JPH10123734A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH10123734A JPH10123734A JP22941897A JP22941897A JPH10123734A JP H10123734 A JPH10123734 A JP H10123734A JP 22941897 A JP22941897 A JP 22941897A JP 22941897 A JP22941897 A JP 22941897A JP H10123734 A JPH10123734 A JP H10123734A
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Abstract
位が小さくて画像コントラストが確保できる電子写真感
光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に有機キャリア発生物質
を含むキャリア発生層と有機電子輸送物質とバインダを
含む電子輸送性キャリア輸送層をこの順に設けた積層型
の電子写真感光体において、前記電子輸送物質が、前記
電子輸送物質の単分子吸収極大波長に対して20nm以
上長波長側に、新たな吸収成分を示す電子輸送物質相互
の分子凝集状態で電子輸送性キャリア輸送層に含有さ
れ、かつ電子輸送性キャリア輸送層における電子輸送物
質とバインダの重量比が25/100ないし200/1
00である電子写真感光体。
Description
せるための電子写真感光体に関する。詳しくは、電子輸
送性の化合物を含有する層を有する電子写真感光体に関
する。
リンタ、ファックス等においては、高感度であって、温
湿度への依存性が小さく、半導体レーザー光に高速応答
するなど優れた特徴をもつ有機感光体が広く用いられて
いる。
ャリア発生機能とキャリア輸送機能とを異なる物質に分
担させた機能分離型構成にするのが普通である。これに
より材料選択の幅が著しく広がり、特に有機化合物では
多岐にわたる化学構造群の設計が可能であることから、
キャリア発生物質とキャリア輸送物質の双方において優
れた素材の開発が行われてきた。
有機顔料が提案されている。例えば、ジブロムアンスア
ンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリウム化
合物およびピリリウム化合物とポリカーボネートとの共
晶錯体、スクエアリウム化合物、フタロシアニン化合
物、アゾ化合物などが知られている。
ル、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、
イミダゾール等に代表される含窒素複素環核およびその
縮合環核を有する化合物、ポリアリールアルカン系の化
合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリ
アリールアミン系化合物、スチリル系化合物、スチリル
トリフェニルアミン系化合物、β−フェニルスチリルト
リフェニルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキ
サトリエン系化合物、カルバゾール系化合物等が知られ
ている。これらのキャリア輸送物質はいずれも正孔輸送
性である。
質を組み合わせて感光体を作製する場合、導電性支持体
上にキャリア発生物質を含むキャリア発生層を設け、そ
の上にキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層を設けて
積層構造にした場合に、最も耐久性に優れた感光体が得
られる。
ため、このような電子写真感光体においては感光体表面
を負に帯電して動作が行われる。
特性が得られるコロナ放電方式が一般に用いられる。コ
ロナ放電時にはオゾンの発生を伴うため、近年、電子写
真プロセスの高速化にともなって単位時間あたりのオゾ
ン発生量の増加が懸念されるようになった。このためオ
ゾン発生量の少ない正のコロナ帯電プロセスに対応した
高耐久の感光体が望まれている。
ア輸送層を上層にした積層構造の有機感光体の開発が行
われており、電子輸送物質として、2,4,7−トリニ
トロフルオレノンや特開平1−206349号、特開平
2−214866号、特開平5−279582号、US
P5,468,583号等に記載の化合物が提案されて
いる。
従来の電子輸送性のキャリア輸送層では、キャリア発生
物質からのキャリア注入特性に重大な障害が発生するた
め、電子写真感光体としての光応答動作が悪く顕著な残
留電位が観測され、画像形成に必要な電位コントラスト
を得ることができなかった。
輸送性のキャリア輸送層を有し、残留電位が小さくて画
像コントラストが確保できる正帯電用電子写真感光体を
提供することである。
成を採ることにより達成される。
生物質を含むキャリア発生層と有機電子輸送物質とバイ
ンダを含む電子輸送性キャリア輸送層をこの順に設けた
積層型の電子写真感光体において、前記電子輸送物質
が、前記電子輸送物質の単分子吸収極大波長に対して2
0nm以上長波長側に、新たな吸収成分を示す電子輸送
物質相互の分子凝集状態で電子輸送性キャリア輸送層に
含有され、かつ電子輸送性キャリア輸送層における電子
輸送物質とバインダの重量比が25/100ないし20
0/100であることを特徴とする電子写真感光体。
されることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光
体。
=O、=S、=N−R7、=C(Z1)(Z2)を表す。
R1〜R4およびR7はそれぞれ水素原子、ハロゲン、シ
アノ、置換ビニル基、各々置換或いは無置換のアルキル
基、アリール基、複素環を表す。
合して芳香族環もしくは脂肪族環を形成しても良い。Z
1、Z2は電子吸引基を表す。) 本発明の電子写真感光体について説明する。
キャリア発生物質を含むキャリア発生層と有機電子輸送
物質とバインダを含む電子輸送性キャリア輸送層をこの
順に設ける。
収極大波長に対して20nm以上長波長側に新たな吸収
成分を示す電子輸送物質相互の分子凝集状態で電子輸送
性キャリア輸送層に含有され、かつ電子輸送性キャリア
輸送層における電子輸送物質とバインダの重量比が25
/100ないし200/100である。
せるためには、そのキャリア輸送物質に適合したバイン
ダを選択するのが有効である。またキャリア輸送物質と
バインダとの比率が重要である。特定のキャリア輸送物
質とバインダの組み合わせにおいて本発明の分子凝集状
態が形成されるとき、感光層中では単分子溶解状態の部
分(非凝集相)と凝集析出部分(凝集相)の両方が存在
する。凝集相ではキャリア発生物質からのキャリア注入
特性とキャリア移動特性の両方が向上するものと考えら
れる。このためバインダに対するキャリア輸送物質の比
率を低下させていっても、溶解状態の感光体に比べ分子
凝集状態の感光体では特性の低下が小さい。
下によって凝集相の割合が減少し、凝集相と凝集相との
間が非凝集相によって分断されるようになると光減衰特
性にインダクション領域が現れる。その結果、光減衰曲
線はS字型を示すようになり実質の感度低下が起こる。
さらにはそのようなS字型特性曲線が現れると光応答の
制御が難しい、階調がでないといった問題のために一般
の電子写真プロセスに対しては望ましくない。或いはま
た、キャリア輸送物質の濃度を低下させると凝集相その
ものが消失して本発明の効果が得られなくなってしま
う。
電子輸送性キャリア輸送物質とバインダの重量比を25
/100以上にする必要があり、さらには30/100
以上にすることが望ましい。一方、キャリア輸送物質の
濃度が高すぎると感光層が脆弱となり実用性を有さなく
なるので、通常200/100以下の濃度範囲で用いる
ことが望ましい。
とが特に好ましい。一般式(A)式中、Q1、Q2はそれ
ぞれ=O、=S、=N−R7、=C(Z1)(Z2)を表
す。R1〜R4およびR7はそれぞれ水素原子、ハロゲ
ン、シアノ、置換ビニル基、各々置換或いは無置換のア
ルキル基、アリール基、複素環を表す。
合して芳香族環もしくは脂肪族環を形成しても良い。Z
1、Z2は電子吸引基を表す。
図1(a)、図1(b)および図1(c)に示した3つ
の構成が知られている。
ャリア発生層2を形成し、これにキャリア輸送層3を積
層して感光層4を形成したものであり、図1(b)はこ
れらのキャリア発生層2とキャリア輸送層3を逆にした
感光層4を形成したものである。図1(c)はキャリア
発生物質とキャリア輸送物質を含有する感光層4′を形
成したものである。この中では図1(a)の感光体が耐
久性や電気特性、特に繰り返しでの残電特性に優れた性
能を奏する。
がバインダ中に単分子状態で均一に含まれている。従
来、図1(a)の正帯電用感光体では、電子輸送物質が
バインダ中に単分子状態で含まれて電子輸送性キャリア
輸送層とされる。しかし、電子輸送性キャリア輸送層で
は、正孔輸送物質を含む正孔輸送性キャリア輸送層の場
合とは異なり、キャリア発生層とキャリア輸送層の界面
近傍において電子移動が妨げられるために、界面近傍に
電子が蓄積され重大な残留電位が生じる。このため画像
形成に必要な電位コントラストを得ることができなかっ
た。
が分子凝集した状態でキャリア輸送層に含まれる。これ
により、キャリア発生層とキャリア輸送層の界面近傍で
の電子移動障壁が排除されるものと推定される。本発明
のキャリア輸送層には電子輸送物質が凝集した状態のみ
が含まれる場合と、電子輸送物質の溶解相中に同じ電子
輸送物質の分子凝集相が存在する構造をとる場合があり
うる。
同士が相互作用して形成される状態であり、2種以上の
電子輸送物質分子により分子凝集が形成されてもよい。
を適当なバインダとともに溶媒に溶解し必要に応じて添
加剤等を加えて調製するのが一般的である。本発明の凝
集状態をつくるにはそのような液を塗布した後、溶媒の
乾燥過程において自然に凝集を起こさせるのが望ましい
が、塗布・乾燥後に塗布膜を適当な溶媒処理して凝集さ
せる方法や、キャリア輸送層塗布液に凝集状態粒子を添
加、分散してから塗布する方法を用いることができる。
解し、これをキャリア輸送層を形成するために塗布、乾
燥すると、溶媒が失われ、電子輸送物質の分子凝集がお
こる。したがって電子輸送物質とバインダの組合わせお
よびその量を選択することによって、分子凝集の発生を
調整することができる。同一の電子輸送物質を用いて
も、バインダの種類によっては分子凝集がおこらないこ
ともある。これらは後に示す実施例で例証される。
確認される。ルーペによる低倍率の観測、あるいは直接
眼による観測によって確認される。場合によっては、キ
ャリア輸送層が電子輸送物質の凝集によってスリガラス
のように透明度を失うことがある。
ア輸送層の吸収スペクトルによって確認することができ
る。電子輸送物質の単分子状態の吸収スペクトルは、キ
ャリア輸送層を構成する組成物をそれらが可溶な溶媒に
溶かし溶液状態で測定することによって得られる。これ
をスペクトルAとする。キャリア輸送層の吸収スペクト
ルはキャリア輸送層塗布液をそれらが可溶な溶媒で希釈
しガラスプレート上に測定可能な膜厚に塗布/乾燥して
作成したサンプルを用いて測定する。これをスペクトル
Bとする。
のスペクトルBでは電子輸送物質分子をとりまく環境の
違いによりスペクトルAに対して10nm程度の波長シ
フトがありうるが基本的にスペクトルAと相似形とな
る。これに対して本発明の分子凝集状態を形成したキャ
リア輸送層のスペクトルBではスペクトルAにみられる
電子輸送物質の吸収極大波長より20nm以上長波長領
域に、スペクトルAにはみられなかった新たな吸収成分
が認められたことで分子凝集状態の存在を確認できる。
って新たなエネルギー状態が生じて吸収が観測されるた
めである。さらに分子凝集による新しいエネルギー状態
のために電子注入特性に変化が生じ残留電位特性が向上
すると推定される。
した正孔輸送層中に電荷移動錯体やチアピリリウム−ポ
リカーボネート共晶錯体を含有させた系が知られてお
り、これらの場合も20nm以上長波長領域に新たな吸
収成分が認められる。しかしながら、電荷移動錯体はド
ナー分子とアクセプター分子間で形成されるものであ
り、本発明の分子凝集体は電子輸送物質単独で形成され
るものであることから両者は区別される。また共晶錯体
はチアピリリウム分子とポリカーボネート分子間で形成
されるものであり、本発明の分子凝集体はポリカーボネ
ート以外のバインダ中においても電子輸送物質単独で形
成されるものであることから区別される。
ボネート共晶錯体を含有させた系の問題はそれらが十分
なキャリア発生機能を有することにある。これらの物質
を電子輸送性キャリア輸送層に含有させると露光により
キャリア輸送層中でキャリア発生が起こるが移動できな
い正孔は層中に蓄積され画像メモリーの原因となる。そ
のため十分な量の正孔輸送物質を溶解させて正孔輸送機
能をもたせることが必要である。これは膜強度の低下を
招く。
小さいのでそのような問題がなく、したがって正孔輸送
性を付与する必要がないので膜強度を低下させることが
ない。
とは、正孔輸送能力を有していてもよいが、正孔輸送能
力に対して、電子輸送能力の方が優るものをいう。正孔
及び電子の輸送能力は、電荷発生物質と組み合わせて電
子写真感光体を作製し、正孔輸送支配の動作モードでの
光感度と電子輸送支配の動作モードでの光感度を比較す
ることによって決定される。例えば、導電性支持体の上
にキャリア発生層とキャリア輸送層をこの順に積層して
感光体を作製した場合は、正帯電モードでの光感度、例
えば、半減露光量は、電子輸送能力を表し、負帯電モー
ドでの光感度は正孔輸送能力を表すので、正帯電モード
での光感度の方が高い場合を電子輸送支配というものと
する。
を形成するために用いられる電子輸送物質としては任意
のものを用いることができ、また複数のものを同時に用
いることができる。代表的には一般式(A)〜(D)で
表されるものが有用であり、特に一般式(A)の化合物
において均一でムラのない分子凝集膜が形成され画質の
優れた感光体がより得られやすい。
Q1、Q2は=O、=S、=N−R7、=C(Z1)
(Z2)を表す。R1とR2或いはR3とR4は、各々互い
に結合して芳香族環もしくは脂肪族環を形成しても良
く、R5とR6は、=N−R7もしくは=C(R8)
(R9)の構造を有してもよい。又、Z1、Z2は電子吸
引基を表す。) R1〜R9は水素原子、ハロゲン、シアノ、置換ビニル
基、各々置換或いは無置換のアルキル基、アリール基、
複素環を表す。
ル、シアノ、アルコキシカルボニルである。好ましいア
ルキル基は炭素数1〜20のものであり、好ましいアリ
ール基は、ベンゼン、ナフタレン、ピレンである。好ま
しい複素環基はピリジン、チオフェン、キノリン、オキ
サゾールである。アルキル基、アリール基及び複素環基
の好ましい置換基は、アルコキシ、ビニル、フェニル、
アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ア
ミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アル
コキシカルボニル、アシール、スチリル、アルキルカル
バミド、アルキルスルホンアミド、カルバモイルであ
る。
ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルコキシカ
ルボニル、アシル、アリーロキシカルボニル、スルホ
ン、及びこれらの基が置換したフェニル基、ナフチル基
である。
R4全てが、一般式(D)においては、R1,R2,R5,
R6が水素でないことが好ましい。
ア発生層とキャリア輸送層をこの順に設けた積層型の構
成をとる。キャリア発生層と導電性支持体の間に中間層
を設けてもよい。また、最表層には保護層を設けてもよ
い。
ム、導電性ポリマーや酸化インジウム等の導電性化合
物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の金属の薄層
を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙やプラスチ
ックフィルムなどの基体の上に設けたものを用いること
ができる。
製された塗布液をディップ塗布、スプレー塗布、バー塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、アプリケーター塗布等
によって塗布し乾燥する方法、もしくは真空蒸着で形成
する方法等が用いられる。キャリア発生層用の塗布液は
キャリア発生物質を単独もしくはバインダや添加剤とと
もに超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキ
サー等の分散装置を用いて適当な分散媒中に微粒子分散
させた液を塗布する方法で調製できる。
を適当なバインダとともに溶媒に溶解し必要に応じて添
加剤等を加えて調製するのが一般的である。本発明の凝
集状態をつくるにはそのような液を塗布した後、溶媒の
乾燥過程において自然に凝集を起こさせるのが望ましい
が、塗布・乾燥後に塗布膜を適当な溶媒処理して凝集さ
せる方法や、キャリア輸送層塗布液に凝集状態粒子を添
加、分散してから塗布する方法を用いることができる。
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチレング
リコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセ
トフェノン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等を挙げることができる。
形成に用いることのできるバインダとしては例えば次の
ものを挙げることができる。
/1重量比が望ましく、さらには1/2〜6/1重量比
が好ましい。
μmとされるが、さらには0.05〜5μmが好まし
い。キャリア輸送層の厚みは1〜100μmであるが、
さらには5〜40μmが好ましい。
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができ、その他にポリアミド樹
脂、ナイロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系
樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が有
効である。また、メラミン、エポキシ、イソシアネート
等の熱硬化或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダ
を用いることができる。
耐久性、環境依存性を向上させる目的で種々の添加剤を
含有させることができ、本発明の効果をそこなわないな
ら正孔輸送物質を含有させてもよい。
るが、本発明の態様はこれに限定されない。本文中
「部」とは「重量部」を表す。
おけるブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.
2°にピークを有するチタニルフタロシアニン1部、シ
リコーン−ブチラール樹脂0.5部、分散媒としてメチ
ルイソプロピルケトン50部をサンドミルを用いて分散
した液をワイヤーバーを用いて塗布し、膜厚0.4μm
のキャリア発生層を形成した。一方、ポリスチレン樹脂
スタイロン679(旭化成工業社製)を100部、テト
ラヒドロフラン700部に対して電子輸送物質A−11
を25部、40部の2種類溶解し、2種のキャリア輸送
層塗布液を調製した。これをキャリア発生層上にドクタ
ーブレードを用いて、乾燥膜厚が23μmになるように
塗布し乾燥して2種の感光体を得た。いずれも電子輸送
物質の凝集が確認された。これをサンプル1a、サンプ
ル1bとする。
を塗布溶媒で希釈しガラスプレート上に塗布して分光光
度計UV−3100(島津製作所製)で測定した。単分
子溶解状態の吸収スペクトルはキャリア輸送層塗布液を
テトラヒドロフランで希釈し溶液で測定した。結果を図
2に示す。破線は単分子溶解状態のスペクトルを表す。
EPA−8100(川口電機社製)を用いて評価した。
まず+6kVのコロナ帯電を5秒間行い、続けて5秒間
暗放置した後で、照度10luxの白色光を10秒間照
射した。測定結果は感光体表面電位のタイムチャートと
して表した。このようなタイムチャートにおいて最後ま
で残留する表面電位を残留電位と呼ぶ。結果を図3に示
す。実線はサンプル1a、破線はサンプル1bを表す。
リカーボネート樹脂ユーピロンZ−200(三菱瓦斯化
学社製)に代えた他は、実施例1と同様にして2種の比
較用感光体を得た。これを比較サンプル1a、比較サン
プル1bとする。実施例1と同様にして測定したキャリ
ア輸送層の吸収スペクトルを図4に示す。破線は単分子
溶解状態のスペクトルを表す。
て評価した結果を図5に示す。実線は比較サンプル1
a、破線は比較サンプル1bを表す。
いて単分子吸収極大波長は409(nm)であるのに対
し、キャリア輸送層の吸収スペクトルでは、電子輸送物
質が25部の場合(曲線1a)は450(nm)に分子
凝集に由来する吸収成分が認められ、40部の場合(曲
線1b)はさらに長波長領域にも分子凝集に由来するい
くつかの吸収成分が認められる。
は分子凝集は観測されず、吸収スペクトル(図4)にお
いて単分子吸収極大波長は409(nm)であるのに対
し、キャリア輸送層の吸収極大波長は電子輸送物質25
部、40部のいずれの場合においても422(nm)ま
でシフトしたのみで、新たな吸収成分はみられなかっ
た。13(nm)の波長シフトは電子輸送物質を取り囲
む媒体の違いによるものと考えられる。このバインダは
実施例1に用いたバインダに比べ、電子輸送物質A−1
1に対する溶解度が高いと考えられる。
る場合(図3)に顕著な残留電位の低下効果がみられ
る。
ボネート樹脂ユーピロンZ−200を100部、テトラ
ヒドロフラン700部に対して電子輸送物質A−60の
10、20、30部を加えて溶解し、3種のキャリア輸
送層塗布液を調製した。これをキャリア発生層上にドク
ターブレードを用いて、乾燥膜厚が18μmになるよう
に塗布し乾燥して3種の感光体を得た。これをそれぞれ
サンプルa、サンプルb、サンプルcとする。
送層の吸収スペクトルを図6(a)〜図6(c)に示し
た。破線は単分子溶解状態のスペクトルを表す。
て評価した結果を図7(a)〜図7(c)に示した。
いて単分子吸収極大波長は397(nm)であるのに対
して、キャリア輸送層の吸収スペクトルでは電子輸送物
質10部の場合(図6(a))は吸収極大波長が404
(nm)であり、7(nm)の波長シフトは大部分が単
分子状態であることを示しているが長波長領域に分子凝
集に由来する吸収成分がわずかに認められる。20部
(図6(b))と30部(図6(c))の場合は長波長
領域に明らかに分子凝集に由来する吸収成分が認められ
る。
物質が10部の場合(図7(a))に分子凝集が十分で
きていないので残留電位低下効果がほとんどなく、かつ
光減衰曲線のS字型現象も認められる。20部の場合
(図7(b))は充分に分子凝集しているので残留電位
の低下効果は得られるが、電子輸送物質の濃度が低いた
めに光減衰曲線がシャープな減衰カーブを描かずS字型
になってしまい実用的な特性が得られない。30部にお
いて(図7(c))S字型現象が消失しかつ分子凝集に
よる顕著な残留電位低下効果がみられる。
び150重量部として感光体を作製し特性評価を行った
ところ残留電位の無い良好な特性が得られた。
ダ等の選択によって電子輸送物質を分子凝集させること
により顕著な残留電位低下効果が得られる。また電子輸
送性物質とバインダとの比を25/100以上にするこ
とによって光減衰曲線がS字型になることを避けること
ができて、優れた電子写真感光体が得られるものであ
る。
送層を有し、残留電位が小さくて画像コントラストが確
保できる電子写真感光体を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 導電性支持体上に有機キャリア発生物質
を含むキャリア発生層と有機電子輸送物質とバインダを
含む電子輸送性キャリア輸送層をこの順に設けた積層型
の電子写真感光体において、前記電子輸送物質が、前記
電子輸送物質の単分子吸収極大波長に対して20nm以
上長波長側に、新たな吸収成分を示す電子輸送物質相互
の分子凝集状態で電子輸送性キャリア輸送層に含有さ
れ、かつ電子輸送性キャリア輸送層における電子輸送物
質とバインダの重量比が25/100ないし200/1
00であることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 電子輸送物質が一般式(A)で表される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 【化1】 (一般式(A)式中、Q1、Q2はそれぞれ=O、=S、
=N−R7、=C(Z1)(Z2)を表す。R1〜R4およ
びR7はそれぞれ水素原子、ハロゲン、シアノ、置換ビ
ニル基、各々置換或いは無置換のアルキル基、アリール
基、複素環を表す。R1とR2或いはR3とR4は、各々互
いに結合して芳香族環もしくは脂肪族環を形成しても良
い。Z1、Z2は電子吸引基を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22941897A JPH10123734A (ja) | 1996-08-27 | 1997-08-26 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-225199 | 1996-08-27 | ||
JP22519996 | 1996-08-27 | ||
JP22941897A JPH10123734A (ja) | 1996-08-27 | 1997-08-26 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10123734A true JPH10123734A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=26526494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22941897A Pending JPH10123734A (ja) | 1996-08-27 | 1997-08-26 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10123734A (ja) |
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1997
- 1997-08-26 JP JP22941897A patent/JPH10123734A/ja active Pending
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