JP4570300B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の技術分野にかかり、特に、電子移動材料と正孔移動材と電荷発生物質とを含有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体のうち、1つの感光層に電荷発生材料と電荷移動剤とが分散され、一つの感光層が電荷発生と電荷移動の両方の機能を有する単層分散型感光体は、電荷発生層と電荷移動層とに機能分離した積層型感光体に比べて層構成が少ないので、製造が容易であり低コストである。
【0003】
しかしながら電子移動度の速い電子移動材料が無いために未だに実用化されていない。ジフェノキノンは優れた電子移動度を示すが、正孔移動材料及び電荷発生材料との相性が悪く十分な感度を得ることが出来ない。そこで本発明者らはキノンに活性メチレンを有する化合物が縮合した化合物が非常に優れた電子移動能を示す事を見出し、これらを用いて単層分散型感光体を実現した。しかし、特にプリンター用感光体では高速印字が要求されるために、より高感度な感光体を得る研究が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、高感度な単層分散型の電子写真感光体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは単層分散型感光体の特性を改良する過程で、感光層に特定の正孔移動材料とキノンに活性メチレンを有する化合物が縮合した電子移動材料を含有させる事により高い感度を示す事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
上記知見に基づきなされた請求項1記載の発明は、単一の感光層を有し、前記感光層は電荷発生材料と、電子移動材料と、正孔移動材料とを含有する電子写真感光体であって、前記電子移動材料は下記一般式(3)で表される化合物であり、前記正孔移動材料は下記一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物からなることを特徴とする電子写真感光体である。
【0007】
【化8】
Figure 0004570300
【0008】
(前記一般式(3)において、置換基R 1 〜R 6 は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、イオウと、=C(CN) 2 とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
【0009】
【化9】
Figure 0004570300
【0010】
(前記一般式(25)中、R 7 〜R 9 は各々水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、式中のl、m、nは0以上2以下の整数を示す。)
【0011】
【化10】
Figure 0004570300
【0012】
(前記一般式(26)中、R 10 〜R 13 は各々水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示し、
【0013】
【化11】
Figure 0004570300
【0014】
(前記一般式(27)中、R 14 〜R 17 は水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示す。)
尚、上記一般式(25)中R 7 〜R 8 で示される置換基と、上記一般式(26)中R 10 〜R 13 で示される置換基と、上記一般式(27)中R 14 〜R 17 で示される置換基には、それぞれ別の置換基が結合する場合がある。また、上記一般式(25)中のl、m、nで示される整数が2の場合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基(R 7 2 〜(R 8 2 が互いに結合して環を形成する場合がある。
また、上記一般式(3)中のR 1 〜R 6 で表される置換基がアルキル基、アリール基、複素環基、エステル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリル基、アミド基、アミノ基、アシル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸基である場合、それらの基に置換基が結合したものも本発明には含まれる。また、それらの置換基R 1 〜R 6 のうち、R 1 とR 2 、R 3 とR 4 は互いに結合して環を形成してもよい。
置換基R 1 〜R 6 はそれぞれが異なる種類の置換基であっても良く、また、それらの置換基R 1 〜R 6 のうち、2つ以上の置換基が同じ種類の置換基であっても良い。また、上記一般式(3)において、5員環の置換基と他の環状化合物とが縮合し、縮合環を形成した場合も本発明には含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の単層分散型の電子写真感光体(単層分散型感光体)は、一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)からなる群より選ばれる少なくとも1種の正孔移動材料と、電荷発生材料と、電子移動材料である一般式(1)の化合物とを組み合せることにより、感光体感度を向上させることができるものである。
【0024】
本発明の単層分散型感光体は、一例として図1に示す層構成をなす。図1の符号10は単層分散型感光体を示しており、単層分散型感光体10は導電性支持体11と、該導電性支持体11上に配置された感光層12とを有している。感光層2は電荷発生材料と電子移動材料と正孔移動材料とが樹脂中に分散されてなる。
また、本発明の単層分散型感光体の他の例として、導電性支持体11と感光層12との間に下引層を設けることができ、また、感光層12上に保護層を設けることもできる。更に、前記下引層と前記保護層の両方を設けることもできる。
【0025】
感光層12の形成方法としては、各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷発生材料と電子移動材料と正孔移動材料とを樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解して塗布液を作製し、該塗布液を導電性支持体11上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
感光層12の膜厚は特に限定されないが、5μm以上50μm以下がよく、特に好ましくは10μm以上35μm以下である。感光層12の膜厚は、薄くすると感光体感度が向上するが膜減り等に対する耐久性が低下し、厚くすると耐久性は向上するが感度が低下する傾向がある。
般式(1)の電子移動材料は電子移動度が高く単層分散型感光体に適している。
【0026】
【化15】
Figure 0004570300
【0027】
(前記一般式(1)において、置換基R1〜R4は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2からなる群より選択されるいずれか一種類の置換基である。置換基W は4員環以上8員環以下の環であって、上記一般式(1)を下記一般式(1’)に書き換えたときに、
【0028】
【化16】
Figure 0004570300
【0029】
置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素であり、構造Zは環を構成する2以上の原子からなる。)
また、上記一般式(1)において、下記一般式(2)及び一般式(3)で表される電子移動材料は更に移動度が高く好ましい。
【0030】
【化17】
Figure 0004570300
【0031】
(前記一般式(2)において、置換基R1〜R5は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
【0032】
【化18】
Figure 0004570300
【0033】
(前記一般式(3)において、置換基R1〜R6は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、イオウと、=C(CN)2とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
【0034】
更に、一般式(2)及び一般式(3)において、置換基X及びYが酸素であり、R1及びR3がt−Bu基、R2及びR4が水素である化合物は、製造が容易であり移動度が高くより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(2)及び一般式(3)の他に、表A(1)〜表A(26)で表されるような一般式とすることもできる。
【0035】
【表1】
Figure 0004570300
【0036】
【表2】
Figure 0004570300
【0037】
【表3】
Figure 0004570300
【0038】
【表4】
Figure 0004570300
【0039】
【表5】
Figure 0004570300
【0040】
【表6】
Figure 0004570300
【0041】
【表7】
Figure 0004570300
【0042】
【表8】
Figure 0004570300
【0043】
【表9】
Figure 0004570300
【表10】
Figure 0004570300
【0044】
【表11】
Figure 0004570300
【0045】
【表12】
Figure 0004570300
【0046】
【表13】
Figure 0004570300
【0047】
【表14】
Figure 0004570300
【0048】
【表15】
Figure 0004570300
【0049】
【表16】
Figure 0004570300
【0050】
【表17】
Figure 0004570300
【0051】
【表18】
Figure 0004570300
【0052】
【表19】
Figure 0004570300
【0053】
【表20】
Figure 0004570300
【0054】
【表21】
Figure 0004570300
【0055】
【表22】
Figure 0004570300
【0056】
【表23】
Figure 0004570300
【0057】
【表24】
Figure 0004570300
【0058】
【表25】
Figure 0004570300
【0059】
【表26】
Figure 0004570300
【0060】
一般式(1)で表される化合物の具体例を下記表B(1)〜表B(4)に示すが、これに限定されるものではない。
【0061】
【表27】
Figure 0004570300
【0062】
【表28】
Figure 0004570300
【0063】
【表29】
Figure 0004570300
【0064】
【表30】
Figure 0004570300
【0065】
一般式(1)で表される化合物は、感光層12中に1種類含有されてもよいし、2種類以上でもよい。
感光層12中の一般式(1)で表される化合物の濃度は要求される感光体性能や帯電極性により異なるため特に限定されないが、0.1重量%以上70重量%以下が好ましい。濃度が低いと電子移動が不充分になり感光体特性に影響を与えることがあり、濃度が高いと樹脂との相溶性が悪くなり不均一な膜になったり樹脂濃度が低くなるため膜強度が低下する可能性がある。
本発明の単層分散型感光体に用いることができる正孔移動材料は下記一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)で表される化合物である。
一般式(25)の化合物としては、下記一般式(28)、一般式(29)、一般式(30)で示される化合物が好ましい。
【0066】
【化19】
Figure 0004570300
【0067】
(上記一般式(28)の、R7、R8、R18、R19は水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、これらの置換基に別の置換基がそれぞれ結合する場合もある。式(28)中のa、b、m、nはそれぞれ0以上2以下の整数であり、a、b、m、nで示される整数が2の場合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基(R72、(R82、(R182、(R192が互いに結合して環を形成する場合がある。
【0068】
【化20】
Figure 0004570300
【0069】
(上記一般式(29)の、R7、R8は水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、これらの置換基に別の置換基がそれぞれ結合する場合もある。式(29)中m、nは0以上2以下の整数であり、m、nが2の場合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基(R72、(R82が互いに結合して環を形成する場合がある。また、式(29)中R20、R21は水素原子と、アルキル基と、アリール基と、アリル基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示し、これらの置換基に別の置換基がそれぞれ結合する場合がある。)
【0070】
【化21】
Figure 0004570300
【0071】
(上記一般式(30)の、R7、R8、R22、R23は水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、これらの置換基に別の置換基がそれぞれ結合する場合もある。式(30)中のc、d、m、nは0以上2以下の整数であり、a、b、m、nで示される整数が2の場合は、同一フェニル基に結合する2個の置換基(R72、(R82、(R222、(R232が互いに結合して環を形成する場合がある。)
また、一般式(26)で表される化合物は下記一般式(31)、一般式(32)で表される化合物が好ましい
【0072】
【化22】
Figure 0004570300
【0073】
(上記一般式(31)中、R24、R25は水素原子又はアルキル基のいずれか一方の置換基であり、R26は、水素原子又はジアルキルアミノ基のいずれか一方の置換基である。)
【0074】
【化23】
Figure 0004570300
【0075】
(上記一般式(32)のR27〜R30は、水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数1以上6以下のアルコキシ基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。R31は水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、炭素数1以上6以下のアルコキシ基と、アリ−ル基と、アルケニル基と、アルカジエニル基と、下記一般式(33)に表される置換基からなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。また、R27〜R31がアリ−ル基やアルケニル基からなる場合は、そららの置換基に他の置換基が結合する場合もある。式(32)中eは0又は1の整数を表す。)
【0076】
【化24】
Figure 0004570300
【0077】
(上記一般式(33)中のR32、R33は、水素原子と、ハロゲン原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、アルコキシ基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基R32、R33がアリ−ルきである場合はそれらの置換基R32、R33に他の置換基が結合する場合がある。式(33)中のfは0又は1の整数を表す。)
一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)で表される化合物は、感光層中に1種類含有されてもよいし、2種類以上でもよい。
感光層12中の正孔移動材料の濃度は要求される感光体性能や帯電極性により異なるため特に限定されないが、0.1重量%以上70重量%以下が好ましい。
濃度が低いと正孔移動が不充分になり感光体特性に影響を与えることがあり、濃度が高いと樹脂との相溶性が悪くなり不均一な膜になったり樹脂濃度が低くなるため膜強度が低下する可能性がある。
【0078】
本発明に用いる電荷発生材料としては、Cu−Kα線に対するX線回折角(2θ±0.2°)で7.6°、28.6°に特徴的なピークを持つオキシチタニウムフタロシアニン、27.3°に特徴的なピークを持つオキシチタニウムフタロシアニン、特徴的なピークを示さないオキシチタニウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン及び無金属フタロシアニン、ジスアゾ化合物、トリスアゾ顔料、ペリレン化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
Cu−Kα線に対するX線回折角(2θ±0.2°)で7.6°、28.6°に特徴的なピークを持つオキシチタニウムフタロシアニンは、一般的に7.6°が最大ピークであるが、28.6°が最大ピークになってもよい。また、これらピーク以外では、12.5゜、13.3゜、22.5゜、25.4゜にも明瞭なピークを示すが、結晶状態や測定条件などによりブロードになったりスプリットしたりシフトすることもあり得る。
【0080】
Cu−Kα線に対するX線回折角(2θ±0.2°)で27.2°に特徴的なピークを持つオキシチタニウムフタロシアニンは、27.2°以外では、9.5、14.2、24.1゜にもピークを示すが、結晶状態や測定条件などによりブロードになったりスプリットしたりシフトすることもあり得る。
特徴的なピークを示さないオキシチタニウムフタロシアニンとは、無定形のオキシチタニウムフタロシアニンであり、明瞭なピークを示さないが、ブロードなピークが見られることもある。
【0081】
ジクロロスズフタロシアニンは、フタロシアニンの中心にSnCl2を配するものである。ジクロロスズフタロシアニンの結晶型としては、特開平11−286618号公報に記載される、X線回折角(2θ±0.2°)で10.5°に最大ピークを有し、5°〜9°の範囲のピーク強度が10.5°のピーク強度の10%以下であるもの、特開平5−140472号公報に記載される、X線回折角(2θ±0.2°)で8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°、25.5°あるいは、9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°、25.3°に強い回折ピークを示すもの、或いは特開平6−228453号公報に記載される、X線回折角(2θ±0.2°)で8.4°、10.6°、12.2°、13.8°、16.0°、16.5°、17.4°、19.1°、22.4°、28.2°、30.0°、あるいは、8.4°、11.2°、14.6°、15.6°、16.9°、18.6°、19.6°、25.7°、27.2°、28.5°に強い回折ピークを示すものが使用できる。この中でも、X線回折角(2θ±0.2°)で10.5°に最大ピークを有し、5°〜9°の範囲のピーク強度が10.5°のピーク強度の10%以下であるものが特に好ましい。
【0082】
無金属フタロシアニンは中心金属を配しないフタロシアニンである。無金属フタロシアニンとしては多数の結晶型が報告されているが、いずれの型でもよい。
特に、X線回折角(2θ±0.2°)で7.5゜、9.1゜、15.1゜、16.6゜、17.3゜、18.5゜、22.2゜、23.8゜、25.9゜、27.29゜、28.6゜に強い回折ピークを示す物が好ましい。
【0083】
これらの電荷発生材料は単体で用いてもよいし、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用いてもよい。感光層12中の電荷発生材料の濃度は0.005重量%以上70重量%以下が一般的に用いられ、好ましくは1重量%以上10重量%以下である。電荷発生材料の濃度が低いと感光体感度が低下する傾向があり、濃度が高くなると電位保持率や膜強度が低下する傾向がある。本発明の感光体10における導電性支持体11としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体を用いることができる。
【0084】
上記金属や合金等の表面に、さらに蒸着、メッキ等により導電性物質の薄膜を形成してもよい。導電性支持体11自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電性のプラスチック板およびフィルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導電性を持たせてもよい。
【0085】
また、導電性支持体11として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボンなどの導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもできる。さらに、導電性支持体11にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使用して導電性支持体11を構成することができる。
【0086】
一般に導電性支持体11としては、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、またはアルミニウム管上に下引層を形成したものがよく用いられる。この下引層は接着向上機能、導電性支持体11からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、導電性支持体11表面の欠陥被覆機能等をもつ。この下引層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。
【0087】
これらの下引層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。更に、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
【0088】
感光層12中には、適切な光感度波長や増感作用を得るために、その他のフタロシアニン顔料やアゾ顔料などを混合させることもできる。これらは、感度の相性が良い点で望ましい。その他、例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
【0089】
感光層12を形成するための樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の樹脂がある。それらは単体で用いてもよいが、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
【0090】
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン(THF)、メトキシエタノール、ジオキサン、あるいはアニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。
【0091】
特にその中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
本発明の感光体には、他の電荷移動物質を添加することもできる。その場合には、感度を高めたり、残留電位を低下させることができるので、本発明の電子写真感光体の特性を改良することができる。
【0092】
そのような特性改良のために添加できる電荷移動物質としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。
【0093】
また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLi(リチウム)イオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。
さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
【0094】
なお、本発明の感光体を製造するための塗工液には、電子写真感光体の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗工液の寿命を改善できる。
【0095】
加えて、感光層12の上に、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して保護層を設けてもよい。その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
【0096】
【実施例】
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例を詳細に説明する。
<単層分散型負帯電感光体の具体例>
<実施例1〜21>
電荷発生材料であるオキシチタニウムフタロシアニン1重量部と、バインダー樹脂であるポリカーボネート10重量部とをTHF80重量部を溶媒として混練分散し、電子移動材料として式(4)で表される化合物9重量部と、正孔移動材料として下記化学式(34)で表されるトリフェニルアミン化合物2重量部とを溶解して塗工液を調製した。
【0097】
【化25】
Figure 0004570300
【0098】
そして、この塗工液を用いて導電性支持体11であるアルミニウム製ドラム上に浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷発生と電荷移動を兼ねた感光層12を形成し、実施例1の負帯電型の電子写真感光体(単層分散型負帯電感光体)10を作製した。
また、上記実施例1で用いた電子移動材料を、それぞれ式(5)〜(24)で表される化合物に代えた以外は実施例1と同じ条件で20種類の塗工液を調整し、これら塗工液を用いて実施例1と同じ条件で実施例2〜21の単層分散型負帯電感光体10を作製した。
【0099】
<実施例22〜42>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(35a)で表される化合物と、下記化学式(35b)で表される化合物との混合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例22〜42とした。
【0100】
【化26】
Figure 0004570300
【0101】
<実施例43〜63>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(36)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例43〜63とした。
【0102】
【化27】
Figure 0004570300
【0103】
<実施例64〜84>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(37)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例64〜84とした。
【0104】
【化28】
Figure 0004570300
【0105】
<実施例85〜105>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(38)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例85〜105とした。
【0106】
【化29】
Figure 0004570300
【0107】
<実施例106〜126>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(39)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例106〜126とした。
【0108】
【化30】
Figure 0004570300
【0109】
<実施例127〜147>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(40)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例127〜147とした。
【0110】
【化31】
Figure 0004570300
【0111】
<実施例148〜168>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(41)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体10を作製した。各々実施例148〜168とした。
【0112】
【化32】
Figure 0004570300
【0113】
<比較例1〜21>
実施例1〜21において、正孔移動材料を下記化学式(42)で表される化合物に代えた以外は実施例1〜21と同様にして単層分散型負帯電感光体を作製した。各々比較例1〜21とした。
【0114】
【化33】
Figure 0004570300
【0115】
<比較例22〜29>
実施例1において、電子移動材料を下記化学式(43)で表される化合物に代え、正孔移動材料を式(34)〜式(41)に代えた以外は実施例1と同様にして単層分散型負帯電感光体を作製した。各々比較例22〜29とした。
【0116】
【化34】
Figure 0004570300
【0117】
<単層分散型正帯電感光体の具体例>
<実施例169〜189>
電荷発生材料であるオキシチタニウムフタロシアニン1重量部と、バインダー樹脂としてポリカーボネート10重量部とを、溶媒であるTHF80重量部に混練分散し、電子移動材料である式(4)で表される化合物2重量部と、正孔移動材料である化学式(34)で表されるトリフェニルアミン化合物8重量部とを溶解して実施例1とは異なる配合比率の塗工液を調製した。
そして、この塗工液を用いて導電性支持体11であるアルミニウム製ドラム上に浸漬塗布し、80℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷発生と電荷移動を兼ねた感光層12を形成し、実施例169の正帯電型の電子写真感光体(単層分散型正帯電感光体)10を作製した。
また、上記実施例169で用いた電子移動材料に代え、式(5)〜(24)で表される化合物をそれぞれ用いた以外は実施例169と同じ配合比率で20種類の塗工液を作製し、これら塗工液を用いて実施例169と同じ条件で実施例170〜189の単層分散型正帯電感光体10を作製した。
【0118】
<実施例190〜210>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(35a)で表される化合物と、上記化学式(35b)で表される化合物との混合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。
各々実施例190〜210とした。
【0119】
<実施例211〜231>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(36)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例211〜231とした。
【0120】
<実施例232〜252>
実施例1〜21において、正孔移動材料を上記化学式(37)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例232〜252とした。
【0121】
<実施例253〜273>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(38)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例253〜273とした。
【0122】
<実施例274〜294>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(39)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例274〜294とした。
【0123】
<実施例295〜315>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(40)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例295〜315とした。
【0124】
<実施例316〜336>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(41)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体10を作製した。各々実施例316〜336とした。
【0125】
<比較例30〜50>
実施例169〜189において、正孔移動材料を上記化学式(42)で表される化合物に代えた以外は実施例169〜189と同様にして単層分散型正帯電感光体を作製した。各々比較例28〜48とした。
【0126】
<比較例51〜58>
実施例169において、電子移動材料を上記化学式(43)で表される化合物に代え、正孔移動材料を上記化学式(34)〜式(41)で表される化合物に代えた以外は実施例169と同様にして単層分散型正帯電感光体を作製した。各々比較例51〜58とした。
【0127】
<単層分散型負帯電感光体測定条件>
コロナ放電電流が17μAとなるようにコロナ放電器を設定し、前記実施例1〜168、比較例1〜27において製造した単層分散型感光体10を暗所にてコロナ放電により負帯電させて帯電電位を測定した。この時の表面電位を初期帯電位(V)とする。
その後、感光体10の表面電位が−700Vになるように放電電流を調節し、780nmの光で露光し、各感光体10の表面電位を−700Vから−350に半減させる露光量を測定した。この時の露光量を半減露光量(μJ/cm2)とする。この半減露光量は、感光体10の感度を示す値である。
【0128】
また、各感光体10の表面電位−700Vで780nmの光(露光エネルギー10μJ/cm2)を照射した時の表面電位を測定した。この時の表面電位を残留電位(V)とする。
その後、再度感光体10の表面電位が−700Vになるように帯電し、暗所に10秒間放置した時の表面電位V10を測定し、電位保持率(%)=V10/−700×100を求める。この電位保持率は感光体10の絶縁性を示す指標となる。
【0129】
上記測定はLL環境(温度15℃、湿度15%)、NN環境(温度25℃、湿度40%)、HH環境(温度35℃、湿度80%)の3環境下で測定を行なう。
各感光体10の3環境下での半減露光量の平均を求め、各感光体10における各環境下の半減露光量との差を2乗して合計した値を、感度環境安定性指数として求める。感度環境安定指数は下記数式(1)で表される。
【0130】
数式(1):感度環境安定性指数=(LL環境の半減露光量−3環境下の半減露光量の平均)2+(NN環境の半減露光量−3環境下の半減露光量の平均)2+(HH環境の半減露光量−3環境下の半減露光量の平均)2
この値は環境に対する感光体感度の変動大きさを示し、小さいほど環境が変化しても感光体感度が変化しないことを示す。
【0131】
<単層分散型正帯電感光体測定条件>
コロナ放電電流が17μAとなるようにコロナ放電器を設定し、前記実施例169〜336、比較例28〜54において製造した単層分散型感光体を暗所にてコロナ放電により正帯電させて帯電電位を測定した。この時の表面電位を初期帯電位(V)とする。
【0132】
その後、感光体の表面電位が700Vになるように放電電流を調節し、780nmの光で露光し、各感光体の表面電位を700Vから350に半減させる露光量を測定した。この時の露光量を半減露光量(μJ/cm2)とする。この半減露光量は、感光体の感度を示す値である。
【0133】
また、各感光体の表面電位700Vで780nmの光(露光エネルギー10μJ/cm2)を照射した時の表面電位を測定した。この時の表面電位を残留電位(V)とする。
その後、再度感光体の表面電位が700Vになるように帯電し、暗所に10秒間放置した時の表面電位V10を測定し、電位保持率(%)=V10/700×100を求める。この電位保持率は感光体の絶縁性を示す指標となる。
【0134】
上記測定はLL環境(温度15℃、湿度15%)、NN環境(温度25℃、湿度40%)、HH環境(温度35℃、湿度80%)の3環境下で測定を行なう。
各感光体の3環境下での半減露光量の平均を求め、各感光体における各環境下の半減露光量との差を2乗して合計した値を、感度環境安定性指数として求める。
【0135】
<測定結果>
実施例1〜168及び比較例1〜27の測定結果は、表C(1)〜表C(9)の通りである。
【0136】
【表31】
Figure 0004570300
【0137】
【表32】
Figure 0004570300
【0138】
【表33】
Figure 0004570300
【0139】
【表34】
Figure 0004570300
【0140】
【表35】
Figure 0004570300
【0141】
【表36】
Figure 0004570300
【0142】
【表37】
Figure 0004570300
【0143】
【表38】
Figure 0004570300
【0144】
【表39】
Figure 0004570300
【0145】
実施例169〜336及び比較例28〜54の測定結果は、表D(1)〜表D(9)の通りである。
【0146】
【表40】
Figure 0004570300
【0147】
【表41】
Figure 0004570300
【0148】
【表42】
Figure 0004570300
【0149】
【表43】
Figure 0004570300
【0150】
【表44】
Figure 0004570300
【0151】
【表45】
Figure 0004570300
【0152】
【表46】
Figure 0004570300
【0153】
【表47】
Figure 0004570300
【0154】
【表48】
Figure 0004570300
【0155】
前記実施例と比較例を比べると、実施例は半減露光量が小さく高感度な感光体が得られていることがわかる。本発明の単層分散型感光体に一般式(25)に示される正孔移動材料と一般式(1)に示される電子移動材料を用いた実施例1〜63及び実施例169〜231は、帯電性、電位保持率が他の正孔移動材料を用いた感光体の値より高く安定した特性を示すことが分る。
【0156】
一般式(26)で示される正孔移動材料を用いた実施例64〜105及び実施例232〜273は環境安定指数が他の正孔移動材料がを用いた感光体より優れている事が分る。更に、一般式(27)で示される正孔移動材料を用いた実施例106〜168及び実施例274〜336は、帯電性が高いことが分る。
【0157】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の単層分散型感光体は高感度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層分散型感光体の一例を示す断面図
【符号の説明】
10……電子写真感光体(単層分散型感光体)
11……導電性支持体
12……感光層

Claims (1)

  1. 単一の感光層を有し、前記感光層は電荷発生材料と、電子移動材料と、正孔移動材料とを含有する電子写真感光体であって、
    前記電子移動材料は下記一般式(3)で表される化合物であり、
    前記正孔移動材料は下記一般式(25)、一般式(26)、一般式(27)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物からなることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004570300
    (前記一般式(3)において、置換基R 1 〜R 6 は、水素原子と、シアノ基と、ニトロ基と、ハロゲン原子と、ヒドロキシ基と、アルキル基と、アリール基と、複素環基と、エステル基と、アルコキシ基と、アラルキル基と、アリル基と、アミド基と、アミノ基と、アシル基と、アルケニル基と、アルキニル基と、カルボキシル基と、カルボニル基と、カルボン酸基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基である。置換基Xは酸素と、イオウと、=C(CN) 2 とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、置換基Yは酸素又はイオウのいずれか一方の元素からなる。)
    Figure 0004570300
    (前記一般式(25)中、R 7 〜R 9 は各々水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、式中のl、m、nは0以上2以下の整数を示す。)
    Figure 0004570300
    (前記一般式(26)中、R 10 〜R 13 は各々水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示し、
    Figure 0004570300
    (前記一般式(27)中、R 14 〜R 17 は水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示す。)
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