JPH0996913A - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JPH0996913A JPH0996913A JP25499395A JP25499395A JPH0996913A JP H0996913 A JPH0996913 A JP H0996913A JP 25499395 A JP25499395 A JP 25499395A JP 25499395 A JP25499395 A JP 25499395A JP H0996913 A JPH0996913 A JP H0996913A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多層化した電荷発生層を利用した電子写真用
感光体の実用化において問題となってきた樹脂の選定に
関わる製造上の問題点を、特定の樹脂構成とすることに
より克服し、同時に機械的、電気的特性の向上も図っ
て、実用上より好ましい電子写真用感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 導電性支持体上に、電荷発生物質を結着
樹脂中に分散して成る電荷発生層を2層以上積層し、更
に電荷輸送層を積層して成る電子写真用感光体におい
て、隣接する2つの電荷発生層のうち、導電性支持体側
の電荷発生層(1)中の結着樹脂が2種類以上の樹脂の
混合物から成り、かつ、2種類以上の樹脂の内の少なく
とも1種が、電荷発生層(1)上に形成されたもう一方
の電荷発生層(2)中の結着樹脂と同じ種類の樹脂であ
る電子写真用感光体。
感光体の実用化において問題となってきた樹脂の選定に
関わる製造上の問題点を、特定の樹脂構成とすることに
より克服し、同時に機械的、電気的特性の向上も図っ
て、実用上より好ましい電子写真用感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 導電性支持体上に、電荷発生物質を結着
樹脂中に分散して成る電荷発生層を2層以上積層し、更
に電荷輸送層を積層して成る電子写真用感光体におい
て、隣接する2つの電荷発生層のうち、導電性支持体側
の電荷発生層(1)中の結着樹脂が2種類以上の樹脂の
混合物から成り、かつ、2種類以上の樹脂の内の少なく
とも1種が、電荷発生層(1)上に形成されたもう一方
の電荷発生層(2)中の結着樹脂と同じ種類の樹脂であ
る電子写真用感光体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは、特定の感光層構成により、優れた
生産性と良好な実用特性を実現した電子写真用感光体に
関する。
関し、更に詳しくは、特定の感光層構成により、優れた
生産性と良好な実用特性を実現した電子写真用感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真用感光体は、導電性の
支持体の上に光導電性の材料からなる感光層を形成する
ことにより構成されているが、感光層としては、電荷発
生層及び電荷輸送層からなる機能分離型の積層型電子写
真用感光体が用いられることが多い。
支持体の上に光導電性の材料からなる感光層を形成する
ことにより構成されているが、感光層としては、電荷発
生層及び電荷輸送層からなる機能分離型の積層型電子写
真用感光体が用いられることが多い。
【0003】このような電子写真用感光体において、感
度波長域の拡大、或いは特殊な現像方式に対応した複数
露光用を目的として電荷発生層を2層以上の多層構造と
するアイデアが、例えば、特開昭50−75042号公
報(米国特許第3,992,205号)、特開昭63−
38942号公報、特開昭63−142356号公報、
特開昭63−292136号公報、特開平1−1856
35号公報、特開平6−27689号公報等に開示され
ている。
度波長域の拡大、或いは特殊な現像方式に対応した複数
露光用を目的として電荷発生層を2層以上の多層構造と
するアイデアが、例えば、特開昭50−75042号公
報(米国特許第3,992,205号)、特開昭63−
38942号公報、特開昭63−142356号公報、
特開昭63−292136号公報、特開平1−1856
35号公報、特開平6−27689号公報等に開示され
ている。
【0004】従来の技術において、2層以上の電荷発生
層を有する電子写真用感光体の製造方法においては、例
えば、特開昭50−75042号公報(米国特許第3,
992,205号)に開示された技術のように、電荷発
生層を真空蒸着法により積層するものか、或いは電荷発
生層を樹脂分散系の塗料による塗布で形成する技術にお
いては、特開昭63−38942号公報、特開平1−1
85635号公報等に開示された技術のように、上層の
塗料の溶剤が下層の樹脂に対する溶解性を有する組み合
わせのもの、或いは逆に、特開昭63−292136号
公報等に開示された電子写真用感光体のように、あえて
上層の塗料の溶剤と下層の樹脂が全く溶解性のないもの
を組み合わせた方法が公知である。
層を有する電子写真用感光体の製造方法においては、例
えば、特開昭50−75042号公報(米国特許第3,
992,205号)に開示された技術のように、電荷発
生層を真空蒸着法により積層するものか、或いは電荷発
生層を樹脂分散系の塗料による塗布で形成する技術にお
いては、特開昭63−38942号公報、特開平1−1
85635号公報等に開示された技術のように、上層の
塗料の溶剤が下層の樹脂に対する溶解性を有する組み合
わせのもの、或いは逆に、特開昭63−292136号
公報等に開示された電子写真用感光体のように、あえて
上層の塗料の溶剤と下層の樹脂が全く溶解性のないもの
を組み合わせた方法が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子写真用感光体の生
産性の観点からすると、感光層が樹脂分散系の方が、真
空蒸着等によるものに比較して、簡単な浸漬塗布工程で
生産できることから遥かに有利である。しかるに、従来
の公知技術にあるような組成で電子写真用感光体を作成
しようとすると、例えば、下層を構成する樹脂が上層の
塗料の溶剤に溶解性があると、浸漬した際に、第1層が
第2層の塗料中に溶出し、汚染が生じる。これを防止す
るために第1層を構成する樹脂を第2層の塗料の溶剤と
相溶性のないものから選択することが有効であるが、こ
の場合、第1層と第2層の密着性が弱くなり、塗膜の機
械的強度が低下したり、層間の電荷の注入が抑制され、
電気特性が悪くなるといった問題がある。
産性の観点からすると、感光層が樹脂分散系の方が、真
空蒸着等によるものに比較して、簡単な浸漬塗布工程で
生産できることから遥かに有利である。しかるに、従来
の公知技術にあるような組成で電子写真用感光体を作成
しようとすると、例えば、下層を構成する樹脂が上層の
塗料の溶剤に溶解性があると、浸漬した際に、第1層が
第2層の塗料中に溶出し、汚染が生じる。これを防止す
るために第1層を構成する樹脂を第2層の塗料の溶剤と
相溶性のないものから選択することが有効であるが、こ
の場合、第1層と第2層の密着性が弱くなり、塗膜の機
械的強度が低下したり、層間の電荷の注入が抑制され、
電気特性が悪くなるといった問題がある。
【0006】このように、従来、電荷発生層を多層化し
た積層型電子写真用感光体においては、生産性とその機
能、特に機械的特性と電気的特性を両立させることが困
難であり、実用性のある電子写真用感光体を実現するた
めにはその改善が望まれていた。
た積層型電子写真用感光体においては、生産性とその機
能、特に機械的特性と電気的特性を両立させることが困
難であり、実用性のある電子写真用感光体を実現するた
めにはその改善が望まれていた。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、多層化
した電荷発生層を利用した電子写真用感光体の実用化に
おいて問題となってきた樹脂の選定に関わる製造上の問
題点を、特定の樹脂構成とすることにより克服し、同時
に機械的、電気的特性の向上も図って、実用上より好ま
しい電子写真用感光体を提供することにある。
した電荷発生層を利用した電子写真用感光体の実用化に
おいて問題となってきた樹脂の選定に関わる製造上の問
題点を、特定の樹脂構成とすることにより克服し、同時
に機械的、電気的特性の向上も図って、実用上より好ま
しい電子写真用感光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は電子写真用感
光体に要求される様々な特性を満たすべく、数多くの材
料と層構成の検討を行った結果、本発明を完成するに至
った。
光体に要求される様々な特性を満たすべく、数多くの材
料と層構成の検討を行った結果、本発明を完成するに至
った。
【0009】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、導電性支持体上に、電荷発生物質を結着樹脂中に分
散して成る電荷発生層を2層以上積層し、更に電荷輸送
層を積層して成る電子写真用感光体において、隣接する
2つの電荷発生層のうち、導電性支持体側の電荷発生層
(1)中の結着樹脂が2種類以上の樹脂の混合物から成
り、かつ、2種類以上の樹脂の内の少なくとも1種が、
電荷発生層(1)上に形成されたもう一方の電荷発生層
(2)中の結着樹脂と同じ種類の樹脂であることを特徴
とする電子写真用感光体を提供する。
に、導電性支持体上に、電荷発生物質を結着樹脂中に分
散して成る電荷発生層を2層以上積層し、更に電荷輸送
層を積層して成る電子写真用感光体において、隣接する
2つの電荷発生層のうち、導電性支持体側の電荷発生層
(1)中の結着樹脂が2種類以上の樹脂の混合物から成
り、かつ、2種類以上の樹脂の内の少なくとも1種が、
電荷発生層(1)上に形成されたもう一方の電荷発生層
(2)中の結着樹脂と同じ種類の樹脂であることを特徴
とする電子写真用感光体を提供する。
【0010】このような構成とすることにより、本願発
明の電子写真用感光体は、大幅な機械的強度の向上を実
現しながら、優れた電気的特性を併せ持つことができ
る。
明の電子写真用感光体は、大幅な機械的強度の向上を実
現しながら、優れた電気的特性を併せ持つことができ
る。
【0011】更に、電荷発生層(1)中に含有する樹脂
であって、電荷発生層(2)中に含有する樹脂と同じ種
類の割合が、電荷発生層(1)中に含有する結着樹脂総
量の2〜10重量%の範囲にあることが好ましく、その
際、請求項3に記載のように、電荷発生層(1)を構成
する結着樹脂が、ポリアミド樹脂及びポリビニルブチラ
ール樹脂を含有し、電荷発生層(2)を構成する結着樹
脂がポリビニルブチラール樹脂の組み合わせが好まし
い。
であって、電荷発生層(2)中に含有する樹脂と同じ種
類の割合が、電荷発生層(1)中に含有する結着樹脂総
量の2〜10重量%の範囲にあることが好ましく、その
際、請求項3に記載のように、電荷発生層(1)を構成
する結着樹脂が、ポリアミド樹脂及びポリビニルブチラ
ール樹脂を含有し、電荷発生層(2)を構成する結着樹
脂がポリビニルブチラール樹脂の組み合わせが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用感光体の感光
層の構造の一例を図1に示した。図1に例示した電子写
真用感光体は、導電性支持体上に、第1の電荷発生層、
第2の電荷発生層、電荷輸送層の順に積層したものであ
り、第1の電荷発生層に用いられている樹脂は、第2の
電荷発生層の樹脂と他の樹脂との混合物からなってい
る。本発明の電子写真用感光体の構造は、ここに例示し
たものに限定されるものではなく、実施に当たっては、
適宜、接着層、保護層の如き他の機能層を追加したり、
層の積層順序を変更することもできる。
層の構造の一例を図1に示した。図1に例示した電子写
真用感光体は、導電性支持体上に、第1の電荷発生層、
第2の電荷発生層、電荷輸送層の順に積層したものであ
り、第1の電荷発生層に用いられている樹脂は、第2の
電荷発生層の樹脂と他の樹脂との混合物からなってい
る。本発明の電子写真用感光体の構造は、ここに例示し
たものに限定されるものではなく、実施に当たっては、
適宜、接着層、保護層の如き他の機能層を追加したり、
層の積層順序を変更することもできる。
【0013】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用
いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性
ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニ
ウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸
着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィル
ム、ベルト等が挙げられる。
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用
いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性
ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニ
ウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸
着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィル
ム、ベルト等が挙げられる。
【0014】電荷発生層に用いられる電荷発生物質とし
ては、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナク
リドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレー
キ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料等の種々
の有機顔料を挙げることができる。
ては、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナク
リドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレー
キ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料等の種々
の有機顔料を挙げることができる。
【0015】電荷発生層に用いられる結着樹脂として
は、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好
ましい。高分子重合体としては、例えば、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−ア
ルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ス
チレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、
ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミ
ド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系
ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの結合樹脂
は、単独又は2種類以上混合して用いられる。そして、
本発明の電子写真用感光体では、隣接する2つの電荷発
生層のうち、導電性支持体側の電荷発生層(1)中の結
着樹脂が2種類以上の樹脂の混合物から成り、かつ、2
種類以上の樹脂の内の少なくとも1種が、電荷発生層
(1)上に形成されたもう一方の電荷発生層(2)中の
結着樹脂と同じ種類の樹脂を用いるものである。さら
に、本発明の電子写真用感光体では、下層の電荷発生層
を構成する結着樹脂が、ポリアミド樹脂及びポリビニル
ブチラール樹脂を含有し、上層の電荷発生層を構成する
結着樹脂がポリビニルブチラール樹脂とした組み合わせ
が好ましいが、他の樹脂を適宜併用することもできる。
は、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好
ましい。高分子重合体としては、例えば、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−ア
ルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ス
チレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、
ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミ
ド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系
ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの結合樹脂
は、単独又は2種類以上混合して用いられる。そして、
本発明の電子写真用感光体では、隣接する2つの電荷発
生層のうち、導電性支持体側の電荷発生層(1)中の結
着樹脂が2種類以上の樹脂の混合物から成り、かつ、2
種類以上の樹脂の内の少なくとも1種が、電荷発生層
(1)上に形成されたもう一方の電荷発生層(2)中の
結着樹脂と同じ種類の樹脂を用いるものである。さら
に、本発明の電子写真用感光体では、下層の電荷発生層
を構成する結着樹脂が、ポリアミド樹脂及びポリビニル
ブチラール樹脂を含有し、上層の電荷発生層を構成する
結着樹脂がポリビニルブチラール樹脂とした組み合わせ
が好ましいが、他の樹脂を適宜併用することもできる。
【0016】また、電荷輸送物質は、一般に、電子を輸
送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類される
が、本発明の電子写真用感光体には両者とも使用するこ
とができる。
送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類される
が、本発明の電子写真用感光体には両者とも使用するこ
とができる。
【0017】電子輸送物質としては、例えば、ベンゾキ
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。
【0018】また、正孔輸送物質としては、低分子化合
物では、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾ
ン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリ
ン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジ
ン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の
化合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
物では、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾ
ン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリ
ン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジ
ン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の
化合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0019】これらの材料は、結着樹脂に分散された上
で、浸漬塗工法等により塗布されて、電荷輸送層に使用
することができる。電荷輸送物質は、ここに挙げたもの
に限定されるものではなく、その使用に際しては単独、
あるいは2種類以上混合して用いることができる。
で、浸漬塗工法等により塗布されて、電荷輸送層に使用
することができる。電荷輸送物質は、ここに挙げたもの
に限定されるものではなく、その使用に際しては単独、
あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0020】電荷輸送層の結着樹脂に用いられる材料と
しては、電荷発生層の結着樹脂として挙げたものを単
独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
しては、電荷発生層の結着樹脂として挙げたものを単
独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0021】また、これらの結着樹脂とともに可塑剤、
表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使
用することもできる。
表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使
用することもできる。
【0022】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0023】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0024】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
【0025】光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
【0026】電荷発生層、或いは電荷輸送層を塗工によ
って形成する場合、上記の電荷発生物質、或いは電荷輸
送物質を結着樹脂等に混合したものを溶剤に溶解した塗
料を用いるが、浸漬法によって塗布を行う場合、溶出を
防止するため、溶剤の種類は下層を構成する主たる樹脂
に対する溶解度の小さいものから選択することが望まし
い。具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロ
エタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン等の芳香族類などが挙げられる。
って形成する場合、上記の電荷発生物質、或いは電荷輸
送物質を結着樹脂等に混合したものを溶剤に溶解した塗
料を用いるが、浸漬法によって塗布を行う場合、溶出を
防止するため、溶剤の種類は下層を構成する主たる樹脂
に対する溶解度の小さいものから選択することが望まし
い。具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロ
エタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン等の芳香族類などが挙げられる。
【0027】
【作用】本発明の電子写真用感光体が優れた塗膜強度と
良好な電気的特性を併せ持つことができる理由は、以下
のように理解される。
良好な電気的特性を併せ持つことができる理由は、以下
のように理解される。
【0028】本発明の電子写真用感光体のような構成で
は、下層の電荷発生層は上層の塗料の溶剤に対し必然的
に一定の相溶性を持つことになる。しかしながら、浸漬
塗布において問題となる下層の上層塗料への溶け出し
は、下層の樹脂が上層の樹脂を含んでいても、主たる構
成樹脂が上層の溶剤に対し溶解性がない場合は、極めて
低く抑制することができることが判明した。従って、本
構成を取ることにより、従来技術のような下層の上層塗
料への溶け出しは効果的に防止でき、また相溶性のない
樹脂同士を用いた場合のような、膜相互の密着性の不良
は相互に同一の樹脂が含まれることで飛躍的な改善が見
られる。更に、本発明の電子写真用感光体においては、
電気的特性に顕著な向上が見られるが、これは上記密着
性の向上により、電気的な接合性が良好となったこと
と、以下の実施例に例示したように、樹脂の混合系とす
ることで顔料の分散性が向上し、電気的特性に寄与した
結果と考えられる。
は、下層の電荷発生層は上層の塗料の溶剤に対し必然的
に一定の相溶性を持つことになる。しかしながら、浸漬
塗布において問題となる下層の上層塗料への溶け出し
は、下層の樹脂が上層の樹脂を含んでいても、主たる構
成樹脂が上層の溶剤に対し溶解性がない場合は、極めて
低く抑制することができることが判明した。従って、本
構成を取ることにより、従来技術のような下層の上層塗
料への溶け出しは効果的に防止でき、また相溶性のない
樹脂同士を用いた場合のような、膜相互の密着性の不良
は相互に同一の樹脂が含まれることで飛躍的な改善が見
られる。更に、本発明の電子写真用感光体においては、
電気的特性に顕著な向上が見られるが、これは上記密着
性の向上により、電気的な接合性が良好となったこと
と、以下の実施例に例示したように、樹脂の混合系とす
ることで顔料の分散性が向上し、電気的特性に寄与した
結果と考えられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。
【0030】(実施例1)式
【化1】 で表わされるジスアゾ顔料1部、ポリアミド樹脂(東レ
社製の「CM−8000」)1部及びポリビニルブチラ
ール樹脂(積水化学社製の「エスレックBL−1」)
0.08部を、メタノール7部及びn−ブタノール7部
から成る混合溶媒に混合し、サンドミルで1時間分散さ
せて、第1の電荷発生層用の塗料を得た。この塗料を用
いて、厚さ1mmのアルミ板上に、浸漬塗布法により乾
燥後の膜厚が5μmと成るように塗布した後、110℃
で10分間加熱乾燥させて、第1の電荷発生層を形成し
た。
社製の「CM−8000」)1部及びポリビニルブチラ
ール樹脂(積水化学社製の「エスレックBL−1」)
0.08部を、メタノール7部及びn−ブタノール7部
から成る混合溶媒に混合し、サンドミルで1時間分散さ
せて、第1の電荷発生層用の塗料を得た。この塗料を用
いて、厚さ1mmのアルミ板上に、浸漬塗布法により乾
燥後の膜厚が5μmと成るように塗布した後、110℃
で10分間加熱乾燥させて、第1の電荷発生層を形成し
た。
【0031】次に、α型チタニルフタロシアニン5部
を、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製の「エス
レックBH−3」)5部及び塩化メチレン190部から
成る樹脂溶液に混合した後、振動ミルを用いて分散させ
て、第2の電荷発生層用の塗料を得た。この塗料を用い
て、第1の電荷発生層の上に、浸漬塗布法により乾燥後
の膜厚が0.4μmと成るように塗布した後、上記と同
様にして加熱乾燥させて、第2の電荷発生層を形成し
た。
を、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製の「エス
レックBH−3」)5部及び塩化メチレン190部から
成る樹脂溶液に混合した後、振動ミルを用いて分散させ
て、第2の電荷発生層用の塗料を得た。この塗料を用い
て、第1の電荷発生層の上に、浸漬塗布法により乾燥後
の膜厚が0.4μmと成るように塗布した後、上記と同
様にして加熱乾燥させて、第2の電荷発生層を形成し
た。
【0032】更に、式
【化2】 で表わされる正孔輸送物質10部及びポリカーボネート
樹脂(帝人化成社製の「パンライトL−1250W」)
10部をクロロホルム80部に溶解して、電荷輸送層用
の塗料を作成した。この塗料を用いて、上記第2の電荷
発生層の上に、浸漬塗布法により乾燥後の膜厚が15μ
mと成るように塗布した後、乾燥させることによって電
荷輸送層を形成して、負帯電型の電子写真用感光体を得
た。
樹脂(帝人化成社製の「パンライトL−1250W」)
10部をクロロホルム80部に溶解して、電荷輸送層用
の塗料を作成した。この塗料を用いて、上記第2の電荷
発生層の上に、浸漬塗布法により乾燥後の膜厚が15μ
mと成るように塗布した後、乾燥させることによって電
荷輸送層を形成して、負帯電型の電子写真用感光体を得
た。
【0033】(実施例2)実施例1において、第1の電
荷発生層用の塗料に用いるポリビニルブチラール樹脂と
して、積水化学社製の「エスレックBL−1」0.08
部に代えて、ユニオンカーバイド社製の「XYHL」
0.04部を用いた以外は、実施例1と同様にして電子
写真用感光体を作成した。
荷発生層用の塗料に用いるポリビニルブチラール樹脂と
して、積水化学社製の「エスレックBL−1」0.08
部に代えて、ユニオンカーバイド社製の「XYHL」
0.04部を用いた以外は、実施例1と同様にして電子
写真用感光体を作成した。
【0034】(実施例3)実施例1において、第1の電
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部、ポリアミド樹脂(帝国化学社製の「トレジンM
F−30」)1部及びポリビニルブチラール樹脂(積水
化学社製の「エスレックBMS」)0.05部を、メタ
ノール7部及びn−ブタノール7部から成る混合溶媒に
混合し、サンドミルを用いて1時間分散させたものを用
いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を
得た。
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部、ポリアミド樹脂(帝国化学社製の「トレジンM
F−30」)1部及びポリビニルブチラール樹脂(積水
化学社製の「エスレックBMS」)0.05部を、メタ
ノール7部及びn−ブタノール7部から成る混合溶媒に
混合し、サンドミルを用いて1時間分散させたものを用
いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を
得た。
【0035】(比較例1)実施例1において、第1の電
荷発生層用の塗料中の結着樹脂としてポリビニルブチラ
ールを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、
電子写真用感光体を得た。
荷発生層用の塗料中の結着樹脂としてポリビニルブチラ
ールを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、
電子写真用感光体を得た。
【0036】(比較例2)実施例1において、第1の電
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部及びポリカーボネート樹脂(帝人化成社製の「パ
ンライトL−1250W」)1部を1,2−ジクロロエ
タン14部に混合し、サンドミルで1時間分散させたも
のを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真用
感光体を得た。
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部及びポリカーボネート樹脂(帝人化成社製の「パ
ンライトL−1250W」)1部を1,2−ジクロロエ
タン14部に混合し、サンドミルで1時間分散させたも
のを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真用
感光体を得た。
【0037】(比較例3)実施例1において、第1の電
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部及びポリエステル樹脂(東洋紡社製の「バイロン
200」)1部をトルエン10部及びメチルエチルケト
ン4部から成る混合溶媒に混合し、サンドミルで1時間
分散させたものを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、電子写真用感光体を得た。
荷発生層用塗料として、実施例1で使用したジスアゾ顔
料1部及びポリエステル樹脂(東洋紡社製の「バイロン
200」)1部をトルエン10部及びメチルエチルケト
ン4部から成る混合溶媒に混合し、サンドミルで1時間
分散させたものを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、電子写真用感光体を得た。
【0038】(塗膜性状評価)感光層の機械特性の評価
として、接着強度測定を行った。測定方法はJIS−K
5400の規格に準拠して、クロスカット試験を行い、
更にセロファン粘着テープ(ニチバン社製の「セロハン
テープ」)による剥離試験を行って、100個のます目
の残存数により評価を行った。その結果を表1に示し
た。
として、接着強度測定を行った。測定方法はJIS−K
5400の規格に準拠して、クロスカット試験を行い、
更にセロファン粘着テープ(ニチバン社製の「セロハン
テープ」)による剥離試験を行って、100個のます目
の残存数により評価を行った。その結果を表1に示し
た。
【0039】また、第2の電荷発生層を浸漬塗布する際
の下層の溶出状態も同じ表に示した。
の下層の溶出状態も同じ表に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示した結果から明らかなように、実
施例の電子写真用感光体は、優れた接着特性を示し、ま
た浸漬塗布の際も下層の溶出が全く見られなかった。一
方、下層に上層の樹脂を含有しない比較例1の電子写真
用感光体は、接着性がやや劣っていた。また、下層の結
着樹脂としてポリカーボネート樹脂を単独で用いた比較
例2の電子写真用感光体は、導電性支持体と感光層の密
着性が極めて悪く、クロスカット試験で全面が剥離し
た。更に、下層にポリエステル系の樹脂を用いた比較例
3の電子写真用感光体では、接着性は良好であったが、
上層の塗布の際に多量の溶出が認められ、浸漬塗布に適
用して安定的な製造を行うことは不可能であることが分
かった。
施例の電子写真用感光体は、優れた接着特性を示し、ま
た浸漬塗布の際も下層の溶出が全く見られなかった。一
方、下層に上層の樹脂を含有しない比較例1の電子写真
用感光体は、接着性がやや劣っていた。また、下層の結
着樹脂としてポリカーボネート樹脂を単独で用いた比較
例2の電子写真用感光体は、導電性支持体と感光層の密
着性が極めて悪く、クロスカット試験で全面が剥離し
た。更に、下層にポリエステル系の樹脂を用いた比較例
3の電子写真用感光体では、接着性は良好であったが、
上層の塗布の際に多量の溶出が認められ、浸漬塗布に適
用して安定的な製造を行うことは不可能であることが分
かった。
【0042】(電気特性)各実施例及び各比較例で得た
電子写真用感光体の電気特性を評価するために、静電複
写試験装置モデル「SP−428」(川口電機製作所社
製)を用いて電子写真特性を測定した。測定方法は、ま
ず電子写真用感光体を暗所で印加電圧−6kVのコロナ
放電により帯電させ、この直後の表面電位を初期電位V
0 として、帯電能の評価に用いた。次に、暗所に10秒
間放置した後の電位を測定し、V10とした。 ここでV0
/V10によって電位保持能を評価した。次いで、タング
ステンランプで、その表面における照度が5ルクスにな
るように設定し、感光層に光照射を15秒間行ない、表
面電位の減衰曲線を記録した。ここで15秒後の表面電
位を測定し、それを残留電位VR とした。また、光照射
により、表面電位がV 10の1/2に減少するまでの露光
量を求め、半減露光量E1/2 として感度を評価した。ま
た、帯電後3000ルクスの白色光を0.1秒照射して
除電する工程を1秒ごとに100回繰り返した後、同じ
測定を行ない、繰り返し後の特性変化を評価した。その
結果を表2に示した。
電子写真用感光体の電気特性を評価するために、静電複
写試験装置モデル「SP−428」(川口電機製作所社
製)を用いて電子写真特性を測定した。測定方法は、ま
ず電子写真用感光体を暗所で印加電圧−6kVのコロナ
放電により帯電させ、この直後の表面電位を初期電位V
0 として、帯電能の評価に用いた。次に、暗所に10秒
間放置した後の電位を測定し、V10とした。 ここでV0
/V10によって電位保持能を評価した。次いで、タング
ステンランプで、その表面における照度が5ルクスにな
るように設定し、感光層に光照射を15秒間行ない、表
面電位の減衰曲線を記録した。ここで15秒後の表面電
位を測定し、それを残留電位VR とした。また、光照射
により、表面電位がV 10の1/2に減少するまでの露光
量を求め、半減露光量E1/2 として感度を評価した。ま
た、帯電後3000ルクスの白色光を0.1秒照射して
除電する工程を1秒ごとに100回繰り返した後、同じ
測定を行ない、繰り返し後の特性変化を評価した。その
結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示した結果から明らかなように、実
施例の電子写真用感光体は、第1の電荷発生層の結着樹
脂に第2の電荷発生層の樹脂を含有しないこと以外は同
条件の比較例1の電子写真用感光体と比較して、感度、
残留電位に若干の向上が見られた。これは、下層に上層
と同じ系統の樹脂が含まれることで、両層の密着性が向
上し、電気的な接合状態が改善されたこと、及び顔料分
散性が良好なポリビニルブチラールを使用したことによ
り、第1の電荷発生層の顔料分散性が向上したことによ
るものと考えられる。一方、第1の電荷発生層の結着樹
脂に上層の溶剤に溶解性を有する樹脂を用いた比較例
2、及び3の電子写真用感光体は、実施例及び比較例1
の電子写真用感光体と比較して、全ての特性において大
幅に劣るものであった。
施例の電子写真用感光体は、第1の電荷発生層の結着樹
脂に第2の電荷発生層の樹脂を含有しないこと以外は同
条件の比較例1の電子写真用感光体と比較して、感度、
残留電位に若干の向上が見られた。これは、下層に上層
と同じ系統の樹脂が含まれることで、両層の密着性が向
上し、電気的な接合状態が改善されたこと、及び顔料分
散性が良好なポリビニルブチラールを使用したことによ
り、第1の電荷発生層の顔料分散性が向上したことによ
るものと考えられる。一方、第1の電荷発生層の結着樹
脂に上層の溶剤に溶解性を有する樹脂を用いた比較例
2、及び3の電子写真用感光体は、実施例及び比較例1
の電子写真用感光体と比較して、全ての特性において大
幅に劣るものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に2層
以上の電荷発生層を積層した電子写真用感光体におい
て、優れた機械的強度と電気特性を同時に実現し得る電
子写真用感光体を提供することができる。
以上の電荷発生層を積層した電子写真用感光体におい
て、優れた機械的強度と電気特性を同時に実現し得る電
子写真用感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す模式断面図である。
す模式断面図である。
1 導電性支持体 2 感光層 3 電荷発生物質 4 電荷発生物質 5 結着樹脂 6 第1の電荷発生層 7 第2の電荷発生層 8 電荷輸送層
Claims (3)
- 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生物質を結着
樹脂中に分散して成る電荷発生層を2層以上積層し、更
に電荷輸送層を積層して成る電子写真用感光体におい
て、隣接する2つの電荷発生層のうち、導電性支持体側
の電荷発生層(1)中の結着樹脂が2種類以上の樹脂の
混合物から成り、かつ、2種類以上の樹脂の内の少なく
とも1種が、電荷発生層(1)上に形成されたもう一方
の電荷発生層(2)中の結着樹脂と同じ種類の樹脂であ
ることを特徴とする電子写真用感光体。 - 【請求項2】 電荷発生層(1)中に含有する樹脂であ
って、電荷発生層(2)中に含有する樹脂と同じ種類の
樹脂の割合が、電荷発生層(1)中に含有する結着樹脂
総量の2〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請
求項1記載の電子写真用感光体。 - 【請求項3】 電荷発生層(1)を構成する結着樹脂
が、少なくともポリアミド樹脂及びポリビニルブチラー
ル樹脂を含有し、電荷発生層(2)を構成する結着樹脂
が少なくともポリビニルブチラール樹脂を含有すること
を特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25499395A JPH0996913A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25499395A JPH0996913A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0996913A true JPH0996913A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17272726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25499395A Pending JPH0996913A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0996913A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006286390A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 鉛蓄電池用セパレータ及び鉛蓄電池 |
JP2009229481A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Kyocera Mita Corp | 積層型電子写真感光体及び画像形成装置 |
-
1995
- 1995-10-02 JP JP25499395A patent/JPH0996913A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006286390A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 鉛蓄電池用セパレータ及び鉛蓄電池 |
JP2009229481A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Kyocera Mita Corp | 積層型電子写真感光体及び画像形成装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20041207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050324 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |