JP2535203B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2535203B2
JP2535203B2 JP6728288A JP6728288A JP2535203B2 JP 2535203 B2 JP2535203 B2 JP 2535203B2 JP 6728288 A JP6728288 A JP 6728288A JP 6728288 A JP6728288 A JP 6728288A JP 2535203 B2 JP2535203 B2 JP 2535203B2
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0675Azo dyes
    • G03G5/0679Disazo dyes

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは特定の分子
構造を有するジスアゾ顔料を光導電層中に含有する電子
写真感光体に関する。
[従来の技術] 電子写真法は米国特許第2297691号明細書に開示され
るように画像露光の間に受けた照射量に応じてその電気
抵抗が変化する暗所で絶縁性の物質をコーテイングした
支持体よりなる光導電性材料を用いる。
この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求され
る基本的な特性としては(1)暗所で適当な電位に帯電
できること、(2)暗所において電荷の逸散が少ないこ
と、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめ得
ることなどが挙げられる。
従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛、
硫化カドミウムなどの無機光導電性化合物を主成分とす
る感光層を有する無機感光体が広く用いられてきた。し
かし、これらは前記(1)〜(3)の条件は満足する
が、熱安定性、耐湿性、耐久性などにおいて必ずしも満
足し得るものではない。例えば、セレンは結晶化すると
感光体としての特性が劣化してしまうため、製造上も難
しく、また熱や指紋などが原因となり結晶化し、感光体
としての性能が劣化してしまう。また硫化カドミウムで
は耐湿性や耐久性、酸化亜鉛では平滑性、硬度、耐摩擦
性に問題がある。
さらに無機感光体の多くは感光波長域が限定されてい
る。例えば、セレンでは感光波長域は青色域であり、赤
色域にほとんど感度を有さない。
そのため感光性を長波長域に広げるために種々の方法
が提案されているが感光波長域の選択には制約が多い。
酸化亜鉛あるいは硫化カドミウムを感光体として用いる
場合も、それ自体の感光波長域は狭く、種々の増感剤の
添加が必要である。
これら無機感光体の有する欠点を克服する目的で様々
な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の
開発が近年盛んに行なわれている。
例えば特公昭50−10496号公報、米国特許第3484237号
明細書にはポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−ト
リニトロフルオレノン−9−オンを含有する感光層を有
する感光体、ポリ−N−ビニルカルバゾールをピリリウ
ム塩系色素で増感したもの(特公昭48−25658号公報)
などがある。
これらの有機電子写真感光体は前記無機電子写真感光
体の欠点をある程度改善したものの概して光感度が低く
なり、また繰り返し使用に適するものではなかった。こ
れらの欠点を克服するために近年有機電子写真感光体と
して様々な感光体が提案されているが中でも光を照射し
たとき電荷担体を発生する物質(以下、電荷発生物質と
いう)を含む層(以下、電荷発生層という)と、電荷発
生層が発生した電荷担体を受けいれこれを搬送する物質
(以下、電荷輸送物質という)を主体とする層(以下、
電荷輸送層という)とからなる積層型の感光体が従来の
有機電子写真感光体に比べ、一般に感度が高く、繰り返
し使用にも耐えるなどの点から一部実用に供されている
ものがある。
例えば米国特許第3837851号明細書には電荷発生層と
トリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感
光体、米国特許第3871882号明細書にはペリレン顔料の
誘導体からなる電荷発生層と3−ブロムピレンとホルム
アルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光
体などが挙げられる。またビスアゾ顔料またはトリスア
ゾ顔料を電荷発生物質として用いた感光体として特開昭
59−33445号公報、特開昭56−46237号公報、特開昭60−
111249号公報、特開昭58−4151号公報、特開昭60−1132
46号公報、特開昭62−150257号公報などがすでに公知で
ある。しかし、これらのビスアゾ顔料またはトリスアゾ
顔料は感度、残留電位あるいは繰り返し使用時の安定性
の特性において必ずしも満足し得るものではなく、また
電荷輸送物質の選択範囲も限定されるなど電子写真プロ
セスの幅広い要求を充分満足させるものではない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は新規な光導電性材料を提供すること、
熱および光に対して安定で、かつキャリア発生能に優れ
た特定のジスアゾ顔料を含有する電子写真感光体を提供
すること、さらに、現在するすべての電子写真プロセス
においても使用可能であり、実用的な高感度特性と繰り
返し使用における安定な電位特性を有する電子写真感光
体を提供することにある。
[課題を解決する手段、作用] 本発明は、導電性基板上に光導電層を有する電子写真
感光体において、光導電層に下記一般式(1)で示すト
リスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光
体。
式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、置換基を
有してもよいフェニル基、アミド基、エステル基または
N,N−ジエチルカルバモイルメチル基を示し、同一であ
っても異なっていてもよく、あるいはR1およびR2のいず
れか一方がシアノ基を、他方が水素原子を示し、Aおよ
びA′はフェノール性水酸基を有するカプラー残基を示
し、同一であっても異なっていてもよい。
具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、フェニル、p−
トルイル、ジメチルアミド、ジエチルアミド、エチルエ
ステル、フェニルエステルなどの基が挙げられる。
上記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素
原子、臭素原子などのハロゲン原子、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチルなどのアルキル基、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシなどのアル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、ジメチルアミノ、ジベ
ンジルアミノ、ジフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリ
ジノ、ピロリジノなど置換アミノ基などが挙げられる。
AおよびA′の示すフェノール性水酸基を有するカプ
ラー残基のより好ましい具体例としては、下記一般式
(2)〜(6)で示す残基が挙げられる。
式中、Xはベンゼン環と縮合してナフタレン環、アン
トラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール環、
ジベンゾフラン環、ジベンゾナフトフラン環、ジフェニ
レンサルファイド環などの多環芳香環あるいは複素環を
形成するに必要な残基であり、Xの縮合した環はナフタ
レン環、アントラセン環、カルバゾール環、ベンズカル
バゾール環とすることがより好ましい。
R3およびR4は水素原子、置換基を有してもよいアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、複素環基またはR3
R4の結合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を示
し、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブ
チルなどの基、アリール基としてはフェニル、ジフェニ
ル、ナフチル、アンスリルなどの基、アルキル基として
はベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどの基、複
素環基としてはカルバゾール、ジベンゾフラン、ベンズ
イミダゾロン、ベンズチアゾール、チアゾール、ピリジ
ンなどの基が挙げられる。Zは酸素または硫黄原子を示
し、nは0または1の整数である。
式中、R5は水素原子、置換基を有してもよいアルキル
基、アリール基あるいはアラルキル基を示す。R5の具体
例は前記のR3、R4と同じ例によって示される。
一般式(2)および(3)中の置換基R3〜R5の示すア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、
複素環基の有してもよい置換基としては、例えばフッ素
原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などのハロゲン
原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ルなどのアルキル基、メトキシ基、エトキシ、プロポキ
シ、フェノキシなどのアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルア
ミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノなど置換ア
ミノ基などが挙げられる。
式中、Yは芳香族炭化水素の2価の基または窒素原子
を環内に含む複素環の2価の基を示し、芳香族炭化水素
の2価の基としてはo−フェニレンなどの単環芳香族炭
化水素の2価の基、o−ナフチレン、ペリナフチレン、
1,2−アンスリレン、9,10−フェナンスリレンなどの縮
合多環芳香族炭化水素の2価の基が挙げられ、窒素原子
を環内に含む複素環の2価の基としては、3,4−ピラゾ
ールジイル基、2,3−ピリジンジイル基、4,5−ピリミジ
ンジイル基、6,7−インダゾールジイル基、6,7−キノリ
ンジイル基などの2価の基が挙げられる。
式中、R6は置換基を有してもよいアリール基または複
素環基を示し、具体的にはフェニル、ナフチル、アンス
リル、ピレニル、ピリジル、チエニル、フリル、カルバ
ゾリル基など挙げられる。
さらにアリール基、複素環基の置換基としては、フッ
素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などのハロゲ
ン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チルなどのアルキル基、メトキシ基、エトキシ、プロポ
キシ、フェノキシなどのアルコキシ基、ニトロ基、シア
ノ基、ジメチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニル
アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノなど置換
アミノ基などが挙げられる。
Xは前記一般式(2)中のXと同義である。
式中、R7およびR8は水素原子、置換基を有してもよい
アルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基
を示し、具体的にはアルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、アラルキル基としてはベンジ
ル、フェネチル、ナフチルメチル、アリール基としては
フェニル、ジフェニル、ナフチル、アンスリル、複素環
基としてはカルバゾリル、チエニル、ピリジル、フリル
などの基が挙げられ、さらに、アルキル基、アラルキル
基、アリール基、複素環基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などのハロゲン原
子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル
などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ、プロポキ
シ、フェノキシなどのアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルア
ミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノなど置換ア
ミノ基などが挙げられる。
Xは前記一般式(2)中のXと同義である。
次に、本発明に用いられる一般式(1)で示すジスア
ゾ顔料の一般的な製法について述べる。
一般式(1)で示すジスアゾ顔料でA、A′が同一で
ある場合は、下記一般式(7)で示すジアミンを亜硝酸
ソーダまたはニトロシル硝酸などを用い常法によりテト
ラゾニウム塩とし、A、A′に対応するカプラー成分と
水系カップリングを行なうか、あるいは得られたテトラ
ゾニウム塩をホウフッ化塩などの安定な塩として取り出
した後、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤中でカッ
プリングを行なうことで得ることができる。
A、A′が異なる場合には、まず第1のカプラー成分
とカップリングを行ないモノアゾ体とした後、第2のカ
プラー成分とカップリングを行ないジスアゾ顔料とする
か、もしくは、対応する異なるカプラー成分を混合して
カップリングを行なうことで得ることができる。
さらに確実に非対称の顔料を得るためには、以下の方
法による二段階のカップリングを行なう方法が好まし
い。
即ち、一般式(8)で示すアセチルアミノ化合物をジ
アゾ化し、フェノール性水酸基を有する カプラーとカップリングさせた後、塩酸などの鉱酸ある
いは水酸化ナトリウムなどのアルカリ類による加水分解
し、アミノ化合物を得、 (Cpはフェノール性水酸基を有するカプラー残基を示
す) 再度、ジアゾ化し、別のカプラー成分とカップリング
して非対称顔料を得ることができる。
以下に一般式(1)で示すジスアゾ顔料の代表例を列
挙する。但し、これによって本発明の特許請求の範囲を
限定することはない。
記載方法は、基本型において、変化部分であるA、
A′、R1、R2を示すこととする。
基本型1 例示顔料(1) R1、R2:H 例示顔料(2) R1、R2:H 例示顔料(3) R1:H R2:−CH 例示顔料(4) R1、R2:−CH3 例示顔料(5) R1:H R2:−CH3 例示顔料(6) 例示顔料(7) 例示顔料(8) R1、R2:H 例示顔料(9) 例示顔料(10) 例示顔料(11) R1、R2:H 例示顔料(12) 例示顔料(13) R1、R2:H 例示顔料(14) R1:H R2:−CH 例示顔料(15) R1、R2:−CH3 例示顔料(16) R1、R2:−CH3 例示顔料(17) 例示顔料(18) 例示顔料(19) R1、R2:H 例示顔料(20) 例示顔料(21) 例示顔料(22) R1、R2:H 例示顔料(23) 例示顔料(24) 例示顔料(25) R1、R2:H 例示顔料(26) R1、R2:−CH3 例示顔料(27) R1:−CN R2:H 例示顔料(28) R1、R2:H 例示顔料(29) R1、R2:−CH3 例示顔料(30) R1:H R2:−CN 基本型2 例示顔料(31) R1、R2:H 例示顔料(32) R1、R2:H 例示顔料(33) R1:−CN R2:H 例示顔料(34) R1:H R2:−CN 例示顔料(35) R1、R2:H 例示顔料(36) R1、R2:H 例示顔料(37) R1、R2:−CH3 例示顔料(38) R1:H R2:−CN 例示顔料(39) 例示顔料(40) R1、R2:−CH3 例示顔料(41) R1、R2:H 例示顔料(42) 例示顔料(43) 例示顔料(44) R1、R2:H 例示顔料(45) 例示顔料(46) R1、R2:H 例示顔料(47) 例示顔料(48) R1、R2:−CH3 例示顔料(49) R1、R2:H 例示顔料(50) R1、R2:H 例示顔料(51) 例示顔料(52) R1、R2:−CH3 例示顔料(53) 例示顔料(54) 例示顔料(55) 例示顔料(56) R1、R2:H 例示顔料(57) R1、R2:H 例示顔料(58) R1、R2:H 例示顔料(59) R1、R2:H 例示顔料(60) R1、R2:H 合成例(例示顔料(2)の合成) 100mlビーカーに水50ml、濃塩酸11.83ml(0.1340モ
ル)を入れ、氷水浴で冷却しながら を4.37g(0.020モル)を加え、撹拌しつつ液温を3℃と
した。
次に亜硝酸ソーダ2.94g(0.0426モル)を水6mlに溶か
した液を液温を5℃以下にコントロールしながら10分間
で滴下し、滴下終了後、同温度でさらに30分間撹拌し
た。
反応後にカーボンを加え濾過した後に、ホウフッ化ソ
ーダ6.7g(0.0609モル)を水13.5mlに溶かした液を滴下
し、析出したホウフッ化塩を濾取し、水洗後真空乾燥し
た。
収量5.94g 収率67.8% 次に300mlビーカーにDMF140mlを入れ、これに 3.58g(0.0105モル)を溶解し、液温を5℃に冷却し、
先に得たホウフッ化塩2.19g(0.005モル)を溶解させた
後、トリエチルアミン1.06g(0.0105モル)を10分間で
滴下し、その後2時間撹拌した。反応液を濾過した後、
N,N−ジメチルホルムアミド170mlで5回洗浄し、アセト
ンで置換し、真空乾燥により目的顔料を得た。
収量4.18g、収率88.97%(ホウフッ化塩ベース) 元素分析 計算値(%) 実測値(%) C 65.19 65.25 H 3.43 3.41 N 11.93 11.85 前述の一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する被
膜は、光導電性を示し、従って電子写真感光体の光導電
層に用いることができる。
即ち、本発明では導電性基板上に前述の一般式(1)
で示すジスアゾ顔料を真空蒸着法により被膜形成する
か、あるいは適当なバインダー中に分散含有させて被膜
形成することにより電子写真感光体を構成することがで
きる。
本発明の好ましい具体例では、電子写真感光体の感光
層を電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した電子写真感
光体における電荷発生層として、前述の光導電性被膜を
適用することができる。
電荷発生層は、十分な吸光度を得るために、できる限
り多くの前述の光導電性を示すジスアゾ顔料を含有し、
かつ、発生した電荷キヤリア飛程を短くするために薄膜
層、例えば5μm以下、好ましくは0.01〜1μmの膜厚
をもつ薄膜層とすることが望ましい。
このことは、入射光量の大部分が電荷発生層で吸収さ
れて、多くの電荷キヤリアを生成すること、さらに発生
した電荷キヤリアを再結合やトラップにより失活するこ
となく電荷輸送層に注入する必要があることに起因して
いる。
電荷発生層は前述のように例えば一般式(1)で示す
ジスアゾ顔料を適当なバインダーに分散させ、これを導
電性基板の上に塗工することによって形成でき、また真
空蒸着装置により蒸着膜を形成することにより得ること
ができる。
電荷発生層を塗工によって形成する際に用いうるバイ
ンダーとしては広範な絶縁性樹脂から選択でき、またポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン
やポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーから選
択できる。好ましくはポリビニルブチラール、ポリビニ
ルベンザール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフ
タル酸の縮重合体など)、ポリカーボネート、ポリエス
テル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピリ
ジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの絶縁
性樹脂を挙げることができる。
電荷発生層中に含有する樹脂は、80重量%以下、好ま
しくは40重量%以下が適している。
これらの樹脂を溶解する溶液は、樹脂の種類によって
異なり、また下述する電荷輸送層や下引層を溶解しない
ものから選択することが好ましい。
具体的な有機溶剤としてはメタノール、エタノール、
イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロルヘ
キサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロル
エチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪
族ハロゲン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエン、
キシレン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジクロル
ベンゼンなどの芳香族類などを用いることができる。
塗工は浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング
法などのコーティング法を用いて行なうことができる。
乾燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法
が好ましい。加熱乾燥は30〜200℃の温度で5分〜2時
間の範囲で静止または送風下で行なうことができる。
電荷輸送層は、前述の電荷発生層と電気滴に接続され
ており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷
キヤリアを受け取るとともに、これらの電荷キヤリアを
表面まで輸送できる機能を有している。この際、電荷輸
送層は、導電性基板よりみて、電荷発生層より遠い側に
位置していてもよく、また導電性基板と電荷発生層の間
に位置していてもよい。
電荷輸送層が導電性基板よりみて電荷発生層より遠い
側に形成される場合 電荷輸送層における電荷キヤリアを輸送する物質(以
下、電荷輸送物質という)は、前述の電荷発生層が感応
する電磁波の波長域に実質的に非感応性であることが好
ましい。ここで言う電磁波とは、γ線、X線、紫外線、
可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線などを包含する
広義の光線の定義を包含する。電荷輸送層の光感応性波
長域が電荷発生層のそれと一致またはオーバーラップす
る時には、両者で発生した電荷キヤリアが相互にトラッ
プし合い、結果的には感度の低下の原因となる。
電荷輸送物質としては電子輸送性物質と正孔輸送性物
質があり、電子輸送性物質としてはクロルアニル、ブロ
モアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニ
トロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−
テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントンなどの電子吸引性物質やこれら電子吸引性物質を
高分子化したものなどがある。
正孔輸送性物質としてはピレン、N−エチルカルバゾ
ール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−N
−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカ
ルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エ
チルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フェニル
ヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレニ
ン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p
−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾ
リノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾン類、2,5−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノス
チリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾ
リン、1−[キノリル(2)]−3−(p−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1
−[レピジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−
(α−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチ
ル−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、
1−フェニル−3−(α−ベンジル−p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、スピロピラゾリンなどのピラゾリン類、α−
フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、N
−エチル−3−(α−フェニルスチリル)カルバゾー
ル、9−p−ジベンジルアミノベンジリデン−9H−フル
オレノン、5−p−ジトリルアミノベンジリデン−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどのスチリル系化合
物類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエ
チルアミノベンズオキサゾール,2−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)−
5−(2−クロロフェニル)オキサゾールなどのオキサ
ゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリル)
−6−ジエチルアミノベンゾチアゾールなどのチアゾー
ル系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)フェニルメタンなどのトリアリールメタン系化
合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチ
ルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2テトラキス(4−N,N−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタンなどのポ
リアリールアルカン類、トリフェニルアミン、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニル
アントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニ
ルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチ
ルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられ
る。
これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムなどの無
機材料も用いることができる。
また、これらの電荷輸送物質は、1種または2種以上
組合せて用いることができる。
電荷輸送物質が成膜性を有していないときには適当な
バインダーを選択することによって被膜形成できる。バ
インダーとして使用できる樹脂は、例えばアクリル樹
脂、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリ
マー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホ
ン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴムなど
の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機
光導電性ポリマーなど挙げられる。
電荷輸送層は、電荷キヤリアを輸送できる限界がある
ので、必要以上に膜厚を厚くすることができない。一般
的には5〜40μmであるが、好ましい範囲は15〜30μm
である。塗工によって電荷輸送層を形成する際には、前
述したような適当なコーティング法を用いることができ
る。
このような電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からな
る感光層は、導電性基板上に設けられる。
導電性基板としては、基板自体が導電性を有する、例
えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステ
ンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニ
ッケル、インジウム、金や白金などを用いることがで
き、その他には、アルミニウム、アルミニウム合金、酸
化インジウム、酸化錫、酸化インジウム−酸化錫合金な
どを真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプラ
スチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹
脂、ポリフッ化エチレンなど)、導電性粒子(例えばカ
ーボンブラック、銀粒子など)を適当なバインダーとと
もにプラスチックの上に被覆した基板、導電性粒子をプ
ラスチックや紙に含浸した基板や導電性ポリマーを有す
るプラスチックなどを用いることができる。
導電性基板と感光層の中間にバリヤー機能と接着機能
を有する下引層を設けることもできる。下引層はカゼイ
ン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどによって形成できる。
下引層の膜厚は、5μm以下、好ましくは0.1〜3μ
mが適当である。
導電性基板、電荷発生層、電荷輸送層の順に位置した
感光体を使用する場合において電荷輸送物質が電子輸送
性物質からなるときは、電荷輸送層表面を正に帯電する
必要があり、帯電後露光すると露光部では電荷発生層に
おいて生成した電子が電荷輸送層に注入され、その後、
表面に達して正電荷を中和し、表面電位の減衰が生じ、
未露光部との間に静電コントラストが生じる。
このようにしてできた静電潜像を負荷電性のトナーで
現像すれば、可視像が得られる。これを直接定着する
か、あるいはトナー像を紙やプラスチックフィルムなど
に転写後、現像し、定着することができる。
また感光体上の静電潜像を転写紙の絶縁層上に転写
後、現像し、定着する方法もとれる。現像剤の種類や現
像方法、定着方法は公知の剤や公知の方法のいずれを採
用してもよく、特定のものに限定されない。
一方、電荷輸送物質が正孔輸送性物質からなる場合、
電荷輸送層表面を負に帯電する必要があり、帯電後、露
光すると露光部では電荷発生層において生成した正孔が
電荷輸送層に注入され、その後、表面に達して負電荷を
中和し、表面電位の減衰が生じ、未露光部との間に静電
コントラストが生じる。
現像時には電子輸送性物質を用いた場合とは逆に正荷
電性トナーを用いる必要がある。
導電性基板、電荷輸送層、電荷発生層の順に位置した
感光体を使用する場合 電荷輸送物質が電子輸送性物質からなるときは、電荷
発生層表面を負に帯電する必要があり、帯電後露光する
と露光部では電荷発生層において生成した電子が電荷輸
送層に注入され、その後導電性基板に達する。
一方、電荷発生層において生成した正孔は表面に達し
表面電位の減衰が生じ、未露光部との間に静電コントラ
ストが生じる。
このようにしてできた静電潜像を正荷電性のトナーで
現像すれば、可視像が得られる。これを直接定着する
か、あるいはトナー像を紙やプラスチックフィルムなど
に転写後、現像し、定着することができる。
また感光体上の静電潜像を転写紙の絶縁層上に転写
跡、現像し、定着する方法もとれる。現像剤の種類や現
像方法、定着方法は公知の剤や公知の方法のいずれを採
用してもよく、特定のものに限定されない。
これに対して、電荷発生層が正孔輸送性物質からなる
ときは、電荷発生層表面を正に帯電する必要があり、帯
電跡、露光すると露光部では電荷発生層において生成し
た正孔が電荷輸送層に注入され、その跡、導電性基板に
達する。
一方、電荷発生層において生成した電子は表面に達
し、表面電位の減衰が生じ、未露光部との間に静電コン
トラストが生じる。現像時には電子輸送性物質を用いた
場合とは逆に負荷電性トナーを用いる必要がある。
また本発明の別の具体例では、前述のヒドラゾン類、
ピラゾリン類、スチリル化合物類、オキサゾール類、チ
アゾール類、トリアリールメタン類、ポリアリールアル
カン類、トリフェニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール類など有機光導電性物質や酸化亜鉛、硫化カドミ
ウム、セレンなどの無機光導電性物質の増感剤として前
述の一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有させた感光
被膜とすることができる。
この感光被膜は、これら光導電性物質と前述の一般式
(1)で示すジスアゾ顔料をバインダーとともに塗工に
よって被膜形成される。
さらに本発明の電子写真感光体として、前述の一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を電荷輸送物質とともに同一
層に含有させた電子写真感光体を挙げることができる。
この際、前記電荷輸送物質の他にポリ−N−ビニルカ
ルバゾールとトリニトロフルオレノンからなる電荷移動
錯化合物を用いることができる。
この例の電子写真感光体は前述の一般式(1)で示す
ジスアゾ顔料と電荷移動錯化合物をテトラヒドロフラン
に溶解されたポリエステル溶液中に分散させた後、被膜
形成させて製造される。
いずれの電子写真感光体においても用いる顔料は一般
式(1)で示すジスアゾ顔料から選ばれる少なくとも1
種類の顔料を含有し、その結晶形は、非晶質、結晶質の
いずれでもよい。
また必要に応じ、光吸収の異なる顔料を組合せて使用
し感光体の感度を高めたり、パンクロマチックな感光体
を得るなどの目的で、前記一般式(1)で示すジスアゾ
顔料を2種類以上組合せたり、または公知の染料、顔料
から選ばれた電荷発生物質と組合せて使用することも可
能である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に使用す
る他、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LED
プリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写
真応用分野にも広く使用することができる。
[実施例] 実施例1〜20 アルミ板に0.1μmの塩化ビニル−無水マレイン酸−
酢酸ビニル共重合樹脂よりなる下引層を設けた。
次に前記例示顔料(1)を5gをシクロヘキサノン95ml
にブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%、数平均分
子量2万)の2gを溶かした液に加え、サンドミルで20時
間分散した。
この分散液を先に形成した下引層の上に乾燥後の膜厚
が0.5μmとなるようにマイヤーバーで塗布し乾燥して
電荷発生層を形成した。
次に、 のヒドラゾン化合物5gとポリメチルメタクリレート(数
平均分子量10万)5gをクロロベンゼン70mlに溶解し、こ
の液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が20μmとなるよ
うにマイヤーバーで塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成
し、こうして実施例1の電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた例示顔料(1)に代えて下記の例示
顔料を用い、他の条件は実施例1と同様にして、実施例
2〜20に対応する電子写真感光体を全く同様にして作成
した。
このようにして作成した電子写真感光体を静電複写紙
試験装置(川口電機(株)製Model SP−428)を用いて
スタティック方式で−5.5KVでコロナ帯電し、暗所で1
秒間保持した後、照度2ルックスで露光し、帯電特性を
調べた。
帯電特性としては表面電位(V0)と1秒間暗減衰させ
た時の電位を1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)を
測定した。結果を示す。
実施例21〜25 実施例1、2、6、11、13で作成した電子写真感光体
を用い、繰り返し使用時の明部電位と暗部電位の変動を
測定した。
測定方法は、−5.6KVのコロナ帯電器、露光光学系、
現像器、転写帯電器、除電露光光学系およびクリーナー
を備えた電子写真複写機のシリンダーに感光体を貼り付
けた。この複写機はシリンダーの駆動に伴い、転写紙上
に画像が得られる構成になっている。
この複写機を用いて、初期の明部電位(VL)と暗部電
位(VD)を、それぞれ−170V、−700V付近に設定し、5,
000回使用した後の明部電位(VL)と暗部電位(VD)を
設定した。結果を示す。
比較例1〜3 実施例1に用い例示顔料(1)に代えて、以下に示す
比較顔料であるジスアゾ顔料を用い、他は実施例1と同
様の方法により感光体を作成した。
こうして作成した電子写真感光体の帯電特性を実施例
1と同様の方法で、また耐久特性を実施例21と同様の方
法で測定した。結果を示す。
(比較例1:実施例1、21に対応) 比較顔料 V0:−680V、 E1/2:4.2lux,sec 耐久特性 初 期 VD:−680 VL:−170 5千枚耐久後 VD:−610 VL:−300 (比較例2:実施例2、22に対応) 比較顔料 V0:−670V、 E1/2:5.1lux,sec 耐久特性 初 期 VD:−665 VL:−165 5千枚耐久後 VD:−620 VL:−270 (比較例3:実施例13、25に対応) 比較顔料 V0:−680V、 E1/2:4.0lux,sec 耐久特性 初 期 VD:−675 VL:−165 5千枚耐久後 VD:−605 VL:−280 実施例26 実施例1で形成した電荷発生層の上に、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン5gとポリ−4,4′−ジオキシ
ジフェニル−2,2−プロパンカーボネート(分子量30
万)5gをテトラヒドロフラン70mlに溶解して調製した塗
布液を乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗布し乾燥
した。
こうして作成した電子写真感光体を実施例1と同様の
方法で帯電特性を測定した。
この時の帯電極性は+とした。結果を示す。
V0:+700V E1/2:2.3lux,sec 実施例27 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムのア
ミノ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコールの被膜
を形成した。
次に、実施例2で用いた例示顔料(2)のジスアゾ顔
料の分散液を先に形成したポリビニルアルコール層の上
に乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにマイヤーバーで
塗布し乾燥して電荷発生層を形成した。
次に、構造式 のベンジリデン化合物5gとビスフェノールZ型ポリカー
ボネート(粘度平均分子量3万)5gをクロロベンゼン3
2.5mlに溶かした液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が2
0μmとなるように塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成
した。
こうして作成した電子写真感光体の帯電特性および耐
久特性を実施例1および実施例21と同様の方法で測定し
た。結果を示す。
V0:−690V、 E1/2:7.1lux,sec 耐久特性 初 期 VD:−690 VL:−170 5千枚耐久後 VD:−680 VL:−180 上記の結果から、感度、耐久使用時の電位安定性はい
ずれも良好である。
実施例28 厚さ100μmのアルミ板上に、可溶性ナイロン(6−6
6−610−12四元ナイロン共重合体)のメタノール溶液を
塗布し、乾燥して膜厚0.5μmの下引層を形成した。
次に、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5gとポ
リ−N−ビニルカルバゾール(数平均分子量30万)5gを
テトラヒドロフラン70mlに溶かして電荷移動錯体を調製
した。この電荷移動錯体と例示顔料(38)の1gをポリメ
チルメタクリレート−スチレン共重合樹脂(分子量25
万)5gをテトラヒドロフラン70mlに溶かした液に加え、
分散した。この分散液を下引層の上に乾燥後の膜厚が20
μmとなるように塗布し乾燥した。
こうして作成した電子写真感光体の帯電特性を実施例
1と同様の方法により測定した。但し、帯電極性は+と
した。結果を示す。
V0:+690V E1/2:2.8lux,sec 実施例29 実施例28で用いたナイロン層を施したアルミ基板のナ
イロン層の上に実施例1と同様の電荷輸送層と電荷発生
層を順次積層し、層構成を逆にする他は実施例1と同様
にして電子写真感光体を作成した。
実施例1と同様の方法で帯電特性を測定した。
但し、帯電極性は+とした。結果を示す。
V0:+700V、 E1/2:2.5lux,sec, [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、特性のジスアゾ顔料を感
光層に用いたことにより、感光層内部におけるキヤリア
発生効率ないしはキヤリア輸送効率のいずれか一方また
は双方が良くなることが推察され、結果的に高感度で耐
久性、とりわけ耐久使用時における電位安定性に優れた
電子写真感光体である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に光導電層を有する電子写真
    感光体において、光導電層に下記一般式(1)で示すジ
    スアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。 式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、置換基を有
    してもよいフェニル基、アミド基、エステル基またはN,
    N−ジエチルカルバモイルメチル基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよく、あるいはR1およびR2のいずれ
    か一方がシアノ基を、他方が水素原子を示し、Aおよび
    A′はフェノール性水酸基を有するカプラー残基を示
    し、同一であっても異なっていてもよい。
  2. 【請求項2】一般式(1)においてAまたはA′の一方
    または双方が下記一般式(2)で示すフェノール性水酸
    基を有するカプラー残基である請求項1記載の電子写真
    感光体。 式中、Xはベンゼン環と縮合して多環芳香環あるいは複
    素環を形成するに必要な残基であり、R3およびR4は水素
    原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、
    アラルキル基、複素環基またはR3、R4の結合する窒素原
    子を環内に含む環状アミノ基を示し、Zは酸素原子また
    は硫黄原子を示し、nは0または1の整数である。
  3. 【請求項3】一般式(1)においてAまたはA′の一方
    または双方が下記一般式(3)で示すフェノール性水酸
    基を有するカプラー残基である請求項1記載の電子写真
    感光体。 式中、R5は置換基を有してもよいアルキル基、アリール
    基あるいはアラルキル基を示す。
  4. 【請求項4】一般式(1)においてAまたはA′の一方
    または双方が下記一般式(4)で示すフェノール性水酸
    基を有するカプラー残基である請求項1記載の電子写真
    感光体。 式中、Yは芳香族炭化水素の2価の基または窒素原子を
    環内に含む複素環の2価の基を示す。
  5. 【請求項5】一般式(1)においてAまたはA′の一方
    または双方が下記一般式(5)で示すフェノール性水酸
    基を有するカプラー残基である請求項1記載の電子写真
    感光体。 式中、R6は置換基を有してもよいアリール基または複素
    環基を示し、Xは前記一般式(2)中のXと同義であ
    る。
  6. 【請求項6】一般式(1)においてAまたはA′の一方
    または双方が下記一般式(6)で示すフェノール性水酸
    基を有するカプラー残基である請求項1記載の電子写真
    感光体。 式中、R7およびR8は水素原子、置換基を有してもよいア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を
    示し、Xは前記一般式(2)中のXと同義である。
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