JPH11286618A - ジクロロスズフタロシアニン化合物および、その製造法とそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ジクロロスズフタロシアニン化合物および、その製造法とそれを用いた電子写真感光体

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JPH11286618A
JPH11286618A JP10355398A JP10355398A JPH11286618A JP H11286618 A JPH11286618 A JP H11286618A JP 10355398 A JP10355398 A JP 10355398A JP 10355398 A JP10355398 A JP 10355398A JP H11286618 A JPH11286618 A JP H11286618A
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俊彦 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真特性に優れたジクロロスズフタロシア
ニン化合物を用いた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】下記一般式[I]、 【化1】 (式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子、ニトロ
基、又はシアノ基であり、他は水素H又はベンゼン環を
有さない有機化合物を表す。)で表される単環式化合物
を主成分とする溶媒中で、スズ化合物とo-フェニレン化
合物を合成し、ジクロロスズフタロシアニン化合物を得
る。CuKαのX線回折は、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピ
ークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ
(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、か
つ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°に
ピークを有している。面間隔が小さいため、取り込まれ
る不純物が少なくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジクロロスズフタロ
シアニン化合物とその製造方法、及びそのジクロロスズ
フタロシアニン化合物を感光層中に含有する電子写真感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】数多くの有機材料のうち、色素は、長い
共役π電子系から構成されており、分子内電荷移動構造
をとり、光機能材料としての特性を示すことが知られて
いる。特に、フタロシアニン系化合物は、熱的、光的に
安定で、合成も比較的容易な扱い易い色素であるため、
活発な研究がなされている。
【0003】下記化学式(Mは金属を表す)、
【0004】
【化2】
【0005】で表されるようなフタロシアニン化合物
は、780nm前後の波長を有するレーザ光或いはLE
D光に対して強く安定した感度を示すことが知られてお
り、フタロシアニン化合物を用いた有機電子写真感光体
が実用に供されている。
【0006】フタロシアニン化合物の場合、大環状π電
子系の中心に金属イオンが配位した構造であり、中心金
属を交換することで光機能的な特性を制御することが可
能である。
【0007】フタロシアニン化合物の分子構造は、リジ
ットな円盤状という単純なものであるが、分子の積み重
なり方の違いにより結晶状態では多型を示し、それによ
っても光機能的な特性が変化する。
【0008】フタロシアニン化合物の結晶型は、製造方
法、熱、機械的剪断力、有機溶剤、硫酸などの処理によ
り転移することが知られている。例えば、銅フタロシア
ニンには、α型、β型、γ型、ε型、π型、χ型、ρ
型、δ型等があり、無金属フタロシアニンではτ型、χ
型、ε型等がある。
【0009】ジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶
型に注目した発明には、特開平5−140472号公報
があり、同号公報には、X線回折スペクトルが、2θ
(±0.2°)=8.7°、9.9°、10.9°、1
3.1°、15.2°、16.3°、17.4°、2
1.9°、25.5°あるいは、9.2°、12.2
°、13.4°、14.6°、17.0°、25.3°
に強い回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン化
合物が記載されている。
【0010】また、特開平6−228453号公報にお
いては、2θ(±0.2°)=8.4°、10.6°、1
2.2°、13.8°、16.0°、16.5°、1
7.4°、19.1°、22.4°、28.2°、3
0.0°、あるいは、8.4°、11.2°、14.6
°、15.6°、16.9°、18.6°、19.6
°、25.7°、27.2°、28.5°に強い回折ピ
ークを示すジクロロスズフタロシアニン化合物が記載さ
れている。
【0011】これらの結晶型の違いは、電子写真特性
(帯電性、感度、環境変動時あるいは耐久時の電位安定
性など)や塗料化した場合の溶媒への分散性に大きな影
響を及ぼすと考えられる。
【0012】電子写真プロセスの中で、電子写真感光体
に求められる電気的・光学的特性には、受容電位、電荷
保持性、光感度、残留電位、光応答速度、分光感度とい
った基本的特性はもとより、環境変動時・繰り返し使用
時の電位安定性あるいは光疲労といった品質が、画像カ
ブリや濃度変化を防止する意味で重要であるが、上記の
ジクロロスズフタロシアニン化合物では、それらを満足
させる有機電子写真感光体は得られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決するために創作されたものであり、その
目的は、高感度で、繰り返し使用時の電位安定性、及
び、光疲労に優れた、新規な結晶性ジクロロスズフタロ
シアニン化合物、及びその製造法、それを用いた電子写
真感光体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】X線回折において、X線
の波長λ(=1.54Å)、入射角θ、結晶の面間隔dと
の間には次式が成立する。 2・d・sin(θ) = λ 上式から、回折ピークが低角で観察されるほど面間隔d
は大きい。
【0015】従来のジクロロスズフタロシアニン化合物
には、2θ=8°〜9°の範囲に最大クラスの回折ピー
クがある、即ち、面間隔が大きいために不純物を取り込
みやすい。このような化合物を用いると、感光層を形成
した段階で空位、転移といった不純物準位を形成し、キ
ャリヤをトラップすると局部電界を形成する。すると、
帯電保持性が低下したり、残留電位が上昇し、画像上カ
ブリ、濃度変化などの問題を引き起こしてしまう。
【0016】それを解決する手段としては、ジクロロス
ズフタロシアニン化合物の精製度を高め、高純度にする
ことが考えられるが、より抜本的な改善方法として、面
間隔を小さくし、結晶中に不純物が取り込まれないよう
にすることが重要であると考えられる。
【0017】一方、感光体の感度は、キャリヤ発生効率
が高いと増感するが、励起子の解離によるキャリヤの発
生は、主として顔料粒子の表面近傍で起こるため、比表
面積の大きい微細な粒子ほど高感度になる。察するに、
結晶格子を小さくすることは、粒子の比表面積を増大さ
せ増感につながると考えられる。
【0018】本発明は、上記知見に基き、鋭意研究を重
ねた結果得られたものであり、請求項1記載の発明は、
ジクロロスズフタロシアニン化合物であって、CuKα
のX線回折において、2θ(±0.2°)=10.5°に
最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強
度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の1
0%以下であることを特徴とする。
【0019】請求項2記載の発明は、ジクロロスズフタ
ロシアニン化合物であって、CuKαのX線回折におい
て、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有
し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±
0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であ
り、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7
°、26.7°、27.4°にピークを有することを特
徴とする。
【0020】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシ
アニン化合物の製造方法であって、下記一般式[I]で
表される単環式化合物を主成分とする溶媒を用いて合成
することを特徴とする。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロ
ゲン原子F,Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基
であり、他は水素又はベンゼン環を有さない有機化合物
を表す。) 前記単環式化合物には、請求項4記載の発明のように、
ニトロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼンを用いるこ
とができる。
【0023】更に、請求項5記載の発明のように、請求
項3又は請求項4のいずれか1項記載のジクロロスズフ
タロシアニン化合物の製造方法については、スズ化合物
と、o−フェニレン化合物とを前記溶媒中で反応させる
ことができる。なお、o−フェニレン化合物は、下記一
般式[II]、
【0024】
【化4】
【0025】で示すことができる(R1、R2の両方とも
水素ではない。)。一般式[II]の化合物として、例え
ば、下記化学式で表される、フタロジニトリル、無水フ
タル酸、フタルイミド等が含まれる。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】それらのo−フェニレン化合物のうち、フ
タロジニトリルを用いる場合には、請求項6記載の発明
のように、スズ化合物に四塩化スズを用いることができ
る。
【0030】また、請求項7記載の発明のように、基体
と、少なくとも前記基体上に形成された感光層とを有す
る電子写真感光体については、前記感光層には、請求項
1又は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタ
ロシアニン化合物を含有させることができる。
【0031】以上説明したように、特定の高沸点かつ電
子受容性溶媒中で合成することにより、2θ=5°〜9
°の低角にピークを持たず、結晶格子の小さいジクロロ
スズフタロシアニン化合物の開発に成功しており、該ジ
クロロスズフタロシアニン化合物を使うことにより、高
感度で、繰り返し使用時の電位安定性及び、光疲労の優
れた電子写真感光体を得ることができた。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のジクロロスズフタロシア
ニン化合物の構造の一例は、下記化学式で表され、
【0033】
【化8】
【0034】それをX線回折した場合、X線回折結果
は、例えば図1のX線回折図で示される。特徴として2
θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ
=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)
=10.5°のピーク強度の10%以下となっており、
また、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、2
6.7°、27.4°に明瞭なピークを有している。
【0035】このようなジクロロスズフタロシアニン化
合物は、高沸点でしかも電子受容性溶媒中で合成するこ
とにより得られる。その溶媒は、下記化学式、
【0036】
【化9】
【0037】(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロ
ゲン原子F,Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基
であり、他は水素又はベンゼン環を有さない有機化合物
を表す。)で示される物質で、例えばフタロニトリルに
塩化スズを反応させる反応の溶媒は、ニトロベンゼン、
ジニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。
【0038】それらを単独で用いてもよいし、溶媒の置
換基の組合せにより電子受容性を変えて、電子写真感光
体の特性を改良することができる。またこれらの溶媒は
単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
原料のフタロニトリルのかわりにフタルイミドや無水フ
タル酸や、塩化スズのかわりに有機スズ化合物を用いる
こともできる。このようにして、本発明の化合物は製造
できる。
【0039】本発明の電子写真感光体は、特定のX線回
折スペクトルを有する本発明のジクロロスズフタロシア
ニン化合物を電荷発生物質として基体上の感光層に含有
させてなるものである。
【0040】図2及び図3は、本発明に係る電子写真感
光体の好ましい実施の形態の構成を示す断面図である。
【0041】図2の符号1は、本発明に適用可能な機能
分離型の電子写真感光体を示したものであり、導電性の
基体11上に、電荷発生層12と電荷移動層13とがこ
の順で形成されており、これら電荷発生層12と電荷移
動層13とによって感光層14が構成されている。
【0042】電荷発生層12の形成方法としては、公知
の方法等各種の方法を使用することができるが、本発明
のジクロロスズフタロシアニン化合物を電荷発生物質と
して用い、バインダー樹脂とともに適当な溶媒により分
散もしくは溶解した塗布液を、基体11上に塗布し、乾
燥させて形成することができる。
【0043】電荷移動層13は、少なくとも後述する電
荷移動物質を有するものであり、この電荷移動層13
は、例えば、電荷発生層12上に電荷移動剤をバインダ
ー樹脂を用いて結着することにより形成することができ
る。
【0044】電荷移動層13の形成方法としては、公知
の方法等各種の方法を使用することができるが、通常の
場合、電荷移動物質をバインダー樹脂とともに適当な溶
媒により分散もしくは溶解した塗布液を、電荷発生層1
2上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
【0045】なお、図2において、電荷発生層12と電
荷移動層13を上下逆に積層させることもできる。
【0046】図3の符号2は、本発明に適用可能な単層
型の電子写真感光体を示したものであり、基体21上
に、電荷発生物質と電荷移動物質とを含有させた感光層
24が形成されている。
【0047】この電子写真感光体2は、基体21の上に
本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物が電荷発生
物質として用いられ、後述する電荷移動物質とバインダ
ー樹脂と共に混合、分散された塗布液を、基体21上に
塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
【0048】上述した電子写真感光体1、2に用いるこ
とができる基体11、21は、アルミニウム、真鍮、ス
テンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、
錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその
合金の加工体を用いることができる。
【0049】上記金属や炭素等の基体表面に、更に蒸
着、メッキ等により、導電性物質の薄膜を形成してもよ
い。基体自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電
性のプラスチック板およびフィルム表面に、上記金属や
炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導
電性を持たせてもよい。
【0050】更に、基体にガラスを用いる場合、その表
面に、酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで
被覆し、導電性を持たせてもよい。
【0051】その種類や形状は、特に制限されることは
なく、導電性を有する種々の材料を使用して基体11、
21を構成することができる。
【0052】一般に基体11、12としては、円筒状の
アルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したも
の、またはアルミニウム管上に樹脂層を形成したものが
よく用いられる。この樹脂層は接着向上機能、アルミニ
ウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、ア
ルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。この樹脂層
には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各種樹脂を用い
ることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成
してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよ
い。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂
粉末等を分散させることもできる。更に、特性改善のた
めに各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含
有させることもできる。
【0053】電荷発生物質としては、適切な光感度波長
や増感作用を得るために、本発明のジクロロスズフタロ
シアニン化合物とともに、アゾ顔料やオキシチタニウム
フタロシアニンなどを混合させることもできる。これら
は、感度の相性が良い点で望ましいが、それに限定され
るものではない。その他、例えば、他のフタロシアニン
顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、
ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン
顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔
料、ピリリウム塩等を用いることができる。
【0054】感光層14、24を形成するためのバイン
ダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹
脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルス
ルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、
EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS
(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹
脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等の樹脂が
ある。
【0055】それらは単体で用いても、共重合体を用い
てもよく、また、2種以上混合して使用することも可能
である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合に
は、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
【0056】塗布液に使用する溶剤には、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の
飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これら
は単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いて
もよい。
【0057】電荷移動物質としては、ポリビニルカルバ
ゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニ
ルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニ
ルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビ
ニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレ
ン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、
ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリ
アニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポ
リピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポ
リフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いること
ができる。
【0058】また、低分子化合物として、トリニトロフ
ルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、ア
ントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピ
レン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素複素環化
合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、
オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニル
メタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、
ブタジエン化合物等を使用することができる。
【0059】また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル
酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドー
プした高分子固体電解質等も用いることができる。さら
に、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン
で代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形
成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これ
らを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して
添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
【0060】なお、本発明の電子写真感光体1、2を製
造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬
化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機
械特性の向上を図ることができる。さらに、分散安定
剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡
剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上が
り外観や、塗布液の寿命を改善できる。
【0061】加えて、感光層14、24の上に、ポリビ
ニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、
シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキ
サン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けて
もよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので
好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機
能を向上させるために設けてもよい。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により詳しく
説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれに
限定されるものではない。
【0063】<合成例1>o−フタロニトリル50g
(0.39mol)、四塩化スズ33g(0.13mo
l)、ニトロベンゼン200mlの混合物を190℃で
3時間反応させた。室温まで冷却し、濾過後メタノール
で洗浄した。ここに得られたケーキをニトロベンゼン4
20mlに加えて200℃で30分間熱懸洗を行い15
0〜160℃で温時濾過した。このケーキをN,N−ジ
メチルホルムアミド、クロロホルム、メタノール及びア
セトンで洗浄し、44%の収率でジクロロスズフタロシ
アニン化合物を得た。得られたジクロロスズフタロシア
ニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したと
ころ、図1に示すようなX線回折図が得られた。
【0064】そのX線回折図は、2θ(±0.2°)=1
0.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲
のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピー
ク強度の10%以下となっており、また、2θ(±0.
2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.
4°に明瞭なピークを有している。
【0065】また、元素分析値は次の通りであり、理論
値との比較から、得られたジクロロスズフタロシアニン
化合物は、下記化学式で表されることが確認された。
【0066】
【0067】
【化10】
【0068】<合成例2>合成例1の操作において、ニ
トロベンゼンの代わりにo−ジクロロベンゼン、反応温
度を170℃で他の操作は合成例1と同様にして、12
%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を
得た。
【0069】元素分析は次の通りであり、合成例1と同
じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られ
ていることが確認された。
【0070】 得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性が
あり、その粉末をX線回折したところ、図4に示すよう
なX線回折図が得られた。
【0071】2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピー
クを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2
θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下
であり、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、
26.7°、27.4°に明瞭なピークを有しており、
合成例1と同じ結晶型であった。
【0072】<比較合成例1>合成例1の操作におい
て、ニトロベンゼンの代わりにN−メチル−2−ピロリ
ドンを用い、他の操作は合成例1と同様にして、18%
の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得
た。
【0073】元素分析は次の通りであり、合成例1と同
じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られ
ていることが確認された。
【0074】 得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性が
あり、その粉末をX線回折したところ、図5に示すよう
なX線回折図が得られた。
【0075】2θ(±0.2°)=8.4°、11.2
°、14.4°、15.5°、16.9°、18.5
°、19.5°、25.6°、27.0°、28.5°
に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフ
タロシアニン化合物は、合成例1、2のものとは異なっ
た結晶型であることが確認された。
【0076】<比較合成例2>合成例1の操作におい
て、ニトロベンゼンの代わりにテトラリンを用い、他の
操作は合成例1と同様にして、48%の収率でジクロロ
スズフタロシアニン化合物の結晶を得た。
【0077】元素分析は次の通りであり、合成例1、2
と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得
られていることが確認された。
【0078】
【0079】得られたジクロロスズフタロシアニン化合
物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図
6に示すようなX線回折図が得られた。
【0080】2θ(±0.2°)=8.4°、10.5
°、12.2°、13.8°、22.4°、28.3°
に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフ
タロシアニン化合物は、合成例1、2のものとは異なっ
た結晶型であることが確認された。
【0081】<比較合成例3>合成例1の操作におい
て、ニトロベンゼンの代わりにキノリンを用い、他の操
作は合成例1と同様にして、36%の収率でジクロロス
ズフタロシアニン化合物の結晶を得た。
【0082】元素分析は次の通りであり、合成例1、2
と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得
られていることが確認された。
【0083】 得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性が
あり、その粉末をX線回折したところ、図7に示すよう
なX線回折図が得られた。
【0084】2θ(±0.2°)=8.5°、10.7
°、12.2°、13.8°、16.0°、17.0
°、17.6°、22.4°、28.3°に明瞭なピー
クを有しており、得られたジクロロスズフタロシアニン
化合物は、合成例1、2のX線回折図とは異なった結晶
型であることが確認された。
【0085】<比較合成例4>合成例1の操作におい
て、ニトロベンゼンの代わりに1―クロロナフタレンを
用い、他の操作は合成例1と同様にして、31%の収率
でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。
【0086】元素分析は次の通りであり、合成例1、2
と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得
られていることが確認された。
【0087】 得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性が
あり、その粉末をX線回折したところ、図8に示すよう
なX線回折図が得られた。
【0088】2θ(±0.2°)=8.4°、11.2
°、14.5°、16.9°、19.6°、27.2
°、28.6°に明瞭なピークを有しており、得られた
ジクロロスズフタロシアニン化合物は、合成例1、2の
ものとは異なった結晶型であることが確認された。
【0089】
【実施例】<実施例1>電荷発生物質として、合成例1
で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物1.0g
と下記一般式、
【0090】
【化11】
【0091】で表されるアゾ顔料4.13gを、混合溶
媒(クロロホルム190ml/メチルエチルケトン40
ml)中で、ガラスビーズ90mlとともに、ボールミ
ルで20時間分散した。混合溶媒は、あらかじめ結着樹
脂ポリカーボネート5.0gを溶解しておいた。この分
散液に、結着樹脂ポリカーボネート20g、及び電荷輸
送物質として下記化学式、
【0092】
【化12】
【0093】と下記化学式、
【0094】
【化13】
【0095】で表されるアミン化合物の混合物25gを
加えて溶解し、感光層形成用塗布液とした。この塗布液
をアルミニウム基板上に浸漬コーティング法で塗工し、
加熱乾燥し、約25μmの単層型の電子写真感光体を作
成した。
【0096】<実施例2>実施例1で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに合成
例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用
い、他の条件は全て同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0097】<比較例1>実施例1の電子写真感光体を
製造した条件において、合成例1で得られたジクロロス
ズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を用い、
他の条件全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0098】<比較例2>実施例1の電子写真感光体を
製造した条件において、合成例1で得られたジクロロス
ズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例2で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同
様にして感光体を作成した。
【0099】<比較例3>実施例1の電子写真感光体を
製造した条件において、合成例1で得られたジクロロス
ズフタロシアニン化合物の代わりに、比較合成例3で得
られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て
同様にして電子写真感光体を作成した。
【0100】<比較例4>実施例1の電子写真感光体を
製造した条件において、合成例1で得られたジクロロス
ズフタロシアニン化合物の代わりに、比較合成例4で得
られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て
同様にして電子写真感光体を作成した。
【0101】<評価1>上記の様に作成した電子写真感
光体を、以下の条件で電子写真特性を評価した(ダイナ
ミックモード特性)。
【0102】先ず、5.5kVのコロナ放電を行って正
帯電せしめ、10秒間暗所放置した後の帯電保持率を測
定した(初期電荷保持率)。続いて除電、帯電、露光を行
い、表面電位が700vから350vに半減する露光量
(半減露光量:μJ/cm2)および2.0μJ/cm2
光時の表面電位を測定した。露光波長は780nmで行
った。半減露光量は、電子写真感光体の感度を示す値で
あり、2.0μJ/cm2露光時の表面電位は電子写真
感光体の残留電位と見ることができる。引き続き、5.
5kVのコロナ放電を行った後の表面電位を測定し初期
帯電電位とした。更に、帯電−露光−除電を300回繰
り返し疲労実験後の帯電電位、帯電保持率、感度、残留
電位を測定した。結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】電子写真の特性上、電荷保持率の値は大き
いほど優れており、感度及び残留電位の値は小さいほど
優れている。また、繰り返し疲労試験前後に於いては、
電荷保持率の変化量や帯電の変化量が少ない程繰り返し
による劣化が少ないことになる。上記表1から分かるよ
うに、実施例1、2は、比較例1〜4に比べて変化量は
明らかに少なくなっており、長寿命の電子写真感光体が
得られたことが分かる。
【0105】<評価2>上記の様に作成した電子写真感
光体を、3000luxの白色光に10分間さらした
後、帯電性を測定した。結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】上記表2から分かるように、実施例1、2
は、比較例1〜4よりも白色光暴露前後の電位変化量Δ
Vが明らかに小さくなっている。従って、本発明によれ
ば、光疲労に優れた電子写真感光体が得られることが分
かる。
【0108】
【実施例】<実施例3>電荷発生物質として、合成例1
で得られたジクロロスズフタロシアニン12.6gを、
あらかじめ結着樹脂ポリビニルブチラール6.3gを溶
解しておいた分散溶媒シクロヘキサノン中で、ガラスビ
ース230mlとともに、ボールミルで20時間分散
し、電荷発生層用塗布液とした。
【0109】その電荷移動層用塗布液は、電荷移動物質
として下記化学式、
【0110】
【化14】
【0111】で表されるブタジエン化合物と、結着樹脂
ポリカーボネートをクロロホルム中に溶解して得る。こ
の塗布液をアルミニウム基板上に電荷発生層、電荷移動
層の順に浸漬コーティング法で塗工し、加熱乾燥して積
層型の電子写真感光体を作成した。
【0112】<実施例4>実施例3で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに合成
例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用
い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0113】<比較例5>実施例3で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較
合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物
を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0114】<比較例6>実施例3で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較
合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物
を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0115】<比較例7>実施例3で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較
合成例3で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物
を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0116】<比較例8>実施例3で、合成例1で得ら
れたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較
合成例4で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物
を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。
【0117】<評価3>上記の様に作成した電子写真感
光体の特性評価を<評価1>と同様に行った。但し、電
荷移動物質であるブタジエン化合物が、正孔移動性であ
ることから、帯電は負極性で行った。結果を表3に示
す。
【0118】
【表3】
【0119】上記表3から分かるように、実施例1、2
は、比較例1〜4に比べて、電荷保持率の変化量や帯電
の変化量が明らかに少なくなっており、長寿命の電子写
真感光体が得られたことが分かる。
【0120】
【発明の効果】本発明のジクロロスズフタロシアニン化
合物は、繰り返し使用での帯電の落ち込み、残留電位上
昇が小さく、また高感度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニトロベンゼンを溶媒に用いて合成したジクロ
ロスズフタロシアニンのX線回折図
【図2】積層型電子写真感光体の一例を示す断面図
【図3】単層型電子写真感光体の一例を示す断面図
【図4】o−ジクロロベンゼンを溶媒に用いて合成した
ジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
【図5】N−メチル−2−ピロリドンを溶媒に用いて合
成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
【図6】テトラリンを溶媒に用いて合成したジクロロス
ズフタロシアニンのX線回折図
【図7】キノリンを溶媒に用いて合成したジクロロスズ
フタロシアニンのX線回折図
【図8】1−クロロナフタレンを溶媒に用いて合成した
ジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
【符号の説明】
1、2……電子写真感光体 11、21・・・基体 12・・・電荷発生層 13・・・電荷移動層 14、21・・・感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 俊彦 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 (72)発明者 鈴木 宏記 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuKαのX線回折において、2θ(±
    0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5
    °〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=1
    0.5°のピーク強度の10%以下であることを特徴と
    するジクロロスズフタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】CuKαのX線回折において、2θ(±
    0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5
    °〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=1
    0.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ
    (±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、
    27.4°にピークを有することを特徴とするジクロロ
    スズフタロシアニン化合物。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2のいずれか1項記載
    のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法であっ
    て、下記一般式[I]で表される単環式化合物を主成分
    とする溶媒を用いて合成することを特徴とするジクロロ
    スズフタロシアニン化合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子F,
    Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基であり、他は
    水素又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)
  4. 【請求項4】前記単環式化合物にニトロベンゼンまたは
    o−ジクロロベンゼンを用いることを特徴とする請求項
    3記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】スズ化合物と、o−フェニレン化合物とを
    前記溶媒中で反応させることを特徴とする請求項3又は
    請求項4のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシア
    ニン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記スズ化合物に四塩化スズを用い、前記
    o−フェニレン化合物はフタロジニトリルを用いること
    を特徴とする請求項5記載のジクロロスズフタロシアニ
    ン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】基体と、少なくとも前記基体上に形成され
    た感光層とを有し、前記感光層には、請求項1又は請求
    項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン
    化合物が含有されていることを特徴とする電子写真感光
    体。
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