JPH05216250A - 電子写真用感光体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用感光体及び電子写真装置

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JPH05216250A
JPH05216250A JP1759492A JP1759492A JPH05216250A JP H05216250 A JPH05216250 A JP H05216250A JP 1759492 A JP1759492 A JP 1759492A JP 1759492 A JP1759492 A JP 1759492A JP H05216250 A JPH05216250 A JP H05216250A
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Saburo Yokota
三郎 横田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層
を順次積層してなる電子写真用感光体において、該電荷
輸送層がアセタール化度70%以上のポリビニルアセタ
ール樹脂を主成分とする結着樹脂中に撥水性の電荷輸送
剤を分散してなる電荷輸送層である電子写真用感光体。 【効果】 本発明によれば、脂肪族炭化水素系溶媒から
なる液体現像剤を用いた電子写真装置での使用に好適な
耐久性を持つ感光体を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体現像方式を採用する
電子写真装置での使用に適した感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真用感光体のバインダーと
しては、疎水性で、電気絶縁性のフィルム形成可能な高
分子重合体を用いるのが好ましいと言われている。特に
電荷輸送層はトナーとの接触、紙やクリーニングブレー
ドとの摩擦、コロナ放電の照射等の物理的、化学的影響
を直接受けることになるため、従来実用化されてきた樹
脂は、このような高分子重合体の中でもこれらの条件に
対して耐久性が比較的優れた、ポリカーボネート、ポリ
カーボネートZ、ポリエステル、アクリル、ポリスチレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の樹脂に種類が限
定されてきた。一方、現在実用化されている電子写真装
置では、その現像剤として粉体のトナーを用いるものが
圧倒的に多いが、高解像度を目的として液体現像剤を用
いる装置の開発も活発に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液体現
像剤は、通常、その主剤として、「アイソパー」等と呼
ばれる脂肪族炭化水素系混合溶媒が用いられ、上記の樹
脂ではこれに対して多少なりとも溶解、膨潤を示すた
め、ドラム、ベルト等の形状で電子写真用感光体を繰り
返して接触させながら用いるような方法では、電子写真
用感光体が変質して使用不能となる。従って、液体現像
方式に対しては印刷版等の使いきり方式のものを除いて
は、実用的な電子写真用感光体は実現されていないのが
現状である。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、従来の
電子写真用感光体の耐液体現像剤特性を改善し、実用上
より好ましい電子写真用感光体を提供し、液体現像が可
能な電子写真方式を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は電子写真装置の
解像度を上げるため種々の検討を重ねてた結果、液体現
像方式による優れた解像性に着目し、その目的に適した
電子写真用感光体組成開発に注力してきた。その結果、
特定の構造の樹脂及び電荷輸送剤の組み合わせにより本
目的として非常に優れた特性を持つ電子写真用感光体が
実現できることを発見するに至ったのである。
【0006】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次
積層してなる電子写真用感光体において、該電荷輸送層
がアセタール化度70%以上のポリビニルアセタール樹
脂を主成分とする結着樹脂中に撥水性の電荷輸送剤を分
散してなる電荷輸送層であることを特徴とする電子写真
用感光体を提供する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】液体現像剤を用いた電子写真方法では、感
光体が常にその一部を現像剤中に浸積あるいは接触した
状態にして使用することになるため、一般の積層型電子
写真用感光体では、最外層となる電荷輸送層に液体現像
剤の主成分である脂肪族炭化水素系溶媒に対して、溶解
性や膨潤性を示さない特性を持つことが必要とされる。
一般に、電荷輸送層は、結着樹脂中に電荷輸送剤を分散
させて作成されるが、通常、電荷輸送剤は結着樹脂に完
全に固溶体状態で相溶されるため、樹脂の特性が電荷輸
送層の特性を大きく支配することになる。発明者は、数
多くの樹脂に付いて綿密な探索を行った結果、所望の特
性を持つ樹脂としてポリビニルアセタールが極めて好適
であることを見いだした。
【0009】ところで、電荷輸送層に用いる樹脂として
はその物理的、化学的特性の他に電荷輸送剤との相溶性
が良好であることが要求される。一般にポリビニルアセ
タール樹脂は、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反
応させて合成されるが、この際完全にアセタール化する
ことはできず、樹脂内には多くのビニルアルコール基が
残存することが知られている。即ち、そのアセタール化
の度合いによって樹脂の特性が大きく左右されることに
なる。本発明においては、ポリビニルアセタール樹脂の
中でもそのアセタール化度が70%に満たないものは後
述の比較例に示すように電荷輸送剤との相溶性が悪く電
子写真特性が充分でないことが分かった。
【0010】更に、ポリビニルアセタールは、その残存
ビニルアルコール基のために比較的水分の吸収が大きい
のが特徴であるが、吸収された水分は、イオン化され電
子写真特性の変化を生じやすくなるため問題となる。こ
の対策として分散させて使用する電荷輸送剤を撥水性の
ものとして、水分の吸収を制限できることがわかった。
【0011】なお、ポリビニルアセタール樹脂は、アセ
タール基にブチラールを用いたものがポリビニルブチラ
ールとして多種類市販されているが、本発明はこれに限
定するものではない。
【0012】本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体の上に少なくとも電荷発生層とアセタール化度が70
%以上のポリビニルアセタールを主成分とする樹脂中に
撥水性の電荷輸送剤を相溶分散させてなる電荷輸送層を
形成することによって構成される。第1図に本発明の電
子写真用感光体の層構成の一例の拡大断面図を示した。
【0013】本発明の電子写真用感光体は、脂肪族炭化
水素系溶媒からなる液体現像剤を用いた電子写真装置に
使用するのに好適な耐久性を持つが、一般の粉体現像剤
を用いた装置においても充分実用的な特性を示し、使用
可能であることは言うまでもない。
【0014】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用い
た金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポ
リマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウ
ム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あ
るいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベル
ト等が挙げられる。
【0015】電荷発生層に用いられる電荷発生材料とし
ては、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナク
リドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレー
キ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレ
ニウム染料、スクウェアリウム染料、ピリリウム系染
料、トリアリルメタン染料、キサンテン染料、チアジン
染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更
にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、テル
ル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチ
モン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることが
できる。
【0016】これらの材料は導電性支持体上に結着樹脂
に分散され塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、
CVD法等の手段により成膜され電荷発生層として用い
られる。
【0017】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0018】電荷発生層の厚さは、0.05〜5μmの
範囲が好ましく、0.01〜1μmの範囲が特に好まし
い。
【0019】電荷発生層に用いられる結着樹脂として
は、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用
いるのが好ましい。このような高分子重合体としては、
例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル
樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン
−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン
樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノ
ール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロー
ス、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタ
ン等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して
用いられる。
【0020】また、撥水性の電荷輸送剤としては一般に
電子を輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分
類されるが、本発明の電子写真用感光体には両者とも使
用することができる。
【0021】撥水性の電子輸送物質としては、例えば、
クロラニル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テ
トラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−ト
リニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,
7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロ
チオキサントン、テトラニトロカルバゾールクロラニ
ル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノ
ン、2,4,7−トリニトロ−9,10−フェナントレ
ンキノン、ジフェノキノン誘導体等の化合物が挙げられ
る。
【0022】また、撥水性の正孔輸送物質としては、低
分子化合物では、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾ
ール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカ
ルバゾール、あるいはN−メチル−2−フェニルヒドラ
ジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,
N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチ
ルカルバゾール、p−N,N−ジメチルアミノベンズア
ルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチル
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−
N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒドジフェニル
ヒドラゾン、等のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン類、トリフェニルアミン、N,N,
N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ジフェニル−
4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン等が挙げられる。また、高分子化
合物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアク
リジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバ
ゾール−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−
ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、
ポリシラン等が挙げられる。
【0023】電荷輸送剤はここに挙げたものに限定され
るものではなく、その使用に際しては単独、あるいは2
種類以上混合して用いることができる。
【0024】また、これらの電荷輸送剤とともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0025】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0026】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0027】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0028】電荷輸送層の厚さは、3〜50μmの範囲
が好ましく、10〜30μmの範囲が特に好ましい。
【0029】更に本発明においては、導電性支持体と感
光層との接着性を向上させたり、支持体から感光層への
自由電荷の注入を阻止するため、導電性支持体と感光層
の間に、必要に応じて接着剤層あるいはバリヤー層を設
けることもできる。これらの層に用いられる材料として
は、前記電荷発生層の結着樹脂に用いられる高分子化合
物の他、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化チ
タン等が挙げられる。この接着剤層あるいはバリヤー層
は上記材料を導電性支持体上に塗工、真空蒸着、スパッ
タリング、CVD法等の手段により形成することができ
る。
【0030】積層型電子写真用感光体の光導電層を塗工
によって形成する場合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物
質を結着樹脂等に混合したものを溶剤に溶解した塗料を
用いるが、結着樹脂を溶解する溶剤は、結着樹脂の種類
によって異なるが、下層を溶解しないものの中から選択
することが好ましい。具体的な有機溶剤の例としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等の
エーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及
びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
【0031】光導電層の塗工法としては、例えば、浸積
コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコ
ーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコ
ーティング法、ブレードコーティング法、ローラコーテ
ィング法、カーテンコーティング法等のコーティング法
を用いることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。
【0033】(実施例1)α型チタニルフタロシアニン
5部にブチラール樹脂(商品名「エスレックBL−1」
積水化学社製)5部と塩化メチレン90部を混合し振動
ミルを用いて電荷発生層用塗料を得た。この塗料を厚さ
100μmのアルミ蒸着PETフィルムの上にワイヤバ
ーで塗布し、乾燥後の膜厚が0.4μmの電荷発生層を
形成した。
【0034】次に、撥水性の正孔輸送物質である式
【0035】
【化1】
【0036】で表わされるヒドラゾン化合物10部とブ
チラール化度が70%以上であるポリビニルブチラール
樹脂(商品名「エスレックBM−S」積水化学社製)1
0部を塩化メチレン80部に溶解した溶液をワイヤバー
で塗布し、乾燥後の膜厚が15μmの電荷輸送層を形成
した。
【0037】(実施例2)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてブチラール化度80%のポリビニル
ブチラール(商品名「XYHL」ユニオンカーバイド社
製)を用いた以外は、実施例1と全く同じ方法で電子写
真用感光体を作成した。
【0038】(実施例3)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてアセタール化度70%以上のポリビ
ニルアセタール(商品名「エスレックKS−1」積水化
学社製)を用いた以外は、実施例1と全く同じ方法で電
子写真用感光体を作成した。
【0039】(比較例1)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてブチラール化度65%±3%のポリ
ビニルブチラール(商品名「エスレックBM−1」積水
化学社製)を用いた以外は、実施例1と全く同じ方法で
電子写真用感光体を作成した。
【0040】(比較例2)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてポリカーボネートZ樹脂(商品名
「Z−200」三菱ガス化学社製)を用いた以外は、実
施例1と全く同じ方法で電子写真用感光体を作成した。
【0041】(比較例3)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてポリエステル樹脂(商品名「バイロ
ン200」帝人化成社製)を用いた以外は、実施例1と
全く同じ方法で電子写真用感光体を作成した。
【0042】(比較例4)実施例1において、電荷輸送
層の結着樹脂としてポリスチレン樹脂(商品名「ダイヤ
レックスHF−55」三菱モンサント化成社製)を用い
た以外は、実施例1と全く同じ方法で電子写真用感光体
を作成した。
【0043】(評価) (耐アイソパー特性)実施例及び比較例の電子写真用感
光体をそれぞれアイソパーGに10日間浸積し、その状
態の変化を観察した。その結果、電荷輸送層の結着樹脂
としてポリビニルアセタールを用いた実施例の電子写真
用感光体全てと比較例1の電子写真用感光体は初期から
全く状態の変化が見られなかった。一方、比較例2、
3、4の電子写真用感光体は全面に無数のひび割れが生
じ、また樹脂と電荷輸送剤が液中に溶出しているのが観
察された。
【0044】(電気的特性)電子写真用感光体のそれぞ
れの電気的特性を比較するため、静電複写紙試験装置M
odel SP−428(川口電機製作所社製)を用い
て特性を測定した。測定方法は、測定可能な大きさに裁
断した電子写真用感光体を装置に装着し、暗所で印加電
圧−6kVのコロナ放電により帯電させ、この直後の表
面電位を初期電位V0 として電子写真用感光体の帯電能
の評価に用いた。次に10秒間、暗所に放置した後の電
位を測定し、V10とした。ここで比 V0/V10によって
電位保持能を評価した。ついで波長780nmの単色光
を、その表面における光強度が1μW/cm2 になるよう
に設定し、感光層に光照射を15秒間行い、表面電位の
減衰曲線を記録した。ここで15秒後の表面電位を測定
し、それを残留電位VR とした。また、光照射により表
面電位がV10の1/2に減少するまでの露光量を求め、
半減露光量E1/2 として感度を評価した。その結果を表
1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、実施例の電子写
真用感光体は比較例2、3、4の従来より用いられてき
た樹脂の電子写真用感光体に比べ電気特性的に全く遜色
の無いことが分かる。また、アセタール化度が70%に
満たないポリビニルブチラールを結着樹脂に使用した比
較例1の電子写真用感光体は電荷輸送剤との相溶性が悪
く、電気的特性が劣ることが分かる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に、電
荷発生層と、アセタール化度が70%以上のポリビニル
アセタール樹脂中に撥水性の電荷輸送剤を相溶分散させ
てなる電荷輸送層を形成することにより、脂肪族炭化水
素系溶媒からなる液体現像剤を用いた電子写真装置での
使用に好適な耐久性を持つ電子写真用感光体を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例の拡
大断面図の例である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感光層 3 電荷発生物質 4 電荷発生層 5 電荷輸送層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸
    送層を順次積層してなる電子写真用感光体において、該
    電荷輸送層がアセタール化度70%以上のポリビニルア
    セタール樹脂を主成分とする結着樹脂中に撥水性の電荷
    輸送剤を分散してなる電荷輸送層であることを特徴とす
    る電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真用感光体を搭載
    することを特徴とする電子写真装置。
  3. 【請求項3】 現像剤として液体現像剤を用いることを
    特徴とする請求項2記載の電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6936388B2 (en) 2001-03-23 2005-08-30 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming method, image forming apparatus, and image forming apparatus processing unit using same
JP2014146005A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Kyocera Document Solutions Inc 正帯電型電子写真感光体及び画像形成装置

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