JPH10198060A - 電子写真感光体、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、及び電子写真装置

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JPH10198060A
JPH10198060A JP35875896A JP35875896A JPH10198060A JP H10198060 A JPH10198060 A JP H10198060A JP 35875896 A JP35875896 A JP 35875896A JP 35875896 A JP35875896 A JP 35875896A JP H10198060 A JPH10198060 A JP H10198060A
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layer
charge
polymer particles
electrophotographic
charge transporting
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Application number
JP35875896A
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English (en)
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Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Yasuhiro Yamaguchi
康浩 山口
Masakazu Iijima
正和 飯島
Takeshi Agata
岳 阿形
Yasuo Sakaguchi
泰生 坂口
Ryosaku Igarashi
良作 五十嵐
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、残留電位
の少ない、高速応答性に優れた電子写真感光体、及びそ
れを用いた電子写真装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも導電性基体2上に単層もしく
は2層以上の層からなる感光層3を設けた電子写真感光
体において、該感光層3の少なくとも最表層中に電荷輸
送性ポリマー粒子1を含有することを特徴とする電子写
真感光体、及びそれを用いた電子写真装置であり、好ま
しくは前記電荷輸送性ポリマー粒子が架橋された電荷輸
送性ポリマーからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性基体と感光
層よりなる電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速、高印字品
質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果
たしている。電子写真技術において用いられる電子写真
感光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を用いたも
のが広く知られている。一方、これらの無機系感光体に
比べ、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を有
する有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究も
活発化し、現在では無機系感光体を凌駕するに至ってい
る。樹脂中にフタロシアニン系化合物などを電荷発生材
料として分散した単層型の感光体の他、光電導の素過程
である光電荷発生と電荷輸送をそれぞれ別々の層に担わ
せる機能分離型積層構成のものが開発されたことによ
り、材料選択の自由度が増し、著しい性能の向上を遂
げ、現在ではこの機能分離積層型の有機感光体が電子写
真感光体の主流となっている。機能分離積層型有機感光
体用の電荷発生層としては、キノン系顔料、ぺリレン系
顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、セレン等の
電荷発生能を有する顔料を蒸着等により直接成膜したも
の、あるいは高濃度で結着樹脂中に分散したものが実用
されている。一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾン系
化合物、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、スチル
ベン系化合物等の電荷輸送能を有する低分子化合物を絶
縁性樹脂中に分子分散したものが用いられている。
【0003】ところで、電子写真感光体に要求される耐
久性は年々厳しいものとなっており、繰り返し使用によ
る表面層の摩耗および傷等の問題に対して、耐久性向上
に必要な技術の検討が続けられている。これらの要求に
対して、表面保護層の検討が多数行われている。しか
し、表面保護層を架橋硬化性樹脂のみで構成すると表面
保護層は絶縁層となってしまうため、感光体としての光
電特性が犠牲になっていた。具体的には、露光時の明部
電位が上昇することにより、現像電位マージンが狭くな
る問題、および除電後の残留電位が上昇することによ
り、特に長期の繰り返し印刷を行った場合に画像濃度が
低下する問題、などがあった。
【0004】光電特性を改良する手法として、導電性の
金属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面保護層中に分
散する方法が報告されている(特開昭57−12834
4)。この方法による感光体光電特性の低下は小さく、
上記に挙げた問題は顕著に改善される。しかし、一般に
導電性微粉末として用いる金属酸化物の抵抗値は、環境
の湿度に大きく依存するという問題がある。そのため、
特に高温高湿下において感光体表面抵抗が低下し、静電
潜像がぼやけることによって画像品位が大きく低下して
しまうという本質的な問題があった。
【0005】光電特性を改良する他の手法として、バイ
ンダー樹脂中に電荷輸送物質を分散し、その後バインダ
ー樹脂を硬化させて表面保護層を形成するという方法が
報告されている(特開平4−15659)。この方法で
は感光体表面抵抗が湿度依存することも無く、画像品位
の問題はなかった。しかし、電荷輸送物質という低分子
量成分の添加は、硬化反応を阻害し表面保護層の機械的
強度の低下をもたらす。よって、単独では機械的強度の
高い架橋硬化性樹脂を用いたとしても、光電特性の改良
に必須の電荷輸送物質という低分子成分を添加すること
で表面保護層の機械強度は大きく低下してしまう。
【0006】このような観点から、感光体の最表層に電
荷輸送性を持たせ、なおかつ有機フィラーや無機フィラ
ーを添加することが検討されている(特開昭63−20
72、特開平1−129260、特開平1−20517
1、特開平2−240659、特開平8−10151
7)。しかしながら、これらのフィラーは電荷輸送性を
有していないため、表面に露出したフィラーの上に帯電
した電荷は消去されず、残留電位が上昇する。また、輸
送速度が低下するなどの問題を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような事情に鑑みなされたものであっ
て、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位
の少ない、高速応答性に優れた電子写真感光体、及びそ
れを用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち本発明は、少なくとも導電
性基体上に単層もしくは2層以上の層からなる感光層を
設けた電子写真感光体において、該感光層の少なくとも
最表層中に電荷輸送性ポリマー粒子を含有することを特
徴とする電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装
置である。本発明によれば、感光層の少なくとも最表層
中に電荷輸送性を有するポリマー粒子を含有するため、
電荷輸送性能を損なうことなく耐摩耗性を向上させるこ
とが可能である。また、感光層が少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層よりなり、該電荷輸送層中に電荷輸送性ポ
リマー粒子を含有することによっても電荷輸送性能を損
なうことなく耐摩耗性を向上することが可能である。さ
らにまた、電荷輸送層が2層以上の電荷輸送材料を含む
層よりなり、少なくともその最表層に電荷輸送性ポリマ
ー粒子を含有することにより、より電荷輸送性を高く、
かつ、耐摩耗性も向上させることができる。さらにま
た、電荷輸送層が電荷輸送性高分子化合物を含むことに
より、耐摩耗性をより改善することができる。さらにま
た、前記電荷輸送層のマトリクスが架橋された樹脂より
なることにより耐摩耗性をより改善することができる。
電荷輸送性ポリマー粒子により電荷輸送性を確保できる
と共に、電荷輸送性ポリマー粒子は低分子電荷輸送材の
ようにマトリクスとなる樹脂の架橋反応を阻害すること
がなく、また、マトリクスとなる樹脂の強度を低下させ
ることもない。さらにまた、電荷輸送性ポリマー粒子が
架橋されていることにより、耐摩耗性をより向上するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体を
構成する各層についてさらに詳しく説明する。感光層は
樹脂中に電荷発生物質を分散含有してなる単層型であっ
ても電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型であっても
良い。さらに電荷輸送層は2層以上であっても良い。電
荷輸送性ポリマー粒子はどの層に含まれていても良い
が、本発明の効果である耐摩耗性を得るため、少なくと
も最表層中に含まれていることが必要である。
【0010】図1および図2は本発明の電子写真感光体
の断面を示す模式図である。図1は導電性支持体2上に
電荷輸送性ポリマー粒子1を含む感光層3が設けられて
いる単層型の例である。図2においては、導電性支持体
2と感光層3の間に、さらに下引き層4が設けられてい
る。図3および図4は、本発明の他の形態の電子写真感
光体の断面を示す模式図である。図3は、導電性支持体
2上に電荷発生層5が設けられ、電荷輸送性ポリマー粒
子1を含む電荷輸送層6が設けられている積層型の例で
ある。図4においては、導電性支持体2と電荷発生層5
の間に、さらに下引き層4が設けられている。
【0011】図5および図6は、本発明の他の形態の電
子写真感光体の断面を示す模式図である。図5において
は、導電性支持体2上に電荷発生層5が設けられ、第1
の電荷輸送層7と電荷輸送性ポリマー粒子1を含む第2
の電荷輸送層8が設けられている。図6においては、導
電性支持体2と電荷発生層5の間に、さらに下引き層4
が設けられている。図7および図8は、本発明の他の形
態の電子写真感光体の断面を示す模式図である。図7に
おいては、導電性支持体2上に、感光層3が設けられ、
その上に電荷輸送性ポリマー粒子1を含む表面保護層9
が設けられている。図8においては、導電性支持体2上
に、下引き層4、電荷発生層5、電荷輸送層6が設けら
れ、その上に電荷輸送性ポリマー粒子1を含む表面保護
層9が設けられている。これらの電子写真感光体は、さ
らに所望により乱反射層等を含むことができる。
【0012】電荷輸送性ポリマー粒子は、電荷輸送性基
を導入した原材料を用い、公知のポリマー粒子を製造す
る方法を利用することで製造できる。ポリマー粒子を製
造する方法の具体例としては、粉砕法、乳化重合法、懸
濁重合法、段階重合法、分散重合法、乳化分散法などを
挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。粉砕法とは、ポリマーの塊、または、粒子径の大き
な粉を機械的な力で粉砕することによりポリマー粒子を
製造する方法である。乳化分散法は、ポリマーを有機溶
媒に溶かすか、加熱溶融し、分散媒中で乳化し、溶媒と
必要に応じ分散媒を除去してポリマー粒子を製造する方
法である。電荷輸送性ポリマー粒子は分散媒中に分散さ
れた状態、または、分散媒を除去して粉体の状態で得る
ことができる。
【0013】例えば、電荷輸送性高分子化合物を油性媒
体に溶解し、これを水性媒体に乳化分散した後、有機溶
媒を除去することにより平均粒径0.01〜10μmま
での電荷輸送性ポリマー粒子を得ることができる。得ら
れた微粒子は、洗浄操作を行った後、濾別して粒子単体
として取り出して使用しても良いし、溶媒置換を行った
後に分散溶液状態で使用してもよい。電荷輸送性高分子
化合物を溶解する特定の有機溶媒としては、例えば酢酸
エチルなどの酢酸エステル類、メチレンクロリド等のハ
ロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など
水性媒体に混和しないものが好ましい。電荷輸送性高分
子化合物油性層を乳化分散するために水性媒体中に予め
保護コロイドを含有させてもよい。保護コロイドとして
は、水溶性高分子が使用でき、公知のアニオン性高分
子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択す
ることができるが、ポリビニルアルコール、ゼラチンお
よびセルロース系水溶性高分子を含ませるのが特に好ま
しい。また、水性相には、界面活性剤を含有させてもよ
い。界面活性剤としては、アニオン性またはノニオン性
の界面活性剤の中から、上記保護コロイドと作用して沈
殿や凝集を起こさないものを適宜選択して使用すること
ができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリア
ルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル)等を挙げることができる。その使
用量は所望する粒径を得るため適宜調整して用いること
ができるが、好ましくは水性媒体の0.01〜40重量
%、より好ましくは0.1〜20重量%であることが望
ましい。また、電荷輸送性ポリマー粒子を架橋硬化させ
ることもできる。電荷輸送性ポリマー粒子は架橋される
ことで、溶剤に対して溶解しにくくなり、塗布溶剤の選
択の幅が広がるため、結着樹脂の選択の幅が広がり、よ
り、高性能な電子写真感光体を設計できる。さらにま
た、電荷輸送性ポリマー粒子は架橋されることで硬化さ
れ、耐摩耗性が向上する。
【0014】架橋された電荷輸送性ポリマー粒子は、以
下に説明する方法で作製できる。すなわち、電荷輸送性
を有する化合物および電荷輸送性を有する化合物と反応
するか、またはこれを被覆する化合物を特定の有機溶媒
中に溶解もしくは分散されたものを油性層とし、これら
を、前記の電荷輸送性を有する化合物と反応しうる化合
物、またはこれを被覆する化合物と、これらと必要に応
じてさらに反応しうる成分が含有された水性媒体中で乳
化分散し有機溶媒を除去することにより平均粒径0.0
1〜10μmまでの電荷輸送性ポリマー粒子を得ること
ができる。ここで電荷輸送性を有する化合物は正孔輸送
性、電子輸送性いずれのものでもよい。また、電荷輸送
性を有する化合物は、反応性基を有する高分子化合物で
あっても、反応性基を有する低分子化合物であっても良
い。得られた微粒子は、洗浄操作を行った後、濾別して
粒子単体として取り出して使用しても良いし、溶媒置換
を行った後に分散溶液状態で使用してもよい。
【0015】電荷輸送性ポリマー粒子に用いる電荷輸送
性高分子化合物としては、公知の電荷輸送性高分子化合
物を使用することができる。例えば、ポリビニカルバゾ
ール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合
物、特開平5−232727号公報等に開示されている
ような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合
物、およびポリシラン等を挙げることができる。電荷輸
送性ポリマー粒子は電荷輸送性高分子化合物を単独また
は2種以上混合して使用することができる。2種以上を
混合する場合、混合物として粒子化されていても、単独
の粒子を混合してもよい。また、電荷輸送性ポリマー粒
子は、電荷輸送性低分子化合物または、電荷輸送性オリ
ゴマーを含んでいても良い。
【0016】電荷輸送性ポリマー粒子として、下記一般
式(1)〜(6)構造を有する高分子化合物を含有する
場合は、高い電荷輸送能を有し、機械的特性にも優れて
いるので特に好ましい。
【0017】
【化7】
【0018】上式中AもしくはBは 置換されていても
よい1価または2価の脂肪族炭化水素基または 芳香族
炭化水素基を示し、かつAまたはBの少なくとも一方は
下記一般式(7)〜(15)を表し、pは5〜5000
の整数を表す。
【0019】
【化8】
【0020】ここで、一般式(7)〜(8)に記載され
るそれぞれのR1〜R4はそれぞれ独立に水素、アルキ
ル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン、置換あ
るいは、未置換のアリール基を示し、Xは置換あるい
は、未置換の2価のアリール基を示す。k,lはそれぞ
れ0あるいは1から選ばれる整数を示す。Tは炭素数1
〜10の枝分かれしてもよい2価のアルキル、アリル、
アルキルカルボニル、アリルカルボニル、アルキルアミ
ノ、アリルアミノ、水酸化アルキル、水酸化アリル基を
示す。Xで表す置換もしくは未置換の芳香族環を含む2
価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基とし
て、下記の基(1)〜(7)から選択されたものが挙げ
られる。フェニル基、置換または未置換のアラルキル
基、ハロゲンを表し、aは、0または1を意味する。V
は下記の基(8)〜(17)から選択されたものが挙げ
られる。bは、1〜10の整数を意味し、cは、1〜3
の整数を意味する。)
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】表(1)に一般式(1)〜(6)に示す電
荷輸送性高分子の具体例を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】電荷輸送性を有する反応性基を持つ低分子
化合物としては公知の化合物を使用できる。例えば、正
孔輸送性を有する反応性基を持つ低分子化合物として以
下のものを挙げることができる。
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】さらに、電子輸送性を有する反応性基を持
つ低分子化合物としては以下のものを挙げることができ
る。
【0034】
【化15】
【0035】また、本発明に記載の電荷輸送性を有する
化合物が反応する、または該電荷輸送性化合物を被覆す
る成分として、たとえばシリルイソシアネート化合物お
よび多価イソシアネート化合物、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤等を用いることができ
る。これらの含有量については、電荷輸送性化合物に対
して好ましくは0.1〜90重量%より好ましくは1〜
60重量%であることが望ましい。以下にこれらの例を
挙げる。
【0036】シリルイソシアネート化合物としては下記
一般式(16)、(17)および(18)で示されるシ
リルイソシアネート誘導体およびその縮合物を挙げるこ
とができる。 Rm R′k R″n Si(NCO)4-m-k-n 一般式(16) (RO)m (R′O)k (R″O)n Si(NCO)4-m-k-n 一般式(17) Rp (R′O)q Si(NCO)r 一般式(18) (ここで、R、R′およびR″は、それぞれアルキル
基、アリール基またはアルケニル基を示し、m、kおよ
びnは、それぞれ0乃至3の整数であって、m+k+n
≦3を満たし、p、qおよびrは、それぞれ1または2
の整数であって、p+q+r=4を満たす。) たとえば、シリルイソシアネート化合物の具体例として
は、(CH3 3 SiNCO、(C2 5 3 SiNC
O、(C3 7 3 SiNCO、(C4 9 3 SiN
CO、(CH3 )(C2 5 )(C3 7 )SiNC
O、(CH3 )(C2 5 2 SiNCO、(CH3
2 (C2 5 )SiNCO、(CH3 3SiNCO、
(CH3 2 Si(NCO)2 、(C2 5 2 Si
(NCO)2、(C3 7 2 Si(NCO)2 、(C
4 9 2 Si(NCO)2 、CH3Si(NC
O)3 、C2 5 Si(NCO)3 、C3 7 Si(N
CO)3 、C4 9 Si(NCO)3 、CH2 =CHS
i(NCO)3 、CH2 =C(CH3)Si(NCO)
3 、(CH3 O)3 SiNCO、(C2 5 O)3 Si
NCO、(C3 7 O)3 SiNCO、(C4 9 O)
3 SiNCO等を挙げることができる。
【0037】また多価イソシアネート化合物を用いるこ
とが可能であり、具体的には例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4−ビフェニル−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソ
シアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソ
シアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネ
ート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシ
アネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート
のごときトリイソシアネート、4,4′−ジメチルジフ
ェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネ
ートのごときテトライソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネート
とヘキサントリオールの付加物のごときイソシアネート
プレポリマーが挙げられる。
【0038】さらにシランカップリング剤、チタネート
カップリング剤の具体例としては、例えばビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−
(β−メトキシエトキシ)ビニルシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、イソプロ
ピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタク
リルイソステアロイルチタネート等の公知の化合物が挙
げられる。また、さらに電荷輸送性能を向上させるた
め、該電荷輸送性化合物と反応する成分または、該電荷
輸送性化合物を被覆する成分に電荷輸送性を付与した化
合物を用いることができる。たとえば電荷輸送性を付与
したものとしては、下記一般式(19)で示される化合
物を挙げることができる。
【0039】
【化16】
【0040】これらの具体例を表(2)に示す。
【0041】
【表5】
【0042】電荷輸送性ポリマー粒子を溶液中に分散す
る方法としては、混合撹拌する以外にも公知の分散法を
使用できる。例えば、サンドミル、ボールミル、ペイン
トシェーカー、ホモジナイザーなどを使用する方法や、
超音波を利用する方法などである。
【0043】各層中の電荷輸送性ポリマー粒子の含有量
は、1体積%〜70体積%が好ましい。より好ましく
は、10体積%〜60体積%である。上記範囲より少な
いと摩耗性の改善効果が少なく、また、上記範囲より多
いと粒子間に間隙ができたり、粒子同士の接着性が不足
し、機械的強度が低下し、摩耗性が悪化する。電荷輸送
性ポリマー粒子を含む層のマトリクスが電気的不活性の
場合は、電荷輸送性ポリマー粒子同士の接触により電荷
を輸送することで、輸送速度を速くし、残留電位を小さ
くすることができる。そのために、電荷輸送性ポリマー
粒子を含む層のマトリクスが電気的不活性の場合は、層
中の電荷輸送性ポリマー粒子の含有量は、20体積%〜
60体積%が好ましい。
【0044】各層中の電荷輸送性ポリマー粒子の粒子径
は、体積平均粒子径で10μm以下が好ましい。より好
ましくは0.05〜5μmである。絶縁性粒子の場合
は、粒子径が大きくなるに従い残留電位の上昇が顕著と
なるが、本発明ではポリマー粒子が電荷輸送性を有して
いるため、粒子径に関わらず残留電位の上昇がないた
め、大きな粒子径を使用できる。しかし、上記範囲より
粒子径が大きくなると感光体の表面粗さが粗くなり、光
の散乱、回折などにより画像の鮮鋭さなどが悪化する。
【0045】電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性
ガス、あるいは、光、熱による感光体の劣化を防止する
目的で、電荷輸送性ポリマー粒子中に酸化防止剤、光安
定剤、熱安定剤等を添加することができる。酸化防止剤
としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレ
ンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロ
インダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有
機燐化合物等が挙げられる。光安定剤としては、公知の
ものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベ
ンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチル
ピペリジン等の誘導体、および、光励起状態をエネルギ
ー移動あるいは電荷移動により失活し得る電子吸引性化
合物または電子供与性化合物等が挙げられる。熱安定剤
としては、公知のものを用いることができ、例えば、有
機酸、無機酸の金属塩、エポキシ化合物、有機亜リン酸
エステル、金属石けん、リン酸塩、有機スズ等が挙げら
れる。
【0046】導電性支持体としては、不透明または実質
的に透明であるものを使用することができ、アルミニウ
ム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及
び、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ステン
レス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、IT
O等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、ガラス等、
あるいは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラ
スチックフィルムおよびガラス等が挙げられる。これら
の導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状
等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限
定されるものではない。さらに必要に応じて導電性支持
体の表面には、画質に影響のない範囲で各種の処理を行
うことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、
および、着色処理等、または、砂目立てなどの乱反射処
理等を行うことができる。
【0047】また、導電性支持体と感光層の間に、一層
または複数層の下引き層を設けてもよい。この下引き層
は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層へ
の電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持体
に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作
用、あるいは場合によっては導電性支持体からの光の反
射防止作用等を示す。上記下引き層としては、公知のも
のを用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹
脂、水溶性ポリエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロ
ン樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
グルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱
粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の樹脂およ
びこれらの共重合体、または、ジルコニウムアルコキシ
ド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリ
ング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独または2種以
上を混合して用いることができる。また、帯電極性と同
極性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能である。下
引き層は、上記の材料を溶剤に分散もしくは溶解し、該
分散液もしくは溶液を塗布し、乾燥・硬化することによ
り得られる。また、下引き層の層厚は、0.01〜10
μmが適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲
である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、
ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、
浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナ
イフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常
の方法を用いることができる。
【0048】本発明の電子写真感光体の感光層が単層型
の場合は、結着樹脂を溶解した溶液に電荷発生材料を分
散し、これを塗布することにより作製することができ
る。表面保護層が無い場合は、結着樹脂を溶解した溶液
に電荷発生材料と電荷輸送性ポリマー粒子を分散し、こ
れを塗布することにより作製することができる。また、
該感光層中に電荷輸送性低分子化合物、および/また
は、電荷輸送性高分子化合物を含むことができる。さら
にまた、光感度の向上、残留電位の低下などの目的のた
めに電子親和性を有する材料を含むことができる。さら
にまた、化学的安定性を保つため、酸化防止剤、および
/または、紫外線吸収剤を含むことができる。単層型に
おける感光層中の電荷発生材料と結着樹脂との配合比
(体積比)は、1:1〜1:100の範囲が好ましい。
より好ましくは、1:3〜1:50の範囲に設定され
る。電荷発生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲
より多いと、暗減衰を増大し機械的特性を悪化させる。
また、前記範囲より少ないと光感度の低下、残留電位の
増大等の障害が起きる。また、単層型における感光層の
層厚は一般的には、1〜100μmが適当であり、好ま
しくは5〜50μmの範囲に設定される。塗布方法とし
ては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、
ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、
カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることが
できる。
【0049】本発明の電子写真感光体の電荷発生層は、
電荷発生材料を真空蒸着法で直接蒸着することにより、
または、電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶解す
ることにより作製できる。また、該電荷発生層中に電荷
輸送性低分子化合物、および/または、電荷輸送性高分
子化合物を含むことができる。さらにまた、化学的安定
性を保つため、酸化防止剤、および/または、紫外線吸
収剤を含むことができる。電荷発生層の層厚は一般的に
は、0.05〜5μmが適当であり、好ましくは0.1
〜2.0μmの範囲に設定される。電荷発生層における
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(体積比)は、1
0:1〜1:10の範囲が好ましい。より好ましくは、
3:1〜1:1の範囲に設定される。電荷発生材料の結
着樹脂に対する配合比が前記範囲より多いと、暗減衰を
増大し機械的特性を悪化させる。また、前記範囲より少
ないと光感度の低下、残留電位の増大等の障害が起き
る。
【0050】電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶
解することにより電荷発生層を作製する場合には、前記
の電荷発生材料、結着樹脂、その他の添加物を溶剤に分
散・溶解し、該混合液を塗布し、乾燥・硬化することに
より得られる。塗布方法としては、ブレードコーティン
グ法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を用いることができる。本発明の電子写真
感光体における単層型の感光層および積層型の電荷発生
層に用いる電荷発生材料としては、公知のものを使用す
ることができる。例えば、非晶質セレン、セレン−テル
ル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物および
セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−S
iC等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スク
アリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ
系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩等の有機顔料および染料が使用できるが、
これらに限定されるものではない。また、これらの有機
顔料および染料は、単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。
【0051】フタロシアニン系化合物は、デジタル式の
電子写真装置に光源として現在好まれて使用されている
LEDおよびレーザーダイオードの発信波長である60
0〜850nmに優れた光感度を有するため、本発明の
電荷発生材料として特に好ましい。詳しくは、無金属フ
タロシアニン、金属フタロシアニンであり、金属フタロ
シアニンの中心金属としては、Cu、Ni、Zn、C
o、Fe、V、Si、Al、Sn、Ge、Ti、In、
Ga、Mg、Pb等が挙げられ、またこれら中心金属の
酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルキル化物、アル
コキシ化物等も使用できる。具体的には、無金属フタロ
シアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフ
タロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、バ
ナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン、ジクロロ錫フタロシアニンなどを挙げることができ
る。また、これらのフタロシアニン環に任意の置換基を
含むものも使用することができる。さらにまた、これら
のフタロシアニン環中の任意の炭素原子が窒素原子で置
換されたものも有効である。これらフタロシアニン系化
合物の形態としては、アルモルファスまたは全ての結晶
形のものが使用可能である。これ等フタロシアニン系化
合物の中でも、チタニルフタロシアニン、クロロガリウ
ムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン、およびジクロロ錫フタロシアニンは、特に優れた光
感度を有しており、電荷発生材料として特に好ましい。
【0052】本発明の電子写真感光体での単層型および
積層型での電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部
分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。これらの
結着樹脂はブロック、ランダムまたは交互共重合体であ
ることができる。また、これらの結着樹脂は、単独ある
いは2種以上混合して用いることができる。
【0053】電荷輸送層としては、従来の積層感光体に
電荷輸送層として用いられている公知のものを使用する
ことができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系
化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カ
ルバゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物また
はフルオレノン系化合物、マロンニトリル系化合物、ジ
フェノキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物を、
単独でまたは2種以上を混合して、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメ
チルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分散し
た固溶膜、あるいは、それ自身電荷輸送能を有する高分
子化合物等を用いることができる。また、セレン、アモ
ルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイト等
の電荷輸送能を有する無機物質を用いることもできる。
電荷輸送性高分子化合物としては、ポリビニカルバゾー
ル等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合
物、特開平5−232727号公報等に開示されている
ような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合
物、およびポリシラン等を挙げることができる。
【0054】さらに電荷輸送層の電荷輸送性高分子化合
物として、前記一般式(1)〜(6)で表される構造の
少なくとも1種以上を繰り返し単位として含有する電荷
輸送性樹脂の場合は、高い電荷輸送能を有し、機械的特
性にも優れているので特に好ましい。本発明で用いる電
荷輸送層の層厚は1〜100μm、好ましくは5〜50
μmに設定される。電荷輸送層は、上記の材料を溶剤に
分散もしくは溶解し、該分散液もしくは溶液を塗布し、
乾燥・硬化することにより得られる。塗布方法として
は、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティン
グ法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、
ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、
カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることが
できる。また、気相成膜可能なものは、真空蒸着法等に
より直接成膜することもできる。
【0055】単層型の感光層、または、電荷発生層と電
荷輸送層よりなる感光層の上には、さらに必要に応じて
保護層を設けてもよい。この保護層は、帯電部材から発
生するオゾンや酸化性ガス等、および紫外光等の化学的
ストレス、あるいは、現像剤、紙、クリーニング部材等
との接触に起因する機械的ストレスから感光層を保護
し、感光層の実質の寿命を改善するために有効である。
特に、薄層の電荷発生層を上層に用いる層構成におい
て、効果が顕著である。
【0056】保護層は、電荷輸送性ポリマー粒子を適当
な結着樹脂中に含有させて形成される。結着樹脂として
は、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。保護層の層
厚は0.5〜20μmが適当であり、好ましくは1〜1
0μmの範囲に設定される。また、保護層を設けた場
合、必要に応じて、感光層と保護層との間に、保護層か
ら感光層への電荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設
けることができる。このブロッキング層としては、保護
層の場合と同様に公知のものを用いることができる。
【0057】本発明の電子写真感光体においては、電子
写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは、
光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、各層また
は最上層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等を添加
することができる。 酸化防止剤としては、公知のもの
を用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、
ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロ
キノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれ
らの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げら
れる。光安定剤としては、公知のものを用いることがで
き、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジ
チオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導
体、および、光励起状態をエネルギー移動あるいは電荷
移動により失活し得る電子吸引性化合物または電子供与
性化合物等が挙げられる。熱安定剤としては、公知のも
のを用いることができ、例えば、有機酸、無機酸の金属
塩、エポキシ化合物、有機亜リン酸エステル、金属石け
ん、リン酸塩、有機スズ等が挙げられる。さらに、表面
摩耗の低減、転写性の向上、クリーニング性の向上等を
目的として、最表面層にフッ素樹脂等の絶縁性粒子を分
散させてもよい。
【0058】これまで述べてきた本発明の電子写真感光
体は、従来公知の電子写真装置に用いることができる。
即ち、感光体上に潜像を形成する手段、該潜像を現像剤
を用いて現像する手段、現像されたトナー像を転写体上
に転写する手段、及び転写体上のトナー像を加熱定着す
る定着手段を有する電子写真装置において、前記感光体
として、本発明の電子写真感光体を用いることにより、
長期の繰り返し印刷を行った場合にも画像濃度が低下せ
ず、安定した画像を得ることのできる、耐久性のある電
子写真装置を提供することができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、当業者は電子写真技術の公知の知見か
ら、以下の実施例に変更を加えることが可能である。 電荷輸送性ポリマー粒子の調製例 [調製例1]電荷輸送性高分子化合物として表1に記載
のポリエステル樹脂(高分子化合物1)20gをトルエ
ン150gに溶解し、電荷輸送性高分子化合物と反応し
うる化合物としてトリメチロールプロパンキシリデンジ
イソシアネート3モル付加物(商品名:タケネートD1
10N,武田薬品工業製)3.0gを加え、油性層混合
液を作製する。得られた油性層混合液を、水性媒体とし
てポリビニルアルコール1.0%水溶液1.0kgを用
いて8000rpmの回転数にて乳化分散を行った後、
60℃の恒温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し,
蒸留水で洗浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの
架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。この
電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に対する溶解性を調
べたところエステル系、アミド系、ハロゲン系、スルホ
キサイド系、などの溶媒に対して不溶であることが確認
できた。
【0060】[調製例2]電荷輸送性高分子化合物とし
て表1に記載のポリエステル樹脂(高分子化合物17)
20gをトルエン150gに溶解し、油性層混合液を作
製した。得られた油性層混合液を、水性媒体としてポリ
ビニルアルコール1.0%水溶液1.0kg中で、80
00rpmの回転数にて乳化分散を行った後、60℃の
恒温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し,蒸留水で
洗浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの電荷輸送
性ポリマー粒子を15g得た。
【0061】[調製例3]電荷輸送性高分子化合物とし
て表1に記載のポリエステル樹脂(高分子化合物1)2
0gをトルエン150gに溶解し、油性層混合液を作製
した。得られた油性層混合液を、水性媒体としてポリビ
ニルアルコール1.0%水溶液1.0kg中で、800
0rpmの回転数にて乳化分散を行った後、60℃の恒
温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し,蒸留水で洗
浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの電荷輸送性
ポリマー粒子を20g得た。
【0062】[調製例4]電荷輸送性高分子化合物とし
て調製例3の高分子化合物1の代わりに、表1に記載の
アクリル樹脂(高分子化合物12)を25g用い、水性
媒体としてヘキサデシルピリジニウムクロライド1水和
物1.0%水溶液1.0kgを用いた以外は同様に操作
を行い平均粒径0.3μmの電荷輸送性ポリマー粒子を
20g得た。
【0063】[調製例5]電荷輸送性高分子化合物とし
て調製例1のポリエステル樹脂の代わりに、表1に記載
のアクリル樹脂(高分子化合物11)を25g用い、電
荷輸送性高分子化合物と反応する電荷輸送性を付与した
化合物として、表2に記載の化合物(1)を有するもの
を4.1gを用い、さらに水性媒体としてヘキサデシル
ピリジニウムクロライド1水和物1.0%水溶液1.0
kgを用いた以外は同様に操作を行い平均粒径0.3μ
mの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。
同様にこの電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に対する
溶解性を調べたところエステル系、アミド系、ハロゲン
系、スルホキサイド系、などの溶媒に対して不溶である
ことが確認できた。
【0064】[調製例6]電荷輸送性化合物として前記
低分子化合物(3)を20g用い電荷輸送性化合物と反
応しうる化合物としてジビニルベンゼン0.5g、過酸
化ベンゾイル1.1mgを加え、油性層混合液を作製す
る。得られた油性層混合液を、水性媒体としてポリビニ
ルアルコール1.0%水溶液1.0kgを用いて800
0rpmの回転数にて乳化分散を行った後、80℃の恒
温槽にて5時間常圧にてトルエンを除去し,蒸留水で洗
浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.8μmの架橋された
電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。電荷輸送性ポリ
マー粒子の有機溶媒に対する溶解性については調製例1
と同様の結果を示した。
【0065】実施例1 ポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ−400、三菱
ガス化学(株)製)8重量部を予めトルエン90部に溶
解した溶液に、クロロガリウムフタロシアニン2重量部
と調製例1で得られた電荷輸送性ポリマー10重量部を
加え、24時間サンドミルで分散し、光感光層用塗布液
を調製した。得られた塗布液をアルミニウム基板上に浸
漬塗布し、100℃にて1時間加熱乾燥し、層厚15μ
mの感光層を有する単層型の電子写真感光体を作製し
た。感光層中の電荷輸送性ポリマー粒子の含有量は約5
5体積%である。このようにして得られた電子写真感光
体に対し、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティッ
クアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社
製)を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境
下、電子写真特性の評価を行った。コロナ放電電圧を調
整し、感光体表面を750Vに帯電させた後、干渉フィ
ルターを通し750nmに単色化したハロゲンランプ光
を感光体表面上で2mW/m2 の光強度になるように調
整し、7秒間照射し、光誘起電位減衰曲線より半減露光
量E50%を求めた。また、露光開始より7秒後の電位
を残留電位とした。E50%は4.2mJ/m2 、残留
電位は50Vであった。さらに、アルミニウム基板の代
わりにアルミニウムドラムを使用した以外は、上記同様
に電子写真感光体を作製し、レーザープリンター(La
ser Press 4105、富士ゼロックス社製)
に搭載した。このレーザプリンターは負帯電感光体用で
あるため、正帯電感光体用に改造し、3万枚の実機走行
試験を行った。3万枚の実機走行試験後の感光層の層厚
と実機走行前の層厚との差をとり、これを摩耗量とし
た。摩耗量は2.5μmであった。
【0066】比較例1 電荷輸送性ポリマーを加えなかった以外は、実施例1と
同様にアルミニウム基板およびアルミニウムドラムを基
体とする感光体を作製した。実施例1と同様に電子写真
特性の評価を行った結果、E50%は8mJ/m2 、残
留電位は60Vであった。
【0067】比較例2 電荷輸送性ポリマーの代わりに低分子電荷輸送材として
構造式(10)で示される化合物を加えた以外は、実施
例1と同様にアルミニウム基板およびアルミニウムドラ
ムを基体とする感光体を作製した。実施例1と同様に電
子写真特性の評価を行った結果、E50%は3.6mJ
/m2 、残留電位は40Vであった。また、実施例1と
同様に実機走行試験を行った。摩耗量は5.5μmであ
った。
【0068】
【化17】
【0069】実施例1と比較例1および2を比較する
と、実施例1で得られた電荷輸送性ポリマーが有効に電
荷輸送に寄与し、低分子電荷輸送剤を添加して電荷輸送
能を得るよりも、電荷輸送性ポリマー粒子を添加して電
荷輸送能を得る本発明の感光体の方が、耐摩耗性に優れ
たものであることが分かる。
【0070】実施例2 ポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ−400、三菱
ガス化学(株)製)8重量部を予めトルエン89部に溶
解した溶液に、クロロガリウムフタロシアニン3重量部
を加え、24時間サンドミルで分散し、感光層用塗布液
を調製した。得られた塗布液をアルミニウム基板上に浸
漬塗布し、100℃にて1時間加熱乾燥し、層厚15μ
mの感光層を作製した。次に、ポリビニルブチラール樹
脂(エスレック BM−S、積水化学(株)製)5重量
部とn−ブタノール92重量部、調製例2の電荷輸送性
ポリマー粒子3重量部の混合物をボールミルにて24時
間分散した塗布液を上記電荷輸送層上にスプレー塗布
し、50℃において1時間乾燥したのち、150℃にお
いて30分加熱硬化し、層厚2μmの表面保護層を形成
し、図7に示される層構成の電子写真感光体を形成し
た。感光層中の電荷輸送性ポリマーの含有量は約40体
積%である。実施例1と同様に電子写真特性を評価した
ところ、E50%は6.5mJ/m2 、残留電位は90
Vであった。さらにアルミニウム基板の代わりにアルミ
ニウムドラムを使用した以外は、上記同様に電子写真感
光体を作製し、実施例1と同様に実機走行試験を行っ
た。摩耗量は1.8μmであった。
【0071】比較例3 電荷輸送性ポリマー粒子を加えなかった以外は、実施例
3と同様に感光体を作製し、実施例1と同様に電子写真
特性の評価を行った結果、E50%は14mJ/m2
上であった。
【0072】実施例3 アルミニウム基板上に、ジルコニウムアルコキシド化合
物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬
社製)20重量部およびγーアミノプロピルトリエトキ
シシラン(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2
重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレック BM
−S、積水化学(株)製)1.5重量部とn−ブタノー
ル70重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、170℃において10分間加熱乾燥し、層厚1.0
μmの下引き層を形成した。次にクロロガリウムフタロ
シアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂V
MCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレン
67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、1
mmφガラスビーズとともにサンドグラインダーで2時
間処理して分散した後、得られた塗布液を浸漬コーティ
ング法で上記下引き層上に塗布し、100℃において1
0分間加熱乾燥し、層厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。次に、高分子電荷輸送材料である分子量8万の下
記構造式(11)で示される繰り返し単位よりなる化合
物20重量部をモノクロロベンゼン80重量部に溶解し
た後、調製例5の電荷輸送性ポリマー粒子を10重量部
加え撹拌して分散させ塗布液を調製した。この塗布液
を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、
135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚20μm
の電荷輸送層を形成し、図4に示す層構成の電子写真感
光体を作製した。感光層中の電荷輸送性ポリマーの含有
量は約33体積%である。
【0073】
【化18】
【0074】このようにして得られた電子写真感光体
を、帯電極性を負にしたこと以外は実施例1と同様に電
子写真特性の評価を行った。E50%は3.4mJ/m
2 、残留電位は−30Vであった。さらにアルミニウム
基板の代わりにアルミニウムドラムを使用した以外は、
上記同様に電子写真感光体を作製し、正帯電感光体用に
改造しなかったこと以外は実施例1と同様に実機走行試
験を行った。摩耗量は0.6μmであった。
【0075】比較例4 電荷輸送性ポリマー粒子を加えなかったこと以外は実施
例3と同様にアルミニウムドラムを基体とする電子写真
感光体を作製し、実機走行試験を行った。摩耗量は1.
0μmであった。
【0076】実施例4 実施例3と同様にアルミニウム基板上に下引き層、電荷
発生層を塗布した。次に、高分子電荷輸送材料である分
子量8万の構造式(11)で示される繰り返し単位より
なる化合物20重量部をモノクロロベンゼン80重量部
に溶解し、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗
布し、135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚2
0μmの電荷輸送層を形成した。次に、γ−グリシドキ
シエチルプロピルジエトキシシラン30重量部、モノメ
チルトリエトキシシラン12重量部、アミノメチルトリ
プロポキシシラン12重量部、水10重量部を混合、撹
拌し、ブタノール100重量部、調製例1の電荷輸送性
ポリマー粒子30重量部を加え、ペイントシェーカーに
て分散した塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、1
50℃において30分加熱硬化し、層厚2μmの表面保
護層を形成し、図8に示される層構成の電子写真感光体
を形成した。感光層中の電荷輸送性ポリマーの含有量は
約38体積%である。実施例3と同様に電子写真特性を
評価したところ、E50%は4.5mJ/m2 、残留電
位は−60Vであった。さらにアルミニウム基板の代わ
りにアルミニウムドラムを使用した以外は、上記同様に
電子写真感光体を作製し、実施例3と同様に実機走行試
験を行った。摩耗量は0.5μmであった。
【0077】比較例5 実施例4と同様にアルミニウムドラム上に下引き層、電
荷発生層、電荷輸送層を塗布した。次に、γ−グリシド
キシエチルプロピルジエトキシシラン30重量部、モノ
メチルトリエトキシシラン12重量部、アミノメチルト
リプロポキシシラン12重量部、水10重量部を混合、
撹拌し、メチルセロソルブ100重量部に構造式(1
0)の低分子電荷輸送剤30重量部を溶解した液を加え
た塗布液を上記電荷輸送層上に塗布し、150℃におい
て30分加熱硬化し、層厚2μmの表面保護層を形成
し、電子写真感光体を作製した。実施例3と同様に実機
走行試験を行った。摩耗量は1.1μmであった。
【0078】実施例5 実施例3と同様にアルミニウム基板上に下引き層、電荷
発生層を塗布した。次に、高分子電荷輸送材料である分
子量8万の構造式(11)で示される繰り返し単位より
なる化合物20重量部をモノクロロベンゼン80重量部
に溶解し、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗
布し、135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚2
0μmの電荷輸送層を形成した。次に、ポリエステル樹
脂溶液(アルマテックスP645、三井東圧化学製)4
重量部、メラミン樹脂(ユーバン20−HS、三井東圧
化学製)1重量部、調製例1の電荷輸送性ポリマー粒子
3重量部、シクロヘキサノン40重量部、2−ブタノン
52重量部の混合物をボールミルにて24時間分散した
塗布液を上記電荷輸送層上にスプレー塗布し、50℃に
おいて1時間乾燥したのち、150℃において30分加
熱硬化し、層厚2μmの表面保護層を形成し、図8に示
される層構成の電子写真感光体を形成した。保護層中の
電荷輸送性ポリマーの含有量は約40体積%である。実
施例3と同様に電子写真特性を評価したところ、E50
%は8mJ/m2 、残留電位は−90Vであった。さら
にアルミニウム基板の代わりにアルミニウムドラムを使
用した以外は、上記同様に電子写真感光体を作製し、実
施例3と同様に実機走行試験を行った。摩耗量は0.8
μmであった。
【0079】実施例6 実施例3と同様にアルミニウム基板上に下引き層、電荷
発生層を塗布した。次に、非晶質脂肪族ポリオレフィン
(商品名:ゼオネックス480、日本ゼオン社製)8重
量部をシクロヘキサン80重量部に溶解し、調製例3の
電荷輸送性ポリマー粒子12重量部を加え、1mmφの
ガラスビーズを用いてペイントシェーク法により2時間
分散処理した。得られた分散液を、上記電荷発生層上に
浸漬コーティング法にて塗布した後、115℃で30分
間加熱乾燥させて、層厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。この電荷輸送層中の電荷輸送性ポリマー粒子の体積
比率はおよそ50%であった。また、電荷輸送性ポリマ
ー粒子の平均粒子径は0.5μmであった。CTL中の
電荷輸送性ポリマーの含有量は約55体積%である。実
施例3と同様に電子写真特性を評価したところ、E50
%は4.0mJ/m2 、残留電位は−40Vであった。
さらにアルミニウム基板の代わりにアルミニウムドラム
を使用した以外は、上記同様に電子写真感光体を作製
し、実施例3と同様に実機走行試験を行った。摩耗量は
1.0μmであった。
【0080】実施例7〜10 調製例1の電荷輸送性ポリマー粒子の代わりに表3に示
す調製例の電荷輸送性ポリマー粒子を使用した以外は、
実施例6と同様にアルミニウム基板およびアルミニウム
ドラムを基体とする電子写真感光体を作製し、実施例3
と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
【0081】
【表6】
【0082】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、導電性基体
上に感光層を設けた電子写真感光体において、該感光層
中に電荷輸送性ポリマー粒子を含有するため、繰り返し
使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位の少ない、高
速応答性に優れた電子写真感光体を提供することが可能
である。さらに、かかる電子写真感光体を電子写真装置
に用いることにより、長期の繰り返し印刷を行った場合
にも画像濃度が低下せず、安定した画像を得ることので
きる、耐久性のある電子写真装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図5】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図6】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図7】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図8】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:電荷輸送性ポリマー粒子 2:導電性支持体 3:感光層 4:下引き層 5:電荷発生層 6:電荷輸送層 7:第1の電荷輸送層 8:第2の電荷輸送層 9:表面保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 5/07 G03G 5/07 15/02 101 15/02 101 (72)発明者 阿形 岳 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 坂口 泰生 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 良作 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性基体上に単層もしくは
    2層以上の層からなる感光層を設けた電子写真感光体に
    おいて、該感光層の少なくとも最表層中に電荷輸送性ポ
    リマー粒子を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記感光層が結着樹脂中に電荷発生材料
    が分散されてなる単層型であることを特徴とする請求項
    1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記感光層が少なくとも電荷発生層と電
    荷輸送層よりなり、該電荷輸送層中に電荷輸送性ポリマ
    ー粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電荷輸送層が2層以上の電荷輸送材
    料を含む層よりなり、少なくともその最表層に電荷輸送
    性ポリマー粒子を含有することを特徴とする請求項3に
    記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記電荷輸送層が電荷輸送性高分子化合
    物中に電荷輸送性ポリマー粒子が分散されてなることを
    特徴とする請求項3ないし請求項4のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記電荷輸送性ポリマー粒子が、下記一
    般式(1)〜(6)で示される高分子化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の電子写真感光体。 【化1】 上式においてAもしくはBは、置換されていてもよい1
    価または2価の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素
    基を示し、かつAまたはBの少なくとも一方は下記一般
    式(7)〜(15)を表し、pは5〜5000の整数を
    表す。 【化2】 ここで、一般式(7)〜(8)に記載されるそれぞれの
    R1〜R4はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルコ
    キシ基、置換アミノ基、ハロゲン、置換あるいは、未置
    換のアリール基を示し、Xは置換あるいは、未置換の2
    価のアリール基を示す。k,lはそれぞれ0あるいは1
    から選ばれる整数を示す。Tは炭素数1〜10の枝分か
    れしてもよい2価のアルキル、アリル、アルキルカルボ
    ニル、アリルカルボニル、アルキルアミノ、アリルアミ
    ノ、水酸化アルキル、水酸化アリル基を示す。Xで表す
    置換もしくは未置換の芳香族環を含む2価の炭化水素基
    またはヘテロ原子含有炭化水素基として、下記の基
    (1)〜(7)から選択されたものが挙げられる。フェ
    ニル基、置換または未置換のアラルキル基、ハロゲンを
    表し、aは、0または1を意味する。Vは下記の基
    (8)〜(17)から選択されたものが挙げられる。b
    は、1〜10の整数を意味し、cは、1〜3の整数を意
    味する。) 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  7. 【請求項7】 前記電荷輸送性ポリマー粒子が架橋され
    た電荷輸送性ポリマーよりなることを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記電荷輸送層が架橋された樹脂中に電
    荷輸送性ポリマー粒子が分散されてなることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電子写真
    感光体。
  9. 【請求項9】 感光体上に潜像を形成する手段、該潜像
    を現像剤を用いて現像する手段、現像されたトナー像を
    転写体上に転写する手段、及び転写体上のトナー像を加
    熱定着する定着手段を有する電子写真装置において、前
    記感光体が請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の
    電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221810A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、これを用いた画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2006259030A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、製造方法、電子写真装置
JP2011118046A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2012063674A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Sanyo Chem Ind Ltd 電子写真感光体及び画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2012203403A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

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