JPH07271068A - 積層型電子写真感光体 - Google Patents

積層型電子写真感光体

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JPH07271068A
JPH07271068A JP6413894A JP6413894A JPH07271068A JP H07271068 A JPH07271068 A JP H07271068A JP 6413894 A JP6413894 A JP 6413894A JP 6413894 A JP6413894 A JP 6413894A JP H07271068 A JPH07271068 A JP H07271068A
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JP
Japan
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charge
charge transport
chemical
compounds
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JP6413894A
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English (en)
Inventor
Eiichi Miyamoto
栄一 宮本
Yukikatsu Imanaka
之勝 今中
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電荷発生層および電荷輸送層を含む積層型電
子写真感光体において、繰り返し特性に優れた積層型電
子写真感光体を提供すること。 【構成】 電荷発生層および電荷輸送層を含む積層型電
子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記式(I)で
表されるヒンダードアミン系化合物を含有する、積層型
電子写真感光体: 【化1】 (ここで、n1は10〜20を示す。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機およびレ
ーザープリンターなどの電子写真法を利用した画像形成
装置に利用される、電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カールソンプロセスなどの電子写真法
は、基本的に以下の工程:コロナ放電により電子写真感
光体の表面を均一に帯電させる帯電工程;帯電した電子
写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程;形成
された静電潜像に現像剤を接触させて、現像剤に含まれ
るトナーにより、静電潜像をトナー像に顕像化する現像
工程;トナー像を紙などに転写し、転写されたトナー像
を定着させる転写工程および定着工程;転写後の感光体
表面上の潜像電荷を除電する除電工程;および、感光体
上に残留するトナーを除去するクリーニング工程からな
る。
【0003】このようなカールソンプロセスなどの電子
写真法に使用される電子写真感光体としては、アモルフ
ァスシリコン(α−Si)および一部のセレン感光体な
どの無機感光体、ならびに、有機感光体(OPC)が知
られている。これらの中で、機能設計の自由度、加工
性、コストなどの総合的見地から、有機感光体を使用す
るケースが多い。
【0004】現在、主として実用に供せられている有機
感光体は、露光による電荷を発生する機能と発生した電
荷を輸送する機能とを別々の物質に分離した機能分離型
である。このタイプの感光体においては、電荷発生効率
の高い物質と輸送効率の高い物質とを適宜組み合わせる
ことが可能であり、材料の選択の幅が広がるという利点
がある。機能分離型の有機感光体としては、電荷発生層
(CGL)と電荷輸送層(CTL)からなる積層構造を
有するものが多く利用されているが、全ての材料を同一
層中で結着樹脂に分散させた単層構造を有するものも知
られている。積層型の有機感光体は、負帯電型のものが
一般的である。
【0005】有機感光体を、複写機中で繰り返し使用し
た場合、電荷の消去が不完全であると、オゾンなどのチ
ャージ生成物が発生する。このチャージ生成物は上記有
機感光体中の電荷輸送材料を攻撃してこれを分解するこ
とにより、感光体の劣化を引き起こす。そのため、有機
感光体においては、繰り返し使用した場合、帯電性の低
下、残留電位の上昇、感度の低下などが生じるという欠
点がある。特に、負帯電型の有機感光体では、負極性コ
ロナ放電を利用するためオゾンの発生量が多く、発生し
たオゾンによる感光体の劣化の問題が重要である。
【0006】上記の欠点を装置面から解消するには、オ
ゾンなどのチャージ生成物を発生させない格別の帯電シ
ステムや、生成オゾンを分解するシステム、装置内のオ
ゾンを排気するシステムなどを必要とし、プロセス全体
およびシステムが複雑化するという問題がある。
【0007】上記の欠点を感光体の処方面から解消する
試みとしては、特開昭57−122444号公報および
特開昭61−156052号公報に見られるように、感
光体に特定の酸化防止剤を添加することが提案されてい
る。また、特開平1−202757号公報に見られるよ
うに、電荷発生材料として特定のアゾ顔料を使用するこ
とにより、感光体の繰り返し特性を向上させることが提
案されているが、今だ十分なものであるとはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決すべく達成されたものであって、その目的
は、オゾンなどのチャージ生成物、および光による感光
体の劣化を効果的に防止することにより、繰り返し特性
に優れた積層型電子写真感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電荷発生
層および電荷輸送層を含む積層型電子写真感光体におい
て、ヒンダードアミン系化合物を、該電荷輸送層に含有
させることにより、繰り返し使用時の帯電安定性に優れ
た感光体が得られることを見いだし、本発明を完成する
に到った。
【0010】本発明の電子写真感光体は、電荷発生層お
よび電荷輸送層を含み、該電荷輸送層が下記式(I)で
表されるヒンダードアミン系化合物を含有する、積層型
電子写真感光体である。
【0011】
【化4】
【0012】ここで、n1は10〜20を示す。
【0013】本発明は、オゾンおよび光による電荷輸送
材料の劣化が抑制され、繰り返し使用しても帯電性の低
下、残留電位の上昇、感度の低下などが少ない、積層型
電子写真感光体を提供する。また、本発明は、静電式複
写機やレーザープリンターなどの画像形成装置に好適に
用いられ得る電子写真感光体を提供する。
【0014】
【作用】本発明の積層型電子写真感光体に使用するヒン
ダードアミン系化合物は、アミンの窒素原子が、かさ高
い置換基に囲まれて立体的に遮閉された構造を有するこ
とを特徴とする。このヒンダードアミン系化合物は、電
荷発生材料、電荷輸送材料などの他の感光体材料との相
互作用が小さく、電子写真特性に悪影響を及ぼさない化
合物である。また、このヒンダードアミン系化合物は、
酸化防止剤として、感光体がオゾンなどに暴爆されたと
きに、電荷輸送材料などの感光体構成材料と外的攻撃物
との反応を抑制する作用があると考えられる。この際の
反応抑制の機構は、明確ではない。しかし、自己が酸化
されることにより他の化合物の酸化を抑制する、いわゆ
る自己酸化型の化合物ではないと考えられる。
【0015】後述する実施例の結果から、ヒンダードア
ミン系化合物が添加された積層型電子写真感光体におい
ては、10,000回繰り返した後の残留電位の低下量
が抑制され、また半減露光量で示される感度の低下も少
ないことから、耐久性が向上していることがわかる。
【0016】
【好適態様】以下、本発明において使用する材料および
感光体の製造について説明する。
【0017】本発明の積層型電子写真感光体に使用する
ヒンダードアミン系化合物は、下記式(I)で表され
る。
【0018】
【化5】
【0019】上記式(I)中のn1は10〜20を示
す。
【0020】このヒンダードアミン系化合物は、チヌビ
ン622LDという商品名でチバ・ガイギー社より市販
されている。
【0021】(電荷発生材料)電荷発生材料としては、
当該分野で通常使用されている電荷発生材料を用い得
る。例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、
アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ペ
リレン系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシアニン
系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、
スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、
キナクリドン系顔料、ピロロピロール系顔料を用い得
る。これらの電荷発生材料は、単独で、あるいは2種類
以上を混合して使用し得る。
【0022】これらの電荷発生材料のうち、特にアゾ系
顔料が好適である。
【0023】アゾ系顔料の具体例としては、例えば下記
式(b1)〜(b12)に示す化合物が挙げられる。
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】アゾ系顔料のうち、高い電荷発生効率を有
する化合物として、下記式(II)で表されるビスアゾ顔
料が好適に用いられ得る。
【0029】
【化10】
【0030】上記式(II)中、A1およびA2は、それぞ
れ独立して、カップラー残基を示し、R1は、水素原
子、あるいは、1または2以上の置換基を有し得る炭素
数が1または2以上のアルキル基、アリール基、または
複素環式基を示し、n2は、0または1を示す。
【0031】上記式(II)で表されるビスアゾ顔料にお
いて、R1に相当するアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基などが用いられ得る。
【0032】R1に相当するアリール基としては、例え
ば、フェニル基、o−ターフェニル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基などが用いられ得る。
【0033】R1に相当する複素環式基としては、例え
ば、チエニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、オキサ
ゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチ
アゾリル基、イミダゾリル基、2H−イミダゾリル基、
ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラ
ニル基、ピリジル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、3
−モルホリニル基、モルホリノ基、チアゾリル基、およ
び、これらの基が芳香族環と縮合した複素環式基などが
用いられ得る。
【0034】上記R1に相当するアルキル基、アリール
基、および複素環式基が有し得る置換基としては、例え
ば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化され
ていてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール
基を有し得る炭素数2〜6のアルケニル基などが用いら
れ得る。
【0035】上記式(II)で表されるビスアゾ顔料にお
いて、A1およびA2で表されるカップラー残基として
は、例えば、下記式(a)〜(g)に示す基が挙げられ
る。
【0036】
【化11】
【0037】上記式(a)中のR10は、カルバモイル
基、スルファモイル基、アロファノイル基、オキサモイ
ル基、アントラニロイル基、カルバゾイル基、グリシル
基、ヒダントイル基、フタルアモイル基、あるいはスク
シナモイル基であり得る。これらの基は、さらに置換基
として、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニル
基、置換されていてもよいナフチル基、アルキル基、ア
ルケニル基、カルボニル基、カルボキシル基などを有し
得る。
【0038】上記式(a)および(b)中のR11は、水
酸基を有するベンゼン環と縮合して芳香族環、多環式炭
化水素、または複素環を形成するのに必要な原子団を表
し、これらの環は、前記R10について用いるものと同様
な置換基を有し得る。
【0039】上記式(b)中のR12は、酸素原子、硫黄
原子、またはイミノ基を表す。
【0040】上記式(b)中のR13は、2価の鎖式炭化
水素または芳香族炭化水素を表し、これらの基は、前記
10について用いるものと同様な置換基を有し得る。
【0041】上記式(c)および(d)中のR14は、ア
ルキル基、アラルキル基、アリール基、または複素環式
基を表し、これらの基は、前記R10について用いるもの
と同様な置換基を有し得る。
【0042】上記式(e)および(f)中のR15は、2
価の鎖式炭化水素、芳香族炭化水素を表し、これらの基
は、前記R10について用いるものと同様な置換基を有し
得る。
【0043】上記式(g)中のR16は、水素原子、アル
キル基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アロファノイル基、カルボキシル基、カルボキシル
基のエステル、アリール基、またはシアノ基を表し、水
素原子以外の基は、前記R10について用いるものと同様
な置換基を有し得る。
【0044】上記式(g)中のR17は、アルキル基また
はアリール基を表し、これらの基は、前記R10について
用いるものと同様な置換基を有し得る。
【0045】前記R11において、水酸基を有するベンゼ
ン環との縮合して芳香族環を形成するのに必要な原子団
としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基などのアルキレン基が用いられ得る。
11により形成される芳香族環としては、例えば、ナフ
タリン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン
環、クリセン環、ナフタセン環などがある。
【0046】前記R11において、水酸基を有するベンゼ
ン環との縮合して多環式炭化水素を形成するのに必要な
原子団としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基が用いられ
得る。R11により形成される多環式炭化水素としては、
例えば、カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベ
ンゾフラン環などがある。
【0047】前記R11において、水酸基を有するベンゼ
ン環と縮合して複素環式基を形成するのに必要な原子団
としては、例えば、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェ
ニル基、インドリル基、1H−インドリル基、ベンゾオ
キサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、1H−インダドリ
ル基、ベンゾイミダゾリル基、クロメニル基、クロマニ
ル基、イソクロマニル基、キノリニル基、イソキノリニ
ル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾニリル
基、キノキサリニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾ
リル基、キサンテニル基、アクリジニル基、フェナント
リジニル基、フェナジニル基、フェノキサジニル基、チ
アントレニル基などが用いられ得る。R11により形成さ
れる芳香族性複素環基としては、例えば、チエニル基、
フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾ
リル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリ
ル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基、ピリジル基、チアゾリル基、ならびに、さらに他の
芳香族環と縮合した複素環基、例えばベンゾフラニル
基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベ
ンゾチアゾリル基、キノリル基などがある。
【0048】前記R13およびR15において、2価の鎖式
炭化水素としては、例えば、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基などが、2価の芳香族炭化水素として
は、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、フェナント
リレン基などが用いられ得る。
【0049】前記R14において、複素環式基としては、
例えば、ピリジル基、ピラジル基、チエニル基、インド
リル基などが用いられ得る。
【0050】R15により形成される芳香族性複素環基と
しては、例えば、ベンゾイミダゾール基、ベンゾ[f]ベ
ンゾイミダゾール基、ジベンゾ[e,g]ベンゾイミダゾ
ール基、ベンゾピリミジン基などがある。
【0051】前記R16において、カルボキシル基のエス
テルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステルなどが用いられ
得る。
【0052】上記式(a)〜(g)で表されるカップラ
ー残基A1およびA2の具体例としては、例えば、下記式
(A1)〜(A27)のような基が挙げられる。
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】上記式(II)で示されるビスアゾ顔料の具
体例としては、例えば下記式(CG1)〜(CG12)
に示す化合物が挙げられる。
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】(電荷輸送材料)電荷輸送材料としては、
電子写真感光体に用いられる種々の電子吸引性化合物、
電子供与性化合物を用い得る。電子吸引性化合物は電荷
輸送剤として作用し、一方、電荷供与性化合物は正孔輸
送剤として作用する。本発明の効果は、正孔輸送剤を含
有し、負帯電型として用い得る電子写真感光体におい
て、顕著に表われる。
【0062】正孔輸送剤の例としては、2,5−ジ(4
−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキサジアゾ
ールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエ
チルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化
合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化
合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリンなどのピラゾリン化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物などの含窒素環式化合物、縮合多環式化合物
が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、1種または2種
以上混合して用いられ得る。
【0063】本発明で用いる正孔輸送剤としては、アミ
ン系化合物が好適である。アミン系化合物は、オゾンに
よる劣化を特に受けやすい。
【0064】アミン系化合物の例としては、下記式(II
I)で表される化合物を用い得る。
【0065】
【化19】
【0066】上記式(III)中のAr1、Ar2、および
Ar3は、それぞれ独立して、1または2以上の置換基
を有し得るアリール基を示す。
【0067】アリール基が有し得る置換基としては、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリールアミ
ノ基、アリールアルケニル基、アリールオキシ基、アリ
ールチオ基、およびアリールスルホニル基などが用いら
れ得る。これらの置換基中のアリール基は、さらにこれ
らの置換基のいずれかを有していてもよい。また、アリ
ール基は、縮合して複素環式基を形成してもよい。
【0068】さらに、Ar1、Ar2、およびAr3によ
って示されるアリール基の中の1つとアミンの窒素原子
との間には、イミノメチレン基(−CH=N−)が挿入
されていてもよい。
【0069】アリール基の例としては、フェニル基、ビ
フェニル基、トリチル基、アントリル基、フェナントリ
ル基、ピレニル基などがある。アリール基が結合して形
成される複素環式基の例としては、カルバゾリル基など
がある。
【0070】上記アミン系化合物の具体例としては、下
記式(CT1)〜(CT28)に示す化合物が挙げられ
る。
【0071】
【化20】
【0072】
【化21】
【0073】
【化22】
【0074】
【化23】
【0075】
【化24】
【0076】
【化25】
【0077】(結着樹脂)結着樹脂としては、種々の樹
脂を使用し得る。例えばスチレン系重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステルアルキド樹脂、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエス
テル樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいは、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ
アクリレート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性
樹脂を使用し得る。これらの結着樹脂は1種または2種
以上を混合して用い得る。電荷輸送材料として、ポリビ
ニルカルバゾールなどの成膜性を有する材料を用いる場
合には、結着樹脂は必ずしも必要でない。
【0078】(導電性基体)有機感光層が形成される導
電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用し
得、例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジ
ウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッ
ケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮な
どの金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされ
たプラスチック材料、あるいは、ヨウ化アルミニウム、
酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなど
が例示され得る。
【0079】導電性基体は、シート状、ドラム状などの
何れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あ
るいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、
導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有す
るものが好ましい。
【0080】(添加剤)有機感光層には、上記式(I)
で表されるヒンダードアミン系化合物以外にも、増感
剤、フルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤な
どの劣化防止剤、可塑剤などの添加剤を併用させ得る。
【0081】また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレンなどの公知の増感剤を電荷発生材料と併用し得
る。(感光体の構成)本発明の積層型電子写真感光体
は、導電性基体上に形成した電荷発生層および電荷輸送
層を含む。他の層として、例えば、電荷輸送層の表面に
形成した保護層を有し得る。
【0082】電荷発生層を構成する電荷発生材料と結着
樹脂とは、種々の割合で使用し得る。結着樹脂1部(重
量部、以下同じ)に対して、電荷発生材料0.05〜1
0部、特に0.3〜5部の割合で用いるのが好ましい。
【0083】電荷輸送層を構成する電荷輸送材料と前記
結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶
化しない範囲で、種々の割合で使用し得る。光照射によ
り電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、
結着樹脂1部に対して、電荷輸送材料0.1〜5部、特
に0.25〜2部の割合で用いるのが好ましい。
【0084】積層型の感光層の厚さは、電荷発生層が
0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に形成
されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μm、特
に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
【0085】本発明の感光体に使用するヒンダードアミ
ン系化合物は電荷輸送層の結着樹脂1部に対して、0.
005部〜0.1部、特に0.01部〜0.05部を添
加するのが好ましい。添加量が0.005部未満の場合
は添加効果が十分でなく、0.1部を越える場合は感光
層の感度が低下してしまう。
【0086】(感光体の作製)本発明の積層型電子写真
感光体は、導電性基体上に、蒸着または塗布などの手段
により前記電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成
し、この電荷発生層上に、前記電荷輸送材料と結着樹脂
とを含有する電荷輸送層を形成することによって作製し
得る。
【0087】電荷発生層を塗布により形成する場合に
は、電荷発生材料、結着樹脂、および必要に応じて添加
剤などを、適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、
ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェー
カーあるいは超音波分散器などを用いて混合し、分散し
て塗布液を調製する。この塗布液を、公知の手段により
導電性基体上に塗布し、乾燥することにより、電荷発生
層が形成され得る。電荷輸送層および必要に応じて用い
られる他の層も、同様にして形成し得る。
【0088】塗布液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能である。例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコー
ル類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四
塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエー
テル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエ
ステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなどが用いられ得る。こ
れらの溶剤は単独で、または2種以上を混合して用い得
る。
【0089】上記の電荷発生層および電荷輸送層などの
形成にあたっては、電荷輸送材料や電荷発生材料の分散
性、感光層表面の平滑性をよくするために、界面活性
剤、レベリング剤なども使用し得る。
【0090】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。
【0091】(実施例1)化合物(電荷発生材料)と
して2.5重量部のCG7(下記に構造を示す)、結着
樹脂として1重量部のブチラール樹脂、溶剤として15
重量部のTHFからなる溶液を、図1に示すように、導
電支持基体A上に膜厚0.5μmで塗布した後、110
℃で30分間乾燥して、電荷発生層Bを形成した。
【0092】この電荷発生層B上に、化合物(電荷輸
送材料)として1重量部のCT4(下記に構造を示
す)、結着樹脂として1重量部のポリカーボネイト樹
脂、溶剤として10重量部のTHFに、ヒンダードアミ
ン系化合物として0.01重量部のチヌビン622L
D(チバ・ガイギー社製)を添加した溶液を膜厚20μ
mで塗布し、110℃で30分間乾燥して、電荷輸送層
Cを形成し、積層型電子写真感光体を得た。
【0093】(実施例2〜13)下記の表1に示すよう
に、結着樹脂1重量部に対する上記化合物の添加重量
部、ならびに、化合物(電荷発生材料)および化合物
(電荷輸送材料)の種類を変化させた以外は、実施例
1と同様にして、それぞれの積層型電子写真感光体を得
た。
【0094】
【表1】
【0095】表1における化合物(電荷発生材料)
は、下記のとおりである。
【0096】
【化26】
【0097】
【化27】
【0098】
【化28】
【0099】表1における化合物(電荷輸送材料)
は、下記のとおりである。
【0100】
【化29】
【0101】
【化30】
【0102】
【化31】
【0103】
【化32】
【0104】(比較例1〜比較例9)添加剤として上記
化合物を加えない以外は、上記実施例1と同様にして
積層型電子写真感光体を得た。
【0105】(比較例10)添加剤として上記化合物
の代わりに、公知の酸化防止剤であるBHT(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン)を0.05
重量部加える以外は、上記実施例1と同様にして、積層
型電子写真感光体を得た。
【0106】ここで、比較例1〜10で使用した化合物
(電荷発生材料)および化合物(電荷輸送材料)の
種類を下記表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】表2において、化合物(電荷発生材料)
および化合物(電荷輸送材料)の種類を示す記号は、
表1と同じ意味である。
【0109】上記各実施例、比較例で得られた各積層型
電子写真感光体について以下の試験を行い、その特性を
評価した。
【0110】(初期電気特性)ドラム感度試験機(ジェ
ンティック社製)により、流れ込み電流値を調整して、
各実施例および比較例で作成したシート状の電子写真感
光体の表面を800±20V付近に帯電させて帯電電位
V0(V)を測定した。その後、キセノンランプから分
光器を用いて取り出した550nmの光により強度10
ルックス、露光時間1.5秒で感光体を露光した。半減
露光量E1/2(lux・sec)を以下の式から求めた:
【0111】
【数1】E1/2=I×t1/2 ここで、Iは光強度、t1/2は表面電位が初期値の1/
2(すなわちV0の1/2)となるまでに要する時間で
ある。また、露光直後から0.5秒経過した時点の残留
電位Vr(V)を測定した。
【0112】(繰り返し特性)上記各実施例および比較
例で得られた各積層型電子写真感光体を、各々アルミニ
ウムシリンダー上に接着テープを用いて貼りつけた後、
負帯電仕様にした静電複写機DC2556(三田工業株
式会社製)に装着した。
【0113】負帯電、露光、および除電からなるサイク
ルを10,000回繰り返した後、積層型電子写真感光
体をアルミニウムシリンダーから剥がし、帯電電位V
0’(V),残留電位Vr’(V)を上記と同様にして測
定した。流れ込み電流値は初期および10,000回繰
り返し後で同値とした。帯電電位の変化量ΔV0および
残留電位の変化量ΔVrを、下記数式に基づいて計算し
た。
【0114】
【数2】ΔV0=V0−V0’ ΔVr=Vr−Vr’ 上記のようにして得られた、各実施例および比較例の積
層型感光体の帯電電位V0(V),半減露光量E1/2(lu
x・sec),残留電位Vr(V),帯電電位の変化量ΔV
0,および残留電位の変化量ΔVrを、表3(実施例1〜
13)、表4(比較例1〜10)に示す。
【0115】
【表3】
【0116】
【表4】
【0117】表3および表4より明らかなように、実施
例1〜13で得られた本発明の積層型電子写真感光体
は、帯電−露光を繰り返した後も帯電電位および残存電
位の変化が少なく、繰り返し特性に優れるものであっ
た。これに対して、電荷輸送層にヒンダードアミン系化
合物を含有しない、比較例1〜10の電子写真感光体
は、繰り返し使用により極端に帯電特性が劣るものであ
った。比較例10においては、公知の酸化防止剤である
BHTを使用したが、格別の効果は見られなかった。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、電荷発生層および電荷
輸送層を含む積層型電子写真感光体において、式(I)
で表されるヒンダードアミン系化合物を電荷輸送層に含
有させることにより、積層型電子写真感光体の繰り返し
特性を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例で作製した積層型
電子写真感光体の概略断面図である。
【符号の説明】
A 導電支持基体 B 電荷発生層 C 電荷輸送層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生層および電荷輸送層を含む積層
    型電子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記式
    (I)で表されるヒンダードアミン系化合物を含有す
    る、積層型電子写真感光体: 【化1】 (ここで、n1は10〜20を示す。)。
  2. 【請求項2】 前記電荷発生層が下記式(II)で表され
    るビスアゾ顔料を含有する、請求項1に記載の積層型電
    子写真感光体: 【化2】 (ここで、A1およびA2は、それぞれ独立してカップラ
    ー残基を示し、R1は、水素原子、あるいは、1または
    2以上の置換基を有し得るアルキル基、アリール基、ま
    たは複素環式基を示し、n2は、0または1を示
    す。)。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送層がさらに下記式(III)
    で表される電荷輸送材料を含有する、請求項1または2
    に記載の積層型電子写真感光体: 【化3】 (ここで、Ar1、Ar2、およびAr3は、それぞれ独
    立して、1または2以上の置換基を有し得るアリール基
    を示す。)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110003019B (zh) * 2019-04-09 2022-08-16 江苏三月科技股份有限公司 一种以均苯为核心的高迁移率有机化合物及其应用

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