JP3941720B2 - 電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式のプリンター、複写機、ファクシミリなどに用いられる電子写真用感光体(以下、単に「感光体」とも称する)およびその製造方法に関し、詳しくは、感光層における光導電性物質の改良により優れた感度を有する電子写真用感光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体には、暗所で表面電荷を保持する機能と、光を受容して電荷を発生する機能と、同じく光を受容して電荷を輸送する機能とが要求され、一つの層でこれらの機能を併せ持ったいわゆる単層型感光体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷の保持および光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離した層を積層した積層型感光体とがある。
【0003】
これらの電子写真用感光体を用いた電子写真法による画像形成には、例えば、カールソン方式が適用される。この方式での画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯電と、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形成と、形成された静電潜像のトナーによる現像と、現像されたトナー像の紙などの支持体への転写定着とにより行われ、トナー像転写後の感光体は、除電、残留トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供される。
【0004】
従来より、上述の電子写真用感光体の感光材料としては、セレン、セレン合金、酸化亜鉛あるいは硫化カドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散させたものの他に、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、フタロシアニン化合物またはビスアゾ化合物などの有機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散させたもの、あるいは真空蒸着させたものなどが利用されている。
【0005】
かかる有機光導電性物質の中でも、特にフタロシアニン化合物の使用方法については種々の検討がなされてきており、1種類のみを用いる場合、2種類を混合して用いる場合などの報告例がある。
【0006】
2種類以上のフタロシアニン化合物を意図的に混合して用いる場合については、例えば、特許文献1〜特許文献3などに種々の報告例がある。但し、これら混合使用例の報告は、ほとんどが混晶、すなわち、新規の結晶型創出に関する報告であった。混晶を作製することで結晶安定性や感度、寿命等を変えることができることは公知であるので、混晶化したフタロシアニンについては感度が変化している。しかし、いずれの報告も、異なるフタロシアニン化合物の混合比率を細かく変化させた場合の電気特性の変化について詳しく調査したものではないという問題があった。
【0007】
また、2種類以上のフタロシアニン化合物を意図的に混合して用いることは、特許文献4にも記載されている。特許文献4においては、感度を制御するための手法として、ベンゼン環にフルオロ基を導入した2種類以上のフタロシアニン化合物を混合して、結晶型の制御を行う方法が述べられており、その混合比率についても詳細な検討がなされている。しかしながら、特許文献4に記載された実施例はいずれも、フタロシアニン環の中心に位置する元素を特定のものに固定した上で検討を行った結果を示すものであり、中心元素が異なるフタロシアニン化合物を混合して用いる場合については検討されていない。
【0008】
また、特許文献5および特許文献6においても、2種類以上のフタロシアニンを混合することで、結晶安定性や感度、寿命等を変えることができることが記載されており、特に、主成分が無金属フタロシアニンの場合については、副成分としてガリウムフタロシアニン、インジウムフタロシアニン、チタニルオキソフタロシアニンを混合することで、そうでない場合に比べて感度が向上することが述べられている。しかし、ガリウムフタロシアニン、インジウムフタロシアニン、チタニルオキソフタロシアニンに対して無金属フタロシアニンを副成分として混合することで、特性が改善されたことを示す実施例は存在しない。主成分がチタニルオキソフタロシアニンの場合に、副成分を混合することで特性がさらに良くなっている事例の報告は、主成分のチタニルオキソフタロシアニンと分子構造が特に類似している化合物である、バナジルオキソフタロシアニンを副成分として混合する場合についてのみである。ゆえに、金属フタロシアニンの方が無金属フタロシアニンより高性能なために、無金属フタロシアニンに対し各種の金属フタロシアニンを添加して特性を改善することは容易であると言える。しかし、逆の事例、すなわち、高性能である金属フタロシアニンに対し、性能の低いフタロシアニンである、無金属フタロシアニンを含む中心元素が水素であるフタロシアニンを添加して特性を改善することは、性能の優劣の違いから極めて困難であると考えられるために、特性を改善できる事例について十分な検討がなされていなかったと考えられる。
【0009】
さらに、異種フタロシアニンが合成時に副生成することで結果的に2種類以上のフタロシアニン化合物を用いる可能性があることについても報告がされており、例えば、特許文献7や特許文献8中に記載がある。しかし、これら報告例は、チタニルオキソフタロシアニンにおける塩素化チタニルオキソフタロシアニンの副生成のみに関するものである。特許文献8に記載されているように、実際には、塩素化チタニルオキソフタロシアニンだけを例にとっても、塩素1置換体だけではなく塩素2置換体も副生成することが知られているにも関わらず、これら報告例においては副生成成分の含有比率と特性の関係については、塩素1置換体のみしか検討されていなかった。また、金属フタロシアニンの合成における中心元素が水素であるフタロシアニン化合物の副生成については、極微量であるがゆえに、従来の技術では検知および定量が困難であった可能性がある。従って、副成分としての中心元素が水素であるフタロシアニンを、従来の技術では定量困難な含有比率で含む場合についても、含有量と感度の関係を解明することが重要であるが、その点について十分な検討がなされていないのが実情であった。
【0010】
【特許文献1】
特開平2−170166号公報
【特許文献2】
特開平2−84661号公報
【特許文献3】
特開平6−145550号公報
【特許文献4】
米国特許5,773,181号明細書
【特許文献5】
米国特許5,418,107号明細書
【特許文献6】
米国特許5,153,313号明細書
【特許文献7】
特開平3−35245号公報
【特許文献8】
特開2001−115054号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、フタロシアニン化合物を電子写真用感光体の感光材料として用いることは公知であるが、フタロシアニン化合物を2種類以上用いる場合において、その混合比率と感光体の電気特性、特に感度との関係は必ずしも明確になっていないのが現状であった。
【0012】
そこで本発明の目的は、かかる関係を明らかにして、電子写真特性、特には感度に優れた電子写真用感光体と、塗布液により感光層を形成する際に、特に感度に優れた感光層を形成することのできる電子写真用感光体の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、感光層において電荷発生物質としての金属フタロシアニン化合物を含有する層中に、この金属フタロシアニン化合物に対する副成分として、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物を所定割合で含有させたところ、感光体の感度が大幅に上昇することを見出して、本発明の電子写真用感光体を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電性基体上に感光層を有し、該感光層が光導電性物質として、少なくとも主成分としての金属フタロシアニン化合物と、副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とを含有し、該副成分の割合が、該主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下であり、前記金属フタロシアニン化合物がフタロシアニン環の中心にパラジウムの原子を含む化合物であることを特徴とするものである。
ここで、本発明の感光体において、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とは、フタロシアニン環の中心に2個の水素原子を含む化合物を意味する。
【0015】
また、本発明者らは、導電性基体上に光導電性物質を含有する塗布液を塗布して感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、この塗布液中に、光導電性物質として、主成分としての金属フタロシアニン化合物に加え、副成分として、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物を所定割合で含有させたところ、感度が大幅に向上した感光体が得られることを見出し、本発明の製造方法を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明の電子写真用感光体の製造方法は、導電性基体上に光導電性物質を含有する塗布液を塗布して感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、
前記塗布液に光導電性物質として、少なくとも主成分としての金属フタロシアニン化合物と、副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とを、該副成分が該主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下の割合となるよう含有させ、
前記金属フタロシアニン化合物としてフタロシアニン環の中心にパラジウムの原子を含む化合物を用いることを特徴とするものである。
なお、本発明の製造方法においても、前述したように、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とは、フタロシアニン環の中心に2個の水素原子を含む化合物を意味する。
【0017】
なお、本発明の電子写真用感光体における感光層は、単層型および積層型の双方を含み、かつ、負帯電型および正帯電型の双方を含むものであり、これらのいずれかの組み合わせに限定されるものではない。また、本発明の製造方法における塗布液は、浸漬塗布法または噴霧塗布法等の種々の塗布方法に適用することが可能であり、いずれかの塗布方法に限定されるものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明する。
電子写真用感光体には、いわゆる負帯電積層型感光体と、正帯電積層型感光体と、正帯電単層型感光体とがある。以下に、負帯電積層型感光体および正帯電単層型感光体を例にとり本発明を具体的に説明するが、本発明に係るフタロシアニン化合物に関する以外の感光体の形成もしくは製造等のための成分、方法等については、公知の物質、方法等から適宜好適なものを選択することができる。
【0019】
負帯電積層型感光体は、導電性基体上に積層された下引き層(中間層)上に、感光層が積層されて形成される。かかる感光層は、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されてなり、電荷発生層と電荷輸送層とに分離した機能分離型である。また、正帯電単層型感光体は、導電性基体上に下引き層を介して感光層が積層された構成は同様であるが、かかる感光層が、1つの層で電荷発生機能と電荷輸送機能との両方の機能を備えた単層型である。なお、いずれの層構成の場合でも下引き層は必ずしも必要ではなく、また、所望に応じ感光層上にさらに保護層を設けることもできる。
【0020】
導電性基体は、感光体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体としての役目も持っており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理を施したものでもよい。
【0021】
下引き層は、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜からなり、導電性基体から感光層への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、導電性基体と感光層との接着性の向上等の目的で必要に応じて設けることができる。下引き層を樹脂により形成する場合に用いる結着樹脂としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとその他の樹脂成分の共重合体、または、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを1種または2種以上で適宜組み合わせて使用することができる。中でも特に、積層型感光体の場合には、アルコール可溶ポリアミド、溶剤可溶芳香族ポリアミド、熱硬化型ポリウレタン樹脂などが好適であり、アルコール可溶ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612などの共重合化合物や、N−アルキル変性またはN−アルコキシアルキル変性ナイロンなどを好適に用いることができる。これらの具体的な化合物としては、例えば、アミランCM8000(東レ(株)製、6/66/610/12共重合ナイロン)、エルバマイド9061(デュポン・ジャパン(株)製、6/66/612共重合ナイロン)、ダイアミドT−170(ダイセル−ヒュルス(株)製、ナイロン12主体共重合ナイロン)などが挙げられる。
【0022】
また、下引き層中には、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物の微粒子、炭酸カルシウムなどの無機微粉末や、各種の導電補助剤を添加して用いることもできる。これらの含有量は層を形成できる範囲で任意に設定すればよい。
【0023】
正帯電型感光体の場合には、下引き層を形成する結着樹脂中に、正孔輸送性の付与、電荷トラップの低減等を目的として、正孔輸送物質を含有させることができる。正孔輸送物質の含有量は、下引き層の固形分に対して、0.1〜60重量%、好適には5〜40重量%である。また、必要に応じて、電子写真特性を著しく損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させることもできる。
【0024】
なお、下引き層は一層で用いてもよく、異なる種類の層を二層以上積層させて用いてもよい。また、膜厚は、下引き層の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用した時に残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定することができる。
【0025】
電荷発生層は、有機光導電性物質としての電荷発生物質を真空蒸着するか、または電荷発生物質の粒子を樹脂結着剤中に分散させた材料を塗布することにより形成され、光を受容して電荷を発生する。電荷発生層は、その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層への注入性が重要であり、電場依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。
【0026】
本発明においては、かかる電荷発生層中に、主成分としての金属フタロシアニン化合物に加えて、これに対する副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物が所定割合で含有されていることが重要である。このようにすることで感度が大幅に上昇する作用メカニズムは必ずしも明確ではないが、次のように考えることもできる。すなわち、副成分を添加することで、X線回折分析などの手法では検知できないほどの微細な結晶欠陥が改善されて、微小領域のスタッキング特性が改善されることによるか、もしくは、副成分の化合物そのものの働きによるものと考えることもできる。
なお、本発明において、金属フタロシアニン化合物とは、フタロシアニン環の中心に金属元素の原子を含む化合物を意味し、また、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とは、フタロシアニン環の中心に2個の水素原子を含む化合物を意味する。
【0027】
本発明で使用しうるフタロシアニン化合物の合成方法は公知であり、例えば、PHTHALOCYANINES C. C. Leznoff et al., 1989(VCH Publishers.Inc.)や、THE PHTHALOCYANINES F. H. Moser. et al., 1983(CRC Press)等に開示された手法に従い合成することができる。
【0028】
主成分の金属フタロシアニン化合物としては、フタロシアニン環の中心に含まれる金属元素がチタンであるもの、特に、チタニルオキソフタロシアニンを用いることが好適である。チタニルフタロシアニンとしては、例えば、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、アモルファスチタニルフタロシアニン、特開平8−209023号公報に記載のCuKα:X線回折スペクトルにてブラッグ角2θが9.6°を最大ピークとするチタニルフタロシアニンなどを挙げることができる。また、中心の金属元素がガリウム、インジウムまたはパラジウムであるもの、さらには、中心の金属元素が3以上の酸化数を取り得る元素であるものも好適に用いることができる。他の金属フタロシアニンとしては、例えば、ε型銅フタロシアニン等の銅フタロシアニンも用いることができる。
【0029】
また、副成分の中心元素が水素であるフタロシアニン化合物としては、好適には無金属フタロシアニンを用いる。無金属フタロシアニンとしては、例えば、X型無金属フタロシアニンやτ型無金属フタロシアニン等が挙げられる。かかる副成分のフタロシアニン化合物は、上記主成分の金属フタロシアニン化合物1molに対して1μmol以上200mmol以下で含有させることが必要であるが、好適には1μmol以上100mmol以下である。副成分の含有量が1μmol未満であると本発明の感度向上効果を得ることができず、200mmolを超えると、効果が飽和する一方、副成分の存在が却って感度の向上を阻害することになる。
【0030】
なお、異種フタロシアニン化合物については、昇華法により除去することもでき、また、本発明においては、合成時に副生成した、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物をそのまま用いることもできる。
【0031】
本発明においては、電荷発生層中に、少なくとも主成分としての上記金属フタロシアニン化合物と、副成分としての上記中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とが含まれている必要があるが、他の電荷発生物質、例えば、各種アゾ、アントアントロン、ペリレン、ペリノン、多環キノン、スクアリリウム、チアピリリウム、キナクリドン、インジゴ、シアニン、アズレニウム化合物などの顔料や染料等を併用することもできる。アゾ顔料としては、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン顔料としては、N,N’−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−3,4:9,10−ペリレンビス(カルボキシイミド)等を挙げることができる。
【0032】
電荷発生層用の樹脂結着剤としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、ポリビニルブチラール、フェノキシ、シリコーン、メタクリル酸エステルの重合体および共重合体、およびこれらのハロゲン化物、シアノエチル化合物などを適宜組み合わせて使用することが可能である。なお、電荷発生物質の使用量は、かかる樹脂結着剤100重量部に対し、10〜5000重量部、好ましくは50〜1000重量部である。
【0033】
電荷発生層の膜厚は電荷発生物質の光吸収係数により決まり、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生物質を主体として、これに電荷輸送物質などを添加して使用することも可能である。
【0034】
電荷輸送層は、樹脂結着剤中に正孔輸送性の電荷輸送物質、例えば、各種ヒドラゾン系化合物、スチリル系化合物、アミン系化合物およびこれらの誘導体を単独で、または適宜組み合わせて分散させた材料からなる塗膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を有する。電荷輸送層用の樹脂結着剤としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、メタクリル酸エステルの重合体、混合重合体および共重合体などが用いられるが、機械的、化学的および電気的安定性、密着性などの他、電荷輸送物質との相溶性が良好であることが重要である。電荷輸送物質の使用量は、樹脂結着剤100重量部に対し、20〜500重量部、好適には30〜300重量部である。電荷輸送層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には15〜40μmである。
【0035】
単層型の感光層は、主として電荷発生物質と、電荷輸送物質としての正孔輸送物質および電子輸送物質(アクセプタ性化合物)と、結着樹脂とからなる。本発明においては、積層型の場合と同様に、かかる感光層中に、電荷発生物質として少なくとも金属フタロシアニン化合物を含有させるとともに、前記副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物を、主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下の割合で含有させることが必要であるが、電荷発生物質として上掲したような他の種類のものを併用することができる点等についても積層型の場合と同様である。単層型の感光層における電荷発生物質の含有量は、感光層の固形分に対して0.1〜20重量%、好適には、0.5〜10重量%である。
【0036】
正孔輸送物質としては、特に制限はなく、負帯電積層型の場合と同様のものを用いることができ、例えば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、スチリル化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等を使用することができ、これら正孔輸送物質を単独または2種以上組み合わせて使用することが可能である。かかる正孔輸送物質としては、光照射時に発生する正孔の輸送能力が優れているほか、電荷発生物質との組み合わせに好適なものが好ましい。正孔輸送物質の含有量は、感光層の固形分に対して、5〜80重量%、好適には10〜60重量%である。
【0037】
電子輸送物質(アクセプタ性化合物)としては、特に制限はないが、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸、マロノニトリル、トリニトロフルオレノン、トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、チオピラン系化合物、キノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、スチルベンキノン系化合物、アゾキノン系化合物等を使用することができ、これら電子輸送物質を、単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。電子輸送物質の含有量は、感光層の固形分に対して1〜50重量%、好適には5〜40重量%である。
【0038】
結着樹脂としては、上記の電荷発生層や電荷輸送層に用いたものと同様のものを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを単独または適宜組み合わせで用いることができる。また、分子量の異なる同種の樹脂を混合して用いてもよい。結着樹脂の含有量は、感光層の固形分に対して、10〜90重量%、好適には20〜80重量%である。
【0039】
上記感光層中には、耐環境性や有害な光に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定剤などの劣化防止剤を含有させることもできる。このような目的に用いられる化合物としては、トコフェロールなどのクロマノール誘導体およびエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体、エーテル化化合物、ジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
【0040】
また、感光層中には、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。さらに、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、前掲した各種金属酸化物等の微粒子や、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂等を含有させてもよい。さらにまた、必要に応じ、電子写真特性を著しく損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させることもできる。なお、単層型の感光層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには、3〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
【0041】
保護層は、耐刷性を向上させること等を目的とし、必要に応じ設けることができ、結着樹脂を主成分とする層や、アモルファスカーボン等の無機薄膜からなる。また、結着樹脂中には、導電性の向上や、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、前掲したような各種金属酸化物、金属硫酸塩、金属窒化物の微粒子等を含有させてもよい。また、電荷輸送性を付与する目的で、前掲した正孔輸送物質や電子輸送物質を含有させたり、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与等を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。また、必要に応じ、電子写真特性を著しく損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させることもできる。
【0042】
感光体の各層を塗布形成する場合には、上記構成材料を適当な溶剤とともに、ペイントシェーカー、ボールミル、超音波分散等の公知の方法により溶解、分散させて塗布液を作製し、浸漬塗布、スプレー塗布、ブレード塗布、ロール塗布、スパイラル塗布、スライドホッパ塗布等の公知の塗布方法により層を形成した後、乾燥すればよい。
【0043】
塗布液を作製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、下引き層塗布液に用いられる有機溶剤としては、特に制限はないが、一般的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶剤を単独または2種以上混合して用いることが有効であり、さらに、他の有機溶剤との混合も可能である。
【0044】
また、積層型および単層型の感光層塗布液に用いられる有機溶剤としては、下引き層上に形成する場合には下引き層に対する溶解性が低く、かつ、感光層に用いられる材料を溶解するものが好ましい。特には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素を単独または適宜組み合わせて使用することが有効であり、さらに他の有機溶剤との混合も可能である。さらに、保護層塗布液に用いられる有機溶剤としては、特に制限はなく、その下の層を溶解せず、保護層に用いられる材料を溶解するものであればいずれのものでもよい。
【0045】
また、本発明の感光体の製造方法は、少なくとも、上記本発明に係る主成分としての金属フタロシアニン化合物と、副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とを、副成分が主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下の割合となるよう含有させた塗布液を用いて、導電性基体上に感光層を塗布形成する工程を含むものであればよく、他の製造条件等に特に制限はない。即ち、かかる塗布液を用いて、積層型感光体においては電荷発生層を、単層型感光体においては単層型の感光層を、夫々形成する工程を含む製造方法である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
〈参考例1〜6、比較参考例1、2〉
参考例1
下引き層の形成
ポリアミド樹脂(東レ(株)製、アミランCM8000)70重量部と、メタノール(和光純薬工業(株)製)930重量部とを混合し、下引き層塗布液を作成した。この下引き層塗布液をアルミニウム基体上に浸漬塗工法により塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
【0048】
チタニルオキソフタロシアニンの合成
反応容器中に、オルトフタロジニトリル(東京化成工業(株)製)800gと、キノリン(和光純薬工業(株)製)1.8リットルとを加えて撹拌した。乾燥窒素雰囲気下で四塩化チタン(キシダ化学(株)製)297gを滴下して、撹拌した。滴下後、2時間かけて180℃までの加熱を行い、以後は同温度で15時間保温して、撹拌した。
【0049】
この反応液を130℃まで放冷してから濾過し、N−メチル−2−ピロリジノン(関東化学(株)製)3リットルにて洗浄した。このウェットケーキを窒素雰囲気下、N−メチル−2−ピロリジノン1.8リットルで160℃、1時間加熱、撹拌した。これを放冷し、濾過して、N−メチル−2−ピロリジノン3リットル、アセトン(関東化学(株)製)2リットル、メタノール(関東化学(株)製)2リットルおよび温水4リットルで順次洗浄した。
【0050】
このようにして得られたチタニルオキソフタロシアニンウェットケーキを、さらに水4リットル・36%塩酸(関東化学(株)製)360mlの希塩酸で80℃、1時間加熱、撹拌した。これを放冷し、濾過して、温水4リットルで洗浄した後、乾燥した。これを真空昇華法により3回精製した後に、乾燥した。
【0051】
−5℃の96%硫酸(関東化学(株)製)4kgに、液温が−5℃を超えないように冷却、撹拌しながら前述の乾燥物200gを加えた。−5℃に保持して1時間冷却し、撹拌した。水35リットル、氷5kgに、液温が10℃を超えないように冷却、撹拌しながら、前述の硫酸溶液を加えて1時間冷却し、撹拌した。これを濾過し、温水10リットルで洗浄した。
【0052】
これをさらに、水10リットル・36%塩酸770mlの希塩酸で80℃、1時間加熱、撹拌した。これを放冷し、濾過して、温水10リットルで洗浄した後、乾燥した。これについて昇華精製を行い、チタニルオキソフタロシアニンの純品を得た。
【0053】
無金属フタロシアニン化合物の合成
特開平7−207183号公報中の実施例2に記載の方法に従って、無金属フタロシアニンを合成した。これについて昇華精製を行い、無金属フタロシアニンの純品を得た。
【0054】
電荷発生層の形成
上記のようにして合成した無金属フタロシアニンを、チタニルオキソフタロシアニン1mol(576.44g)に対して1μmol(0.00051455g)にて添加した。これと水0.5リットルおよびオルトジクロロベンゼン(関東化学(株)製)1.5リットルとを、直径8mmのジルコニアボール6.6kgを入れたボールミル装置に入れ、24時間ミリングした。これをアセトン1.5リットル、メタノール1.5リットルで取り出し、濾過して、水1.5リットルで洗浄した後に乾燥した。
【0055】
得られた無金属フタロシアニン含有チタニルオキソフタロシアニン10重量部、塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン(株)製、MR−110)10重量部、ジクロロメタン686重量部および1,2−ジクロロエタン294重量部を混合し、さらに超音波分散して、電荷発生層塗布液を作製した。この電荷発生層塗布液を前述した下引き層上に浸漬塗布法により塗布して、乾燥後の膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0056】
電荷輸送層の形成
4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒドフェニル(2−チエニルメチル)ヒドラゾン(富士電機(株)製)100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、パンライトK−1300)100重量部、ジクロロメタン800重量部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KP−340)1重量部、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フェニルホスホナイト(富士電機(株)製)4重量部を混合し、電荷輸送層塗布液を作製した。この電荷輸送層塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真用感光体を製造した。
【0057】
参考例2
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0058】
参考例3
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0059】
参考例4
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0060】
参考例5
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0061】
参考例6
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0062】
比較参考例1
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0063】
比較参考例2
参考例1の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルオキソフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0064】
このようにして得られた各感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製 EPA−8200)を用いて測定した。表面の帯電位が−600Vから−300Vに半減するときの感度E1/2(μJ/cm2)および帯電位が−100Vになるときの感度E100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
上記表1から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0067】
参考例7〜12、比較参考例3、4
参考例7
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、特開平1−123868号公報中の実施例1の記載に従って合成した準非結晶性チタニルオキソフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0068】
参考例8
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0069】
参考例9
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0070】
参考例10
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0071】
参考例11
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0072】
参考例12
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0073】
比較参考例3
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0074】
比較参考例4
参考例7の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例7と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0075】
このようにして得られた各感光体の電気特性を、静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
上記表2から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0078】
参考例13〜18、比較参考例5、6
参考例13
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、常法に従って合成したα型チタニルオキソフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0079】
参考例14
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0080】
参考例15
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0081】
参考例16
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0082】
参考例17
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0083】
参考例18
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0084】
比較参考例5
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0085】
比較参考例6
参考例13の無金属フタロシアニンの添加量を、α型チタニルオキソフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例13と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0086】
このようにして得られた各感光体の電気特性を、静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】
上記表3から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0089】
参考例19〜24、比較参考例7、8
参考例19
下引き層の形成
以下に示す材料を十分に撹拌溶解して調製した下引き層塗布液を用いて、アルミニウム基体上に浸漬塗工法により塗布成膜し、100℃で30分乾燥して膜厚0.2μmの下引き層を形成した。なお、以下において「部」とは重量部を表す。
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(SOLBIN A:日信化学(株))
(塩化ビニル92%、酢酸ビニル3%、ビニルアルコール5%) 50部
メチルエチルケトン 950部
【0090】
単層型感光層の形成
特開平7−207183号公報中の実施例2に記載の方法に従って、無金属フタロシアニンを合成した。これについて昇華精製を行い、無金属フタロシアニンの純品を得た。この無金属フタロシアニンを、特開平1−123868号公報中の実施例1の記載に従って合成した準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して1μmol添加した。
【0091】
この無金属フタロシアニン含有準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン2重量部と下記式(HTM−1)、
で示される正孔輸送物質65重量部と、下記式(ETM−1)、
で示される電子輸送物質28重量部と、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KF−54)0.1重量部と、ジクロロメタン1000重量部とを混合して、ペイントシェーカーにて1時間分散した後、下記式(BD−1)、
で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂105重量部を添加して十分撹拌溶解し、さらに1時間ペイントシェーカーにて分散して塗布液を調整した。この塗布液を用いて前述した下引き層上に浸漬塗布法により塗布し、乾燥後の膜厚が25μmの単層型感光層を形成した。
以上のようにして電子写真用感光体を作製した。
【0092】
参考例20
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0093】
参考例21
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0094】
参考例22
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0095】
参考例23
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0096】
参考例24
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0097】
比較参考例7
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0098】
比較参考例8
参考例19の無金属フタロシアニンの添加量を、準非結晶性チタニルオキソフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例19と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0099】
このようにして得られた各感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて測定した。表面の帯電位が+600Vから+300Vに半減するときの感度E1/2(μJ/cm2)および帯電位が+100Vになるときの感度E100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】
上記表4から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0102】
参考例25〜30、比較参考例9、10
参考例25
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、常法に従って作製したクロロガリウムフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
【0103】
参考例26
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0104】
参考例27
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0105】
参考例28
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0106】
参考例29
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0107】
参考例30
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0108】
比較参考例9
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0109】
比較参考例10
参考例25の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロガリウムフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例25と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0110】
このようにして得られた各感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表5に示す。
【0111】
【表5】
【0112】
上記表5から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0113】
参考例31〜36、比較参考例11、12
参考例31
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、常法に従って作製したクロロインジウムフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
【0114】
参考例32
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0115】
参考例33
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0116】
参考例34
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0117】
参考例35
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0118】
参考例36
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0119】
比較参考例11
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0120】
比較参考例12
参考例31の無金属フタロシアニンの添加量を、クロロインジウムフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例31と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0121】
このようにして得られた感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表6に示す。
【0122】
【表6】
【0123】
上記表6から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0124】
参考例37〜42、比較参考例13、14
参考例37
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、常法に従って作製したバナジルオキソフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0125】
参考例38
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0126】
参考例39
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0127】
参考例40
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0128】
参考例41
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0129】
参考例42
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0130】
比較参考例13
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0131】
比較参考例14
参考例37の無金属フタロシアニンの添加量を、バナジルオキソフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例37と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0132】
このようにして得られた各感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。以下の手順により得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表7に示す。
【0133】
【表7】
【0134】
上記表7から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較参考例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0135】
実施例1〜6、比較例1、2
実施例1
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、常法に従って作製したパラジウムフタロシアニンに代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
【0136】
実施例2
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して50μmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0137】
実施例3
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して1mmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0138】
実施例4
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して10mmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0139】
実施例5
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して100mmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0140】
実施例6
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して200mmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0141】
比較例1
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して100nmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0142】
比較例2
実施例1の無金属フタロシアニンの添加量を、パラジウムフタロシアニン1molに対して300mmolに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0143】
このようにして得られた各感光体の電気特性を静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表8に示す。
【0144】
【表8】
【0145】
上記表8から明らかなように、実施例はいずれも感度が高く良好であるが、比較例はいずれも実施例に比べて感度が低いことがわかる。
【0146】
参考例43〜48、比較参考例15、16
参考例43
参考例1のチタニルオキソフタロシアニンを、特開平5−273775号公報中の合成例1の記載に従って作製した、チタニルフタロシアニン2,3−ブタンジオール錯体に代えた以外は、参考例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
【0147】
参考例44
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して50μmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0148】
参考例45
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して1mmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0149】
参考例46
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して10mmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0150】
参考例47
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して100mmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0151】
参考例48
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して200mmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0152】
比較参考例15
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して100nmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0153】
比較参考例16
参考例43の無金属フタロシアニンの添加量を、チタニルフタロシアニン錯体1molに対して300mmolに代えた以外は、参考例43と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0154】
このようにして得られた各感光体の電気特性を、静電記録紙試験装置(川口電機製作所製EPA−8200)を用いて参考例1等と同様にして測定した。得られた感度E1/2(μJ/cm2)およびE100(μJ/cm2)の測定結果を下記の表9に示す。
【0155】
【表9】
【0156】
上記表9から明らかなように、参考例はいずれも感度が高く良好であるが、比較例はいずれも参考例に比べて感度が低いことがわかる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、感光層中に2種の所定のフタロシアニン化合物を所定の混合割合にて用いたことにより、電子写真特性、特には感度に優れた電子写真用感光体およびその製造方法を実現することができた。
Claims (7)
- 導電性基体上に感光層を有し、該感光層が光導電性物質として、少なくとも主成分としての金属フタロシアニン化合物と、副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とを含有し、該副成分の割合が、該主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下であり、前記金属フタロシアニン化合物がフタロシアニン環の中心にパラジウムの原子を含む化合物であることを特徴とする電子写真用感光体。
- 前記中心元素が水素であるフタロシアニン化合物がフタロシアニン環の中心に2個の水素原子を含む化合物である請求項1記載の電子写真用感光体。
- 前記フタロシアニン化合物が無金属フタロシアニンである請求項1または2記載の電子写真用感光体。
- 前記副成分の含有量が、前記主成分1molに対して1μmol以上100mmol以下である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体。
- 導電性基体上に光導電性物質を含有する塗布液を塗布して感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、
前記塗布液に光導電性物質として、少なくとも主成分としての金属フタロシアニン化合物と、副成分としての、中心元素が水素であるフタロシアニン化合物とを、該副成分が該主成分1molに対して1μmol以上200mmol以下の割合となるよう含有させ、
前記金属フタロシアニン化合物としてフタロシアニン環の中心にパラジウムの原子を含む化合物を用いることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。 - 前記中心元素が水素であるフタロシアニン化合物がフタロシアニン環の中心に2個の水素原子を含む化合物である請求項5記載の電子写真用感光体の製造方法。
- 前記フタロシアニン化合物が無金属フタロシアニンである請求項5または6記載の電子写真用感光体の製造方法。
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