JP3641069B2 - フェナントレンビスエナミン誘導体とそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

フェナントレンビスエナミン誘導体とそれを用いた電子写真感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子、電子写真感光体等において電荷輸送剤、とくに正孔輸送剤として好適に用いられる新規な化合物と、それを用いた、静電式複写機やレーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置等の画像形成装置に使用される電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記の電荷輸送剤を用いた電子写真感光体としては、たとえば電荷輸送剤を、光照射により電荷を発生する電荷発生剤とともに結着樹脂中に含有させた単層型の感光層を備えたものや、あるいは電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と、電荷発生剤を含有する電荷発生層とを備えた積層型の感光層を有するもの等の、いわゆる有機感光体(OPC)がある。
【0003】
かかる有機感光体は、無機半導体材料を用いた無機感光体に比べて製造が容易であるとともに、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等の選択肢が多様であり、機能設計の自由度が大きいという利点がある。
上記電荷輸送剤としては従来、カルバゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ベンジジン系化合物等の種々の有機化合物が知られており、その中でも代表的なものとしては、たとえばm−フェニレンジアミンや、かかるm−フェニレンジアミン分子を構成する各6員環のいずれかに、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ニトロ基等を置換した誘導体などがあげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記m−フェニレンジアミンやその誘導体は、溶剤に対する溶解性や結着樹脂との相溶性がよく、しかも電荷輸送能力にすぐれたものであるが、安定性が不十分で、とくに光照射によって反応性の高い一重項励起状態となった際に、劣化したり分解したりしやすいという問題があった。
【0005】
これは、ホール輸送に係わるHOMO凖位(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占凖位)の電子が、分子の中心に位置する6員環の4位と6位の炭素原子に局在化して、この部分の化学的な反応性が高くなることが原因である。
このため、たとえば上記m−フェニレンジアミンやその誘導体を電荷輸送剤として使用した電子写真感光体は、画像形成装置内で帯電、露光、除電の工程を繰り返した際に、当該電荷輸送剤が光化学反応を起こして劣化物質を生じ、それが感光体の感度低下や帯電上昇を引き起こすという問題があった。
【0006】
そこで近時、新たな電荷輸送剤として、分子中にエナミン部分を有する、一般式(2) :
【0007】
【化3】
Figure 0003641069
【0008】
〔式中Arはアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基等を示し、Ra はアルキル基、アリール基または複素環基を示す。Rb およびRc は同一または異なって、アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を示し、Rd は水素原子または低級アルキル基を示す。また上記各基は置換基を有してもよい。〕で表されるビスエナミン化合物が提案された(特開平1−195455号公報、特開平6−348045号公報)。
【0009】
上記ビスエナミン化合物は、前述した従来の電荷輸送剤に比べて電荷の輸送能力にすぐれるとともに、安定性にすぐれており、光照射によって劣化したり分解したりしにくいため、感光体の感度低下や帯電上昇を抑制できるものと期待されている。
しかし発明者らが検討したところ、上記ビスエナミン化合物は、さらに改良の余地のあることが明らかとなった。
【0010】
本発明の目的は、従来のビスエナミン化合物に比べてさらに電荷輸送能力にすぐれた新規化合物と、それを電荷輸送剤として用いた、高感度でかつ耐久性にすぐれた電子写真感光体とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、前記一般式(2) 中のArとして、前記両公報には具体的な開示の一切ないフェナントレン環を用い、このフェナントレン環の9位と10位にそれぞれエナミン部分を置換すると、前記両公報に開示された従来のビスエナミン化合物に比べて、特異的に電荷輸送能力を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、一般式(1) :
【0013】
【化4】
Figure 0003641069
【0014】
〔式中、R1A、R1BおよびR4は同一または異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基を示し、R2A、R2B、R3AおよびR3Bは同一または異なってアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。また上記各基は置換基を有してもよい。a、bおよびcは同一または異なって1〜3の整数を示す。なおa、bまたはcが2または3のとき、各R1A、R1BおよびR4は異なっていてもよい。 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当する各基に置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基があげられる。また、R 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当するアリール基、および置換基としてのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、o−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基またはフェナントリル基が挙げられる。
で表されることを特徴とするものである。
【0015】
前記両公報に開示された従来のビスエナミン化合物の具体例のうち、一般式(2) 中のArがベンゼン環やビフェニル環であるものは、前述したm−フェニレンジアミン誘導体と同様にHOMO凖位の電子が局在化するおそれがある。
これに対し、上記一般式(1) で表される本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体においては、分子中心のフェナントレン環におけるHOMO凖位の電子が上記のように局在化せず、環全体に拡がって非局在化する傾向にある。
【0016】
このため本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、フェナントレン環が、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環等に比べてより大きなπ電子共役系を有することと相まって、HOMO凖位の電子の存在範囲が大きくなることから、電荷の移動が良好で、より高い電荷輸送能力を有している。
また本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、上記フェナントレン環の9位と10位に、それぞれエナミン部分を置換した構造を有しており、前記両公報に開示された従来のビスエナミン化合物の具体例のうち、一般式(2) 中のArがフェナントレン環と同等の大きさを有するアントラセン環やピレン環等であるものに比べて分子の非対称性がより強いために、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性が良好であり、感光層中に均一に分散されるため、電荷のホッピング距離が短く、とくに低電界での電荷輸送性にすぐれている。
【0017】
また、前記のようにHOMO凖位の電子が非局在化した本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、立体的な電子の分布が平面的になるため、これを電荷輸送剤として、電子写真感光体の感光層中に、電荷発生剤とともに含有させると、当該電荷発生剤との相互作用、すなわち電荷発生剤で発生した電荷(とくに正孔)を引き抜く作用が強まって、電荷発生剤の電荷発生効率を向上させるという機能も有している。
【0018】
それゆえ本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、電子写真感光体の電荷輸送剤としての機能にすぐれている。また、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、その高い電荷輸送能を利用して、太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子などの用途に使用することもできる。
また本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、前記一般式(1) で表されるフェナントレンビスエナミン誘導体を含む感光層を設けたことを特徴とするものであり、高感度である。
【0019】
すなわち上記フェナントレンビスエナミン誘導体を含む感光層は、低電界での電荷輸送性にすぐれるとともに、層中で電子と正孔が再結合する割合が減少し、見かけの電荷発生効率が実際の値に近づく結果、感光体の感度が向上する。また感光体の残留電位も低くなり、繰り返し露光を行った際の安定性、耐久性も向上する。
【0020】
またとくにフェナントレンビスエナミン誘導体は、前述したように電荷発生剤から正孔を引き抜く作用にすぐれるとともに、電子および正孔の輸送を阻害する、電子輸送剤との相互作用を生じないため、とくに同じ層中に電荷発生剤と電子輸送剤が含有される単層型の感光層に、正孔輸送剤として使用した際に、より高感度の感光体を構成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
まず本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体について説明する。
前記一般式(1) 中の基R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3BおよびR4 に相当するアルキル基としては、たとえばメチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル等の、炭素数1〜6のアルキル基があげられ、アリール基としては、たとえばフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、o−テルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等があげられる。またアラルキル基としては、たとえばベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、フェネチル等があげられる。さらに基R1A、R1BおよびR4 に相当するアルコキシ基としては、たとえばメトキシ、エトキシ、ノルマルプロポキシ、イソプロポキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等があげられる。
【0022】
また上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基およびアラルキル基の各基は、それぞれ置換基を有してもよい。置換基としては、たとえばふっ素、塩素、臭素、よう素等のハロゲン原子や、前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基およびアラルキル基等があげられる。
基R1A、R1BおよびR4 の置換数を示すa、bおよびcは同一または異なって1〜3の整数を示し、a、bまたはcのいずれかが2または3のとき、対応する基R1A、R1BおよびR4 は異なっていてもよい。つまりR1Aを例にとって説明すると、aが2または3であるとき、ベンゼン環に置換する2個または3個のR1Aは、それぞれ同じ基であっても、また違う基であってもよいのである。他の基R1BおよびR4 についても同様である。
【0023】
上記本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体のうち、基R2AとR2Bが同じ基R2 であるとともに、基R3AとR3Bが同じ基R3 である、下記一般式(11)で表されるフェナントレンビスエナミン誘導体を合成するには、下記反応工程式に示すように、一般式(1a)で表されるフェナントレンジアミン誘導体と、一般式(1b)で表されるアセトアルデヒド誘導体とを、適当な溶媒中で、たとえばショウノウスルホン酸の存在下で反応させればよい。
【0024】
【化5】
Figure 0003641069
【0025】
〔式中、R1A、R1B、R4 、a、bおよびcは前記と同様であり、R2 およびR3 は、前記R2A、R2B、R3AおよびR3Bと同様である。〕
上記の反応に用いる溶媒としては、たとえばトルエン、キシレン、酢酸等があげられ、反応は100〜150℃で2〜6時間程度行われる。
また、基R2AとR2Bが互いに異なる基であるか、基R3AとR3Bが互いに異なる基であるか、あるいはその両方であるフェナントレンビスエナミン誘導体を合成するには、一般式(1a)で表されるフェナントレンジアミン誘導体の、一方の>N−H基をアセチル化等によって封印した状態で、一般式(1b)で表されるアセトアルデヒド誘導体と反応させた後、上記の封印を解除して、一般式(1b)で表される別種の、つまり基R2 および/またはR3 が先のものと違うアセトアルデヒド誘導体と反応させればよい。
【0026】
なお、前記一般式(1a)で表されるフェナントレンジアミン誘導体は、たとえば特開平6−211757号公報に所載の、アニリン誘導体と9,10−フェナントレンキノン誘導体との反応により生成したフェナントレンジイミン誘導体を還元する方法により合成すればよい。
上記本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体の具体的化合物としては、これに限定されないがたとえば、前記一般式(11)に属する、式(11-1)〜(11-2)で表される化合物があげられる。
【0027】
【化6】
Figure 0003641069
【0028】
つぎに、本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、前記一般式(1) で表される本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体の1種または2種以上を電荷輸送剤として含有する感光層を設けたものである。感光層には、いわゆる単層型感光層と積層型感光層とがあるが、本発明はこのいずれにも適用可能である。
【0029】
単層型の感光層は、電荷輸送剤であるフェナントレンビスエナミン誘導体(1) を、電荷発生剤とともに結着樹脂中に含有させたものである。かかる単層型の感光層は、単独の構成で正負いずれの帯電にも対応できるとともに、層構成が簡単で生産性にすぐれている。
また上記フェナントレンビスエナミン誘導体(1) を正孔輸送剤として、電子輸送性にすぐれた電子輸送剤と併用した単層型の感光層は、前述したようにフェナントレンビスエナミン誘導体(1) が電子輸送剤との相互作用を生じないため、さらに高感度である。つまり両輸送剤は、正孔輸送および電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有させても、層中で電荷移動錯体が形成されないため、正孔輸送剤であるフェナントレンビスエナミン誘導体(1) は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送でき、その結果、感光体の残留電位が大きく低下して、感度が向上する。
【0030】
一方、積層型の感光層は、導電性基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とをこの順で、あるいは逆の順で積層、形成したものである。
ただし電荷発生層は、電荷輸送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成するのが好ましい。
【0031】
積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。
たとえば上記の、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体(1) のような正孔輸送剤を使用した場合には、感光層は負帯電型となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。
【0032】
一方、上記の層構成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感光層は正帯電型となる。この場合には、電荷発生層に、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体(1) を、正孔輸送剤として含有させればよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生剤、電子輸送剤および結着樹脂は、次のとおりである。
《電荷発生剤》
電荷発生剤としては、たとえばセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、α−シリコン等の無機光導電材料の粉末や、あるいはフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料、ナフタロシアニン系顔料、スクアライン系顔料、モノアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、インジゴ系顔料、アズレニウム系顔料、シアニン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、ピリリウム塩等があげられる。これら電荷発生剤は、目的とする感光体の感度領域にあわせて、それぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0033】
上記例示の電荷発生剤の中でもとくに好適なものとしては、X型無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料や、ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料等があげられる。
このうちフタロシアニン系顔料は、フェナントレンビスエナミン誘導体(1) とのマッチングにすぐれているとともに、700nm以上の波長領域の光に対して高感度であり、したがって上記の波長領域の光源を使用するデジタル光学系の画像形成装置に好適に使用される。
【0034】
またペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料はともに、やはりフェナントレンビスエナミン誘導体(1) とのマッチングにすぐれているとともに、可視領域の光に対して高感度であり、したがって上記の波長領域の光源を使用するアナログ光学系の画像形成装置に好適に使用される。
《電子輸送剤》
電子輸送剤としては、たとえばベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロルアニル、ブロモアニル、2,4,8−トリニトロチオキサントン、フルオレノン系化合物〔たとえば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン等〕、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオレノンイミン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリンイミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化合物、2−フェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、5,12−ナフタセンキノン系化合物、α−シアノスチルベン系化合物、4′−ニトロスチルベン系化合物、ならびに、ベンゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩等の、種々の電子吸引性化合物が好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
《結着樹脂》
結着樹脂としては、たとえばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等があげられる。これら結着樹脂は単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。
《正孔輸送剤》
本発明の電子写真感光体には、前記本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体(1) とともに、他の正孔輸送剤を併用することもできる。
【0035】
かかる正孔輸送剤としては、たとえばベンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物〔たとえば2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等〕、スチリル系化合物〔たとえば9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等〕、カルバゾール系化合物〔たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール等〕、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物〔たとえば1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等〕、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、およびジフェニレンジアミン系化合物等が好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0036】
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。
単層型の感光層を有する電子写真感光体を得るには、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体(1) を、電荷発生剤や結着樹脂、さらに必要に応じて電子輸送剤や他の正孔輸送剤等と共に適当な溶剤に溶解または分散した塗布液を、塗布等の手段によって導電性基体上に塗布し、乾燥させればよい。
【0037】
上記単層型の感光層においては、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合され、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体(1) を含む正孔輸送剤は5〜500重量部、好ましくは25〜200重量部の割合で配合される。また電子輸送剤は5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の割合で配合される。さらに、正孔輸送剤と電子輸送剤との総量は、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ましくは30〜200重量部とするのが適当である。
【0038】
また、単層型の感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
積層型の感光層のうち、前述したように電荷発生層が下側に配置された感光層を有する電子写真感光体を得るには、まず導電性基体上に電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗布等の手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成すればよい。
【0039】
上記積層型の感光層のうち電荷発生層としては、電荷発生剤のみからなるものと、結着樹脂中に電荷発生剤を含有させたものとがあり、前者の電荷発生層は、導電性基体上に電荷発生剤を蒸着したり、あるいは電荷発生剤を含む塗布液を、塗布等の手段によって塗布して乾燥させたりすることで形成される。また後者の電荷発生層は、電荷発生剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗布等の手段によって塗布し、乾燥させることで形成される。
【0040】
上記のうち後者の、樹脂結着型の電荷発生層において、電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合で配合するのが適当である。
電荷発生層上に積層される電荷輸送層を構成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しない範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷を容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対して電荷輸送剤を10〜500重量部、好ましくは25〜100樹脂の割合で配合するのが適当である。
【0041】
また、電荷発生層に、電荷輸送層に含有させるのと反対の輸送性の電荷輸送剤を含有させる場合は、当該電荷輸送剤を結着樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部で配合するのが適当である。
積層型の感光層の厚さは、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
【0042】
単層型感光体にあっては導電性基体と感光層との間に、また積層型感光体にあっては導電性基体と電荷発生層との間、導電性基体と電荷輸送層との間または電荷発生層と電荷輸送層との間に、それぞれ感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層を形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成していてもよい。
単層型および積層型の各感光層には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、たとえば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。
【0043】
また、感光層の感度を向上させるために、たとえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
本発明の感光体に使用される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、たとえばアルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
【0044】
導電性基体はシート状、ドラム状等の何れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するものが好ましい。
本発明における感光層は、前記した各成分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0045】
すなわち、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、たとえば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して塗布液を調製し、これを公知の手段により塗布、乾燥すればよい。
塗布液をつくるための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
以上のように、本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は電荷、とくに正孔輸送能にすぐれているので、これを電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用した電子写真感光体は高感度である。したがって本発明の感光体を使用すると、静電式複写機等の画像形成装置の高速化、高性能化をはかることができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明する。
《フェナントレンビスエナミン誘導体》
合成例1
〔N,N′−ビス(4−メチルフェニル)−N,N′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−9,10−ジアミノフェナントレンの合成〕
式(1a-1):
【0048】
【化7】
Figure 0003641069
【0049】
で表されるN,N′−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジアミノフェナントレン3g(7.7ミリモル)と、式(1b-1):
【0050】
【化8】
Figure 0003641069
【0051】
で表される2,2−ジフェニルアセトアルデヒド3.2g(16.3ミリモル)と、ショウノウスルホン酸0.4g(1.7ミリモル)とを150mlのトルエンとともにフラスコ中に加え、フラスコにディーンスタークコレクタを取り付けて還流下で4時間反応させた。
つぎに、上記反応液のうちトルエン層を分取して水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥させたのち、トルエンを留去した。
【0052】
つぎにえられた残渣を、クロロホルム−ヘキサン混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、式(11-1):
【0053】
【化9】
Figure 0003641069
【0054】
で表される標記化合物3.7g(収率64%)をえた。
この化合物の融点は145〜148℃であり、元素分析結果は、下記のとおりである。
Figure 0003641069
合成例2
〔N,N′−ビス(4−イソプロピルフェニル)−N,N′−ビス(2−フェニル−1−プロペニル)−9,10−ジアミノフェナントレンの合成〕
式(1a-2):
【0055】
【化10】
Figure 0003641069
【0056】
で表されるN,N′−ビス(4−イソプロピルフェニル)−9,10−ジアミノフェナントレン3g(6.7ミリモル)と、式(1b-2):
【0057】
【化11】
Figure 0003641069
【0058】
で表される2−フェニルプロピオンアルデヒド1.9g(14.2ミリモル)と、ショウノウスルホン酸0.3g(1.3ミリモル)とを用いたこと以外は合成例1と同様にして、式(11-2):
【0059】
【化12】
Figure 0003641069
【0060】
で表される標記化合物2.6g(収率57%)をえた。
この化合物の融点は126〜129℃であり、元素分析結果は、下記のとおりである。
Figure 0003641069
《デジタル光源用感光体(単層型)》
実施例1
電荷発生剤である、式(CG1) :
【0061】
【化13】
Figure 0003641069
【0062】
で表されるX型無金属フタロシアニン5重量部と、正孔輸送剤である、合成例1でえた、前記式(11-1)で表される化合物100重量部と、結着樹脂であるポリカーボネート100重量部とを、800重量部のテトラヒドロフランとともに、ボールミルにて50時間、混合し、分散させて単層型感光層用の塗布液を調整した。
【0063】
つぎにこの塗布液を、導電性基材であるアルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚25μmの単層型感光層を形成して、デジタル光源用の感光体を製造した。
実施例2
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代えて、式(CG2) :
【0064】
【化14】
Figure 0003641069
【0065】
で表されるオキソチタニルフタロシアニン5重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
実施例3、4
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例2でえた、前記式(11-2)で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0066】
比較例1、2
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記一般式(2) で表される従来のビスエナミン化合物に属する、前述した特開平1−195455号公報に所載の、式(2-1) :
【0067】
【化15】
Figure 0003641069
【0068】
で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
比較例3、4
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記一般式(2) で表される従来のビスエナミン化合物に属する、前述した特開平6−348045号公報に所載の、式(2-2) :
【0069】
【化16】
Figure 0003641069
【0070】
で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
比較例5、6
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記一般式(2) で表される従来のビスエナミン化合物に属する、前述した特開平6−348045号公報に所載の、式(2-3) :
【0071】
【化17】
Figure 0003641069
【0072】
で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、下記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。
光感度試験I
ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電圧を加えて、その表面を+700±20Vに帯電させて、表面電位V0 (V)を測定した。
【0073】
つぎに、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色光から、バンドパスフィルターによって取り出した、波長780nm(半値幅20nm)、光強度10μJ/cm2 の単色光を、上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間1.5秒)して、露光開始から0.5秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr (V)として測定した。
【0074】
上記の残留電位Vr (V)が低いほど、感光体は高感度である。
結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
Figure 0003641069
【0076】
《デジタル光源用感光体(単層型−電子輸送剤併用系)》
実施例5〜8、比較例7〜12
塗布液に、電子輸送剤である、式(ET1) :
【0077】
【化18】
Figure 0003641069
【0078】
で表される3,5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−ジフェノキノン30重量部を添加したこと以外は実施例1〜4、比較例1〜6と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
Figure 0003641069
【0080】
《アナログ光源用感光体(単層型)》
実施例9〜12
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代えて、式(CG3) :
【0081】
【化19】
Figure 0003641069
【0082】
で表されるペリレン顔料5重量部、式(CG4) :
【0083】
【化20】
Figure 0003641069
【0084】
で表されるビスアゾ顔料5重量部、式(CG5) :
【0085】
【化21】
Figure 0003641069
【0086】
で表されるビスアゾ顔料5重量部、または式(CG6) :
【0087】
【化22】
Figure 0003641069
【0088】
で表されるビスアゾ顔料5重量部のいずれかを使用したこと以外は実施例1と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
実施例13〜16
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例2でえた、前記式(11-2)で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0089】
比較例13〜16
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-1) で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
比較例17〜20
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-2) で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0090】
比較例21〜24
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-3) で表される化合物100重量部を使用したこと以外は実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、下記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。
【0091】
光感度試験II
ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電圧を加えて、その表面を+700±20Vに帯電させて、表面電位V0 (V)を測定した。
つぎに、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色光(光強度10ルックス)を、上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間1.5秒)して、露光開始から0.5秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr (V)として測定した。
【0092】
上記の残留電位Vr (V)が低いほど、感光体は高感度である。
結果を表3、4に示す。
【0093】
【表3】
Figure 0003641069
【0094】
【表4】
Figure 0003641069
【0095】
《アナログ光源用感光体(単層型−電子輸送剤併用系)》
実施例17〜24、比較例25〜36
塗布液に、電子輸送剤である、前記式(ET1) で表される3,5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−ジフェノキノン30重量部を添加したこと以外は実施例9〜16、比較例13〜24と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0096】
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、前記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。結果を表5、6に示す。
【0097】
【表5】
Figure 0003641069
【0098】
【表6】
Figure 0003641069
【0099】
《デジタル光源用感光体(積層型)》
実施例25
電荷発生剤である、前記式(CG1) で表されるX型無金属フタロシアニン2.5重量部と、結着樹脂であるポリビニルブチラール1重量部とを、15重量部のテトラヒドロフランとともに、ボールミルにて混合し、分散させて電荷発生層用の塗布液を調整した。
【0100】
つぎにこの塗布液を、導電性基材であるアルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
つぎに正孔輸送剤としての、合成例1でえた、前記式(11-1)で表される化合物1重量部と、結着樹脂であるポリカーボネート1重量部とを、10重量部のテトラヒドロフランとともに、ボールミルにて混合し、分散させて電荷輸送層用の塗布液を調整した。
【0101】
つぎにこの塗布液を、上記電荷発生層上に、ディップコート法にて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
実施例26
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代えて、前記式(CG2) で表されるオキソチタニルフタロシアニン2.5重量部を使用したこと以外は実施例25と同様にして、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0102】
実施例27、28
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例2でえた、前記式(11-2)で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例25、26と同様にして、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
比較例37、38
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-1) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例25、26と同様にして、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0103】
比較例39、40
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-2) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例25、26と同様にして、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
比較例41、42
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-3) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例25、26と同様にして、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0104】
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、下記の光感度試験III を行い、その特性を評価した。
光感度試験III
ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電圧を加えて、その表面を−700±20Vに帯電させて、表面電位V0 (V)を測定した。
【0105】
つぎに、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色光から、バンドパスフィルターによって取り出した、波長780nm(半値幅20nm)、光強度10μJ/cm2 の単色光を、上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間1.5秒)して、露光開始から0.5秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr (V)として測定した。
【0106】
上記の残留電位Vr (V)が低いほど、感光体は高感度である。
結果を表7に示す。
【0107】
【表7】
Figure 0003641069
【0108】
《アナログ光源用感光体(積層型)》
実施例29〜32
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代えて、前記式(CG3) で表されるペリレン顔料2.5重量部、式(CG4) で表されるビスアゾ顔料2.5重量部、式(CG5) で表されるビスアゾ顔料2.5重量部、または式(CG6) で表されるビスアゾ顔料2.5重量部のいずれかを使用したこと以外は実施例25と同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0109】
実施例33〜36
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例2でえた、前記式(11-2)で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例29〜32と同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
比較例43〜46
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-1) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例29〜32と同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0110】
比較例47〜50
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-2) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例29〜32と同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
比較例51〜54
正孔輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式(2-3) で表される化合物1重量部を使用したこと以外は実施例29〜32と同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造した。
【0111】
上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、下記の光感度試験IVを行い、その特性を評価した。
光感度試験IV
ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電圧を加えて、その表面を−700±20Vに帯電させて、表面電位V0 (V)を測定した。
【0112】
つぎに、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色光(光強度10ルックス)を、上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間1.5秒)して、露光開始から0.5秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr (V)として測定した。
上記の残留電位Vr (V)が低いほど、感光体は高感度である。
【0113】
結果を表8、9に示す。
【0114】
【表8】
Figure 0003641069
【0115】
【表9】
Figure 0003641069
【0116】
【発明の効果】
本発明のフェナントレンビスエナミン誘導体は、高い電荷輸送能、とくに正孔輸送能を有しているため、たとえば電子写真感光体や太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子等における電荷輸送剤、とりわけ正孔輸送剤として好適に使用できる。
【0117】
また本発明の電子写真感光体は、上記のフェナントレンビスエナミン誘導体を含有する感光層を有するので高感度であり、静電式複写機やレーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置等の画像形成装置の高速化、高性能化に寄与するという特有の作用効果を奏する。

Claims (3)

  1. 一般式(1):
    Figure 0003641069
    〔式中、R1A、R1BおよびR4は同一または異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基を示し、R2A、R2B、R3AおよびR3Bは同一または異なってアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。また上記各基は置換基を有してもよい。a、bおよびcは同一または異なって1〜3の整数を示す。なおa、bまたはcが2または3のとき、各R1A、R1BおよびR4は異なっていてもよい。 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当する各基に置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基があげられる。また、R 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当するアリール基、および置換基としてのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、o−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基またはフェナントリル基が挙げられる。
    で表されることを特徴とするフェナントレンビスエナミン誘導体。
  2. 導電性基体上に、一般式(1):
    Figure 0003641069
    〔式中、R1A、R1BおよびR4は同一または異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基を示し、R2A、R2B、R3AおよびR3Bは同一または異なってアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。また上記各基は置換基を有してもよい。a、bおよびcは同一または異なって1〜3の整数を示す。なおa、bまたはcが2または3のとき、各R1A、R1BおよびR4は異なっていてもよい。 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当する各基に置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基があげられる。また、R 1A 、R 1B 、R 2A 、R 2B 、R 3A 、R 3B およびR 4 に相当するアリール基、および置換基 としてのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、o−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基またはフェナントリル基が挙げられる。
    で表されるフェナントレンビスエナミン誘導体を含む感光層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
  3. 感光層が、前記一般式(1)で表わされるフェナントレンビスエナミン誘導体を正孔輸送剤として、電荷発生剤および電子輸送剤とともに結着樹脂中に含有させた単層型の感光層である請求項2記載の電子写真感光体。
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