JPH07175241A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07175241A
JPH07175241A JP29047094A JP29047094A JPH07175241A JP H07175241 A JPH07175241 A JP H07175241A JP 29047094 A JP29047094 A JP 29047094A JP 29047094 A JP29047094 A JP 29047094A JP H07175241 A JPH07175241 A JP H07175241A
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titanyl phthalocyanine
phthalocyanine pigment
pigment
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感
光体において、前記感光層がチタニルフタロシアニン顔
料と下記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を含有
することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。) 【効果】 本発明の電子写真感光体は可視域から近赤外
域まで広域な波長域にわたりパンクロかつ極めて高感度
なものであると同時に、連続使用時の電位安定性も優れ
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
さらに詳しくは特に、可視域から近赤外域まで広域な波
長域にわたって極めて高感度であるパンクロマチックな
電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体用の光導電性素材
として、Se、CdS、ZnO等の無機材料から用いら
れてきたが、光感度、熱安定性、毒性等の問題をもつこ
とから、近年では有機光導電性材料を用いた電子写真感
光体の開発が盛んに行なわれており、電荷発生材料およ
び電荷輸送材料を含有する感光層を有する電子写真感光
体は、すでに実用化されるに到っている。一方、電子写
真感光体には、レーザープリンター、デジタル複写機等
の半導体レーザーを光源とする電子写真装置の出現、さ
らに感光体の共通化といった観点から可視域から、近赤
外域まで幅広い分光感度特性を持つことが要求され始め
ている。
【0003】従来、これら感光体に用いる電荷発生材料
として、異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する
2種類以上の顔料を用いることが提案されている。例え
ば、特公昭59−32788号公報、特開平3−376
58号公報、特開平4−371962号公報等が挙げら
れる。しかしながら、2種類以上の顔料を電荷発生材料
として用いることにより、分光感度域は広がるものの、
感度がフラットなものでなかったり、感度が局所的に著
しく低下したり、逆に顔料自身の特性が生かせないとい
った問題が生じるものであり、十分なものではなかっ
た。また、感度的にも十分なものとは言えない。また、
特開平3−37664号公報、特開平3−37666号
公報には、カプラー残基が同一である対称型のジスアゾ
顔料とチタニルフタロシアニン顔料を組み合わせる感光
体が開示されているが、これらジスアゾ顔料の感度は十
分とはいえず、可視域から近赤外域まで幅広く高感度な
感光体を得るにはいたっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の問題点を解決するものである。したがって、本発
明の目的は、可視域から近赤外域まで幅広くフラットな
分光感度を有し、かつ極めて高感度である電子写真感光
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、前
記感光層がチタニルフタロシアニン顔料と下記一般式
(I)で表わされるジスアゾ顔料を含有することを特徴
とする電子写真感光体が提供される。
【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。) また、本発明によれば、前記感光層が、電荷発生層と電
荷輸送層を有し、少なくとも前記電荷発生層がチタニル
フタロシアニン顔料と前記一般式(I)で表わされるジ
スアゾ顔料を含有することを特徴とする上記電子写真感
光体が提供される。更に、本発明によれば、前記ジスア
ゾ顔料が下記式(II)で表わされる化合物であり、か
つ前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X
線(波長1.54Å)を用いたX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.0
°±0.2°および27.2°±0.2°にあるチタニ
ルフタロシアニン顔料であることを特徴とする上記電子
写真感光体が提供される。
【化2】 更に、本発明によれば、前記ジスアゾ顔料が前記式(I
I)で表わされる化合物であり、かつ前記チタニルフタ
ロシアニン顔料がCu−Kα特性X線(波長1.54
Å)を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角
2θの主要ピークが27.2°±0.2°のみにあるチ
タニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする上記
電子写真感光体が提供される。
【0006】本発明の電子写真感光体の感光層に含有さ
せるチタニルフタロシアニン顔料の基本構造は次の一般
式(III)(化3)で表わされる。
【化3】 (式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン
原子を表し、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の整
数を表す)
【0007】本発明に使用されるチタニルフタロシアニ
ン顔料は従来公知のA型(特開昭62−67094号公
報)、B型(特開昭61−239248号公報)、C型
(特開昭63−366号公報)等を使用することができ
るが、好ましくはCu−Kα特性X線(波長1.54
Å)を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角
2θの主要ピークが少なくとも9.0°±0.2°およ
び27.2°±0.2°にある結晶形を有するものある
いはX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの主要
ピークが27.2°±0.2°のみにある結晶形を有す
るものを使用することが好ましい。このうちX線回折ス
ペクトルにおいてブラッグ角2θの主要ピークが27.
2°±0.2°のみにある結晶形ということは、27.
2°±0.2°のピーク強度に対してこれ以外のいずれ
のピークもその強度(ピークの高さ)が35%以下であ
る物を指す。これらの結晶形のチタニルフタロシアニン
顔料は、可視・近赤外線スペクトルの吸収ピークが78
0nm〜860nmに存在し、かつ他の結晶形と比較す
ると、半導体レーザー光に対して極めて高い感度を有す
るものである。
【0008】本発明に係わるチタニルフタロシアニン顔
料の合成例については、前述の特開昭64−17066
号、特開平2−28265号、特開平3−35064
号、特開平3−200790号、特開平3−26906
4号等に記載されている。
【0009】本発明の電子写真感光体の感光層に含有さ
せるジスアゾ顔料は、下記一般式(I)で表わされる。
【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。)
【0010】一般式(I)中、カプラーAおよびBの好
ましい例として、下記一般式(IV)〜(IX)で示す
カプラー残基が挙げられる。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【0011】一般式(IV)および(V)中、Xはべン
ゼン環と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、
アントラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール
環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環等の炭化
水素環または複素環基を形成するに必要な残基を表わ
す。一般式(IX)中、Yは置換基を有してもよい2価
の芳香族炭化水素基ないしは窒素原子を環内の含む2価
の複素環基を表わす。
【0012】一般式(IV)および(V)中、R1
2、R3、R4は水素原子、置換基を有してもよいアル
キル基、アリール基、アラルキル基または複素環基を表
わし、R1とR2、R3とR4は共に窒素原子と結合して窒
素原子を環内に含む環状アミノ基を形成してもよい。一
般式(VI)中、R5は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表わす。
【0013】一般式(VII)、(VIII)中、
6、R7は置換基を有してもよいアルキル基、アリール
基、アラルキル基または複素環基を表わす。一般式(V
I)、(VII)中、Ar1、Ar2は置換基を有しても
よいアリール基、または複素環基を表わす。一般式(I
V)中、pは0または1を表わす。
【0014】前記アルキル基としてはメチル、エチル、
プロピルなどの基、アラルキル基としてはベンジル、フ
ェネチルなどの基、アリール基としてはフェニル、ナフ
チル、アンスリルなどの基、複素環基としてはピリジ
ル、チエニル、チアゾリル、カルバゾリル、ベンゾイミ
ダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの基が挙げられ、窒素
原子を環内に含む環状アミノ基としてはピロール、ピロ
リン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、インドリ
ル、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾ
リン、オキサジン、フェノキサジンなどが挙げられる。
【0015】また、置換基としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアルキル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシなどのアルコキシ基、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ基、フェニルカ
ルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチ
ルなどのハロメチル基などが挙げられる。
【0016】以下に一般式(I)で表わされるジスアゾ
顔料の具体例を示すが、本発明のジスアゾ顔料はこれら
に限定されるものではない。
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【表1−(3)】
【表1−(4)】
【表1−(5)】
【表1−(6)】
【表1−(7)】
【表1−(8)】
【表1−(9)】
【表1−(10)】
【0017】本発明の一般式(1)で表わされるジスア
ゾ顔料は、相当するジアゾニウム塩化合物とAまたはB
に相当するカプラーとを2段階に順次反応させるか、あ
るいは最初のAまたはBとのカップリング反応によって
得られるジアゾニウム塩化合物を単離した後、さらに残
りのカプラーを反応させることによって得ることが出来
る。これらジスアゾ顔料が本発明の特定のチタニルフタ
ロシアニン顔料と良好な組み合わせを示す理由として
は、これらのジスアゾ顔料は可視域に、そしてチタニル
フタロシアニン顔料は近赤外域において、極めて高感度
であり、それぞれのこの高感度性を損なうことなく、良
好な分散性を維持し得ること等が挙げられる。
【0018】以下、本発明を図面に沿って説明する。図
1は本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であ
り、導電性支持体11上にチタニルフタロシアニン顔料
と前記一般式(I)で表わされるジスアゾ化合物を含有
する感光層15を積層した構成をとっている。図2は本
発明の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1
1と感光層15の間に中間層13が設けられている。図
3、図4は本発明のまた別の構成例を示す断面図であ
り、感光層15が、チタニルフタロシアニン顔料と前記
一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を含有する電荷
発生層17と、電荷輸送層19の積層で構成されてい
る。図5は、本発明のさらに別の構成例を示す断面図で
あり、感光層15の上に保護層21を設けたものであ
る。
【0019】導電性支持体11としては、体積抵抗10
10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金
などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化
物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状も
しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、ある
いは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ス
テンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜き
などの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表
面処理した管などを使用することができる。また、特開
昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッ
ケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持
体11として用いることができる。
【0020】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性
支持体11として用いることができる。この導電性粉体
としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ま
たアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、
銀などの金属粉、あるいは導電性酸化チタン、導電性酸
化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられ
る。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロ
ース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッ
ド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹
脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電
性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、THF、MD
C、MEK、トルエンなどに分散して塗布することによ
り設けることができる。
【0021】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チュー
ブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電
性支持体11として良好に用いることができる。
【0022】先ず、感光層15が電荷発生層17と電荷
輸送層19との積層構成の場合について述べる。電荷発
生層17は、チタニルフタロシアニン顔料と前記一般式
(I)で表わされるジスアゾ顔料のみから形成されてい
ても、あるいはチタニルフタロシアニン顔料と前記一般
式(I)で表わされるジスアゾ顔料が結着樹脂中に分散
されて形成されていても良い。したがって、電荷発生層
17はこれら成分を適当な溶剤中にボールミル、アトラ
イター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これ
を導電性支持体11あるいは中間層13上に塗布し、乾
燥することにより形成される。電荷発生層におけるチタ
ニルフタロシアニン顔料と前記一般式(I)で表わされ
るジスアゾ顔料の含有比は8:1〜1:8であることが
好ましい。8:1よりチタニルフタロシアニン顔料が多
いと可視域感度が不足し、1:8よりジスアゾ顔料が多
いと近赤外域の感度が低下するようになる。
【0023】電荷発生層17に用いられる結着樹脂とし
ては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ
ケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、
セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量
は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量
部、好ましくは10〜300重量部が適当である。ま
た、電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm、好ましくは
0.1〜2μmである。
【0024】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等があげられる。塗布
液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビ
ートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコ
ート等の方法を用いることができる。なお、電荷発生層
塗布液としては、チタニルフタロシアニン顔料および前
記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を別々に分散
処理し、塗工液を作成した後に混合し、これを電荷発生
層塗布液としてもよいが、これら2種の顔料を同時に粉
砕あるいは混合、ミリング処理を行なって作成したもの
を電荷発生層塗布液とした方が、作成した感光体はより
高感度なものが得られるようになる。この理由について
は明らかではないが、粉砕あるいは混合、ミリング処理
を行なうことにより、顔料間での相互作用が生じやすく
なり、電荷発生効率が向上することにより感度が向上す
るものと考えられる。
【0025】電荷輸送層19は、電荷輸送物質および結
着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発
生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、
必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加
することもできる。
【0026】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0027】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベ
ン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げ
られる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上
混合して用いられる。
【0028】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セル
ロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱
硬化性樹脂が挙げられる。
【0029】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜5
0μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶
剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエ
ン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエ
タン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ンなどが用いられる。
【0030】本発明において電荷輸送層19中に可塑剤
やレベリング剤、酸化防止剤を添加してもよい。可塑剤
としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート
など一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそ
のまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜
30重量%程度が適当である。また、レベリング剤とし
ては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリ
コーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパー
フルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴ
マーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜
1重量%が適当である。酸化防止剤としては、ヒンダー
ドフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒ
ンダードアミン系化合物等、一般の樹脂に使用される酸
化防止剤がそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂1
00重量部に対して0〜5重量部程度が適当である。
【0031】次に感光層15が単層構成の場合について
述べる。この場合も多くは電荷発生物質と電荷輸送物質
よりなる機能分離型のものがあげられる。即ち、電荷発
生物質および電荷輸送物質にはチタニルフタロシアニン
顔料及びジスアゾ顔料を用いることができる。単層構成
の感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結
着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、
乾燥することによって形成できる。また、必要により、
可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することも
できる。
【0032】結着樹脂としては、先に電荷輸送層19で
挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層1
7で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。ピリリウ
ム系染料、ビスフェノール系、ポリカーボネートから形
成される共晶錯体に正孔輸送物質を添加した感光層も単
層の感光層として用いることができる。結着樹脂100
重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好
ましく、電荷輸送物質の量は50〜150重量部が好ま
しい。単層構成の感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物
質、及び結着樹脂等を、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジクロロエタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン
等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗
工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形
成できる。単層構成の感光層の膜厚は、5〜50μm程
度が適当である。
【0033】本発明においては、図2に示されるよう
に、導電性支持体11と、感光層15との間に中間層1
3を設けることができる。中間層13は一般には樹脂を
主成分としたものや、樹脂に金属酸化物等の微粉末顔料
を加えたものを用いることができる。これらの樹脂はそ
の上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の
有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ま
しい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコー
ル、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹
脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のア
ルコール可溶性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル
系樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリウレタン、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、
アクリル−メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン
−アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を
形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、中間層13
にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸
化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を
加えてもよい。さらに本発明の中間層13として、シラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、チタニルキ
レート化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニル
アルコキシド化合物、有機チタニル化合物も用いること
ができる。
【0034】これらの中間層13は前述の感光層の如く
適当な溶媒を用い、分散、塗工法により形成することが
できる。更に本発明の中間層13として、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング
剤等を使用することもできる。この他、本発明の中間層
13には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリ
パラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、S
nO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄
膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。中間層1
3の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0035】保護層21は感光体の表面保護、耐久性向
上の目的で設けられ、これに使用される材料としてはA
BS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共
重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール
樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチ
レン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメ
チルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げ
られる。保護層21にはその他、耐摩耗性を向上する目
的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シ
リコーン樹脂、また酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリ
ウム等の無機材料を分散したもの等を添加することがで
きる。保護層21の形成法としては通常の塗布法が採用
される。なお保護層21の厚さは0.1〜10μm程度
が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて
形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層2
1として用いることができる。
【0036】本発明においては感光層15と保護層21
との間に別の中間層(図示せず)を設けることも可能で
ある。前記別の中間層には一般に樹脂を主成分として用
いる。これら樹脂としてはポリアミド、アルコール可溶
性ナイロン樹脂、水溶性ビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられ
る。前記別の中間層の形成法としては、前述のごとく通
常の塗布法が採用される。なお該中間層の厚さは0.0
5〜2μm程度が適当である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明する。まず、実施例に用いるチタニルフタロシアニン
顔料の具体的な合成例を述べる。
【0038】(合成例1)フタロジニトリル52.5g
(0.41mol)と1−クロロナフタレン300mo
lを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン19.0g
(0.10mol)を滴下する。滴下終了後、徐々に2
00℃まで昇温し、反応温度を190℃〜210℃の間
に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了
後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、ついで
1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、つ
ぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数
回洗浄した後、乾燥し42.2g(収率73.3%)の
粗チタニルフタロシアニン顔料を得た。得られた粗チタ
ニルフタロシアニンのうち4gにN−メチルピロリドン
40mlを加え、140〜145℃で2時間熱懸洗を行
い、これを4回繰り返した。この後、ろ過、乾燥して青
色のチタニルフタロシアニン顔料3.52gを得た。
【0039】(合成例2)合成例1と同様の方法で得ら
れた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料の
うち6gを96%硫酸100gに3〜5℃下撹拌、溶解
し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水3.5リットル
中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで
洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、乾燥してチタ
ニルフタロシアニン顔料の5.8gを得た。次にアシッ
ドペースト処理したチタニルフタロシアニン顔料4.0
gに対してメタノール100mlを加えて、30℃下5
時間懸濁撹拌処理を行なった。処理後濾過、乾燥してチ
タニルフタロシアニン顔料3.6gを得た。さらに、得
られた顔料3.6gにn−ブチルエーテル70mlを加
え、1mmφのガラスビーズとともにミリング処理を室
温下24時間行った。この分散液よりガラスビーズを除
き、濾過、メタノールで洗浄、乾燥して本発明のチタニ
ルフタロシアニン顔料3.4gを得た。
【0040】(合成例3)1,2−ジイミノイソインド
リン35.0gとα−クロロナフタレン240mlを混
合し、窒素雰囲気下チタニウムブトキシド24.5gを
加えた。窒素雰囲気のまま140〜150℃で2時間加
熱、さらに温度を180℃にして3時間反応させた。放
冷後、析出物を濾過しα−クロロナフタレンで洗浄、つ
いで90℃のDMFで徹底的に洗浄、最後にメタノール
で洗浄、乾燥して29.8gのチタニルフタロシアニン
を得た。以上のようにして得たチタニルフタロシアニン
顔料4.1gをトリフルオロ酢酸/MDC=8ml/3
2mlの混合溶媒に溶解、これを氷冷したメタノール/
水=100ml/100mlの混合溶媒中に撹拌しなが
ら滴下し結晶を析出させ、その後静置した。結晶が沈殿
後、上澄み液を取り去り、メタノール100mlを加え
て30分間撹拌、濾過した。得られた固形物を200m
lの熱水中に分散、繰返し洗浄し、チタニルフタロシア
ニン顔料のウェットケーキを得た。つぎにこのウェット
ケーキをモノクロロベンゼン100ml中に分散、30
分間撹拌し濾過、乾燥することにより本発明に係わるチ
タニルフタロシアニン顔料3.6gを得た。
【0041】合成例1、2及び3で得られたチタニルフ
タロシアニン顔料についてのX線回折スペクトルを以下
に示す条件で測定した。 X線管球 Cu 電圧 40kV 電流 20mA 走査速度 1°/分 走査範囲 3°〜35° 時定数 2秒 合成例1、2、3により得られたチタニルフタロシアニ
ン顔料のX線回折スペクトルを図6、図7、図8にそれ
ぞれ示す。図7に示すように、合成例2により得られた
チタニルフタロシアニン顔料はブラッグ角2θの9.0
°および27.2°に主要なピークを有することが判
る。また図8に示すように、合成例3により得られたチ
タフタロシアニン顔料はブラック角2θの 27.2°
に最大ピークを有し、27.2°±0.2°のピーク強
度に対して、これ以外のいずれのピークもその強度(ピ
ーク高さの比較)が35%以下であることが判る。
【0042】実施例1 アルコール可溶性ポリアミド(CM−8000;東レ社
製)3重量部をメタノール/n−ブタノール=8/2
(vol比)の混合溶媒100重量部に加熱溶解し、中
間層用塗工液を作成した。これを厚さ0.2mmのアル
ミ板(A1080;住友軽金属社製)上に塗布、100
℃、20分間乾燥して厚さ0.1μmの中間層を作成し
た。次に、ブチラール樹脂(XYHL;UCC社製)3
重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これ
に例示化合物(1)−24のジスアゾ顔料3.5重量部
と合成例1により作成したチタニルフタロシアニン顔料
2.5重量部を加え、ボールミルにより120時間分散
した。さらにシクロヘキサノン300重量部を加え3時
間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。こうし
て得られた電荷発生層用塗工液を、前記中間層上に塗
布、130℃、10分間乾燥し、膜厚0.25μmの電
荷発生層を形成した。次に、下記構造式(X)の電荷輸
送物質8重量部、ポリカーボネート樹脂(Z−200;
三菱ガス化学社製)10重量部、シリコンオイル(KF
−50;信越化学工業社製)0.002重量部をテトラ
ヒドロフラン85重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液
を作成した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を前
記電荷発生層上に塗布し、130℃、20分間乾燥し
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、実施例1の電
子写真感光体を得た。
【化10】
【0043】実施例2,3および4 実施例1において、ジスアゾ顔料として例示化合物
(1)−20、(1)−29および(1)−30を用い
た以外は実施例1と同様にして実施例2,3および4の
電子写真感光体を作成した。
【0044】比較例1 実施例1において、電荷発生層用塗工液を例示化合物
(1)−24のジスアゾ化合物を添加せず、合成例1に
より作成したチタニルフタロシアニン顔料の量を3重量
部として作成した以外は、実施例1と同様にして比較例
1の電子写真感光体を作成した。
【0045】比較例2 実施例1において、電荷発生層用塗工液を合成例1によ
り作成したチタニルフタロシアニン顔料を添加せず、例
示化合物(1)−24のジスアゾ顔料の量を6重量部と
して作成した以外は、実施例1と同様にして比較例2の
電子写真感光体を作成した。
【0046】比較例3および4 実施例1において、電荷発生層用塗工液を合成例1によ
り作成したチタニルフタロシアニン顔料添加せず、例示
化合物(1)−29および(1)−30のジスアゾ顔料
の量を6重量部として作成した以外は、実施例1と同様
にして比較例3および比較例4の電子写真感光体を作成
した。
【0047】以上のようにして得られた電子写真感光体
を、EPA−8100(川口電気製作所製)を用い、ダ
イナミックモードにて静電特性を評価した。まず、感光
体に一6kVのコロナ放電を5秒間行い負帯電した後、
暗減衰させ、表面電位が−800Vになったときにバン
ドパスフィルターを用いて500nm、600nm、7
00nm、780nmにそれぞれ分光した光を露光し
て、表面電位が−400Vに光減衰するに必要な露光量
E1/2(μJ/cm2)を測定した。評価結果を表2に
示す。
【0048】
【表2】 *光減衰せず
【0049】実施例5 実施例1において、合成例1により作成したチタニルフ
タロシアニン顔料にかえて、合成例2により作成したチ
タニルフタロシアニン顔料を用いた以外は、実施例1と
同様にして実施例5の電子写真感光体を作成した。
【0050】実施例6,7および8 実施例2、3および4において、合成例1により作成し
たチタニルフタロシアニン顔料にかえて、合成例2によ
り作成したチタニルフタロシアニン顔料を用いた以外
は、実施例2、3および4と同様にして実施例6、7お
よび8の電子写真感光体を作成した。
【0051】比較例5 実施例5において、電荷発生層用塗工液を例示化合物
(1)−24のジスアゾ化合物を添加せず、合成例2に
より作成したチタニルフタロシアニン顔料の量を3重量
部として作成した以外は実施例5と同様にして比較例5
の電子写真感光体を作成した。
【0052】比較例6 実施例5において、例示化合物(1)−24のジスアゾ
顔料のかわりに、下記構造式(XI)に示す多環キノン顔
料を用いたほかは実施例5と同様にして比較例6の電子
写真感光体を作成した。
【化11】
【0053】比較例7,8および9 実施例5において、例示化合物(1)−24のジスアゾ
顔料のかわりに、下記構造式(XII)(XIII)(XIV)に
示すジスアゾ顔料を用いたほかは実施例5と同様にして
比較例7、8および9の電子写真感光体を作成した。
【化12】
【化13】
【化14】
【0054】以上のようにして得られた実施例5〜8お
よび比較例5〜9の電子写真感光体について、実施例1
と同様にして静電特性を評価した。結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】実施例9 実施例1において、合成1により作成したチタニルフタ
ロシアニン顔料にかえて、合成例3により作成したチタ
ニルフタロシアニン顔料を用いた以外は、実施例1と同
様にして実施例9の電子写真感光体を作成した。
【0057】実施例10、11および12 実施例2、3および4において、合成例1により作成し
たチタニルフタロシアニン顔料にかえて、合成例3によ
り作成したチタニルフタロシアニン顔料を用いた以外
は、実施例2、3および4と同様にして実施例10、1
1および12の電子写真感光体を作成した。
【0058】比較例10 実施例9において、電荷発生層用塗工液を例示化合物
(1)−24のジスアゾ化合物を添加せず、合成例3に
より作成したチタニルフタロシアニン顔料の量を3重量
部として作成した以外は、実施例9と同様にして比較例
10の電子写真感光体を作成した。
【0059】比較例11 実施例9において、例示化合物(1)−24のジスアゾ
顔料の代わりに、前記構造式(XI)に示す多環キノン顔
料を用いたほかは実施例9と同様にして比較例11の電
子写真感光体を作成した。
【0060】比較例12、13および14 実施例9において、例示化合物(1)−24のジスアゾ
顔料の代わりに、前記構造式(XII)、(XIII)および
(XIV)に示すジスアゾ顔料を用いた他は実施例9と同
様にして比較例12、13および14の電子写真感光体
を作成した。
【0061】以上のようにして得られた実施例9〜12
および比較例10〜14の電子写真用感光体について、
実施例1と同様にして静電特性を評価した。結果を表4
に示す。
【0062】
【表4】
【0063】実施例13 まず、実施例1と同様にして75μm厚のアルミ蒸着P
ET上にCM−8000からなる中間層(膜厚0.1μ
m)を形成した。次に、合成例2により得られたチタニ
ルフタロシアニン顔料1重量部、例示化合物(1)−2
4のジスアゾ顔料1重量部とテトラヒドロフラン100
重量部をサンドミルで2時間分散し、この分散液と前記
構造式(X)に示す電荷輸送物質7重量部とポリカーボ
ネート樹脂(Z−200;三菱瓦斯化学社製)10重量
部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解した液を混
合し、感光層塗布液を作成した。こうして得られた感光
層塗布液を前記中間層上に塗布し、130℃、15分間
乾燥して膜厚20μmの感光層を形成し、実施例13の
電子写真感光体を得た。
【0064】実施例14、15 実施例13におけるジスアゾ顔料を例示化合物(1)−
29、(1)−30にかえた以外は、実施例13と同様
にして実施例14、15の電子写真感光体を得た。
【0065】比較例15、16 実施例13におけるジスアゾ顔料を構造式(XII)、(X
III)に示すジスアゾ顔料にかえた以外は、実施例13
と同様にして比較例15、16の電子写真感光体を作成
した。
【0066】このようにして得られた実施例13〜1
5、比較例15および16の電子写真感光体をコロナ放
電電圧を+7kVに、さらに評価する電位をプラスにし
た以外は実施例1と同様にして静電特性を評価した。評
価結果を表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】実施例16〜18、比較例17、18 用いるチタニルフタロシアニン顔料を合成例3により得
られたチタニルフタロシアニン顔料にかえた以外は実施
例13〜15及び比較例15、16と同様にして実施例
16〜18及び比較例17、18の電子写真用感光体を
得た。
【0069】このようにして得られた実施例16〜1
8、比較例17および18の電子写真感光体をコロナ放
電電圧を+7kVに、さらに評価する電位をプラスにし
た以外は実施例1と同様にして静電特性を評価した。評
価結果を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】実施例19〜24 φ80mmのアルミニウムシリンダー上に、実施例5、
6、7、9、10、11と同様にして中間層、電荷発生
層、電荷輸送層を順次形成して、実施例19〜24の電
子写真感光体を作成した。
【0072】比較例19〜24 φ80mmのアルミニウムシリンダー上に、比較例6、
7、8、10、11、12と同様にして中間層、電荷発
生層、電荷輸送層を順次形成して、比較例19〜24の
電子写真感光体を作成した。
【0073】以上のようにして得られた実施例19〜2
4および比較例19〜24の電子写真感光体を除電光源
として650nm以上の光をカットしたハロゲンランプ
を装着したデジタル複写機(イマジオMF530;リコ
ー製)に装着し、電子写真特性を評価した。帯電電圧、
レーザー光量(波長780nm)および除電光量は、電
子写真感光体を装着したときに帯電電位(Vd)、露光
後電位(Vl)、除電後電位(Vr)がそれぞれ−85
0V、−130V、−50V程度となるように調整し
た。このように調整したデジタル複写機を用い、初期の
帯電電位(Vd)、露光後電位(Vl)、除電後電位
(Vr)および3000枚連続コピー後の帯電電位(V
d)、露光後電位(Vl)、除電後電位(Vr)を測定
した。結果を表7に示す。
【0074】
【表7】
【0075】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の電子写真感光体は可視域から近赤外域まで広域な波長
域にわたりパンクロかつ極めて高感度なものであると同
時に、連続使用時の電位安定性も優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図6】合成例1により得られたチタニルフタロシアニ
ン顔料のX線回折スペクトル図である。
【図7】合成例2により得られたチタニルフタロシアニ
ン顔料のX線回折スペクトル図である。
【図8】合成例3により得られたチタニルフタロシアニ
ン顔料のX線回折スペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、前記感光層がチタニルフタロシアニ
    ン顔料と下記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を
    含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層
    を有し、少なくとも前記電荷発生層がチタニルフタロシ
    アニン顔料と前記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔
    料を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真
    感光体。
  3. 【請求項3】 前記ジスアゾ顔料が下記式(II)で表
    わされる化合物であり、かつ前記チタニルフタロシアニ
    ン顔料がCu−Kα特性X線(波長1.54Å)を用い
    たX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θの主要
    ピークが少なくとも9.0°±0.2°および27.2
    °±0.2°にあるチタニルフタロシアニン顔料である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子写
    真感光体。 【化2】
  4. 【請求項4】 前記ジスアゾ顔料が下記式(II)で表
    わされる化合物であり、かつ前記チタニルフタロシアニ
    ン顔料がCu−Kα特性X線(波長1.54Å)を用い
    たX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θの主要
    ピークが27.2°±0.2°のみにあるチタニルフタ
    ロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の電子写真感光体。 【化2】
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