JP3559671B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する保護層と特定の樹脂を含有する感光層を有する電子写真感光体、それを有する電子写真装置及び電子写真装置ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は米国特許第2297691号明細書に開示されるように、画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ、暗所では絶縁性の物質をコ−ティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめること等が挙げられる。
【0003】
従来より電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかし、これ等は前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性及び生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で、様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば、米国特許第3837851号明細書にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体、米国特許第3871880号明細書にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体が公知である。
【0005】
更に、有機光導電性化合物はその化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えばアゾ顔料に関しては特開昭61−272754号公報及び特開昭56−167759号公報に可視領域で高感度を有する化合物が開示されており、また、特開昭57−19576号公報及び特開昭61−228453号公報には赤外領域まで感度を有する化合物が開示されている。
【0006】
これ等の材料のうち赤外領域に感度を示すものは、近年進歩の著しいレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(以下、LBPと略す)やLEDプリンタ−に使用され、その需要頻度は高くなってきている。
【0007】
これ等の有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度及び電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナ−現像、転写工程、表面クリ−ニング等の電気的及び機械的外力が直接加えられるため、それ等に対する耐久性が要求される。具体的には、帯電時のオゾン及び窒素酸化物による電気的劣化、あるいは帯電時の放電やクリ−ニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化及び電気的劣化に対する耐久性が求められている。電気的劣化は光が照射した部分にキャリアが滞留し、光が照射していない部分と電位差が生じる現象が特に問題であり、これはフォトメモリ−として生じる。
【0008】
無機感光体と異なり、物質的に柔らかいものが多い有機感光体は機械的劣化に対する耐久性が劣り、耐久性向上は特に切望されているものである。上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるために、感光層表面に樹脂を主成分とする表面保護層を設ける試みがなされている。例えば、特開昭56−42863号公報、特開昭53−103741号公報には、硬化型樹脂を主成分とする保護層を用いることにより硬度や耐摩耗性を向上させることが開示されている。
【0009】
しかし、これ等硬化型の樹脂を表面保護層として用いると、特に下層となる感光層が樹脂を主成分とする有機感光層の場合、硬化型樹脂が硬化する際に生じる収縮によって保護層や感光層に亀裂が入り、得られる画像に欠陥が発生してしまうことがあった。これ等の亀裂に対する対策として特開平5−100464号公報には、アクリル系モノマ−を用いた光硬化型保護層が開示されている。
【0010】
また、より優れた画像を得るために、感光体の保護層には高い硬度及び優れた耐摩耗性等の特性だけではなく、保護層自体の抵抗が適当であることが要求される。
【0011】
保護層の抵抗が高過ぎる場合、帯電−露光といった電子写真プロセスを繰り返すことにより保護層に電荷が蓄積されてゆく結果、残留電位の上昇が起こり画像の不安定を引き起こす。また、保護層の抵抗が低過ぎる場合は静電潜像を形成する電荷が保護層中の面方向に流れてしまい、画像の滲みまたはボケを引き起こす。
【0012】
特に近年、LBP、複写機等の毎分10枚以上のプリントを行う高速プロセスにまで有機感光体が使用されており、繰り返し使用時における耐久性の向上が必須になってきているが、保護層を形成した電子写真感光体の残留電位は依然高く、高速プロセスに対応した電子写真装置に使用するのは困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繰り返し使用時における残留電位の蓄積がなく高速プロセスに適応し、かつ、画像劣化を生じない耐擦性に優れた電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、均一に硬化された保護層を有した電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、保護層形成時に生じる残留電位を低くした電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、保護層を形成した電子写真感光体の高感度化、及びフォトメモリ−の小さい電子写真感光体を提供することにある。
【0014】
更に、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有する高速プロセスに対応できるプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体上に感光層及び該感光層に接している保護層を有する電子写真感光体において、該保護層が、該感光層上の光硬化型アクリル系モノマーを含む塗工膜を硬化せしめたものであり、該感光層が数平均分子量10万以上のポリカ−ボネ−トを含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
【0016】
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【0017】
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することをを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
まず、保護層について説明する。本発明においては、電子写真感光体の機械的強度及び耐擦性は、感光層上に形成される保護層によって向上している。該保護層は光硬化型樹脂、好ましくは光硬化型アクリル系モノマ−を硬化した樹脂を含有する。
【0019】
アクリル系モノマ−の具体例を表1〜5に示す。
【表1】
Figure 0003559671
【表2】
Figure 0003559671
【表3】
Figure 0003559671
【表4】
Figure 0003559671
【表5】
Figure 0003559671
【0020】
本発明においては、2種以上の光硬化型アクリル系モノマ−を用いることができ、また、他の樹脂、例えばポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、アルキド樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を混合して用いることもできる。
【0021】
アクリル系モノマ−を硬化させる際には光開始剤を用いる。光開始剤の添加量は、アクリル系モノマ−の全重量に対し0.1〜80%が好ましく、0.5〜50%がより好ましい。用いる光開始剤を表6に示すが、これ等に限られるものではない。
【表6】
Figure 0003559671
【0022】
保護層には、保護層の抵抗をコントロ−ルするという観点から、金属酸化物粒子等の導電性粒子を分散含有することが望ましい。導電性金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等が挙げられる。また、インジウムをド−プした酸化スズ、酸化ジルコニウム等不純物レベルを作るために、ド−バントを添加または結晶格子の酸素を欠損させてもよい。これ等の金属酸化物は1種または2種以上を混合して用いる。金属酸化物粒子の含有量は、保護層の全固形分重量の5〜90%が好ましく、10〜90%がより好ましい。金属酸化物の含有量が5%未満の場合には保護層としての抵抗が高くなり過ぎることがあり、90%を越えると感光体表面層として低抵抗となり易く、帯電能の低下やピンホ−ルの原因となることがある。
【0023】
また、本発明においては分散性、接着性及び耐環境特性を更に向上させるため、保護層に各種カップリング剤及び酸化防止剤を添加してもよい。
【0024】
本発明に用いられる保護層の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、0.5〜7μmがより好ましい。保護層の塗工方法は一般的なコ−ティング方法なら全て使用可能であり、生産性の点で浸漬コ−ティング法が好ましい。
【0025】
次に、保護層に接する感光層について説明する。保護層の下層には感光層、好ましくは、電荷輸送材料とバインダ−樹脂からなる電荷輸送層が形成される。近年の高速プロセスに対応するためには、感光体の残留電位を低下させる必要がある。単純に保護層の抵抗を低下させるのならば、保護層中の金属酸化物粒子の量を増加させることである程度のコントロ−ルが可能であるが、残留電位は十分に低下させることができない
【0026】
本発明者は残留電位を低下させることを目的に鋭意検討の結果、保護層と接する感光層の樹脂と残留電位との相関を見出した。即ち、保護層と接する感光層のバインダ−樹脂に数平均分子量(以下、Mnと略す)10万以上の樹脂、好ましくはMn10万以上のポリカ−ボネ−トを用いることによって、残留電位を低下させることができ、しかも、耐久による残留電位の蓄積を回避でき、その上に形成する保護層を均一に硬化できることを見出した。
【0027】
次に、本発明に至った経緯を簡単に説明する。保護層形成時にアクリル系モノマ−を使用すると、モノマ−自体が有機溶剤的に作用し、塗布される側の感光層を侵食する。
【0028】
感光層にバインダ−樹脂として含有させたポリカ−ボネ−ト自体は、モノマ−に対して完全に溶解するわけではないので感光層、保護層界面近傍でポリカ−ボネ−トの大部分は膨潤し、感光層の電荷輸送材料または一部のバインダ−樹脂本体が保護層中にマイグレ−トし、重合開始剤やアクリルモノマ−と影響しあい電気的トラップを形成し、保護層の抵抗を減少しても残留電位が上昇するものと考えられる。
【0029】
電荷輸送材料自体は低分子量であり、少量のマイグレ−トは必ず発生すると思われる。
【0030】
本発明者は、バインダ−樹脂のアクリル系モノマ−に対する溶解性を低下させるために分子量を上げることを考え、更に、分子量を一定以上の値とすることによって電荷輸送材料のアクリル系モノマ−へのマイグレ−トを大幅に低下することも見出し、本発明に至った。
【0031】
さらに、バインダ−樹脂としては耐溶剤性及び感光層を形成したときの硬度よりポリカ−ボネ−トが最適である。ポリエステル、ポリスチレン等の一般熱可塑性樹脂は硬度的に問題があり、保護層を有する電子写真感光体としては亀裂等の点で好ましくない。また、フェノ−ル樹脂、ウレタン樹脂に代表される熱硬化性樹脂は残存極性基が多く感度的に問題が多い。
【0032】
ポリカ−ボネ−トはそれらの点で最適であり、分子の大きさMnについて考察したところ、Mnとして10万以上のポリカ−ボネ−トを使用することによって残留電位がすこぶる微小になることが判明した。
【0033】
更に、本発明の電荷輸送層と保護層を用いることにより電荷発生層と電荷輸送層とのエレクトロンの受け渡しが良好となる模様で感度アップの効果も見られる。更に、電荷輸送材料のマイグレ−トが抑えられるために保護層、電荷発生層近傍間で保護層の硬化が十分に進み耐久性の向上を行うことができる。
【0034】
ポリカ−ボネ−トのMnはゲルパ−ミネションクロマトグラフィ−(以下、GPCと略す)から一般的な手法で測定することができる。使用するポリカ−ボネ−トはホモポリマ−、コポリマ−のいずれでもよく、ポリマ−として全体のMnが10万以上ならばその構成モノマ−に限定はない。塗工性を考慮した場合、分子量的には10万〜100万の範囲が好ましく、より好ましくは10万〜30万である。
【0035】
ポリカ−ボネ−トは単独またはブレンドして使用してもよい。ただし、ブレンドする相手のMnが10万未満のポリカ−ボネ−トの場合は10万以上のポリカ−ボネ−トが50重量%以上、より好ましくは75重量%以上含まれることが好ましい。
【0036】
次に、バインダ−樹脂と共に用いる電荷輸送材料であるが、各種のトリアリ−ルアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾ−ル系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾ−ル系化合物等が挙げられる。
【0037】
主に電荷輸送材料とポリカ−ボネ−トとからなる電荷輸送層は膜厚4〜30μmが好ましく、5−20μmがより好ましい。電荷輸送材料とポリカ−ボネ−トの比率は重量比で1/10〜10/5が好ましく、5/10〜10/10がより好ましい。
【0038】
保護層に接する感光層が電荷輸送層の場合、その下層は電荷発生層である。電荷発生層は電荷発生材料とバインダ−樹脂との組み合わせで形成することが好ましいが、電荷発生材料単独で形成してもよい。
【0039】
電荷発生材料としてはフタロシアニン顔料、アゾ顔料、アントアントロン顔料等が挙げられる。
【0040】
バインダ−樹脂としては、ポリエステル、ポリアクリル、ポリビニルカルバゾ−ル、フェノキシ樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン、ポリビニルアセテ−ト、ポリサルフォン、ポリアリレ−ト、塩化ビニリデン・アクリロニトリロコポリマ−、ポリビニルベンザ−ル等が主として使用される。
【0041】
バインダ−樹脂と電荷発生材料を混合する場合は、バインダ−樹脂を有機溶剤に溶解し、電荷発生材料をバインダ−樹脂溶液中で分散する。バインダ−樹脂と電荷発生材料の比率は重量比で1/5〜5/1が好ましく、1/2〜3/1がより好ましい。
【0042】
感光層の塗布方法としては、浸漬コ−ティング法、スプレ−コ−ティング法、スピンナ−コ−ティング法、ビ−ドコ−ティング法、ブレ−ドコ−ティング法、ビ−ムコ−ティング法等の方法が挙げられる。更に、電荷発生材料を直接蒸着して電荷発生層を形成することもできる。
【0043】
電荷発生層の下層には、接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリエチレンオキシド、エチルセルロ−ス、カゼイン、ポリウレタン、ポリエ−テルウレタン等が挙げられる。これ等は適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.1〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。。
【0044】
中間層の下層にはLBP等画像入力がレ−ザ−光の場合は散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好ましい。導電層はカ−ボンブラック、金属粒子等の導電性粉体をバインダ−樹脂中に分散して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
【0045】
前述の各層を形成するための導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウム等の金属、あるいは導電層を設けた金属、プラスチック、紙等が挙げられ、形状としては円筒状、フィルム状等が挙げられる。
【0046】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0047】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。尚、一次帯電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0048】
本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等により照射される光である。
【0049】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、CRTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版等の電子写真応用分野にも広く利用することができる
【0050】
【実施例】
実施例1
30φ、260mmのアルミニウムシリンダ−を支持体とし、支持体上に下記材料より構成される塗料を浸漬コ−ティング法で塗布し、140℃、30分間熱硬化して膜厚15μmの導電層を形成した。
導電性顔料として酸化スズコ−ト処理酸化チタン10部(重量部、以下同じ)、抵抗調節用顔料として酸化チタンを10部、バインダ−樹脂としてフェノ−ル樹脂を10部、レベリング剤としてシリコ−ンオイルを0.001部、溶剤としてメタノ−ル/メチルセロソルブ=1/1を20部。
【0051】
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノ−ル65ブ及びn−ブタノ−ル30部に溶解した溶液を浸漬コ−ティング法で塗布して膜厚0.5μmの中間層を形成した。
【0052】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°、14.0°、23.9°、27.1°に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM−2、積水化学(株)製)2部及びシクロヘキサノン80部を、φ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、メチルエチルケトン115部を加えて電荷発生層用分散液を得た。該分散液を前記中間層上に浸漬コ−ティング法で塗布して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0053】
次に、下記構造式のアミン化合物10部、
【化2】
Figure 0003559671
及び後記表7に記載のサンプル1のポリカ−ボネ−ト(Mn110000)10部をクロロベンゼン20部及びジクロルメタン40部に溶解して塗料を調製した。この塗料を前記電荷発生層上に浸漬コ−テイング法で塗布し、110℃1時間乾燥し、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0054】
次に、保護層用の調合液を下記の手順で調製した。平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品名T−1、三菱マテリアル(株)製)100部、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学(株)製)30部及び95%エタノ−ル5%水溶液300部を、ミリング装置で1時間の加熱処理した溶液をろ過し、エタノ−ルで洗浄後、乾燥し、120℃で1時間加熱処理をすることにより微粒子の表面処理を行った。
【0055】
次に、バインダ−樹脂として前記アクリルモノマ−例示化合物23を25部、光重合開始剤としての2−メチルチオキサントン0.5部、及び前記表面処理を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子35部及びトルエン300部を混合してサンドミル装置で96時間分散した分散液に、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)25部を混合してサンドミル装置で8時間分散して保護層用の分散液を調製した。
【0056】
調製した分散液を前記電荷輸送層上にスプレ−塗布し、乾燥後、高圧水銀灯にて800mW/cmの光強度で15秒間紫外線照射ことによって膜厚3μmの保護層を形成した。
【0057】
表7及び8にポリカ−ボネ−トのポリマ−構成の例としてサンプル1〜11を挙げる。
【表7】
Figure 0003559671
【表8】
Figure 0003559671
【0058】
実施例2〜11
電荷輸送層のバインダ−樹脂として、表7及び表8に記載のサンプル2〜11のポリカ−ボネ−ト(Mnは全て110000±5000の範囲を選択した)を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0059】
実施例1〜11で作成した電子写真感光体を23℃。30%RH下で一晩放置後、キヤノン(株)製レ−ザ−ビ−ムプリンタ−LBPNXに装着して残留電位を測定した。
【0060】
測定は、現像器及びクリ−ナ−を外したカ−トリッジを用意し、明部電位を5枚相当プリント相当流し、5枚目の電位をVとし、その後レ−ザ−を照射したまま一次帯電を切り、5回転目の電位を残留電位とした。
【0061】
次に、15000枚通紙耐久を行い、耐久直後の残留電位V及び表面の削れ量(μ)を測定した。
【0062】
更に、別に用意した実施例1〜11の電子写真感光体に蛍光灯を用いて2000ルックス、6分間の光を照射し、照射後2分間暗所放置した後、前述と同じ方法でVを測定し、初期のVから照射後のVを引いたものをフォトメモリ−とした。結果を表9及び表10に示す。
【0063】
【表9】
Figure 0003559671
【表10】
Figure 0003559671
【0064】
比較例1〜
電荷輸送層のバインダ−樹脂として、表7に記載のサンプル1のMn20000、Mn40000、Mn80000、表8に記載のサンプル8のMn40000、Mn60000、Mn80000、及び表8に記載のサンプル9のMn80000を用いた他は、実施例1と同様にして比較例1〜の電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表11及び表12に示す。
【0065】
【表11】
Figure 0003559671
【表12】
Figure 0003559671
【0066】
実施例12〜20
保護層において用いるバインダ−樹脂を表5に記載のアクリルモノマー例示化合物22を用いた他は、それぞれ実施例1〜9と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表13及び表14に示す。
【0067】
【表13】
Figure 0003559671
【表14】
Figure 0003559671
【0068】
実施例21−23
電荷輸送層において用いるバインダ−樹脂を表7に記載のサンプル1のMn150000、Mn200000、Mn300000のポリカ−ボネ−トを用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表15及び表16に示す。
【0069】
【表15】
Figure 0003559671
【表16】
Figure 0003559671
【0070】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、保護層による優れた機械的耐久性を維持しつつ、残留電位を低減でき、耐久による残留電位上昇による画像劣化を防ぎ、かつ電気的には高感度化、及びフォトメモリ−の低減をするという顕著な効果を奏し、この効果は、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に適用して同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリ−ニング手段
10 前露光光
11 プロセスカ−トリッジ
12 レ−ル

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に感光層及び該感光層に接している保護層を有する電子写真感光体において、
    該保護層が、該感光層上の光硬化型アクリル系モノマーを含む塗工膜を硬化せしめたものであり、該感光層が数平均分子量10万以上のポリカ−ボネ−トを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記光硬化型アクリル系モノマ−が、2個以上のアクリロイル基を有する請求項記載の電子写真感光体。
  3. 前記ポリカ−ボネ−トの含有量が、前記感光層に含有される全樹脂の100〜50重量%である請求項記載の電子写真感光体。
  4. 前記ポリカ−ボネ−トが下記式(1)で示される構成単位を有する請求項記載の電子写真感光体
    Figure 0003559671
  5. 該感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該保護層に接する感光層が電荷輸送層である請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
  7. 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及びクリ−ニング手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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