JP2002214806A - 単層型正帯電有機感光体 - Google Patents

単層型正帯電有機感光体

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JP2002214806A
JP2002214806A JP2001010305A JP2001010305A JP2002214806A JP 2002214806 A JP2002214806 A JP 2002214806A JP 2001010305 A JP2001010305 A JP 2001010305A JP 2001010305 A JP2001010305 A JP 2001010305A JP 2002214806 A JP2002214806 A JP 2002214806A
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resin
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Haruo Kawakami
春雄 川上
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Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
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Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単層型正帯電感光体において、1200dp
iレベル相当の高解像度と高画質が可能な単層型正帯電
有機感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に、電荷発生物質、正孔
輸送物質、電子輸送物質(アクセプタ性化合物)および
結着樹脂を含有する有機感光層を備える単層型正帯電有
機感光体において、前記感光層中の前記結着樹脂の重量
比が55重量%以上で、かつ、この感光層の膜厚が18
μm以下である単層型正帯電有機感光体とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式のプリ
ンター,複写機などに用いられる電子写真用感光体に係
り、特に画像の解像度が高い正帯電有機感光体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体(以下感光体と
も称する)は、感光物質としてセレンあるいはセレン合
金、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機系光導電性物質
を蒸着してなる感光層を有する無機系感光体が広く用い
られてきた。しかし、近年、無機系感光体における公害
問題や環境汚染も防止でき、製造コスト的に蒸着方法よ
りも有利な塗布方法を採用できることから、種々の有機
光導電性物質を感光層材料に用いた電子写真用感光体の
研究、開発が活発に行われ、実用化されてきた。
【0003】最近では、感度および耐久性といった性能
を満足させるために、感光層として電荷発生物質を含有
する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と
に機能分離した感光体が主流となっており、中でも有機
顔料を電荷発生物質として樹脂中に分散させた層または
有機顔料の蒸着層を電荷発生層とし、有機低分子化合物
からなる電荷輸送物質を樹脂中に分散させた層を電荷輸
送層として用いた積層型有機感光体が数多く提案されて
いる。
【0004】このような有機感光体は電子を移動させる
高性能の電荷輸送物質が無いために前述のように耐久性
を考慮して電荷輸送層を上層側とするので、必然的に負
帯電型の構成になる。この負帯電型の感光体には均一に
帯電させるシステムを必要としたり、多量のオゾンを発
生して環境条件を悪化させるといった問題がある。
【0005】この問題を改善するために、正帯電型の有
機感光体が種々提案されている。しかし、負帯電型の場
合には、既に数多く知られている正孔輸送能に優れた有
機系電荷輸送物質から、適宜、最適なものを採用できる
のに対し、正帯電型の場合には、優れた電子輸送能を有
する有機系物質が極めて少なく、比較的性能の良いもの
も毒性または発ガン性を有するものが多く、実用化が遅
れている。
【0006】そのような電子輸送物質として、近年、分
子の電子受容性構造に溶解性基を導入したいくつかの有
機系化合物が提案されている。このような電子輸送物質
に関する記載のある公知文献には、特開平1−2063
49号公報、特開平3−290666号公報、特開平4
−360148号公報、特開平5−92936号公報、
特開平5−279582号公報、特開平7−17977
5号公報、特開平9−151157号公報、 特開平1
0−73937号公報などの特許公報や、電子写真学会
誌 第30巻 第3号 p266−273およびp27
4−281(1991)や、“Japan Hard
Copy ‘92”論文集 1992年7月6日・7日
・8日 JAホール(東京・大手町) p173−17
6や、“Japan Hard Copy ’97”論
文集 1997年7月9日・10日・11日 JAホー
ル(東京・大手町) p21−24、または“Pan−
Pacific Imaging Conferenc
e/Japan HardCopy ‘98”予稿集
July15−17,1998 JA HALL,To
kyo,Japan p207−210などの一般科学
技術文献を挙げることができる。
【0007】しかしながら、上記いずれの電子輸送物質
も既存の電荷発生物質との組み合せにおいて感度、電気
特性が十分なものではなく、実用上問題を有すると言わ
ざるを得ないのが現状である。
【0008】正帯電型の感光層を電荷発生層、電荷輸送
層のように機能分離させるためには、今のところ前述し
たように優れた電子輸送物質が無いので、導電性支持体
上に正孔輸送物質を含む電荷輸送層を設け、この上に薄
膜の電荷発生層を設ける構成でなくてはならない。この
場合は、薄膜の電荷発生層を保護するために、さらに表
面保護層で被覆させる必要がある。しかし、表面保護層
を設けることは、感度特性的には低下要因になるので感
光層の設計が難しくなることおよび積層数の増加により
塗布回数が増えるため製造コストが上がることなどの問
題が新たに発生する。
【0009】これらの問題を解決するために電荷発生物
質および電荷輸送物質を単一膜に分散した単層型の有機
感光体や、その単層型の下層にさらに電荷輸送層を設け
た複合型の有機感光体も提案されている。しかしなが
ら、このような正帯電有機感光体も、感光体に求められ
る要求特性を必ずしも充分に満足するレベルにあるとは
いえない。特に近年は、画像処理技術の進歩やカラープ
リンターの普及に伴い、画質の高解像度化、例えば12
00dpiレベルの解像度への対応品に対する要求がま
すます高くなって来ている。単層型正帯電有機感光体
で、これに対応するには、トナーの微細化とともに感光
体特性の調整が必要であるが、従来の構成では限界があ
り対策が望まれていた。
【0010】また、特開平6−167820号公報、特
開平7−261413号公報、特開平9−50141号
公報、特開平9−244281号公報、特開平2000
−162798号公報には単層型正帯電有機感光体にお
ける感光層についての結着樹脂および感光層の膜厚に関
する記載がみられるが、1200dpiレベルの高解像
度と高画質という観点からみると、まだ、充分に満足す
るレベルに達しているとは言えないものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、単層型正帯電感
光体において1200dpiレベルの高解像度と高画質
が可能な単層型正帯電有機感光体を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
れば、前記目的は、導電性支持体上に、電荷発生物質、
正孔輸送物質、電子輸送物質(アクセプタ性化合物)お
よび結着樹脂を含有する有機感光層を備える単層型正帯
電有機感光体において、前記感光層中の前記結着樹脂の
重量比が55重量%以上で、かつ、この感光層の膜厚が
18μm以下である単層型正帯電有機感光体とすること
により達成される。
【0013】請求項2記載の発明によれば、感光層中の
結着樹脂が下記式(1)に示すビスフェノールZ型ポリ
カーボネート樹脂である請求項1記載の単層型正帯電有
機感光体とすることが好ましい。
【化2】
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の単層型正帯電有機感光体
の全体的な実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
【0015】(層構成)図1は本発明にかかる単層型正
帯電有機感光体の一実施例を示す概念的断面図で、1は
導電性支持体、2は中間層、3は感光層、4は保護層で
あり、中間層2と保護層4は必要に応じて設けられる。
感光層3は電荷発生機能と電荷輸送機能を有し、1つの
層で両方の機能を有する単層型感光層である。
【0016】(導電性支持体)導電性支持体1は、感光
体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となっ
ており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでも良く、
材質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなど
の金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理を施
したものでも良い。
【0017】(中間層)中間層2は、樹脂を主成分とす
る層やアルマイト等の酸化皮膜からなり、導電性支持体
から感光層への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥
被覆、導電性支持体と感光層との間における接着性の向
上等の目的で必要に応じて設けられる。
【0018】本発明における中間層に用いられる結着樹
脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルとその他の樹脂成
分の共重合体、または、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、アクリル樹脂、 ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリ
ル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを1
種または、2種以上適宜組み合わせて使用することが可
能である。
【0019】さらに、本発明における中間層には、金属
酸化物微粒子として酸化チタンを含有させることが可能
であるが、酸化ケイ素(シリカ)、酸化亜鉛、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニ
ウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等
の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属
窒化物微粒子等を合せて含有させてもよい。これらの含
有量は、層を形成できる範囲で任意に設定できる。
【0020】結着樹脂を主成分とする中間層の場合、正
孔輸送性の付与、電荷トラップの低減等を目的として、
正孔輸送物質を含有させることができる。正孔輸送物質
の含有量は、中間層の固形分に対して、0.1〜60重
量%、好適には、5〜40重量%である。
【0021】また、必要に応じて、電子写真特性を著し
く損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させる
こともできる。
【0022】これらの中間層は、一層でも用いられる
が、異なる種類の層を二層以上積層させて用いてもよ
い。
【0023】中間層の膜厚は、中間層の配合組成にも依
存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大す
るなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。
【0024】(感光層)感光層3は、主として、電荷発
生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質(アクセプタ性化
合物)、および結着樹脂からなる単層構造である。
【0025】電荷発生物質としては、特に制限はない
が、例えばフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントア
ントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、多環キノ
ン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キ
ナクリドン顔料等を使用することができ、これら電荷発
生物質を単独または、2種以上を組み合わせて使用する
ことが可能である。特に、本発明の電子写真感光体に
は、アゾ顔料としては、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料、ペリレン顔料としては、N,N’−ビス(3,5−
ジメチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ビ
ス(カルボキシイミド)、フタロシアニン系顔料として
は、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニ
ルフタロシアニンが好ましく、さらには、X型無金属フ
タロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型銅フタ
ロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニ
ルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、アモ
ルファスチタニルフタロシアニン、特開平8−2090
23号公報に記載のCuKα:X線回折スペクトルにて
ブラッグ角2θが9.6°を最大ピークとするチタニル
フタロシアニンを用いると感度、耐久性および画質の点
で著しく改善された効果を示す。電荷発生物質の含有量
は、感光層の固形分に対して、0.1〜20重量%、好
適には、0.5〜10重量%である。
【0026】正孔輸送物質としては、特に制限はない
が、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラ
ゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール
化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ス
チルベン化合物、スチリル化合物、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリシラン等を使用することができ、これ
ら正孔輸送物質を単独または、2種以上を組み合わせて
使用することが可能である。本発明において用いられる
正孔輸送物質としては、光照射時に発生する正孔の輸送
能力が優れているほか、電荷発生物質との組み合せに好
適なものが好ましい。
【0027】電子輸送物質としては、特に制限はない
が、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水琥珀
酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニト
ロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット
酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミ
ド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、
o−ニトロ安息香酸、マロノニトリル、トリニトロフル
オレノン、トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼ
ン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニト
ロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、チオピラ
ン系化合物、キノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、
ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アン
トラキノン系化合物、スチルベンキノン系化合物、アゾ
キノン系化合物等の電子輸送物質(アクセプター性化合
物)を使用することができ、これら電子輸送物質を単独
または、2種以上組み合わせて使用することが可能であ
る。
【0028】結着樹脂としては、一般式1に示したポリ
カーボネート樹脂を単独、もしくは、ポリエステル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重
合体およびこれらの共重合体などの樹脂と適宜組み合せ
て使用することが可能である。また、分子量の異なる同
種の樹脂を混合して用いてもよい。
【0029】これらの感光層中には、耐環境性や有害な
光に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光
安定剤などの劣化防止剤を含有させることもできる。こ
のような目的に用いられる化合物としては、トコフェロ
ールなどのクロマノール誘導体およびエステル化化合
物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導
体、エーテル化化合物、ジエーテル化化合物、ベンゾフ
ェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテ
ル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エス
テル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダー
ドフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化
合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
【0030】また、感光層中には、形成した膜のレベリ
ング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーン
オイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させる
こともできる。
【0031】さらに、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等
を目的として、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化
アルミニウム等の金属窒化物微粒子、または、4フッ化
エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂等を含有してもよい。
【0032】また、必要に応じて、電子写真特性を著し
く損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させる
こともできる。
【0033】(保護層)保護層4は、耐刷性を向上させ
ること等を目的とし、必要に応じ設けることができ、結
着樹脂を主成分とする層や、アモルファスカーボン等の
無機薄膜からなる。また結着樹脂中には、導電性の向上
や、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、酸
化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニ
ウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等
の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属
窒化物微粒子、または、4フッ化エチレン樹脂等のフッ
素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂等を含
有してもよい。
【0034】また、電荷輸送性を付与する目的で、上記
感光層に用いられる正孔輸送物質、電子輸送物質を含有
させたり、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の
付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル
等のレベリング剤を含有させることもできる。
【0035】また、必要に応じて、電子写真特性を著し
く損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させる
こともできる。
【0036】(形成方法)感光体の各層を塗布によって
形成する場合は、上記構成材料を適当な溶剤とともに、
ペイントシェーカー、ボールミル、超音波分散等の公知
の方法により、溶解、分散させ、塗布液を作製し、浸漬
塗布、スプレー塗布、ブレード塗布、ロール塗布、スパ
イラル塗布、スライドホッパ塗布等の公知の塗布方法に
より形成したのち、乾燥すればよい。
【0037】塗布液を作製するための溶剤としては、種
々の有機溶剤が使用可能である。中間層塗布液に用いら
れる有機溶剤としては、特に制限はないが、一般的には
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶剤
を単独または2種類以上を混合して用いることが有効で
あり、さらに、他の有機溶剤との混合も可能である。
【0038】感光層塗布液に用いられる有機溶剤として
は、中間層に対する溶解性が低く、感光層に用いられる
材料を溶解するものが好ましい。特には、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素を単独、も
しくは適宜組み合せて使用することが有効であり、さら
に、他の有機溶剤との混合も可能である。
【0039】保護層塗布液に用いられる有機溶剤として
は、特に制限はないが、感光層を溶解せず、保護層に用
いられる材料を溶解するものであれば何れでもよい。
【0040】解像度1200dpiの場合、1ドットの
大きさは約21μmが必要となる。感光層の厚さがこれ
以上の場合、ドットの大きさよりも感光層の厚さが大き
くなる。これに従って感光層内の横方向への電荷の流れ
が無視出来なくなり、画像のぼけが生じる。従って、高
解像度を得るには、極力感光層の膜厚を小さくする事が
望ましい。特に通常の人の目視限界を考慮した場合、1
200dpiが一つの指標と考えられ、これを満足でき
る感光層の厚さは21μm以下、実験的には18μm以
下とする事により目的が達成される事を見いだした。
【0041】一方、感光層の厚さを薄くする事の弊害と
して、電子写真プロセス中に高電圧をかける事による絶
縁破壊が起きやすくなる事が考えられる。特に、一般に
感光層は使用が進むにつれて膜減りが生じ、薄くなって
行くものである。これにより解像度は改善される傾向に
あるが、絶縁破壊はますます起きやすくなる。これを抑
制する手段としては、感光層中の結着樹脂成分の比率を
高くし、少なくとも55重量%以上とする事が有効であ
る事を見いだした。結着樹脂の絶縁破壊電圧は一般にそ
の他の成分(正孔輸送物質、電子輸送物質)よりも高
く、その比率を増すことにより、絶縁破壊は起きにくく
なる。また同時に使用の進行による膜減りも抑制される
ため、過度の薄膜化がしにくくなり、その点でも絶縁破
壊を抑制する効果がある。
【0042】本発明における単層型正帯電有機感光体
は、He−Neレーザー、半導体レーザー(780n
m,680nm等)、LED、ハロゲンランプ等の露光
光源、コロトロン,スコロトロン等の非接触帯電方式お
よびローラー,ブラシ等の接触帯電方式、さらには磁性
一成分,非磁性一成分,二成分現像方式を具備する各種
複写機,プリンター,FAXに適用され、それぞれ顕著
な効果を有する。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、本
文中「部」とは「重量部」を、「%」は「重量%」をそ
れぞれ表す。
【0044】(実施例1)アルミニウム製円筒状導電性
支持体上に、下記組成の中間層、感光層を順次浸漬塗布
機を用いて形成した。
【0045】(中間層)以下に示す材料を十分攪拌溶解
して調製した塗布液を用いて成膜し、100℃で30分
乾燥して膜厚0.2μmの中間層を形成した。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(SOLBIN A:日信化学) (塩化ビニル92%−酢酸ビニル3%−ビニルアルコール5%) 50部 メチルエチルケトン 950部
【0046】(感光層)以下に示す材料のうち、結着樹
脂以外のものをペイントシェーカーにて1時間分散した
後、結着樹脂を加えて十分攪拌溶解し、さらに1時間分
散して調製した塗布液を用いて成膜し、100℃で60
分乾燥して膜厚15μmの単層型感光層を形成した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−下記式(2) 1% 正孔輸送物質:下記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 24.9% 電子輸送物質:下記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 14% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2020:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))60% 塩化メチレン 上記材料重量の5倍量 以上のように電子写真感光体を作製した。
【0047】
【化3】
【化4】
【化5】
【0048】(実施例2)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 25.9% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 16% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2020:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))57% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 18μm
【0049】(実施例3)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.2% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 27.7% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 16% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))55% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 17μm
【0050】(実施例4)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.2% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 23.7% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 12% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))63% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 12μm
【0051】(比較例1)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.0% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 30.9% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 18% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))50% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 17μm
【0052】(比較例2)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.0% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 26.9% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 14% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1)) 58% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 25μm
【0053】(比較例3)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.2% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 30.7% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 20% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))48% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 14μm
【0054】(比較例4)実施例1の感光層組成を下記
のように変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製した。 電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン−上記式(2) 1.2% 正孔輸送物質:上記式(3)正孔輸送物質(HTM−1) 24.7% 電子輸送物質:上記式(4)電子輸送物質(ETM−1) 14% シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業) 0.1% 結着樹脂:パンライトTS2050:帝人化成 (ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂−上記式(1))60% 塩化メチレン 上記材料の合計重量の5倍量 膜厚 24μm
【0055】(評価方法)レーザープリンターHL−1
060(ブラザー工業製)を1200dpi用に改造し
た装置を用いて、22℃,48%RHの環境下で印字率
約5%の画像を1万枚連続印刷した前後の画像の解像
度、感光層膜厚さ変化、及び絶縁破壊スポットの有無を
調べた。解像度については、1200dpi相当のドッ
ト直径は前述のように理論上、約21μmであるが、実
用的には対角線上に位置するドットとの距離を考慮に入
れて、理論径の約ルート2倍の約30μm径のドットが
用いられる。そこで、白地に直径30μm相当の黒点を
印字し、拡大鏡により画像ぼけの程度で判定した。判定
基準としては、画像ぼけにより、黒点画像が直径40μ
m以上になっているものを不良とした。結果を表1に示
す。 繰り返し特性における解像度、膜厚変化及び絶縁破壊の
評価結果
【0056】
【表1】
【0057】実施例1ないし4は、いずれも1万枚の連
続印刷前後における1200dpiレベルでの解像度が
良好であり、絶縁破壊が確認されず、膜厚変化について
も、いずれも3μm以下と良好であった。これに対し、
比較例1は膜厚が17μmであるので、解像度は良好で
あったが、結着樹脂の重量比が50%であるため、膜厚
変化が5μmとやや大きく、また、絶縁破壊についても
初期から既に痕跡のスポットが見られるなどの問題があ
った。比較例2は比較例1とは逆に膜厚が25μmと厚
く、結着樹脂が58%であるため、解像度は1200d
piレベルで判定すると低いが絶縁破壊は見られなかっ
た。比較例3は比較例1よりさらに結着樹脂の比率を少
なくし、膜厚を薄くしたもの、比較例4は比較例2より
結着樹脂の比率を多くしたものであり、前者は絶縁破壊
と膜厚変化が不良であり、後者は解像度が不良であっ
た。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、導電性
支持体上に、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物
質(アクセプタ性化合物)および結着樹脂を含有する有
機感光層を備える単層型正帯電有機感光体において、前
記感光層中の前記結着樹脂の重量比が55重量%以上
で、かつ、この感光層の膜厚を18μm以下とすること
により、解像度が1200dpiレベルと高くて対絶縁
破壊性能が大きく高画質な単層型正帯電有機感光体を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 感光層 4 保護層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生物質、正孔
    輸送物質、電子輸送物質(アクセプタ性化合物)および
    結着樹脂を含有する有機感光層を備える単層型正帯電有
    機感光体において、前記感光層中の前記結着樹脂の重量
    比が55重量%以上で、かつ、この感光層の膜厚が18
    μm以下であることを特徴とする単層型正帯電有機感光
    体。
  2. 【請求項2】 感光層中の結着樹脂が下記式(1)に
    示すビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の単層型正帯電有機感光
    体。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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