JP2009258532A - 単層正帯電型電子写真感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

単層正帯電型電子写真感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高帯電性、高感度かつ低残留電位で、繰り返し使用時の電位安定性に優れた単層正帯電型電子写真感光体と、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも、電荷発生物質[N型電荷発生物質〔例えば、アゾ化合物、ペリレン化合物、インジゴ化合物、アントラキノン化合物〕と、P型電荷発生物質〔図1に示すX線回折ピークパターンを有する特定構造のジクロロスズフタロシアニン化合物〕とを共に含む]と、特定構造を有するトリスチリル化合物、及び結着樹脂を含有する感光層を設けた単層正帯電型電子写真感光体とする。この電子写真感光体を用いて画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単層正帯電型電子写真感光体に関し、詳しくは、P型及びN型電荷発生物質とトリスチリル化合物電荷移動物質を感光層中に含有する、高帯電性、高感度かつ低残留電位で、繰り返し使用時の電位安定性に優れた単層正帯電型電子写真感光体と、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯電方式はコロナ放電によるものであり、殆どの複写機、プリンタにはこの方式が採用されている。しかしながら、周知の如く正極性に較べ負極性のコロナ放電は不安定であり、それ故、スコロトロンによる帯電方式が採用されコストアップの一要因となっている。また、負極性のコロナ放電は、オゾンの発生をより多く伴うため、その外部排出を防ぐべく負帯電方式の複写機やプリンタにはオゾンフィルタが用いられていて、これも装置のコストアップの要因となっている。正帯電方式であれば、オゾン発生量はもともと非常に少なく抑えられる。さらに、現状で広く用いられている2成分系現像剤の使用では、感光体が正帯電方式である方が環境変動が少なく安定な画像が得られ、この面からも正帯電用感光体が望ましい。また、電荷発生機能を有する層と電荷輸送機能を有する層とが積層構成された積層型感光体を製造する場合、少なくとも2回の塗布工程、通常は感光体の帯電性を確保するために基板のすぐ上(基板と感光層との間)に下引き層を設けることから3回の塗布工程が必要である。つまり、これらの塗布工程によって感光体のコストアップを引き起こす。さらに、感度、耐久性のバランスを保ち、また良好な画像を得るためには、CGL(電荷発生機能を有する層)の厚さをサブミクロンの範囲で十分に管理するための製造技術を必要とすることから製造コストを引き上げる要因となっている。
以上の問題を考慮すると、感光体として有機材料を用いた、特に、正帯電プロセスに用いられる単層型の感光体が望ましいことが理解される。しかし、こうした条件を満足する感光体の例は非常に少ない。
例えば、正帯電で用いられる単層型の電子写真感光体として、電荷発生物質(N型顔料からなる電荷発生物質と特定構造のジクロロスズフタロシアニン化合物を組み合せたもの)と電荷移動物質を含む感光体が公知例としてある。これにより、オゾンの発生抑制、帯電性及び感度など一定の改善が図られているが、その繰り返し使用における耐久性は必ずしも十分とは言えず、長寿命化の要求を満足するものではなかった(例えば、特許文献1参照)。さらに、上記課題を改善するものとして、特定のX線回折ピークパターンを有するジクロロスズフタロシアニン化合物を用いることが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、近年の高度化する要求特性(高帯電性、高感度、低残留電位、繰り返し使用時の電位安定性等)において今だ十分とは言えず、更なる特性向上が求められている。すなわち、前記電荷発生物質と電荷移動物質の組み合わせは感光体の基本特性に影響を与えるものであるが、最良の組み合わせはいまだ見つかっていないのが現状である。
特開平9−106086号公報 特開2001−109179号公報 特開平11−286618号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創作されたものであり、その目的は、高帯電性、高感度かつ低残留電位で、繰り返し使用時の電位安定性に優れた単層正帯電型電子写真感光体と、前記電子写真感光体を用いた画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔7〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する感光層を設けた単層正帯電型電子写真感光体であって、
前記電荷発生物質としてN型電荷発生物質及びP型電荷発生物質を含み、前記P型電荷発生物質は、CuKαのX線回折において2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する下記式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物であり、前記電荷移動物質は、下記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物であることを特徴とする単層正帯電型電子写真感光体により解決される。
Figure 2009258532
〔式中、R1〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。〕
Figure 2009258532
〔2〕:上記〔1〕に記載の単層正帯電型電子写真感光体において、前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔III〕で表されるアゾ化合物であることを特徴とする。
Figure 2009258532
(式中、Arは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基若しくはアルコキシ基を表す。)
〔3〕:上記〔1〕に記載の単層正帯電型電子写真感光体において、前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔IV〕で表されるペリレン化合物であることを特徴とする。
Figure 2009258532
(式中、R2はアルキル基を表す。)
〔4〕:上記〔1〕に記載の単層正帯電型電子写真感光体において、前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔V〕で表されるインジゴ化合物であることを特徴とする。
Figure 2009258532
(式中、X1はハロゲン原子を表す。)
〔5〕:上記〔1〕に記載の単層正帯電型電子写真感光体において、前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔VI〕で表されるアントラキノン化合物であることを特徴とする。
Figure 2009258532
(式中、X2はハロゲン原子を表す。)
〔6〕:上記課題は、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、前記電子写真感光体が〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載の単層正帯電型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置により解決される。
〔7〕:上記課題は、〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載の単層正帯電型電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体化し、かつ画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジにより解決される。
本発明の単層正帯電型電子写真感光体によれば、N型電荷発生物質(例えば、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、アントラキノン系顔料)と共にP型電荷発生物質として特定のX線回折ピークパターン[2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する]を有する前記式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物を含み、かつ電荷移動物質として前記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物を含有することにより、帯電性が高く、高感度でかつ低残留電位であり、しかも繰り返し使用時においても電位の安定性が優れ、長期間に亘って高品位の画像形成が可能である。
本発明の画像形成装置によれば、上記単層正帯電型電子写真感光体を備えているので、繰り返し画像形成(出力)を行っても地汚れや濃度低下など異常画像発生がなく、信頼性のある動作によって高画質画像を安定に出力可能である。例えば、タンデム方式の画像形成装置とすれば高速で高精細のフルカラー画像が出力できる。
本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジによれば、繰り返し使用時においても安定した画像出力が可能で、しかも取扱いが良好でありメンテナンス性が向上する。
前述のように本発明における単層正帯電型電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する感光層を設けた単層正帯電型電子写真感光体であって、
前記電荷発生物質としてN型電荷発生物質及びP型電荷発生物質を含み、前記P型電荷発生物質は、CuKαのX線回折において2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する下記式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物であり、前記電荷移動物質は、下記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物であることを特徴とするものである。
Figure 2009258532
〔式中、R1〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。〕
Figure 2009258532
本発明においてP型電荷発生物質として用いられるジクロロスズフタロシアニン化合物の構造は、上記式〔I〕で表され、CuKαのX線回折において図1に示すようなX線回折図が得られるものである。
すなわち、特徴として、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下となっており、また、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°に明瞭なピークを有している。
従来のジクロロスズフタロシアニン化合物には2θ=8°〜9°の範囲に回折ピークが見られ、面間隔が大きいために不純物を取り込みやすく、このような化合物を用いると、感光層を形成した段階で、空位や転移といった不純物準位を形成し、キャリアをトラップすると局部電界を形成し、帯電保持性が低下したり、残留電位が上昇し、画像上カブリ、濃度変化などを引き起こす。しかし、本発明においては、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であるため、結晶中に不純物が取り込まれ難く、さらに、結晶格子が小さいため高感度になるものと推察される。本発明において用いられる上記X線回折ピークパターンを有するジクロロスズフタロシアニン化合物は、例えば、特開平11−286618号公報に開示された製造方法により得ることができる。
また、前記本発明において用いられるN型電荷発生物質としては、公知の感光特性を有する化合物が適用可能であるが、下記一般式〔III〕〜〔VI〕で示す化合物(顔料)が好ましい。
下記一般式〔III〕で表されるアゾ化合物(アゾ系顔料)が例示される。
Figure 2009258532
(式中、Arは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基若しくはアルコキシ基を表す。)
下記一般式〔IV〕で表されるペリレン化合物(ペリレン系顔料)が例示される。
Figure 2009258532
(式中、R2はアルキル基を表す。)
下記一般式〔V〕で表されるインジゴ化合物(インジゴ系顔料)が例示される。
Figure 2009258532
(式中、X1はハロゲン原子を表す。)
下記一般式〔VI〕で表されるアントラキノン化合物(アントラキノン系顔料)が例示される。
Figure 2009258532
(式中、X2はハロゲン原子を表す。)
なお、N型電荷発生物質は上記材料に限られるものではない。これらN型電荷発生物質は、単独、もしくは数種類組み合せて使用することができる。N型電荷発生物質は、電荷輸送物質に対して、1〜50重量%程度用いることが適当である。
また、本発明において用いられる電荷移動物質は、前記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物である。
すなわち、上記トリスチリル化合物は、本発明のジクロロスズフタロシアニン、及びN型電荷発生物質との相性が良く、要求される諸特性(高帯電性、高感度かつ低残留電位であり、繰り返し使用時の電位安定性)を実現し、優れた電子写真感光体を提供できるものである。
前記一般式〔II〕に示すトリスチリル化合物において、特に下記式〔II−1〕〜〔II−4〕に示す化合物が本発明におけるジクロロスズフタロシアニン化合物、N型電荷発生物質との相性が良好で好ましい。
以下、トリスチリル化合物の具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2009258532
Figure 2009258532
Figure 2009258532
Figure 2009258532
本発明における電荷移動物質の含有量は、電荷移動物質/結着樹脂=0.6〜1.2の範囲とするのがが好ましい。0.6より小さくなる(即ち、電荷移動物質が少なくなる)と感度が悪くなり、1.2より大きくなる(即ち、電荷移動物質が多くなる)と感光層の強度や耐久性に問題が生ずる。
本発明における単層正帯電型電子写真感光体の導電性支持体、即ち、基体としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体を用いることができる。
上記金属や炭素等の基体表面に、更に蒸着、メッキ等により、導電性物質の薄膜を形成してもよい。基体自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電性のプラスチック板及びフィルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導電性を持たせてもよい。
さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に、酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使用して基体を構成することができる。
一般に基体としては、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、またはアルミニウム管上に樹脂層を形成したものがよく用いられる。この樹脂層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等を持つ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、樹脂層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。更に、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
また、単層正帯電型電子写真感光体の感光層を形成するために用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等が挙げられる。
それらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
感光層は電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する塗布液を用いて塗工法により形成することができるが、その塗布液に使用する溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
本発明の電子写真感光体を製造するための上記塗布液には、感光体に要求される特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。特に、酸化防止剤、紫外線吸収剤は感光体の耐久性向上に寄与し有用である。
例えば、フェノール系酸化防止剤としては、2.6−ジ−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2.4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2.2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1.1.3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種もしくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
また、紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。以上の酸化防止剤を1種もしくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
加えて、感光層の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
前述のように、本発明の画像形成装置は、少なくとも本発明の単層正帯電型電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段を備えて構成され、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を備えることができる。
ここで、本発明の画像形成装置における一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。
図2において、静電潜像担持体としての単層正帯電型電子写真感光体〔感光体〕(1)は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する感光層が設けられている。なお、前記電荷発生物質としてN型電荷発生物質及びP型電荷発生物質を含み、前記P型電荷発生物質は、CuKαのX線回折において2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する前記一般式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物であり、前記電荷移動物質は、前記式〔II〕で表されるトリスチリル化合物である。
感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段である帯電部材(帯電器)(3)には、ワイヤー方式の帯電器やローラ形状の帯電器が用いられる。高速帯電が必要とされる場合にはスコロトロン方式の帯電器が良好に使用され、コンパクト化や感光体を複数使用するタンデム方式の画像形成装置においては、酸性ガス(NOx、SOx等)やオゾン発生量の少ないローラ形状の帯電器が有効に使用される。
また、露光手段である画像露光部(5)には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源が使用される。光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
現像手段である現像ユニット(6)は、少なくとも1つの現像スリーブを有する。現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性(正帯電)と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
また、転写手段である転写チャージャ(10)以外に、転写ベルトや、転写ローラを用いることも可能であり、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。特に、転写部材に電荷を供給する電源供給用部材(高圧電源)から出力された電流のうち、転写部材に関連する部分に流れ、感光体に流れ込まない電流を差し引くことにより、感光体への電流値を制御する方法が好ましい。
また、感光体上に形成されたトナー像は、転写紙に転写されることで転写紙上の画像となるものであるが、この際、2つの方法がある。1つは図2に示すような感光体表面に現像されたトナー像を転写紙に直接転写する方法と、もう1つは感光体から中間転写体にトナー像が一旦、転写され、これを転写紙に転写する方法である。いずれの場合も本発明において用いることができる。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することができ、本発明においては有効に使用される。
除電ランプ(2)等の光源には、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。特に、前記感光体の中間層に含有される金属酸化物が吸収しない波長を有する光源を使用することは、本発明の効果を一層顕著なものとし、有益に使用できる。
発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等を用いることができる。また、波長を特定化するために、先の光源と組み合わせて、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
図2中、符号8はレジストローラ、11は分離チャージャ、12は分離爪である。
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、クリーニング手段であるファーブラシ(14)及びクリーニングブレード(15)により、感光体から除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行われることもあり、このようなクリーニングブラシとしてはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
上記に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体化し、かつ画像形成装置本体に着脱可能とされた1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示すものが挙げられる。
感光体(101)は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する感光層が設けられている。なお、前記電荷発生物質としてN型電荷発生物質及びP型電荷発生物質を含み、前記P型電荷発生物質は、CuKαのX線回折において2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する前記一般式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物であり、前記電荷移動物質は、前記式〔II〕で表されるトリスチリル化合物である。
画像露光部(103)には、書き込みを行うことのできる光源が用いられ、帯電器(102)には、任意の帯電器が用いられる。図3中、符号104は少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段、105は転写体、106は転写手段、107はクリ−ニング手段、108は除電部材である。
以下、本発明を実施例と比較例により詳しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれに限定されるものではない。
(実施例1)
N型電荷発生物質として下記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料10重量部と、P型電荷発生物質として図1のX線回折図に示す回折ピークを有するジクロロスズフタロシアニン2重量部(ビスアゾ顔料に対して20wt%)とを用い、これら成分を溶媒(テトラヒドロフラン)500重量部中にガラスビーズとともにボールミルに仕込み、10時間分散した。
Figure 2009258532
上記分散後、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(PCZ)100重量部、及び下記式〔II―1〕で表される電荷移動物質100重量部、更にフェノール系酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール5重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール10重量部を上記分散液に溶解させた。得られた塗布液(塗料)をアルミニウムドラム基体上に浸漬コーティング法で塗工し、加熱乾燥して、約20μmの単層型感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例2)
実施例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、下記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例3)
実施例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、下記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例4)
実施例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、下記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例5)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔II−2〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例6)
実施例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて実施例5と同様にして感光体を作成した。
(実施例7)
実施例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて実施例5と同様にして感光体を作成した。
(実施例8)
実施例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて実施例5と同様にして感光体を作成した。
(実施例9)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔II−3〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例10)
実施例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて実施例9と同様にして感光体を作成した。
(実施例11)
実施例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて実施例9と同様にして感光体を作成した。
(実施例12)
実施例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて実施例9と同様にして感光体を作成した。
(実施例13)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔II−4〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(実施例14)
実施例13で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて実施例13と同様にして感光体を作成した。
(実施例15)
実施例13で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて実施例13と同様にして感光体を作成した。
(実施例16)
実施例13で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて実施例13と同様にして感光体を作成した。
(比較例1)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔VII−1〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(比較例2)
比較例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて比較例1と同様にして感光体を作成した。
(比較例3)
比較例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて比較例1と同様にして感光体を作成した。
(比較例4)
比較例1で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて比較例1と同様にして感光体を作成した。
(比較例5)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔VII−2〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(比較例6)
比較例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて比較例5と同様にして感光体を作成した。
(比較例7)
比較例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて比較例5と同様にして感光体を作成した。
(比較例8)
比較例5で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて比較例5と同様にして感光体を作成した。
(比較例9)
実施例1で用いた前記式〔II−1〕で表される電荷移動物質に代え、下記式〔VII−3〕で表される電荷移動物質を用いた他はすべて実施例1と同様にして感光体を作成した。
Figure 2009258532
(比較例10)
比較例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔IV−1〕で表されるペリレン系顔料を用いた他はすべて比較例9と同様にして感光体を作成した。
(比較例11)
比較例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔V−1〕で表されるインジゴ系顔料を用いた他はすべて比較例9と同様にして感光体を作成した。
(比較例12)
比較例9で用いた前記式〔III−1〕で表されるビスアゾ系顔料に代え、前記式〔VI−1〕で表されるアントラキノン系顔料を用いた他はすべて比較例9と同様にして感光体を作成した。
<評価>
上記のように作成した実施例1〜16及び比較例1〜12の電子写真感光体を用いて、感光ドラム評価装置にて以下の条件で電子写真特性を評価した(ダイナミックモード特性)。
まず、感光体の感度特性として感光体に5KVのコロナ放電を20秒間行って帯電せしめ、その後波長780nm、光強度0.6μJの単色光を照射し、表面電位が1/2に減衰するのに必要な光量E1/2(μJ/cm2)を測定した。
次に、感光体の疲労特性として、5KVのコロナ放電を5秒間行って帯電せしめ、10秒間暗所に放置した後、100luxの白色タングステン光を照射し、再度5KVのコロナ放電を20秒間行った後の表面電位を測定し初期表面電位V0とした。更に、白色光を50lux照射しながら帯電−除電を繰り返し100サイクル後の除電後を初期残留電位Vrとした。その後、更に白色光を50lux照射しながら帯電−除電を繰り返し、10000サイクル後の表面電位V0、残留電位Vrを測定した。実施例1〜16及び比較例1〜12の電子写真感光体の評価結果をそれぞれ下記表1及び表2に示す。
なお、電子写真の評価特性において、表面電位の値は大きい程優れており、感度及び残留電位の値は小さい程優れている。また、繰り返し疲労試験前後に於いては、表面電位の変化量が少ない程繰り返しによる劣化が少ないことになる。
Figure 2009258532
Figure 2009258532
表1及び表2から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、表面電位、感度、残留電位ともに優れており、繰り返し使用での帯電の落ち込みがない。
すなわち、感光層に、N型電荷発生物質(例えば、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、アントラキノン系顔料)と共にP型電荷発生物質として特定のX線回折ピークパターンを有する前記式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物を含み、かつ電荷移動物質として前記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物を含有することにより、高帯電性、高感度かつ低残留電位であり、繰り返し使用時においても電位の安定性が優れた単層正帯電型電子写真感光体が提供される。この電子写真感光体を用いることにより、信頼性のある動作によって異常画像発生等のない高画質画像を安定して出力できる画像形成装置及びプロセスカートリッジとすることができる。
本発明において感光層を形成するためのP型電荷発生物質として用いるジクロロスズフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。 本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。 本発明のプロセスカートリッジを説明するための概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電部材
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光体
102 帯電部材
103 画像露光部材
104 現像部材
105 転写紙
106 転写部材
107 クリーニング部材
108 除電部材

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含有する感光層を設けた単層正帯電型電子写真感光体であって、
    前記電荷発生物質としてN型電荷発生物質及びP型電荷発生物質を含み、前記P型電荷発生物質は、CuKαのX線回折において2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有する下記式〔I〕で表されるジクロロスズフタロシアニン化合物であり、前記電荷移動物質は、下記一般式〔II〕で表されるトリスチリル化合物であることを特徴とする単層正帯電型電子写真感光体。
    Figure 2009258532

    〔式中、R1〜R2は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。〕
    Figure 2009258532
  2. 前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔III〕で表されるアゾ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の単層正帯電型電子写真感光体。
    Figure 2009258532

    (式中、Arは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基若しくはアルコキシ基を表す。)
  3. 前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔IV〕で表されるペリレン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の単層正帯電型電子写真感光体。
    Figure 2009258532

    (式中、R2はアルキル基を表す。)
  4. 前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔V〕で表されるインジゴ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の単層正帯電型電子写真感光体。
    Figure 2009258532

    (式中、X1はハロゲン原子を表す。)
  5. 前記N型電荷発生物質が、下記一般式〔VI〕で表されるアントラキノン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の単層正帯電型電子写真感光体。
    Figure 2009258532

    (式中、X2はハロゲン原子を表す。)
  6. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、前記電子写真感光体が請求項1乃至5の何れかに記載の単層正帯電型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至5の何れかに記載の単層正帯電型電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体化し、かつ画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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