JPH10142818A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH10142818A
JPH10142818A JP29375496A JP29375496A JPH10142818A JP H10142818 A JPH10142818 A JP H10142818A JP 29375496 A JP29375496 A JP 29375496A JP 29375496 A JP29375496 A JP 29375496A JP H10142818 A JPH10142818 A JP H10142818A
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Japan
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phthalocyanine
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phthalocyanine composition
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JP29375496A
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English (en)
Inventor
Yoshii Morishita
芳伊 森下
Takayuki Akimoto
孝幸 秋元
Megumi Matsui
恵 松井
Shigeru Hayashida
茂 林田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い感度及び低い残留電位を示し、良好な暗
減衰率を有する電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基材上に、電荷発生物質を含んだ
電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層を有す
る電子写真感光体において、電荷発生物質が、2種類以
上のフタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有
し、このフタロシアニン組成物が、CuKαのX線回折
スペクトルにおいて、特定のブラッグ角(2θ±0.2
度)に主な回折ピークを有するフタロシアニン組成物で
あり、電荷輸送物質が、一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真感光体として、アルミニ
ウム等の導電性基板の上に50μm程度のセレン(S
e)膜を真空蒸着法により形成したものがあるが、この
Se感光体は、波長500nm付近までしか感度を有して
いない等の問題がある。また、導電性基板の上に50μ
m程度のSe層を形成し、この上に更に数μmのセレン
−テルル(Se−Te)合金層を形成した感光体がある
が、この感光体は上記Se−Te合金のTeの含有率が
高い程、分光感度が長波長にまで伸びる反面、Teの添
加量が増加するにつれて表面電荷の保持特性が不良とな
り、事実上、感光体として使用できなくなるという重大
な問題がある。
【0003】また、アルミニウム基板の上に1μm程度
のクロロシアンブルー又はスクウアリリウム酸誘導体を
コーティングして電荷発生層を形成し、この上に絶縁抵
抗の高いポリビニルカルバゾール又はピラゾリン誘導体
とポリカーボネート樹脂との混合物を、10〜20μm
コーティングして電荷輸送層を形成した所謂複合二層型
の感光体もあるが、この感光体は700nm以上の光に対
して感度を有していないのが実状である。
【0004】近年、この複合二層型の感光体において、
上記欠点を改善した、即ち、半導体レーザ発振領域80
0nm前後に感度を有する感光体も多く報告されており、
これらのうち多くのものが、電荷発生材料としてフタロ
シアニン顔料を用い、その膜厚0.5〜1μm程度の電
荷発生層上に、ポリビニルカルバゾール、ピラゾリン誘
導体又はヒドラゾン誘導体とポリカーボネート樹脂又は
ポリエステル樹脂との絶縁抵抗の高い混合物を、10〜
20μmコーティングして電荷輸送層を形成し複合二層
型の感光体を形成している。
【0005】電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質とし
ては、例えば特公昭55−42380号公報のヒドラゾ
ン誘導体、特開昭62−237458号公報のエナミン
誘導体、特公昭59−9049号公報、特開昭55−7
940号公報及び特開昭61−295558号公報のベ
ンジジン誘導体、特開昭58−198043号公報のス
チルベン誘導体、及び特公昭58−32372号公報、
特開昭60−174749号公報、特開昭60−175
052号公報、特開昭61−132955号公報、特開
昭62−120346号公報、特開平1−217357
号公報、特開平4−57056号公報及び特開平4−2
92663号公報等のトリフェニルアミン誘導体等が知
られている。
【0006】トリフェニルアミン誘導体としては、N,
N−ビス(4−(p−メチルスチリル)フェニル)−N
−フェニルアミン、N,N−ビス(4−(α−フエニル
スチリル)フエニル)−N−フェニルアミン等が知られ
ているが、これらのトリフェニルアミン誘導体は、比較
的良好な電荷輸送能を有しているものの、有機溶剤に対
する溶解性が低いという欠点がある。つまり、有機溶剤
及び/又は結合剤に対する溶解度が低いために、電荷輸
送層を形成するための塗布液を調製することが困難であ
ったり、塗膜作製時にトリフェニルアミン誘導体の結晶
が析出してしまうことがある。
【0007】そこで、特開平7−173112号公報で
は、有機溶剤に対する溶解性及びポリカーボネート樹脂
等の結合剤との相溶性に優れ、高いキャリア易動度を有
する新規な化合物であるトリフェニルアミン誘導体及び
それを用いた、感度が高く、残留電位が低い電子写真感
光体が提案されている。しかし、その用途であるレーザ
ビームプリンタ等では、高画質、高精細化がさらに進ん
でおり、さらに感度が高く、残留電位が低く、かつ、暗
減衰率が高い、優れた特性を示す電子写真感光体が求め
られている。
【0008】これらの電荷輸送物質と組み合わせる電荷
発生物質としては、無金属フタロシアニン、及び銅フタ
ロシアニン、塩化アルミニウムフタロシアニン、クロロ
インジウムフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、
バナジルフタロシアニン等の金属フタロシアニン等が挙
げられる。
【0009】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや、光導電性が異なるだけでなく、結
晶型によってもこれらの物性には差があり、同じ中心金
属のフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真用感
光体用に選択されている例がいくつか報告されている。
例えば、チタニルフタロシアニンには種々の結晶型が存
在し、その結晶型の違いによって帯電性、暗減衰率、感
度等に大きな差があることが報告されている。
【0010】特開昭59−49544号公報には、チタ
ニルフタロシアニンの結晶型としては、ブラッグ角(2
θ±0.2度)の9.2度、13.1度、20.7度、
26.2度、27.1度に強い回折ピークを与えるもの
が好適であることが示されており、X線回折スペクトル
図が示されている。この結晶型のチタニルフタロシアニ
ンを電荷発生物質として用いた感光体の電子写真特性
は、暗減衰率(DDR)が85%、感度(E1/2)が
0.57lux・secである。また、特開昭59−1669
59号公報には、チタニルフタロシアニンの蒸着膜をテ
トラヒドロフランの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、
結晶型を変化させて、電荷発生層としている。
【0011】X線回折スペクトルは、ピークの数が少な
く、かつ幅が広く、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
7.5度、12.6度、13.0度、25.4度、2
6.2度及び28.6度に強い回折ピークを与えること
が示されている。この結晶型のチタニルフタロシアニン
を電荷発生材料として用いた感光体の電子写真特性は、
暗減衰率(DDR)が86%、感度(E1/2)が0.7l
ux・secである。
【0012】また、特開平2−198452号公報に
は、チタニルフタロシアニンの結晶型としては、ブラッ
グ角(2θ±0.2度)の27.3度に主たる回折ピー
クを有するものが高感度(1.7mJ/m2)であり、その
製造法として、水とo−ジクロロベンゼン混合液中で、
60℃で1時間、加熱撹拌することが示されている。ま
た、特開平2−256059号公報には、チタニルフタ
ロシアニンの結晶型としては、ブラッグ角(2θ±0.
2度)の27.3度に主たる回折ピークを有するものが
高感度(0.62lux・sec)であり、その製造法とし
て、室温下で1,2−ジクロロエタン中で撹拌すること
が示されている。また、特開昭62−194257号公
報には、2種以上のフタロシアニンを混合して用いてお
り、例えば、チタニルフタロシアニンと無金属フタロシ
アニンの混合物等を電荷発生材料として用いることが示
されている。
【0013】そこで、特開平6−175382号公報に
は、チタニルフタロシアニン及び中心金属が3価のハロ
ゲン化金属フタロシアニンを含むフタロシアニン混合物
を、アシッドペースティング法により水中に沈殿させ、
次いで、有機溶剤で処理することを特徴とする、CuK
αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の7.5度、22.5度、24.3度、2
5.3度及び28.6度に主な回折ピークを有する新規
なフタロシアニン組成物及びその製造法が提案されてい
る。また、特開平8−41373号公報では、チタニル
フタロシアニン及び中心金属が3価のハロゲン化金属フ
タロシアニンを含むフタロシアニン混合物を、アシッド
ペースティング法により水中に沈殿させ、次いで、有機
溶剤で処理することを特徴とする、CuKαのX線回折
スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
9.3度、13.1度、15.0度及び26.2度に主
な回折ピークを有する新規なフタロシアニン組成物及び
その製造法が提案されている。
【0014】これらのフタロシアニン組成物は、結晶型
変換によって感度が高く、優れた特性を示す電荷発生材
料を与えるが、その用途であるレーザビームプリンタ等
では、高画質、高精細化が進んでおり、更に高感度な特
性を有する電子写真感光体が求められている。
【0015】また、特開平6−271786号公報で
は、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ
角(2θ±0.2度)の7.5度、24.2度及び2
7.3度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組成
物及びその製造法が提案されており、更に高感度な特性
を示す。
【0016】このように、フタロシアニン類は、結晶型
の違いによって電子写真特性が大きく異なり、その結晶
型が電子写真感光体としての性能を左右する重要な因子
であり、なかでもフタロシアニン組成物は、非常に感度
が高く、優れた特性を示す電荷発生材料を与える。しか
し、その用途であるレーザビームプリンタ等では、高画
質、高精細化がさらに進んでおり、さらに感度が高く、
残留電位が低く、かつ、暗減衰率が高い、優れた特性を
示す電子写真感光体が求められている。また、電荷発生
物質と電荷輸送物質の組み合わせによって暗減衰率、感
度及び残留電位が大きく変化することが知られており、
それら特性のバランスが取れた電子写真感光体を見い出
すためには、良好な電荷発生物質と電荷輸送物質の組み
合わせに関する検討が必要である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3及び
4記載の発明は、高い感度及び低い残留電位を示し、良
好な暗減衰率を有する電子写真感光体を提供するもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基材上
に、電荷発生物質を含んだ電荷発生層及び電荷輸送物質
を含んだ電荷輸送層を有する電子写真感光体において、
電荷発生物質が、2種類以上のフタロシアニンを含むフ
タロシアニン組成物を含有し、このフタロシアニン組成
物が、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2度)の7.5度、22.5度、2
4.3度、25.3度及び28.6度に主な回折ピーク
を有するフタロシアニン組成物であり、電荷輸送物質
が、一般式〔I〕
【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである電子写真感光体に関する。
【0019】また、本発明は、導電性基材上に、電荷発
生物質を含んだ電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電
荷輸送層を有する電子写真感光体において、電荷発生物
質が、2種類以上のフタロシアニンを含むフタロシアニ
ン組成物を含有し、このフタロシアニン組成物が、Cu
KαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ
±0.2度)の9.3度、13.1度、15.0度及び
26.2度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組
成物であり、電荷輸送物質が、一般式〔I〕
【化6】 (式中、R、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである電子写真感光体に関する。
【0020】また、本発明は、導電性基材上に、電荷発
生物質を含んだ電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電
荷輸送層を有する電子写真感光体において、電荷発生物
質が、2種類以上のフタロシアニンを含むフタロシアニ
ン組成物を含有し、このフタロシアニン組成物が、Cu
KαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ
±0.2度)の7.5度、24.2度及び27.3度に
主な回折ピークを有するフタロシアニン組成物であり、
電荷輸送物質が、一般式〔I〕
【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである電子写真感光体に関する。
【0021】また、本発明は、導電性基材上に、電荷発
生物質を含んだ電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電
荷輸送層を有する電子写真感光体において、電荷発生物
質が、2種類以上のフタロシアニンを含むフタロシアニ
ン組成物を含有し、このフタロシアニン組成物が、Cu
KαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ
±0.2度)の17.9度、24.0度、26.2度及
び27.2度に主な回折ピークを有するフタロシアニン
組成物であり、電荷輸送物質が、一般式〔I〕
【化8】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである電子写真感光体に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明における導電性基材として
は、例えば、金属板(アルミニウム、アルミニウム合
金、鋼、鉄、銅等)、金属化合物板(酸化スズ、酸化イ
ンジウム、酸化クロム等)、導電性粒子(カーボンブラ
ック、銀粒子等)などを適当なバインダと共にプラスチ
ックの上に被覆した基体、プラスチック、紙、ガラス等
に蒸着やスパッタリング等で導電性を付与したものなど
が挙げられる。また、これらの基体の形状としては、例
えば、円筒状、シート等が挙げられるが、これらの形
状、寸法、表面粗度等には特に制限はない。
【0023】本発明における電荷発生物質は、2種類以
上のフタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物を
含むものであり、このような2種類以上のフタロシアニ
ンを含むフタロシアニン組成物としては、例えば、
(a)チタニルフタロシアニン及び(b)中心金属が3
価のハロゲン化金属フタロシアニンを含むフタロシアニ
ン混合物を、アシッドペースティング法により水中に沈
殿させ、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラ
ッグ角(2θ±0.2度)27.2度に特徴的な回折ピ
ークを有する沈殿物を得た後、引き続きこの沈殿物を、
有機溶剤中又は芳香族系有機溶剤及び水の混合溶媒中で
処理することにより得ることができる。
【0024】なお、一般に、フタロシアニン混合物と
は、原料に用いた2種類以上のフタロシアニンの単なる
物理的混合物であり、フタロシアニン混合物のX線回折
パターンは、原料に用いたそれぞれのフタロシアニン単
体のピークパターンの重ね合わせからなるものである。
一方、本発明における2種類以上のフタロシアニンを含
むフタロシアニン組成物とは、原料に用いたフタロシア
ニンが分子レベルで混合したものであり、X線回折パタ
ーンは、原料に用いたそれぞれのフタロシアニン単体の
ピークパターンの重ね合わせとは異なるパターンを示す
ものである。
【0025】(a)チタニルフタロシアニンとしては、
特に制限はなく、公知のものを使用することができる。
また、次のようにして作製したものを使用することもで
きる。フタロニトリル18.4g(0.144モル)を
α−クロロナフタレン120ml中に加え、窒素雰囲気下
で四塩化チタン4ml(0.0364モル)を滴下した
後、昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反
応させ、次に、100〜130℃で熱時ろ過し、α−ク
ロロナフタレン、次いでメタノールで洗浄する。次い
で、140mlのイオン交換水で加水分解(90℃で1時
間)を行い、溶液が中性になるまでこの操作を繰り返
し、メタノールで洗浄した後、100℃のN−メチルピ
ロリドンで充分に洗浄し、続いてメタノールで洗浄す
る。このようにして得られた化合物を、60℃で真空加
熱乾燥して、チタニルフタロシアニンを得ることができ
る(収率46%)。
【0026】(b)中心金属が3価のハロゲン化金属フ
タロシアニンにおいて、中心金属としての3価の金属と
しては、例えば、In、Ga、Al等が挙げられ、ハロ
ゲンとしては、例えば、Cl、Br等が挙げられる。ま
た、フタロシアニン環にハロゲン等の置換基を有してい
てもよい。これらの化合物は、公知の化合物であり、例
えば、モノハロゲン化金属フタロシアニン及びモノハロ
ゲン化金属ハロゲンフタロシアニンの合成法は、インオ
ーガニック ケミストリー〔Inorganic Chemistry〕、1
9、3131(1980)及び特開昭59−44054号公報等に
記載されている。
【0027】モノハロゲン化金属フタロシアニンは、例
えば、次のようにして製造することができる。フタロニ
トリル78.2ミリモル及び三ハロゲン化金属15.8
ミリモルを、二回蒸留して精製したキノリン100ml中
に入れ、0.5〜3時間加熱還流した後、続いて、室温
まで冷却した後、ろ過し、トルエン、アセトン、次いで
メタノールで洗浄し、さらにこれをソックスレー抽出器
を用いてメタノールで洗浄した後、60℃で真空加熱乾
燥して、モノハロゲン化金属フタロシアニンを得ること
ができる。
【0028】また、モノハロゲン化金属ハロゲンフタロ
シアニンは、例えば、次のようにして製造することがで
きる。フタロニトリル156ミリモル及び三ハロゲン化
金属37.5ミリモルを混合し、300℃で溶融してか
ら、0.5〜3時間加熱し、モノハロゲン化金属ハロゲ
ンフタロシアニンの組成物を得た後、これをソックスレ
ー抽出器を用いて、α−クロロナフタレンで洗浄し、モ
ノハロゲン化金属ハロゲンフタロシアニンを得ることが
できる。
【0029】(a)チタニルフタロシアニン及び(b)
中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニンを含む
フタロシアニン混合物の配合量は、帯電性、暗減衰、感
度等の電子写真特性の点から、(a)チタニルフタロシ
アニンの配合量が、(a)成分及び(b)成分の総量を
100重量部として、20〜95重量部とすることが好
ましく、50〜90重量部とすることがより好ましく、
65〜90重量部とすることが特に好ましく、75〜9
0重量部とすることが極めて好ましい。
【0030】上記(a)成分及び(b)成分を含むフタ
ロシアニン混合物は、アシッドペースティング法により
水中に沈殿させてアモルファス化される。例えば、フタ
ロシアニン混合物1gを濃硫酸50mlに溶解し、室温で
撹拌した後、これを氷水で冷却したイオン交換水1リッ
トル中に約1時間、好ましくは40分〜50分で滴下し
た後、ろ過により沈殿物を回収する。この後、イオン交
換水で、洗浄し、洗浄後の洗浄水のpHが、好ましくはpH
2〜5であり、より好ましくはpH3であり、かつ伝導率
が、5〜500μS/cmとなるまで沈殿物を繰り返し洗浄
し、次いで、メタノールで充分に洗浄した後、60℃で
真空加熱乾燥し、粉末が得られる。
【0031】このようにして生成した上記(a)成分及
び(b)成分からなる沈殿物の粉末は、そのCuKαの
X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.
2度)の27.2度に明瞭な回折ピークを示す以外は、
ピークが幅広くなっており明確にその値を規定できない
ものである。なお、上記洗浄後の洗浄水のpHが5を超え
ると、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2度)の27.2度の特徴的なピーク
強度が低下し、新たに6.8度に27.2度のピーク強
度より強いピークが生じ、この粉末を芳香族系有機溶剤
及び水の混合溶媒を用いて結晶変換を行っても、本発明
におけるフタロシアニン組成物を得られない傾向があ
り、また、洗浄後の洗浄水のpHが2未満又は5を超える
場合は、帯電性、暗減衰率、感度等が劣る傾向がある。
また、洗浄後の洗浄水の伝導率が5μS/cm未満又は50
0μS/cmを超える場合は、帯電性、暗減衰率、感度等が
劣る傾向がある。
【0032】次いで、上記で得られた沈殿物(アモルフ
ァス化したフタロシアニン)の粉末を、有機溶剤中又は
芳香族系有機溶剤及び水の混合溶媒中で処理することに
よって結晶型を変換することにより、本発明におけるフ
タロシアニン組成物を得ることができる。有機溶剤中で
処理する結晶型変換時に用いる有機溶剤としては、例え
ば、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、o−ジクロロベンゼン
等が挙げられる。有機溶剤中での結晶型変換処理は、例
えば、沈殿物5〜30重量部に有機溶剤100重量部を
加え、加熱温度80〜150℃、処理時間2〜6時間、
加熱処理すること等により行うことができる。
【0033】芳香族系有機溶剤及び水の混合溶媒中で処
理する結晶型変換時に用いる有機溶剤としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−ジクロロベン
ゼン等が挙げられる。この時、芳香族系有機溶剤及び水
の使用割合は、芳香族系有機溶剤/水が1/99〜99
/1(重量比)とすることが好ましく、95/5〜5/
95とすることがより好ましい。芳香族系有機溶剤及び
水の混合溶媒中での結晶型変換処理は、例えば、40〜
100℃、好ましくは60〜80℃の芳香族系有機溶剤
及び水の混合溶媒の総量100重量部を、沈殿物1〜5
重量部に1時間以上接触させること等により行うことが
できる。
【0034】接触方法としては、例えば、加熱撹拌、粉
砕及び加熱撹拌を同時に行うこと等により、電子写真感
光体の電荷発生物質として用いる場合に、安定した電子
写真特性を得ることができる。粉砕及び加熱撹拌を同時
に行う方法としては、加熱ミリング処理、ホモジナイジ
ング、ペイントシェイキング等が挙げられ、なかでも、
より安定した電子写真特性を得ることができる点から、
加熱ミリング処理が好ましい。加熱ミリング処理等の粉
砕処理に用いるメディアとしては、例えば、ジルコニア
ビーズ、アルミナビーズ等の比重が3以上の材料を用い
たビーズが好ましく、このビーズ径としては、φ0.2
〜3mmとすることが好ましく、φ0.5〜2mmとするこ
とがより好ましく、φ0.8〜1.5mmとすることが特
に好ましい。
【0035】前記した方法により得ることができる本発
明におけるフタロシアニン組成物は、CuKαのX線回
折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)
の7.5度、22.5度、24.3度、25.3度及び
28.6度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組
成物であり、ブラッグ角(2θ±0.2度)の9.3
度、13.1度、15.0度及び26.2度に主な回折
ピークを有するフタロシアニン組成物であり、ブラッグ
角(2θ±0.2度)の7.5度、24.2度及び2
7.3度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組成
物であり、ブラッグ角(2θ±0.2度)の17.9
度、24.0度、26.2度及び27.2度に主な回折
ピークを有するフタロシアニン組成物である。
【0036】前記CuKαのX線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ±0.2度)の7.5度、22.
5度、24.3度、25.3度及び28.6度に主な回
折ピークを有するフタロシアニン組成物、ブラッグ角
(2θ±0.2度)の9.3度、13.1度、15.0
度及び26.2度に主な回折ピークを有するフタロシア
ニン組成物並びにブラッグ角(2θ±0.2度)の7.
5度、24.2度及び27.3度に主な回折ピークを有
するフタロシアニン組成物は、接触方法として、加熱撹
拌することにより得ることができる、また、前記CuK
αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の17.9度、24.0度、26.2度及び
27.2度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組
成物は、接触方法として、粉砕及び加熱撹拌を同時に行
うことにより得ることができる。
【0037】本発明におけるフタロシアニン組成物を含
有する電荷発生物質には、必要に応じて、本発明の電子
写真感光体の特性等が低下しない範囲で、本発明におけ
るフタロシアニン組成物以外の電荷発生物質を併用する
ことができる。
【0038】本発明におけるフタロシアニン組成物以外
の電荷発生物質(電荷を発生する有機顔料)としては、
例えば、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ
系、ベンズイミダゾール系、多環キノン系、インジゴイ
ド系、キナクリドン系、ペリレン系、メチン系、α型、
β型、γ型、δ型、ε型、χ型等の各種結晶構造を有す
る無金属タイプ又は金属タイプのフタロシアニン系など
の電荷を発生することが知られている顔料が挙げられ
る。
【0039】これらの顔料は、例えば、特開昭47−3
7543号公報、特開昭47−37544号公報、特開
昭47−18543号公報、特開昭47−18544号
公報、特開昭48−43942号公報、特開昭48−7
0538号公報、特開昭49−1231号公報、特開昭
49−105536号公報、特開昭50−75214号
公報、特開昭53−44028号公報、特開昭54−1
7732号公報等に開示されている。
【0040】また、特開昭58−182640号公報及
びヨーロッパ特許公開第92,255号公報等に開示さ
れている、τ、τ′、η及びη′型無金属フタロシアニ
ンも使用可能である。このようなものの他に、光照射に
より電荷担体を発生する有機顔料はいずれも使用するこ
とができる。本発明におけるフタロシアニン組成物以外
の電荷発生物質を併用する場合のその配合量は、本発明
におけるフタロシアニン組成物100重量部に対して、
100重量部以下とすることが好ましい。この配合量が
100重量部を超えると、本発明の電子写真感光体の特
性が低下する傾向がある。
【0041】これらの前記した本発明におけるフタロシ
アニン組成物を含有する電荷発生物質及び必要に応じて
用いる本発明におけるフタロシアニン組成物以外の電荷
発生物質は、溶剤に均一に分散又は溶解させることによ
り、電荷発生層用塗液とすることができる。
【0042】この電荷発生層用塗液には、結合剤を配合
することが好ましい。結合剤としては、絶縁性で、通常
の状態で皮膜を形成できる樹脂並びに熱及び/又は光に
よって硬化し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限は
なく、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート
共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリホルマ
ール樹脂、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイ
ド)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアクリル
樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ
塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド樹脂、ポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピラゾリン、ポリビ
ニルピレン等が挙げられる。また、熱及び/又は光によ
って架橋される熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂も使用す
ることができる。これらの結合剤は、単独で又は2種類
以上を組み合わせて使用される。
【0043】結合剤を配合する場合の配合量は、本発明
におけるフタロシアニン組成物及び必要に応じて用いる
本発明におけるフタロシアニン組成物以外の電荷発生物
質の総量100重量部に対して、0〜500重量部とす
ることが好ましく、30〜500重量部とすることがよ
り好ましい。
【0044】また、前記電荷発生層用塗液に結合剤を配
合する場合には、必要に応じて、可塑剤、流動性付与
剤、ピンホール抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の
添加剤を添加することができる。
【0045】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、
3,3′,4,4′−テトラメチル−1,1′−ビフェ
ニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−p−ターフ
ェニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−m−ター
フェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリ
ン、ジブチルフタレート等が挙げられる。流動性付与剤
としては、例えば、モダフロー(モンサントケミカル社
製)、アクロナール4F(バズフ社製)等が挙げられ
る。ピンホール抑制剤としては、例えば、ベンゾイン、
ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0046】酸化防止剤及び紫外線吸収剤としては、例
えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、2−(5−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−
ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル〕−2Hベンゾトリアゾール、アンチゲン
FR(大内新興化学社製)等が挙げられる。これらの添
加剤は、適宜選択して使用することができ、その使用量
は、本発明におけるフタロシアニン組成物及び必要に応
じて用いる本発明におけるフタロシアニン組成物以外の
電荷発生物質の総量100重量部に対して、5重量部以
下とすることが好ましい。
【0047】電荷発生層用塗液に使用する溶剤として
は、例えば、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン、アニ
ソール等)、ケトン系溶剤(シクロヘキサノン、メチル
シクロヘキサノン等)、ハロゲン化炭化水素系溶剤(塩
化メチレン、四塩化炭素等)、アルコール系溶剤(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、1−メトキシ−2
−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール等)、エーテル
系溶剤(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、
1,4−ジオキサン等)などが挙げられる。これらの溶
剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0048】電荷発生層用塗液に使用される溶剤の使用
量は、本発明におけるフタロシアニン組成物、必要に応
じて用いる、本発明におけるフタロシアニン組成物以外
の電荷発生物質、結合剤及び添加剤の総量100重量部
に対して、900〜10000重量部とすることが好ま
しい。この使用量が900重量部未満では、好ましい電
荷発生層の厚さの上限1μm以下の電荷発生層を形成す
るのが困難となる傾向があり、10000重量部を超え
ると、電荷発生層の厚さの下限0.01μm以上の電荷
輸送層を形成するのが困難となる傾向がある。また、前
記本発明におけるフタロシアニン組成物、必要に応じて
用いる、本発明におけるフタロシアニン組成物以外の電
荷発生物質、結合剤及び添加剤を溶剤に均一に溶解させ
るために、振とう、ペイントシェーカ、メカニカル撹
拌、ホモジナイザ、ホモミキサ等を使用して溶解するこ
とができる。さらに、必要に応じて、加熱をしながら溶
解することもできる。
【0049】本発明における電荷輸送物質は、一般式
〔I〕
【化9】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
体を含有するものである。
【0050】前記一般式〔I〕において、ハロゲン原子
としては、例えば、塩素原子、臭素原子等が挙げられ
る。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基など
が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキ
シ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基などが挙げられ
る。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル
基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基等の炭
素数6〜18のアリール基などが挙げられる。
【0051】前記本発明における一般式〔I〕で表され
るトリフェニルアミン誘導体としては、具体的には、下
記のNo.1〜No.5の化合物等が挙げられる。
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】これらの中でも、上記のNo.2、No.3、N
o.5の化合物等が好ましく、No.3の化合物がより好ま
しい。
【0055】本発明におけるトリフェニルアミン誘導体
を含有する電荷輸送物質には、必要に応じて、本発明の
電子写真感光体の特性等が低下しない範囲で、本発明に
おけるトリフェニルアミン誘導体を含有する電荷輸送物
質以外の電荷輸送物質を併用することができる。
【0056】本発明におけるトリフェニルアミン誘導体
を含有する電荷輸送物質以外の電荷輸送物質としては、
例えば、高分子化合物では、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリ
ビニルベンゾチオフエン、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン等が挙げら
れ、低分子化合物では、フルオレノン、フルオレン、
2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、4H−インデノ
(1,2,6チオフエン−4−オン、3,7−ジニトロ
−ジベンゾチオフエン−5−オキサイド、1−ブロムピ
レン、2−フェニルピレン、カルバゾール、N−エチル
カルバゾール、3−フェニルカルバゾール、3−(N−
メチル−N−フェニルヒドラゾン)メチル−9−エチル
カルバゾール、2−フェニルインドール、2−フェニル
ナフタレン、オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4
−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル
−3−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、p
−(ジメチルアミノ)−スチルベン、2−(4−ジプロ
ピルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−5−(2−クロロフェニル)−1,3−オキサ
ゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−
(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロ
フェニル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジエチ
ルアミノフエニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサ
ゾール、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−4−
(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロ
フェニル)−1,3−オキサゾール、イミダゾール、ク
リセン、テトラフェン、アクリデン、トリフェニルアミ
ン、これらの誘導体、4−N′,N′−ジフェニルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、
4−N′,N′−ジトリルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、1−ビス(4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブ
タジエン、これらの誘導体等が挙げられる。
【0057】本発明におけるトリフェニルアミン誘導体
を含有する電荷輸送物質以外の電荷輸送物質を併用する
場合のその配合量は、本発明におけるトリフェニルアミ
ン誘導体100重量部に対して、100重量部以下とす
ることが好ましい。この配合量が100重量部を超える
と、本発明の電子写真感光体の特性等が低下する傾向が
ある。
【0058】これらの前記した本発明におけるトリフェ
ニルアミン誘導体を含有する電荷輸送物質及び必要に応
じて用いる本発明におけるトリフェニルアミン誘導体を
含有する電荷輸送物質以外の電荷輸送物質を、溶剤に均
一に分散又は溶解させることにより、電荷輸送層用塗液
とすることができる。
【0059】本発明におけるトリフェニルアミン誘導体
を含有する電荷輸送層用塗液には、結合剤を配合するこ
とができる。結合剤としては、絶縁性で、通常の状態で
皮膜を形成できる樹脂並びに熱及び/又は光によって硬
化し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限はなく、例
えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート共重合
体、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリホルマール樹
脂、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアクリル樹
脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩
化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド樹脂、ポリ
ビニルカルバゾール、ポリビニルピラゾリン、ポリビニ
ルピレン等が挙げられる。また、熱及び/又は光によっ
て架橋される熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂も使用する
ことができる。これらの結合剤は、単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。
【0060】結合剤を配合する場合の配合量は、本発明
におけるトリフェニルアミン誘導体及び必要に応じて用
いる本発明におけるトリフェニルアミン誘導体以外の電
荷輸送性物質の総量100重量部に対して、0〜500
重量部とすることが好ましく、30〜500重量部とす
ることがより好ましい。なお、本発明におけるトリフェ
ニルアミン誘導体及び必要に応じて用いる本発明におけ
るトリフェニルアミン誘導体以外の電荷輸送性物質が低
分子量の化合物の場合には、結合剤の配合量は、本発明
におけるトリフェニルアミン誘導体及び必要に応じて用
いる本発明におけるトリフェニルアミン誘導体以外の電
荷輸送性物質の総量100重量部に対して、50〜50
0重量部とすることが好ましい。
【0061】また、本発明におけるトリフェニルアミン
誘導体を含有する電荷輸送層用塗液には、必要に応じ
て、可塑剤、流動性付与剤、ピンホール抑制剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加することができ
る。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、3,3′,
4,4′−テトラメチル−1,1′−ビフェニル、3,
3″,4,4″−テトラメチル−p−ターフェニル、
3,3″,4,4″−テトラメチル−m−ターフェニ
ル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジブ
チルフタレート等が挙げられる。流動性付与剤として
は、例えば、モダフロー(モンサントケミカル社製)、
アクロナール4F(バズフ社製)等が挙げられる。ピン
ホール抑制剤としては、例えば、ベンゾイン、ジメチル
フタレート等が挙げられる。
【0062】酸化防止剤及び紫外線吸収剤としては、例
えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、2−(5−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−
ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル〕−2Hベンゾトリアゾール、アンチゲン
FR(大内新興化学社製)等が挙げられる。
【0063】これらの添加剤は、適宜選択して使用する
ことができ、その使用量は、本発明におけるトリフェニ
ルアミン誘導体及び必要に応じて用いる本発明における
トリフェニルアミン誘導体以外の電荷輸送性物質の総量
100重量部に対して、5重量部以下とすることが好ま
しい。
【0064】本発明におけるフェニルアミン誘導体を含
有する電荷輸送層用塗液に使用される溶剤としては、例
えば、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン、アニソール
等)、ケトン系溶剤(シクロヘキサノン、メチルシクロ
ヘキサノン等)、ハロゲン化炭化水素系溶剤(塩化メチ
レン、四塩化炭素等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン
等)などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0065】本発明におけるフェニルアミン誘導体を含
有する電荷輸送層用塗液に使用される溶剤の使用量は、
本発明におけるトリフェニルアミン誘導体、必要に応じ
て用いる本発明におけるトリフェニルアミン誘導体以外
の電荷輸送物質、結合剤及び添加剤の総量100重量部
に対して、250〜1000重量部とすることが好まし
い。この使用量が250重量部未満では、好ましい電荷
輸送層の厚さの上限50μm以下の電荷輸送層を形成す
るのが困難となる傾向があり、1000重量部を超える
と、電荷輸送層の厚さの下限5μm以上の電荷輸送層を
形成するのが困難となる傾向がある。また、電荷輸送物
質を溶剤に均一に分散又は溶解させるために、振とう、
ペイントシェーカ、メカニカル撹拌、ホモジナイザ、ホ
モミキサ等を使用して溶解することができる。さらに、
必要に応じて、加熱しながら溶解することもできる。
【0066】本発明の電子写真感光体において、導電性
基材上に、電荷発生層及び電荷輸送層を形成する方法と
しては、例えば、前記電荷発生層用塗液及び電荷輸送層
用塗液を、導電性基材上に、塗布し、乾燥する方法等が
挙げられる。
【0067】電荷発生層用塗液及び電荷輸送層用塗液
を、導電性基材上に塗布する方法としては、例えば、ス
ピンコート法、浸漬塗工法等が挙げられる。スピンコー
ト法としては、電荷発生層用塗液及び電荷輸送層用塗液
を用いて、回転数が500〜4000rpmでスピンコー
ティングすることが挙げられ、また、浸漬塗工法として
は、電荷発生層用塗液及び電荷輸送層用塗液に、導電性
基板を浸漬することが挙げられる。
【0068】本発明の電子写真感光体における電荷発生
層の厚さは、0.01〜1μmとすることが好ましく、
0.1〜0.5μmとすることがより好ましい。電荷発
生層の厚さが0.01μm未満では、電荷発生層を均一
に形成するのが困難となる傾向があり、1μmを超える
と、電子写真特性が低下する傾向がある。本発明の電子
写真感光体における電荷輸送層の厚さは、5〜50μm
とすることが好ましく、15〜30μmとすることがよ
り好ましい。電荷輸送層の厚さが5μm未満では、初期
電位が低くなる傾向があり、50μmを超えると、感度
が低下する傾向がある。
【0069】本発明の電子写真感光体には、前記のよう
にして電荷発生層及び電荷輸送層が形成される。この場
合の、電荷発生層と電荷輸送層は、どちらを上層として
もよく、電荷発生層を二層の電荷輸送層ではさむように
することもできる。本発明の電子写真感光体には、更
に、導電性基材のすぐ上に、薄い接着層又はバリア層を
有していてもよく、表面に保護層を有していてもよい。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 製造例1 (フタロシアニン組成物(I)の作製)チタニルフタロ
シアニン36g及び塩化インジウムフタロシアニン12
gからなるフタロシアニン混合物48gを、硫酸2.4
リットルに溶解し、室温で30分間撹拌した後、これを
氷水で冷却したイオン交換水48リットルに、50分間
かけて滴下し、再沈させた。さらに、冷却下で30分間
撹拌した後、ろ過により沈殿物を分離した。1回目の洗
浄として、沈殿物に洗浄水として、イオン交換水4リッ
トルを加え、撹拌し、次いで、ろ過により沈殿物を回収
した。同様の洗浄操作を、さらに、4回続けて行い、5
回目の操作で、ろ過した洗浄水(すなわち洗浄後の洗浄
水)のpH及び伝導率を測定した(23℃)。
【0071】洗浄水のpHは3.4であり、伝導率は6
5.0μS/cmであった。なお、pHの測定には、横河電機
社製モデルPH51を使用し、伝導率の測定は、柴田科
学器械工業社製モデルSC−17Aを使用した。
【0072】この後、メタノール4リットルで3回洗浄
した後、60℃で4時間真空加熱乾燥し、得られた沈殿
物を乾燥した。得られた乾燥物のX線回折スペクトルを
測定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の27.
2度に明瞭なピークを示していた。なお、このX線回折
スペクトルを図1に示した。なお、X線回折スペクトル
は、理学電機(株)製RAD−IIIAを使用して測定し
た。
【0073】次いで、この乾燥物10gに、1−メチル
−2−ピロリドン100mlを加え、150℃で1時間加
熱撹拌し、冷却後、ろ過した後、メタノールで充分洗浄
して、60℃で4時間真空加熱乾燥し、フタロシアニン
組成物(I)の結晶を得た。得られたフタロシアニン組
成物(I)の結晶のX線回折スペクトルを測定した結
果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の7.5度、22.
5度、24.3度、25.3度及び28.6度に主な回
折ピークを示していた。なお、このX線回折スペクトル
を図2に示した。
【0074】製造例2 (フタロシアニン組成物(II)の作製)製造例1におい
て、チタニルフタロシアニン45g及び塩化インジウム
フタロシアニン15gからなるフタロシアニン混合物6
0gを硫酸1.2リットルに溶解した以外は、実施例1
と同様にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物10gに、
1−メチル−2−ピロリドン100mlを加え、150℃
で1時間加熱撹拌し、冷却後、ろ過した後、メタノール
で充分洗浄して、60℃で4時間真空加熱乾燥し、フタ
ロシアニン組成物(II)の結晶を得た。得られたフタロ
シアニン組成物(II)の結晶のX線回折スペクトルを測
定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の9.3
度、13.1度、15.0度及び26.2度に主な回折
ピークを示していた。なお、このX線回折スペクトルを
図3に示した。
【0075】製造例3 (フタロシアニン組成物(III)の作製)製造例1と同
様にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物2gに、イオン
交換水140g及びトルエン50gを加え、60〜70
℃で5時間加熱撹拌し、遠心分離を行い、上澄み液を除
去後、メタノールで充分洗浄して、60℃で4時間真空
加熱乾燥し、フタロシアニン組成物(III)の結晶を得
た。得られたフタロシアニン組成物(III)の結晶のX
線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の7.5度、24.2度及び27.3度に主
な回折ピークを示していた。なお、このX線回折スペク
トルを図4に示した。
【0076】製造例4 (フタロシアニン組成物(IV)の作製)製造例1と同様
にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物10gに、イオン
交換水700g、トルエン250g及び1mmφジルコニ
アビーズ1kgを加え、60〜70℃で5時間粉砕及び加
熱撹拌し、冷却後、ろ過、遠心分離を行い、溶剤を除去
後、メタノールで充分洗浄して、60℃で4時間真空加
熱乾燥し、フタロシアニン組成物(IV)の結晶を得た。
得られたフタロシアニン組成物(IV)の結晶のX線回折
スペクトルを測定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2
度)の17.9度、24.0度、26.2度及び27.
2度に主な回折ピークを示していた。なお、このX線回
折スペクトルを図5に示した。
【0077】製造例5 (電荷発生層用塗液(1)の作製)製造例1で得られた
フタロシアニン組成物(I)の結晶1.5g、ポリビニ
ルブチラール樹脂(エスレックBL−S(積水化学(株)
製))0.9g、メラミン樹脂(ML365(日立化成
工業(株)製商品名、固形分60重量%))0.167
g、2−エトキシエタノール50g及びテトラヒドロフ
ラン50gを配合し、ボールミルで分散して電荷発生層
用塗液(1)を作製した。
【0078】製造例6 (電荷発生層用塗液(2)の作製)製造例5において、
製造例1で得られたフタロシアニン組成物(I)の結晶
を、製造例2で得られたフタロシアニン組成物(II)の
結晶に代えた以外は、製造例5と同様にして、電荷発生
層用塗液(2)を作製した。
【0079】製造例7 (電荷発生層用塗液(3)の作製)製造例5において、
製造例1で得られたフタロシアニン組成物(I)の結晶
を、製造例3で得られたフタロシアニン組成物(III)
の結晶に代えた以外は、製造例5と同様にして、電荷発
生層用塗液(3)を作製した。
【0080】製造例8 (電荷発生層用塗液(4)の作製)製造例5において、
製造例1で得られたフタロシアニン組成物(I)の結晶
を、製造例4で得られたフタロシアニン組成物(IV)の
結晶に代えた以外は、製造例5と同様にして、電荷発生
層用塗液(4)を作製した。
【0081】製造例9 (電荷輸送層用塗液(1)の作製)前記例示化合物No.
3のトリフェニルアミン誘導体10.5g、ポリカーボ
ネート共重合体BPPC(出光興産製、重量平均分子量
=50,000)19.5g、テトラヒドロフラン15
0gを配合し、メカニカル撹拌装置を用いて均一に溶解
させ、電荷輸送層用塗液(1)を作製した。
【0082】製造例10 (電荷輸送層用塗液()の作製)下記のブタジエン誘
導体(T−1)15g、ポリカーボネート共重合体BP
PC(出光興産製、重量平均分子量=50,000)1
5g、テトラヒドロフランを130gを配合し、メカニ
カル撹拌装置を用いて均一に溶解させ、電荷輸送層用塗
液()を作製した。
【化12】
【0083】製造例11 (電荷輸送層用塗液()の作製)比較例1において、
ブタジエン誘導体(T−1)を、下記のフッ素ベンジジ
ン誘導体(T−2)に代えた以外は、比較例1と同様に
して、電荷輸送層用塗液()を作製した。
【化8】
【0084】実施例1 (電子写真感光体(A)の作製) 〔下引き層の形成〕アルコール可溶ポリアミド樹脂(M
1276(日本リルサン(株)製商品名))26.6重量
部、メラミン樹脂(ML2000(日立化成工業(株)製
商品名、固形分50重量%))52.3重量部及び無水
トリメリツト酸(和光純薬工業(株)製)2.8重量部
を、エタノール620重量部と1,1,2−トリクロロ
エタン930重量部に溶解して塗布液を作製した。得ら
れた塗布液を、浸漬塗工法により、アルミニウム板(導
電性基材、10mm×100mm×0.1mm)上に塗布し、
140℃で30分間乾燥して、厚さが0.3μmの下引
き層を形成した。
【0085】〔電荷発生層の形成〕次いで、製造例5で
得られた電荷発生層用塗液(1)を、浸漬塗工法によ
り、上記アルミニウム基板の下引き層の上に塗布し、1
20℃で30分間乾燥して、厚さが0.2μmの電荷発
生層を形成した。 〔電荷輸送層の形成〕次いで、製造例9で得られた電荷
輸送層用塗液(1)を、浸漬塗工法により、上記アルミ
ニウム基板の電荷発生層の上に塗布し、120℃で30
分間乾燥して、厚さが23μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体(A)を作製した。
【0086】得られた電子写真感光体(A)の電子写真
特性(感度、残留電位、暗減衰率)を測定し、結果を表
1に示した。なお、電子写真特性は、シンシア30HC
(緑屋電気(株)製)を使用し、コロナ帯電方式で感光体
を−650Vまで帯電させ、780nmの単色光を25ms
感光体に露光し、測定を行った。上記の特性の定義は、
以下の通りである。 感度(E1/2):初期帯電電位−650Vを、露光0.
2秒後に半減させるために要する、780nmの単色光の
照射エネルギー量である。 残留電位(VLt):同波長の20mJ/m2の単色光を露光
し、露光後t秒後に感光体の表面に残る電位である。暗
減衰率(DDRt)は、感光体の初期帯電電位−650
Vと、初期帯電後暗所t秒放置後の、表面電位Vt(−
V)を用いて、(Vt/650)×100(%)と定義
した。
【0087】実施例2 (電子写真感光体(B)の作製)実施例1において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例6
で得られた電荷発生層用塗液(2)に代えた以外は、実
施例1と同様にして、電子写真感光体(B)を作製し
た。得られた電子写真感光体(B)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0088】実施例3 (電子写真感光体(C)の作製)実施例1において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例7
で得られた電荷発生層用塗液(3)に代えた以外は、実
施例1と同様にして、電子写真感光体(C)を作製し
た。得られた電子写真感光体(C)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0089】実施例4 (電子写真感光体(D)の作製)実施例1において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例8
で得られた電荷発生層用塗液(4)に代えた以外は、実
施例1と同様にして、電子写真感光体(D)を作製し
た。得られた電子写真感光体(D)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0090】比較例1 (電子写真感光体(a)の作製)実施例1において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
0で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例1と同様にして、電子写真感光体(a)を作製し
た。得られた電子写真感光体(a)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0091】比較例2 (電子写真感光体(b)の作製)実施例1において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
1で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例1と同様にして、電子写真感光体(b)を作製し
た。得られた電子写真感光体(b)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0092】比較例3 (電子写真感光体(c)の作製)実施例2において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
0で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例2と同様にして、電子写真感光体(c)を作製し
た。得られた電子写真感光体(c)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0093】比較例4 (電子写真感光体(d)の作製)実施例2において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
1で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例2と同様にして、電子写真感光体(d)を作製し
た。得られた電子写真感光体(d)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0094】比較例5 (電子写真感光体(e)の作製)実施例3において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
0で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例3と同様にして、電子写真感光体(e)を作製し
た。得られた電子写真感光体(e)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0095】比較例6 (電子写真感光体(f)の作製)実施例3において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
1で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例3と同様にして、電子写真感光体(f)を作製し
た。得られた電子写真感光体(f)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0096】比較例7 (電子写真感光体(g)の作製)実施例4において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
0で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例4と同様にして、電子写真感光体(g)を作製し
た。得られた電子写真感光体(g)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0097】比較例8 (電子写真感光体(h)の作製)実施例4において、製
造例9で得られた電荷輸送層用塗液(1)を、製造例1
1で得られた電荷輸送層用塗液()に代えた以外は、
実施例4と同様にして、電子写真感光体(h)を作製し
た。得られた電子写真感光体(h)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例1と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0098】
【表1】
【0099】表1から、本発明の電子写真感光体(実施
例1〜実施例4)は、高い感度、低い残留電位及び良好
な暗減衰率を示すことがわかる。また、比較例1〜比較
例4の電子写真感光体は、感度が低く、残留電位が高
く、暗減衰率も劣っていた。また、比較例5及び比較例
7の電子写真感光体は、暗減衰率が劣っており、比較例
6及び比較例8の電子写真感光体は、残留電位が高く、
本発明の電子写真感光体よりも劣るものであった。
【0100】
【発明の効果】請求項1、2、3及び4記載の電子写真
感光体は、高い感度及び低い残留電位を示し、良好な暗
減衰率を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1において得られた乾燥物のX線回折ス
ペクトルである。
【図2】製造例1において得られたフタロシアニン組成
物(I)の結晶のX線回折スペクトルである。
【図3】製造例2において得られたフタロシアニン組成
物(II)の結晶のX線回折スペクトルである。
【図4】製造例3において得られたフタロシアニン組成
物(III)の結晶のX線回折スペクトルである。
【図5】製造例4において得られたフタロシアニン組成
物(IV)の結晶のX線回折スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 茂 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材上に、電荷発生物質を含んだ
    電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層を有す
    る電子写真感光体において、電荷発生物質が、2種類以
    上のフタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有
    し、このフタロシアニン組成物が、CuKαのX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
    7.5度、22.5度、24.3度、25.3度及び2
    8.6度に主な回折ピークを有するフタロシアニン組成
    物であり、電荷輸送物質が、一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
    体を含有するものである電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性基材上に、電荷発生物質を含んだ
    電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層を有す
    る電子写真感光体において、電荷発生物質が、2種類以
    上のフタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有
    し、このフタロシアニン組成物が、CuKαのX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
    9.3度、13.1度、15.0度及び26.2度に主
    な回折ピークを有するフタロシアニン組成物であり、電
    荷輸送物質が、一般式〔I〕 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
    体を含有するものである電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性基材上に、電荷発生物質を含んだ
    電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層を有す
    る電子写真感光体において、電荷発生物質が、2種類以
    上のフタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有
    し、このフタロシアニン組成物が、CuKαのX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
    7.5度、24.2度及び27.3度に主な回折ピーク
    を有するフタロシアニン組成物であり、電荷輸送物質
    が、一般式〔I〕 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
    体を含有するものである電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性基材上に、電荷発生物質を含んだ
    電荷発生層及び電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層を有す
    る電子写真感光体において、電荷発生物質が、2種類以
    上のフタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有
    し、このフタロシアニン組成物が、CuKαのX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
    17.9度、24.0度、26.2度及び27.2度に
    主な回折ピークを有するフタロシアニン組成物であり、
    電荷輸送物質が、一般式〔I〕 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、各々独立に、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アリール基を示す)で表されるトリフェニルアミン誘導
    体を含有するものである電子写真感光体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11282179A (ja) * 1998-03-31 1999-10-15 Shindengen Electric Mfg Co Ltd 電子写真感光体
JP2009116212A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Kyocera Mita Corp 積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法
JP2015105972A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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