JPH0511460A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0511460A
JPH0511460A JP16036991A JP16036991A JPH0511460A JP H0511460 A JPH0511460 A JP H0511460A JP 16036991 A JP16036991 A JP 16036991A JP 16036991 A JP16036991 A JP 16036991A JP H0511460 A JPH0511460 A JP H0511460A
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JP
Japan
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layer
film
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JP16036991A
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Toshihiro Ebine
俊裕 海老根
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電
荷輸送層を積層してなる電子写真感光体において、電荷
発生層がラングミュア−ブロジェット法によって形成さ
れたものであることを特徴とする電子写真感光体。 【効果】 本発明の電子写真感光体は、感度が高く、ま
た残留電位の上昇が抑制されているので、静電的繰り返
し安定性に優れている。従って、本発明の電子写真感光
体は高速の複写機、LDプリンタ、LEDプリンタ等に
搭載される電子写真感光体として極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、LDプリンタ、
LEDプリンタ等に使用される電子写真感光体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の光導電材料には
セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機化合物が広
く用いられていた。しかしながら、これらの無機化合物
は多くの長所を持つ反面、様々な欠点も有する。例え
ば、セレンを用いた電子写真感光体は、製造条件の設定
が難しけ、製造コストが高く、温湿度などにより結晶化
が進みやすいという欠点を有する。硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は、耐湿性が悪く、また酸化亜鉛を
用いた電子写真感光体は、硬度、耐摩耗性など機械的強
度に問題があるという欠点を有する。更に、これらの電
子写真感光体は、カルコゲン、重金属を含有するため公
害問題に発展する危険性もあった。
【0003】近年、これらの無機化合物を用いた電子写
真感光体の欠点を克服するために、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾールに代表される種々の有機光導電性化合物を用
いた電子写真感光体の開発研究が盛んに行われている。
このような有機化合物系電子写真感光体は、無機化合物
系電子写真感光体に比べて成膜が容易であり、極めて生
産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できるという
利点を持っている。しかしながら、例えば、ポリ−N−
ビニルカルバゾールのような光導電性ポリマーは、ポリ
マー単独では被膜性、可撓性、接着性などが不良であ
り、これらの欠点を改良するために可塑剤、バインダー
樹脂などが添加されるが、この為に光感度の低下や残留
電位の上昇を招くなどの問題があった。
【0004】最近では、電荷発生機能と電荷輸送機能を
分離した機能分離型積層感光体の開発が盛んに行われ、
電荷移動媒体である有機化合物系の低分子光導電性化合
物を絶縁性のバインダー樹脂中に溶解させて電荷輸送層
とするケ−スが多くなってきている。特にヒドラゾン誘
導体を電荷移動媒体とした電荷輸送層を有する電子写真
感光体には、良好な感光性を有するものが得られてい
る。この場合には、表面硬度、可撓性、接着性などの性
能をバインダー樹脂の選択により向上させることができ
るため、より性能の優れた電子写真感光体を得ることが
できる。
【0005】現在、電荷発生層は一部真空蒸着法によっ
て形成された系のものも使われているが、大半は絶縁性
のバインダー樹脂中に電荷発生物質を分散させた系のも
のが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今日、最も普及してい
る電荷発生物質分散型電荷発生層の系では、バインダー
樹脂の存在のために電荷発生層において空間電荷層や生
成電荷に対するトラップが形成され、このために残留電
位の上昇が招かれるという欠点があった。。また、電荷
発生物質が電荷発生層中に分散した状態で存在している
ため、電荷発生物質の密度が小さく、このために電荷発
生能に限界が生じ、光感度として充分なものが得られ
ず、依然として光感度、残留電位の問題は解決されてい
ないのが現状である。
【0007】また、電荷発生物質を真空蒸着することに
より得られる電荷発生層を有する電子写真感光体も出現
しているが、この系ではバインダー樹脂が存在しないた
め、空間電荷層の形成が抑制され、また生成した電荷に
対するトラップ密度が減少し残留電位の上昇は軽減され
る反面、光感度に関しては電荷発生層が蒸着膜であるた
め、分散型に比べれば電荷発生物質の密度が大きく、比
較的高感度が得られるものの、アモルファスと結晶の混
合系であるため、依然高感度化には至っていない。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、高感度
化、残留電位上昇の抑制を同時に達成した電子写真感光
体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、
電荷輸送層を積層して成る電子写真感光体において、電
荷発生層がラングミュア−ブロジェット法によって形成
されたものであることを特徴とする電子写真感光体を提
供する。
【0010】以下本発明について詳細に説明する。
【0011】まず、ラングミュア−ブロジェット法の成
膜原理について以下に述べる。
【0012】ラングミュア−ブロジェット法は、水面上
に単分子膜を形成させ、この単分子膜を固体基板上に移
し取り、1分子層が固定された単分子膜あるいは水面か
らの移し取りを繰り返し単分子膜を重ねた累積膜を作製
する方法である。
【0013】水面上に浮かんでいる単分子膜を固体基板
に移し取る方法としては、現在様々な手法が知られてお
り、例えば、垂直浸漬法、水平付着法、水平浮上法等が
挙げられる。また、水面上の単分子膜を移し取ることが
できる基板の種類としては、ガラス、石英、アルミニウ
ム蒸着膜、酸化物被膜(NESA,ITO等)等種々の
ものが挙げられる。正常な移し取りを行なうには、基板
の洗浄と表面の平滑さが重要である。
【0014】膜のつき方に影響を及ぼす因子としては、
膜分子の化学構造、水相のpHや金属塩の種類、濃
度、表面圧及び温度、基板の上昇、下降速度、基
板の種類と表面状態等が挙げられる。
【0015】このラングミュア−ブロジェット法は、現
在ある有機膜作製法の中で最も高秩序に配列・配向制御
できるので、得られる膜の特性に高度の機能性を発現さ
せる最も有効な手法として期待されている。
【0016】機能性を持つ膜としてラングミュア−ブロ
ジェット法を使用するには、水面上に安定な単分子膜が
形成できるような成膜性分子(本発明では電荷発生物
質)にする必要があり、機能性原子団を成膜性分子にす
るために取り込む分子設計の方法も重要である。また、
ラングミュア−ブロジェット法により得られる膜におい
て一般にπ電子系間に働くファンデル・ワ−ルス力は、
σ電子系間の力より強いため、長鎖置換基を持たない軽
置換型分子では、重置換のものと比べて強い凝集性が得
られ、高度な機能発現の1因子となることも重要であ
る。
【0017】よって、機能分離型電子写真感光体にラン
グミュア−ブロジェット法により得られる電荷発生層を
導入することにより、その電子写真特性に次に挙げる効
果が付与される。
【0018】(1)電子写真感光体の光感度の高感度化
【0019】この効果が発現する要因を以下に列挙す
る。
【0020】(a)電荷発生物質の凝集化により電荷発
生層に於ける電荷発生物質の高密度化が生じ、吸光係数
が増大する。
【0021】(b)電荷発生物質の凝集化により基板と
電荷発生層のショットキー接合形成で生じるショットキ
ー局部電場が増大し、電荷への解離効率が大きくなる。
【0022】(c)電荷発生物質の凝集化により電荷発
生層に於ける励起子もしくは電荷の分子・原子間伝導形
態がホッピング伝導でなく結合を介した伝導となり、そ
の移動度が増大する。
【0023】(d)電荷発生層中にバインダー樹脂が混
在しないため不純物濃度が低下し、電荷に対するトラッ
プ密度が減少する。
【0024】(2)電子写真感光体の残留電位の上昇抑
制 この効果が発現する要因を以下に列挙する。
【0025】(a)電荷発生物質の凝集化により電荷発
生層に於ける励起子もしくは電荷の分子・原子間伝導形
態がホッピング伝導でなく結合を介した伝導となり、そ
の移動度が増大するため空間電荷層の形成が抑制され
る。
【0026】(b)電荷発生層中にバインダー樹脂が混
在しないため基板と電荷発生物質との距離が減少し、空
間電荷層の形成が抑制される。
【0027】(c)電荷発生層中にバインダー樹脂が混
在しないため不純物濃度が低下し、電荷に対するトラッ
プ密度が減少する。
【0028】以上の知見に基づき、本発明者は導電性支
持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を積層した
電子写真感光体において、その電荷発生層がラングミュ
ア−ブロジェット法によって形成されることを特徴とす
る電子写真感光体は、電子写真感光体の高感度化及び残
留電位上昇の抑制を同時に満足できることを見い出し
た。
【0029】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体の材料としては、電荷発生層とショットキー接
合を形成する材料が好ましく、例えば、アルミニウム、
銅、亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モ
リブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属
又はこれらの合金を用いた金属板、金属ドラム或いは導
電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアル
ミニウム、パラジウム、金等の金属又はこれらの合金を
塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチック
フィルム等が挙げられるが、ここに挙げたものに限定さ
れるものではない。
【0030】感光層に用いられる電荷発生物質として
は、ラングミュア−ブロジェット法により水面上に安定
な単分子膜が形成可能で、かつ有機溶剤に可溶な両親媒
性電荷発生物質が好ましく、例えば、フタロシアニン系
顔料、キナクリドン系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料等の種々の有機顔料あるいはアルキル基や
アルコシ基等の置換基を導入した、これらの有機顔料の
誘導体、種々の有機染料を挙げることができる。
【0031】これらの材料は、ラングミュア−ブロジェ
ット法により水面上に安定な単分子膜を形成した後、垂
直浸漬法、水平付着法、水平浮上法等の手段によりこの
単分子膜を導電性支持体上に移しとり、1分子層が固定
された単分子膜あるいは水面からの移しとりを繰り返し
単分子膜を重ねた累積膜として成膜されて、もしくは、
これらの単分子膜あるいは累積膜を重合化しポリマーの
膜として成膜されて用いられる。
【0032】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独で用いられ
る。
【0033】電荷発生層の膜厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましい。
【0034】また、感光層に用いられる電荷輸送物質と
しては一般に電子を輸送する物質と正孔を輸送する物質
の2種類に分類されるが、本発明の電子写真感光体には
両者とも使用することができる。
【0035】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾール、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7−トリニト
ロ−9,10−フェナントレンキノン、テトラクロロ無
水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有機化合物;
アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、
セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモ
ン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。
【0036】正孔輸送物質としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベンズアル
デヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフェニル
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、N−メ
チルテトラヒドロカルバゾールあるいは1−(4−ジフ
ェニルアミノベンジリデンイミノ)−2−メチルインド
リン、1−(4−ジフェニルアミノベンジリデンイミ
ノ)−2,3−ジメチルインドリン、p−N,N−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドカルバゾリルヒドラゾン、
p−N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒドカルバゾ
リルヒドラゾン、p−N,N−ジフェニルアミノベンズ
アルデヒドカルバゾリルヒドラゾン等のヒドラゾン類、
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール類、1
−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5
−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラ
ゾリン類、トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−
テトラフェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジ
アミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン等のアミン類、ビス(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジエチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)−P−トリルメタン、
ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−P
−ジエチルアミノフェニルメタン、ビス(4−ジエチル
アミノ−2−メチルフェニル)シクロヘキシルメタン等
のフェニルメタン類が挙げられる。また、高分子化合物
としては、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロ
ゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、
ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−
ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムア
ルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラ
ン等が挙げられる。
【0037】これらの材料はバインダー樹脂に分散され
塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等
の手段により成膜されて、感光層に使用することができ
る。
【0038】電荷輸送物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0039】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのバインダーは、単独又
は2種類以上混合して用いられる。
【0040】電荷輸送物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0041】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0042】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0043】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0044】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0045】電荷輸送層の層厚は、5〜50μmの範囲
が好ましい。
【0046】また本発明においては、導電性支持体と感
光層との接着性を更に向上させたり、支持体から感光層
への自由電荷の注入を阻止するため、導電性支持体と感
光層の間に、必要に応じて接着剤層あるいはバリア層を
設けることもできる。これらの層に用いられる材料とし
ては、前記バインダーに用いられる高分子化合物の他、
カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセ
ルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−
メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテック
ス、ポリウレタン、シラン系化合物、酸化アルミニウ
ム、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
【0047】これらの材料は塗料化して塗布されるか、
真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段により成
膜されて使用される。
【0048】接着剤あるいはバリアとしての機能を付与
する物質はここに挙げたものに限定されるものではな
く、その使用に際しては単独、あるいは2種類以上混合
して用いることができる。
【0049】接着剤層あるいはバリア層を設ける場合の
膜厚は、0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0050】電荷発生層をラングミュア−ブロジェット
法によって形成する場合、上記の電荷発生物質を溶剤に
溶解した溶液を用いるが、電荷発生物質を溶解する溶剤
は、電荷発生物質の種類によって異なるが、下層を溶解
しないものの中から選択することが好ましい。具体的な
有機溶剤の例としては、例えば、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等
の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳
香族類等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの溶剤は、単独又は2種類以上混合して用
いられる。
【0051】また、電荷輸送層を塗工によって形成する
場合、上記の電荷輸送物質をバインダー等に混合したも
のを溶剤に溶解した塗料を用いるが、バインダーを溶解
する溶剤は、バインダーの種類によって異なるが、下層
を溶解しないものの中から選択することが好ましい。ま
た接着剤層あるいはバリア層を塗工によって形成する場
合についても、上記のバインダー等を溶剤に溶解した塗
料を用いるが、バインダーを溶解する溶剤は、バインダ
ーの種類によって異なるが、下層を溶解しないものの中
から選択することが好ましい。具体的な有機溶剤の例と
しては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、n−ブタノール等のアルコール類;ジエチルエ
ーテル等のエーテル類;ヘキサン等の脂肪族炭化水素等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらの溶剤は、単独又は2種類以上混合して用いられ
る。
【0052】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、ビードコーティング
法、カ−テンコーティング法等のコーティング法を用い
ることができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これにより本発明が実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を
示す。
【0054】(実施例1)式
【0055】
【化1】
【0056】で表わされる銅フタロシアニン顔料誘導体
のクロロホルム溶液(濃度 1.0mg/ml)を用いてラング
ミュア−ブロジェット法によりアルミ蒸着ガラス基板上
に膜厚が3000オングストロームとなるように成膜し
電荷発生層を形成した。この時の累積方法は垂直浸漬法
であり、0.5mm/分の速さで基板を上下した。また、
水相のpHは6.0であり金属塩にはCdCl(4ミリ
モル)を用いた。このようにして得られた銅フタロシア
ニン誘導体膜は基板(C面)に平行な方向に配向(C軸
配向)したものであった。
【0057】更に正孔輸送物質であるp−N,N−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン17部と市販のポリカーボネート樹脂(商品名
「ユ−ピロンZ−200」三菱瓦斯化学(株)製)17部
をモノクロロベンゼン40部及びジクロロメタン60部
から成る混合溶剤に溶解して得られた塗料を上記電荷発
生層上に乾燥後の膜厚が12μmとなるように塗布し、
電荷輸送層を形成することによって電子写真感光体を作
製した。
【0058】(比較例1)実施例1において、クル−ド
の銅フタロシアニン顔料(純度95%)を抵抗加熱真空
蒸着法(蒸着源温度:500℃、基板温度:230℃、真空
度:1×10-6Torr)により成膜して電荷発生層を形成し
た以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成
した。このようにして得られた電子写真感光体の電荷発
生層は、フタロシアニン膜がβ型の結晶とアモルファス
の混在したものであった。
【0059】(比較例2)実施例1において、β型銅フ
タロシアニン顔料1部と市販のブチラール樹脂(商品名
「エスレックBM−2」積水化学工業(株)製)1部を
1,1,2−トリクロロエタン18部とジクロロメタン
12部に加え、サンドミルで分散して得られた塗料を塗
布することにより電荷発生層を形成した以外は、実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0060】(評価)実施例及び各比較例で得られた電
子写真感光体の電子写真特性を静電複写紙試験装置「M
odel SP−428」(川口電機製作所製)を用い
て常温常湿の環境下で測定した。
【0061】測定方法は、まず電子写真感光体を暗所で
コロナ放電により帯電させ、この直後の表面電位(初期
電位)が V0=−600Vとなるようにした。次に、5秒
間、暗所に放置した後の電位 V5を測定し、V5/V0
よって電荷保持能を評価した。次いで、タングステンラ
ンプで感光体表面に於ける照度が5ルクスになるように
設定し、感光体に光照射を15秒間行って表面電位の減
衰曲線を記録した。ここで15秒後の表面電位を測定
し、それを残留電位 VRとした。また、光照射により表
面電位がV5の1/2に減少するのに要する露光量を求
め、半減露光量E1/2として感度を評価した。更に、帯
電後1秒間の暗減衰、ついで1秒間の光減衰の行程を5
00回繰り返した後、同じ測定を行ない繰り返し後の特
性変化を評価した。この結果を第1表に示した。
【0062】
【表1】
【0063】第1表から明らかなように電荷発生物質分
散型電荷発生層を有する比較例2の電子写真感光体に比
べ、真空蒸着電荷発生層を有する比較例1の電子写真感
光体では残留電位上昇が軽減されてはいるものの、光感
度は依然不充分である。これらの比較例の電子写真感光
体に対して、ラングミュア−ブロジェット電荷発生層を
有する実施例の電子写真感光体では残留電位の上昇がほ
とんど認められず、また光感度もかなり向上しているこ
とが理解できる。
【0064】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、感度が高
く、また残留電位の上昇が抑制されているので、静電的
繰り返し安定性に優れている。従って、本発明の電子写
真感光体は高速の複写機、LDプリンタ、LEDプリン
タ等に搭載される電子写真感光体として極めて有用であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
    層、電荷輸送層を積層して成る電子写真感光体におい
    て、電荷発生層がラングミュア−ブロジェット法によっ
    て形成されたものであることを特徴とする電子写真感光
    体。
JP16036991A 1991-07-01 1991-07-01 電子写真感光体 Pending JPH0511460A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5963243A (en) * 1993-11-10 1999-10-05 Kabushiki Kaisha Tec Exposing device for correcting an fθ error of a rotatable polygon mirror without using an fθ lens
CN103770953A (zh) * 2013-12-17 2014-05-07 兰州空间技术物理研究所 航天器结构电位主动控制装置及其控制方法

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