JP2002123028A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002123028A
JP2002123028A JP2000312318A JP2000312318A JP2002123028A JP 2002123028 A JP2002123028 A JP 2002123028A JP 2000312318 A JP2000312318 A JP 2000312318A JP 2000312318 A JP2000312318 A JP 2000312318A JP 2002123028 A JP2002123028 A JP 2002123028A
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JP2000312318A
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English (en)
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Ichiro Takegawa
一郎 竹川
Kazuo Yamazaki
一夫 山崎
Hidemi Nukada
秀美 額田
Hiroshi Nakamura
博史 中村
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Yukiko Kamijo
由紀子 上條
Michiko Aida
美智子 相田
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性材料が感光体へ貫入した場合でも、リ
ーク電流の発生を抑制することができる画像形成装置を
提供すること。 【解決手段】 感光体28に形成されたトナー像を記録
媒体に転写して画像を形成する画像形成装置1におい
て、感光体28は、導電性基材71と、導電性基材71
の周囲に形成された中間層72と、中間層72の周囲に
形成された感光層76と、を有し、中間層72は、平均
粒径が100nm以下の複数の金属酸化物微粒子72a
をバインダ樹脂72b中に含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体に形成され
たトナー像を記録媒体に転写して画像を形成する画像形
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機をはじめとする画像形成装置にお
いて記録紙に画像を形成するには、まず、帯電装置によ
って感光体を帯電させた後、レーザ光等によって感光体
に静電潜像を形成する。次いで、現像装置によって静電
潜像をトナーによって顕像化し、このトナー像を中間転
写体に一次転写する。ここで、中間転写体とは、カラー
複写機やカラープリンタに用いられるものであり、感光
体上のトナー像を異なる色ごとに順次この中間転写体に
一次転写して、各色成分が重ねられたトナー像が形成さ
れる。そして、中間転写体に転写された複数色のトナー
像が、記録紙に一括して二次転写される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
画像形成装置には、次のような問題があった。すなわ
ち、上述の現像装置、中間転写体、帯電装置等の電子写
真部材には、導電性材料が多く含有されている。例え
ば、中間転写体においては、抵抗を制御するためにカー
ボンブラックや金属酸化物などの導電性粒子を分散し抵
抗調整を行っている。また、現像装置においては、キャ
リアとして鉄粒を有しトナーの抵抗制御のために酸化チ
タン等の導電性粒子が添加されている。帯電装置におい
ても、カーボンブラックや金属酸化物が導電性材料とし
て用いられている。
【0004】そして、これらの電子写真部材が劣化する
と、部材から導電性材料が剥離分離し、感光体の表面に
貫入することがあった。すると、貫入した導電性材料が
引き金となって帯電装置による帯電時に感光体に異常電
流が発生し、感光体の電荷がリークすることがあった。
このように感光体にリーク電流が発生すると、記録紙上
で画質欠陥として現れてしまい、特に、中間転写体を用
いるカラー複写機等では、カラー色数と等しい個数の画
質欠陥が生じていた。しかも、感光体と中間転写体とが
同期ズレを起こした場合は、色欠陥の位置が数十μm程
度ずつズレた色連点欠陥となって現れ、プリントされた
記録紙の見栄えが悪くなっていた。
【0005】また、フィラー性の長い導電性材料を用い
ている場合には、感光体への貫入量が大きくなり、極端
な場合には感光層を突き抜けるような欠陥部を生じるこ
とがある。このように導電性材料が感光層を貫通する
と、帯電時にリーク電流が発生する可能性が極めて高
く、画質欠陥も大きな点となって顕著になっていた。
【0006】さらに、上記帯電装置として、非接触型の
スコトロンに代わりオゾンの発生を抑制できる接触型帯
電装置が着目されているが、この接触型帯電装置を用い
た場合は、導電性材料が感光体に貫入した際にリーク電
流が発生し易くなってしまう。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、導電性材料が感光体へ貫入した場合で
も、リーク電流の発生を抑制することができる画像形成
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、感光体に形成されたトナー像を記録媒体
に転写して画像を形成する画像形成装置において、感光
体は、導電性基材と、導電性基材の周囲に形成された中
間層と、中間層の周囲に形成された感光層と、を有し、
中間層は、平均粒径が100nm以下の金属酸化物微粒
子をバインダ樹脂中に含有することを特徴とする。
【0009】本発明に係る画像形成装置では、感光体
に、各金属酸化物微粒子の間にバインダ樹脂が存在した
中間層が形成されている。金属酸化物微粒子は、平均粒
径が100nm以下と径が小さなものとされているた
め、各金属酸化物微粒子の間に存在するバインダ樹脂の
量は比較的多くなっている。このため、感光層に導電性
材料が貫入した場合でも、バインダ樹脂が障壁となって
リーク電流の発生を抑制することができる。
【0010】また、本発明の画像形成装置において、金
属酸化物微粒子は、表面コーティングされていない酸化
錫、酸化チタン、又は、酸化亜鉛であることが好まし
い。
【0011】一般的に、金属酸化物には、分散性等の改
善のためシランカップリング剤等の有機化合物が表面に
施されたり、電気抵抗制御のために低抵抗導電剤が表面
コーティングされることがある。ところが、本発明の中
間層は、耐リーク性を獲得するために適切な抵抗値にす
ることが好ましく、このためには金属酸化物微粒子の粉
体抵抗を104〜1010Ω・cm程度にすることが好適
である。この範囲の下限よりも抵抗値が低いと十分なリ
ーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留
電位上昇を引き起こしてしまう。そして、上記のように
金属酸化物微粒子として表面コーティングされていない
酸化錫、酸化チタン、又は、酸化亜鉛等を用いること
で、中間層の抵抗値を上記範囲内にすることができる。
【0012】また、本発明の画像形成装置において、中
間層は、ビッカース強度が35以上とされていることが
好ましい。中間層をこのような強度にすることで、中間
層への導電性材料の侵入を効果的に抑制することができ
る。
【0013】また、本発明の画像形成装置において、中
間層は、厚さが3μm以上25μm以下とされているこ
とが好ましい。中間層がこの範囲の下限よりも薄い場合
は、リーク電流の発生を十分抑制することができず、こ
の範囲の上限よりも厚い場合は、成膜が困難になった
り、残留電荷の増加による画質低下を招くことになる。
中間層を上記範囲内の厚さにすることで、これらの問題
を回避しつつ、導電性材料の貫入を抑制することができ
る。
【0014】また、本発明の画像形成装置において、感
光体に接触して当該感光体を帯電させる接触型帯電装置
を備えてもよい。接触型帯電装置は、非接触型の帯電装
置よりもオゾンの発生を抑制することができる。ところ
が、接触型の帯電装置を用いた場合は、非接触式の帯電
装置よりも感光体に高い電圧が印加されるため、導電性
材料が感光体に貫入した場合にリーク電流が発生しやす
くなる。しかし、本発明では、上記のように中間層によ
ってリーク電流の発生が抑制されている。このため、オ
ゾンの発生を抑制しつつ、リーク電流による画質欠陥が
殆ど無い画像を形成することができる。
【0015】さらにこの場合、接触型帯電装置は、直流
電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加されることが好ま
しい。直流電圧に交流電圧を重畳した電圧とした場合、
直流電圧と比較して最大電圧が高くなり、感光体の帯電
効率が高まる。感光体に印加される電圧が高くなると、
リーク電流が発生し易くなるが、本発明では上記のよう
に中間層によってリーク電流を抑制することができる。
【0016】また、本発明の画像形成装置において、針
状の導電性材料が含まれた現像剤を使用する現像装置を
備えてもよい。現像装置の現像剤に、針状の導電性材料
が異物として混入されている場合がある。現像装置が劣
化すると、この針状の導電性材料が現像装置から飛び出
して感光体に貫入することがあるが、このような場合で
も、本発明では、中間層によってリーク電流の発生を抑
制することができる。
【0017】また、本発明の画像形成装置において、カ
ラーの異なる複数種のトナーによって感光体にトナー像
を形成する現像装置と、感光体に形成されたトナー像が
一次転写される中間転写体と、を備え、中間転写体に一
次転写されたトナー像が記録媒体に二次転写されるよう
に構成してもよい。
【0018】記録媒体にカラー画像を形成する場合は中
間転写体を利用することが好適であるが、この場合に、
導電性材料が感光体に貫入してリーク電流が発生する
と、各色の点欠陥が連続した色点連欠陥が記録媒体に形
成されることがある。ところが、本発明では、中間層に
よってリーク電流の発生が抑制されるため、中間転写体
を用いた場合であっても、記録媒体に色点連欠陥が形成
されるのを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る画像形成装置の好適な実施形態について詳細に
説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものと
し、重複する説明は省略する。
【0020】図1は、本実施形態のカラー複写機(画像
形成装置)1を示す概略構成図である。複写機1は、主
に、複写機本体14と、この複写機本体14の上面に設
置されたプラテンガラス16を開閉自在に覆う自動原稿
搬送装置18と、から構成されている。
【0021】複写機本体14の内部には、自動原稿搬送
装置18を開いてプラテンガラス16上に載置された固
定原稿の画像を読み取って電気的な画像信号に変換する
原稿読取部20と、この原稿読取部20から受信した画
像信号に基づいて用紙に可視像を形成する画像形成部2
2と、この画像形成部22に対して用紙(記録媒体)を
供給する複数の給紙トレイ34と、が設けられている。
【0022】原稿読取部20は、内部に収容するCCD
によって原稿のカラー画像情報をR(赤色),G(緑
色),B(青色)のアナログ信号として読み取った後、
当該信号に基づいて、K(黒色),Y(イエロー),M
(マゼンダ),およびC(シアン)のカラー画像データ
を生成する。
【0023】次に、画像形成部22の概要を説明する。
画像形成部22は、主に、原稿読取部20からのカラー
画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力す
る露光装置24と、帯電装置26により帯電された後に
前記レーザビームにより露光される感光体ドラム(感光
体)28と、この露光により感光体ドラム28上に形成
された静電潜像をトナー像に現像するロータリー式の現
像装置30と、感光体ドラム28上に形成されたトナー
像が一次転写位置T1にて一次転写される無端の中間転
写ベルト(中間転写体)32を含む中間転写体ユニット
40と、中間転写ベルト32に一次転写されたトナー像
を給紙トレイ34から供給された用紙に二次転写位置T
2にて二次転写する二次転写ユニット50と、用紙に二
次転写された未定着トナー像を当該用紙に定着させる定
着装置39と、から構成されている。
【0024】画像形成部22の構成要素のうち、まず、
露光装置24について説明する。露光装置24として
は、半導体レーザー光、LED光、液晶シャッター光等の
光源を、所望の像様に露光できる光学系等が特に制限さ
れることなく用いられる。光源の波長も感光体ドラムの
分光感度に適したものであれば、可視光、赤外光を問わ
ない。
【0025】次に、帯電装置26について説明する。帯
電装置26としては、本実施形態では導電性または半導
電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴム、ブレード等を
用いた接触型帯電装置が用いられる。もちろん、非接触
型の帯電装置を用ることができる。また、帯電装置26
には、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するこ
とが好ましい。感光体ドラム28が負帯電極性の場合
は、帯電装置26によって通常−300〜−1000V
に帯電される。また、帯電部材として、イオン導電性、
電子伝導性など適当な抵抗が得られるあらゆる材質のも
のを用いることができる。
【0026】次に、現像装置30について説明する。現
像装置30は、回転軸30o周囲に装着されたK,Y,
M,Cの4色の現像器30K,30Y,30M,30Cを有
しており、回転軸30oの回転に伴って各4色の現像器
30K,30Y,30M,30Cが順次感光体ドラム28に
対向するように構成されている。各現像器30K,3
Y,30M,30Cは、感光体ドラム28に形成された
静電潜像をK,Y,M,Cの各色のトナー像に現像す
る。また、トナー剤として、磁性若しくは非磁性の一成
分系現像剤又は二成分系現像剤を用いることができる。
さらに、現像装置30は、正規現像タイプ又は反転現像
タイプの何れでもよい。
【0027】現像装置30による現像工程をより具体的
に説明すると、以下の通りである。まず、4つの現像器
の内の現像器30Kにより、ブラックトナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Yが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Yにより、イエロートナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Mが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Mにより、マゼンタトナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Cが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Cにより、シアントナーによる現像が
行われる。この結果、4色のトナーによる重畳転写が行
われ、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像
が感光体ドラム28上に形成される。
【0028】なお、以上の4色での現像は1色ごとに独
立して行われ、該1色についての現像が行われている間
は他の色による現像は行われていないので、該1色につ
いての現像は他の色の現像器の影響を受けることはな
い。具体的には、目的の画像の第1の色成分像(例えば
ブラック成分像)に対応した静電潜像がまず形成され
る。次いで、現像器30Kによりその静電潜像がブラッ
クトナーで現像される。この時、他の現像器30Y,3
M,30Cは、オフ状態になっているので感光体ドラム
28には作用せず、ブラックトナーによる現像像は他の
現像器30Y,30M,30Cの影響を受けない。
【0029】次に、感光体ドラム28について説明す
る。図2は、感光体ドラム28の1例の斜視図である。
感光体ドラム28は、円筒形状をなしており、導電性基
材71と、この周囲に形成された中間層72と、当該中
間層72の周囲に形成された下引層73と、この周囲に
形成された感光層76と、から構成されている。さらに
感光層76は、電荷発生層74と電荷輸送層75との2
層構造とされている。
【0030】導電性基材71としては、アルミニウム・
銅・鉄・ステンレス・亜鉛・ニッケルなどの金属ドラム
としてもよいし、シート・紙・プラスチック又はガラス
上にアルミニウム・銅・金・銀・白金・パラジウム・チ
タン・ニッケルークロム・ステンレス鋼・銅−インジウ
ム等の金属を蒸着したり酸化インジウム・酸化錫などの
導電性金属化合物を蒸着したものとしてもよいし、金属
箔をラミネートしたり、或いは、カーボンブラック・酸
化インジウム・酸化錫−酸化アンチモン粉・金属粉・沃
化銅等を結着樹脂に分散し、塗布することによって導電
処理したもの等が用いられる。また、導電性基材71の
形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状とし
てもよい。尚、導電性基材71を金属パイプとした場
合、表面は素管のままであってもよいし、事前に鏡面切
削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、
サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行わ
れていてもよい。
【0031】図3は、感光体ドラム28の周囲の一部の
断面図である。同図に示すように、中間層72は、複数
の金属酸化物微粒子72aをバインダ樹脂72b中に含
有して成る。
【0032】金属酸化物微粒子72aとしては、粒径が
100nm以下の導電粉が用いられる。ここでいう粒径
とは、平均1次粒径を意味する。中間層72は、耐リー
ク性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要であり、
そのため金属酸化物としては104〜1010Ω・cm程度の
粉体抵抗が必要である。この抵抗値を獲得するために
は、金属酸化物72aの表面を有機物等でコーティング
していない粒子を用いるのが好ましく、中でも表面を有
機物等でコーティングしていない酸化錫、酸化チタン、
酸化亜鉛等の金属酸化物を用いるのが好ましい。尚、上
記範囲の下限よりも金属酸化物微粒子72aの抵抗値が
低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よ
りも高いと残留電位上昇を引き起こしてしまう。
【0033】バインダ樹脂72bとしては、ポリビニル
ブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、
ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタ
クリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マ
レイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物などが用
いられる。そして、金属酸化物微粒子72aをこのよう
なバインダ樹脂72bに分散させた後に、導電性基材7
1上に中間層72が成膜される。
【0034】また、中間層72は、ビッカース強度が3
5以上とされていることが好ましい。さらに、中間層
は、厚さが3μm以上25μm以下とされていることが
好ましい。これらの効果については後述する。
【0035】感光体ドラム28の下引層73は、その上
層の感光層76を塗布する際の濡れ性改善等のために形
成される。下引層73は、ポリビニルブチラールなどの
アセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイ
ン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテー
ト樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、
シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノ
ール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分
子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、ア
ルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有
機金属化合物などによって形成することができる。これ
らの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あ
るいは重縮合物として用いることができる。中でも、ジ
ルコニウムもしくはもしくはシリコンを含有する有機金
属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少な
く、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性
能上優れている。
【0036】シリコン化合物の例として例えばビニルト
リメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリ
ス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(ア
ミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N
-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルメトキシ
シラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメ
トキシシランなどである。これらのなかでも特に好まし
く用いられるシリコン化合物はビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシシラン)、3-メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエ
チル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミ
ノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3
-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシ
シランなどのシランカップリング剤が上げられる。
【0037】有機ジルコニウム化合物の例として、ジル
コニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、
ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネ
ートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコ
ニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニ
ウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニ
ウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン
酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン
酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタ
クリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジル
コニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブ
トキシドなどが挙げられる。
【0038】有機チタン化合物の例としては、テトライ
ソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネー
ト、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキ
シル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリ
チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコ
レート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラク
テート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリ
エタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレ
ートなどが挙げられる。
【0039】有機アルミニウム化合物の例としては、ア
ルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウ
ムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)など
が挙げられる。
【0040】下引き層73は上層の濡れ性改善の他に、
電気的なブロキング層の役割も果たすが、膜厚が大きす
ぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り
返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、下引
層を形成する場合には、0.1〜3μmの膜厚範囲に設
定される。尚、下引き層73は、必須ではなく、必ずし
も設ける必要はない。
【0041】感光層76の電荷発生層74は、電荷発生
物質を真空蒸着により形成するか、有機溶剤及び結着樹
脂とともに分散し塗布することにより形成される。
【0042】電荷発生物質としては、非晶質セレン・結
晶性セレン・セレンーテルル合金・セレンーヒ素合金・
その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛・酸化
チタン 等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン,チ
タニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシア
ニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニ
ン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリ
レン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリ
ウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が
用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結
晶型を有しており、特にフタロシアニン顔料ではα型、
β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られてい
るが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料で
あるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが
できる。
【0043】本発明において、特に優れた性能が得られ
る電荷発生材料として以下の化合物が挙げられる。 (1)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペ
クトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少な
くとも7.4°,16.6°,25.5°,28.3°
の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるクロル
ガリウムフタロシアニン。 (2)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペ
クトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少な
くとも7.5゜,9.9゜,12.5゜,16.3゜,
18.6゜,25.1゜,28.1゜の位置に回折ピー
クを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン。 (3)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペ
クトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少な
くとも9.5゜,11.7゜,15.0゜,24.1
゜,27.3゜の位置に回折ピークを有する結晶型に代
表されるチタニルフタロシアニン。
【0044】電荷発生層74に於ける結着樹脂として
は、以下のものを例示することができる。すなわち、ビ
スフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプの
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエス
テル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹
脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデ
ン-アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコン-
アルキド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ス
チレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾールな
どである。
【0045】これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以
上混合して用いることが可能である。電荷発生材料と結
着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範
囲が望ましい。また、電荷発生層74の厚みは、一般に
は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.0μmの
範囲に設定される。
【0046】電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法と
しては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、ア
トライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミル
などの方法を用いることができる。
【0047】電荷輸送層75に用いられる電荷輸送物質
としては、下記に示すものを用いることができる。2,5-
ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾ
ールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5-トリフェニ
ル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミ
ノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン
などのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P
-メチル)フェニルアミン、N,N-ビス(3,4-ジメチルフェ
ニル)ビフェニル-4-アミン、ジベンジルアニリン、9,9-
ジメチル-N,N-ジ(p-トリル)フルオレノン-2-アミンなど
の芳香族第3級アミノ化合物、N,N‘-ジフェニル-N,N‘-
ビス(3-メチルフェニル)-[1,1-ビフェニル]-4,4‘-ジア
ミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4‘ジメチ
ルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4‘-メトキシフェニル)-1,
2,4-トリアジンなどの1,2,4-トリアジン誘導体、4-ジエ
チルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾ
ン、4-ジフェニルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェ
ニルヒドラゾン、[p-(ジエチルアミノ)フェニル](1-ナ
フチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒ
ドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリ
ニルイミノ)メチル]カルバゾール、4−(2−メチル−
1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、
9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、
1,1−ジ−(4,4’−メトキシフェニル)アクリルア
ルデヒドジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導
体、2-フェニル-4-スチリル-キナゾリンなどのキナゾリ
ン誘導体、6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)-
ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p-(2,2-ジフ
ェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリンなどのα-スチ
ルベン誘導体、エナミン誘導体、N-エチルカルバゾール
などのカルバゾール誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾー
ルおよびその誘導体などの正孔輸送物質。クロラニル、
ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テ
トラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7-トリニトロフ
ルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等
のフルオレノン化合物、2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチ
ルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールや2,5-ビス(4-ナ
フチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチ
ルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサ
ジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン
化合物、3,3',5,5'テトラ-t-ブチルジフェノキノン、3,
5−ジメチル-3',5'−ジ−t−ブチル-4,4'−ジフェノ
キノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送物質。
あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖
に有する重合体などがあげられる。これらの電荷輸送材
料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
【0048】積層型の感光体では電荷輸送材料の電荷輸
送極性により感光体の帯電極性が異なる。正孔輸送物質
を用いた場合には感光体は負帯電で用いられ、電子輸送
物質を用いた場合には正帯電で用いられる。両者を混合
した場合には両帯電極性の感光体が可能である。
【0049】電荷輸送層75に用いられる結着樹脂には
任意のものを用いることができるが、特に電荷輸送材料
と相溶性を有し適当な強度を有することが望ましい。
【0050】バインダー樹脂の例として、ビスフェノー
ルAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェ
ノールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂や
その共重合体、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、
スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンア
ルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、ス
チレン−アクリル共重合体樹脂、アチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙
げられる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合
物として使用することができる。
【0051】本発明で用いられる重合体の分子量は、感
光層76の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択
されるが、通常は粘度平均分子量で3000〜30万、
より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
【0052】電荷輸送層75は、上に示した電荷輸送物
質及び結着樹脂とを適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布
し乾燥することによって形成することができる。電荷輸
送層75の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素
系、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族
炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレ
ングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖
状エーテル、あるいはこれらの混合溶剤などを用いるこ
とができる。電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は
10:1〜1:5が好ましい。また電荷輸送層75の膜
厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜40μmの範
囲に設定される。
【0053】塗工は、感光体の形状や用途に応じて浸漬
塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布
法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法を用
いて行うことが出来る。乾燥は、室温での指触乾燥の後
に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜2
00℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが
好ましい。
【0054】尚、本実施形態では、感光層76を電荷発
生層74と電荷輸送層75との2層構造としているが、
単層としてもよい。また、電荷発生層74と電荷輸送層
75との積層順序が反対でもよい。
【0055】さらに、複写機1中で発生するオゾンや酸
化性ガス、あるいは光・熱による感光体ドラム28の劣
化を防止する目的で、感光層76中に酸化防止剤・光安
定剤・熱安定剤などの添加剤を添加する事ができる。
【0056】たとえば、酸化防止剤としてはヒンダード
フェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミ
ン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマ
ン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化
合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0057】酸化防止剤の具体的な化合物例として、フ
ェノール系酸化防止剤では2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェノール、スチレン化フェノール、n-オクタデシル-3
-(3',5'-ジ-t-ブチル 4'-ヒドロキシフェニル)-プロピ
オネート、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチル
フェノール)、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-
2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレー
ト、4,4'-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチル-フェ
ノール)、4,4'-チオ-ビス-(3-メチル 6-t-ブチルフェノ
ール)、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジ
メチル ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス-[メチ
レン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシ-フェニル)
プロピオネート]-メタン、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-
4-ヒドロキシ-5-メチル フェニル)プロピオニルオキシ]
-1,1-ジメチル エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。ヒンダードアミン
系化合物ではビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペ
リジル)セバケート、1-[2-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-
7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,3,8-トリアザスピ
ロ[4,5]ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベンゾイルオキシ-
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル-1
-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラ
メチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラ
メチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイミル]
[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサ
メチレン[(2,3,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミ
ノ]]、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n
-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペ
リジル)、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミ
ン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6,-ペンタメチル-4
ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物
などが挙げられる。有機イオウ系酸化防止剤としてジラ
ウリル-3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,
3'-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3'-チオジ
プロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-
(β-ラウリル-チオプロピオネート)、ジトリデシル-3,
3'-チオジプロピオネート、2-メルカプトベンズイミダ
ゾールなどが挙げられる。有機燐系酸化防止剤としてト
リスノニルフェニル フォスフィート、トリフェニル フ
ォスフィート、トリス(2,4-ジ-t-ブチル フェニル)-フ
ォスフィートなどが挙げられる。
【0058】有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2
次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系な
どの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得
ることができる。
【0059】光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメ
チルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
【0060】ベンゾフェノン系光安定剤として2-ヒドロ
キシ-4-メトキシ ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オ
クトキシ ベンゾフェノン、2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メト
キシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾ
ール系系光安定剤として2-(-2'-ヒドロキシ-5'メチル
フェニル-)-ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'
-(3'',4'',5'',6''-テトラ-ヒドロフタルイミド-メチ
ル)-5'-メチルフェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(-2'-
ヒドロキシ-3'-t-ブチル 5'-メチルフェニル-)-5-クロ
ロ ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチ
ル 5'-メチルフェニル-)-5-クロロ ベンゾトリアゾー
ル、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-t-ブチルフェニル-)-ベン
ゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチル フ
ェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ 3',5'
-ジ-t-アミル フェニル-)-ベンゾトリアゾールなどが挙
げられる。その他の化合物として2,4,ジ-t-ブチルフェ
ニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、
ニッケル ジブチル-ジチオカルバメートなどがある。
【0061】また感度の向上、残留電位の低減、繰り返
し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電
子受容性物質を含有せしめることができる。本実施形態
の感光体ドラム28に使用可能な電子受容性物質として
は、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水
マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル
酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、クロラ
ニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノ
ン、ピクリン酸、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香
酸、フタル酸などをあげる事ができる。これらのうち、
フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引
性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
【0062】さらに、感光層76の上に、必要に応じて
表面保護層を形成することが可能である(図示省略)。
【0063】たとえば金属酸化物を分散した半導電性保
護層は、絶縁性樹脂中に半導電性微粒子を分散した層で
ある。半導電性微粒子として電気抵抗が109Ω・cm以
下で白色、灰色もしくは青白色を呈する平均粒径が0.
3μm以下好ましくは0.1μm以下の微粒子が適当であ
り、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化
アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸
化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体の
担体またはこれらの混合物、あるいは単一粒子中にこれ
らの金属酸化物を混合したもの、あるいは被覆したもの
があげられる。中でも、酸化錫、酸化錫とアンチモンあ
るいは酸化アンチモンとの固溶体は電気抵抗を適切に調
節することが可能で、かつ、保護層を実質的に透明にす
ることが可能であるので、好ましく用いられる(特開昭5
7-30847号、特開昭57-128344号参照) 。また分散性向上
のためにこれらの粉体面上に他の金属酸化物層やシラン
カップリング剤などの表面コート層を形成したものもあ
る。絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボ
ネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、ポリビニルブチラールのよう
なビニル重合体等が上げられる。
【0064】表面保護層の膜厚は光透過率が低くならな
い程度、すなわち15μm以下にすることが必要であ
り、0.5μm〜9μm程度が望ましい。
【0065】さらに、表面の潤滑性向上のために電荷輸
送層若しくは表面保護層の表面層中にテフロン(登録商
標)のような離型性固体粒子を含有することも可能であ
る。
【0066】次に、中間転写体ユニット40について説
明する。中間転写体ユニット40の中間転写ベルト32
は、一次転写位置T1に配置された一次転写ロール3
6、内側二次転写ロール(バイアスロール)46、及び
駆動ロール38等によって張架されており、図示しない
駆動機構により感光体ドラム28と略同速度で駆動ロー
ル38を介して図中の矢印方向へ回転する。
【0067】一次転写ロール36としては、感光体ドラ
ム28上のトナー像を中間転写ベルト32に転写する機
能を有している限りとくに制限はなく、例えばベルト、
ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転
写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電
器やコロトロン転写帯電器等の公知の転写帯電器を用い
ることができる。これらの中でも、転写帯電補償能力に
優れる点では接触型転写帯電器が望ましい。
【0068】尚、本実施形態においては、一次転写ロー
ル36の他、剥離帯電器等を併用することもできる。ま
た、一次転写の際に、一次転写ロール36から感光体ド
ラム28に付与される転写電流には、通常直流電流が使
用されるが、本実施形態においては更に交流を重畳させ
て使用してもよい。一次転写ロール36における設定条
件としては、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形
状、開口幅、プロセススピード(周速)等により異なり
一概に規定することはできないが、たとえば、一次転写
電流としては100〜400μA、一次転写電圧として
は500〜200Vを設定値とすることができる。
【0069】中間転写体ユニット40の中間転写ベルト
32は、一般的には多層構造であり、例えば、導電性支
持体上に、少なくともゴム、エラストマー、樹脂等から
形成される弾性層と、少なくとも1層の被覆層とを設け
てなる構造とすることができる。また、中間転写体の形
状は特に限定されず、目的に応じてベルト状やローラ形
状等としてもよい。本実施形態においては、これらの中
でも、画像の重ねあわせ時の色ズレ、繰り返し使用によ
る耐久性、他のサブシステムの配置の自由度の取り易さ
等の点で、無端ベルト形状を採用している。
【0070】中間転写ベルト32の表層の材料として
は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
ブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等に対し
て、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させた
ものが好適に用いられる。これらの中でも、ポリイミド
系樹脂にカーボン粒子を分散させたものを好適に用いる
ことができる。
【0071】中間転写ベルト32の表面抵抗値として
は、例えば、108〜1016Ω・cmであることが好まし
い。この表面抵抗値が、108Ω・cm未満であると画像に
滲みや太りが生じ、1016Ω・cmを超えると画像の飛び
散りの発生や中間転写体シートの除電の必要性が発生
し、何れの場合も好ましくない。また、中間転写ベルト
32の厚みとしては、例えば50〜200μm程度が好
ましい。
【0072】二次転写ユニット50は、二次転写位置T
2に配置された外側二次転写ロール48を具備してい
る。この外側二次転写ロール48は、中間転写ベルト3
2を間に挟んで内側二次転写ロール46と対向してお
り、二次転写を行う際は内側二次転写ロール46側に加
圧される。そして、内側二次転写ロール46にトナーと
逆極性のバイアス電圧が印加されると、中間転写ベルト
32上のトナー像が用紙に二次転写される。
【0073】外側二次転写ロール48として、上述の機
能を有している限り特に制限はなく、例えば、一次転写
ロールとして例示した接触型転写帯電器、スコロトロン
転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが用いられる。
これらの中でも、一次転写ロール36と同様に接触型転
写帯電器が好ましい。また、二次転写の際に、外側二次
転写ロール48から中間転写ベルト32に付与される転
写電流には、通常直流帯電が使用されるが、本実施形態
においては更に交流電流を重畳させて使用しても良い。
外側二次転写ロール48における設定条件としては、帯
電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロ
セススピード(周速)等により異なり一概に規定するこ
とはできないが、例えば、二次転写電流としては+10
0〜+400μA、1次転写電圧としては+2000〜
+5000Vを設定値とすることができる。
【0074】トナー像を二次転写された用紙は、定着装
置39によって当該トナー像を定着された後、排出ロー
ル52より複写機本体14の外部へ排出される。以上
が、本実施形態の複写機1の構成である。
【0075】次に、本実施形態の複写機1の作用効果を
説明する。複写機1によって用紙に画像を形成するプロ
セス中に、帯電装置26、現像装置30等に含まれた導
電性材料が飛び出し、感光体ドラム28に貫入する場合
がある。特に、現像装置30の現像剤には、針状の導電
性材料が異物として混入されていることがしばしばあ
り、この針状の導電性材料は感光体ドラム28に貫入し
易かった。すると、従来の複写機では、感光層にリーク
電流が流れて記録紙に画質欠陥が現れていた。特に、中
間転写体を用いたカラー複写機の場合は、色連点欠陥と
なり、プリント画像の見栄えを悪くする大きな原因とな
っていた。ところが、本実施形態の複写機1の感光体ド
ラム28には、各金属酸化物微粒子72aの間にバイン
ダ樹脂72bが存在した中間層72が設けられており、
しかも、金属酸化物微粒子72aは平均粒径が100n
m以下と径が小さなものとされ各金属酸化物微粒子72
aの間に存在するバインダ樹脂72bの量は比較的多く
なっている。このため、感光層76に導電性材料が貫入
した場合でも、バインダ樹脂72bが障壁となってリー
ク電流の発生を抑制することができる。
【0076】また、上述のように中間層72は、ビッカ
ース強度が35以上と比較的硬くされているため、中間
層72への導電性材料の侵入を効果的に抑制することが
できる。さらに、中間層72は、厚さが3μm以上25
μm以下とされているため、中間層72への導電性材料
の貫入を抑制することができる。尚、中間層72がこの
範囲の下限よりも薄い場合は、リーク電流の発生を十分
抑制することができず、この範囲の上限よりも厚い場合
は、成膜に困難になったり、残留電荷の増加による画質
低下を招くことになる。
【0077】さらに、帯電装置26は接触型とされてい
るため、オゾンの発生を抑制することができる。通常、
接触型の帯電装置を用いた場合は、非接触式の帯電装置
よりも感光体ドラム28に高い電圧が印加されるため、
導電性材料が感光層76に貫入した場合にリーク電流が
発生しやすくなる。しかし、本実施形態の複写機1で
は、上記のように中間層72によってリーク電流の発生
が抑制されている。このため、オゾンの発生を抑制しつ
つ、リーク電流による画質欠陥が殆ど無い画像を形成す
ることができる。
【0078】また、帯電装置26に、直流電圧に交流電
圧を重畳した電圧を印加することで、直流電圧のみを印
加する場合と比較して最大電圧が高くなり、感光体ドラ
ム28の帯電効率が高まる。通常、感光体ドラム28に
印加される電圧が高くなるとリーク電流が発生し易くな
るが、本実施形態では上記のように中間層72によって
リーク電流を抑制することができる。
【0079】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。 [実施例1]直径80mm、長さ340mm、肉厚1mmのア
ルミニウム基材を導電性基材とし、これに以下の組成の
中間層を形成した。 酸化チタン(金属酸化物微粒子)TAF-J500 (富士チタン
工業社製) (表面処理なし、一次粒径50nm):23重
量部 ブチラール樹脂 BM-1 (積水化学社製) :9重量部 硬化剤 ブロック化イソシアネート スミジュール3175)
(住友バイエルンウレタン社製) :12重量部 シリコーンボール トスパール120(東芝シリコーン社
製):3重量部 レベリング剤 シリコーンオイルSH29PA(東レダ
ウコーニングシリコーン社製):0.01重量部 n-BuOH :80重量部
【0080】以上の材料をサンドミルにて2時間の分散
を行い、分散液を得た。さらに、この塗布液を浸漬塗布
法にてアルミニウム基材上に塗布し、150℃、30分
の乾燥硬化を行い厚さ20μmの中間層を得た。
【0081】この中間層のビッカース硬度をビッカース
硬度計ASAHI VL101を用いて50kgの荷重を加え測定
したところ硬度は40であった。
【0082】次に、中間層の周囲に感光層を形成した。
まず、電荷発生物質としてのCukα線を用いたX線回折
スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくと
も7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位
置に回折ピークを有する塩化ガリウムフタロシアニン1
5部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部、n−ブ
チルアルコール300部からなる混合物を、サンドミル
にて4時間分散した。得られた分散液を電荷発生層用の
塗布液として中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが
0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0083】さらに、N,N'-シ゛フェニル-N,N'-ヒ゛ス(3-メチルフェニ
ル)-[1、1']ヒ゛フェニル-4,4'-シ゛アミン 4部とビスフェノールZ
ポリカーボネート樹脂(分子量4万)6重量部とをクロル
ベンゼン80重量部を加えて溶解した塗布液を電荷発生
層上に形成し、130℃、40分の乾燥を行うことによ
り膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の
ビッカース硬度は30であった。
【0084】以上のようにして得られた感光体ドラム
を、接触型帯電装置、中間転写体を有する富士ゼロック
ス社製フルカラープリンターDocu Print C620に搭載
し、プリント画質を調べた。尚、このプリンタは、接触
帯電装置の下に設置されたドラムカートリッジの下にベ
ルト状の中間転写体を有している。また、現像装置はイ
エロー、マジェンタ、シアン、黒の回転現像器を備えて
おり、異なる色での感光体の位置が同期している設定と
なっている。
【0085】本装置を用いて画質評価を行ったところ、
初期状態で色連点の発生が無い良好な画質が得られた。
そして、現像装置や中間転写体の劣化に伴って現像装置
や中間転写体からの導電性材料の放出が生じ感光体上に
突き刺った場合を想定して、現像装置の中に意図的に長
さ120μm、径7μmの導電性カーボンフィラー5mm
gを添加して画質評価を行った。この場合、現像装置か
ら出た導電性フィラーが感光体上に無数に突き刺さって
リークを発生しやすい状態を引き起こしている。
【0086】上記感光体ドラムを用いたプリンタでは、
導電性フィラーが感光体上に刺さっているにも拘わらず
接触帯電装置による電荷リークはなく、4色連点欠陥の
発生のない良好な画質が得られた。
【0087】この感光体を用いて連続1万枚のプリント
テストを行ったが、リーク欠陥による4色連点欠陥の発
生は無かった。
【0088】[比較例1]本比較例は、実施例1と比較
するために行った実験である。
【0089】実施例1と同様に直径80mm、長さ340
mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を導電性基材とした。
さらに、4部のポリビニルブチラール樹脂(エスレック
BM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコ
ール170部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセ
トンジルコニウムブチレート)30部及び有機シラン化
合物の混合物(γ−アミノプロピルトリエトキシシシラ
ン)3部を混合、攪拌し、下引層形成用の塗布液を得
た。この塗布液には、実施例1とは異なり金属酸化物微
粒子は含まれていない。
【0090】この下引層形成用の塗布液をホーニング処
理により粗面化された上記導電性支持体上に塗布し、室
温で5分間風乾を行った。その後、50℃で7分間、導
電性支持体の昇温を行い、50℃で85%RH(露点4
7℃)の恒温恒湿槽中に入れ、10分間、加湿硬化促進
処理を行った。次いで、これを熱風乾燥機に入れて13
5℃で10分間乾燥を行い、導電性支持体上に下引層を
形成した。
【0091】次に、電荷発生物質としてのCukα線を用
いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2
°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,
28.3゜の位置に回折ピークを有する塩化ガリウムフ
タロシアニン15部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)
10部、n−ブチルアルコール300部からなる混合物
を、サンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を
電荷発生層用の塗布液として下引き層上に浸漬塗布し、
乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0092】さらに、N,N'-シ゛フェニル-N,N'-ヒ゛ス(3-メチルフェニ
ル)-[1、1']ヒ゛フェニル-4,4'-シ゛アミン 4部とビスフェノールZ
ポリカーボネート樹脂(分子量4万)6重量部とをクロ
ルベンゼン80重量部を加えて溶解した塗布液を電荷発
生層上に形成し、130℃、40分の乾燥を行うことに
より膜厚25μmの電荷輸送層を形成して感光層を得
た。
【0093】この感光体ドラムを、接触帯電装置、中間
転写体を有する富士ゼロックス社製フルカラープリンタ
ーDocu Print C620に搭載しプリント画質を調べた。
【0094】本装置を用いて画質評価を行ったところ、
初期状態では4色連点欠陥の無い良好な画質が得られ
た。続いて、実施例1と同様に現像装置や中間転写体の
劣化に伴って現像装置や中間転写体からの導電性材料の
放出が生じ感光体上に突き刺さった場合を想定して、現
像装置の中に意図的に長さ120μm、直径7μmの導電
性カーボンフィラー5mmgを添加して画質評価を行っ
た。この場合、現像装置から出た導電性フィラーが感光
体上に無数に突き刺さってリークを発生しやすい状態と
なっている。この装置でプリントを行ったところ、A3
サイズプリント1枚の中に約1mm大の数百個の4色連点
欠陥が発生した。
【0095】[実施例2]本実施例では、実施例1で用
いた感光体ドラムにおいて、中間層を形成した後に比較
例1に示した厚さ1μmの組成の下引層を形成し、次い
で実施例1に示す電荷発生層、電荷輸送層を形成した。
【0096】この感光体ドラムを、接触帯電装置、中間
転写体を有する富士ゼロックス社製フルカラープリンタ
ーDocu Print C620に搭載しプリント画質を調べた。こ
のプリンタを用いて画質評価を行ったところ、初期状態
では良好な画質が得られた。また、実施例1と同様に現
像装置や中間転写体の劣化に伴って現像装置や中間転写
体から導電性材料の放出が生じ感光体上に突き刺さった
場合を想定して、現像装置の中に意図的に5mmgの導
電性フィラーを添加して画質評価を行った。この場合、
導電性フィラーが感光体上に無数に突き刺さってリーク
を発生しやすいポイントが形成されている。
【0097】このようなプリンタでプリントを行ったと
ころ、4色連続欠陥の発生は無かった。また、この感光
体を用いて連続1万枚のプリントテストを行ったが、リ
ーク欠陥による4色連続欠陥の発生は無かった。
【0098】[実施例3〜8及び比較例2〜4]実施例
3〜8では、実施例1と金属酸化物粒子の種類のみを代
えて実験を行った。金属酸化物粒子には、表面コーティ
ングを施していない。比較例2〜4では、金属酸化物粒
子の径を100nmを超える値とした。そして、上記実
施例と同様のカラープリンターにて4色連続欠陥の発生
確認を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
【表1】
【0099】表1に示すように、平均一次粒径が100
nm以下の実施例3〜8では、4色連点数は、10個に
も満たなかった。一方、平均一次粒径が100nmを超
える比較例2〜4では、4色連点数は40個以上であっ
た。
【0100】[実施例9〜13及び比較例5]実施例9
では、直径80mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニ
ウム基材を導電性基材とし、これに以下の組成の中間層
を形成した。 酸化チタン(金属酸化物微粒子)TAF-J500 (富士チタン
工業) (表面処理なし、一次粒径50nm):60重量部 ブチラール樹脂 BM-1 (積水化学社製) :30重量部 硬化剤 ブロック化イソシアネート スミジュール3175)
(住友バイエルンウレタン社製) :10重量部 シリコーンボール トスパール120(東芝シリコーン):
5重量部 レベリング剤 シリコーンオイルSH29PA(東レダ
ウコーニングシリコーン):0.1重量部 n-ブチルアルコール:200重量部
【0101】以上の材料をサンドミルにて2時間の分散
を行い、分散液を得た。さらに、この塗布液を浸漬塗布
法にてアルミニウム基材上に塗布し、150℃、30分
の乾燥硬化を行い厚さ20μmの中間層を得た。
【0102】この中間層のビッカース硬度をビッカース
硬度計ASAHI VL101を用いて50kgの荷重を加え測定
したところ硬度は35であった。
【0103】次に、中間層の周囲に感光層を形成した。
まず、電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折ス
ペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少
なくとも7.5゜,9.9゜,12.5゜,16.3
゜,18.6゜,25.1゜,28.1゜の位置に回折
ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15
部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM-1、積水化
学社製)10部、n−ブチルアルコール300部からな
る混合物を、サンドミルにて4時間分散した。得られた
分散液を電荷発生層用の塗布液として、これを中間層上
に浸漬塗布し、乾燥して、厚み0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0104】次に、ジ(3,4-ジメチルフェニル)(4-フェ
ニルフェニル)アミン 2重量部と N,N’-ジフェニル-N,
N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,
4’-ジアミン 2重量部とビスフェノールZポリカーボ
ネート(分子量4万) 6重量部とを、それぞれテトラヒド
ロフラン 80重量部、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル フェノ
ール0.2重量部を加えて溶解した。この液を電荷発生層
上に塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜
厚25μmの電荷輸送層を形成し、3層構造の感光体ド
ラムを作製した。尚。電荷輸送層のビッカース硬度は3
0であった。
【0105】この感光体ドラムを、接触帯電装置、中間
転写体を有する富士ゼロックス社製フルカラープリンタ
ーDocu Print C620に搭載し、プリント画質を調べた。
この結果を以下の表2に示す。
【0106】尚、実施例10〜13、比較例5で用いた
感光体ドラムは、中間層の結着樹脂と金属酸化物微粒子
の材料が実施例9と異なり、その他は実施例9と同様で
ある。
【表2】
【0107】表2に示すように、実施例10〜13で
は、4色連点数は10個にも満たなかった。一方、平均
一次粒径が100nmを超える比較例5では、4色連点
数は90個以上であった。
【0108】以上、本発明者らによってなされた発明を
実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実
施形態に限定されるものではない。例えば、画像形成装
置は、複写機に限られず、記録紙に画像を形成できるプ
リンタ、FAX等でもよい。また、画像を形成する記録
媒体は、記録紙に限られず、OHPシート等であっても
よい。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
形成装置では、感光体に、各金属酸化物微粒子の間にバ
インダ樹脂が存在した中間層が形成されている。金属酸
化物微粒子は、平均粒径が100nm以下と径が小さな
ものとされているため、各金属酸化物微粒子の間に存在
するバインダ樹脂の量は比較的多くなっている。このた
め、感光層に導電性材料が貫入した場合でも、バインダ
樹脂が障壁となってリーク電流の発生を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置(複写機)の全体構成を
示す図である。
【図2】感光体ドラムの斜視図である。
【図3】感光体ドラムの部分断面図である。
【符号の説明】
1…複写機(画像形成装置)、20…原稿読取部、22
…画像形成部、24…露光装置、26…帯電装置、28
…感光体ドラム(感光体)、30K ,30 Y,3
M,30C…現像器、30…現像装置、32…中間転写
ベルト(中間転写体)、34…給紙トレイ、36…一次
転写ロール、39…定着装置、40…中間転写体ユニッ
ト、46…内側二次転写ロール、48…外側二次転写ロ
ール、50…二次転写ユニット、52…排出ロール、7
1…導電性基材、72…中間層、72a…金属酸化物微
粒子、72b…バインダ樹脂、73…下引層、74…電
荷発生層、75…電荷輸送層、76…感光層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額田 秀美 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 中村 博史 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 山本 浩史 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 上條 由紀子 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 相田 美智子 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 DD03 2H005 AA21 CB10 2H030 AD01 AD02 BB21 BB42 BB71 2H068 AA43 AA45 AA48 BB28 BB29 BB35 CA22 CA29 CA37 FA05 FC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体に形成されたトナー像を記録媒体
    に転写して画像を形成する画像形成装置において、 前記感光体は、導電性基材と、前記導電性基材の周囲に
    形成された中間層と、前記中間層の周囲に形成された感
    光層と、を有し、 前記中間層は、平均粒径が100nm以下の金属酸化物
    微粒子をバインダ樹脂中に含有することを特徴とする画
    像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物微粒子は、表面コーティ
    ングされていない酸化錫、酸化チタン、又は、酸化亜鉛
    であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間層は、ビッカース強度が35以
    上とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記中間層は、厚さが3μm以上25μ
    m以下とされていることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のうち何れか一項記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記感光体に接触して当該感光体を帯電
    させる接触型帯電装置を更に備えることを特徴とする請
    求項1〜請求項4のうち何れか一項記載の画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記接触型帯電装置は、直流電圧に交流
    電圧を重畳した電圧が印加されることを特徴とする請求
    項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 針状の導電性材料が含まれた現像剤を使
    用する現像装置を備えることを特徴とする請求項1〜請
    求項6のうち何れか一項記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 カラーの異なる複数種のトナーによって
    前記感光体に前記トナー像を形成する現像装置と、 前記感光体に形成された前記トナー像が一次転写される
    中間転写体と、を備え、 前記中間転写体に一次転写された前記トナー像が前記記
    録媒体に二次転写されることを特徴とする請求項1〜請
    求項7のうち何れか一項記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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