JPH086267A - 光導電層形成用樹脂組成物及び該組成物を用いた電子写真感光体 - Google Patents

光導電層形成用樹脂組成物及び該組成物を用いた電子写真感光体

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JPH086267A
JPH086267A JP14162194A JP14162194A JPH086267A JP H086267 A JPH086267 A JP H086267A JP 14162194 A JP14162194 A JP 14162194A JP 14162194 A JP14162194 A JP 14162194A JP H086267 A JPH086267 A JP H086267A
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JP14162194A
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English (en)
Inventor
Shinichi Okada
真一 岡田
Hitomi Ito
ひとみ 伊藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光導電性物質、結着樹脂及び溶剤を含有する
光導電層形成用樹脂組成物において、結着樹脂として、
下記一般式(I)及び一般式(II)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリカーボネートを含有する光導電
層形成用樹脂組成物及び該組成物から成る感光層を有す
る電子写真感光体。 【化1】 【化2】 (R1、R2、R19、R20;水素原子、アルキル基、アリ
ール基、R1とR2又はR 19とR20;一体となった環、R
3〜R18、 R21〜R28;水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アリール基、k,m,n;正の整数) 【効果】 本発明の組成物は、ポットライフが良好で、
本発明の電子写真感光体は、低温低湿〜高温高湿の全環
境で、高感度で、繰り返し安定性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導電層形成用に有用な
組成物と、該組成物を用いて形成される光導電層を有す
る電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体に用いる光導電性材料と
して、ポリ−N−ビニルカルバゾールを始めとする各種
の有機光導電性材料が提案され、研究開発が盛んに行な
われている。
【0003】このような有機化合物系の電子写真感光体
は、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等を用いた無機
化合物系の電子写真感光体に比べて、成膜が容易であ
り、極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供
できるという利点を持っている。
【0004】しかしながら、例えば、ポリ−N−ビニル
カルバゾールのような光導電性ポリマーに関しては、ポ
リマー単独では被膜性、可撓性、接着性等が不良であ
り、これらの欠点を改良するために可塑剤、結着剤樹脂
等が添加されるが、そのために感度の低下や、残留電位
の上昇を招く等の問題点があった。
【0005】近年、これらの電子写真感光体の欠点や問
題点を解決するために、電子写真感光体の電荷発生機能
と、電荷輸送機能の大部分を各々、別個の物質に分担さ
せて行なう機能分離型の電子写真感光体が提案されてい
る。このような機能分離型の電子写真感光体では、電荷
発生機能を有した電荷発生材料、或いは、電荷輸送機能
を発揮する電荷輸送材料、各々に選択の範囲が広がり、
その組合せによって、帯電特性、暗所での電荷保持能
力、感度、繰り返し安定性、耐久性等の電子写真特性を
制御し、高性能な電子写真感光体を提供することができ
る。
【0006】即ち、電荷発生材料においては、適当な材
料を選択することにより、光源の分光波長に合わせた感
光波長特性を有する電子写真感光体を提供することがで
きる。具体的には、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮
合多環顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、
チアピリリウム色素、シアニン色素等が提案されてい
る。
【0007】電荷輸送材料としては、これまで多くの有
機化合物が提案されおり、具体的には、トリフェニルア
ミン誘導体、トリアリールメタン化合物、ジアリールメ
タン化合物、4−ジフェニルアミノ−1,1’−ビフェ
ニル化合物、ターフェニル誘導体、ヒドラゾン系化合
物、スチリル系化合物等が提案されている。
【0008】このような機能分離型電子写真感光体の構
成の主流は、導電性支持体上に電荷発生層を設け、更に
その上に電荷輸送層を積層したものである。
【0009】電子写真感光体としては、帯電特性が良
好で暗所での電位保持率が大きいこと、光感度が高
く、かつ残留電位が小さいこと、繰り返し使用時の電
位安定性が高いと言った電気特性を満足すること、耐
刷性、耐摩耗性と言った機械的強度を有すること、コ
ロナ放電及び放電時に発生するオゾンに対する耐性が高
いといった化学的安定性、が求められている。
【0010】上記の諸特性を満足するためには、電荷発
生材料及び電荷輸送材料等の光機能材料の選択も重要で
あるが、これらの材料を用いて感光層を形成する際の結
着樹脂の選択も重要となる。
【0011】また、これらの材料を用いて光導電層を形
成する際に用いられる結着樹脂としては、式(VII)
【0012】
【化7】
【0013】で表わされるビスフェノールA型のポリカ
ーボネートが良好な特性を示すことが知られている。
【0014】しかしながら、本発明者が検討を行った結
果、上記のビスフェノールA型ポリカーボネートは、結
晶性が高いため、単独で電荷輸送材料と共に有機溶剤に
溶かして調製した溶液は、ゲル化現象を起こし易く、室
温密閉状態で保管した場合、1週間以内にゲル化し、使
用不能となる欠点を有している。
【0015】このような問題を解決するために、特開昭
60−172045号公報には、フェニレン環の間に立
体的にかさ高い置換基を導入したポリカーボネートを使
用する方法が提案され、特開昭63−65444号公報
には、フェニレン環の間にフッ素を有する置換基を導入
したポリカーボネートを使用する方法が提案され、特開
昭63−148263号公報には、フェニレン環にアル
キル基、ハロゲン原子を導入したポリカーボネートを使
用する方法が提案され、特開平1−269942号公報
及び特開平1−269943号公報には、両フェニレン
環にフェニル基を又はシクロヘキシル基を置換したモノ
マーの共重合体を使用する方法等が提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の結着
樹脂が提案されているが、これらを用いた電子写真感光
体にあっても未だ十分な表面強度、表面平滑性が無く、
摩耗、耐クラック性に弱く、繰り返し使用時に画質の低
下が起こり、また摩耗による膜厚減少による光感度の変
動などの問題があり、感度を始めとした電子写真感光体
に要求される下記特性全般に亙って満足するものは得ら
れておらず、一層の改良が求められている。 (1)暗所で適当な電位に帯電できる。 (2)暗所に於ける電荷の保持能力が大きい。 (3)光照射によって速やかに電荷を散逸できる。 (4)適当な面積を持つ電子写真感光体が容易に作れ
る。 (5)繰り返し安定性が良い。 (6)耐久性がある。 (7)安価である。
【0017】本発明が解決しようとする課題は、(1)
上記要求特性を満足する新規光導電層形成用樹脂組成物
を提供すること、及び(2)従来の無機化合物系電子写
真感光体の欠点を克服し、かつ、これまで提案されてき
た有機化合物系電子写真感光体の欠点を改良し、十分に
実用に供しうる程度の高感度、繰り返し使用時の電気特
性安定性を有する電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討を行った結果、本発明を完
成するに至った。
【0019】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)光導電性物質、結着樹脂及び溶剤を含有する
光導電層形成用樹脂組成物において、結着樹脂として一
般式(I)
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R1及びR2は各々独立的に水素原
子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を
有していても良いアリール基を表わすか、或いはR1
2とが一体となって環を表わす。 R3〜R18は各々独
立的に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していても
良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール
基を表わし、k及びmは正の整数を表わす。)及び一般
式(II)
【0022】
【化9】
【0023】(式中、R19及びR20は各々独立的に水素
原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基
を有していても良いアリール基を表わすか、或いはR19
とR20とが一体となって環を表わす。R21〜R28は各々
独立的に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していて
も良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリー
ル基を表わし、nは正の整数を表わす。)で表わされる
繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有
することを特徴とする光導電層形成用樹脂組成物、及び
(2)導電性支持体上に前記光導電層形成用樹脂組成物
から形成される光導電層を有する電子写真感光体、を提
供する。
【0024】本発明の一般式(I)で表わされるポリカ
ーボネート樹脂は、一般式(VIII)
【0025】
【化10】
【0026】(式中、R1〜R10は一般式(I)と同じ
ものを表わす。)で表わされるフェノール系化合物と一
般式(IX)
【0027】
【化11】
【0028】(式中、R11〜R18は一般式(I)と同じ
ものを表わす。)で表わされるフェノール系化合物とを
同時に塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等の不活
性溶媒存在下、ピリジン等の酸受容体を加え、ホスゲン
を導入しながら反応させる方法が挙げられる。又は、前
記フェノール系化合物と炭酸ジフェニル等の炭酸エステ
ル類とを反応させる方法が挙げられる。
【0029】また、上記のフェノール類を同時に反応さ
せる方法に加え、まず一方のフェノール系誘導体より、
ポリカーボネート樹脂を製造し、更に他方のフェノール
系誘導体を加え、更に高分子化する方法、各々のフェノ
ール系誘導体よりオリゴマーを製造した後、両者を重合
させる方法が挙げられるが、本発明における一般式
(I)で表わされるポリカーボネート樹脂の製造法は、
必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0030】また、本発明の一般式(II)で表わされる
ポリカーボネート樹脂は下記一般式(X)
【0031】
【化12】
【0032】(式中、R19〜R28は一般式(II)と同じ
ものを表わす。)で表わされるフェノール系化合物を塩
化メチレン、1,2−ジクロロエタン等の不活性溶媒存
在下、ピリジン等の酸受容体を加え、ホスゲンを導入し
ながら反応させる方法が挙げられる。又は、前記フェノ
ール系化合物と炭酸ジフェニル等の炭酸エステル類とを
反応させる方法が挙げられるが、本発明における一般式
(II)で表わされるポリカーボネート樹脂の製造法は、
必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0033】次に、一般式(I)で表わされる構造単位
のポリカーボネート樹脂の具体例を示すが、本発明は必
ずしもこれらの例に限定されるものではない。
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】(上式中、Meはメチル基を表わし、k及
びmは各々独立的に正の整数を表わす。)
【0038】更に、一般式(II)で表わされる構造単位
のポリカーボネート樹脂の具体例を示すが、本発明は必
ずしもこれらの例に限定されるものではない。
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】(上式中、Meはメチル基を表わし、Et
はエチル基を表わし、nは正の整数を表わす。)
【0043】本発明の電子写真感光体の構成は、種々の
構造を採ることができる。その例を図1から図3に示し
た。
【0044】図1及び図2の電子写真感光体は導電性支
持体1の上に電荷発生材料を主体とする電荷発生層2
と、電荷輸送材料と樹脂からなる電荷輸送層3とから成
る光導電層4a又は4bをそれぞれ設けたものである。
図3の電子写真感光体は導電性支持体1の上に電荷発生
材料5を電荷輸送材料と樹脂とからなる電荷移動媒体6
の中に分散せしめた光導電層4cを設けたものである。
【0045】図1及び図2の電子写真感光体の場合に
は、電荷発生層2に含まれる電荷発生材料が電荷を発生
し、一方、電荷輸送層3は電荷の注入を受け、その輸送
を行なう。即ち、光減衰に必要な電荷の生成が電荷発生
材料で行なわれ、また、電荷の輸送が電荷輸送媒体で行
なわれる。図3の電子写真感光体では電荷発生材料が光
に対して電荷を発生し、電荷移動媒体により電荷の移動
が行なわれる。
【0046】図1の電子写真感光体は、電荷発生材料の
蒸着、或いは電荷発生材料の微粒子を、樹脂を溶解した
溶液中に分散して得た樹脂溶液を浸漬塗布、乾燥し、そ
の上に電荷輸送材料を樹脂を溶解した溶液に溶解した樹
脂溶液を浸漬塗布、乾燥させることによって製造するこ
とができる。
【0047】図2の電子写真感光体は、電荷輸送材料を
樹脂を溶解した溶液に溶解した樹脂溶液を導電性支持体
上に浸漬塗布、乾燥し、その上に電荷発生材料の蒸着、
或いは電荷発生材料の微粒子を溶剤又は樹脂溶液中に分
散して得た溶液を浸漬塗布、乾燥させることにより製造
することができる。
【0048】図3の電子写真感光体は電荷輸送材料を樹
脂溶液中に溶解した溶液に電荷発生材料の微粒子を分散
させて、これを導電性支持体上に塗布、乾燥することに
よって製造することができる。
【0049】光導電層の厚さは、図1及び図2の電子写
真感光体の場合には、電荷発生層の厚さは5μm以下、
好ましくは0.01〜2μmであり、電荷輸送層の厚さ
は3〜50μm、好ましくは5〜30μmである。図3
の電子写真感光体の場合には、感光層の厚さは、3〜5
0μm、好ましくは5〜30μmである。
【0050】図1及び図2の電子写真感光体における電
荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は、5〜100重量%
の範囲で適時選ぶことができ、好ましくは30〜80重
量%の範囲で選ぶことができる。図1及び図2の電子写
真感光体の電荷発生層中の電荷発生材料の割合は、5〜
100重量%の範囲で適時選ぶことができ、好ましくは
30〜80重量%の範囲で選ぶことができる。図3の電
子写真感光体において、感光層中の電荷輸送材料の割合
は、5〜99重量%の範囲で適時選ぶことができ、また
電荷発生材料の割合は、1〜50重量%、好ましくは3
〜20重量%である。なお、図1〜図3のいずれの電子
写真感光体の作製においても、樹脂と共に可塑剤、増感
剤を用いることができる。
【0051】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、
ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モリブデン、
バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金、
或いは、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化
合物;アルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金
を塗布、蒸着、或いはラミネートした紙、プラスチック
フィルム、セラミックス等が挙げられ、必要に応じて導
電性支持体表面は化学的又は物理的な処理を施してもよ
い。
【0052】電荷発生材料としては、種々のものが使用
可能であり、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、ト
リスアゾ顔料等のアゾ顔料類;各種金属フタロシアニ
ン、無金属フタロシアニン、ナフタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料類;ペリノン顔料、ペリレン顔料、アン
トラキノン顔料、キナクリドン顔料等の縮合多環顔料
類;スクエアリウム色素類;アズレニウム色素類;チア
ピリリウム色素類;シアニン色素類等を挙げることがで
きる。
【0053】特に、フタロシアニン類は半導体レーザや
発光ダイオード等の長波長光源を用いる電子写真システ
ムに於いては感度が高く好適である。
【0054】電荷発生材料は、ここに記載したものに限
定されるものではなく、その使用に際しては単独、或い
は2種類以上を混合して用いることができる。
【0055】また、電荷輸送物質としては、一般に電子
を輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類さ
れるが、本発明では、両者とも使用することができる。
【0056】電子輸送物質としては、例えば、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニト
ロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,
7−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テト
ラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン、テトラニトロカルバゾールクロラニル,2,3
−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,
7−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テ
トラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の
有機化合物やアモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル等の無機材料が挙げられる。
【0057】また、正孔輸送物質としては、低分子化合
物では、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N
−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾー
ル、或いはN−メチル−2−フェニルヒドラジノ−3−
メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェ
ニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ
ール、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジ
フェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベン
ズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフ
ェニルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、
等のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p
−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
類、トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラ
フェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン等が挙げられる。また、高分子化合物としては、例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0058】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れて、塗料化され、浸漬塗工法により導電性支持体上に
塗布されて、感光層が形成される。
【0059】電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは
2種類以上混合して用いることができる。
【0060】これらの電荷輸送物質の中でも、一般式
(III)
【0061】
【化19】
【0062】(式中、Ar1は置換基を有していても良
いアリール基を表わし、 R29及びR30は各々独立的に
置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有し
ていても良いアリール基を表わす。)で表わされるヒド
ラゾン系化合物、一般式(IV)
【0063】
【化20】
【0064】(式中、Ar2は置換基を有していても良
いアリール基を表わし、 R31及びR32は各々独立的に
水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基又は
置換基を有していても良いアラルキル基を表わす。)で
表わされるヒドラゾン系化合物、一般式(V)
【0065】
【化21】
【0066】(式中、R33〜R36は各々独立的に置換基
を有していても良いアルキル基又は置換基を有していて
も良いアリール基又は置換基を有していても良いアラル
キル基を表わす。)で表わされるブタジエン系化合物又
は一般式(VI)
【0067】
【化22】
【0068】(式中、Ar3〜Ar5は各々独立的に置換
基を有していても良いアリール基又は置換基を有してい
ても良いアラルキル基を表わす。)で表わされるアミン
系化合物が好ましく、これらの電荷輸送物質は、単独で
使用することもできるが、2種以上の光導電性物質を組
み合わせて使用することもでき、或いは、前出のその他
の電荷輸送物質を併用することもできる。
【0069】一般式(III)、一般式(IV)、一般式
(V)、一般式(VI)で表わされる電荷輸送材料の具体
例を示すが、本発明は必ずしもこれらの例に限定される
ものではない。
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】(上式中、Meはメチル基を表わし、Et
はエチル基を表わし、t−Buはターシャリーブチル基
を表わす。)
【0077】また、本発明で使用する溶剤としては、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等の
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエ
ーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及び
スルホン類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等の芳香族類等が挙げられる。
【0078】しかしながら、これらの溶剤はここに記載
したものに限定されるものではなく、その使用に際して
は単独或いは2種以上の混合物として用いることもでき
る。また、本発明の組成物を用いて、図1又は図2の如
き積層型の電子写真感光体を形成する場合、使用する溶
剤は、下層を溶解しないものの中から選択することが望
ましい。
【0079】また、本発明の組成物においては、一般式
(I)及び一般式(II)で表わされるポリカーボネート
樹脂の他に、必要に応じて他の樹脂を併用することがで
きる。必要に応じて使用することのできる樹脂は、疎水
性で、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子化合物を
用いるのが好ましい。このような高分子重合体として
は、例えば、一般式(I)及び一般式(II)で表わされ
るポリカーボネート以外のポリカーボネート、ポリエス
テル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルア
セテート、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキ
ッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニル
フォルマール、ポリスルホン等が挙げられる。
【0080】樹脂はここに記載したものに限定されるも
のではなく、その使用に際しては単独或いは2種以上の
混合物として用いることもできる。
【0081】また、電子写真感光体の成膜性、可撓性、
機械的強度を向上するために、これらの樹脂と共に、周
知の可塑剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0082】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、p−ターフェニル、
ジブチルフタレート、ジエチルグリコールフタレート、
ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフ
タレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、各種のフルオロ炭化水素等が挙
げられる。
【0083】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0084】前記感光層に必要に応じて用いられる増感
剤としては、いずれも周知のものが使用できる。
【0085】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0086】また、本発明の電子写真感光体において
は、保存性、耐久性、耐環境依存性を向上させるため
に、感光層中に酸化防止剤や光安定剤等の劣化防止剤を
含有させることもできる。その例としては、フェノール
化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物等を挙げ
ることができる。
【0087】更に、本発明においては、導電性支持体と
感光層との接着性を向上させたり、導電性支持体から感
光層への自由電荷の注入を阻止するため、導電性支持体
と感光層との間に、必要に応じて接着層或いはバリアー
層を設けることもできる。
【0088】これらの層に用いられる材料としては、前
記樹脂に用いられる高分子化合物のほか、カゼイン、ゼ
ラチン、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボ
キシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラ
テックス、スチレン−ブタジエン系ポリマーラテック
ス、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレタ
ン、フェノール樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸
化チタン等が挙げられる。これらの層厚は、1μm以下
が望ましい。
【0089】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の範
囲に限定されるものではない。尚、実施例中、「部」は
「重量部」を表わす。
【0090】(合成例)フタロジニトリル40g、四塩
化チタン18g及びα−クロルナフタレン500mlの
混合物を、窒素気流下、240〜250℃で加熱攪拌し
ながら3時間反応させた。反応終了後、反応生成物を濾
過して、ジクロルチタニウムフタロシアニンを得た。得
られたジクロルチタニウムフタロシアニンを、濃アンモ
ニア水300ml及びピリジン300mlと共に1時間
加熱還流することにより結晶型チタニルフタロシアニン
を得た。
【0091】(顔料分散樹脂溶液調製例)合成例で得た
チタニルフタロシアニンをアトライターを用いて粉砕
し、更に微粒子化した。続いて、上記微粒子化チタニル
フタロシアニン34部、ポリブチラール樹脂(商品名
「エスレックBH−3」積水化学(株)社製)12部及び
塩化メチレン807部から成る混合物を、サンドミルを
用いて分散して、チタニルフタロシアニンを含有する電
荷発生層用塗料を調製した。このようにして得た電荷発
生層用塗料をガラス板上に塗布し、乾燥させて薄膜を形
成した。この薄膜のX線回折パターンを図4に示した。
【0092】(実施例1)一般式
【0093】
【化29】
【0094】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. B−1のビスフェノールA型ポリカー
ボネート樹脂(商品名「レキサンLS2−111」、日
本ジーイープラスチックス(株)社製、粘度数平均分子量
=23,000)6.5部及び一般式
【0095】
【化30】
【0096】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. A−1のポリカーボネート樹脂(粘度
平均分子量=36,000)6.5部を、ジクロロメタ
ン52.2部及びクロロベンゼン34.8部から成る混
合溶媒に溶解させて、樹脂溶液を得た。この試料No. A
−1のポリカーボネート樹脂におけるビフェノール骨格
部分とビフェニル骨格部分の割合は、1HNMRの測定
結果から86:14であった。
【0097】次に、上記樹脂溶液100部に、式
【0098】
【化31】
【0099】(式中、Meはメチル基を表わし、Etは
エチル基を表わす。)で表わされる試料No. C−1で表
わされる電荷輸送材料2.34部及び式
【0100】
【化32】
【0101】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. C−7で表わされる電荷輸送材料9.
36部を溶解させて、光導電層形成用樹脂組成物を得
た。
【0102】上記光導電層形成用樹脂組成物を23℃、
密閉状態で1週間保管した結果、組成物に変化は認めら
れなかった。
【0103】(比較例1)試料No. B−1のビスフェノ
ールA型ポリカーボネート樹脂(商品名「レキサンLS
2−111」日本ジーイープラスチックス(株)社製)1
3部を、ジクロロメタン52.2部及びクロロベンゼン
34.8部から成る混合溶媒に溶解させて、樹脂溶液を
得た。
【0104】次に、上記樹脂溶液100部に対して、試
料No. C−1の電荷輸送材料2.34部及び試料No. C
−7の電荷輸送材料9.36部を溶解させて、光導電層
形成用樹脂組成物を得た。
【0105】上記光導電層形成用樹脂組成物を23℃、
密閉状態で1週間保管した結果、樹脂及び電荷輸送材料
の晶出が確認された。
【0106】実施例1で得た光導電層形成用樹脂組成物
及び比較例1で得た光導電層形成用樹脂組成物の保存試
験結果の比較から、ビスフェノールA型ポリカーボネー
ト樹脂単独で光導電層形成用樹脂組成物を調製すると、
短期間で溶解物の晶出が起きるため、比較例1の組成物
は、ポットライフの短い塗料安定性の低いものとなる
が、実施例1のように、一般式(I)で表わされる樹脂
と併用することにより、塗料安定性に優れた組成物が得
られることが理解できる。
【0107】(実施例2)ナイロン樹脂(商品名「CM
8000」東レ(株)社製)3部を、メタノール70部、
塩化メチレン15部及びブタノール15部から成る混合
溶剤に溶解させて、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を、
直径30mmのアルミニウム製シリンダー上に乾燥後の
膜厚が0.17μmとなるように塗布・乾燥させて、下
引き層を形成した。
【0108】この下引き層の上に、顔料分散樹脂溶液調
製例で調製したチタニルフタロシアニン分散樹脂溶液を
乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布・乾燥させ
て、電荷発生層を形成した。
【0109】更に、電荷発生層の上に、実施例1で調製
した光導電層形成用樹脂組成物を、乾燥後の総膜厚が2
3.5μmとなるように塗布・乾燥させて、積層型電子
写真感光体を得た。
【0110】(実施例3)実施例1において、光導電層
形成用樹脂組成物中の樹脂として、試料No. B−1で表
わされるビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂と試
料No. A−1で表わされるポリカーボネート樹脂との割
合が重量比で1:2の樹脂混合物を13部使用した以外
は、実施例1と同様にして光導電層形成用樹脂組成物を
得た。
【0111】この光導電層形成用樹脂組成物を用いた以
外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0112】(実施例4)実施例1において、試料No.
C−1の電荷輸送材料及び試料No. C−7の電荷輸送材
料に代えて、式
【0113】
【化33】
【0114】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. C−2の電荷輸送材料を11.7部用
いた以外は、実施例1と同様にして光導電層形成用樹脂
組成物を得た。
【0115】この光導電層形成用樹脂組成物を用いた以
外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0116】(実施例5)一般式
【0117】
【化34】
【0118】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. B−2のポリカーボネート樹脂(粘度
平均分子量=25,000)6.5部及び一般式
【0119】
【化35】
【0120】で表わされる試料No. A−3のポリカーボ
ネート樹脂(粘度平均分子量=38,000)6.5部
を、ジクロロメタン69.6部及びクロロベンゼン1
7.4部から成る混合溶媒に溶解させて、樹脂溶液を得
た。この試料No. A−3のポリカーボネート樹脂におけ
るビスフェノール骨格部分とビフェニル骨格部分の割合
は、 1HNMRの測定結果から83:17であった。
【0121】次に、上記樹脂溶液100部に対して、式
【0122】
【化36】
【0123】(式中、Etはエチル基を表わす。)で表
わされる試料No. C−17の電荷輸送材料5.85部及
び式
【0124】
【化37】
【0125】(式中、Meはメチル基を表わし、t−B
uはターシャリーブチル基を表わす。)で表わされる試
料No. C−21の電荷輸送材料0.65部を溶解させ
て、光導電層形成用樹脂組成物を得た。
【0126】この光導電層形成用樹脂組成物を用いた以
外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0127】(実施例6)一般式
【0128】
【化38】
【0129】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. B−5のポリカーボネート樹脂(数平
均分子量=30,000)6.5部及び一般式
【0130】
【化39】
【0131】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. A−10のポリカーボネート樹脂(粘
度平均分子量=36,000)6.5部を、ジクロロメ
タン87部に溶解させて、樹脂溶液を得た。この試料N
o. A−10のポリカーボネート樹脂におけるビスフェ
ノール骨格部分とビフェニル骨格部分の割合は、 1HN
MRの測定結果から85:15であった。
【0132】次に、上記樹脂溶液100部に対して、式
【0133】
【化40】
【0134】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. C−9の電荷輸送剤13部を溶解させ
て、光導電層形成用樹脂組成物を得た。
【0135】この光導電層形成用樹脂組成物を用いた以
外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0136】(実施例7)一般式
【0137】
【化41】
【0138】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. B−7のポリカーボネート樹脂(数平
均分子量=32,000)6.5部及び一般式
【0139】
【化42】
【0140】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる試料No. A−6のポリカーボネート樹脂(粘度
平均分子量=35,000)6.5部をジクロロメタン
87部に溶解させて、樹脂溶液を得た。この試料No. A
−6のポリカーボネート樹脂におけるビスフェノール骨
格部分とビフェニル骨格部分の割合は、 1HNMRの測
定結果から78:22であった。
【0141】次に、上記樹脂溶液100部に対して、式
【0142】
【化43】
【0143】(式中、Meはメチル基を表わし、Etは
エチル基を表わす。)で表わされる試料No. C−8の電
荷輸送材料13部を溶解させて、光導電層形成用樹脂組
成物を得た。
【0144】この光導電層形成用樹脂組成物を用いた以
外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0145】(比較例2)試料No. A−1のポリカーボ
ネート樹脂13部を、ジクロロメタン52.8部及びク
ロロベンゼン35.2部から成る混合溶媒に溶解させ
て、樹脂溶液を得た。
【0146】次に、上記樹脂溶液100部に対して試料
No. C−1の電荷輸送材料2.34部及び試料No. C−
7の電荷輸送材料9.36部を溶解させて、光導電層形
成用樹脂組成物を得た。
【0147】この光導電層形成用樹脂組成物を用いて実
施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0148】(比較例3)一般式
【0149】
【化44】
【0150】で表わされる試料No. B−11の市販のポ
リカーボネート樹脂(商品名「ユーピロンZ−20
0」、三菱瓦斯化学(株)社製、数平均分子量=27,0
00)16部を、ジクロロメタン50.4部及びクロロ
ベンゼン33.6部から成る混合溶媒に溶解させて、樹
脂溶液を得た。
【0151】次に、上記樹脂溶液100部に対して、試
料No. C−1の電荷輸送材料2.88部及び試料No. C
−7の電荷輸送材料11.52部を溶解させて、光導電
層形成用樹脂組成物を調製した。
【0152】この光導電層形成用樹脂組成物を用いて実
施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0153】実施例2〜7で得た電子写真感光体及び比
較例2及び3で得た電子写真感光体について、プロセス
スピ−ドが、6786mm/分のレーザビームペ−ジプ
リンタを用いて給紙を行いながら電子写真特性の評価を
行った。但し、スコロトロンからのコロナ放電直後の感
光体表面電位(初期電位)を常温常湿(23℃/50%
RH)下でV0=−700Vとし、光感度測定のための
露光は波長780nmの半導体レ−ザを0.7mW(感
光体表面に於いて0.6mW)の強度で行った。
【0154】低温低湿(10℃/20%R.H.)、常
温常湿(23℃/50%R.H.)、高温高湿(33℃
/80%R.H.)の各3環境下で表面電位の初期特性
を評価した結果を表1及び表2に示した。尚、表1にお
いてV0は未露光電位(帯電能)、VLは100%露光
電位(感度電位)、VRは残留電位を示す。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】更に、高温高湿(33℃/80%R.
H.)で3000サイクルの繰り返し使用後の電位特性
も表3に示した。
【0158】
【表3】
【0159】表1〜3に示した結果から、実施例2〜7
の電子写真感光体は、比較例2及び3の電子写真感光体
と比較して全環境において感度電位が低く、かつ残留電
位が低い、良好なものであり、繰り返し特性も良好であ
り、十分実用に供し得ることが理解できる。これらの結
果は、2種のポリカーボネート樹脂を含有する本発明の
光導電層形成用樹脂組成物を用いることによって実現さ
れたことが理解できる。
【0160】
【発明の効果】本発明によれば、ポットライフの良好な
光導電層形成用樹脂組成物が得られ、これを用いること
により低温低湿から高温高湿の全環境にわたって感度の
優れかつ繰り返し安定性の良い電子写真感光体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体が取り得る層構成の一
例を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体が取り得る層構成の一
例を示す模式断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体が取り得る層構成の一
例を示す模式断面図である。
【図4】顔料分散樹脂溶液調製例の含チタニルフタロシ
アニン塗膜のX線回折スペクトルである。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4a 感光層 4b 感光層 4c 感光層 5 電荷発生材料 6 電荷移動媒体 7 電子写真感光体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電性物質、結着樹脂及び溶剤を含有
    する光導電層形成用樹脂組成物において、結着樹脂とし
    て一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2は各々独立的に水素原子、置換基を
    有していても良いアルキル基又は置換基を有していても
    良いアリール基を表わすか、或いはR1とR2とが一体と
    なって環を表わす。 R3〜R18は各々独立的に水素原
    子、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル
    基又は置換基を有していても良いアリール基を表わし、
    k及びmは正の整数を表わす。)及び一般式(II) 【化2】 (式中、R19及びR20は各々独立的に水素原子、置換基
    を有していても良いアルキル基又は置換基を有していて
    も良いアリール基を表わすか、或いはR19とR20とが一
    体となって環を表わす。R21〜R28は各々独立的に水素
    原子、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキ
    ル基又は置換基を有していても良いアリール基を表わ
    し、nは正の整数を表わす。)で表わされる繰り返し構
    造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有することを
    特徴とする光導電層形成用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表わされる繰り返し構造
    単位を有するポリカーボネート樹脂と一般式(II)で表
    わされる繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹
    脂との使用割合が重量比で25:75〜75:25の範
    囲にあることを特徴とする請求項1記載の光導電層形成
    用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光導電性物質として、一般式(III) 【化3】 (式中、Ar1は置換基を有していても良いアリール基
    を表わし、 R29及びR30は各々独立的に置換基を有し
    ていても良いアルキル基又は置換基を有していても良い
    アリール基を表わす。)で表わされるヒドラゾン系化合
    物、一般式(IV) 【化4】 (式中、Ar2は置換基を有していても良いアリール基
    を表わし、 R31及びR32は各々独立的に水素原子又は
    置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有し
    ていても良いアラルキル基を表わす。)で表わされるヒ
    ドラゾン系化合物、一般式(V) 【化5】 (式中、R33〜R36は各々独立的に置換基を有していて
    も良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリー
    ル基又は置換基を有していても良いアラルキル基を表わ
    す。)で表わされるブタジエン系化合物及び一般式(V
    I) 【化6】 (式中、Ar3〜Ar5は各々独立的に置換基を有してい
    ても良いアリール基又は置換基を有していても良いアラ
    ルキル基を表わす。)で表わされるアミン系化合物から
    成る群から選ばれる1種以上の化合物を含有することを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の光導電層形成用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に光導電層を有する感光
    体において、光導電層が請求項1、2又は3記載の光導
    電層形成用樹脂組成物から形成されることを特徴とする
    電子写真感光体。
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