【0033】さらに、前記有機感光層は、−0.8〜−
1.4Vの酸化還元電位を有する電子受容性化合物を含
有していてもよい。前記電荷発生剤としては、フタロシ
アニン顔料が好適に使用される。
【0034】
【発明の実施の形態】前記アルキル基としては、たとえ
ばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキ
シル基などの、炭素数が1〜6のアルキル基があげられ
る。ハロゲン化アルキル基としては、上記例示のアルキ
ル基にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素が置換したもの
であり、その置換位置および置換したハロゲン原子の数
は特に限定されない。具体的には、トリフルオロメチ
ル、1,2−ジクロロエチル、1−ブロモ−t−プロピ
ル、パーヨード−t−ブチル等があげられる。
【0035】一般式(1) のただし書きにおいて、R1a
1b、R1cおよびR1dが同時に水素原子であってはなら
ないとは、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうち少なくと
も1つはアルキル基またはハロゲン化アルキル基である
ことを意味する。一般式(3) で表される化合物は、下記
反応式で示すように、一般式(8) で表されるイサト酸無
水物の誘導体と、一般式(9) で表されるイサチン誘導体
とを適当な溶媒中で反応させることにより合成される。
一般式(3) に包含される一般式(1) で表される誘導体も
同様にして合成される。
【0036】
【化14】
【0037】(式中、R1A〜R1DおよびR2a〜R2dは前
記と同じである。) 上記反応に使用される溶媒としては、たとえばジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、クロ
ロホルム、テトラヒドロフランなどがあげられる。反応
は、通常40〜130℃の温度で1〜8時間程度行えば
よい。前記イサチン誘導体(9) は、例えば下記の反応式
に示すようにして合成することができる。すなわち、ア
ニリン誘導体(10)の塩酸塩を出発原料とし、これにクロ
ラールおよび塩化ヒドロキシルアンモニウムを加えた水
溶液を70〜110℃で加熱しながら0.5〜2時間反
応させて、イソニトロソアセトアニリド誘導体を得、こ
の生成物を濃硫酸で環化し、加水分解してイサチン誘導
体(9) を得る。
【0038】
【化15】
【0039】(式中、R1A〜R1Dは前記と同じであ
る。) 一方、前記イサト酸無水物の誘導体(8) は、下記の反応
式に示すようにして合成することができる、すなわち、
上記と同様にして得られたイサチン誘導体(9')を出発原
料とし、これを溶媒(酢酸等)中にて濃硫酸および過酸
化水素と反応させることにより得られる。反応は室温下
ないし70℃の温度で1〜4時間行われる。また、他の
方法としてアントラニル誘導体またはアントラニル酸誘
導体にクロルギ酸エチルを作用させるか、アントラニル
酸ナトリウムにホスゲンを作用させても得られる。
【0040】
【化16】
【0041】(式中、R2a〜R2dは前記と同じであ
る。) 一般式(1) で表される本発明の化合物のうち、最も構造
が簡単な誘導体は、R 1a〜R1dのうちの1つがアルキル
基でR2a〜R2dが同時に水素原子である化合物である。
この化合物は、後述する実施例から明らかなように高い
電子輸送能を示すとともに、溶剤への溶解性や結着樹脂
との相溶性にすぐれているが、本発明の他の化合物も同
様の利点がある。
【0042】つぎに、本発明の電子写真感光体について
説明する。本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に
有機感光層を設けたものであって、この有機感光層が、
結着樹脂中に、電子輸送剤として前記一般式(3) で表さ
れるトリプトアントリン誘導体を含有する。有機感光層
は、電子輸送剤と共に、電荷発生剤、正孔輸送剤を含有
した単層型である場合と、電荷輸送層と電荷発生層とを
含む積層型である場合とがあるが、本発明の感光体はそ
のいずれであってもよい。また、本発明の感光体は正帯
電型および負帯電型のいずれもが可能であるが、とくに
正帯電型で使用するのが好ましい。
【0043】正帯電型感光体においては、露光工程にお
いて電荷発生剤から放出された電子が前記電子輸送剤に
スムーズに注入され、ついで電子輸送剤間での授受によ
り感光層の表面に移動して、あらかじめ感光層表面に帯
電させた正電荷(+)を打ち消す。一方、正孔(+)は
正孔輸送剤に注入されて、途中でトラップされることな
く、導電性基体に移動し、あらかじめ導電性基体に印加
した負電荷(−)により打ち消される。このようにし
て、正帯電型の感光体の感度が向上するものと考えられ
る。負帯電型感光体においても、上記と電荷移動の方向
が逆になるだけで同様に感度が向上する。
【0044】正孔輸送剤としては、従来公知の正孔輸送
物質が使用され、たとえばジアミン系化合物、2,5−
ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系
化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化
合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p
−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物等があげられる。
【0045】本発明に用いられる好適な正孔輸送剤とし
ては、例えばN,N,N′,N′−テトラキス(p−メ
チルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン、1,
1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジ
フェニル−1,3−ブタジエン、N−エチル−3−カル
バゾリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N
−ジエチルベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、4
−〔N,N−ビス(p−トルイル)アミノ〕−β−フェ
ニルスチルベン等があげられる。
【0046】これらの正孔輸送剤は単独でまたは2種以
上を混合して用いられる。また、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する正孔輸送剤を用いる場合には、結
着樹脂は必ずしも必要でない。上記正孔輸送剤の中でも
とくにイオン化ポテンシャルが4.8〜5.8eV、好
ましくは5.0〜5.6eVのものが使用される。ま
た、電界強度3×105V/cmで1×10-6cm2
V・秒以上の電荷移動度を有するものがとくに好まし
い。イオン化ポテンシャルおよび電荷移動度が前記範囲
内にある正孔輸送剤を用いることによって、感光体の残
留電位をより一層低下させ、感度を向上させることがで
きる。
【0047】前記イオン化ポテンシャルの値は、大気下
光電子分析装置(理研計器(株)製のAC−1)を用い
て測定したものである。本発明においては、イオン化ポ
テンシャルが前記範囲内にある正孔輸送剤を用いること
によって、感光体の残留電位が低下し、感度を向上させ
得る理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考
えられる。
【0048】すなわち、電荷発生剤から正孔輸送剤への
電荷の注入のし易さは、正孔輸送剤のイオン化ポテンシ
ャルと密接に関係しており、正孔輸送剤のイオン化ポテ
ンシャルが前記範囲よりも大きい場合には、電荷発生剤
から正孔輸送剤への電荷の注入の程度が低くなるか、あ
るいは正孔輸送剤間での正孔の授受の程度が低くなるた
め、感度の低下が生じるものと認められる。
【0049】一方、正孔輸送剤と電子輸送剤とが共存す
る系では、両者の間の相互作用、より具体的には電荷移
動錯体の形成に注意する必要がある。両者の間にこのよ
うな錯体が形成されると、正孔と電子との間に再結合が
生じ、全体として電荷の移動度が低下する。正孔輸送剤
のイオン化ポテンシャルが前記範囲よりも小さい場合に
は、電子輸送剤との間に錯体を形成する傾向が大きくな
り、電子−正孔の再結合が生じるために、見掛けの量子
収率が低下し、感度の低下に結びつくものと思われる。
したがって、正孔輸送剤のイオン化ポテンシャルは、前
記範囲内にあるのが好ましい。
【0050】本発明においては、正孔輸送剤として前記
一般式(4)で表されるフェニレンジアミン誘導体を用い
るのが、感光層の耐磨耗性を向上させるうえで好まし
い。前記一般式(4)の化合物において、アルキル基とし
ては前記と同様な基が例示される。アリール基として
は、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナン
トリル等の基が、アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチル
オキシ、n−ヘキシルオキシ等の基がそれぞれあげられ
る。ハロゲン化アルコキシ基としては、上記例示のアル
コキシ基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン
原子が置換したものである。水素原子を除く各置換基の
置換位置および置換基数については特に限定されない
が、中心ベンゼン環を除く他の4つのベンゼン環にそれ
ぞれ置換する3つの基R4a、R4bおよびR4c;R5a、R
5bおよびR5c;R6a、R6bおよびR6c;およびR7a、R
7bおよびR7cのうち少なくとも1つは水素原子以外の置
換基であるのが好ましい。
【0051】式(4) 、(6) および(7) において、アリー
ル基に置換してもよい置換基としては、例えばアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子などがあげられる。前
記フェニレンジアミン誘導体(4) の具体例としては、例
えば下記式 (4-1)〜(4-6) で表される化合物があげられ
る。
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】フェニレンジアミン誘導体(4) は種々の方
法で合成することができる。例えば前記式(4-2) で表さ
れるフェニレンジアミン誘導体の合成では、まず下記の
反応式に示すように、N,N’−ジアセチル−1,3−
フェニレンジアミン(11)とp−ヨードトルエン(12)とを
約1:2(モル比)の割合で混合し、これに銅粉、酸化
銅、ハロゲン化銅などを加え、塩基性物質の存在下で反
応させて中間体化合物(13)を合成する。
【0055】
【化19】
【0056】ついで、得られた化合物(13)を脱アセチル
化した化合物(14)と4−イソプロピルヨードベンゼン(1
5)とを1:2(モル比)の割合で混合し、上記と同様に
して反応させ、目的化合物(4-2) を合成する。
【0057】
【化20】
【0058】前記のフェニレンジアミン誘導体(4) は、
その立体構造から分子の自由体積が大きく、歪みに対し
て弾力性を有すると考えられており、このフェニレンジ
アミン誘導体(4) を電子写真感光体における正孔輸送剤
として用いた場合、優れた耐磨耗性を有する感光層を得
ることができる。本発明における他の正孔輸送剤として
は、前記一般式(5) 、(6) または(7) で表されるベンジ
ジン誘導体があげられる。これらは単独で用いるほか、
2種以上を混合して用いてもよい。
【0059】前記一般式(5) 〜(7) 中、基R18およびR
19を除く他の置換基におけるアルキル基としては、前記
と同様な基が例示される。基R18〜R19に相当するアル
キル基としては、前記例示のうち炭素数が3〜5のもの
である。また、アリール基としては、例えばフェニル、
ナフチル、アントリル、フェナントリル等の基があげら
れる。
【0060】一般式(5) で表されるベンジジン誘導体
(2) としては、例えば下記式 (5-1)および(5-2) の化合
物があげられる。
【0061】
【化21】
【0062】前記ベンジジン誘導体(6) の具体例として
は、例えば下記式 (6-1)〜(6-5) で表される化合物があ
げられる。
【0063】
【化22】
【0064】
【化23】
【0065】一般式(7) で表される前記ベンジジン誘導
体としては、例えば下記式 (7-1)〜(7-3) の化合物があ
げられる。
【0066】
【化24】
【0067】前記ベンジジン誘導体(5) 、(6) および
(7) は種々の方法で合成することができる。例えば式(6
-1) で表されるベンジジン誘導体の合成では、まずN,
N’−ジアセチル−3,3’−ジメチルベンジジン(22)
と2,4−ジメチルヨードベンゼン(23)とを1:2(モ
ル比)の割合で混合し、これに銅粉、酸化銅、ハロゲン
化銅などを加え、塩基性物質の存在下で反応させて中間
体化合物(24)を合成する。反応式を下記に示す。
【0068】
【化25】
【0069】ついで化合物(24)を脱アセチル化した後、
得られた式(25)の化合物と4−エチル−4’−ヨードビ
フェニル(26)とを約1:2(モル比)の割合で用い、上
記と同様の方法によって反応させることによって合成さ
れる。その反応式を下記に示す。
【0070】
【化26】
【0071】前記例示のベンジジン誘導体 (5)、(6) お
よび(7) はいずれも高い融点(180℃以上)を有す
る。そのため、上記ベンジジン誘導体 (5)、(6) または
(7) を正孔輸送剤として用いることにより、ガラス転移
温度が十分に高い電子写真感光体を得ることができる。
正孔輸送剤として使用されるフェニレンジアミン誘導体
(4) またはベンジジン誘導体(5) 、(6) および(7) は、
前記したように、イオン化ポテンシャルが4.8〜5.
8eV、とりわけ5.0〜5.6eVのものが好ましく
使用される。また、電界強度3×105 V/cmで1×
10-6cm2 /V・秒以上の電荷移動度を有するものが
とくに好ましい。
【0072】一般式(4)および/または一般式(5)、(6)
もしくは(7)の化合物からなる正孔輸送剤と、一般式(3)
のトリプトアントリン誘導体からなる電子輸送剤とを組
み合わせた場合には前記錯体が形成するおそれは極めて
少ないものの、前記一般式(3)の化合物および/または
一般式(4)、(5)、(6)もしくは(7)の化合物にできるだけ
嵩高い置換基を導入することにより、錯体が形成するお
それを十分に除去することができる。
【0073】フェニレンジアミン誘導体(4)またはベン
ジジン誘導体(5)、(6)もしくは(7)とトリプトアントリ
ン誘導体(3)との組み合わせからなる本発明の電子写真
感光体は、単層型として用いるのが最も効果的である。
かかる単層型の電子写真感光体は導電性支持体上に有機
感光層を設けたものであって、この有機感光層における
結着樹脂中に少なくとも電荷発生剤と、トリプトアント
ン誘導体(3)からなる電子輸送剤と、フェニレンジア
ミン誘導体(4)またはベンジジン誘導体(5)、(6)もしく
は(7)からなる正孔輸送剤とを含有する。その際、正孔
輸送剤としてフェニレンジアミン誘導体(4)を用いた単
層型電子写真感光体は、優れた感度を有し、かつ感光層
の表面の耐磨耗性にも優れる。また、正孔輸送剤として
ベンジジン誘導体(5)、(6)または(7)を用いた単層型電
子写真感光体は、優れた感度を有し、かつ感光層のガラ
ス転移温度も十分高い値を示す。
【0074】上記単層型感光体は正帯電および負帯電の
いずれにも適用可能であるが、特に正帯電型で使用する
のが好ましい。上記単層型電子写真感光体の有機感光層
に、−0.8〜−1.4Vの酸化還元電位を有する電子
受容性化合物を含有させたときは、電荷発生剤からの電
子の引抜きが効率よく行われるようになり、感光体の感
度がより一層向上する。
【0075】また、本発明の電子写真感光体は積層型と
しても使用可能である。この場合、積層型感光体は正帯
電および負帯電のいずれにも適用可能である。前記単層
型および積層型の電子写真感光体において、−0.8〜
−1.4Vの酸化還元電位を有する電子受容性化合物を
含有させることにより、感光体の感度が向上する。その
理由としては、以下のことが考えられる。
【0076】露光工程において光を吸収した電荷発生剤
は、イオン対、すなわち正孔(+)と電子(−)とを生
成する。この生成したイオン対がフリーキャリヤとなり
有効に表面電荷を打ち消すためには、イオン対が再結合
して消失してしまう割合が小さいほうがよい。このと
き、酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vである電子受
容性化合物が存在すると、かかる電子受容性化合物にお
けるLUMO(電子を有しない分子軌道の中で最もエネ
ルギー準位が低い軌道をいい、励起された電子は通常こ
の軌道に移動する。)のエネルギー準位が電荷発生剤よ
りも低いため、イオン対の生成の際に電子が電子受容性
化合物に移動し、イオン対がキャリヤへ分離し易くな
る。すなわち、電子受容性化合物が電荷発生に作用し、
その発生効率を向上させるのである。
【0077】なお、感光体が高感度であるためには、フ
リーキャリヤの移動時に不純物によるキャリヤトラップ
が発生しないことも必要である。通常、フリーキャリヤ
の移動過程には少量の不純物などによるトラップが存在
し、フリーキャリヤは、トラップ−脱トラップを繰り返
しながら移動する。従って、フリーキャリヤが脱トラッ
プ不可能なレベルに落ち込むと、キャリヤトラップとな
ってしまい、その移動は中止される。
【0078】酸化還元電位が−0.8Vよりも大きい、
つまり電子親和力が大きい電子受容性化合物を使用した
場合は、分離したフリーキャリヤを脱トラップ不可能な
レベルに落とし込み、キャリヤトラップを生じる。これ
とは逆に、酸化還元電位が−1.4Vより小さい電子受
容性化合物の場合は、LUMOのエネルギー準位が電荷
発生剤よりも高くなり、イオン対の生成の際、電子が電
子受容性化合物に移動せず、電荷発生効率の向上に繋が
らないものと考えられる。
【0079】前述の酸化還元電位は、以下の材料を用い
た3電極式のサイクリックボルターメトリーにより測定
される。 電極:作用電極(グラッシーカーボン電極)、対極(白
金電極)、参照電極(銀硝酸電極、0.1規定AgNO
3 −CH3 CN溶液) 測定溶液:溶剤(CH2 Cl2 、1リットル)、測定物
質(電子受容性化合物、0.001モル)、電解質(過
塩素酸テトラ-n- ブチルアンモニウム、0.1モル) (以上の材料を調合して調製する。) 酸化還元電位の算出:図1に示すように、索引電圧
(V)と電流(μA)との関係を求めて同図に示すE1
とE2 とを測定し、以下の計算式により酸化還元電位を
求める。
【0080】 酸化還元電位=(E1 +E2 )/2 (V) 本発明において使用可能な電子受容性化合物としては、
電子受容性を有し、−0.8〜−1.4Vの酸化還元電
位を有する化合物であればとくに制限はなく、例えばベ
ンゾキノン系、ナフトキノン系、ニトロアントラキノン
やジニトロアントラキノン等のアントラキノン系、ジフ
ェノキノン系、チオピラン系、3,4,5,7−テトラ
ニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系、2,
4,8−トリニトロチオキサンテン等のキサンテン系化
合物のほか、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジ
ン、マロノニトリル等があげられる。このうち、とくに
ジフェノキノン系は、分子鎖末端に電子受容性に優れた
キノン系酸素原子が結合しており、かつ長い分子鎖全体
にわたって共役二重結合があるために分子内での電子の
移動も容易であり、しかも電子の授受が容易に行われる
という利点があるためにとくに好ましい。また、前記し
た各電子受容性化合物は電荷の発生にも寄与している。
【0081】前記ベンゾキノン系化合物としては、例え
ばp−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−p−ベンゾキ
ノン、2,6−ジt−ブチル−p−ベンゾキノンなどが
あげられる。また、ジフェノキノン系化合物としては、
一般式(16):
【0082】
【化27】
【0083】(式中、R26、R27、R28およびR29は同
一または異なって水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基などを示す。)で表される。具体的には、
例えば3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−
ジフェノキノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−
4,4′−ジフェノキノン、3,3′,5,5′−テト
ラt−ブチル−4,4′−ジフェノキノン、3,5−ジ
メチル−3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−ジフェ
ノキノン、3,3′−ジメチル−5,5′−ジt−ブチ
ル−4,4′−ジフェノキノン、3,5′−ジメチル−
3′,5−ジt−ブチル−4,4′−ジフェノキノンな
どがあげられる。これらのジフェノキノン系化合物は、
単独または二種以上を混合して使用することができる。
【0084】本発明におけるフェニレンジアミン誘導体
(4) およびベンジジン誘導体(5) 、(6) もしくは(7) は
単独で使用するほか、それらを混合して用いてもよい。
また、前記した他の公知の正孔輸送剤と組み合わせて使
用してもよい。本発明において使用される電荷発生剤と
しては、たとえばセレン、セレン−テルル、アモルファ
スシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔
料、アンサンスロン系顔料、フタロシアニン系顔料、ナ
フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニル
メタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラ
ゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、ジチオケトピロロ
ピロール系顔料等があげられる。これらの電荷発生剤
は、所望の領域に吸収波長を有するように、一種または
二種以上を混合して用いることができる。
【0085】本発明における電荷発生剤は、正孔輸送剤
としてイオン化ポテンシャルが4.8〜5.8eV、好
ましくは5.0〜5.6eVのものを使用することに関
連して、正孔輸送剤とバランスしたイオン化ポテンシャ
ルを有するもの、具体的にはイオン化ポテンシャルが
4.8〜6.0eV、好ましくは5.0〜5.8eVの
範囲にあるものを用いるのが残留電位の低減、感度の向
上の上で望ましい。
【0086】また、700nm以上の波長の光源を使用
するデジタル光学系の画像形成装置に使用される有機感
光体に好適な電荷発生剤としては、X型無金属フタロシ
アニン、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシア
ニン系顔料が例示される。これらフタロシアニン系顔料
は、前記式(3) の電子輸送剤とのマッチングにすぐれる
ため、これらを組み合わせて用いることにより、上記波
長領域において高感度な感光体が得られる。この感光体
は、たとえばレーザービームプリンタ、ファクシミリ等
のデジタル光学系の画像形成装置に好適に使用すること
ができる。
【0087】一方、可視領域の波長を有する光源を使用
したアナログ光学系の画像形成装置に使用される感光体
に好適な電荷発生剤としては、例えば一般式:
【0088】
【化28】
【0089】(式中、R30、R31、R32およびR33は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
ル基またはアリール基を示す。)で表されるペリレン顔
料があげられる。上記一般式(17)中のアルキル基、アル
コキシ基およびアリール基としては、前記と同様な基が
あげられる。このペリレン顔料は、可視領域に感度を有
するとともに、前記一般式(3)のトリプトアントリン誘
導体とのマッチングにすぐれるため、この両者を併用し
て得られる電子写真感光体は、可視領域において高感度
であり、静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装
置等に好適に使用することができる。
【0090】上記ペリレン顔料としては、正孔輸送剤と
してイオン化ポテンシャルが4.8〜5.8eV、とり
わけ5.0〜5.6eVのものを使用することに関連し
て、正孔輸送剤とバランスしたイオン化ポテンシャルを
有するもの、具体的にはイオン化ポテンシャルが4.8
〜5.8eVの範囲にあるものを用いるのが残留電位の
低減、感度の向上の上で望ましい。
【0091】上記の各成分を分散させるための結着樹脂
としては、従来より有機感光層に使用されている種々の
樹脂を使用することができ、たとえばスチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオ
ノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリル
フタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性
樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性
樹脂、さらにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリ
レート等の光硬化性樹脂等があげられる。これらの結着
樹脂は1種または2種以上を混合して用いることができ
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル、ア
ルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0092】また感光層には、電子写真特性に悪影響を
与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、たとえ
ば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、
紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改
質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセ
プター、ドナー等を配合することができる。これら添加
剤の配合量は、従来と同程度でよい。たとえば立体障害
性フェノール系酸化防止剤は、結着樹脂100重量部に
対して0.1〜50重量部程度の割合で配合するのがよ
い。
【0093】また、感光層の感度を向上させるために、
たとえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフ
チレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよ
い。また、前記一般式(3) で表される化合物と共に、従
来公知の他の電子輸送剤を感光層に含有させてもよい。
このような電子輸送剤としては、たとえばベンゾキノン
系、ジフェノキノン系、マロノニトリル、チオピラン系
化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニト
ロチオキサントン、3,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、ジニトロベ
ンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、
ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水
コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等
があげられる。
【0094】本発明の感光体に使用される導電性基体と
しては、導電性を有する種々の材料を使用することがで
き、たとえばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニ
ッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮
等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされ
たプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、
酸化インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0095】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。本発明における感光層は、前記した各成
分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液
を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0096】本発明における前記電子輸送剤の使用によ
る効果は、単層型感光体において顕著に現れる。本発明
の単層型感光体は正帯電および負帯電のいずれにも適用
可能であるが、とくに正帯電型で使用するのが好まし
い。単層型の電子写真感光体を得るには、所定の電子輸
送剤および正孔輸送剤を、電荷発生剤、結着樹脂等とと
もに適当な溶剤に溶解または分散させ、こうして得られ
た塗布液を導電性支持体上に塗布して乾燥させればよ
い。前記塗布液の作製は、公知の方法(例えばロールミ
ル、ボールミル、ディスパーミル、アトライタ、ペイン
トシェーカーあるいは超音波分散器など)が用いられ
る。
【0097】単層型感光体において、電荷発生剤は結着
樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部、好まし
くは0.5〜30重量部、とくに0.5〜5重量部の割
合で感光層に配合するのがよい。正孔輸送剤は、結着樹
脂100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは
25〜200重量部、より好ましくは5〜100重量
部、とくに50〜80重量部の割合で感光層中に含有さ
れるのがよい。
【0098】前記一般式(3)のトリプトアントリン誘
体を含む電子輸送剤は結着樹脂100重量部に対して5
〜100重量部、とくに10〜80重量部の割合で感光
層に配合するのがよい。また、正孔輸送剤と電子輸送剤
との総量は、結着樹脂100重量部に対して20〜50
0重量部、好ましくは30〜200重量部であるのが適
当である。電子受容性化合物を含有させる場合は、これ
を結着樹脂100重量部に対して0.1〜40重量部、
好ましくは0.5〜20重量部で配合するのがよい。
【0099】単層型感光体における感光層の厚さは5〜
100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは
10〜50μm、とくに10〜40μm程度である。ま
た、積層型の感光体を得るには、まず、導電性基体上
に、電荷発生剤を単独で蒸着させて電荷発生層を形成す
るか、塗布等の手段により電荷発生剤と結着樹脂と要す
れば正孔輸送剤とを含有する電荷発生層を形成する。つ
いで、この電荷発生層上に、電子輸送剤と結着樹脂とを
含有する電荷輸送層を形成する。また、上記とは逆に、
導電性基体上に電荷輸送層を形成し、次いで電荷発生層
を形成してもよい。
【0100】積層感光体において、電荷発生層を構成す
る電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用するこ
とができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷発
生剤5〜1000重量部、とくに30〜500重量部の
割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する電子
輸送剤と結着樹脂とは、電子の輸送を阻害しない範囲お
よび結晶化しない範囲で、種々の割合で使用することが
できるが、光照射により電荷発生層で生じた電子が容易
に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対して、
電子輸送剤10〜500重量部、とくに25〜200重
量部の割合で用いるのが好ましい。
【0101】また、積層型の感光層において、電荷発生
層は0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm
程度の厚さに形成され、電荷輸送層は2〜100μm、
好ましくは5〜50μm程度の厚さに形成される。単層
型感光体においては導電性基体と感光層との間に、また
積層型感光体においては導電性基体と電荷発生層との間
または導電性基体と電荷輸送層との間に、感光体の特性
を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。
また、感光層の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
【0102】上記感光層を塗布により形成する場合に
は、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等
を、適当な溶剤とともに、公知の方法、たとえば、ロー
ルミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー
あるいは超音波分散器等を用いて分散混合し、これを公
知の手段により塗布、乾燥すればよい。溶剤としては、
種々の有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン
等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0103】さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散
性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、
レベリング剤等を使用してもよい。
【0104】
【実施例】以下、合成例、実施例をあげて本発明を説明
する。 合成例1 〔6−イソプロピルトリプトアントリンの製造〕イサト
酸無水物3.2g(21.7ミリモル)と、5−イソプ
ロピルイサチン3.4g(17.8ミリモル)とを、ピ
リジン10mlに溶解し、還流下、5時間反応させた。
【0105】反応後、反応液中に析出した結晶をろ別
し、メタノールで洗浄し、さらにエタノールで再結晶さ
せて、式:
【0106】
【化29】
【0107】で表される標記化合物2.3g(収率46
%)を得た。 融点:188℃ この生成物の赤外吸収スペクトルを図2に示す。 (電子輸送能の評価)合成例1で得た化合物の電子輸送
能をTOF法で評価した。その結果、この化合物は、電
界強度3×105 V/cmで8×10-7cm2 /V・秒
の移動度を示し、高い電子輸送能を有することが判明し
た。 実施例1〜4 (成分) (重量部) 電荷発生剤 1 正孔輸送剤 60 電子輸送剤 40 結着樹脂 100 (ビスフェノールZ形ポリカーボネート) 上記の各成分を所定量のジクロロメタンと共にボールミ
ルで混合分散し、単層型感光層塗布液を調製した。つい
で、この塗布液をアルミニウム箔上にワイヤーバーにて
塗布し、100℃で60分間熱風乾燥して、膜厚15〜
20μmのデジタル光源用の単層型感光体を作製した。
【0108】使用した各成分は以下のとおりである。 (電子輸送剤) (18) :合成例1で得た式(18) の6−イソプロピルト
リプトアントリン (2) :式(2) のトリプトアントリン (電荷発生剤) I :X型メタルフリーフタロシアニン(Ip=5.3
8eV) II:オキソチタニルフタロシアニン(Ip=5.32
eV) (正孔輸送剤)N,N,N′,N′−テトラキス(p−
メチルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン(I
p=5.56eV) 比較例1および2 電子輸送剤として、6−イソプロピルトリプトアントリ
ン(18)およびトリプトアントリン(2) に代えて、2,6
−ジメチル−2′,6′−ジt−ブチル−4,4′−ジ
フェノキノン(記号(a) で示す)を使用したほかは、実
施例1〜4と同様にして、デジタル光源用の単層型感光
体を作製した。 比較例3 電子輸送剤を含有しないほかは実施例1〜4と同様にし
て、デジタル光源用の単層型感光体を作製した。 実施例5および6 X型メタルフリーフタロシアニン100重量部と、ポリ
ビニルブチラール100重量部と所定量のテトラヒドロ
フランとをボールミルで混合分散し、電荷発生層用塗布
液を調製した。この塗布液をアルミニウム箔上にワイヤ
ーバーにて塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥す
ることにより、膜厚約1μmの電荷発生層を形成した。
【0109】一方、合成例1で得た6−イソプロピルト
リプトアントリン(18)またはトリプトアントリン(2) の
100重量部とポリカーボネート樹脂100重量部と所
定量のトルエンとをボールミルで混合分散し、電荷輸送
層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層上
にワイヤーバーにて塗布した後、100℃で60分間熱
風乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形
成し、正帯電型のデジタル光源用積層型感光体を作製し
た。 比較例4 電子輸送剤として比較例1および2で使用したと同じジ
フェノキノン誘導体を使用したほかは、実施例5,6と
同様にして、正帯電型のデジタル光源用積層型感光体を
作製した。 (電子写真感光体の評価)静電複写試験装置(川口電機
社製のEPA−8100)を用いて、感光体に印加電圧
を加えて、正に帯電させ、光源である白色ハロゲン光か
らバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780
nm(半値幅20nm)の単色光を用いて電子写真特性を測
定した。その結果を表1に示す。
【0110】表中のV1は電圧を印加して感光体を帯電
させたときの感光体の初期表面電位を示し、V2は露光
開始後0.8秒経過後の表面電位を残留電位として測定
したものである。また、E1/2 は初期表面電位V1が1
/2に減衰した時の半減露光量である。
【0111】
【表1】
【0112】表1より明らかなように、実施例1〜6の
感光体はいずれも対応する比較例に比べて残留電位(V
1)および半減露光量(E1/2 )が低下していることか
ら、高い感度を有している。また各実施例を比較する
と、トリプトアントリン(2) を使用した実施例よりもト
リプトアントリン誘導体(18) を使用した実施例の方
が、残留電位(V1)および半減露光量(E1/2 )が低
下していることから、より高い感度を有していることが
わかる。 合成例2 (2,6−ジエチルトリプトアントリンの製造) (i) 1リットルのナス形フラスコに抱水クロラール26
g、水324gおよび無水硫酸ナトリウム171gを入
れ、40〜50℃で攪拌した。これに、10%塩酸水溶
液100mlにp−エチルアニリン14.7gを加えた
溶液を加え、さらに塩化ヒドロキシルアンモニウム2
2.5gを加え30分間還流した。氷冷後、析出物をろ
過し、3回水洗した後、エタノールで再結晶を行い、反
応生成物を得た。
【0113】別の500ml2つ口フラスコに濃硫酸2
00mlを入れ氷冷した。ついで、上記反応生成物6
2.9gを徐々に加えた後、30分間氷冷下で攪拌し
た。さらに70〜75℃で10分間攪拌後、反応液を冷
却し、氷に注いだ。析出物をろ過し、固体をメタノール
により再結晶し、下記式(19)で表されるイサチン誘導体
17.8gを得た(53.5%)。
【0114】
【化30】
【0115】(ii)500ml2つ口フラスコに上記(i)
で得たイサチン誘導体70g、酢酸200mlおよび濃
硫酸0.8mlを入れ、室温下で攪拌した。ついで、こ
れに30%過酸化水素50mlを滴下した。滴下終了
後、60〜65℃で1時間攪拌し、放冷した。析出物を
ろ過し、水洗後、真空乾燥し、下記式(20) で表される
イサト酸無水物の誘導体35gを得た。
【0116】
【化31】
【0117】(iii) 200mlのフラスコに上記(ii)で
得たイサト酸無水物の誘導体10g、上記(i) で得たイ
サチン誘導体10gおよびピリジン10mlを入れ、2
時間還流した。ついで、反応液を冷却し、析出物をろ過
後、クロロホルムに溶解させ、水洗し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を除去した後、黄色固体である
式:
【0118】
【化32】
【0119】で表される標記化合物5.2gを得た。 融点:184℃ 実施例7 実施例1で使用したトリプトアントリン誘導体に代え
て、合成例2で得たトリプトアントリン誘導体(21) を
用いたほかは、実施例1と同様にして電子写真感光体を
得た。
【0120】得られた感光体について、前記と同様にし
て感光体特性を評価した。その結果、所期表面電位V1
は+708V、残留電位V2は+43V、半減露光量E
1/2は1.0Lux ・秒であり、比較例1に比べて感度が
向上していた。 実施例8〜19 (成分) (重量部) 電荷発生剤 5 正孔輸送剤 50 電子輸送剤 30 結着樹脂 100 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート) 溶媒(テトラヒドロフラン) 800 上記の各成分の所定量をボールミル中で50時間混合分
散し、単層型感光層用塗布液を調製した。次いで、この
塗布液を、導電性基材であるアルミニウム素管の表面に
ディップコート法にて塗布し、100℃で60分間熱風
乾燥させて膜厚15〜20μmの単層型感光層を有する
電子写真感光体を作製した。
【0121】電荷発生剤としてはX型メタルフリーフタ
ロシアニン(Ip=5.38eV)を、正孔輸送剤とし
ては式 (4-1)〜(4-6) で表されるフェニレンジアミン誘
導体のいずれかを、電子輸送剤としては式 (2)または(1
8)で表されるトリプトアントリン誘導体をそれぞれ用い
た。上記式 (4-1)〜(4-6) で表されるフェニレンジアミ
ン誘導体のイオン化電位はそれぞれ次のとおりである。
【0122】 (4-1) =5.62eV、 (4-2) =5.62eV (4-3) =5.49eV、 (4-4) =5.60eV (4-5) =5.58eV、 (4-6) =5.64eV 電荷発生剤および正孔輸送剤のイオン化電位(Ip)
は、大気下光電子分析装置(理研計器(株)製のAC−
1)を用いて測定したものである。 比較例5 正孔輸送剤としてN,N,N’,N’−テトラキス(4
−メチルフェニル)−3,3’−ジメチルベンジジン
(Ip=5.54eV、表2において6Me−4PhB
で示す)を、電子輸送剤として3,5−ジメチル−
3’,5’−ジt−ブチル−4,4’−ジフェノキノン
(表2において(a)で示す)をそれぞれ用いたほかは、
実施例8〜19と同様にして単層型電子写真感光体を作
成した。
【0123】得られた各感光体を用いて以下の試験を行
った。光感度試験 ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機
を用い、実施例7および比較例5で得られた各感光体の
表面に印加電圧を加え、その表面を+700Vに帯電さ
せた。次いで、露光光源であるハロゲンランプの白色光
からバンドパスフィルターを用いて単色光〔波長780
nm(半値幅20nm)、光強度16μW/cm2 〕を
取り出し、この光を感光体の表面に80ミリ秒間照射し
て露光を行い、露光開始から330ミリ秒経過したとき
の表面電位を露光後電位VL (V)として測定した。露
光後電位VL (V)が小さいほど電子写真感光体が高感
度であることを示す。耐磨耗性評価 上記各実施例および比較例で得られた感光体をファクシ
ミリ(三田工業(株)製の「LDC−650」)の感光
体ドラムに装着し、無通紙状態で前記ドラムを150,
000回回転させた後、回転の前後における感光層の膜
厚変化を測定した。膜厚変化が小さいほど耐磨耗性が良
好であることを示す。
【0124】これらの試験結果を、使用した正孔輸送剤
および電子輸送剤と共に表2に示す。また、正孔輸送剤
の違いによる効果を調べるため、実施例1および3で得
た感光体を用いて前記と同様にして試験した。その試験
結果も表2に示す。
【0125】
【表2】
【0126】表2から明らかなように、実施例8〜19
の感光体は、比較例5の感光体に比べて露光後電位VL
が低下しており、高い感度を有していることがわかる。
また、磨耗量も少なく、耐磨耗性に優れていることもわ
かる。一方、実施例1,3と比較すると、露光後電位V
L は殆ど同じであるのに対して、実施例8〜19では耐
磨耗性が改善されていることがわかる。 実施例20および21 電荷発生剤としてオキソチタニルフタロシアニン(Ip
=5.32eV)を、正孔輸送剤として式(4-1) で表さ
れるフェニレンジアミン誘導体を、電子輸送剤として式
(2) および(18)で表されるトリプトアントリン誘導体の
いずれかをそれぞれ用いたほかは、実施例8〜19と同
様にして単層型電子写真感光体を作成した。 比較例6 正孔輸送剤としてN,N,N’,N’−テトラキス(4
−メチルフェニル)−3,3’−ジメチルベンジジン
(6Me−4PhB)を、電子輸送剤として3,5−ジ
メチル−3’,5’−ジt−ブチル−4,4’−ジフェ
ノキノン(表3において記号(a) で示す) をそれぞれ用
いたほかは、実施例20,21と同様にして単層型電子
写真感光体を作成した。
【0127】得られた各感光体について実施例8〜19
と同様にして露光後電位VL および耐磨耗性を評価し
た。これらの試験結果を、使用した正孔輸送剤および電
子輸送剤と共に表3に示す。また、正孔輸送剤の違いに
よる効果を調べるため、実施例2および4で得た感光体
を用いて前記と同様にして試験した。その試験結果も表
3に示す。
【0128】
【表3】
【0129】実施例22〜27 (成分) (重量部) 電荷発生剤 5 正孔輸送剤 50 電子輸送剤 30 電子受容性化合物 10 結着樹脂 100 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート) 溶媒(テトラヒドロフラン) 800 上記各成分の所定量をボールミル中で50時間混合分散
し、単層型感光層用塗布液を調製した。ついで、この塗
布液を用い、実施例8〜19と同様にして単層型電子写
真感光体を作製した。
【0130】上記電荷発生剤としてはX型メタルフリー
フタロシアニンを、正孔輸送剤としては式(4-2) または
(4-6) で表されるフェニレンジアミン誘導体のいずれか
を、電子輸送剤としては式(2) で表されるトリプトアン
トリンをそれぞれ用いた。また、電子受容性化合物とし
ては、記号(a) 〜(c) でそれぞれ表される下記の化合物
を用いた。 (a) :3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチル−
4,4’−ジフェノキノン(酸化還元電位:−0.86
V) (b) :3,3’,5,5’−テトラt−ブチル−4,
4’−ジフェノキノン(酸化還元電位:−0.94
V)、 (c) :2,6−ジt−ブチル−p−ベンゾキノン(酸化
還元電位:−1.30V) 得られた各感光体について実施例8〜19と同様にして
露光後電位VL および耐磨耗性を評価した。その試験結
果を、使用した正孔輸送剤、電子輸送剤および電子受容
性化合物と共に表4に示す。
【0131】
【表4】
【0132】表4から、特定の酸化還元電位を有する電
子受容性化合物を感光層に加えることにより、特に感度
が大きく向上していることがわかる。 実施例28〜33 (成分) (重量部) 電荷発生剤 5 正孔輸送剤 50 電子輸送剤 30 結着樹脂 100 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート) 溶媒(テトラヒドロフラン) 800 上記の各成分の所定量をボールミル中で50時間混合分
散し、単層型感光層用塗布液を調製した。次いで、この
塗布液を、導電性基材であるアルミニウム素管の表面に
ディップコート法にて塗布し、100℃で60分間熱風
乾燥させて膜厚15〜20μmの単層型感光層を有する
電子写真感光体を作製した。
【0133】使用した各成分は以下のとおりである。 (電荷発生剤) I:X型メタルフリーフタロシアニン(Ip=5.38
eV) II:オキソチタニルフタロシアニン(Ip=5.32
eV) (正孔輸送剤) (5-1):式 (5-1)で表されるベンジジン誘導体(融点=2
39.9℃、Ip=5.48eV) (5-2):式 (5-2)で表されるベンジジン誘導体(融点=2
17.8℃、Ip=5.51eV) (電子輸送剤) (2) :式 (2)のトリプトアントリン (18):式(18)のトリプトアントリン誘導体 電荷発生剤および正孔輸送剤のイオン化電位(Ip)
は、前記と同様にして測定した。
【0134】得られた感光体について、実施例8〜19
と同様にして露光後電位VL (V)を測定して感度を評
価した。さらに下記の方法に従ってガラス転移点および
高温保管特性を評価した。ガラス転移点の測定 上記各実施例および比較例で得られた感光体の感光層を
約5mgはぎ取り、この感光層のフィルムをアルミニウ
ムパンに入れて密封し、サンプルを得た。測定はこのサ
ンプルを使用し、示差走査熱量測定(DSC)機〔理学
電気社製のDSC8230D〕を用いて以下の条件下で
行い、ガラス転移温度〔Tig(補外ガラス転移開始温
度)、JIS K 7121〕を測定した。
【0135】(測定条件) 雰囲気ガス:空気 昇温速度:毎分20℃高温保管特性の評価 上記各実施例および比較例で得られた感光体をファクシ
ミリ(三田工業(株)製の「LDC−650」)のイメ
ージングユニットに装着し、50℃で10日間保管後、
感光層の表面に生じた凹みを表面形状測定器(小坂研究
所製のSE−3H)により測定した。感光層表面の凹み
が小さいほど高温保管特性が優れていることを示す。
【0136】上記イメージングユニットは、常時1.5
g/mmの線圧力でドラムとクリーニングブレードとを
圧接している。従って、高温保管特性(耐熱性)の低い
感光体ドラムを使用した場合には、使用後の感光層表面
に凹み(圧接痕)が生じる。一方、感光層の表面粗さは
通常0.5μm程度あることから、前記凹みの測定値が
0.3μm未満であれば、感光層の表面には上記試験に
よる凹みが全く観測されなかったと言える。
【0137】これらの試験結果を、使用した電荷発生
剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種類と共に、表5に
示す。
【0138】
【表5】
【0139】実施例34〜45 正孔輸送剤として下記の記号(6-1) 〜(6-5) で示すベン
ジジン誘導体を使用し、表6に示す電荷発生剤および電
子輸送剤と組み合わせて使用したほかは、実施例28〜
33と同様にして単層型電子写真感光体を作製した。 (6-1) :式(6-1) のベンジジン誘導体(融点=204.
4℃、Ip=5.51eV) (6-2) :式(6-2) のベンジジン誘導体(融点=182.
6℃、Ip=5.40eV) (6-3) :式(6-3) のベンジジン誘導体(融点=187.
6℃、Ip=5.14eV) (6-4) :式(6-4) のベンジジン誘導体(融点=236.
3℃、Ip=5.54eV) (6-5) :式(6-5) のベンジジン誘導体(融点=180.
6℃、Ip=5.53eV) なお、イオン化電位(Ip)の測定は、前記と同様にし
て行った。
【0140】上記各実施例で得た感光体の評価結果を、
使用した電荷発生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種
類と共に、表6に示す。なお、使用した電荷発生剤およ
び電子輸送剤の記号は前記と同じである。
【0141】
【表6】
【0142】実施例46〜53 正孔輸送剤として式 (7-1)〜(7-3) で表されるベンジジ
ン誘導体を使用し、表7に示す電荷発生剤および電子輸
送剤と組み合わせて使用したほかは、実施例28〜33
と同様にして単層型電子写真感光体を作製した。 (7-1) :式(7-1) のベンジジン誘導体(融点=183.
0℃、Ip=5.54eV) (7-2) :式(7-1) のベンジジン誘導体(融点=270.
4℃、Ip=5.55eV) (7-3) :式(7-1) のベンジジン誘導体(融点=181.
6℃、Ip=5.68eV) なお、イオン化電位(Ip)の測定は、前記と同様にし
て行った。
【0143】上記各実施例で得た感光体の評価結果を、
使用した電荷発生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種
類と共に、表7に示す。なお、使用した電荷発生剤およ
び電子輸送剤の記号は前記と同じである。
【0144】
【表7】
【0145】比較例7〜12 正孔輸送剤および電子輸送剤として下記の化合物を使用
し、表8に示す電荷発生剤と組み合わせて使用したほか
は、実施例28〜33と同様にして単層型電子写真感光
体を作製した。 (正孔輸送剤)6Me−4PhB:N,N,N’,N’
−テトラキス(4−メチルフェニル)−3,3’−ジメ
チルベンジジン(融点=172.4℃、Ip=5.54
eV) (電子輸送剤) (2) :式 (2)のトリプトアントリン (18):式(18)のトリプトアントリン誘導体 (a) :3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチル−
4,4’−ジフェノキノン イオン化電位(Ip)の測定は、前記と同様にして行っ
た。
【0146】上記各比較例で得た感光体の評価結果を、
使用した電荷発生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤の種
類と共に表8に示す。なお、使用した電荷発生剤の記号
は前記と同じである。
【0147】
【表8】
【0148】実施例54〜59 正孔輸送剤として式(5-1) で表されるベンジジン誘導体
を使用したほかは実施例22〜27と同様にして単層型
感光体を作製した。すなわち、電荷発生剤としてX型メ
タルフリーフタロシアニンを、正孔輸送剤として式(5-
1) で表されるベンジジン誘導体を、電子輸送剤として
式(2) で表されるトリプトアントリンまたは式(18) で
表されるトリプトアントリン誘導体をそれぞれ用いた。
また、電子受容性化合物として、実施例22〜27で示
した記号(a) 〜(c) でそれぞれ表される化合物を用い
た。
【0149】得られた感光体について、実施例28〜3
3と同様にして露光後電位VL (V)、ガラス転移点お
よび高温保管特性を評価した。その結果を、使用した正
孔輸送剤、電子輸送剤および電子受容性化合物と共に表
9に示す。
【0150】
【表9】
【0151】実施例60〜65 正孔輸送剤として式(6-1) または(6-3) で表されるベン
ジジン誘導体のいずれかを、電子輸送剤として式(2) で
表されるトリプトアントリン誘導体をそれぞれ用いたほ
かは、実施例54〜59と同様にして単層型電子写真感
光体を作成した。
【0152】得られた感光体について、実施例28〜3
3と同様にして露光後電位VL (V)、ガラス転移点お
よび高温保管特性を評価した。その結果を、使用した正
孔輸送剤、電子輸送剤および電子受容性化合物と共に表
10に示す。
【0153】
【表10】
【0154】実施例66〜71 正孔輸送剤として式(7-1) および(7-3) で表されるベン
ジジン誘導体のいずれかを、電子輸送剤として式(2) で
表されるトリプトアントリン誘導体をそれぞれ用いたほ
かは、実施例54〜59と同様にして単層型電子写真感
光体を作成した。
【0155】得られた感光体について、実施例28〜3
3と同様にして露光後電位VL (V)、ガラス転移点お
よび高温保管特性を評価した。その結果を、使用した正
孔輸送剤、電子輸送剤および電子受容性化合物と共に表
11に示す。
【0156】
【表11】
【0157】これらの結果から明らかなように、実施例
の感光体は、対応する比較例の感光体に比べて露光後電
位VL が低下しており、高い感度を有していることがわ
かる。また、ガラス転移温度(Tig)が高く、高温保管
特性にも優れていることがわかる。
【0158】
【発明の効果】以上のように、本発明におけるトリプト
アントリン誘導体(3)は電子輸送能に優れているので、
これを電子輸送剤として使用した電子写真感光体は高感
度である。したがって、本発明の感光体を使用すると、
複写機やプリンター等の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における酸化還元電位を求めるための牽
引電圧(V)と電流(A)との関係を示すグラフであ
る。
【図2】実施例1で得た生成物の赤外線吸収スペクトル
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋葉 伸子 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 深見 季之 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 山里 一郎 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 上垣内 寿和 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 田中 裕二 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/04 140 C09B 57/00 G03G 5/06 318 G03G 5/06 372 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: 【化1】 (式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R2a、R2b、R2c
    よびR2dは同一または異なって、水素原子、アルキル基
    またはハロゲン化アルキル基を示す。但し、R1a
    1b、R1cおよびR1dは同時に水素原子であってはなら
    ない。)で表されるトリプトアントリン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体と、この導電性基体上に設けた
    有機感光層とからなり、有機感光層が一般式: 【化2】 (式中、R1A、R1B、R1CおよびR1Dは同一または異な
    って、水素原子、アルキル基またはハロゲン化アルキル
    基を示し、R2a、R2b、R2cおよびR2d同一または異
    なって、水素原子、アルキル基またはハロゲン化アルキ
    ル基を示す。)で表されるトリプトアントリン誘導体を
    含有した電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記トリプトアントリン誘導体が請求項1
    に規定される一般式(1)の化合物である請求項2記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記有機感光層が、結着樹脂と、電荷発生
    剤と、前記一般式(3)で表されるトリプトアントリン誘
    導体からなる電子輸送剤と、一般式: 【化3】 (式中、R3a、R3b、R3c、R4a、R4b、R4c、R5a
    5b、R5c、R6a、R6b、R6c、R7a、R7bおよびR7c
    は同一または異なって水素原子、アルキル基、置換基を
    有していてもよいアリール基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン化アルコキシ基を示す。)で表されるフェニレンジ
    アミン誘導体からなる正孔輸送剤とからなる請求項2記
    載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】前記有機感光層が、さらに−0.8〜−
    1.4Vの酸化還元電位を有する電子受容性化合物を含
    有している請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】前記電荷発生剤がフタロシアニン顔料であ
    る請求項4記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】前記有機感光層が、結着樹脂と、電荷発生
    剤と、前記一般式(3)で表されるトリプトアントリン誘
    導体からなる電子輸送剤と、一般式: 【化4】 (式中、R8a、R8b、R9aおよびR9bは同一または異な
    って水素原子またはアルキル基を示し、R10a、R10b
    11a、R11b、R12a、R12b、R13aおよびR13bは同一
    または異なってアルキル基を示す。) 【化5】 (式中、R14a、R14b、R15aおよびR15bは同一または
    異なって水素原子またはアルキル基を示し、R16a、R
    16b、R17aおよびR17bは同一または異なってアルキル
    基を示し、R18およびR19は同一または異なって炭素数
    3〜5のアルキル基または置換基を有していてもよいア
    リール基を示す。)および 【化6】 (式中、R20a、R20b、R21a、R21b、R22およびR23
    は同一または異なって水素原子またはアルキル基を示
    し、R24およびR25は同一または異なって水素原子、ア
    ルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を
    示す。)で表されるベンジジン誘導体から選ばれる少な
    くとも1つの正孔輸送剤とからなる請求項2記載の電子
    写真感光体。
  8. 【請求項8】前記有機感光層が、−0.8〜−1.4V
    の酸化還元電位を有する電子受容性化合物を含有してい
    る請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】前記電荷発生剤がフタロシアニン顔料であ
    る請求項7記載の電子写真感光体。
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