JP3787164B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば複写機、レーザープリンター等に使用される電子写真感光体に関し、特に、有機薄膜を使用した電子写真感光体とそれに用いる電子移動物質に関する。
背景技術
複写機やレーザープリンター等の電子写真機器は、電子写真感光体を有しているが、複写機やレーザープリンター等の普及当初には、電子写真感光体中の感光層には、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン等の無機系の材料で構成された無機薄膜が用いられていた。
しかしながら、近年では、低価格で環境汚染の少ない電子写真感光体が要求されており、そのため従来用いられていた無機薄膜の感光層に代え、有機薄膜を有する電子写真感光体が主流になりつつある。そのような有機薄膜から成る感光層を構造で分類した場合、単層分散型の感光層と機能分離型の感光層とに大別できる。
単層分散型の感光層は、電荷移動剤の媒体中に電荷発生剤を分散させた単層膜からなり、その単層膜一層で電荷発生機能と電荷移動機能の両方の機能を持たせている。他方、機能分離型感光層は、電荷発生層(CGL)と電荷移動層(CTL)とが積層された多層膜で構成されており、電荷発生層に電荷を発生させる機能を持たせ、電荷移動層に発生した電荷を移動させる機能を持たせている。
現在では、両方の型の感光層が実用化されているが、いずれの型についても、感度を向上させるために、高移動度の電荷移動剤の開発が待たれている。
他方、有機感光層を帯電型で分類した場合、正帯電型感光層と負帯電型感光層の2種類に分けられる。現在知られている電荷移動剤のうち、移動度が高く、実用に共せられているものはホール移動性のものがほとんどであり、そのため、市販されている電子写真機器には、負帯電型感光層を有する感光体が使用されている。
ところが、感光層を負帯電させるために利用されるコロナ放電現象は、放電に伴って多量のオゾンが発生し、室内環境が汚染されたり、電子写真感光体の劣化が早まる等、種々の不都合が生じている。
負帯電の際の不都合については、従来技術の電子写真機器にも対策が試みられており、オゾン捕捉フィルターの付加や、オゾンを発生させない特殊な帯電方式の採用等が検討されているが、装置が大型化したり、電子写真プロセスが複雑になる等、新たな問題が生じてしまい解決には到っていない。
このような状況を打開するために、最近の市場ではオゾン発生の少ない正帯電型の感光体が要求されており、そのためには正帯電型感光層に使用できる高移動度の電子移動剤の開発が必要となっている。
そこで、従来より精力的な研究が行われており、現在のところ、そのような正帯電型感光体に使用できる電子移動剤として、トリニトロフルオレノン(TNF)、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等が見出されている。しかしながら、これらの電子移動剤のほとんどはバインダー樹脂との相溶性が悪く、感光層中に高濃度で均一に分散させることができない。そのため含有量が不足し、電気特性を満足させることができない。その中でも例外的に非対称型ジフェノキノン化合物は、樹脂相溶性が良く高い電子移動性を示すが、強く着色しているため、感光層を形成した場合、本来は電荷発生剤に届くべき光を吸収してしまい、感度を低下させてしまう。
それらの問題を解決した電子移動剤として、特開平9−34141に記載される化合物について検討したところ、下記一般式(1)、
で表される化合物のうち、R2とR3がtBu基である下記(5)式で表される化合物、
の場合には、感度が出易く、一方、R2とR3がMe基である下記(6)式で表される化合物の場合には、感度が出難い傾向があることが判った。
前述のような化合物の構造により、感光特性に差異が生じる原因を、化合物分子の立体構造の相違にあると推測し、分子軌道法を用いて分子の立体構造を求めた。
その結果を図1、図2に示す。図1a,1b,1cは前記化学式(5)で表される化合物分子の立体構造で、図2a,2b,2cは前記化学式(6)で表される化合物分子の立体構造である。
図1a,1b,1c、及び図2a,2b,2c中で、図1a及び図2aは中性状態、図1b及び図2bは1個の電子を与えた状態、図1c及び図2cは2個の電子を与えた状態であり、図1a,1b,1c、図2a,2b,2cの上側は平面図、下側は側面図である。また、図中、水素原子は省略し、炭素原子と窒素原子を白丸で、酸素原子を黒丸で表す(後述する図3a,3b,3c、図4a,4b,4c、図5a,5b,5cも同じである。)。
図1aから分かるように、前記化学式(5)で表される化合物は、tBu基という嵩高い置換基を有しているため、中性状態で環が歪んでいる。
その状態から電子を与えた場合、図1b、1cに示すように、電子が多いほど歪みは小さくなると共に、ジシアノメチレン基に僅かなねじれが生じることが判った。
一方、化学式(6)の化合物の場合、図2aに示すように、中性状態で環が歪んでおらず、図2b、2cに示すように、電子を1個、2個と与えても環に変化は生じず、しかもジシアノメチレン基にねじれも認められなかった。
このように電子を与えた際の分子構造の変形は、分子振動を発生させると考えられる。
以上のような検討を行った結果、感光体に適した電子移動剤は、近接作用による電子移動を得る為に分子振動が大きい事が必要であると予想される。
しかし、上記化合物を用いた電子写真感光体では、市場における負帯電型電子写真感光体の感度と残留電位には及ばないのが実情で、電子移動剤において分子振動を高める研究が望まれていた。
発明の開示
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、感度と残留電位の優れた電子写真感光体を提供することと、感光層中に高濃度で分散でき、分子振動の大きさを任意に分子設計できる新規で有用な電子移動剤を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、導電性支持体上に有機薄膜が形成された電子写真感光体であって、前記有機薄膜は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
(前記一般式(1)において、置換基R1は、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R2、R3は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヘテロ環、非環式炭化水素、環式飽和炭化水素、非環式炭化水素のアルコキシ基、又は環式飽和炭化水素のアルコキシ基のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R4は、水素、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R1、R2、R3、R4は、いずれか2個以上が同じであっても全てが異なっていてもよい。また、各置換基R1、R2、R3、R4は、それらが水素、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン元素以外の場合は、各置換基R1、R2、R3、R4自身が置換基を有しているものも含まれる。)
ここで、本発明者らが、前記化合物を含有する電子写真感光体と、それに用いて特に優れている化合物を創作するに至った経緯を説明する。
一般式(1)におけるR1に水素以外の置換基を導入することで、電子を与えた時に分子振動が大きくなると予想し、R1〜R3にメチル基を導入し、R4に水素原子を導入した下記(2)式の化合物と、R1〜R4にメチル基を導入した下記(3)式の化合物の立体構造を検討した。
図3a,3b,3c、図4a,4b,4cに示すように、図1a,1b,1c、図2a,2b,2cに比べ中性状態で環の歪みが大きく、電子を1個、2個と与えると環が平面に変化するとともに、ジシアノメチレン基に大きなねじれが生じた。
従って、一般式(1)におけるR1に水素以外の置換基を導入することで、分子振動が大きくなることがわかった。
さらに、分子振動を大きくするためにR1にメチル基を、R2およびR3に嵩高い置換基であるtBu基を、R4に水素を導入した下記(4)式の化合物、
を検討したところ、図5a,5b,5cに示すように、中性状態で環の歪みが増大し分子振動がさらに大きくなることが確認された。この化合物は、CAS登録番号が付与されていないことから新規化合物であると確認された。
このように、本発明の化合物は、高い電子移動性を示すだけでなく、電子写真感光体に用いる材料として必要な機能に応じて理論的に分子設計を行うことができるもので、このように明確で具体的な分子設計手段を取り入れた電子移動剤は従来知られておらず、本発明の化合物は従来の問題点を全て解決できる電子移動剤で、電子写真感光体に用いて極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
図1aは化学式(5)で表される化合物の中性状態の分子構造を説明するための図である。
図1bは化学式(5)で表される化合物に1個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図1cは化学式(5)で表される化合物に2個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図2aは化学式(6)で表される化合物の中性状態の分子構造を説明するための図である。
図2bは化学式(6)で表される化合物に1個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図2cは化学式(6)で表される化合物に2個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図3aは化学式(3)で表される化合物の中性状態の分子構造を説明するための図である。
図3bは化学式(3)で表される化合物に1個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図3cは化学式(3)で表される化合物に2個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図4aは化学式(2)で表される化合物の中性状態の分子構造を説明するための図である。
図4bは化学式(2)で表される化合物に1個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図4cは化学式(2)で表される化合物に2個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図5aは化学式(4)で表される化合物の中性状態の分子構造を説明するための図である。
図5bは化学式(4)で表される化合物に1個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図5cは化学式(4)で表される化合物に2個の電子を与えた場合の分子構造を説明するための図である。
図6は積層型電子写真感光体の一例を示す断面図である。
図7は単層型電子写真感光体の一例を示す断面図である。
図8は化学式(4)で表される化合物のIRスペクトルチャートである。
図9は化学式(4)で表される化合物のMSスペクトルチャートである。
図10は化学式(4)で表される化合物の1H−NMRスペクトルチャートである。
図11は化学式(4)で表される化合物の13C−NMRスペクトルチャートである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施の形態を詳細に説明する。
図6の符号11と図7の符号12は、本発明の一例の電子写真感光体を示したものであり、電子写真感光体11は機能分離型、電子写真感光体12は単層分散型のものであり、どちらの電子写真感光体11、12も、本発明の化合物を含有する有機薄膜を感光層に用いた場合の実施形態である。
図6に示した電子写真感光体11は、円筒状の導電性支持体1上に、電荷発生層2と電荷移動層3とがこの順で形成されており、これら電荷発生層2と電荷移動層3とによって感光層4が構成される。
図6に示す電荷発生層2は、少なくとも電荷発生剤を有するものであり、この電荷発生層2は、その下地となる導電性支持体1上に電荷発生剤をバインダー樹脂を用いて結着することにより形成することができる。
電荷発生層2の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、電荷発生剤をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗工液を、所定の下地となる導電性支持体1上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
また、電荷発生剤を真空蒸着することにより電荷発生層2を形成することもできる。
電荷移動層3は、少なくとも後述する電荷移動剤を有するものであり、この電荷移動層3は、例えば、その下地となる電荷発生層2上に電荷移動剤をバインダー樹脂を用いて結着することにより形成することができる。
電荷移動層3の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移動剤をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗工液を、所定の下地となる電荷発生層2上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
また、図7の符号12は、本発明の一例である単層型電子写真感光体であり、前記第一例の電子写真感光体11と同じ部材には同じ符号を付して説明すると、この電子写真感光体12では、導電性支持体1上に電荷発生剤と電荷移動剤とを含有させた単層の感光層4が形成されている。
感光層4の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、後述する電荷発生剤をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解し、更に後述する電荷移動剤を溶解した塗工液を、所定の下地となる導電性支持体1上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
本発明に用いることができる導電性支持体1には、アルミニウム、マグネシウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体や、前記金属や炭素等の導電性物質を蒸着、メッキ等の方法で処理し、導電性を持たせたプラスチック板およびフィルム、さらに酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅で被覆した導電性ガラス等、種類や形状に制限されることなく、導電性を有する種々の材料を使用して導電性支持体1を構成することができる。
一般には、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、またはアルミニウム管上に樹脂層を形成したものがよく用いられている。この樹脂層は接着向上機能、支持体からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、支持体表面の欠陥被覆機能などを持つ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成しても良く、2種類以上の樹脂を混合して構成しても良い。また、層中に金属化合物、金属酸化物、カーボン、シリカ、樹脂粉体等を分散させることもできる。更に、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
本発明に使用できる電荷発生剤としては、ジスアゾ顔料やオキシチタニウムフタロシアニンが感度の相性が良い点で望ましいが、それに限定されるものではない。その他、例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン、他のフタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
これらの電荷発生剤は単体で用いてもよいし、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用いてもよい。
感光層4を形成するために用いることができるバインダー樹脂には、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等がある。これらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、それらを2種以上混合して使用することも可能である。また、分子量の異なった樹脂を混合して用いれば、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。前記バインダー樹脂は、図7に示す機能分離型感光体においては、電荷発生層2及び電荷移動層3のどちらにも適用できる。
塗工液に使用する溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
本発明の電子写真感光体は、その感光層4中に、電荷移動剤として、一般式(1)で表される下記の化合物、
(前記一般式(1)において、置換基R1は、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R2、R3は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヘテロ環、非環式炭化水素、環式飽和炭化水素、非環式炭化水素のアルコキシ基、又は環式飽和炭化水素のアルコキシ基のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R4は、水素、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R1、R2、R3、R4は、いずれか2個以上が同じであっても全てが異なっていてもよい。また、各置換基R1、R2、R3、R4は、それらが水素、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン元素以外の場合は、各置換基R1、R2、R3、R4自身が置換基を有しているものも含まれる。)
を含有するものである。
この化合物は、R1に水素以外の置換基を持ちR2〜R4の少なくとも2つの位置に水素以外の置換基を持つことが好ましく、R2〜R4の置換基がアルキル基であるとより好ましく、下記化学式(2)で表される化合物か、下記化学式(3)で表される化合物が好ましい。また、下記化学式(4)の化合物は特に好ましい。
さらに、本発明の電子写真感光体には、他の電荷移動剤を添加することもできる。その場合には、感度を高めたり、残留電位を低下させることができるので、本発明の電子写真感光体の特性を改良することができる。
そのような特性改良のために添加できる電荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。
また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。
さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
なお、本発明の感光体を製造するための塗工液には、電子写真感光体の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗工液の寿命を改善できる。
加えて、感光層4の上に、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよい。その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例を詳細に説明する。
まず、前記一般式(1)で表される化合物の製造方法の一例を説明する。
<製造例1>
窒素雰囲気下テトラメチル−p−ベンゾキノン0.44gの無水ジクロロメタン25ml溶液にマロノニトリル0.20mlを加え、0−5℃でかき混ぜながら塩化チタン(IV)0.36mlの無水ジクロロメタン10ml溶液を10分間かけて滴下した後、無水ピリジン0.87mlを10分間かけて滴下した。反応溶液を室温にして15時間かき混ぜた後、水30mlで3回洗浄し有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で分離し粗結晶を得た後、ヘキサンより再結晶し、黄橙色針状結晶として0.07g得た。収率は12%であった。この反応を、下記化学反応式(7)に示す。
得られた物質が化学式(3)で表される2,3,5,6−テトラメチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデンプロパンジニトリルであることは、下記測定値より確認した。
mp 130-135℃
IR(KBr) :690,775,1265,1385,1510,1630(C=0),2225,2970,2995,3235cm-1.
1H-NMR(CDCl3) δ :2.02(S,6H,CH3),2.44(S,6H,CH3).
MS(m/z) :212(M+).(分子量:212.25)
<製造例2>
トリメチルヒドロキノン2.0gのクロロホルム300ml溶液に酸化鉛(IV)10gを加え、室温で30時間かき混ぜた後、酸化鉛(IV)をろ別し、反応溶液を減圧濃縮した。濃縮物にヘキサン150mlを加え、0.5%炭酸水素ナトリウム溶液50ml続いて水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。冷凍庫で冷却して析出した結晶をろ過し、冷ヘキサン少量で洗浄して、黄色針状結晶として2,3,5−トリメチルベンゾキノンを得た。収量は1.6gであり、収率は82%であった。
次に、窒素雰囲気下2,3,5−トリメチルベンゾキノン0.41gの無水ジクロロメタン25ml溶液にマロノニトリル0.42mlを加え、0−5℃でかき混ぜながら塩化チタン(IV)0.74mlの無水ジクロロメタン25ml溶液を15分間かけて滴下した後、無水ピリジン1.08mlを10分間かけて滴下した。反応溶液を室温にして15時間かき混ぜた後、水50mlで4回洗浄し有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で分離し粗結晶を得た後、ヘキサンより再結晶し、橙色針状結晶として0.17g得た。収率は32%であった。この反応は下記化学反応式(8)に示す。
得られた物質が化学式(2)で表される2,3,5−トリメチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデンプロパンジニトリルであることは、下記測定値より確認した。
mp 104-105℃
IR(KBr) :670,780,875,1285,1580,1630(C=0),2225,2930,2960,3235cm-1.
1H-NMR(CDCl3) δ :2.12(S,6H,CH3),2.52(S,3H,CH3),7.46(S,1H,aromatic H).
MS(m/z) :198(M+).(分子量:198.23)
<製造例3>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5.0gをアセトニトリル/水(5/1)90mlに溶解し、0℃でかき混ぜながらビストリフルオロアセトキシヨードベンゼン10.5gを加えた。30分間かき混ぜた後、水90mlを加え、反応溶液をジクロロメタン50mlで3回抽出し、水60mlで4回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し析出した結晶をろ過し、粗結晶を得た後、ヘキサンより再結晶し、淡黄色固体として4−メチル−4−ヒドロキシ−2,6−ジ−t−ブチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−オンを得た。収量は3.0gであり、収率は55%であった。
次に窒素雰囲気下、カリウムt−ブトキシド1.2gとN,N−ジメチルホルムアミド30mlを室温で5分間かき混ぜた後、4−メチル−4−ヒドロキシ−2,6−ジ−t−ブチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−オン0.9gを加え、さらに3時間かき混ぜた後、氷60gと濃塩酸1mlの混合物に注いだ。
反応溶液をヘキサン60mlで5回抽出し、水60mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:展開溶媒 ヘキサン/ジクロロメタン=1/2)により分離し、橙色油状物質として2,6−ジ−t−ブチル−3−メチル−p−ベンゾキノンを得た。収量は0.7gであり、収率は81%であった。
最後に窒素雰囲気下、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチル−p−ベンゾキノン0.63gのジクロロメタン25ml溶液にマロノニトリル0.42mlを加え、0−5℃でかき混ぜながら塩化チタン(IV)0.74mlのジクロロメタン25ml溶液を20分間かけて滴下した後、ピリジン1.08mlを10分間かけて滴下した。反応溶液を室温にして一晩かき混ぜた後、水50mlで4回洗浄し有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で分離し粗結晶を得た後、ヘキサンより再結晶し、赤色板状結晶として0.39g得た。収率は51%であった。この反応は下記化学反応式(9)に示す。
得られた物質が式(4)で表される3,5−ジ−t−ブチル−2−メチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサン−1−イリデンプロパンジニトリルであることは下記測定値より確認した。
mp 87.5-88.5℃
IR(KBr) :470,875,1070,1265,1460,1485,1545,1645(C=0),2220,2960cm-1.
1H-NMR(CDCl3) δ :1.29(s,9H,tert-Bu),1.38(s,9H,tert-Bu),2.56(s,3H,CH3),7.21(s,1H,aromatic H).
13C-NMR(CDCl3) δ :19.80,29.14,31.08,35.99,37.48,85.21,113.30,113.86,127.47,134.69,156.84,157.90,158.42,190.30.
MS(m/z) :282(M+).(分子量:282.38)
元素分析(C18H22N2O)
計算値 C:76.6,H:7.9,N:9.9.
実測値 C:76.7,H:7.9,N:10.0.
なお、化学式(4)で表される化合物のIRスペクトル図、MSスペクトル図、1H−NMRスペクトル図、13C−NMRスペクトル図を、それぞれ図8、図9、図10、図11で示す。
以下に本発明における電子写真感光体の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものでない。
<実施例1>
下記化学式(10)、
に示すジスアゾ顔料2重量部とバインダー樹脂としてポリビニルブチラール1重量部を乾式混練した後、サンドミルにて1,4−ジオキサン16重量部とアセトン4重量部を溶媒として2時間分散し、前記分散液に導電性支持体1であるアルミニウム製ドラムを浸漬塗布し、乾燥し0.5μmの厚みの電荷発生層2を形成した。
次いで、前述の化学式(2)に示す化合物8重量部、ポリカーボネート10重量部とテトラヒドロフラン(THF)100重量部からなる塗工液を調製し、この塗工液に電荷発生層2を形成したドラムを浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥し膜厚20μmの電荷移動層3を形成して電子写真感光体を製造した。
<実施例2>
前記実施例1と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例3>
前記実施例1と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
前記実施例1と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
前記実施例1と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例4>
導電性支持体1であるアルミニウム製ドラム上に圧力10-5torr、加熱温度500℃で膜厚500オングストロームになるように、高純度オキシチタニルフタロシアニンを蒸着して電荷発生層2を形成し、実施例1と同様の方法で電荷移動層3を形成して電子写真感光体を製造した。
<実施例5>
前記実施例4と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例6>
前記実施例4と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
前記実施例4と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例4)
前記実施例4と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例7>
高純度オキシチタニウムフタロシアニン5gをガラスビーズ50mlと共にペイントシェイカーで100時間乾式粉砕する。
次に、n−プロパノール50mlと、ポリビニルブチラール5gを加え、1時間湿式ミリングする。更に、溶媒としてメチルエチルケトン100mlを加え、10時間分散する。得られた分散液を導電性支持体1であるアルミニウム製ドラム上に浸漬塗布し、乾燥して0.2μmの厚みの電荷発生層2を形成し、実施例1と同様に電荷移動層3を形成し、電子写真感光体を製造した。
<実施例8>
前記実施例7と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例9>
前記実施例7と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例5)
前記実施例7と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例6)
前記実施例7と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例10>
電荷発生剤として式(10)に示すジスアゾ顔料1重量部とバインダー樹脂としてポリカーボネート10重量部にTHF80重量部を溶媒としてサンドミルで10時間混練分散し、更に電荷移動剤として、下記化学式(11)、
に示すトリフェニルジアミン化合物9重量部と化学式(2)に示す化合物2重量部を溶解して塗工液を調製した。そして、この塗工液を用いて導電性支持体1であるアルミニウム製ドラム上に浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷発生と電荷移動を兼ねた感光層4を形成し、電子写真感光体を製造した。
<実施例11>
前記実施例10と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例12>
前記実施例10と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例7)
前記実施例10と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例8)
前記実施例10と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例13>
電荷発生剤として高純度オキシチタニルフタロシアニン1重量部とバインダー樹脂としてポリカーボネート10重量部にTHF80重量部を溶媒としてサンドミルで10時間混練分散し、更に電荷移動剤として式(11)に示すトリフェニルジアミン化合物9重量部と化学式(2)に示す化合物2重量部を溶解して塗工液を調製した。そして、この塗工液を用いて導電性支持体1であるアルミニウム製ドラム上に浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷発生と電荷移動を兼ねた感光層4を形成し、電子写真感光体を製造した。
<実施例14>
前記実施例13と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例13と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例15>
前記実施例13と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例13と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例9)
前記実施例13と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例13と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例10)
前記実施例13と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例16>
式(10)に示すジスアゾ顔料2重量部とバインダー樹脂としてポリビニルブチラール1重量部を乾式混練した後、サンドミルにて1,4−ジオキサン16重量部とアセトン4重量部を溶媒として2時間分散し、この分散液に導電性支持体1であるアルミニウム製ドラムを浸漬塗布し、乾燥して0.5μmの厚みの電荷発生層2を形成した。
次いで、電荷移動剤として式(11)に示すトリフェニルジアミン化合物10重量部と化学式(2)に示す化合物1重量部、バインダー樹脂としてポリカーボネート10重量部を用い、THF100重量部を溶媒として溶解した塗工液を調製し、この塗工液に前記電荷発生層2を形成したドラムを浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷移動層3を形成し、電子写真感光体を製造した。
<実施例17>
前記実施例16と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(3)で表される化合物に代えた以外は実施例16と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例18>
前記実施例16と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(4)で表される化合物に代えた以外は実施例16と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例11)
前記実施例16と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(5)で表される化合物に代えた以外は実施例16と同様に電子写真感光体を作製した。
(比較例12)
前記実施例16と同様の電子写真感光体において、化学式(2)で表される化合物を化学式(6)で表される化合物に代えた以外は実施16と同様に電子写真感光体を作製した。
(測定条件)
コロナ放電電流が17μAとなるようにコロナ放電器を設定し、前記実施例1〜実施例15及び前記比較例1〜比較例10の電子写真感光体に暗所にてコロナ放電を行って正帯電させ、初期表面電位VOおよび10秒後の電位保持率DDRを測定した。その後、白色光で露光し、各電子写真感光体の表面電位が700Vから350Vに半減する露光量E/50(lux×sec)を測定した。この半減露光量は、電子写真感光体の感度を示す値である。さらに、半減露光量測定後に再度正帯電させ、表面電位が700Vの時に20luxの露光を60秒与えた時の残留電位VRも測定した。
また、前記実施例16〜18及び前記比較例11〜12については、コロナ放電電流が17μAとなるよう電圧設定されたコロナ放電により感光体を負帯電させ、初期表面電位VOおよび10秒後の電位保持率DDRを測定した。その後、白色光で露光し、表面電位が−700Vから−350Vに半減する露光量E/50を求めた。残留電位VRは半減露光量測定後に再度負帯電させ、表面電位が−700Vの時に20luxの露光を60秒与えて測定した。
(測定結果)
前記実施例1〜実施例18及び比較例1〜比較例12の測定結果は、下記表1の通りである。
実施例1〜9及び比較例1〜6は、電荷発生剤としてオキシチタニウムフタロシアニン若しくはアゾ顔料を含有した電荷発生層2上に電荷移動層3を形成した正帯電型の機能分離型感光体であるが、表1から理解されるように、分子振動は起こるがR1に置換基を持たない化学式(5)を用いた比較例1、3、5に対して、R1に置換基を導入した実施例1〜9は半減露光量が少なく、しかも著しく残留電位が低く、良好な感光特性が得られたことが確認できた。また、R1に置換基を持たない化学式(6)を用いた比較例2、4、6に対しても、良好な感光特性が得られたことが確認できた
また、実施例10〜15及び比較例7〜10は、感光層4中に電荷発生剤と電荷移動剤が含有された正帯電型の単層型感光体であるが、この例でも良好な感光特性が得られたことが確認できた。
さらに、実施例16〜18及び比較例11〜12は、実施例1〜9と同様の積層型の電子写真感光体を負に帯電させたものであるが、本発明の化合物を含有する実施例16〜18の場合は、比較例に比べて良好な感光特性が得られ、本発明に係る化合物による増感作用と残留電位の低下が確認された。
以上は、前記有機薄膜を感光層に用いた電子写真感光体について説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、前記有機薄膜を、感光層と導電性支持体との間に形成する樹脂層に用いた電子写真感光体も本発明に含まれる。樹脂層に用いる有機薄膜には、適度な導電性が求められるが、前記一般式(1)で示される化合物を含有する有機薄膜は電子移動性が高いので、残留電位の低い電子写真感光体を得ることができる。また、前記有機薄膜を感光層表面に形成する保護膜に用いることもできる。
要するに、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機薄膜が形成された電子写真感光体を広く含むものである。
以上述べたように本発明の電子写真感光体は、感光層に電子移動剤を含有しているので、特に正帯電方式に用いることができるものである。
そして、感光層中の電子移動剤は電子受容性が高く、分子振動が大きいことから、電子移動性が高く、高感度で低残留電位の感光層を得ることができる。
また、バインダー樹脂との相溶性がよいので、感光層中に多量に、且つ均一に電子移動剤を分散させることができ、この時に着色性が弱いので電荷発生剤に到達する入射光を妨げる事がなく、感度の高い電子写真感光体を得ることができる。
さらに、本発明は、電子写真感光体の要求特性に合わせて置換基を選択し、電子移動剤の分子構造を設計できるものである。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、特性のよい電子写真感光体用化合物、及び電子写真感光体を得ることができる。
Claims (7)
- 導電性支持体上に有機薄膜が形成された電子写真感光体であって、前記有機薄膜は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(前記一般式(1)において、置換基R1は、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R2、R3は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヘテロ環、非環式炭化水素、環式飽和炭化水素、非環式炭化水素のアルコキシ基、又は環式飽和炭化水素のアルコキシ基のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R4は、水素、非環式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のうち、いずれか一種によって構成される。置換基R1、R2、R3、R4は、いずれか2個以上が同じであっても全てが異なっていてもよい。また、各置換基R1、R2、R3、R4は、それらが水素、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン元素以外の場合は、各置換基R1、R2、R3、R4自身が置換基を有しているものも含まれる。) - 請求の範囲第1項記載の電子写真感光体であって、前記一般式(1)で表される化合物の前記置換基R1、R2、R3はアルキル基であることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求の範囲第1項記載の電子写真感光体であって、前記一般式(1)で表される化合物の前記置換基R4はアルキル基であることを特徴とする電子写真感光体。
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