JPH0643668A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH0643668A
JPH0643668A JP19692492A JP19692492A JPH0643668A JP H0643668 A JPH0643668 A JP H0643668A JP 19692492 A JP19692492 A JP 19692492A JP 19692492 A JP19692492 A JP 19692492A JP H0643668 A JPH0643668 A JP H0643668A
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JP
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group
formula
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photosensitive layer
polycarbonate
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Application number
JP19692492A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Arakawa
博道 荒川
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に、結着樹脂中に電荷発生材
料及び/又は電荷輸送物質を分散して成る感光層を設け
て成る電子写真用感光体において、結着樹脂が一般式
(I)と一般式(II) 【化1】 (式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子、置換基
を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよ
い炭素環基で置換されていてもよい。) 【化2】 (式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子、置換基
を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよ
い炭素環基で置換されていてもよい。)で表わされるポ
リカーボネートを含有する電子写真用感光体。 【効果】 感度及び機械的耐久性良好。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関
し、詳しくは特定の構造を有するポリカーボネート樹脂
を用いた高耐久性かつ高感度な電子写真用感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に塗布方式によって形成される電子
写真用感光体の結着樹脂としては、疎水性で、かつ電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いること
が知られている。
【0003】しかしながら、従来用いられてきた樹脂で
は機械的強度及び電子写真特性の両面で十分要求特性を
満足する物は未だ得られていないのが現状であり、更に
優れた特性の電子写真用感光体を実現するためその改良
が強く望まれてきた。
【0004】ビスフェノールAを原料とするポリカーボ
ネート樹脂は、一般に電気絶縁性が大きく、また機械的
強度が優れているため、従来より電子写真用感光体の結
着樹脂としての使用が検討されてきた。(例えば、特公
昭43−21792号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結着樹
脂としてビスフェノールAを原料とするポリカーボネー
ト樹脂を使用した場合、結着樹脂が結晶化し易いために
塗料溶液が容易にゲル化したり、実使用時の耐摩耗性が
不足しているため、耐久性に劣る等の問題を有してい
た。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、特定の
構造のポリカーボネートを用いる事により、従来の感光
体の機械的、電気的特性を改善し、実用上より好ましい
電子写真用感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは電子写真用感
光体に用いる樹脂に改良を重ね、高耐久性で高感度の感
光体組成開発に注力してきた。その結果、特定の構造を
持つポリカーボネート樹脂を結着樹脂として用いること
により、本目的として非常に優れた特性を持つ感光体が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)導電性支持体上に、結着樹脂中に光導電性物
質を分散して成る感光層を設けて成る電子写真用感光体
において、結着樹脂が一般式(I)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよい脂肪族基、置換基を有
していてもよい炭素環基で置換されていてもよい。)及
び一般式(II)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよい脂肪族基、置換基を有
していてもよい炭素環基で置換されていてもよい。)で
表わされる繰り返し単位を有するポリカーボネートを含
有することを特徴とする電子写真用感光体、(2)ポリ
カーボネートが、テトラヒドロフラン(THF)に溶解
した場合のゲル浸透クロマトグラフィーによる平均分子
量が重量平均分子量で20000〜300000である
ポリカーボネートを含有することを特徴とする前記
(1)記載の電子写真用感光体、(3)一般式(I)及
び一般式(II)で示される繰り返し単位の割合がモル比
で5:95〜50:50の範囲にあるポリカーボネート
を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載
の電子写真用感光体、(4)光導電性物質が一般式(II
I)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、Aは置換又は無置換のアリール
基、アラルキル基を表わし、R1〜R4は同一もしくは異
なっていてもよく、水素原子、置換又は無置換のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基を表わ
し、またR3及びR4は一体となって窒素原子を含む置換
又は無置換の複素環基を形成してもよい。nは0又は1
を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とす
る前記(1)、(2)又は(3)記載の電子写真用感光
体及び(5)光導電性物質が一般式(IV)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、R1、R2、R7及びR8は同一もし
くは異なっていてもよく、水素原子、置換又は無置換の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基を表
わし、R3〜R6は同一もしくは異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、
アルコキシ基、アラルキル基、アリール基を表わし、A
は、置換又は無置換のアリール基、アルキル基、複素環
基の2価残基を表わす。l、m、n、o及びpは各々独
立的に0〜4の整数を表わす。)で表わされる化合物で
あることを特徴とする前記(1)、(2)又は(3)記
載の電子写真用感光体を提供する。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明においては、導電性支持体上に光導
電性材料による感光層を形成して電子写真用感光体とし
て用いられるが、感光層の構造は様々な形態を取ること
ができる。その例を図1〜4に示した。図1の電子写真
用感光体は電荷発生材料を結着樹脂に分散させてなる感
光層を設けたものである。図2は電荷発生材料と電荷輸
送材料を結着樹脂に分散させてなる感光層を設けたもの
である。図3及び図4は電荷発生材料を主体とする電荷
発生層と電荷輸送材料を主体とする電荷輸送層を積層し
た感光層を設けたものである。これらの感光層の膜厚は
5μmから50μmの範囲が好ましい。また必要に応じ
て導電性支持体と感光層の間にバリアー性、接着性を向
上させるため中間層を形成することもできる。また更に
必要に応じて感光層の上に耐摩耗性、耐薬品性等を向上
するため表面保護層を形成することもできる。
【0019】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用い
た金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポ
リマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウ
ム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あ
るいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベル
ト等が挙げられる。
【0020】感光層に用いられる光導電性物質は、電荷
発生材料と電荷輸送物質が挙げられる。
【0021】電荷発生材料としては、例えば、アゾ系顔
料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、
チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、
フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン
系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン
系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリ
フェニルメタン系顔料、アズレニウム染料、スクウェア
リウム染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン染
料、キサンテン染料、チアジン染料、シアニン系染料等
の種々の有機顔料、染料や、更にアモルファスシリコ
ン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合
金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化
亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0022】これらの材料は結着樹脂に分散され塗布さ
れるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段
により成膜されて、感光層に使用することができる。
【0023】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0024】また、電荷輸送物質としては一般に電子を
輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類され
るが、本発明の電子写真用感光体には両者とも使用する
ことができる。
【0025】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫
化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げ
られる。
【0026】正孔輸送物質としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、
あるいはN−メチル−2−フェニルヒドラジノ−3−メ
チリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニ
ルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾー
ル、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフ
ェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベンズ
アルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフェ
ニルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、等
のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニ
ル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
類、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(メチルフ
ェニル)ベンジジン、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(エチルフェニル)ベンジジン、N,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス(プロピルフェニル)ベンジジ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(クロロフ
ェニル)ベンジジン等のベンジジン系化合物、トリフェ
ニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−
1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等が挙げ
られる。また、高分子化合物としては、例えば、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラ
セン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、
エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェ
ニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げられる。
【0027】これらの中でも、特にヒドラゾン系化合
物、ベンジジン系化合物等を用いることが本目的を達成
するために適しており、非常に優れた特性を持つ感光体
を得ることができる。
【0028】これらの材料は結着樹脂に分散され塗布さ
れるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段
により成膜されて、感光層に使用することができる。
【0029】電荷輸送物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0030】また、これらの電荷輸送剤とともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤、抗酸化剤等の添加剤を使用す
ることもできる。
【0031】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0032】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0033】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0034】抗酸化剤としては、例えば、フェノール系
酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0035】感光層の結着樹脂としては、一般式(I)
及び一般式(II)からなるポリカーボネート共重合体を
用いることができるが、必要に応じて他の樹脂を適当な
割合で混合して用いることもできる。混合して用いる樹
脂としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重
合体が好ましい。このような高分子重合体としては、例
えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−
ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹
脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、
ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール
樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩
化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らの結着樹脂は、単独又は2種類以上を混合して用いら
れる。
【0036】更に本発明においては、導電性支持体と感
光層との接着性を向上させたり、支持体から感光層への
自由電荷の注入を阻止するため、導電性支持体と感光層
の間に、必要に応じて中間層を設けることもできる。こ
れらの層に用いられる材料としては、前記感光層の結着
樹脂に用いられる高分子化合物の他、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。こ
の接着剤層あるいはバリヤー層は上記材料を導電性支持
体上に塗工、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の
手段により形成することができる。
【0037】また更に必要に応じて感光層の上に耐摩耗
性、耐薬品性等を向上するため表面保護層を形成するこ
ともできる。この層に用いられる材料としては、前記感
光層の結着樹脂に用いられる高分子化合物や、あるいは
それに導電性を付与するための添加剤を分散させて用い
たものや、アモルファスシリコン、アモルファスシリコ
ンカーバイド、アモルファスカーボン、ダイヤモンド等
の薄膜を挙げることができる。この表面保護層は上記材
料を感光層上に塗工、真空蒸着、スパッタリング、CV
D法等の手段により形成することができる。
【0038】電子写真用感光体の感光層を塗工によって
形成する場合、上記の電荷発生材料や電荷輸送物質を結
着樹脂等に混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いる
が、結着樹脂を溶解する溶剤は、結着樹脂の種類によっ
て異なるが、下層を溶解しないものの中から選択するこ
とが好ましい。具体的な有機溶剤の例としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のア
ルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエ
ーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及び
スルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
【0039】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。
【0041】(試料作製方法) (比較例1)α型チタニルフタロシアニン5部にブチラ
ール樹脂(商品名「エスレックBL−1」積水化学社
製)5部と塩化メチレン90部を混合し振動ミルを用い
て電荷発生層形成用塗料を得た。この塗料を厚さ100
μmのアルミ蒸着PETフィルムの上にワイヤバーで塗
布し、乾燥後の膜厚が0.4μmの電荷発生層を形成し
た。
【0042】次に、正孔輸送物質である式(V)
【0043】
【化9】
【0044】で表わされるヒドラゾン化合物10部とビ
スフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂(商
品名「パンライトC−1400」帝人化成(株)社製)1
0部、ビスt−ブチルヒドルキシトルエン0.5部を、
塩化メチレン48部及びモノクロルベンゼン32部から
成る混合溶剤に溶解した溶液をスピナーを用いて塗布し
た後、乾燥させて、上記電荷発生層上に厚さ23μmの
電荷輸送層を形成して電子写真用感光体を得た。
【0045】(実施例1)電荷輸送層の結着樹脂として
式(VI)
【0046】
【化10】
【0047】(式中、aとbの比率は、 1H−NMRに
よる測定によりa:b=85.7:14.3であることが確認さ
れた。)で表わされるポリカーボネートを用いた以外
は、比較例4と全く同じ方法で電子写真用感光体を得
た。
【0048】(比較例2)比較例1において、電荷輸送
層の結着樹脂として市販のポリカーボネート(商品名
「ユーピロンZ300」三菱ガス化学(株)社製)を用い
た以外は、比較例1と同様にして電子写真用感光体を得
た。
【0049】(比較例3)比較例1において、電荷輸送
層の正孔輸送物質として式(VII)
【0050】
【化11】
【0051】で表わされる化合物を用いた以外は、比較
例1と同様にして電子写真用感光体を得た。
【0052】(比較例4)比較例2において、電荷輸送
層の正孔輸送物質として式(VII)で表わされる化合物
以外は、比較例2と同様にして電子写真用感光体を得
た。
【0053】(実施例2)比較例4において、電荷輸送
層の結着樹脂として式(VI)で表わされるポリカーボネ
ートを用いた以外は、比較例4と全く同じ方法で電子写
真用感光体を得た。
【0054】(比較例5)比較例1において、電荷輸送
層の正孔輸送物質として式(VIII)
【0055】
【化12】
【0056】で表わされる化合物を用いた以外は、比較
例1と同様にして電子写真用感光体を得た。
【0057】(比較例6)比較例2において、電荷輸送
層の正孔輸送物質として式(VIII)で表わされる化合物
以外は、比較例2と同様にして電子写真用感光体を得
た。
【0058】(実施例3)比較例6において、電荷輸送
層の結着樹脂として式(VI)で表わされるポリカーボネ
ートを用いた以外は、比較例6と全く同じ方法で電子写
真用感光体を得た。
【0059】各実施例及び各比較例で使用した結着樹脂
の分子量を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】結着樹脂の分子量の測定は、ゲル浸透クロ
マトグラフィー(東洋曹達(株)製HLC−802A)を
使用し、カラムはG−5000H6、G−4000H
6、G−3000H8、G−2000H8を用い、樹脂
溶解にはTHFを用いた。
【0062】(評価結果) (電気的特性)電子写真感光体のそれぞれの電気的特性
を比較するため、静電複写紙試験装置Model SP
−428(川口電機製作所社製)を用いて特性を測定し
た。測定方法は、測定可能な大きさに裁断した感光体を
装置に装着し、暗所で印加電圧−6kVのコロナ放電に
より帯電させ、 この直後の表面電位を初期電位V0とし
て感光体の帯電能の評価に用いた。次に10秒間、暗所
に放置した後の電位を測定し、V10とした。ここで比V
10/V0によって電位保持能を評価した。 次いで波長7
80nmの単色光を、 その表面における光強度が1μ
W/cm2になるように設定し、感光層に光照射を15秒
間行い、表面電位の減衰曲線を記録した。ここで15秒
後の表面電位を測定し、それを残留電位VRとした。 ま
た、光照射により表面電位がV10の1/2に減少するま
での露光量を求め、 半減露光量E1/2として感度を評価
した。なお測定環境は23±3℃/50±10%RHで
行った。その結果を表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、感光層の結着樹
脂として式(VI)で表わされるポリカーボネートを用い
た実施例1、実施例2の感光体は比較例1、2、3及び
4の従来より用いられてきた樹脂の感光体に比べ、帯電
性、電位保持性、感度などの電子写真特性において従来
のものと遜色のないことが理解できる。また、実施例3
で示したように、式(VIII)で示される正孔輸送物質を
用いた感光体は、従来より用いられてきた樹脂の感光体
(比較例5、6)より感度の向上が見られ、他の特性も
従来のものと遜色の無いことが理解できる。
【0065】(耐摩耗性)本発明のポリカーボネートを
用いた電子写真用感光体の塗膜の摩耗性に対する効果を
見るため、電子写真用感光体の摩耗性試験を行った。
【0066】試験方法はテーバー摩耗性試験機(商品名
「ロータリーアブレージョンテスタ」東洋精機製作所社
製)に電子写真用感光体シートを装着し、荷重250
g、幅12mmに裁断した#400のサンドペーパーを両
面テープで摩耗輪全周に固定して摩耗性試験を行った。
試験環境は23±3℃/50±10%RHであった。そ
の結果を表3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】表3から明かなように、感光層の結着樹脂
として式(VI)で表わされるポリカーボネートを用いた
実施例1、実施例2及び実施例3の感光体は、それぞれ
に対応する正孔輸送物質を用いた従来より用いられてき
た樹脂の感光体と比べ、耐摩耗性において優れているこ
とが理解できる。特に、実施例1で用いた式(V)で示
される正孔輸送物質を使用した場合、特に耐摩耗性にお
いて優れた特性を示す。
【0069】
【発明の効果】本発明で使用する導電性支持体の上に一
般式(I)及び一般式(II)で表わされる繰り返し単位
を有するポリカーボネート樹脂を主成分として、感光層
のバインダーを形成することにより、電子写真装置での
使用に好適な耐久性及び感度を有する電子写真用感光体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成の一例を示した模式断
面図である。
【図2】本発明の感光体の層構成の一例を示した模式断
面図である。
【図3】本発明の感光体の層構成の一例を示した模式断
面図である。
【図4】本発明の感光体の層構成の一例を示した模式断
面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2a 感光層 2b 感光層 2c 感光層 2d 感光層 3 電荷発生物質 4 バインダー 5 電荷輸送物質 6 電荷発生層 7 電荷輸送層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、結着樹脂中に光導電
    性物質を分散して成る感光層を設けて成る電子写真用感
    光体において、結着樹脂が一般式(I) 【化1】 (式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子、置換基
    を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよ
    い炭素環基で置換されていてもよい。)及び一般式(I
    I) 【化2】 (式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子、置換基
    を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよ
    い炭素環基で置換されていてもよい。)で表わされる繰
    り返し単位を有するポリカーボネートを含有することを
    特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートが、テトラヒドロフラ
    ンに溶解した場合のゲル浸透クロマトグラフィーによる
    平均分子量が重量平均分子量で20000〜30000
    0であるポリカーボネートを含有することを特徴とする
    請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)及び一般式(II)で示され
    る繰り返し単位の割合がモル比で5:95〜50:50
    の範囲にあるポリカーボネートを含有することを特徴と
    する請求項1又は2記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 光導電性物質が一般式(III) 【化3】 (式中、Aは置換又は無置換のアリール基、アラルキル
    基を表わし、R1〜R4は同一もしくは異なっていてもよ
    く、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、アルコキシ基を表わし、またR3
    びR4は一体となって窒素原子を含む置換又は無置換の
    複素環基を形成してもよい。nは0又は1を表わす。)
    で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】 光導電性物質が一般式(IV) 【化4】 (式中、R1、R2、R7及びR8は同一もしくは異なって
    いてもよく、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、
    アリール基、アラルキル基、複素環基を表わし、R3
    6は同一もしくは異なっていてもよく、水素原子、ハ
    ロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ
    基、アラルキル基、アリール基を表わし、Aは、置換又
    は無置換のアリール基、アルキル基、複素環基の2価残
    基を表わす。l、m、n、o及びpは各々独立的に0〜
    4の整数を表わす。)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の電子写真用感光
    体。
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