JPH08176455A - フタロシアニン組成物の製造法、これを用いた電子写真感光体及び電荷発生層用塗液 - Google Patents

フタロシアニン組成物の製造法、これを用いた電子写真感光体及び電荷発生層用塗液

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JPH08176455A
JPH08176455A JP32486394A JP32486394A JPH08176455A JP H08176455 A JPH08176455 A JP H08176455A JP 32486394 A JP32486394 A JP 32486394A JP 32486394 A JP32486394 A JP 32486394A JP H08176455 A JPH08176455 A JP H08176455A
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phthalocyanine
phthalocyanine composition
ray diffraction
composition
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JP32486394A
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Megumi Matsui
恵 松井
Yoshii Morishita
芳伊 森下
Shigeru Hayashida
茂 林田
Takayuki Akimoto
孝幸 秋元
Mikio Itagaki
幹男 板垣
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0001Post-treatment of organic pigments or dyes
    • C09B67/0014Influencing the physical properties by treatment with a liquid, e.g. solvents
    • C09B67/0016Influencing the physical properties by treatment with a liquid, e.g. solvents of phthalocyanines

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い感度を示し、繰り返し安定性の良好なフ
タロシアニン組成物の製造法、それを用いた電子写真感
光体及び電荷発生層用塗液を提供する。 【構成】 チタニルフタロシアニン及び中心金属が、3
価のハロゲン化金属フタロシアニンを含むフタロシアニ
ン組成物(A)を、芳香族系有機溶剤/水の混合溶媒
で、少なくとも1回処理することを特徴とするフタロシ
アニン組成物(B)の製造法、それを用いた電子写真感
光体及び電荷発生層用塗液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い感度を有するフタ
ロシアニン組成物の製造法、それを用いた電子写真感光
体及び電荷発生層用塗液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真感光体としては、アルミ
ニウム等の導電性基板の上に50μm程度のセレン(S
e)膜を、真空蒸着法により形成したものがある。しか
し、このSe感光体は、波長500nm付近までしか感度
を有していない等の問題がある。また、導電性基板の上
に50μm程度のSe層を形成し、この上に更に数μm
のセレン−テルル(Se−Te)合金層を形成した感光
体があるが、この感光体は、上記Se−Te合金のTe
の含有率が高い程、分光感度が長波長にまで伸びる反
面、Teの添加量が増加するにつれて、表面電荷の保持
特性が不良となり、事実上、感光体として使用できなく
なるという重大な問題がある。
【0003】また、アルミニウム基板の上に1μm程度
のクロロシアンブルー又はスクウアリリウム酸誘導体を
コーティングして電荷発生層を形成し、この上に絶縁抵
抗の高いポリビニルカルバゾール又はピラゾリン誘導体
とポリカーボネート樹脂との混合物を10〜20μmコ
ーティングして電荷輸送層を形成した、所謂複合二層型
の感光体もあるが、この感光体は700nm以上の光に対
して感度を有していないのが実状である。
【0004】近年、この複合二層型の感光体において、
上記欠点を改善された、半導体レーザ発振領域800nm
前後に感度を有する感光体も多く報告されているが、こ
れらのうち多くのものが、電荷発生材料としてフタロシ
アニン顔料を用い、その膜厚が0.5〜1μm程度の電
荷発生層上に、ポリビニルカルバゾール又はピラゾリン
誘導体かヒドラゾン誘導体とポリカーボネート樹脂かポ
リエステル樹脂との絶縁抵抗の高い混合物を10〜20
μmコーティングして電荷輸送層を形成し、複合二層型
の感光体を形成している。フタロシアニン類は、中心金
属の種類により、吸収スペクトルや光導電性が異なるだ
けでなく、結晶型によっても、これらの物性には差があ
り、同じ中心金属のフタロシアニンでも、特定の結晶型
が電子写真用感光体用に選択されている例がいくつか報
告されている。
【0005】チタニルフタロシアニンには種々の結晶形
が存在し、その結晶形の違いによって帯電性、暗減衰、
感度等に大きな差があることが報告されている。特開平
3−27898号公報には、ブラッグ角(2θ±0.2
度)が、7.6度、10.2度、12.6度、13.2
度、15.1度、16.2度、17.2度、18.3
度、22.5度、24.2度、25.3度及び28.6
度に主なX線回折ピークを有する、α形チタニルフタロ
シアニンを電荷発生材料として用いた感光体が開示され
ており、分光感度は、3.2mJ/m2とされている。特開
平3−258860号公報には、ブラッグ角(2θ±
0.2度)が、27.3度に主なX線回折ピークを有す
る、D型チタニルフタロシアニンを電荷発生材料として
用いた感光体が開示されており、白色光感度は、0.4
1lux・secとされている。特開平4−221961号公
報には、ブラッグ角(2θ±0.2度)が、9.5度及
び27.2度に主なX線回折ピークを有する、Y型チタ
ニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いた感光体
が開示されており、白色光感度は、0.37lux・secと
されている。
【0006】特開平4−257867号公報には、ブラ
ッグ角(2θ±0.2度)が、9.0度、14.2度、
23.9度及び27.1度に主なX線回折ピークを有す
る、I型チタニルフタロシアニンを電荷発生材料として
用いた感光体が開示されており、分光感度は、2.1mJ
/m2とされている。特開平2−198453号公報に
は、ブラッグ角(2θ±0.2度)が、9.3度、2
6.2度に主なX線回折ピークを有する、β型チタニル
フタロシアニンを電荷発生材料として用いた感光体が開
示されており、分光感度は、3.2mJ/m2とされてい
る。このように、フタロシアニン類は、結晶形の違いに
よって電子写真特性が大きく異なり、その結晶形が電子
写真感光体としての性能を左右する重要な因子である。
【0007】特開昭62−194257号公報には、2
種以上のフタロシアニンを混合して用いる例として、チ
タニルフタロシアニンと無金属フタロシアニンの混合物
を電荷発生材料として用いることが示されている。この
ようにチタニルフタロシアニンは、結晶形変換によって
非常に感度が高く、優れた特性を示している。しかし、
その用途であるレーザプリンタ等では、高画質、高精細
化が進んでおり、更に高感度な特性を有する電子写真感
光体が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い感度を
示し、繰り返し安定性の良好なフタロシアニン組成物の
製造法、それを用いた電子写真感光体及び電荷発生層用
塗液を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタニルフタ
ロシアニン及び中心金属が、3価のハロゲン化金属フタ
ロシアニンを含むフタロシアニン組成物(A)を、芳香
族有機溶剤/水の混合溶媒で、少なくとも1回処理する
ことを特徴とするフタロシアニン組成物(B)の製造法
に関する。また、本発明は、導電性基材上に有機光導電
性物質を含有する光導電層を有する電子写真感光体にお
いて、この有機光導電性物質が、前記製造法により得ら
れたフタロシアニン組成物(B)である電子写真感光体
に関する。また、本発明は、前記製造法により得られた
フタロシアニン組成物(B)を電荷発生材料として含有
する電荷発生層と、一般式(I)
【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を示し、
2個のR3はそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル
基を示し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、アリー
ル基を示し、p、q、r及びsはそれぞれ独立して、0
〜5の整数である)で表されるベンジジン誘導体を電荷
輸送物質として含有する電荷輸送層を有する複合型電子
写真感光体に関する。また、本発明は、前記製造法によ
り得られたフタロシアニン組成物(B)を含有する電荷
発生層用塗液に関する。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明で
用いられるフタロシアニン組成物としては、公知のもの
を使用できるが、高感度で、好ましいものとしては、例
えば、チタニルフタロシアニンと塩化インジウムフタロ
シアニンの混晶、チタニルフタロシアニンと塩化インジ
ウムフタロシアニンの塩素化誘導体化合物の混晶等が挙
げられる。このようなフタロシアニン組成物は、下記の
ようにして製造することができる。
【0011】フタロニトリル18.4g(0.144モ
ル)をα−クロロナフタレン120ml中に加え、次に窒
素雰囲気下で四塩化チタン4ml(0.0364モル)を
滴下する。滴下後、昇温し、撹拌しながら200〜22
0℃で3時間反応させた後、100〜130℃で加熱し
ながらろ過して、α−クロロナフタレン、ついでメタノ
ールで洗浄する。140mlのイオン交換水で加水分解
(90℃、1時間)を行い、溶液が中性になるまでこの
操作を繰り返した後、メタノールで洗浄する。次に、1
00℃のN−メチル−2−ピロリドンで充分に洗浄し、
続いてメタノールで洗浄する。このようにして得られた
化合物を60℃で真空加熱乾燥して、チタニルフタロシ
アニンが得られる(収率46%)。
【0012】本発明で用いられる中心金属が3価のハロ
ゲン化金属フタロシアニンの、中心金属としては、例え
ば、In、Ga、Al等が挙げられる。また、ハロゲン
としては、例えば、Cl、Br等が挙げられ、フタロシ
アニン環にハロゲン等の置換基を有していてもよい。こ
の化合物は、公知の化合物であり、これらのうち、モノ
ハロゲン化金属フタロシアニン及びモノハロゲン化金属
ハロゲンフタロシアニンの合成法は、インオーガニック
ケミストリー〔Inorganic Chemistry〕,19,3131(198
0)及び特開昭59−44054号公報に記載されてい
る。
【0013】モノハロゲン化金属フタロシアニンは、次
のようにして製造することができる。フタロニトリル7
8.2ミリモル及び三ハロゲン化金属15.8ミリモル
を、二回蒸留し、脱酸素した、キノリン100ml中に入
れ、0.5〜3時間加熱還流した後、放冷し、0℃まで
冷した後、ろ過し、得られた結晶を、メタノール、トル
エン、ついでアセトンで洗浄し、110℃で乾燥する。
【0014】また、モノハロゲン化金属ハロゲンフタロ
シアニンは、次のようにして製造することができる。フ
タロニトリル156ミリモル及び三ハロゲン化金属3
7.5ミリモルを混合して300℃で溶融してから0.
5〜3時間加熱し、モノハロゲン化金属ハロゲンフタロ
シアニンの粗製物を得た。これをソックスレー抽出器を
用いて、α−クロロナフタレンで洗浄する。
【0015】チタニルフタロシアニンと塩化インジウム
フタロシアニンの混晶又はチタニルフタロシアニンと塩
化インジウムフタロシアニンの塩素化誘導体の混晶から
なるフタロシアニン組成物の組成比率は、チタニルフタ
ロシアニンの含有率が、20〜95重量%の範囲である
ことが好ましく、50〜90重量%の範囲であることが
より好ましく、65〜90重量%の範囲が特に好まし
く、75〜90重量%の範囲であることが極めて好まし
い。チタニルフタロシアニンの含有率が、20重量%未
満であったり、95重量%を超えると、帯電性、暗減
衰、感度等の電子写真特性が劣る傾向がある。
【0016】本発明で使用されるフタロシアニン組成物
(A)は、例えば、チタニルフタロシアニンと塩化イン
ジウムフタロシアニンの混晶、チタニルフタロシアニン
と塩化インジウムフタロシアニンの塩素化誘導体の混晶
等であり、二つのフタロシアニンの単純な混合物から、
アシッドペースティング処理及び溶剤処理により以下の
ように製造することができる。
【0017】二つのフタロシアニンの混合物1gを濃硫
酸50mlに溶解し、室温で撹拌した後、これを氷水で冷
却したイオン交換水1リットル中に約1時間、好ましく
は40分〜50分間かけて滴下し、再沈させる。一晩放
置後、デカンテーションにより、上澄み液を除去した
後、遠心分離により沈殿物を回収する。その後、イオン
交換水を洗浄水として、洗浄水の洗浄後のpHが2〜5
で、かつ伝導率が5〜500μS/cmとなるまで沈殿物を
繰り返し洗浄する。洗浄液のpHが5を超えると、以下に
示す溶剤処理をしても目的の混晶が得られず、一方、pH
が2未満では得られた混晶を用いて製造した感光体が満
足すべき電子写真特性が得られない。次いで、メタノー
ルで充分に洗浄した後、60℃で真空加熱乾燥し粉末を
得る。
【0018】このようにして得られた混晶を、有機溶剤
又は有機溶剤/水の混合溶剤で処理することにより、結
晶変換し、CuKαのX線回折スペクトルにおいてブラ
ッグ角(2θ±0.2度)が、7.5度、22.5度、
24.3度、25.3度及び28.6度又は7.4度、
24.2度及び27.3度に、特長的なX線回折ピーク
を有するフタロシアニン組成物(A)が得られる。
【0019】また、二つのフタロシアニン混合物1g
を、混合物の重量比で40倍以下の濃硫酸に溶解し、前
記と同様に洗浄したフタロシアニンの混晶を、有機溶剤
で処理することにより、結晶変換し、CuKαのX線回
折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2度)
が、9.3度、13.1度、15.0度及び26.2度
に特徴的なX線回折ピークを有するフタロシアニン組成
物(A)が得られる。
【0020】沈殿物の処理に使用される有機溶剤として
は、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノール等)、脂環族炭化水素
(n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等)、芳香
族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エー
テル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル等)、ケトン類(アセテ
ートセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、イソホロン等)、エステル類(酢酸メチ
ル、酢酸エチル等)、非塩素系有機溶剤(ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、フェノール、クレゾ
ール、アニソール、ニトロベンゼン、アセトフェノン、
ベンジルアルコール、ピリジン、N−メチル−2−ピロ
リドン、キノリン、テトラリン、ピコリン等)、塩素系
有機溶剤(ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロ
ロエタン、テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロホ
ルム、クロロメチルオキシラン、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等)などが挙げられる。これらのうち芳香
族炭化水素及び非塩素系有機溶剤が好ましく、そのうち
でもN−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トルエン
及びテトラリンが好ましい。これらの有機溶剤は、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。沈殿物の
処理に使用される有機溶剤と水の使用割合は、有機溶剤
/水(重量比)が1/99〜99/1であることが好ま
しく、20/80〜99/1であることがより好まし
い。この有機溶剤/水の使用割合が、1/99未満であ
ると、結晶変換効率が低下する傾向がある。また、水に
対する沈殿物の量は、1〜50重量%であることが好ま
しい。
【0021】次に、前記フタロシアニン組成物(A)
を、更に、芳香族有機溶剤/水の混合溶媒で処理するこ
とにより、本発明のフタロシアニン組成物(B)を得る
ことができる。本発明に用いられる、芳香族系有機溶剤
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ
る。これらの芳香族系有機溶剤は、単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。また、芳香族系有機溶剤
と水の使用割合は、芳香族系有機溶剤/水(重量比)が
1/99〜99/1であることが好ましく、20/80
〜99/1であることがより好ましい。この芳香族系有
機溶剤/水の使用割合が、1/99未満又は99/1を
超えると、結晶変換効率が低下する傾向がある。なお、
水に対する沈殿物の量は、1〜50重量%であることが
好ましい。
【0022】本発明における処理は、20〜100℃の
芳香族系有機溶剤/水の混合溶媒を、フタロシアニン組
成物(A)に少なくとも1回1時間以上接触させること
により行うことができる。また、接触方法としては、ス
ターラによる加熱撹拌又はボールミル等によるミリング
でもよい。
【0023】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
の上に光導電層を設けたものである。本発明において、
光導電層とは、有機光導電性物質を含む層であり、例え
ば、有機光導電性物質の単層型被膜、有機光導電性物質
と結合剤を含む単層型被膜、電荷発生層と電荷輸送層か
らなる複合型被膜等が挙げられる。
【0024】有機光導電性物質としては、必須成分とし
ての前記フタロシアニン組成物(B)に、電荷発生物質
(電荷を発生する有機顔料)及び/又は電荷輸送性物質
を併用することが好ましい。また、電荷発生層には、前
記フタロシアニン組成物(B)及び/又は電荷発生物質
が含まれ、電荷輸送層には電荷輸送性物質が含まれる。
【0025】電荷発生物質としては、アゾキシベンゼン
系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズイミダゾール
系、多環キノン系、インジゴイド系、キナクリドン系、
ペリレン系、メチン系、α型、β型、γ型、δ型、ε
型、χ型等の各種結晶構造を有する無金属タイプ又は金
属タイプのフタロシアニン系などの電荷を発生すること
が知られている顔料が使用できる。これらの顔料は、例
えば、特開昭47−37543号公報、特開昭47−3
7544号公報、特開昭47−18543号公報、特開
昭47−18544号公報、特開昭48−43942号
公報、特開昭48−70538号公報、特開昭49−1
231号公報、特開昭49−105536号公報、特開
昭50−75214号公報、特開昭53−44028号
公報、特開昭54−17732号公報等に開示されてい
る。また、特開昭58−182640号公報及びヨーロ
ッパ特許公開第92,255号公報等に開示されてい
る、τ、τ′、η及びη′型無金属フタロシアニンも使
用可能である。このようなもののほか、光照射により電
荷担体を発生する有機顔料はいずれも使用可能である。
【0026】電荷輸送性物質としては、高分子化合物の
ものと低分子化合物のものが挙げられる。高分子化合物
のものとしては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビ
ニルベンゾチオフエン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン等が挙げられ
る。また、低分子化合物のものとしては、例えば、フル
オレノン、フルオレン、2,7−ジニトロ−9−フルオ
レノン、4H−インデノ(1,2,6)チオフエン−4
−オン、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフエン−5−
オキサイド、1−ブロムピレン、2−フェニルピレン、
カルバゾール、N−エチルカルバゾール、3−フェニル
カルバゾール、3−(N−メチル−N−フェニルヒドラ
ゾン)メチル−9−エチルカルバゾール、2−フェニル
インドール、2−フェニルナフタレン、オキサジアゾー
ル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−3−
(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチル
アミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリン、p−(ジメチルアミノ)−
スチルベン、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロ
ロフェニル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジメ
チルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキ
サゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−
(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロ
フェニル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジプロ
ピルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキ
サゾール、イミダゾール、クリセン、テトラフェン、ア
クリデン、トリフェニルアミン、ベンジジン、これらの
誘導体等が挙げられる。これらの電荷輸送性物質は、単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0026】電荷輸送性物質として好ましいものは、ベ
ンジジン誘導体であり、なかでも一般式(I)
【化3】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を示し、
2個のR3はそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル
基を示し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、アリー
ル基を示し、p、q、r及びsはそれぞれ独立して、0
〜5の整数である)で表されるベンジジン誘導体が好ま
しい。
【0027】一般式(I)における、アルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、is
o−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙
げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ
基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェ
ニル基、トリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナ
フチル基等が挙げられる。フルオロアルキル基として
は、例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチ
ル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。フル
オロアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメト
キシ基、2,3−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−
トリフルオロエトキシ基、1H、1H−ペンタフルオロ
プロポキシ基、ヘキサフルオロ−iso−プロポキシ基、
1H、1H−ペンタフルオロブトキシ基、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ基、4,4,4−
トリフルオロブトキシ基等のフルオロアルコキシ基が挙
げられる。
【0028】一般式(I)で表されるベンジジン誘導体
としては、例えば、下記のNo.1〜No.6の化合物等が挙
げられる。
【化4】
【化5】
【0029】フタロシアニン組成物(B)及び必要に応
じて用いる電荷発生物質(両方で前者とする)と電荷輸
送性物質(後者とする)とを混合して使用する場合(単
層型の光導電層を形成する場合)の配合割合は、後者/
前者=10/1〜2/1(重量比)の範囲とすることが
好ましい。このとき、結合剤を、これらの化合物全量
(前者+後者)に対して、0〜500重量%の範囲で使
用することが好ましく、30〜500重量%の範囲で使
用することがより好ましい。これらの結合剤を使用する
場合、さらに、可塑剤、流動性付与剤、ピンホール抑制
剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0030】電荷発生層及び電荷輸送層からなる複合型
の光導電層を形成する場合、電荷発生層中には、フタロ
シアニン組成物(B)及び必要に応じて電荷発生物質が
含有され、結合剤を、フタロシアニン組成物(B)と電
荷発生物質の総量に対して、500重量%以下の量で含
有させることができる。さらに、上記した添加剤を、フ
タロシアニン組成物(B)と電荷発生物質の総量に対し
て5重量%以下で添加することができる。また、電荷輸
送層には、上記した電荷輸送性物質が含有され、さら
に、結合剤を前記電荷輸送性物質に対して、500重量
%以下で含有することができる。なお、電荷輸送性物質
が低分子量化合物の場合は、結合剤を、その電荷輸送性
物質に対して、50重量%以上含有させることが好まし
い。
【0031】上記した結合剤としては、例えば、シリコ
ーン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹
脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルカルバ
ゾール、ポリビニルピラゾリン、ポリビニルピレン等が
挙げられる。また、熱及び/又は光によって架橋される
熱硬化型樹脂や光硬化型樹脂も使用できる。これらの結
合剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。いずれにしても絶縁性で、通常の状態で被膜を形成
できる樹脂、熱及び/又は光によつて硬化し被膜を形成
する樹脂であれば特に制限はない。
【0032】上記添加剤の、可塑剤としては、例えば、
ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジブチル
フタレート等が挙げられる。流動性付与剤としては、例
えば、モダフロー(モンサントケミカル社製)、アクロ
ナール4F(バスフ社製)等が挙げられる。ピンホール
抑制剤としては、例えば、ベンゾイン、ジメチルフタレ
ート等が挙げられる。これらの添加剤は、適宜選択して
使用され、その量も適宜決定されればよい。
【0033】導電性基板の上に光導電層を形成した電子
写真感光体において、光導電層の厚さは、5〜50μm
とすることが好ましい。光導電層として電荷発生層及び
電荷輸送層の複合型を使用する場合、電荷発生層の厚さ
は、0.001〜10μmとすることが好ましく、0.
2〜5μmとすることがより好ましい。この電荷発生層
の厚さが、0.001μm未満では、電荷発生層を均一
に形成するのが困難となる傾向があり、10μmを超え
ると、電子写真特性が低下する傾向がある。電荷輸送層
の厚さは、5〜50μmとすることが好ましく、8〜2
5μmとすることがより好ましい。この電荷輸送層の厚
さが、5μm未満では、初期電位が低くなる傾向があ
り、50μmを超えると、感度が低下する傾向がある。
【0034】導電性基板上に光導電層を形成するには、
例えば、有機光導電性物質を導電性基板に蒸着する方
法、有機光導電性物質及び必要に応じその他の成分を芳
香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化
水素系溶剤(塩化メチレン、四塩化炭素等)、アルコー
ル系溶剤(メタノール、エタノール、プロパノール等)
に均一に溶解又は分散させて導電性基板上に塗布し、乾
燥する方法などがある。塗布法としては、例えば、スピ
ンコート法、浸漬法等が挙げられる。また、電荷発生層
及び電荷輸送層を形成する場合も同様に行うことができ
るが、この場合、電荷発生層と電荷輸送層は、どちらを
上層としてもよく、電荷発生層を二層の電荷輸送層では
さむようにしてもよい。
【0035】電荷発生層用塗液としては、例えば、フタ
ロシアニン組成物(B)をハロゲン化溶剤(クロロホル
ム等)又は非極性溶剤(トルエン等)に分散させること
により得られる電荷発生層用塗液(a)、フタロシアニ
ン組成物(B)を有機溶剤(メタノール、ジメチルホル
ムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジク
ロロエタン等)にボールミル、超音波等を用いて分散さ
せることにより得られる電荷発生層用塗液(b)等が挙
げられる。
【0036】フタロシアニン組成物(B)をスピンコー
ト法により塗布する場合には、前記電荷発生層用塗液
(a)を用いて、回転数500〜4000rpmでスピン
コーティングすることが好ましい。また、浸漬法によっ
て塗布する場合には、前記電荷発生層用塗液(b)を用
いて、導電性基板を浸漬することが好ましい。また、前
記電子写真感光体は、導電性基板のすぐ上に薄い接着層
又はバリア層を有していてもよく、表面に保護層を有し
ていてもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例よって、本発明を詳細に説明す
るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0038】製造例1 チタニルフタロシアニン0.75g及び塩化インジウム
フタロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合
物1gを、硫酸50mlに溶解し、室温で30分撹拌した
後、これを氷水で冷却したイオン交換水1リットルに、
40分で滴下し、再沈させた。さらに、冷却下で1時間
撹拌後、一晩放置した。デカンテーションにより上澄み
液を除去後、遠心分離により沈殿物を分離し、700mg
の沈殿物を得た。1回目の洗浄として、沈殿物700mg
にイオン交換水120mlを洗浄水としての加え、撹拌
し、次いで、遠心分離により沈殿物と洗浄水を分離除去
した。同様の洗浄操作を、さらに5回続けて行い、6回
目の操作の後、分離除去した洗浄水(すなわち洗浄後の
洗浄水)のpH及び伝導率を室温にて測定した。pHの測定
には、横河電機社製モデルPH51を使用し、また、伝
導率の測定には、柴田科学器械工業社製モデルSC−1
7Aを使用した。洗浄水のpHは、3.3であり、伝導率
は、65.1μS/cmであった。その後、メタノール60
mlで3回洗浄し、60℃で4時間真空加熱乾燥した。
【0039】次いで、この真空乾燥物1gに、イソプロ
ピルアルコール10mlを加え、90℃で8時間加熱撹拌
し、ろ過後、メタノールで洗浄し、60℃で4時間真空
加熱乾燥して、ブラッグ角(2θ±0.2度)が、7.
5度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.
6度に主な回折ピークを有する、フタロシアニン組成物
(A)を得た。このフタロシアニン組成物(A)のX線
回折スペクトルを図1に示した。
【0040】製造例2 製造例1で得られた真空乾燥物1gに、イオン交換水
9.0g及びトルエン86gを加え、60℃で8時間加
熱撹拌し、ろ過後、メタノールで洗浄し、60℃で4時
間真空加熱乾燥して、ブラッグ角(2θ±0.2度)
が、7.4度、24.2度及び27.3度に主な回折ピ
ークを有する、フタロシアニン組成物(A)を得た。こ
のフタロシアニン組成物(A)のX線回折スペクトルを
図2に示した。
【0041】製造例3 チタニルフタロシアニン0.75g及び塩化インジウム
フタロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合
物1gを、硫酸20gに溶解した以外は、製造例1と同
様行って、ブラッグ角(2θ±0.2度)が、9.3
度、13.1度、15.0度及び26.2度に主な回折
ピークを有する、フタロシアニン組成物(A)を得た。
このフタロシアニン組成物(A)のX線回折スペクトル
を図3に示した。
【0042】実施例1 製造例1で得たフタロシアニン組成物(A)1gに、イ
オン交換水9.0g及びトルエン86gを加え、60℃
で8時間加熱撹拌し、ろ過後、メタノールで洗浄し、6
0℃で4時間真空加熱乾燥して、フタロシアニン組成物
(B)を得た。このフタロシアニン組成物(B)のX線
回折スペクトルは図1と同じであった。
【0043】実施例2 製造例2で得たフタロシアニン組成物(A)を使用した
以外は、実施例1と同様に行って、フタロシアニン組成
物(B)を得た。このフタロシアニン組成物(B)のX
線回折スペクトルは図2と同じであった。
【0044】実施例3 製造例3で得たフタロシアニン組成物(A)を使用した
以外は、実施例1と同様に行って、フタロシアニン組成
物(B)を得た。このフタロシアニン組成物(B)のX
線回折スペクトルは図3と同じであった。
【0045】実施例4 実施例1で得られたフタロシアニン組成物(B)1.5
g、ポリビニルブチラ−ル樹脂エスレックBL−S(積
水化学社製)0.9g、メラミン樹脂ML351W(日
立化成工業社製)0.1g、エチルセロソルブ49g及
びテトラヒドロフラン49gを配合し、ボールミルで分
散した。得られた分散液を浸漬法によりアルミニウム板
(導電性基材100mm×100mm×0.1mm)上に塗工
し、120℃で1時間乾燥して、厚さ0.5μmの電荷
発生層を形成した。電荷輸送性物質(No.1)1.5
g、ポリカーボネート樹脂レキサン141(GE社製)
1.5g、テトラヒドロフラン12.4g及びアニソー
ル3.1gを配合して、得られた塗布液を上記基板上に
浸漬法により塗工し、120℃で1時間乾燥して、厚さ
20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成
した。
【0046】電子写真特性(感度、残留電位、暗減衰
率、光応答性)は、シンシア30HC(ジェンテック社
製)により評価した。コロナ帯電方式で、感光体を−6
50Vまで帯電させ、780nmの単色光を50mS感光体
に露光し、種々の特性測定を行った。上記の特性の定義
は、以下の通りである。感度(E50)は、初期帯電電位
−650Vを露光0.2秒後に半減させるのに要する7
80nmの単色光の照射エネルギー量であり、残留電位
(Vr)は、同波長の20mJ/m2の単色光を50ミリ秒
露光し、露光0.2秒後に感光体の表面に残る電位であ
る。暗減衰率(DDR)は、感光体の初期帯電電位−6
50Vと初期帯電後暗所1秒放置後の表面電位V1(−
V)を用いて、(V1/650)×100と定義した。光
応答性(T1/2)は、波長780nmの20mJ/m2の単色
光を50ミリ秒露光し、初期帯電電位−650Vを半減
させるのに要する時間(sec)と定義した。繰り返し特
性は、帯電−露光を1000回繰り返した後の帯電電位
1000の初期帯電電位−650Vに対する比(V0保持
率)及び同様な方法で評価した暗減衰の保持率(DDR
保持率)によって評価した。画質は、画像評価機(負帯
電、反転現像方式)を用いて、表面電位を−700V、
バイアス電位を−600Vとして、かぶり、黒点、白抜
け、黒地の画像濃度で評価した。黒地の画像濃度は、マ
クベス反射濃度計(A division of Kollmergen Corpora
tion社製) で評価した。その結果を表1に示した。
【0047】実施例5 実施例4において、実施例1で得られたフタロシアニン
組成物(B)に代えて、実施例2で得られたフタロシア
ニン組成物(B)を使用した以外は、実施例4と同様に
行って、電子写真感光体を作成し、特性を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0048】実施例6 実施例4において、実施例1で得られたフタロシアニン
組成物(B)に代えて、実施例3で得られたフタロシア
ニン組成物(B)を使用した以外は、実施例4と同様に
行って、電子写真感光体を作成し、特性を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0049】比較例1 実施例4において、実施例1で得られたフタロシアニン
組成物(B)に代えて、製造例1で得られたフタロシア
ニン組成物(A)を使用した以外は、実施例4と同様に
行って、電子写真感光体を作成し、特性を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0050】比較例2 実施例4において、実施例1で得られたフタロシアニン
組成物(B)に代えて、製造例2で得られたフタロシア
ニン組成物(A)を使用した以外は、実施例4と同様に
行って、電子写真感光体を作成し、特性を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0051】比較例3 実施例4において、実施例1で得られたフタロシアニン
組成物(B)に代えて、製造例3で得られたフタロシア
ニン組成物(A)を使用した以外は、実施例4と同様に
行って、電子写真感光体を作成し、特性を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】実施例7〜9 実施例4〜6において、電荷輸送性物質(No.1)に代
えて、電荷輸送性物質(No.4)を使用した以外は、実
施例4〜6と同様に行って、電子写真感光体を作成し、
評価した。その結果を表2に示した。
【0054】比較例4〜6 比較例1〜3において、電荷輸送性物質(No.1)に代
えて、電荷輸送性物質(No.4)を使用した以外は、比
較例1〜3と同様に行って、電子写真感光体を作成し、
評価した。その結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明のフタロシアニン組成物を含有す
る電荷発生層用塗液を用いた電子写真感光体は、初期及
び繰り返し時における、帯電性、暗減衰、感度等の電子
写真特性が優れており、良好な画質が得られるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1及び実施例1により製造された、フタ
ロシアニン組成物のX線回折図である。
【図2】製造例2及び実施例2により製造された、フタ
ロシアニン組成物のX線回折図である。
【図3】製造例3及び実施例3により製造された、フタ
ロシアニン組成物のX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 312 371 372 (72)発明者 秋元 孝幸 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 板垣 幹男 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニルフタロシアニン及び中心金属
    が、3価のハロゲン化金属フタロシアニンを含むフタロ
    シアニン組成物(A)を、芳香族系有機溶剤/水の混合
    溶媒で、少なくとも1回処理することを特徴とするフタ
    ロシアニン組成物(B)の製造法。
  2. 【請求項2】 CuKαのX線回折スペクトルにおい
    て、フタロシアニン組成物(A)及びフタロシアニン組
    成物(B)のブラッグ角(2θ±0.2度)が、7.5
    度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.6
    度に特徴的なX線回折ピークを有する請求項1記載のフ
    タロシアニン組成物(B)の製造法。
  3. 【請求項3】 CuKαのX線回折スペクトルにおい
    て、フタロシアニン組成物(A)及びフタロシアニン組
    成物(B)のブラッグ角(2θ±0.2度)が、7.4
    度、24.2度及び27.3度に特徴的なX線回折ピー
    クを有する請求項1記載のフタロシアニン組成物(B)
    の製造法。
  4. 【請求項4】 CuKαのX線回折スペクトルにおい
    て、フタロシアニン組成物(A)及びフタロシアニン組
    成物(B)のブラッグ角(2θ±0.2度)が、9.3
    度、13.1度、15.0度及び26.2度に特徴的な
    X線回折ピークを有する請求項1記載のフタロシアニン
    組成物(B)の製造法。
  5. 【請求項5】 フタロシアニン組成物(A)が、チタニ
    ルフタロシアニン及び中心金属が3価のハロゲン化金属
    フタロシアニンを含むフタロシアニン混合物を、アシッ
    ドペースティング法により水中に沈殿させ、CuKαの
    X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2
    度)が、27.2度に特徴的な回折ピークを有する沈殿
    物を得た後、この沈殿物を、有機溶剤又は有機溶剤/水
    の混合溶媒で処理し、CuKαのX線回折スペクトルに
    おいてブラッグ角(2θ±0.2度)が、(1)7.5
    度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.6
    度、(2)7.4度、24.2度及び27.3度又は
    (3)9.3度、13.1度、15.0度及び26.2
    度に特徴的なX線回折ピークを有するフタロシアニン組
    成物である請求項1、2、3又は4記載のフタロシアニ
    ン組成物(B)の製造法。
  6. 【請求項6】 芳香族系有機溶剤と水の混合比率が、芳
    香族系有機溶剤/水=1/99〜99/1(重量比)で
    ある請求項1、2、3、4又は5記載のフタロシアニン
    組成物(B)の製造法。
  7. 【請求項7】 導電性基材上に有機光導電性物質を含有
    する光導電層を有する電子写真感光体において、この有
    機光導電性物質が、請求項1、2、3、4、5又は6記
    載の製造法により得られたフタロシアニン組成物(B)
    である電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    製造法により得られたフタロシアニン組成物(B)を電
    荷発生材料として含有する電荷発生層と、一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
    フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を示し、
    2個のR3はそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル
    基を示し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、アリー
    ル基を示し、p、q、r及びsはそれぞれ独立して、0
    〜5の整数である)で表されるベンジジン誘導体を電荷
    輸送物質として含有する電荷輸送層を有する複合型電子
    写真感光体。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    製造法により得られたフタロシアニン組成物(B)を含
    有する電荷発生層用塗液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005290365A (ja) * 2004-03-04 2005-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp フタロシアニン組成物並びにそれを用いた光導電性材料、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP2009116212A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Kyocera Mita Corp 積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法

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