JP2004352916A - 顔料の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

顔料の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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一雅 渡邉
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信吾 藤本
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Kenichi Kitahara
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Abstract

【課題】本発明の目的は帯電安定性や感度がよく、かつ湿度依存性の少ないチタニルフタロシアニン顔料の製造方法及び該顔料を用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する事にある。
【解決手段】チタニルフタロシアニン1モルに対し(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種を0.6〜1.0モル反応させた後、反応物を水の存在下、溶媒中で処理することにより、粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を製造することを特徴とする顔料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタなどに使用され、LED光、半導体レーザ光に対して有効な電子写真感光体(以下、単に感光体とも云う)に用いる顔料の製造方法、該製造方法で得られた顔料を用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない電子写真を利用した複写機やプリンターの使用頻度が益々高まっており、高感度な感光体が次々に発表されている。なかでも粉末X線回折スペクトルにてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン顔料(以後、単にY型顔料ともいう)は高感度な素材として知られ学会報告もされている(非特許文献1)。さらに藤巻はこのY型チタニルフタロシアニン顔料が乾燥した不活性ガス中での脱水処理によっての光量子効率が低下することを見いだした。常温常湿度環境に放置して水を再吸収すると再び量子効率が上がることから、Y型顔料は水を含んだ結晶構造を有し、水分子が光によって生成した励起子のホールとエレクトロンとの解離を促進し、これが高い光量子効率を示す原因の一つと推測している(非特許文献2)。
【0003】
このような素材をキャリヤ発生物質として用いた電子写真感光体では、環境、特に湿度変動により感度特性が変化することが懸念されてきた。このY型顔料の感度の湿度依存の欠点は近年、高画質を要求されるにつれて目立ってきた。例えば夜雨が降り、翌日晴天になる場合、電子写真感光体も密閉された部分(現像器付近)が前日の高湿度雰囲気を保持しており感光体の他の開放された部分と間に感度差が生じて、朝一の運転開始直後に中間濃度の画像に感度差によって生じたと考えられる帯状の画像欠陥が発生する。
【0004】
この湿度依存性を解決するために、水の代わりに他の極性基をチタニルフタロシアニン顔料に付与する試みも以前よりなされており、“ジオール化合物を含有するチタニルフタロシアニン結晶の生成と特性”と題する講演(非特許文献3)、及び“Syntheses and Properties of Titanyl Phthalocyanine New polymorphs”と題する講演(非特許文献4)に隣接するブタンジオールがチタニルフタロシアニンと付加体を作ることが発表されている。又、電子写真感光体用の2,3−ブタンジオールとの付加体チタニルフタロシアニン顔料も報告されている(特許文献1)。
【0005】
さらに、立体規則性を有した2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体がその中で特に優れた性質をもつものとして報告されており(特許文献2、3)、中でも、2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体とチタニルフタロシアニンの混晶が高感度を示す顔料として報告されている。(特許文献4)。該混晶の顔料は粉末X線回折スペクトルで、ブラッグ角2θ:8.3°、24.7°、25.1°、26.5°(いずれも±0.2°)に特徴的なピーク有しており、高感度な素材であるが、顔料組成でブタンジオールとチタニルフタロシアニンの付加比率が最適のものになっていないと感度の低下や暗減衰が大きく、帯電性が悪いといった欠陥があった。「量比を正確になるように合成」と記載するのは簡単だが現実には難しい。特に、高画質と同時に高速性を要求される高速のデジタル複写機等の電子写真感光体として適用するには、湿度依存性や感度の改良と共に、暗減衰の改良を含めた繰り返し帯電性の安定性を確保する必要である。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−273775号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−173405号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平8−82942号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平9−230615号公報
【0010】
【非特許文献1】
電子写真学会誌,29(3),250(1990)
【0011】
【非特許文献2】
Y.Fujimaki:IS&T’s 7th International Congress on Advance in Nonimpact Printing Technologies, Paper Summaries,269(1991)
【0012】
【非特許文献3】
1992年電子写真学会“Japan Hardcopy’92”予稿集153−156頁
【0013】
【非特許文献4】
1993年電子写真学会国際会議”Japan Hardcopy’93”予稿集659−662頁
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記した事情に鑑み、帯電安定性や感度がよく、かつ湿度依存性の少ないチタニルフタロシアニン顔料の製造方法及び該顔料を用いた電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の欠点を改良すべく検討を加えた結果、無定形チタニルフタロシアニン1.0モルに対し、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールを0.6モル以上、好ましくは0.7モル以上の存在下で、両者を反応させた後、反応物を水の存在下、溶剤中で処理する工程(加水分解工程)を経て得られる顔料を使用した電子写真感光体は帯電性が安定し、感度も高く、かつ湿度環境が変化しても感度が変動しないものが安定的に得られることを見出した。また顔料粒子の大きさに関しては、合成工程にて得られたBET比表面積で15m/g〜60m/g、好ましくは20m/g〜50m/gの顔料が分散性を良好にし、該粒径の顔料を用いた感光体が安定した感度、帯電性を示すことを見出した。即ち、本発明の前記課題は以下のような構成を有することによって達成される。
【0016】
1.チタニルフタロシアニン1モルに対し(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種を0.6〜1.0モル反応させた後、反応物を水の存在下、溶媒中で処理することにより、粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を製造することを特徴とする顔料の製造方法。
【0017】
2.前記チタニルフタロシアニンが無定形チタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記1に記載の顔料の製造方法。
【0018】
3.前記無定形チタニルフタロシアニン顔料がアシッドペースト処理、水洗を経て得た含水顔料ペーストを凍結し、解凍濾過後に乾燥して得られることを特徴とする前記2に記載の顔料の製造方法。
【0019】
4.チタニルフタロシアニン1モルに対し(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種を0.6〜1.0モル反応させた後、反応物を水の存在下、溶媒中で処理することにより、BET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を製造することを特徴とする顔料の製造方法。
【0020】
5.前記1〜3のいずれか1項に記載の顔料の製造方法で得られたブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0021】
6.前記4に記載の顔料の製造方法で得られたブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0022】
7.BET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0023】
8.導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、該電荷発生層にBET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0024】
9.前記5〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と該電子写真感光体上を一様に帯電する帯電手段、帯電された電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段、転写後の該電子写真感光体上の電荷を除去する除電手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0025】
10.前記9に記載のプロセスカートリッジを有し、電子写真画像を作製する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0026】
以下、本発明の顔料の製造方法について説明する。
本発明のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料(以後、単にブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料とも云う)は、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種とチタニルフタロシアニンを各種溶媒のもとで、室温以上で混合して合成することができる。
【0027】
チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種(以下、単にブタンジオールとも云う)を過剰に反応させると1/1(チタニルフタロシアニン1モルに対し、ブタンジオールが1モル付加した構造)のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンをつくる。その構造はIRスペクトル(以後、単にIRとも云う)で970cm−1付近(矢印a)のTi=O吸収が消失し、630cm−1付近(矢印b)にO−Ti−Oの吸収が現れること、及び質量分析の結果から、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールが脱水縮合した構造と考えられている(化1)。該ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料の粉末X線回折スペクトル(以下、単にXRDとも云う)で、ブラッグ角2θ(±0.2°):9.5°に特徴的なピークを有する(以下、9.5°型と略:図1)。該9.5型のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料は9.5以外にも16.4°、19.1°、24.7°、26.5°にピークがみられる。一方、本発明のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料は粉末X線回折スペクトルで、ブラッグ角2θ:8.3°(±0.2°)に特徴的なピーク有する(以下、8.3°型と略:図2)。該8.3型のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料は8.3以外にも24.7°、25.1°、26.5°にピークがみられものが好ましい。この結晶構造の違い(9.5°のピークと8.3°のピークの違い)はチタニルフタロシアニンに対するブタンジオールの付加比率(以後、ジオール付加比率とも云う)の違いであり、本発明の顔料は、熱分析(TG:全てがブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料の場合は熱分解によるブチレンオキシドの脱離のため、質量減少量が11.2%発生すると仮定した)からは40〜70モル%と推定されることからきていると考えられる。詳しい結晶解析などはされていないが、IRスペクトルから970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる事(図5:本発明のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料のIRスペクトル)、また前記した熱分析の数値からして(ブタンジオール/チタニルフタロシアニン=1/1付加体)と(チタニルフタロシアニン)とが、ある割合で混晶(単に、1つの顔料粒子中に2つ以上の化合物が混在するという意味)を形成していると推測している。尚、前記特徴的なピークとは、XRDのスペクトル分布図のバックグランドのバラツキから明確に異なるピークを云う。
【0028】
【化1】
Figure 2004352916
【0029】
本発明は、8.3型の結晶構造を有し、最適ジオール付加比率(チタニルフタロシアニンに対するブタンジオールの付加比率)を有するチタニルフタロシアニン顔料を製造するのあたり、製造条件が変化しても常に安定して該チタニルフタロシアニン顔料を製造できることを特徴とする。即ち公知の顔料製造条件では、製造時のブタンジオールやチタニルフタロシアニン顔料の吸湿性の制御や温度制御の難しさなどから、最適性能のジオール付加比率や結晶構造を安定に供給することは困難であった。
【0030】
例えば、反応温度を低温にして穏やかにブタンジオールとチタニルフタロシアニンの付加反応をすすめ、その結果得られた顔料は熱的安定状態の組成比率に誘導することは可能であるが、そのような結晶は概して結晶が未発達で欠陥が多いためか電子写真感光体に使用した場合、帯電性、感度が悪いと言った欠点がある。本発明の顔料の製造方法は、付加反応のみで安定性に得られにくいピンポイントの比率を達成する代わりに、ブタンジオールとチタニルフタロシアニンの付加反応後、過剰のブタンジオールとチタニルフタロシアニンの付加体を加水分解することで、熱的に安定状態のジオール付加比率を有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料(以下、本発明の顔料とも云う)安定的に得ることができる。
【0031】
又、本発明の顔料の製造方法を用いれば、ジオール付加比率は最適であっても未発達な結晶を粒径をさほど肥大させることなく熟成して欠陥をなくし帯電性及び感度を改善することもできる。実施例で述べるが付加反応を穏やかな条件で行えば顔料粒径は小さいものもできる。しかし、これらの物は結晶が未発達で帯電性、感度が劣る。結晶性を上げようとすれば粒径も大きくなってしまう。本発明のように水の存在下で溶媒処理すれば粒径を肥大させることなく結晶を熟成することができる。
【0032】
本発明の顔料の製造方法にて得られた顔料は、BET比表面積(粉砕を行なわない)で、15m/g〜60m/g、好ましくは20m/g〜50m/gの範囲にあることを特徴とする。この範囲の顔料粒子を用いることにより、顔料の分散性が良好に達成でき、且つ該顔料を用いて、良好な帯電性、感度を有する感光体を作製することができる。このような顔料は前記したように、穏やかな条件でブタンジオールとチタニルフタロシアニンの付加反応を行なった後、水処理(水の存在下溶媒中で処理すること)することによって得られることを見出した。一方、粒径が大きなブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料を製造し、該顔料を機械的に粉砕して、上記BET比表面積の範囲に成るように砕いて得た顔料は帯電性や感度が劣化しやすい。
【0033】
又、水処理はブタンジオールが過剰に付加している場合には、加水分解の作用があるため便宜上加水分解工程とも呼んでも差し支えないが、未発達の結晶を粒径をさほど肥大化する事無く熟成する作用もあると考えられる。
【0034】
上記BET比表面積とは固体の表面に物理吸着するガス(窒素)の量から表面積を求めたものである。具体的には、例えば流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)でBET比表面積を測定することができる。粒子が同じ形状ならBET比表面積値が大きいほど粒径が小さくなることはいうまでもない。
【0035】
原料であるチタニルフタロシアニンはフタロニトリルと四塩化チタンから得ても良いし、ジイミノイソインドリンとアルコキシチタンあるいはフタロニトリルと尿素とアルコキシチタン(Bull.Chem.Soc.Japan.,68,1001−1005(1995))から得られる塩素フリーのチタニルフタロシアニンを使用しても良い。四塩化チタンを使って得たものでは不純物として塩素化チタニルフタロシアニンが微量(元素分析値で塩素が0.2〜0.6%)混入している。また該チタニルフタロシアニンはA型(β型)、B型(α型)などの既存の結晶の発達した物からでも該付加体の製造は可能であるがアシッドペースト処理をして無定形(正確には結晶化度の低いα型)化してからブタンジオール類と反応させたほうが好ましい。本発明に使われる無定形チタニルフタロシアニンはアシッドペースト処理をして含水ペースト状態(固形分10〜20%)で得られる。水が付加するY型結晶を作る場合はその含水ペーストをそのまま使うことができるが、ブタンジオールとの付加体を製造する場合には乾燥粉末にする必要がある。そのとき、直接加熱乾燥させると硬い粒子になって反応が均一に、スムースに進まないためか、やや感度が劣り且つ帯電電位が安定しないブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンができやすい。無定形チタニルフタロシアニン顔料は、含水ペーストを水を多量に含んだまま凍結処理し、この後、解凍、濾過乾燥した顔料を使用したほうがより感度の高い付加体が得られる。凍結処理をした無定形チタニルフタロシアニン顔料は、乾燥すると塊として得られるがスパーテルで軽く押しつぶすだけで微粉末にまで解れるほど柔らかくブタンジオールとの反応がスムースに、均一に進行すると思われる。
【0036】
ここで、無定形チタニルフタロシアニン顔料とは図3のX線回折スペクトルに示すように結晶構造が明確でないチタニルフタロシアニン顔料をいい、前記した如くチタニルフタロシアニン顔料にアシッドペースト処理を行うことにより、製造することができる。
【0037】
無定形チタニルフタロシアニン顔料とブタンブタンジオールとの反応(付加反応工程)には通常無定形チタニルフタロシアニン顔料に対して5〜30倍(ml/g)の溶媒が使用される。溶媒には特に制限はなくトルエン、キシレン、ジクロルベンゼン、アニソール、クロルナフタレン、キノリンなどの芳香族溶媒からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、さらにはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、その他ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒など多数に上るが、水に混和せず沸点が50℃を越え、有る程度の極性を持った溶剤、例えばクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、シアノベンゼン、アニソールなどの芳香族溶媒、ジクロルエタン、トリクロルエタンなどのハロゲン溶媒がより好ましい。この反応は本質的に脱水反応であるため水を混和する溶媒では高価な立体規則ブタンジオールがより過剰に必要となってしまう。また非極性すぎてチタニルフタロシアニンを全く溶かさないものでは反応が進まない。付加反応工程の反応温度は特に制限はなく室温から250℃まで選ぶことができる。本発明の第二の目的である製造時に細かい粒子をえるためには付加反応工程の温度は100℃以下、15℃以上の穏やかな条件が好ましい。
【0038】
一方の原料である立体規則性を持つ(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールはチタニルフタロシアニンに付加する付加反応に関してはどちらを用いてもよいが、それらの原料であるマンノースの関係からより相対的に安価な(2R,3R)−2,3−ブタンジオールが好ましい。ブタンジオールはチタニルフタロシアニン1molに対して通常0.5〜2.0molの割合で添加される。図1のXRDのスペクトル分布の特徴を持つ9.5°型の付加体はブタンジオールとチタニルフタロシアニンの1/1の付加体であり、本発明の顔料は加水分解後に得られるブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料であり、該顔料はブタンジオールとチタニルフタロシアニンの1/1の付加体と付加していないチタニルフタロシアニンとの混晶であり、該顔料のジオール付加比率は、熱分析(TG)のデータから推定すると0.4〜0.7mol比(残りの0.6〜0.3molがブタンジオールが付加していないチタニルフタロシアニン)と推定される。従って高価な立体規則性化合物を等モル以上使うのは過剰である。顔料製造時のブタンジオールの量は、チタニルフタロシアニン1molに対し、ブタンジオールを0.7〜1.0molで使用することが好ましい。
【0039】
本発明の顔料の製造方法はブタンジオールとチタニルフタロシアニンを付加させた後、この反応物を水の存在下溶剤中で処理(水処理或いは加水分解処理とも云う)するものである。付加物を単離した後、水処理をしても良いが、付加反応完了後に水を加えてそのまま連続的に反応させるほうがより容易である。
【0040】
水処理温度は水が液体として存在するならば差し支えはないが、好ましくは50℃〜90℃の間である。温度が低いと加水分解は行われてももう一つの効果である結晶の熟成はされにくい、高温だと加水分解が進んで必要とする付加体のジオールが遊離する傾向がある。使用される水の量は制限は無いが、少ないと製造バラツキの一因になり多すぎると後処理がやっかいであるため通常顔料に対しては(モル比で)大過剰、有機溶剤に対しては0.01〜10(V/V)、好ましくは0.1〜2.0(V/V)用いられる。付加反応のみ終了させた顔料のXRDはジオールの付加比率によって異なり、9.5°型(ジオール付加比率大)、8.3°型あるいは両者の混合系となる。付加反応終了後の水処理の本質は過剰なジオール付加体を加水分解して、(ブタンジオール/チタニルフタロシアニン=1/1付加体)と(チタニルフタロシアニン)との混晶を作る工程あるいは結晶の熟成と考えている。
【0041】
特に付加反応の温度を100℃以下の穏やかな条件で行うと、溶媒によっては9.5°型まで進む壁を乗り越えられないためか、8.3°型のものしかできないことがある。このようなケースでは付加反応後水処理を行っても結晶中のジオール比率は変化しないが、この場合も水処理を行うと顔料の電子写真性能は大きく改善されている(実施例参照)。このことは、結晶の熟成が進んだためと思われる。
【0042】
本発明の製造方法で得られたブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン含有する顔料を用いて、電荷発生層等の分散液を作るには、これらの付加体を含有する顔料を溶媒中で分散する。溶媒としては特に制限はなくメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブタノールなどのアルコール系溶媒、その酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、クロルベンゼンなどの芳香属溶媒、ジクロルエタン、トリクロルエタンなどのハロゲン系溶媒など多数に上る。
【0043】
分散液にはバインダーを使用することが出来る。バインダーとしては使用する溶媒に溶解する範囲で広く選ぶことが出来る。例えばポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルおよびこれらのコポリマーなど多数に上る。バインダーと顔料の比率は特に制限はないが通常1/10から10/1である。バインダーが少ないと分散液が不安定になり、多すぎると電気抵抗がたかくなって電子写真感光体にしたとき繰り返しで残留電位が上昇するなどの欠点が起きやすい。分散手段も制限はなくサンドグラインダー、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、マントンゴーリンなど多くの手段を選ぶことが出来る。
【0044】
本発明の電子写真感光体の作製に当たっては公知の技術をそのまま使うことが出来る。以下、本発明に用いられるとしては有機感光体が好ましい。
【0045】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0046】
上記有機感光体の層構成は、特に限定はないが、基本的には電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層から構成されるが、その上に表面層を塗設した構成でもよい。又、表面層は保護層の機能と電荷輸送の機能を有していることが好ましい。
【0047】
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
【0048】
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0049】
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
【0050】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0051】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好まく、特にはポリアミド等のバインダー樹脂中に酸化チタン微粒子を分散含有させる中間層が好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
【0052】
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
【0053】
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましい。中でも複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものが好ましい。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
【0054】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0055】
この様に、酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0056】
表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはメチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキチシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の各種アルコキシシラン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
【0057】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0058】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0059】
本発明の電子写真感光体には、電荷発生物質として前述のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
【0060】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
【0061】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0062】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0063】
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0064】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0065】
以上、本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
【0066】
感光層の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、アニソール、ジクロルベンゼン、アセトフェノン、シアノベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0067】
次に電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0068】
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図6は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【0069】
図6に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0070】
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0071】
ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0072】
その静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cmの範囲である。
【0073】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図6のように現像位置上部に設けて行う。
【0074】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0075】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙Pにトナーと反対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
【0076】
次いで記録紙Pは分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成に備える。図6では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0077】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0078】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0079】
本発明の有機電子写真感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0080】
【実施例】
以下顔料の製造例、実施例を説明する。
【0081】
無定形チタニルフタロシアニン顔料の製造
特開平3−35245号公報(塩素フリーチタニルフタロシアニン)に準じて、中間体の無定形(正確には結晶化度の低いα型)チタニルフタロシアニン顔料を製造した。即ち、ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラブトキシドからチタニルフタロシアニン粗品を作り、これを硫酸に溶かし水に注いで生じた沈殿を濾過し水で十分に洗って(濾液の電気伝導度が20μS/cm以下になるまで)無定形チタニルフタロシアニン顔料含水ペーストを得た。この顔料含水ペーストを冷凍庫で凍結し、解凍後、濾過し、濾液の伝導度が5μS/cm以下になるまで水洗し、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン顔料の塊を得た。この顔料の塊はスパーテルで軽く押しつぶすだけで粉末にほぐれていく柔らかいものであった。
【0082】
顔料の製造例1(CG1)
前述の無定形チタニルフタロシアニン顔料10.0gと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール1.30g(0.83当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロルベンゼン(ODB)200ml中に混合し、6.0時間加熱還流した(165℃)。続いて加熱還流した反応液を一夜放置後、該反応液に水100mlを加え、60〜70℃で6.0時間加熱撹拌し加水分解反応を行なった(加水分解工程)。該加水分解反応後、反応液を放冷し、メタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG1:10.3gを得た。CG1のX線回折スペクトルを図4に示す。8.3度に大きなピークがある。マススペクトルから648にピークがあり、IRスペクトル(図5)では970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、このものはチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1で示した脱水縮合構造)と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混晶と推定される。
【0083】
顔料の製造例2〜5(CG2〜CG5)
顔料の製造例1で(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの添加量を1.20g(0.77当量比)に代えた他は顔料の製造例1と同様にして顔料CG2を製造した。又、以下同様にしてジオールの添加量を0.74当量比、0.71当量比、0.64当量比にして顔料(CG3〜CG5)を製造した。これらCG2〜CG5のXRD、IR、TGは顔料の製造例1のCG1と同じであった。
【0084】
顔料の製造例6(CG6)
前記無定形チタニルフタロシアニン顔料10.0gに(2R,3R)−2,3−ブタンジオール1.10g(0.71当量比)を加えトルエン200ml中、110℃、3時間加熱還流した。続いて加熱還流した反応液を一夜放置後、該反応液に水100mlを加え、60〜70℃で6.0時間加熱撹拌し加水分解反応を行なった(加水分解工程)。該加水分解反応後、反応液を放冷し、メタノールを加えて生じた結晶を濾過し、該結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG6:10.3gを得た。該CG6のXRD、IR、TGは顔料の製造例1のCG1と区別できなかった。
【0085】
顔料の製造例7(CG7)
顔料の製造例6でトルエン200ml中、110℃、3時間加熱還流の反応時間を3時間から7時間に変更した他は顔料の製造例6と同様にして顔料CG7を製造した。該CG7のXRD、IR、TGは顔料の製造例1のCG1と区別できなかった。
【0086】
比較顔料の製造例1〜7(CG1R〜CG7R)
顔料の製造例1〜7で加水分解工程を省いた他は同様にして顔料CG1R〜CG7Rを製造した。これらの顔料CG1R〜CG7Rは、XRDによるX線回折スペクトルは、全て前記のCG1のX線回折スペクトルと異なり、結晶型が異なることを示している。即ち、CG1R、CG2R、CG6R、CG7Rは、大きなピークが8.3°型結晶と9.5°型結晶の混じったものとなりIRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れるものの両ピークの大きさの比率は9.5°型結晶が混じったものでは630cm−1付近のO−Ti−Oのピークが970cm−1付近のTi=Oのピークに比してやや大きめに観測され、TGの質量減少もやや大きかった。
【0087】
実施例1
CG1〜7分散液及びCG1R〜7R分散液の作製
顔料の製造例1〜7及び比較顔料の製造例1〜7で得た顔料(CG1〜7、CG1R〜7R)を用い、各顔料毎に、顔料2部とブチラール樹脂(BX−1、積水化学)1部とメチルエチルケトン100部を混合し、サンドグラインダーで7時間分散した。分散後、さらにメチルエチルケトン20部を加えて希釈し分散液とした。これらの分散液を各顔料CG1〜7、CG1R〜7Rに対応して、CG1〜7分散液及びCG1R〜7R分散液とする。
【0088】
感光体1〜7及び感光体1R〜7Rの作製
アルミ蒸着ペットベース上に以下の中間層、電荷発生層、電荷輸送層を塗布乾燥し、上記各顔料CG1〜7、CG1R〜7Rに対応した感光体1〜7及び感光体1R〜7Rを作製した。
【0089】
中間層
ポリアミド樹脂CM8000(東レ) 1.0部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製:1回目シリカアルミナ処理、2
回目メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3.0部
メタノール 10部
ホモジナイザーで分散後、アルミ蒸着ベース上に浸漬塗布し厚さ4.0μmの中間層とした。
【0090】
電荷発生層
前記で作製したCG1〜7分散液及びCG1R〜7R分散液を用いて、#6のワイヤーバーで塗布して電荷発生層とした。
【0091】
電荷輸送層
ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ300、三菱瓦斯化学) 15部
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ
リル)フェニル}−p−トルイジン) 9部
1,2−ジクロルエタン 100部
シリコーンオイル(KF54 信越化学) 0.001部
上記分散液を電荷発生層上にブレード塗布し、100℃で70分乾燥し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、各顔料CG1〜7、CG1R〜7Rに対応した感光体1〜7及び感光体1R〜7Rを作製した。
【0092】
評価
得られたサンプルを川口電機製(EPA8100)にて測定した。帯電は6kV、5秒間帯電させ、5秒間暗所放置後8ルックスの光を10秒間あてて表面電位の変化する様を測定した。感度(E600/100)は表面電位を600Vから100Vに減らす際に必要な露光量、暗減衰(DD)は帯電直後の表面電位(Va:V)から5秒間暗所放置した後の表面電位(Vi:V)の変化した割合(DD=((Va−Vi)/Va)×100:%)をあらわす。結果を下記表1に示す。
【0093】
又、表中の結晶型は8.3°型(図3)、9.5°型(図2)および両者の混じり(8.3+9.5)および8.3°型が主体だがそれに9.5°型が少し混じったもの(8.3+(9.5))に分類表示した。
【0094】
【表1】
Figure 2004352916
【0095】
表1よりチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの付加反応後、加水分解工程を有する製造例で得られた顔料CG1〜CG7を用いた感光体1〜7は暗減衰、感度とも比較の顔料CG1R〜CG7Rを用いた感光体1R〜7Rに比し安定した性能を示している。前記付加反応で、ODBを溶媒にし、ブタンジオールの添加量を0.71当量比以上にして得られた顔料CG1〜CG4を用いた感光体1〜4は暗減衰特性が著しく改善されている。これに反して加水分解反応(加水分解工程)を省いた比較製造例で得た顔料CG1R〜CG7Rを用いた感光体1R〜7Rでは、各顔料毎に感光体の評価結果を比較すると、いずれも暗減衰が劣化していることが見出される。
【0096】
顔料の製造例8(CG8)
前記の無定形チタニルフタロシアニン顔料10.0gと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール1.30g(0.83当量比/無定形チタニルフタロシアニン顔料)をオルトジクロルベンゼン200ml中に混合し、該混合した反応液を室温で7時間攪拌した。続いて一夜放置後、反応液に水100mlを加え60〜70℃で6時間加熱攪拌を行った(加水分解工程)。該加熱撹拌後の反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG8:10.3gを得た。CG8のXRDは図4とほぼ同じであった。8.3度に大きなピークがある。マススペクトルから648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、CG8はチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1の構造)と付加していないチタニルフタロシアニンの混晶と推定している。BET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ32.4m/gであった。
【0097】
顔料の製造例9(CG9)
顔料の製造例8で無定形チタニルフタロシアニン顔料と(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとの反応で反応温度を室温の代わりに、60〜70℃とし6時間攪拌した。続いて一夜放置後、反応液に水100mlを加え60〜70℃で6時間加熱攪拌を行った(加水分解工程)。該加熱撹拌後の反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG9:10.3gを得た。CG9のXRD、IR、TGは顔料の製造例8のCG8と同様であった。BET比表面積は31.2m/gであった。
【0098】
顔料の製造例10(CG10)
顔料の製造例8で無定形チタニルフタロシアニン顔料と(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとの反応で反応温度を室温の代わりに、130〜140℃とし6時間攪拌した。続いて一夜放置後、反応液に水100mlを加え60〜70℃で6時間加熱攪拌を行った(加水分解工程)。該加熱撹拌後の反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG10:10.3gを得た。CG10のXRD、IR、TGは顔料の製造例8のCG8と同様であった。BET比表面積は13.5m/gであった。
【0099】
顔料の製造例11(CG11)
(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの付加反応までは特開平10−186695顔料の製造例1の条件を使った。即ち、無定形チタニルフタロシアニン顔料10.0gと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール2.20g(0.71当量比/無定形チタニルフタロシアニン顔料)をクロルナフタレン120ml中に混合し、該混合した反応液を200℃で1.5時間攪拌した。続いて該反応液にオルトジクロルベンゼン200mlを加えて希釈し、水100mlを加えて60〜70℃で加熱攪拌した(加水分解工程)。その後、反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG11:10.5gを得た。
【0100】
CG11のXRDは図1と同様に8.3度に大きなピークがある。マススペクトルから648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、CG11はチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1の構造)と付加していないチタニルフタロシアニンの混晶と推定される。後述する水処理を省いた比較顔料の製造例11と異なっている。これは明らかに加水分解が一部で起きていることをあらわす。BET比表面積は9.5m/gであった。
【0101】
比較顔料の製造例8(CG8R)
顔料の製造例8で水処理(加水分解工程)を省いた他は同様にして顔料CG8Rを製造した。CG8RのXRD、IR、TGはCG8と区別できなかった。BET比表面積は38.5m/gであった。
【0102】
比較顔料の製造例9(CG9R)
顔料の製造例9で水処理(加水分解工程)を省いた他は同様にして顔料CG9Rを製造した。CG9RのXRD、IR、TGはCG8と区別できなかった。BET比表面積は33.5m/gであった。
【0103】
比較顔料の製造例10(CG10R)
顔料の製造例10で水処理(加水分解工程)を省いた他は同様にして顔料CG10Rを製造した。CG10RのXRDはCG8と区別できなかった。IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れたが630cm−1の吸収ピークは少し小さかった。また熱分析(TG)では390〜410℃の質量減少が約8%と少し顔料の製造例1で得たものより大きめであることから。このものは顔料の製造例1と同様にチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1の構造)と付加していないチタニルフタロシアニンの混晶であるが、やや付加体比率が高いものと推定している。BET比表面積は6.7m/gであった。
【0104】
比較顔料の製造例11(CG11R)
顔料の製造例11で水処理(加水分解工程)を省いた他は同様にして顔料CG11Rを製造した。CG11RのXRDは図1に示したものと同様である。9.5度に大きなピークがある。マススペクトルから648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=Oが消失し、630cm−1付近にO−Ti−Oの吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約11%の質量減少があることから、このものはチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1の構造)と推定している。BET比表面積は0.6m/gであった。
【0105】
比較顔料の製造例12(CG12R)
顔料の製造例11で得た顔料CG11を特開平10−186695の実施例を参考にしてボールミルで12時間乾式粉砕し、顔料CG12Rを作製した。CG12RのBET比表面積は45.0m/gであった。
【0106】
比較顔料の製造例13(CG13R)
比較顔料の製造例11で得た顔料CG11Rをボールミルで12時間乾式粉砕し、顔料CG13Rを作製した。CG13RのBET比表面積は20.2m/gであった。
【0107】
実施例2
CG8〜11分散液及びCG8R〜13R分散液の作製
顔料の製造例8〜11及び比較顔料の製造例8〜13で得た顔料(CG8〜11、CG8R〜13R)を用い、各顔料毎に、顔料2部とブチラール樹脂(BX−1、積水化学)1部とメチルエチルケトン60部、シクロヘキサノン20部を混合し、サンドグラインダーで7時間分散した。分散後、さらにメチルエチルケトン20部を加えて希釈し分散液とした。これらの分散液を各顔料CG8〜11、CG8R〜13Rに対応して、CG8〜11分散液及びCG8R〜13R分散液とする。また分散が不十分で分散指数(後述)が5.0以下のものについては、その後7時間毎にサンプリングして分散指数を5.0より大きくした分散液も作製した。
【0108】
感光体8〜11及び感光体8R〜13Rの作製
アルミ蒸着ペットベース上に以下の中間層、電荷発生層、電荷輸送層を塗布乾燥し、上記各顔料CG8〜11、CG8R〜13Rに対応した感光体8〜11及び感光体8R〜13Rを作製した。
【0109】
中間層
ポリアミド樹脂CM8000(東レ) 1.0部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製:1回目シリカアルミナ処理、2
回目メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3.0部
メタノール 10部
ホモジナイザーで分散後、アルミ蒸着ベース上に浸漬塗布し厚さ4.0μmの中間層とした。
【0110】
電荷発生層
前記で作製したCG8〜11分散液及びCG8R〜13R分散液を用いて、#6のワイヤーバーで塗布して電荷発生層とした。
【0111】
電荷輸送層
ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ300、三菱瓦斯化学) 15部
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ
リル)フェニル}−p−トルイジン) 9部
1,2−ジクロルエタン 100部
シリコーンオイル(KF54 信越化学) 0.001部
上記分散液を電荷発生層上にブレード塗布し、100℃で70分乾燥し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、各顔料CG8〜11、CG8R〜13Rに対応した感光体8〜11及び感光体8R〜13Rを作製した。
【0112】
評価
得られたサンプルを川口電機製(EPA8100)にて測定した。帯電は6kV、5秒間帯電させ、5秒間暗所放置後8ルックスの光を10秒間あてて表面電位の変化する様を測定した。感度(E600/100)は表面電位を600Vから100Vに減らす際に必要な露光量、暗減衰(DD)は帯電直後の表面電位(Va:V)から5秒間暗所放置した後の表面電位(Vi:V)の変化した割合(DD=((Va−Vi)/Va)×100:%)をあらわす。結果を下記表2に示す。
【0113】
また前記各顔料の分散液(CG8〜11分散液及びCG8R〜13R分散液)をペットベースに塗布して分光吸収スペクトルを測定した。該分光吸収スペクトルで、740nm付近にある最大吸収の吸光度を870nm(散乱光部分を含む吸収)の吸光度で割った値を分散指数とする(図7:分散指数=h/h)。分散指数は数値の大きい方がよく分散されていることを表す。分散指数が5.0を越えなかったものについては7時間おきに追加分散して5.0を越えるに要した時間、および追加分散後の暗減衰及び感度を併記した。
【0114】
【表2】
Figure 2004352916
【0115】
上記表2より、無定形チタニルフタロシアニン顔料10.0gと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとの付加反応を室温又は60〜70℃等の穏やかな条件で行い、反応後水処理を行った顔料の製造例8、9で得られた顔料CG8、CG9を用いた分散液及び感光体は分散もよく、暗減衰、感度ともによい。やや反応温度が高いだけの顔料の製造例10はそれにつぐ評価を得ている。水処理(加水分解工程)を省いた比較顔料の製造例8、9で得られた顔料CG8R、CG9Rを用いた感光体は暗減衰が大きくなっている。顔料CG8、CG9から顔料CG8R、CG9Rの変化はIRでは見られないが電子写真性能では明らかに良くなっている。このことは付加反応が穏やかな場合には水処理(加水分解工程)の役割は加水分解ではなくもっぱら結晶の熟成であることを示す。
【0116】
顔料の製造例10、11で得られた顔料CG10、CG11は粒径が大きくCG8、CG9の分散レベルに達するには分散時間を伸ばすなどの工夫が必要だが、それでも水処理(加水分解工程)のない比較顔料の製造例10、11で得られた顔料CG10R、CG11Rを用いた場合に比し、感光体の暗減衰、感度がより改良されている。CG10、CG11とCG10R、CG11Rの比較ではIRで変化が見られることから、顔料の製造例10、11の水処理(加水分解工程)の役割はジオール付加体の加水分解であると考えている。乾式粉砕して粒径を細かくした比較顔料の製造例12,13は感度低下が大きい。
【0117】
実施例3
実施例2で作製した中間層、電荷発生層、電荷輸送層をアルミドラムに塗布した以外は同様にして、感光体8D〜11D、比較用の感光体8DR〜13DRを作製した。これらの各感光体をコニカデジタル複写機Sitios7060(コニカ社製レーザデジタル複写機:半導体レーザ露光器、2成分反転現像方式、クリーニングブレード等を備えている)に装着し、グリッド電圧を700Vに調整し、初期と3万プリント後の未露光部電位(VH)、露光部電位(VL)を測定しその差|ΔVH|、|ΔVL|をもとめた。尚、CG10、CG11とCG10R、CG11Rの分散液は追加分散して状態をよくした後のものを用いた。結果を表3に示す。
【0118】
【表3】
Figure 2004352916
【0119】
表3より、100℃以下の穏やかな条件で付加反応を行い、水処理をした本発明の顔料CG8、CG9は分散性もよく、該顔料を用いた感光体8D、9DはVLが低く、初期と3万プリント後の差を見た|ΔVH|、|ΔVL|も、ともに小さく良好な特性を示している。水処理を省いた顔料CG8R、CG9Rの分散は容易にできるものの、該顔料を用いた感光体8DR、9DRは繰り返しでの帯電性及び感度の劣化(|ΔVH|、|ΔVL|)が大きい。60〜70℃に加温した水処理によって結晶の熟成がおきているものと思われる。付加反応を強い条件で行った顔料CG11、CG11Rでは水処理の有無によって結晶型は異なり、感度も異なる(VL)。これは水処理によって加水分解反応が起きているためと思う。付加反応を中間の条件でおこなった顔料CG10では水処理の前後で比較的変化は少ないと言えるが水処理を省く(CG10Rとの比較)とやはり帯電性、感度で劣る(|ΔVH|、|ΔVL|)。また乾式粉砕した顔料CG12R、CG13Rを用いた感光体12DR、13DRは、VL、|ΔVL|が高く乾式による微粒化は何の解決にもなっていないことをしめす。
【0120】
【発明の効果】
本発明の顔料の製造方法で得られた顔料を用いた電子写真感光体は、ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を用いた感光体に比し、暗減衰特性や感度特性が改善され、繰り返し使用しても、良好な電子写真特性を維持でき、良好な電子写真画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】9.5°型のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料の粉末X線回折スペクトルを示す図である。
【図2】8.3°型のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料の粉末X線回折スペクトルを示す図である。
【図3】無定形チタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを示す図である。
【図4】CG1のX線回折スペクトルの図である。
【図5】本発明のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料のIRスペクトルである。
【図6】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【図7】分散指数を説明する図である。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543,544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. チタニルフタロシアニン1モルに対し(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種を0.6〜1.0モル反応させた後、反応物を水の存在下、溶媒中で処理することにより、粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を製造することを特徴とする顔料の製造方法。
  2. 前記チタニルフタロシアニンが無定形チタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1に記載の顔料の製造方法。
  3. 前記無定形チタニルフタロシアニン顔料がアシッドペースト処理、水洗を経て得た含水顔料ペーストを凍結し、解凍濾過後に乾燥して得られることを特徴とする請求項2に記載の顔料の製造方法。
  4. チタニルフタロシアニン1モルに対し(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくとも1種を0.6〜1.0モル反応させた後、反応物を水の存在下、溶媒中で処理することにより、BET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を製造することを特徴とする顔料の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料の製造方法で得られたブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 請求項4に記載の顔料の製造方法で得られたブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  7. BET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  8. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、該電荷発生層にBET比表面積が15m/g〜60m/gで且つ粉末X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°に特徴的なピーク有するブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と該電子写真感光体上を一様に帯電する帯電手段、帯電された電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段、転写後の該電子写真感光体上の電荷を除去する除電手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項9に記載のプロセスカートリッジを有し、電子写真画像を作製する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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