JP2002006519A - 電子写真感光体及び電荷輸送層用組成物 - Google Patents

電子写真感光体及び電荷輸送層用組成物

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JP2002006519A
JP2002006519A JP2000190170A JP2000190170A JP2002006519A JP 2002006519 A JP2002006519 A JP 2002006519A JP 2000190170 A JP2000190170 A JP 2000190170A JP 2000190170 A JP2000190170 A JP 2000190170A JP 2002006519 A JP2002006519 A JP 2002006519A
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JP2000190170A
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Susumu Kaneko
進 金子
Seiji Miyaoka
清二 宮岡
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
進 ▲崎▼尾
Susumu Sakio
朋子 ▲高▼井
Tomoko Takai
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達
成し、かつ繰返し安定性に優れた電子写真感光体及び高
性能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達成し、かつ繰
返し安定性に優れた電子写真感光体の電荷輸送層を形成
できる電荷輸送層用組成物を提供する。 【解決手段】 導電性基材上に、少なくとも電荷発生物
質、電荷輸送物質及び下記一般式(I)で表されるジシ
アノビニル化合物を含有する感光層を有する電子写真感
光体並びに下記一般式(I)で表される化合物と(B)
下記一般式(II)で表されるベンジジン誘導体を含有す
る電荷輸送層用組成物。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体及
び電荷輸送層用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複合二層型の感光体において、半
導体レーザ発振領域800nm前後に感度を有する感光体
が多く報告されており、これらのうち多くのものが、電
荷発生材料としてフタロシアニン顔料を用い、その膜厚
0.5〜1μm程度の電荷発生層上に、ポリビニルカル
バゾール、ピラゾリン誘導体又はヒドラゾン誘導体とポ
リカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂との絶縁抵抗
の高い混合物を、10〜20μmコーティングして電荷
輸送層を形成し複合二層型の感光体を形成している。
【0003】電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質とし
ては、例えば特公昭55-42380号公報のヒドラゾン誘導
体、特開昭62-237458号公報のエナミン誘導体、特公昭5
9-9049号公報、特開昭55-7940号公報及び特開昭61-2955
58号公報のベンジジン誘導体、特開昭58-198043号公報
のスチルベン誘導体、及び特公昭58-32372号公報及び特
開昭61-132955号公報のトリフェニルアミン誘導体等が
知られている。
【0004】ベンジジン誘導体は、比較的良好な電荷輸
送能を有しているものの、有機溶剤に対する溶解性が低
い、また、比較的酸化されやすいという欠点がある。つ
まり、有機溶剤及び/又は結合剤に対する溶解度が低い
ために、電荷輸送層を形成するための塗布液を調製する
ことが困難であったり、塗膜作製時にベンジジン誘導体
の結晶が析出してしまうことがある。また、目視では電
荷輸送層を良好な塗膜として形成できた場合でも、電荷
輸送層中でこれらのベンジジン誘導体の微小な結晶が析
出し、その結果として、画像特性が劣るという欠点があ
る。
【0005】そこで、特開平5-6010号公報では、有機溶
剤に対する溶解性及びポリカーボネート樹脂等の結合剤
との相溶性に優れる新規な化合物である含フッ素N,
N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体を用
いた、感度が高く、良好な画像特性を有する電子写真感
光体が提案されている。しかし、その用途であるレーザ
ビームプリンタ等では、高画質、高精細化がさらに進ん
でおり、さらに感度が高く、残留電位が低く、良好な画
像特性を有する電子写真感光体が求められている。
【0006】これらの電荷輸送物質と組み合わせて電荷
発生物質としては、無金属フタロシアニン及び、銅フタ
ロシアニン、塩化アルミニウムフタロシアニン、クロロ
インジウムフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、
バナジルフタロシアニン等の金属フタロシアニン等が挙
げられる。これらのフタロシアニンは、結晶型変換によ
って感度が高く、優れた特性を示す電荷発生物質を与え
るが、その用途であるレーザビームプリンタ等では、高
画質、高精細化が進んでおり、更に高感度な特性を有す
る電子写真感光体が求められている。
【0007】また、特開平6-271786号公報では、CuK
αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の7.5度、24.2度及び27.3度に主
な回折ピークを有するフタロシアニン組成物及びその製
造法が提案されており、更に高感度な特性を示す。
【0008】しかし、電子写真感光体の用途であるレー
ザビームプリンタ等では、高画質、高精細化がさらに進
んでおり、さらに感度が高く、残留電位が低く、良好な
画像及び繰返し安定性に優れた特性を有する電子写真感
光体が求められているが、いまだ充分なものが得られて
いないのが現状である。即ち繰返し使用するに従い電位
の低下、残留電位の上昇、感度の変化などが生じ、コピ
ー品質の低下が起こり使用に耐えなくなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜5記載の発
明は、高性能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達成
し、かつ繰返し安定性に優れた電子写真感光体を提供す
るものである。請求項6記載の発明は、高性能、長寿
命、高信頼性を高いレベルで達成し、かつ繰返し安定性
に優れた電子写真感光体の電荷輸送層を形成できる電荷
輸送層用組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基材上
に、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質及び一般式
(I)
【化3】 (式中、R1及びR3は、各々独立に水素原子、ハロゲン
原子、シアノ基又はニトロ基を示し、R2は、水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基又はアリールカルボニルオ
キシ基を示し、R1、R2及びR3は、同時に水素原子と
なることはない)で表されるジシアノビニル化合物を含
有する感光層を有する電子写真感光体に関する。
【0011】また、本発明は、電荷発生物質が、(A)
フタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有し、
電荷輸送物質が、(B)一般式(II)
【化4】 (式中、複数個のR4は、各々独立に、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオロアル
キル基又はフルオロアルコキシ基を示し、2個のR
5は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示し、m
は0〜5の整数である)で表されるベンジジン誘導体を
含有する前記の電子写真感光体に関する。
【0012】また、本発明は、(A)フタロシアニン組
成物が、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラ
ッグ角(2θ±0.2度)の7.5度、24.2度及び
27.3度に主な回折ピークを有するものである前記の
電子写真感光体に関する。
【0013】また、本発明は、(A)フタロシアニン組
成物が、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラ
ッグ角(2θ±0.2度)の17.9度、24.0度、
26.2度及び27.2度に主な回折ピークを有するも
のである前記の電子写真感光体に関する。
【0014】また、本発明は、A)フタロシアニン組成
物が、CuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2度)の7.5度、22.5度、2
4.3度、25.3度及び28.6度に主な回折ピーク
を有するフタロシアニン組成物及びCuKαのX線回折
スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
17.9度、24.0度、26.2度及び27.2度に
主な回折ピークを有するフタロシアニン組成物の2種を
含む前記の電子写真感光体に関する。
【0015】また、本発明は、上記一般式(I)で表さ
れる化合物と(B)上記一般式(II)で表されるベンジ
ジン誘導体を含有する電荷輸送層用組成物関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における導電性基材として
は、例えば、金属板(アルミニウム、アルミニウム合
金、鋼、鉄、銅等)、金属化合物板(酸化スズ、酸化イ
ンジウム、酸化クロム等)、導電性粒子(カーボンブラ
ック、銀粒子等)などを適当なバインダと共にプラスチ
ックの上に被覆した基体、プラスチック、紙、ガラス等
に蒸着やスパッタリング等で導電性を付与したものなど
が挙げられる。また、これらの基体の形状としては、例
えば、円筒状、シート等が挙げられるが、これらの形
状、寸法、表面粗度等には特に制限はない。
【0017】本発明における電荷発生物質は、(A)フ
タロシアニンを含むフタロシアニン組成物を含有するこ
とが好ましい。このフタロシアニン組成物を構成する原
料のフタロシアニンとしては、従来公知のフタロシアニ
ンを使用しうる。
【0018】本発明における(A)フタロシアニンを含
むフタロシアニン組成物は、例えば、フタロシアニンと
しての(a)チタニルフタロシアニン及び(b)中心金
属が3価のハロゲン化金属フタロシアニンを含むフタロ
シアニン混合物を、アシッドペースティング法により水
中に沈殿させ、CuKαのX線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ±0.2度)27.2度に特徴的
な回折ピークを有する沈殿物を得た後、引き続きこの沈
殿物を、有機溶剤中又は芳香族系有機溶剤及び水の混合
溶媒中で処理することにより得ることができる。
【0019】なお、一般に、フタロシアニン混合物と
は、原料に用いた2種類以上のフタロシアニンの単なる
物理的混合物であり、フタロシアニン混合物のX線回折
パターンは、原料に用いたそれぞれのフタロシアニン単
体のピークパターンの重ね合わせからなるものである。
一方、本発明における(A)フタロシアニンを含むフタ
ロシアニン組成物とは、原料に用いたフタロシアニンが
分子レベルで混合したものであり、X線回折パターン
は、原料に用いたそれぞれのフタロシアニン単体のピー
クパターンの重ね合わせとは異なるパターンを示すもの
である。
【0020】上記(a)チタニルフタロシアニン及び
(b)中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニン
を含むフタロシアニン混合物における各成分の配合量
は、帯電性、暗減衰、感度等の電子写真特性の点から、
(a)チタニルフタロシアニンの配合量が、(a)成分
及び(b)成分の総量を100重量部として、20〜9
5重量部とすることが好ましく、50〜90重量部とす
ることがより好ましく、65〜90重量部とすることが
特に好ましく、7.5〜90重量部とすることが極めて
好ましい。
【0021】本発明における(A)フタロシアニン組成
物としては、例えば、CuKαのX線回折スペクトルに
おいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の7.5度、2
2.5度、24.3度、25.3度及び28.6度に主
な回折ピークを有するフタロシアニン組成物、CuKα
のX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の7.5度、24.2度及び27.3度に主
な回折ピークを有するフタロシアニン組成物、ブラッグ
角(2θ±0.2度)の9.3度、13.1度、15.
0度及び26.2度に主な回折ピークを有するフタロシ
アニン組成物等が、感度等の点から、好ましいものとし
て挙げられる。
【0022】また、CuKαのX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の17.9度、2
4.0度、26.2度及び27.2度に主な回折ピーク
を有するフタロシアニン組成物も、感度等の点から、よ
り好ましいものとして挙げられる。
【0023】また、感度が容易に微調整できる点から、
電荷発生物質として、上記のフタロシアニン組成物のう
ちからCuKαのX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2度)の7.5度、22.5度、2
4.3度、25.3度及び28.6度に主な回折ピーク
を有するフタロシアニン組成物及びCuKαのX線回折
スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の
17.9度、24.0度、26.2度及び27.2度に
主な回折ピークを有するフタロシアニン組成物を組み合
わせて用いることが好ましく、この場合、使用比率とし
ては、前者/後者(重量比)を、1/99〜99/1と
することが好ましく、10/90〜90/10とするこ
とがより好ましい。
【0024】本発明における電荷発生物質には、必要に
応じて、本発明の電子写真感光体の特性等が低下しない
範囲で、(A)成分の必須成分であるフタロシアニン組
成物以外の電荷発生物質を使用することができる。その
ような電荷発生物質(電荷を発生する有機顔料)として
は、例えば、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリス
アゾ系、ベンズイミダゾール系、多環キノン系、インジ
ゴイド系、キナクリドン系、ペリレン系、メチン系、α
型、β型、γ型、δ型、ε型、χ型等の各種結晶構造を
有する無金属タイプ又は金属タイプのフタロシアニン系
などの電荷を発生することが知られている顔料が挙げら
れる。これらの顔料の配合量は、フタロシアニン組成物
100重量部に対して、100重量部以下とすることが
好ましい。
【0025】これらの前記した本発明における(A)フ
タロシアニン組成物を含有する電荷発生物質及び必要に
応じて用いる(A)成分以外の電荷発生物質は、溶剤に
均一に分散又は溶解させることにより、電荷発生層用塗
液とすることができる。
【0026】この電荷発生層用塗液には、結合剤を配合
することが好ましく、結合剤としては、絶縁性で、通常
の状態で被膜を形成できる樹脂並びに熱及び/又は光に
よって硬化し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限は
なく、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート
共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリホルマ
ール樹脂、ポリ(2、6−ジメチルフェニレンオキサイ
ド)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアクリル
樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ
塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド樹脂、ポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピラゾリン、ポリビ
ニルピレン等が挙げられる。
【0027】また、熱及び/又は光によって架橋される
熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂も使用することができ
る。これらの結合剤は、単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。結合剤を配合する場合の配合量は、
(A)成分及び必要に応じて用いる(A)成分以外の電
荷発生物質の総量100重量部に対して、0〜500重
量部とすることが好ましく、30〜500重量部とする
ことがより好ましい。
【0028】また、前記電荷発生層用塗液に結合剤を配
合する場合には、必要に応じて、可塑剤、流動性付与
剤、ピンホール抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の
添加剤を添加することができる。
【0029】電荷発生層用塗液に使用する溶剤として
は、例えば、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン、アニ
ソール等)、ケトン系溶剤(シクロヘキサノン、メチル
シクロヘキサノン等)、ハロゲン化炭化水素系溶剤(塩
化メチレン、四塩化炭素等)、アルコール系溶剤(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、1−メトキシ−2
−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール等)、エーテル
系溶剤(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、
1,4−ジオキサン等)などが挙げられる。これらの溶
剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0030】電荷発生層用塗液に使用される溶剤の使用
量は、前記(A)成分、必要に応じて用いる、(A)成
分以外の電荷発生物質、結合剤及び添加剤の総量100
重量部に対して、900〜10000重量部とすること
が好ましく、1900〜8000重量部とするのがより
好ましい。この使用量が900重量部未満では、好まし
い電荷発生層の厚さの上限1μm以下の電荷発生層を形
成するのが困難となる傾向があり、10000重量部を
超えると、電荷発生層の厚さの下限0.01μm以上の
電荷発生層を形成するのが困難となる傾向がある。
【0031】また、前記(A)成分、必要に応じて用い
る、(A)成分以外の電荷発生物質、結合剤及び添加剤
を溶剤に均一に溶解させるために、電荷輸送層用塗液と
同様に、振とう、ペイントシェーカ、メカニカル撹拌、
ホモジナイザ、ホモミキサ等を使用して溶解することが
できる。
【0032】本発明では、一般式(II)で表されるベン
ジジン誘導体を電荷輸送物質として使用することが、感
度等の電子写真特性の点から好ましい。
【0033】一般式(II)において、ハロゲン原子とし
ては、例えば、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。ア
ルキル基としては、例えば、炭素数1から6のメチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n
−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。アルコキ
シ基としては、例えば、炭素数1から6のメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基等
が挙げられる。アリール基としては、例えば、炭素数6
から20のフェニル基、トリル基、ビフェニル基、ター
フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。フルオロアル
キル基としては、例えば、炭素数1から6のトリフルオ
ロメチル基、トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプ
ロピル基等が挙げられる。フルオロアルコキシ基として
は、例えば、炭素数1から6のトリフルオロメトキシ
基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリ
フルオロエトキシ基、1H,1H−ペンタフルオロプロ
ポキシ基、ヘキサフルオロ−iso−プロポキシ基、1
H,1H−ペンタフルオロブトキシ基、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ基、4,4,4−
トリフルオロブトキシ基等のフルオロアルコキシ基が挙
げられる。
【0034】前記本発明における(B)電荷輸送物質の
必須成分である一般式(II)で表されるベンジジン誘導
体としては、具体的には、下記のNo.1〜No.10の化合
物等が挙げられる。これらの中でも、上記のNo.3、No.
4及びNo.7の化合物等が好ましく、No.3の化合物がよ
り好ましい。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】一般式(II)で表されるベンジジン誘導体
以外の電荷輸送物質としては、例えば、高分子化合物で
は、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフエ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリビニルピラゾリン等が挙げられ、低分子化合物で
は、フルオレノン、フルオレン、2,7−ジニトロ−9
−フルオレノン、4H−インデノ(1,2,6チオフエ
ン−4−オン,3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフエン
−5−オキサイド、1−ブロムピレン、2−フェニルピ
レン、カルバゾール、N−エチルカルバゾール、3−フ
ェニルカルバゾール、3−(N−メチル−N−フェニル
ヒドラゾン)メチル−9−エチルカルバゾール、2−フ
ェニルインドール、2−フェニルナフタレン、オキサジ
アゾール、2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−
3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン、p−(ジメチルアミノ)
−スチルベン、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)
−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−ク
ロロフェニル)−1、3−オキサゾール、2−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オ
キサゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−4
−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオ
ロフェニル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジプ
ロピルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オ
キサゾール、イミダゾール、クリセン、テトラフェン、
アクリデン、トリフェニルアミン、これらの誘導体、4
−N′,N′−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−N′,N′−ジト
リルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、N,N,N′,N′−テトラフェニルベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(4−メチルフェニル)−ベンジジン、
N,N,N′,N′−テトラキス(3−メチルフェニ
ル)−ベンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス
(4−メチルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフ
ェニル−N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)−トリジン、1,1−ビス(4−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエン、これらの誘導体等が挙げられる。
【0039】一般式(II)で表されるベンジジン誘導体
以外の電荷輸送物質を併用する場合のその配合量は、一
般式(II)で表されるベンジジン誘導体100重量部に
対して、100重量部以下とすることが好ましい。この
配合量が100重量部を超えると、電子写真感光体の特
性等が低下する傾向がある。
【0040】本発明の電荷輸送層用塗液は、ベンジジン
誘導体を含有する電荷輸送物質及び必要に応じて用いる
一般式(II)で表されるベンジジン誘導体以外の電荷輸
送物質を溶剤に均一に分散又は溶解させることにより作
製することができる。
【0041】本発明の電荷輸送層用塗液には、結合剤を
配合することができる。結合剤としては、絶縁性で、通
常の状態で被膜を形成できる樹脂並びに熱及び/又は光
によって硬化し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限
はなく、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネー
ト共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリホル
マール樹脂、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサ
イド)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアクリ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポ
リ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド樹脂、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピラゾリン、ポリ
ビニルピレン等が挙げられる。また、熱及び/又は光に
よって架橋される熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂も使用
することができる。
【0042】これらの結合剤は、単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用され、結合剤を配合する場合の配合
量は、一般式(II)で表されるベンジジン誘導体成分及
び必要に応じて用いる一般式(II)で表されるベンジジ
ン誘導体以外の電荷輸送物質の総量100重量部に対し
て、0〜500重量部とすることが好ましく、30〜5
00重量部とすることがより好ましい。
【0043】なお、、一般式(II)で表されるベンジジ
ン誘導体及び必要に応じて用いる一般式(II)で表され
るベンジジン誘導体以外の電荷輸送物質が低分子量の化
合物の場合には、結合剤の配合量は、これら両者の総量
100重量部に対して、50〜500重量部とすること
が好ましい。
【0044】また、本発明の電荷輸送層用塗液には、必
要に応じて、可塑剤、流動性付与剤、ピンホール抑制
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加するこ
とができる。これらの添加剤は、適宜選択して使用する
ことができ、その使用量は、一般式(II)で表されるベ
ンジジン誘導体及び必要に応じて用いる一般式(II)で
表されるベンジジン誘導体以外の電荷輸送物質の総量1
00重量部に対して、5重量部以下とすることが好まし
い。
【0045】本発明の電荷輸送層用塗液に使用される溶
剤としては、例えば、芳香族系溶剤(トルエン、キシレ
ン、アニソール等)、ケトン系溶剤(シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン等)、ハロゲン化炭化水素
系溶剤(塩化メチレン、四塩化炭素等)、エーテル系溶
剤(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,
4−ジオキサン等)などが挙げられる。これらの溶剤
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0046】本発明の電荷輸送層用塗液に使用される溶
剤の使用量は、(B)成分(一般式(II)で表されるベ
ンジジン誘導体及び必要に応じて用いる一般式(II)で
表されるベンジジン誘導体以外の電荷輸送物質)、結合
剤及び添加剤の総量100重量部に対して、250〜1
000重量部とすることが好ましく、250〜700重
量部とすることがより好ましい。この使用量が250重
量部未満では、好ましい電荷輸送層の厚さの上限50μ
m以下の電荷輸送層を形成するのが困難となる傾向があ
り、1000重量部を超えると、電荷輸送層の厚さの下
限5μm以上の電荷輸送層を形成するのが困難となる傾
向がある。
【0047】また、電荷輸送物質を溶剤に均一に溶解さ
せるために、振とう、ペイントシェーカ、メカニカル撹
拌、ホモジナイザ、ホモミキサ等を使用して溶解するこ
とができる。
【0048】本発明の電荷発生層用塗液及び電荷輸送層
用塗液には前述一般式(I)で表されるジシアノビニル
化合物を含有させることが好ましく、特に下記の式
(1)で表される化合物が好ましい。
【化8】
【0049】この化合物は感光層の全層又は一部の層に
添加される。また保護層やブロッキング層を有する場合
にはこれらの層にも必要に応じて添加される。化合物の
添加量は、その層内に重量比で0.01〜20重量%、
好ましくは0.1〜10重量%程度である。
【0050】本発明の電子写真感光体において、導電性
基材上に、電荷発生層及び電荷輸送層を形成する方法と
しては、例えば、前記した、電荷発生層用塗液及び本発
明の電荷輸送層用塗液を、導電性基材上に、塗布し、乾
燥する方法等が挙げられる。
【0051】電荷発生層用塗液及び本発明の電荷輸送層
用塗液を、導電性基材上に塗布する方法としては、例え
ば、スピンコート法、浸漬塗工法等が挙げられる。スピ
ンコート法としては、電荷発生層用塗液又は本発明の電
荷輸送層用塗液を用いて、回転数が500〜4000mi
n-1でスピンコーティングすることが挙げられ、また、
浸漬塗工法としては、電荷発生層用塗液又は本発明の電
荷輸送層用塗液に、導電性基板を浸漬することが挙げら
れる。塗布した後に行う乾燥は、80〜140℃で、5
〜90分間程度行われる。
【0052】本発明の電子写真感光体における電荷発生
層の厚さは、0.01〜1μmとすることが好ましく、
0.1〜0.5μmとすることがより好ましい。電荷発
生層の厚さが0.01μm未満では、電荷発生層を均一
に形成するのが困難となる傾向があり、1μmを超える
と、電子写真特性が低下する傾向がある。
【0053】本発明の電子写真感光体における電荷輸送
層の厚さは、5〜50μmとすることが好ましく、15
〜30μmとすることがより好ましい。電荷輸送層の厚
さが5μm未満では、初期電位が低くなる傾向があり、
50μmを超えると、感度が低下する傾向がある。
【0054】本発明の電子写真感光体には、前記のよう
にして電荷発生層及び電荷輸送層が形成される。この場
合の、電荷発生層と電荷輸送層は、どちらを上層として
もよく、電荷発生層を二層の電荷輸送層ではさむように
することもできる。
【0055】本発明の電子写真感光体には、更に、導電
性基材のすぐ上に、薄い接着層又はバリア層を有してい
てもよく、表面に保護層を有していてもよい。
【0056】
【実施例】次に、実施例によって本発明を説明する。
【0057】製造例1 ((A)フタロシアニン組成物(I)の作製)チタニル
フタロシアニン36g及び塩化インジウムフタロシアニ
ン12gからなるフタロシアニン混合物48gを、硫酸
2.4リットルに溶解し、室温で30分間撹拌した後、
これを氷水で冷却したイオン交換水48リットルに、5
0分間かけて滴下し、再沈させた。さらに、冷却下で3
0分間撹拌した後、ろ過により沈殿物を分離した。
【0058】1回目の洗浄として、沈殿物に洗浄水とし
て、イオン交換水4リットルを加え、撹拌し、次いで、
ろ過により沈殿物を回収した。同様の洗浄操作を、さら
に、4回続けて行い、5回目の操作で、ろ過した洗浄水
(すなわち洗浄後の洗浄水)のpH及び伝導率を測定した
(23℃)。洗浄水のpHは3.4であり、伝導率は6
5.0μS/cmであった。なお、pHの測定には、横河電機
社製モデルPH51を使用し、伝導率の測定は、柴田科
学器械工業社製モデルSC−17Aを使用した。
【0059】この後、メタノール4リットルで3回洗浄
した後、60℃で4時間真空加熱乾燥し、得られた沈殿
物を乾燥した。得られた乾燥物のX線回折スペクトルを
測定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の27.
2度に明瞭なピークを示していた。なお、X線回折スペ
クトルは、理学電機(株)製RAD−IIIAを使用して測
定した。
【0060】次いで、この乾燥物10gに、1−メチル
−2−ピロリドン100mlを加え、150℃で1時間加
熱撹拌し、冷却後、ろ過した後、メタノールで充分洗浄
して、60℃で4時間真空加熱乾燥し、(A)フタロシ
アニン組成物(I)の結晶を得た。得られた(A)フタ
ロシアニン組成物(I)の結晶のX線回折スペクトルを
測定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の7.5
度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.6
度に主な回折ピークを示していた。
【0061】製造例2 ((A)フタロシアニン組成物(II)の作製)製造例1
において、チタニルフタロシアニン45g及び塩化イン
ジウムフタロシアニン15gからなるフタロシアニン混
合物60gを硫酸1.2リットルに溶解した以外は、製
造例1と同様にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物10
gに、1−メチル−2−ピロリドン100mlを加え、1
50℃で1時間加熱撹拌し、冷却後、ろ過した後、メタ
ノールで充分洗浄して、60℃で4時間真空加熱乾燥
し、(A)フタロシアニン組成物(II)の結晶を得た。
得られた(A)フタロシアニン組成物(II)の結晶のX
線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角(2θ±
0.2度)の9.3度、13.1度、15.0度及び2
6.2度に主な回折ピークを示していた。
【0062】製造例3 ((A)フタロシアニン組成物(III)の作製)製造例
1と同様にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物2gに、
イオン交換水140g及びトルエン50gを加え、60
〜70℃で5時間加熱攪拌し、遠心分離を行い、上澄み
液を除去後、メタノールで充分洗浄して、60℃で4時
間真空加熱乾燥し、(A)フタロシアニン組成物(II
I)の結晶を得た。得られた(A)フタロシアニン組成
物(III)の結晶のX線回折スペクトルを測定した結
果、ブラッグ角(2θ±0.2度)の7.5度、24.
2度及び27.3度に主な回折ピークを示していた。
【0063】製造例4 ((A)フタロシアニン組成物(IV)の作製)製造例1
と同様にして、沈殿物を乾燥し、この乾燥物10gに、
イオン交換水700g、トルエン250g及び1mmφジ
ルコニアビーズ1kgを加え、60〜70℃で5時間粉砕
及び加熱攪拌し、冷却後、ろ過、遠心分離を行い、溶剤
を除去後、メタノールで充分洗浄して、60℃で4時間
真空加熱乾燥し、(A)フタロシアニン組成物(IV)の
結晶を得た。得られた(A)フタロシアニン組成物(I
V)の結晶のX線回折スペクトルを測定した結果、ブラ
ッグ角(2θ±0.2度)の17.9度、24.0度、
26.2度及び27.2度に主な回折ピークを示してい
た。
【0064】製造例5 (電荷発生層用塗液(1)の作製)製造例1で得られた
(A)フタロシアニン組成物(I)の結晶1.5g、ポ
リビニルブチラール樹脂(エスレックBL−S(積水化
学(株)製))0.9g、メラミン樹脂(ML365(日
立化成工業(株)製商品名、固形分60重量%))0.1
67g、2−エトキシエタノール50g及びテトラヒド
ロフラン50gを配合し、ボールミルで分散して電荷発
生層用塗液(1)を作製した。
【0065】製造例6 (電荷発生層用塗液(2)の作製)製造例5において、
製造例1で得られた(A)フタロシアニン組成物(I)
の結晶を、製造例2で得られた(A)フタロシアニン組
成物(II)の結晶に代えた以外は、製造例5と同様にし
て、電荷発生層用塗液(2)を作製した。
【0066】製造例7 (電荷発生層用塗液(3)の作製)製造例5において、
製造例1で得られた(A)フタロシアニン組成物(I)
の結晶を、製造例3で得られた(A)フタロシアニン組
成物(III)の結晶に代えた以外は、製造例5と同様に
して、電荷発生層用塗液(3)を作製した。
【0067】製造例8 (電荷発生層用塗液(4)の作製)製造例5において、
製造例1で得られた(A)フタロシアニン組成物(I)
の結晶を、製造例4で得られた(A)フタロシアニン組
成物(IV)の結晶に代えた以外は、製造例5と同様にし
て、電荷発生層用塗液(4)を作製した。
【0068】実施例1 (電荷輸送層用塗液(1)の作製)例示化合物No.3の
(B)ベンジジン誘導体15g、前記式(1)で表され
る化合物4g、ポリカーボネート共重合体BPPC(出
光興産製、数平均分子量=50,000)15g及びテ
トラヒドロフラン130gを配合し、メカニカル撹拌装
置を用いて均一に溶解させ、電荷輸送層用塗液(1)を
作製した。
【0069】実施例2 (電子写真感光体(A)の作製) 〔下引き層の形成〕アルコール可溶ポリアミド樹脂(M
1276(日本リルサン(株)製商品名))26.6重量
部、メラミン樹脂(ML2000(日立化成工業(株)製
商品名、固形分50重量%))52.3重量部及び無水
トリメリット酸(和光純薬工業(株)製)2.8重量部
を、エタノール620重量部と1,1,2−トリクロロ
エタン930重量部に溶解して塗布液を作製した。得ら
れた塗布液を、浸漬塗工法により、アルミ切削管(φ3
0mm)上に塗布し、140℃で30分間乾燥して、厚さ
が0.3μmの下引き層を形成した。
【0070】〔電荷発生層の形成〕次いで、製造例5で
得られた電荷発生層用塗液(1)を、浸漬塗工法によ
り、上記下引き層の上に塗布し、120℃で30分間乾
燥して、厚さが0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0071】〔電荷輸送層の形成〕次いで、実施例1で
得られた電荷輸送層用塗液(1)を、浸漬塗工法によ
り、上記電荷発生層上に塗布し、120℃で30分間乾
燥して、厚さが23μmの電荷輸送層を形成し、電子写
真感光体(A)を作製した。
【0072】得られた電子写真感光体(A)の電子写真
特性(感度、残留電位、暗減衰率)を測定し、結果を表
1に示した。なお、電子写真特性は、シンシア30HC
(緑屋電気(株)製)を使用し、コロナ帯電方式で感光体
を−650Vまで帯電させ、780nmの単色光を25ms
感光体に露光し、測定を行った。
【0073】上記の特性の定義は、以下の通りである。 感度(E1/2):初期帯電電位−650Vを、露光0.
2秒後に半減させるために要する、780nmの単色光の
照射エネルギー量(mJ/m2)である。 残留電位(VL):同波長の20mJ/m2の単色光を露光
し、露光後0.2秒後に感光体の表面に残る電位(−
V)である。暗減衰率(DDR)は、感光体の初期帯電
電位−650Vと、初期帯電後暗所5秒放置後の、表面
電位V5(−V)を用いて、(V5/650)×100
(%)と定義した。
【0074】実施例3 (電子写真感光体(B)の作製)実施例2において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例6
で得られた電荷発生層用塗液(2)に代えた以外は、実
施例2と同様にして、電子写真感光体(B)を作製し
た。得られた電子写真感光体(B)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例2と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0075】実施例4 (電子写真感光体(C)の作製)実施例2において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例7
で得られた電荷発生層用塗液(3)に代えた以外は、実
施例2と同様にして、電子写真感光体(C)を作製し
た。得られた電子写真感光体(C)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例2と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0076】実施例5 (電子写真感光体(D)の作製)実施例2において、製
造例5で得られた電荷発生層用塗液(1)を、製造例8
で得られた電荷発生層用塗液(4)に代えた以外は、実
施例2と同様にして、電子写真感光体(D)を作製し
た。得られた電子写真感光体(D)の電子写真特性(感
度、残留電位、暗減衰率)を実施例2と同様にして測定
し、結果を表1に示した。
【0077】比較例1 (電荷輸送層用塗液(1′)の作製)前記式(1)で表
される化合物4gを使用しないこととした以外は実施例
1と同様にして、電荷輸送層用塗液(1′)を作製し
た。
【0078】比較例2〜5 (電子写真感光体(E)〜(H)の作製)実施例2〜5
において、実施例1で得られた電荷輸送層用塗液(1)
を、比較例1で得られた電荷輸送層用塗液(1′)に代
えた以外は、実施例2〜5と同様にして、電子写真感光
体(E)〜(H)を作製した。得られた電子写真感光体
(E)〜(H)の電子写真特性(感度、残留電位、暗減
衰率)を実施例2と同様にして測定し、結果を表1に示
した。
【0079】
【表1】
【0080】表1の結果から、本発明の電子写真感光体
(実施例2〜実施例5)は、比較例2〜5に比べて、高
い感度、低い残留電位及び良好な暗減衰率を示すことが
わかる。
【0081】(電子写真感光体の画像特性及び繰り返し
特性の評価)実施例2及び比較例2で作製した電子写真
感光体を用いて、繰り返し使用時における特性(帯電
性、暗減衰率、残留電位及び画像特性)の変化を、以下
に示すようにして評価した。電子写真特性評価装置シン
シア99HC(ジェンテック社製)を用いて、帯電〜暗
減衰率の測定〜除電〜帯電〜露光(残留電位の測定)〜
除電を1サイクルとして、これを繰り返すことにより、
繰り返し使用時における特性変化を調べ、その評価結果
を表2に示した。
【0082】具体的には、感光体に−5kVのコロナ電圧
を印加し、帯電電位(V0)まで帯電させ、暗所1秒放
置後の表面電位(V1)から、暗減衰率(DDR1=(V
1/V0)×100)を求めた。次いで、除電を行った
後、再び−5kVのコロナ電圧を印加し、帯電させ、78
0nmの単色光(20mJ/m2)を露光し、露光0.2秒後
に感光体の表面に残る残留電位(VL)を測定した。ま
た、画像特性の評価は、画像評価装置(負帯電、反転現
像方式)を用いて、表面電位を−700V、バイアス電
位を−600Vとして、かぶり、黒点、白抜け、黒ベタ
印刷時の画像濃度によって行った。黒点、白抜けについ
ては、目視による判定を行った。かぶり及び黒ベタの画
像濃度は、マクベス反射濃度計(コールモーゲン社製)
を用いて評価した。
【0083】
【表2】
【0084】表2の結果から、本発明の電子写真感光体
(実施例2)は、繰り返し特性においても、高い感度、
低い残留電位及び高い暗減衰率を有し、かつ、良好な画
像特性を示すことがわかる。また、比較例2の電子写真
感光体は、繰り返し使用時における残留電位の増加が大
きく、繰り返し特性においての画像特性が劣っているこ
とがわかる。
【0085】
【発明の効果】請求項1〜5記載の電子写真感光体は、
高性能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達成し、かつ
繰返し安定性に優れたものである。請求項6記載の電荷
輸送層用組成物は、高性能、長寿命、高信頼性を高いレ
ベルで達成し、かつ繰返し安定性に優れた電子写真感光
体の電荷輸送層を形成できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲崎▼尾 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 ▲高▼井 朋子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 2H068 AA14 AA19 AA20 BA05 BA12 BA13 BA14 BA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材上に、少なくとも電荷発生物
    質、電荷輸送物質及び一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR3は、各々独立に水素原子、ハロゲン
    原子、シアノ基又はニトロ基を示し、R2は、水素原
    子、ハロゲン原子、シアノ基又はアリールカルボニルオ
    キシ基を示し、R1、R2及びR3は、同時に水素原子と
    なることはない)で表されるジシアノビニル化合物を含
    有する感光層を有する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷発生物質が、(A)フタロシアニン
    を含むフタロシアニン組成物を含有し、電荷輸送物質
    が、(B)一般式(II) 【化2】 (式中、複数個のR4は、各々独立に、ハロゲン原子、
    アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオロアル
    キル基又はフルオロアルコキシ基を示し、2個のR
    5は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示し、m
    は0〜5の整数である)で表されるベンジジン誘導体を
    含有する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 (A)フタロシアニン組成物が、CuK
    αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
    0.2度)の7.5度、24.2度及び27.3度に主
    な回折ピークを有するものである請求項2記載の電子写
    真感光体。
  4. 【請求項4】 (A)フタロシアニン組成物が、CuK
    αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
    0.2度)の17.9度、24.0度、26.2度及び
    27.2度に主な回折ピークを有するものである請求項
    2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 (A)フタロシアニン組成物が、CuK
    αのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
    0.2度)の7.5度、22.5度、24.3度、2
    5.3度及び28.6度に主な回折ピークを有するフタ
    ロシアニン組成物及びCuKαのX線回折スペクトルに
    おいて、ブラッグ角(2θ±0.2度)の17.9度、
    24.0度、26.2度及び27.2度に主な回折ピー
    クを有するフタロシアニン組成物の2種を含む請求項2
    記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    化合物と(B)請求項2記載の一般式(II)で表される
    ベンジジン誘導体を含有する電荷輸送層用組成物。
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JP2011002783A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置

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