JPH0977763A - ジオキソテトラセンジオン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ジオキソテトラセンジオン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH0977763A
JPH0977763A JP23837995A JP23837995A JPH0977763A JP H0977763 A JPH0977763 A JP H0977763A JP 23837995 A JP23837995 A JP 23837995A JP 23837995 A JP23837995 A JP 23837995A JP H0977763 A JPH0977763 A JP H0977763A
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JP23837995A
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English (en)
Inventor
Akio Sugai
章雄 菅井
Nobuko Akiba
伸子 秋葉
Yasushi Mizuta
泰史 水田
Shunichi Matsumoto
俊一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子輸送剤として好適な新規のジオキソテト
ラセンジオン誘導体と、それを用いた高感度の電子写真
感光体とを提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるジオキソテトラ
センジオン誘導体。電子写真感光体は、上記ジオキソテ
トラセンジオン誘導体を含む感光層を備える。 〔式中、R1a,R1b,R1cおよびR1dは、同一
または異なって水素原子、置換基を有してもよいアルキ
ル基、式(1a): で表される基、または式(1b): で表される基を示す。式(1a)中のR2aは置換基を
有してもよいアルキル基を示し、式(1b)中、
2b,R2c,R2d,R2eおよびR2fは、同一
または異なって水素原子、または置換基を有してもよい
アルキル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジオキソテ
トラセンジオン誘導体と、それを用いた、たとえば静電
式複写機、レーザービームプリンタ、普通紙ファクシミ
リ装置等の画像形成装置に使用される電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記画像形成装置においては、光照射に
よって電荷を発生する電荷発生剤、発生した電荷を輸送
する電荷輸送剤、およびこれらの物質を分散して層を構
成する結着樹脂等からなる、いわゆる有機感光体(OP
C)が広く使用されている。有機感光体としては、大別
して、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層中に含有さ
せた単層型の感光層を備えたものと、電荷発生剤を含む
電荷発生層と、電荷輸送剤を含む電荷輸送層とを積層し
た積層型の感光層を備えたものとがあり、このうち積層
型の感光層を備えた感光体が一般的である。また上記積
層型の感光層は、機械的強度の面から、電荷発生層より
も膜厚の厚い電荷輸送層を、最外層に配置するのが一般
的である。
【0003】これらの感光体に使用される電荷輸送剤と
しては、正孔輸送性のものと電子輸送性のものとがある
が、現在知られている電荷輸送剤のうち、感光体に実用
的な感度を付与しうるキャリヤ移動度の高いものは、そ
の多くが正孔輸送性である。このため、現在実用化され
ている有機感光体は、前述した最外層に電荷輸送層を設
けた積層型の場合、負帯電型となる。
【0004】しかし、上記負帯電型の積層型感光層を有
する感光体は、オゾンの発生量が多い負極性コロナ放電
によって帯電させる必要があり、オゾンによる環境への
影響や、あるいは感光体自体の劣化が問題となる。そこ
でこのような問題を解決するために、キャリヤ移動度の
高い電子輸送剤の開発、検討がなされており、たとえば
特開平1−206349号公報には、ジフェノキノン構
造を有する化合物を電子輸送剤として使用することが提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらジフェノ
キノン類は、一般に結着樹脂との相溶性に乏しく、均一
に分散されないため、電子のホッピング距離が長くな
り、とくに低電界での電子移動が生じにくい。そのた
め、ジフェノキノン類自体は高いキャリヤ移動度を有し
ているが、これを電子輸送剤として感光体に使用した際
には、その特性が十分に発揮されず、感光体の残留電位
が高くなり、光感度が不十分であった。
【0006】また、前記のように現在、実用化されてい
る有機感光体の多くは積層型の感光層を備えたものであ
るが、これに比べて単層型の感光層を備えた感光体は製
造が容易である上、被膜欠陥の発生を防止し、光学的特
性を向上させる点でも多くの利点がある。しかもこのよ
うな単層型の感光層を備えた感光体は、電子輸送剤と正
孔輸送剤とを併用することで、1つの感光体を正帯電型
および負帯電型の両方に使用でき、感光体の応用範囲を
拡げられる可能性があるが、前記ジフェノキノン類は、
正孔輸送剤との相互作用により、電子および正孔の輸送
が阻害されるという問題があるため、かかる単層型の感
光層を備えた感光体は、広く実用化されるに至っていな
い。
【0007】本発明の目的は、上記の技術的な課題を解
決しうる電子輸送剤として好適な、全く新規な誘導体
と、それを用いた、従来に比べて高感度の電子写真感光
体とを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のジオキソテトラセンジオン誘導体は、一般
式(1) :
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、R1a、R1b、R1cおよびR1dは、
同一または異なって水素原子、置換基を有してもよいア
ルキル基、式(1a):
【0011】
【化8】
【0012】で表される基、または式(1b):
【0013】
【化9】
【0014】で表される基を示す。式(1a)中のR2aは置
換基を有してもよいアルキル基を示し、式(1b)中、
2b、R2c、R2d、R2eおよびR2fは、同一または異な
って水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基
を示す。〕で表されることを特徴とする。また、本発明
の電子写真感光体は、導電性基体上に、上記一般式(1)
で表されるジオキソテトラセンジオン誘導体を含む感光
層を設けたことを特徴とする。
【0015】さらに上記感光層は、酸化還元電位−0.
8〜−1.4Vの電子受容性化合物をも含有しているの
が好ましい。かかる、本発明のジオキソテトラセンジオ
ン誘導体は、環中に導入した2つの=O基の作用によっ
て電子受容性にすぐれているとともに、かかる基の作用
によって、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性が
良好である。
【0016】またとくに式中、R1a、R1b、R1cおよび
1dのうちいずれか1つまたは2つがアルキル基である
ジオキソテトラセンジオン誘導体は、溶剤への溶解性お
よび結着樹脂との相溶性がさらに良好であり、上記基の
うちいずれか1つが式(1a)または(1b)で表される基であ
るジオキソテトラセンジオン誘導体は電子受容性にすぐ
れている。
【0017】よって本発明のジオキソテトラセンジオン
誘導体は、電荷発生剤(顔料)とのマッチングにすぐ
れ、当該電荷発生剤からの電子の注入が円滑に行われる
とともに、感光層中に均一に分散されるため、電子のホ
ッピング距離が短く、とくに低電界での電子輸送性にす
ぐれている。また上記ジオキソテトラセンジオン誘導体
は、電子および正孔の輸送を阻害する、正孔輸送剤との
相互作用を生じないため、とくに同じ層中に正孔輸送剤
が含有される単層型の感光層に使用した際に、より高感
度の感光体を構成できる。
【0018】そして本発明の電子写真感光体は、上記の
ようにすぐれた特性を有する、本発明のジオキソテトラ
センジオン誘導体を電子輸送剤として含有する感光層を
備えているため、高感度である。また、上記ジオキソテ
トラセンジオン誘導体とともに、酸化還元電位−0.8
〜−1.4Vの電子受容性化合物を併用すると、当該電
子受容性化合物が、電荷発生剤から電子を引き抜いてジ
オキソテトラセンジオン誘導体に伝達する働きをするた
め、電荷発生剤からジオキソテトラセンジオン誘導体へ
の電子の注入がさらに円滑になり、感光体の感度がさら
に向上する。
【0019】さらに、本発明のジオキソテトラセンジオ
ン誘導体は、その高い電子輸送能を利用して、太陽電池
や有機エレクトロルミネッセンス素子等の用途にも使用
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。ま
ず、本発明のジオキソテトラセンジオン誘導体について
説明する。前記一般式(1) 中の各基に相当するアルキル
基としては、例えばメチル、エチル、ノルマルプロピ
ル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、第2
級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル等の、炭
素数1〜6のアルキル基があげられる。
【0021】上記アルキル基は置換基を有していてもよ
く、その置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等のハロゲン原子、またはアリール基等があげられる。
上記アリール基としては、例えばフェニル、トリル、キ
シリル、ビフェニリル、o−テルフェニル、ナフチル、
アントリル、フェナントリル等の基があげられる。
【0022】なお前記一般式(1) において、右端の6員
環に置換するのがアルキル基である場合、その置換数は
1または2が好ましい。すなわち基R1a、R1b、R1c
よびR1dのうちの1つまたは2つがアルキル基で、残り
が水素原子であるのがよい。右端の6員環にアルキル基
が2つ置換する場合、両者は同一でもよく、また互いに
異なってもよい。
【0023】また、上記右端の6員環に置換するのが式
(1a)または(1b)で表される基である場合、その置換数は
1であるのが好ましい。つまり基R1a、R1b、R1cおよ
びR 1dのうちの1つが上記基で、残りの3つは水素原子
であるのがよい。さらに式(1b)中の基R2b、R2c
2d、R2eおよびR2fは、全て水素原子であるよりも、
各基のうちの1つないし3つがアルキル基で、残りが水
素原子であるのが好ましい。
【0024】本発明のジオキソテトラセンジオン誘導体
は、式(1c):
【0025】
【化10】
【0026】で表される2,3−ジクロロ−1,4−ナ
フトキノンと、一般式(1d):
【0027】
【化11】
【0028】〔式中、R1a、R1b、R1cおよびR1dは前
記と同様の基を示す。〕で表されるカテコール誘導体と
を縮合させることで合成される。上記本発明のジオキソ
テトラセンジオン誘導体の具体的化合物としては種々の
化合物があげられるが、そのうち一般式(1) 中の基
1a、R1b、R1cおよびR1dのうちいずれか1つまたは
2つがアルキル基であるジオキソテトラセンジオン誘導
体としては、たとえば式(1-1)(1-2)(1-3)(1-4)で表され
る化合物があげられる。
【0029】
【化12】
【0030】また、一般式(1) 中の基R1a、R1b、R1c
およびR1dのうちいずれか1つが前記一般式(1a)で表さ
れる基であるジオキソテトラセンジオン誘導体として
は、たとえば式(1-5) で表される化合物があげられる。
【0031】
【化13】
【0032】さらに、一般式(1) 中の基R1a、R1b、R
1cおよびR1dのうちいずれか1つが前記一般式(1b)で表
される基であるジオキソテトラセンジオン誘導体として
は、たとえば式(1-6) で表される化合物があげられる。
【0033】
【化14】
【0034】つぎに、本発明の電子写真感光体について
説明する。本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に、前記一般式(1) で表される本発明のジオキソテトラ
センジオン誘導体の1種または2種以上を電子輸送剤と
して含む感光層を設けたものである。上記感光層として
は、前述したように単層型と積層型とがある。
【0035】単層型の感光層は、結着樹脂中に、電子輸
送剤である本発明のジオキソテトラセンジオン誘導体
(1) と、正孔輸送剤と、電荷発生剤とを含有させたもの
で、この単層型の感光層を備えた感光体は、正負いずれ
の帯電型にも使用できるが、前述した負極性コロナ放電
を用いる必要のない正帯電型で使用するのが好ましい。
また積層型の感光層は、電荷発生剤を含む電荷発生層
と、電子輸送剤である本発明のジオキソテトラセンジオ
ン誘導体(1) を含む電荷輸送層とからなり、この積層型
の感光層を備えた感光体は、両層の積層順序によって正
負いずれの帯電型にも構成できるが、やはり同様の理由
から、電荷輸送層を最外層に配置した、正帯電型の構成
とするのが好ましい。
【0036】本発明の構成は、上記単層型および積層型
のいずれにも適用できるが、とくに単層型が好ましい。
正帯電型の単層型感光層を備えた感光体においては、露
光工程で電荷発生剤から放出された電子(−)が、ジオ
キソテトラセンジオン誘導体(1) にスムーズに注入さ
れ、ついでジオキソテトラセンジオン誘導体(1) 間での
授受により感光層の表面に輸送されて、あらかじめ感光
層表面に帯電させた正電荷(+)を打ち消す。
【0037】一方、正孔(+)は正孔輸送剤に注入され
て、当該正孔輸送剤間での授受により導電性基体に輸送
され、あらかじめ導電性基体に印加した負電荷(−)に
より打ち消される。この間、ジオキソテトラセンジオン
誘導体(1) と正孔輸送剤とは、前述したように相互作用
を生じないため、正孔(+)および電子(−)は、とも
に途中でトラップされることなく、効率よくかつ速やか
に輸送され、その結果、感光体の感度が向上するものと
考えられる。
【0038】また、本発明の感光体においては、前述し
たように、ジオキソテトラセンジオン誘導体(1) ととも
に、酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vである電子受
容性化合物を併用するのが好ましい。上記電子受容性化
合物は、そのLUMO〔Lowest Unoccupied Molecular
Orbital 、基底空分子軌道〕のエネルギー凖位が、電荷
発生剤のそれよりも低いため、光照射による電荷発生剤
での電子・正孔対の生成の際に、電荷発生剤から電子を
引き抜く働きをする。このため、電荷発生剤中での、電
子と正孔の再結合による消失の割合が減少して、電荷発
生効率が向上する。また、上記電子受容性化合物は、電
荷発生剤から引き抜いた電子を、電子輸送剤であるジオ
キソテトラセンジオン誘導体に効率よく伝達する働きも
する。このため、上記両者の併用系では、電荷発生剤か
らの電子の注入と輸送がスムーズに行われ、感光体の感
度がさらに向上する。
【0039】電子受容性化合物の酸化還元電位が上記範
囲内に限定されるのは、以下の理由による。すなわち、
酸化還元電位が−0.8Vよりも大きい電子受容性化合
物は、トラップ−脱トラップを繰り返しながら移動する
電子を、脱トラップ不可能なレベルに落とし込み、キャ
リヤトラップを生じるために電子輸送の妨げとなり、そ
の結果、感光体の感度が低下する。
【0040】また逆に、酸化還元電位が−1.4Vより
小さい電子受容性化合物の場合は、LUMOのエネルギ
ー準位が電荷発生剤よりも高くなり、電子・正孔対の生
成の際に、電子が電子受容性化合物に移動しないため、
電荷発生効率の向上につながらず、やはり感光体の感度
が低下してしまう。なお、上記電子受容性化合物の酸化
還元電位は、感光体の感度を考慮すると、上記範囲内で
もとくに、−0.85〜−1.00Vであるのが好まし
い。
【0041】酸化還元電位の測定は、たとえば以下の材
料を用い、3電極式のサイクリックボルターメトリーに
して行う。 電極:作用電極(グラッシーカーボン電極)、対極(白
金電極) 参照電極:銀硝酸電極(0.1モル/リットルAgNO
3 −アセトニトリル溶液) 測定溶液 電解質:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム0.1モル 測定物質:電子輸送剤 0.001モル 溶剤:CH2 Cl2 1リットル 以上の材料を調合して測定溶液を調製する。
【0042】そして図1に示すように、索引電圧(V)
と電流(μA)との関係を求めて、同図に示すE1 とE
2 とを測定し、以下の計算式により酸化還元電位を求め
る。 酸化還元電位=(E1 +E2 )/2 (V) かかる電子受容性化合物としては、電子受容性を有し、
かつその酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vの範囲内
である化合物であればとくに制限はなく、たとえばベン
ゾキノン系化合物;ナフトキノン系化合物;アントラキ
ノン系化合物;ジフェノキノン系化合物;マロノニトリ
ル系化合物;チオピラン系化合物;2,4,8−トリニ
トロチオキサントン;3,4,5,7−テトラニトロ−
9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロ
アントラセン;ジニトロアクリジン;ニトロアントラキ
ノン;ジニトロアントラキノン等の電子受容性を有する
化合物の中から、酸化還元電位が前記の範囲内である化
合物が、選択して使用される。
【0043】中でも、一般式(2) :
【0044】
【化15】
【0045】〔式中R3A、R3B、R3CおよびR3Dは、同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、置
換基を有していてもよいアミノ基を示す。〕で表される
ベンゾキノン系化合物、または一般式(3) :
【0046】
【化16】
【0047】〔式中R4A、R4B、R4CおよびR4Dは、同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、置
換基を有していてもよいアミノ基を示す。〕で表される
ジフェノキノン系化合物に属し、かつ酸化還元電位が前
記の範囲内である化合物が好適に使用される。
【0048】なお、上記式中のアルキル基としては、前
記と同様の基があげられる。またアラルキル基として
は、たとえばベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル
基、フェネチル基などがあげられ、アルコキシ基として
は、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの、炭
素数1〜6のアルコキシ基があげられ、アリール基とし
ては、たとえばフェニル基、ナフチル基などがあげられ
る。さらにシクロアルキル基としては、たとえばシクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどの、炭素数3〜6のシクロアルキル基があげら
れる。また、置換基を有していてもよいアミノ基として
は、たとえばアミノ基のほか、モノメチルアミノ、ジメ
チルアミノ、モノエチルアミノ、ジエチルアミノ基など
があげられる。
【0049】ベンゾキノン系化合物の具体例としては、
これに限定されないがたとえば、式(2-1) で表されるp
−ベンゾキノン(酸化還元電位−0.81V)や、式(2
-2)で表される2,6−ジt−ブチル−p−ベンゾキノ
ン(酸化還元電位−1.31V)などがあげられる。
【0050】
【化17】
【0051】またジフェノキノン系化合物の具体例とし
ては、これに限定されないがたとえば、式(3-1) で表さ
れる3,5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル−
4,4′−ジフェノキノン(酸化還元電位−0.86
V)や、式(3-2) で表される3,5,3′,5′−テト
ラキス(t−ブチル)−4,4′−ジフェノキノン(酸
化還元電位−0.94V)などがあげられる。
【0052】
【化18】
【0053】これらの電子受容性化合物は、それぞれ単
独で使用できる他、二種以上を併用することもできる。
次に、本発明の電子写真感光体に用いられる種々の材料
について説明する。 〈正孔輸送剤〉正孔輸送剤としては、例えば下記の一般
式(HT1) 〜(HT13)で表される化合物があげられる。
【0054】
【化19】
【0055】(式中、R8 、R9 、R10、R11、R12
よびR13は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリー
ル基を示す。aおよびbは同一または異なって1〜4の
整数を示し、c、d、eおよびfは同一または異なって
1〜5の整数を示す。なお、a、b、c、d、eまたは
fが2以上のとき、各R 8 、R9 、R10、R11、R12
よびR13は異なっていてもよい。)
【0056】
【化20】
【0057】(式中、R14、R15、R16、R17およびR
18は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置
換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい
アルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を
示す。g、h、iおよびjは同一または異なって1〜5
の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。なお、g、
h、i、jまたはkが2以上のとき、各R14、R15、R
16、R17およびR18は異なっていてもよい。)
【0058】
【化21】
【0059】(式中、R19、R20、R21およびR22は同
一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコ
キシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。
23は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基
を示す。m、n、oおよびpは同一または異なって、1
〜5の整数を示す。qは1〜6の整数を示す。なお、
m、n、o、pまたはqが2以上のとき、各R19
20、R21、R22およびR23は異なっていてもよい。)
【0060】
【化22】
【0061】(式中、R24、R25、R26およびR27は同
一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコ
キシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。
r、s、tおよびuは同一または異なって、1〜5の整
数を示す。なお、r、s、tまたはuが2以上のとき、
各R24、R25、R26およびR27は異なっていてもよ
い。)
【0062】
【化23】
【0063】(式中、R28およびR29は同一または異な
って、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアル
コキシ基を示す。R30、R31、R32およびR33は同一ま
たは異なって、水素原子、アルキル基またはアリール基
を示す。)
【0064】
【化24】
【0065】(式中、R34、R35およびR36は同一また
は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基また
はアルコキシ基を示す。)
【0066】
【化25】
【0067】(式中、R37、R38、R39およびR40は同
一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基またはアルコキシ基を示す。)
【0068】
【化26】
【0069】(式中、R41、R42、R43、R44およびR
45は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基またはアルコキシ基を示す。)
【0070】
【化27】
【0071】(式中、R46は水素原子またはアルキル基
を示し、R47、R48およびR49は同一または異なって、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ
基を示す。)
【0072】
【化28】
【0073】(式中、R50、R51およびR52は同一また
は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基また
はアルコキシ基を示す。)
【0074】
【化29】
【0075】(式中、R53およびR54は同一または異な
って、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい
アルキル基または置換基を有してもよいアルコキシ基を
示す。R55およびR56は同一または異なって、水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有
してもよいアリール基を示す。)
【0076】
【化30】
【0077】(式中、R57、R58、R59、R60、R61
よびR62は同一または異なって、水素原子、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキ
シ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。α
は1〜10の整数を示し、v、w、x、y、zおよびβ
は同一または異なって1または2である。なお、v、
w、x、y、zまたはβが2のとき、各R57、R58、R
59、R60、R61およびR62は異なっていてもよい。)
【0078】
【化31】
【0079】(式中、R63、R64、R65およびR66は同
一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基またはアルコキシ基を示し、Arは
【0080】
【化32】
【0081】で表される基(Ar1)、(Ar2)また
は(Ar3)を示す。) 上記例示の正孔輸送剤において、アルキル基としては、
前述と同様な基があげられる。アルコキシ基としては、
例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、
t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭
素数が1〜6の基があげられる。アリール基としては、
例えばフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、o
−テルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリ
ル等の基があげられる。ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
【0082】上記基に置換してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化さ
れていてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜
6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリー
ル基を有することのある炭素数2〜6のアルケニル基等
が挙げられる。また、前記置換基の置換位置については
特に限定されない。
【0083】また、本発明においては、上記例示のほか
に従来公知の正孔輸送物質、すなわち、例えば2,5−
ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系
化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化
合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p
−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物等を用いることができる。
【0084】本発明において、電荷輸送剤は1種または
2種以上を混合して用いられる。また、ポリビニルカル
バゾール等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合
には、結着樹脂は必ずしも必要でない。前記正孔輸送剤
のうち、本発明では、イオン化電位(Ip)が4.8〜
5.6eVのものを使用するのが好ましく、電界強度3
×105 V/cmで1×10-6cm2 /V・秒以上の移
動度を有するものがより好ましい。
【0085】イオン化電位が前記範囲内にある正孔輸送
剤を用いることによって、より一層残留電位が低下し、
感度が向上する。その理由は必ずしも明らかではない
が、以下のようなものと考えられる。すなわち、電荷発
生剤から正孔輸送剤への電荷の注入のし易さは正孔輸送
剤のイオン化電位と密接に関係しており、正孔輸送剤の
イオン化電位が前記範囲よりも大きい場合には、電荷発
生剤から正孔輸送剤への電荷の注入の程度が低くなる
か、あるいは正孔輸送剤間での正孔の授受の程度が低く
なるため、感度の低下が生じるものと認められる。一
方、正孔輸送剤と電子輸送剤とが共存する系では、両者
の間の相互作用、より具体的には電荷移動錯体の形成に
注意する必要がある。両者の間にこのような錯体が形成
されると、正孔と電子との間に再結合が生じ、全体とし
て電荷の移動度が低下する。正孔輸送剤のイオン化電位
が前記範囲よりも小さい場合には、電子輸送剤との間に
錯体を形成する傾向が大きくなり、電子−正孔の再結合
が生じるために、見掛けの量子収率が低下し、感度の低
下に結びつくものと思われる。
【0086】本発明に使用可能な正孔輸送剤の具体例と
しては、例えば式(7-1) :
【0087】
【化33】
【0088】で表されるベンジジン誘導体があげられ
る。 〈電荷発生剤〉電荷発生剤としては、例えば下記の一般
式(CG1) 〜(CG12)で表される化合物があげられる。 (CG1) 無金属フタロシアニン
【0089】
【化34】
【0090】(CG2) チタニルフタロシアニン
【0091】
【化35】
【0092】(CG3) ペリレン顔料
【0093】
【化36】
【0094】(式中、R70およびR71は同一または異な
って、炭素数が18以下の置換または未置換のアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルカノイル基ま
たはアラルキル基を示す。) (CG4) ビスアゾ顔料
【0095】
【化37】
【0096】〔式中、A1 およびA2 は同一または異な
ってカップラー残基を示し、Xは
【0097】
【化38】
【0098】(式中、R72は水素原子、アルキル基、ア
リール基または複素環式基を示し、アルキル基、アリー
ル基または複素環式基は置換基を有していてもよい。A
は0または1を示す。)
【0099】
【化39】
【0100】
【化40】
【0101】(式中、R73およびR74は同一または異な
って、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基を
示す。)
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】(式中、R75は水素原子、エチル基、クロ
ロエチル基またはヒドロキシエチル基を示す。)
【0106】
【化44】
【0107】または
【0108】
【化45】
【0109】(式中、R76、R77およびR78は同一また
は異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリール基またはアラルキ
ル基を示す。)である。〕 (CG5) ジチオケトピロロピロール顔料
【0110】
【化46】
【0111】(式中、R79およびR80は同一または異な
って、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を示し、R81およびR82は同一または異なっ
て、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。) (CG6) 無金属ナフタロシアニン顔料
【0112】
【化47】
【0113】(式中、R83、R84、R85およびR86は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基またはハロゲン原子を示す。) (CG7) 金属ナフタロシアニン顔料
【0114】
【化48】
【0115】(式中、R87、R88、R89およびR90は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基またはハロゲン原子を示し、MはTiまたはVを示
す。) (CG8) スクアライン顔料
【0116】
【化49】
【0117】(式中、R91およびR92は同一または異な
って、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を示す。) (CG9) トリスアゾ顔料
【0118】
【化50】
【0119】(式中、Cp1 、Cp2 およびCp3 は同
一または異なって、カップラー残基を示す。) (CG10)インジゴ顔料
【0120】
【化51】
【0121】(式中、R93およびR94は同一または異な
って、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、
Zは酸素原子または硫黄原子を示す。) (CG11)アズレニウム顔料
【0122】
【化52】
【0123】(式中、R95およびR96は同一または異な
って、水素原子、アルキル基またはアリール基を示
す。) (CG12)シアニン顔料
【0124】
【化53】
【0125】(式中、R97およびR98は同一または異な
って、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を示し、R99およびR100 は同一または異なっ
て、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。) 上記例示の電荷発生剤において、アルキル基としては、
前述と同様な基があげられる。炭素数1〜5のアルキル
基は、前述の炭素数1〜6のアルキル基からヘキシルを
除いたものである。炭素数18以下の置換または未置換
のアルキル基は、前述した炭素数1〜6のアルキル基に
加えて、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデ
シル、ペンタデシル、オクタデシルなどを含む基であ
る。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル等の炭素数3〜8の基
があげられる。アルコキシ基、アリール基およびアラル
キル基としては前述と同様な基があげられる。アルカノ
イル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイ
ル基等があげられる。
【0126】複素環式基としては、例えばチエニル、ピ
ロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリ
ル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、2H
−イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾ
リル、ピラニル基、ピリジル、ピベリジル、ピペリジ
ノ、3−モルホリニル、モルホリノ、チアゾリルなどが
あげられる。また、芳香族環と縮合した複素環式基であ
ってもよい。
【0127】上記基に置換してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化さ
れてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基
を有することのある炭素数2〜6のアルケニル基等が挙
げられる。A1 、A2 およびCp1 、Cp2 、Cp3
表されるカップラー残基としては、例えば下記一般式(2
1)〜(27)に示す基が挙げられる。
【0128】
【化54】
【0129】各式中、R120 は、カルバモイル基、スル
ファモイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、ア
ントラニロイル基、カルバゾイル基、グリシル基、ヒダ
ントイル基、フタルアモイル基またはスクシンアモイル
基を示す。これらの基は、ハロゲン原子、置換基を有し
てもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル
基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、
カルボニル基、カルボキシル基等の置換基を有していて
もよい。
【0130】R121 は、ベンゼン環と縮合して芳香族
環、多環式炭化水素または複素環を形成するのに必要な
原子団を示し、これらの環は前記と同様な置換基を有し
てもよい。R122 は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ
基を示す。R123 は、2価の鎖式炭化水素基または芳香
族炭化水素基を示し、これらの基は前記と同様な置換基
を有してもよい。
【0131】R124 は、アルキル基、アラルキル基、ア
リール基または複素環基を表し、これらの基は前記と同
様な置換基を有してもよい。R125 は、2価の鎖式炭化
水素基、芳香族炭化水素基または上記一般式(25)、(26)
中の、下記式(28):
【0132】
【化55】
【0133】で表される部分とともに複素環を形成する
のに必要な原子団を表し、これらの環は前記と同様な置
換基を有してもよい。R126 は、水素原子、アルキル
基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ロファノイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリール基またはシアノ基を示し、水素原子以外
の基は前記と同様な置換基を有していてもよい。
【0134】R127 は、アルキル基またはアリール基を
示し、これらの基は前記と同様な置換基を有してもよ
い。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル
基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルアリ
ル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等の炭素数
が2〜6のアルケニル基があげられる。
【0135】前記R121 において、ベンゼン環と縮合し
て芳香族環を形成するのに必要な原子団としては、例え
ばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基
等のアルキレン基が挙げられる。上記R121 とベンゼン
環との縮合により形成される芳香族環としては、例えば
ナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピ
レン環、クリセン環、ナフタセン環等が挙げられる。
【0136】上記R121 において、ベンゼン環と縮合し
て多環式炭化水素を形成するのに必要な原子団として
は、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基があげられ
る。前記R121 において、ベンゼン環と縮合して多環式
炭化水素を形成するのに必要な原子団としては、例えば
カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラ
ン環等が挙げられる。
【0137】また、R121 において、ベンゼン環と縮合
して複素環を形成するのに必要な原子団としては、例え
ばベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリ
ル基、1H−インドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベ
ンゾチアゾリル基、1H−インダドリル基、ベンゾイミ
ダゾリル基、クロメニル基、クロマニル基、イソクロマ
ニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、シンノリニ
ル基、フタラジニル基、キナゾニリル基、キノキサリニ
ル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、キサンテ
ニル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、フェ
ナジニル基、フェノキサジニル基、チアントレニル基等
があげられる。
【0138】上記R121 とベンゼン環との縮合により形
成される芳香族性複素環基としては、例えばチエニル
基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキ
サゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダ
ゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリ
ル基、ピリジル基、チアゾリル基があげられる。また、
さらに他の芳香族環と縮合した複素環基(例えばベンゾ
フラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリ
ル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基など)であって
もよい。
【0139】前記R123 、R125 において、2価の鎖式
炭化水素としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレ
ン基等が挙げられ、2価の芳香族炭化水素としては、フ
ェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基等があ
げられる。前記R124 において、複素環基としては、ピ
リジル基、ピラジル基、チエニル基、ピラニル基、イン
ドリル基等が挙げられる。
【0140】前記R125 において、前記式(28)で表され
る部分とともに複素環を形成するのに必要な原子団とし
ては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、フェナント
リレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が
あげられる。上記R125 と、前記式(28)で表される部分
とにより形成される芳香族性複素環基としては、例えば
ベンゾイミダゾール基、ベンゾ〔f〕ベンゾイミダゾー
ル基、ジベンゾ〔e,g〕ベンゾイミダゾール基、ベン
ゾピリミジン基等があげられる。これらの基は前記と同
様な置換基を有してもよい。
【0141】前記R126 において、アルコキシカルボニ
ル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基等の基があげられる。本発明においては、上記
例示の電荷発生剤のほかに、例えばセレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アンサン
スロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔
料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリド
ン系顔料などの従来公知の電荷発生剤を用いることがで
きる。
【0142】また、上記例示の電荷発生剤は、所望の領
域に吸収波長を有するように、一種または二種以上を混
合して用いることができる。その際、正孔輸送剤として
イオン化電位が4.8〜5.6eVのものを使用するこ
とに関連して、この正孔輸送剤とのバランスを有する電
荷発生剤、具体的にはイオン化電位が4.8〜6.0e
V、特に5.0〜5.8eVの範囲にある電荷発生剤を
用いるのが、残留電位の低減および感度の向上の観点か
ら好ましい。
【0143】特に好適な電荷発生剤としては、前記一般
式(CG1) で表されるX型無金属フタロシアニン、一般式
(CG2) で表されるオキソチタニルフタロシアニン等のフ
タロシアニン系顔料、前記一般式(CG3) で表されるペリ
レン系顔料などである。上記ペリレン系顔料としては、
前述の一般式(CG3) のペリレン顔料のなかでも、とりわ
け一般式(11):
【0144】
【化56】
【0145】(式中、R130 、R131 、R132 およびR
133 は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ア
ルコキシル基またはアリール基を示す。)で表される化
合物が好適に使用される。上記一般式(11)において、置
換基R130 〜R133 に相当するアルキル基、アルコキシ
基およびアリール基としては、前記と同様な基があげら
れる。
【0146】前記フタロシアニン系顔料は、700nm
以上の波長領域に感度を有する感光体の電荷発生材料と
して好適である。すなわちフタロシアニン系顔料は、前
記一般式(1) で表される化合物(電子輸送剤)とのマッ
チングに優れるため、この両者を併用した電子写真感光
体は、上記波長領域において高感度であり、従って70
0nm以上の波長を有する光源を使用したデジタル光学
系の画像形成装置に好適に使用することができる。
【0147】またペリレン系顔料は、可視領域に感度を
有する感光体の電荷発生材料として好適である。すなわ
ち、とくにペリレン系顔料(11)は、一般式(1) で表され
る化合物(電子輸送剤)とのマッチングに優れており、
この両者を併用した電子写真感光体は、可視領域におい
て高感度であり、従って可視領域の波長を有する光源を
使用したアナログ光学系の画像形成装置に好適に使用す
ることができる。 〈結着樹脂〉上記した各成分を分散させるための結着樹
脂としては、従来より有機感光層に使用されている種々
の樹脂を使用することができ、例えばスチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオ
ノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリル
フタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性
樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性
樹脂、さらにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリ
レート等の光硬化性樹脂等があげられる。これらの結着
樹脂は1種または2種以上を混合して用いることができ
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル、ア
ルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0148】次に、本発明の電子写真感光体の製造方法
について説明する。単層型の電子写真感光体を得るに
は、所定の電子輸送剤を、電荷発生剤、正孔輸送剤、結
着樹脂等と共に適当な溶剤に溶解または分散した塗布液
を、塗布等の手段によって導電性基体上に塗布し、乾燥
させればよい。単層型の感光体においては、結着樹脂1
00重量部に対して電荷発生剤は0.1〜50重量部、
好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合され、電子
輸送剤は5〜100重量部、好ましくは10〜80重量
部の割合で配合される。また、正孔輸送剤は5〜500
重量部、好ましくは25〜200重量部の割合で配合す
る。さらに、正孔輸送剤と電子輸送剤との総量は、結着
樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好まし
くは30〜200重量部であるのが適当である。単層型
の感光層に電子受容性化合物を含有させる場合は、電子
受容性化合物を結着樹脂100重量部に対して0.1〜
40重量部、好ましくは0.5〜20重量部で配合する
のが適当である。
【0149】また、単層型の感光層の厚さは5〜100
μm、好ましくは10〜50μmである。積層型の電子
写真感光体を得るには、まず導電性基体上に、蒸着また
は塗布等の手段によって電荷発生剤を含有する電荷発生
層を形成し、ついでこの電荷発生層上に、電子輸送剤と
結着樹脂とを含む塗布液を塗布等の手段によって塗布
し、乾燥させて電荷輸送層を形成すればよい。
【0150】積層型感光体においては、電荷発生層を構
成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用す
ることができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷
発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜500
重量部の割合で配合するのが適当である。電荷発生層に
電子受容性化合物を含有させる場合は、電子受容性化合
物を結着樹脂100重量部に対して0.1〜40重量
部、好ましくは0.5〜20重量部で配合するのが適当
である。また、電荷発生層に電子輸送剤を含有させる場
合は、電子輸送剤を結着樹脂100重量部に対して0.
5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部で配合する
のが適当である。
【0151】電荷輸送層を構成する電子輸送剤と結着樹
脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しな
い範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射
により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるよう
に、結着樹脂100重量部に対して電子輸送剤を10〜
500重量部、好ましくは25〜100樹脂の割合で配
合するのが適当である。電荷輸送層に電子受容性化合物
を含有させる場合は、電子受容性化合物を結着樹脂10
0重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは0.
5〜20重量部で配合するのが適当である。
【0152】また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生
層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm
程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは
5〜50μm程度である。単層型感光体にあっては、導
電性基体と感光層との間に、また積層型感光体にあって
は、導電性基体と電荷発生層との間、導電性基体と電荷
輸送層との間または電荷発生層と電荷輸送層との間に、
感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されて
いてもよい。また、感光体の表面には、保護層が形成さ
れていてもよい。
【0153】単層型および積層型の各感光層には、電子
写真特性に悪影響を与えない範囲で、それ自体公知の種
々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重
項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化
剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定
剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合すること
ができる。
【0154】また、感光層の感度を向上させるために、
例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
また、電子輸送剤であるジオキソテトラセンジオン誘導
体とともに、従来公知の他の電子輸送剤を感光層に含有
させてもよい。このような電子輸送剤としては、高い電
子輸送能を有する種々の化合物、例えば前記一般式(2)
のベンゾキノン系化合物や、一般式(3) のジフェノキノ
ン系化合物のほか、下記の一般式(ET1) 〜(ET13)で表さ
れる化合物等があげられる。
【0155】
【化57】
【0156】(式中、R142 、R143 、R144 、R145
およびR146 は同一または異なって、水素原子、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアル
コキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を
有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいフェ
ノキシ基またはハロゲン原子を示す。)
【0157】
【化58】
【0158】(式中、R147 はアルキル基、R148 は置
換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい
アルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換
基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン原子またはハ
ロゲン化アルキル基を示す。γは0〜5の整数を示す。
なお、γが2以上のとき、各R148 は互いに異なってい
てもよい。)
【0159】
【化59】
【0160】(式中、R149 およびR150 は同一または
異なって、アルキル基を示す。δは1〜4の整数を示
し、εは0〜4の整数を示す。なお、δおよびεが2以
上のとき、各R149 およびR150 は異なっていてもよ
い。)
【0161】
【化60】
【0162】(式中、R151 はアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル
基またはハロゲン原子を示す。ζは0〜4、ηは0〜5
の整数である。なお、ηが2以上のとき、各R151 は異
なっていてもよい。)
【0163】
【化61】
【0164】(式中、R152 はアルキル基を示し、σは
1〜4の整数である。なお、σが2以上のとき、各R
152 は異なっていてもよい。)
【0165】
【化62】
【0166】(式中、R153 およびR154 は同一または
異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、アラルキルオキシカルボニル基、アルコキシ
基、水酸基、ニトロ基またはシアノ基を示す。Xは基:
O、N−CNまたはC(CN)2を示す。)
【0167】
【化63】
【0168】(式中、R155 は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基または置換基を有することのあるフェニ
ル基を示し、R156 は水素原子、ハロゲン原子、置換基
を有することのあるアルキル基、置換基を有することの
あるフェニル基、アルコキシカルボニル基、N−アルキ
ルカルバモイル基、シアノ基またはニトロ基を示す。λ
は1〜3の整数である。なお、λが2以上のとき、各R
156 は互いに異なっていてもよい。)
【0169】
【化64】
【0170】(式中、R157 は水素原子、置換基を有す
ることのあるアルキル基、置換基を有することのあるフ
ェニル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、N
−アルキルカルバモイル基、シアノ基またはニトロ基を
示す。μは1〜3の整数である。なお、μが2以上のと
き、各R157 は互いに異なっていてもよい。)
【0171】
【化65】
【0172】(式中、R158 およびR159 は同一または
異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有するこ
とのあるアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ
カルボニル基を示す。νおよびξは1〜3の整数であ
る。なお、νまたはξが2以上のとき、各R158 および
159 は互いに異なっていてもよい。)
【0173】
【化66】
【0174】(式中、R160 およびR161 は同一または
異なって、フェニル基、多環芳香族基または複素環式基
を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
【0175】
【化67】
【0176】(式中、R162 はアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、アルコキシ基、アルキル基またはフェニル基を
示し、πは1〜2の整数である。なお、πが2のとき、
各R16 2 は互いに異なっていてもよい。)
【0177】
【化68】
【0178】(式中、R163 は水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアラルキル基を示
す。)
【0179】
【化69】
【0180】(式中、θは1〜2の整数である。)など
があげられ、さらにマロノニトリル、チオピラン系化合
物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチ
オキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセ
ン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニ
トロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、
ジブロモ無水マレイン酸等があげられる。
【0181】上記例示の電子輸送剤において、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基およびハ
ロゲン原子としては、前述と同様な基があげられる。ハ
ロゲン化アルキル基としては、例えばクロロメチル基、
ブロモメチル基、フルオロメチル基、ヨードメチル基、
2−クロロエチル基、1−フルオロエチル基、3−クロ
ロプロピル基、2−ブロモプロピル基、1−クロロプロ
ピル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、1−ブロモ
−1−メチルエチル基、4−ヨードブチル基、3−フル
オロブチル基、3─クロロ−2−メチルプロピル基、2
─ヨード−2−メチルプロピル基、1−フルオロ−2−
メチルプロピル基、2−クロロ−1,1−ジメチルエチ
ル基、2−ブロモ−1,1−ジメチルエチル基、5−ブ
ロモペンチル基、4−クロロヘキシル基などのアルキル
基部分が炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基があげら
れる。
【0182】多環芳香族基としては、例えばナフチル
基、フェナントリル基、アントリル基などがあげられ
る。複素環式基としては、例えばチエニル基、ピロリル
基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリ
ル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル
基、2H−イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリ
ル基、テトラゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピベ
リジル基、ピペリジノ基、3−モルホリニル基、モルホ
リノ基、チアゾリル基などがあげられる。また、芳香族
環と縮合した複素環式基であってもよい。
【0183】上記基に置換してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化さ
れてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基
を有することのある炭素数2〜6のアルケニル基等が挙
げられる。本発明の感光体に使用される導電性基体とし
ては、導電性を有する種々の材料を使用することがで
き、例えばアルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バ
ナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、
ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真
鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートさ
れたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化ス
ズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられ
る。
【0184】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。本発明における感光層は、前記した各成
分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液
を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0185】すなわち、前記例示の電荷発生剤、電荷輸
送剤、結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方
法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペ
イントシェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散
混合して塗布液を調製し、これを公知の手段により塗
布、乾燥すればよい。塗布液をつくるための溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン
等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0186】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0187】
【実施例】以下に本発明を、合成例、実施例、比較例に
基づいて説明する。 《ジオキソテトラセンジオン誘導体》 合成例1〔5,12−ジオキソ−6,11−テトラセン
ジオンの合成〕 還流管を接続した500mlの2つ口フラスコに、前記
一般式(1d)中のR1a〜R1dがいずれも水素原子であるカ
テコール22g(0.2mol)と、N,N−ジメチル
ホルムアミド200mlとを加え、さらにかく拌しつつ
炭酸カリウム66.2g(0.48mol)を加え、4
0〜50℃で1時間、かく拌して反応させた。
【0188】つぎにこの反応液を室温まで冷却した後、
かく拌を続けながら、前記式(1c)で表される2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン45.2g(0.2mo
l)を滴下し、滴下後、再び液を加熱して、40℃で1
時間、かく拌して反応させた。そして反応液を放冷して
結晶を析出させ、この結晶を、クロロホルムから再結晶
処理して、前記式(1-1) で表される標記化合物を製造し
た(収量43.8g、収率83.0%)。
【0189】上記生成物の赤外線吸収スペクトルを図2
に示す。 合成例2〔2−メチル−5,12−ジオキソ−6,11
−テトラセンジオンの合成〕 カテコールに代えて、前記一般式(1d)中のR1bがメチル
基である4−メチル−1,2−ジオキシベンゼン24.
8g(0.2mol)を用いたこと以外は合成例1と同
様にして、前記式(1-2) で表される標記化合物を製造し
た(収率80.5%)。
【0190】上記生成物の赤外線吸収スペクトルを図3
に示す。 合成例3〔2−t−ブチル−5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオンの合成〕 カテコールに代えて、前記一般式(1d)中のR1bが第3級
ブチル基である4−t−ブチル−1,2−ジオキシベン
ゼン33.2g(0.2mol)を用いたこと以外は合
成例1と同様にして、前記式(1-3) で表される標記化合
物を製造した(収率87.3%)。
【0191】上記生成物の赤外線吸収スペクトルを図4
に示す。 合成例4〔2,4−ジ−t−ブチル−5,12−ジオキ
ソ−6,11−テトラセンジオンの合成〕 カテコールに代えて、前記一般式(1d)中のR1b、R1d
第3級ブチル基である3,5−ジ−t−ブチル−1,2
−ジオキシベンゼン44.4g(0.2mol)を用い
たこと以外は合成例1と同様にして、前記式(1-4) で表
される標記化合物を製造した(収率91.5%)。
【0192】上記生成物の赤外線吸収スペクトルを図5
に示す。 合成例5〔n−ブチル 5,12−ジオキソ−6,11
−テトラセンジオン−2−カルボキシレートの合成〕 カテコールに代えて、前記一般式(1d)中のR1bが一般式
(1a)で表される基であり、かつ一般式(1a)中のR2aがn
−ブチル基であるn−ブチル 1,2−ジオキシベンゼ
ン−4−カルボキシレート42g(0.2mol)を用
いたこと以外は合成例1と同様にして、前記式(1-5) で
表される標記化合物を製造した(収率85.2%)。
【0193】上記生成物の赤外線吸収スペクトルを図6
に示す。 合成例6〔N−2−イソプロピル−6−メチルフェニル
−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−テト
ラセンジオンの合成〕 200mlのナスフラスコに、4−ホルミル−1,2−
ジオキシベンゼン10g(0.07mol)と、酢酸5
0mlと、2−イソプロピル−6−メチルアニリン15
g(0.1mol)とを加え、還流下で1時間、かく拌
した後、放冷した。
【0194】つぎに上記反応液を水に注ぎ、クロロホル
ムによって抽出し、さらに水洗した後、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥し、さらに溶媒を留去して固体をえ、この
固体をカラムクロマトグラフィーにより精製して、前記
一般式(1d)中のR1bが一般式(1b)で表される基であり、
かつ一般式(1b)中のR2bがイソプロピル基、R2fがメチ
ル基である4−(N−2−イソプロピル−6−メチルフ
ェニル−イミノメチル)−1,2−ジオキシベンゼンを
合成した(収量12.9g、収率68.7%)。
【0195】そして上記4−(N−2−イソプロピル−
6−メチルフェニル−イミノメチル)−1,2−ジオキ
シベンゼン53.8g(0.2mol)を用いたこと以
外は合成例1と同様にして、前記式(1-6) で表される標
記化合物を製造した(収率78.3%)。上記生成物の
赤外線吸収スペクトルを図7に示す。 《デジタル光源用感光体(単層型)》 実施例1 電荷発生剤である、前記式(CG1) で表されるX型無金属
フタロシアニン(Ip=5.38eV)5重量部と、電
子輸送剤である、合成例1でえた、前記式(1-1) で表さ
れる5,12−ジオキソ−6,11−テトラセンジオン
30重量部と、正孔輸送剤である、前記式(7-1) で表さ
れるN,N,N′,N′−テトラキス(p−メチルフェ
ニル)−3,3′−ジメチルベンジジン(Ip=5.5
6eV)50重量部と、結着樹脂であるポリカーボネー
トとを、800重量部のテトラヒドロフランとともに、
ボールミルにて50時間、混合し、分散させて単層型感
光層用の塗布液を調整した。
【0196】そしてこの塗布液を、導電性基材であるア
ルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、1
00℃で60分間、熱風乾燥させて、膜厚15〜20μ
mの単層型感光層を形成して、デジタル光源用の感光体
を製造した。 実施例2 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、前記式(CG2) で表されるオキソチタニルフタロシア
ニン(Ip=5.32eV)5重量部を使用したこと以
外は、実施例1と同様にして、単層型感光層を有するデ
ジタル光源用の感光体を製造した。 実施例3、4 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例2でえた、前記式(1-
2) で表される2−メチル−5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外
は、実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有する
デジタル光源用の感光体を製造した。 実施例5、6 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例3でえた、前記式(1-
3) で表される2−t−ブチル−5,12−ジオキソ−
6,11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと
以外は、実施例1、2と同様にして、単層型感光層を有
するデジタル光源用の感光体を製造した。 実施例7、8 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例4でえた、前記式(1-
4) で表される2,4−ジ−t−ブチル−5,12−ジ
オキソ−6,11−テトラセンジオン30重量部を使用
したこと以外は、実施例1、2と同様にして、単層型感
光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。 比較例1、2 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、前記式(3-1) で表される3,
5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−
ジフェノキノン30重量部を使用したこと以外は、実施
例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタル
光源用の感光体を製造した。 比較例3 電子輸送剤を含有しないほかは実施例1と同様にして、
単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造し
た。
【0197】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、下記の光感度試験Iを行い、その特性を評価し
た。 光感度試験I ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機
を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電
圧を加えて、その表面を+700Vに帯電させた。
【0198】そして、上記試験機の露光光源であるハロ
ゲンランプの白色光から、バンドパスフィルターによっ
て取り出した、波長780nm(半値幅20nm)、光
強度16μW/cm2 の単色光を、上記帯電状態の感光
体の表面に照射(照射時間80msec.)して、露光
開始から330msec.経過した時点での表面電位
を、露光後電位VL (V)として測定した。この露光後
電位VL (V)が小さいほど、感光体は高感度である。
【0199】結果を表1に示す。
【0200】
【表1】
【0201】《デジタル光源用感光体(単層型−電子受
容性化合物併用系)》 実施例9〜12 下記の各電子受容性化合物10重量部を添加したこと以
外は、実施例1と同様にして、単層型感光層を有するデ
ジタル光源用の感光体を製造した。 実施例9:式(2-1) で表されるp−ベンゾキノン(酸化
還元電位−0.81V) 実施例10:式(2-2) で表される2,6−ジt−ブチル
−p−ベンゾキノン(酸化還元電位−1.31V) 実施例11:式(3-1) で表される3,5−ジメチル−
3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−ジフェノキノン
(酸化還元電位−0.86V) 実施例12:式(3-2) で表される3,5,3′,5′−
テトラキス(t−ブチル)−4,4′−ジフェノキノン
(酸化還元電位−0.94V) 実施例13〜16 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例2でえた、前記式(1-
2) で表される2−メチル−5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外
は、実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有す
るデジタル光源用の感光体を製造した。 実施例17〜20 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例3でえた、前記式(1-
3) で表される2−t−ブチル−5,12−ジオキソ−
6,11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと
以外は、実施例9〜12と同様にして、単層型感光層を
有するデジタル光源用の感光体を製造した。 実施例21〜24 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例4でえた、前記式(1-
4) で表される2,4−ジ−t−ブチル−5,12−ジ
オキソ−6,11−テトラセンジオン30重量部を使用
したこと以外は、実施例9〜12と同様にして、単層型
感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0202】上記各実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果
を表2、3に示す。
【0203】
【表2】
【0204】
【表3】
【0205】《デジタル光源用感光体(積層型)》 実施例25 電荷発生剤であるX型無金属フタロシアニン100重量
部と、結着樹脂であるポリビニルブチラール100重量
部とを、2000重量部のテトラヒドロフランととも
に、ボールミルにて50時間、混合し、分散させて電荷
発生層用の塗布液を調整した。
【0206】そしてこの塗布液を、導電性基材であるア
ルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、1
00℃で60分間、熱風乾燥させて、膜厚1μmの電荷
発生層を形成した。つぎに、電子輸送剤である、合成例
1でえた、前記式(1-1) で表される5,12−ジオキソ
−6,11−テトラセンジオン100重量部と、結着樹
脂であるポリカーボネート100重量部とを、800重
量部のトルエンとともに、ボールミルにて50時間、混
合し、分散させて電荷輸送層用の塗布液を調整した。
【0207】そしてこの塗布液を、上記電荷発生層上
に、ディップコート法にて塗布し、100℃で60分
間、熱風乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成
して、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を
製造した。 実施例26 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例2でえた、前記式(1-
2) で表される2−メチル−5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外
は、実施例25と同様にして、積層型感光層を有するデ
ジタル光源用の感光体を製造した。 実施例27 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例3でえた、前記式(1-
3) で表される2−t−ブチル−5,12−ジオキソ−
6,11−テトラセンジオン30重量部を使用したこと
以外は、実施例25と同様にして、積層型感光層を有す
るデジタル光源用の感光体を製造した。 実施例28 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例4でえた、前記式(1-
4) で表される2,4−ジ−t−ブチル−5,12−ジ
オキソ−6,11−テトラセンジオン30重量部を使用
したこと以外は、実施例25と同様にして、積層型感光
層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。 比較例4 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、前記式(3-1) で表される3,
5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル−4,4′−
ジフェノキノン100重量部を使用したこと以外は、実
施例25と同様にして、積層型感光層を有するデジタル
光源用の感光体を製造した。
【0208】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価し
た。結果を表4に示す。
【0209】
【表4】
【0210】《アナログ光源用感光体(単層型)》 実施例29〜32、比較例5 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、前記一般式(11)のペリレン顔料に属する、式(11-
1):
【0211】
【化70】
【0212】で表される化合物(Ip=5.50eV)
5重量部を使用したこと以外は、実施例1、3、5、
7、および比較例1と同様にして、単層型感光層を有す
るアナログ光源用の感光体を製造した。 比較例6 電子輸送剤を含有しないほかは実施例29と同様にし
て、単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製
造した。
【0213】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、下記の光感度試験IIを行い、その特性を評価し
た。 光感度試験II ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機
を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電
圧を加えて、その表面を+700Vに帯電させた。
【0214】そして、上記試験機の露光光源であるハロ
ゲンランプの白色光(光強度147μW/cm2 )を、
上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間50ms
ec.)して、露光開始から330msec.経過した
時点での表面電位を、露光後電位VL (V)として測定
した。この露光後電位VL (V)が小さいほど、感光体
は高感度である。
【0215】結果を表5に示す。
【0216】
【表5】
【0217】《アナログ光源用感光体(積層型)》 実施例33〜36、比較例7 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、前記式(11-1)で表されるペリレン顔料100重量部
を使用したこと以外は、実施例25〜28、比較例4と
同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感
光体を製造した。
【0218】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記の光感度試験IIを行い、その特性を評価し
た。結果を表6に示す。
【0219】
【表6】
【0220】《デジタル光源用感光体(単層型)》 実施例37、38 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例5でえた、前記式(1-
5) で表されるn−ブチル 5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン−2−カルボキシレート30重
量部を使用したこと以外は、実施例1、2と同様にし
て、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製
造した。
【0221】上記両実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果
を表7に示す。
【0222】
【表7】
【0223】《デジタル光源用感光体(単層型−電子受
容性化合物併用系)》 実施例39〜42 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例5でえた、前記式(1-
5) で表されるn−ブチル 5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン−2−カルボキシレート30重
量部を使用したこと以外は、実施例9〜12と同様にし
て、単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製
造した。
【0224】上記各実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果
を表8に示す。
【0225】
【表8】
【0226】《デジタル光源用感光体(積層型)》 実施例43 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例5でえた、前記式(1-
5) で表されるn−ブチル 5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン−2−カルボキシレート100
重量部を使用したこと以外は、実施例25と同様にし
て、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製
造した。
【0227】上記実施例の電子写真感光体について、前
記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果を
表9に示す。
【0228】
【表9】
【0229】《アナログ光源用感光体(単層型)》 実施例44 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例5でえた、前記式(1-
5) で表されるn−ブチル 5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン−2−カルボキシレート30重
量部を使用したこと以外は、実施例29と同様にして、
単層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製造し
た。
【0230】上記実施例の電子写真感光体について、前
記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。結果を
表10に示す。
【0231】
【表10】
【0232】《アナログ光源用感光体(積層型)》 実施例45 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例5でえた、前記式(1-
5) で表されるn−ブチル 5,12−ジオキソ−6,
11−テトラセンジオン−2−カルボキシレート100
重量部を使用したこと以外は、実施例33と同様にし
て、積層型感光層を有するアナログ光源用の感光体を製
造した。
【0233】上記各実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。結果
を表11に示す。
【0234】
【表11】
【0235】《デジタル光源用感光体(単層型)》 実施例46、47 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例6でえた、前記式(1-
6) で表されるN−2−イソプロピル−6−メチルフェ
ニル−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−
テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外は、実
施例1、2と同様にして、単層型感光層を有するデジタ
ル光源用の感光体を製造した。
【0236】上記両実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果
を表12に示す。
【0237】
【表12】
【0238】《デジタル光源用感光体(単層型−電子受
容性化合物併用系)》 実施例48〜51 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例6でえた、前記式(1-
6) で表されるN−2−イソプロピル−6−メチルフェ
ニル−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−
テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外は、実
施例9〜12と同様にして、単層型感光層を有するデジ
タル光源用の感光体を製造した。
【0239】上記各実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果
を表13に示す。
【0240】
【表13】
【0241】《デジタル光源用感光体(積層型)》 実施例52 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例6でえた、前記式(1-
6) で表されるN−2−イソプロピル−6−メチルフェ
ニル−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−
テトラセンジオン100重量部を使用したこと以外は、
実施例25と同様にして、積層型感光層を有するデジタ
ル光源用の感光体を製造した。
【0242】上記実施例の電子写真感光体について、前
記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。結果を
表14に示す。
【0243】
【表14】
【0244】《アナログ光源用感光体(単層型)》 実施例53 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例6でえた、前記式(1-
6) で表されるN−2−イソプロピル−6−メチルフェ
ニル−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−
テトラセンジオン30重量部を使用したこと以外は、実
施例29と同様にして、単層型感光層を有するアナログ
光源用の感光体を製造した。
【0245】上記実施例の電子写真感光体について、前
記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。結果を
表15に示す。
【0246】
【表15】
【0247】《アナログ光源用感光体(積層型)》 実施例54 電子輸送剤として、5,12−ジオキソ−6,11−テ
トラセンジオンに代えて、合成例6でえた、前記式(1-
6) で表されるN−2−イソプロピル−6−メチルフェ
ニル−イミノメチル−5,12−ジオキソ−6,11−
テトラセンジオン100重量部を使用したこと以外は、
実施例33と同様にして、積層型感光層を有するアナロ
グ光源用の感光体を製造した。
【0248】上記各実施例の電子写真感光体について、
前記の光感度試験IIを行い、その特性を評価した。結果
を表16に示す。
【0249】
【表16】
【0250】
【発明の効果】本発明のジオキソテトラセンジオン誘導
体は、電子輸送能にすぐれるとともに、溶剤への溶解性
および結着樹脂との相溶性が良好である。よって本発明
のジオキソテトラセンジオン誘導体を電子輸送剤とした
使用した電子写真感光体は高感度である。また上記ジオ
キソテトラセンジオン誘導体と、特定の酸化還元電位を
有する電子受容性化合物とを併用すると、感光体の感度
をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子受容性化合物の酸化還元電位を求めるため
の、牽引電圧(V)と電流(μA)との関係を示すグラ
フである。
【図2】本発明の、合成例1で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】本発明の、合成例2で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明の、合成例3で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】本発明の、合成例4で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6】本発明の、合成例5で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図7】本発明の、合成例6で合成した生成物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 松本 俊一 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) : 【化1】 〔式中、R1a、R1b、R1cおよびR1dは、同一または異
    なって水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、式
    (1a): 【化2】 で表される基、または式(1b): 【化3】 で表される基を示す。式(1a)中のR2aは置換基を有して
    もよいアルキル基を示し、式(1b)中、R2b、R2c
    2d、R2eおよびR2fは、同一または異なって水素原
    子、または置換基を有してもよいアルキル基を示す。〕
    で表されることを特徴とするジオキソテトラセンジオン
    誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、一般式(1) : 【化4】 〔式中、R1a、R1b、R1cおよびR1dは、同一または異
    なって水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、式
    (1a): 【化5】 で表される基、または式(1b): 【化6】 で表される基を示す。式(1a)中のR2aは置換基を有して
    もよいアルキル基を示し、式(1b)中、R2b、R2c
    2d、R2eおよびR2fは、同一または異なって水素原
    子、または置換基を有してもよいアルキル基を示す。〕
    で表されるジオキソテトラセンジオン誘導体を含む感光
    層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】感光層が、酸化還元電位−0.8〜−1.
    4Vの電子受容性化合物をも含有している請求項2記載
    の電子写真感光体。
JP23837995A 1995-09-18 1995-09-18 ジオキソテトラセンジオン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH0977763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002287435A (ja) * 2002-01-23 2002-10-03 Kyocera Mita Corp 正帯電単層型電子写真感光体を用いた画像形成方法
USRE39516E1 (en) 1999-10-25 2007-03-13 Kyocera Mita Corporation Single-layer type electrophotosensitive material and image forming apparatus using the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE39516E1 (en) 1999-10-25 2007-03-13 Kyocera Mita Corporation Single-layer type electrophotosensitive material and image forming apparatus using the same
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