JP3991638B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年電子写真感光体は、高速、かつ高印字品質が得られるという利点を有するため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において多く利用されている。これら電子写真装置において用いられる電子写真感光体として、従来からのセレン、セレンーテルル合金、セレンーヒ素合金、硫化カドミウム等無機光導電材料を用いた電子写真感光体に比べ、安価で製造性及び安全性の点で優れた利点を有するフタロシアニン系の顔料等の有機光導電材料を電荷発生物質として含有した電子写真感光体が主流を占める様になってきている。
【0003】
中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とからなる感光層を有する機能分離型感光体は、感度・帯電性及びその繰り返し安定性等、電子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され、実用化されている。
【0004】
この機能分離型感光体の場合、現在ではアルミニウム基材等の導電性支持体層上に下引層を形成し、その後、下引層上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次形成する場合が多い。
【0005】
特に、近年、電子写真装置においては、コロトロンに代わりオゾン発生が少ない接触帯電方式の帯電装置が用いられるようになってきているが、感光層における電荷発生物質(顔料)の分散状態が不均一である場合、導電性支持体層の表面に凹凸や汚れがある場合、導電性支持体層上に塗工により形成される下引層や感光層が塗膜むら等により厚さが塗工された領域の全域にわたり均一でない場合、或いは、感光層中に異物が混入している場合等、感光体に局所的な欠陥部位がある場合に、接触帯電時に感光体の欠陥部位に局所的に高電場がかかり、電気的なピンホールを生じ、これが画質欠陥となって生じるという問題があった。
【0006】
このピンホールリークは、電子写真装置の作動中において、該装置を構成する部材から発生するカーボンファイバーやキャリア粉等の導電性の異物やゴミが感光体に接触又は感光体中に貫入することによっても発生する場合があった。
【0007】
電子写真装置に使用される際の感光体の繰り返し安定性や環境安定性の改善し、上述した画像の画質欠陥の発生を防止するためには、感光層の性能向上のみならず感光層の下地となる下引層の性能向上も必要であり、繰り返し使用による電荷蓄積性の少ない下引層を形成することが求められている。
【0008】
そのため、導電性支持体層(基材)の欠陥を隠蔽しつつ残留電位の上昇等を改善して安定な電気特性を得るために、導電性微粉末を含有させた層を導電性支持体層上に形成した感光体を形成する方法の検討が行われている。
【0009】
このような方法としては、例えば、アルミニウム基材等の導電性支持体層上に導電性微粉末を含有させた層を形成し、更にこの導電性微粉末を含有させた層上に従来の下引層と同様の構成を有する層を形成した2層構造の下引層を有する感光体を形成する方法が提案されている。この方法の場合は、導電性微粉末を含有させた層に導電性支持体層の表面の凹凸や汚れ等の欠陥の隠蔽を行わせるとともに電気抵抗の調整を行わせ、従来の下引層と同様の構成を有する層にブロッキング(電荷注入制御)機能を持たせている。
【0010】
また、別の方法としては、導電性支持体層上に導電性微粉末を含有させた層のみを下引き層として形成し、この層に上述のブロッキング機能と抵抗調整機能とを両有させた構成を有する感光体を形成する方法がある。
【0011】
例えば、特開平10−177267号公報には、中間層中に、大きな一次粒子径(0.1〜1.0μm)を有する金属酸化物粒子(無機顔料)と小さな一次粒子径(0.1μm以下)を有する金属酸化物粒子とをそれぞれ分散させ、大きな一次粒子径を有する金属酸化物粒子の含有量を10質量%以上とした電子写真感光体が提案されている。
【0012】
また、特開2000−231214号公報には、中間層中に含有させる金属酸化物粒子のうち、粒径が0.2μm以下である金属酸化物粒子の含有量を10%以上とした電子写真感光体及びその製造方法が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の電子写真感光体は、繰返し使用に耐え得る十分な電気特性を得ることが未だ不十分であり、電子写真感光体を繰り返し使用するときに、残留電位の上昇によって画像上に黒点等のかぶりが発生する問題があった。
【0014】
すなわち、上述の2層構造の下引層を有する電子写真感光体はリーク耐性に劣るため先に述べたピンホールリークが生じ易く、そのため感光体の帯電性が低下し、繰返し使用にともなって画像濃度が低下する問題があった。更に、この場合、2層構造のため感光体の製造に手間とコストがかかっていた。
【0015】
また、上述の特開平10−177267号公報及び特開2000−231214号公報に記載の電子写真感光体は、下引層は単層の構造であるため感光体の製造プロセスを簡略化することができコストも低減できるが、抵抗制御の機能と電荷注入制御の機能を合わせて備える必要があり、下引層の構成材料を選択する上での制約があった。
【0016】
また、下引層のリーク耐性を高めてピンホールリークの発生を防止する観点からは、下引層の層厚を厚くすること(以下、厚膜化という)が有効であるが、厚膜化するためには良好な電気特性を得るため下引層の電気抵抗を低減する必要がある。
【0017】
しかし、電気抵抗を低減すると、電荷のブロッキング機能が低下し、カブリ等の画質欠陥の発生を増大させる傾向にある。また、層厚の大きな下引層は形成することが困難となったり、形成後の機械的強度が不十分となるという問題があった。更に、下引層の層厚を大きくすると感光体の感度が低下する問題があった。
【0018】
従来、一般的に下引層に用いられてきている金属酸化物粒子としては、酸化チタンや酸化スズをコートした硫酸バリウム粒子などがあるが、これらは0.2〜0.4μm程度の粒径を有する比較的粒径の大きいものであり、これらを分散させた下引層を厚膜化することは困難であった。また、他の金属酸化物粒子として酸化チタンを超微粒子化して使用した場合には、下引層中において良好な分散性が得にくく、従って良好な電気的特性を有するものが得にくい状況にあった。また、酸化錫や酸化アンチモンドープした酸化錫粒子や酸化錫をコートした硫酸バリウム粒子を用いた場合には、得られる下引層の電気抵抗が低く、十分な耐リーク性を有する中間層が得られないという問題があった。
【0019】
本発明者らは、上述の特開平10−177267号公報及び特開2000−231214号公報に記載の電子写真感光体であっても、下引層の層厚を大きくすると、良好な電気特性が得られず、良好な画質を得ることができなくなることを見出した。
【0020】
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、繰り返し使用に伴う電気特性の低下を十分に防止することのできる高い耐久性と高い解像品質を有する電子写真感光体並びにこれを備えるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、従来の感光体において下引層に使用されている金属酸化物粒子の粒径及び下引層中の粒度分布に関する検討を行った結果、感光体上の特性において、かぶりの発生や微少黒点などの画像中の微少な画質欠陥の発生に対して、中間層に用いられる金属酸化物粒子に含まれる粗大粒子の存在が大きな影響を及ぼしていることを見出した。
【0022】
そして、本発明者らは、金属酸化物粒子の粗大粒子が存在すると、この粗大粒子が中間層中において電気伝導上の特異ポイントとなり、その特異ポイントの領域部分の電気抵抗値は、中間層中の他の領域と電気抵抗値と異なっていると類推した。
【0023】
そして、本発明者らは、導電性支持体層と感光層との間に配置する中間層に含有させる金属酸化物粒子を酸化亜鉛粒子とした場合、その一次粒子径の最大値が300nm以上の粒子を含有させず、その一次粒子径の最大値が300nm未満であり、かつ、平均粒子径が20〜200nmである粒子を選択的に含有させることにより、中間層を厚膜化しても下引層の電気抵抗の増大を容易に低減できることを見出し、本発明に到達した。
【0024】
本発明は、導電性支持体層と、顔料を含む感光層と、導電性支持体層と感光層との間に配置される中間層と、を有しており、中間層が、酸化亜鉛粒子と、バインダー樹脂とを含んでおり、中間層中に含まれる酸化亜鉛粒子は、その一次粒子径の最大値が300nm未満であり、かつ、平均粒子径が20〜200nmであり、中間層の層厚が15〜50μmであること、を特徴とする電子写真感光体を提供する。
【0025】
上述の一次粒子径の条件と平均粒子径の条件を同時に満たす酸化亜鉛粒子のみを選択的に中間層中に分散させることにより、中間層を厚膜化しても、中間層の電気抵抗の増大を容易に低減できる。そのため、中間層を厚膜化しても、感光体の良好な電気特性をえることができ、しかも、下引層のリーク耐性を高めてピンホールリークの発生を有効に防止することができる。
【0026】
従って、本発明の電子写真感光体は、高い耐久性を有しており、長期にわたり繰り返し使用しても電気特性の低下を十分に防止することができるので、良好な画質を安定して得ることができる。
【0027】
ここで、本発明において、上述の粒径の条件を満たす小さな酸化亜鉛粒子を用いることにより、上述の効果を得ることのできる理由として、本発明者らは、上述の粒径の条件を満たす小さな酸化亜鉛粒子を、中間層に含有させることにより、数多くの酸化亜鉛粒子からなる良好な電気伝導性を有する電荷の伝導路が形成され、かつ、中間層における短絡的な電流の流れが抑制され、異常放電によるリーク欠陥の発生が少なくなると考えている。
【0028】
ここで、中間層に含有させる酸化亜鉛粒子の一次粒子径が300nm以上であるか、或いは、酸化亜鉛粒子の平均粒子径が200nmを超える場合には、中間層における電荷の伝導路が少数の酸化亜鉛粒子によって形成されため、感光体の電位に局所的な微少なむらを生じ画像のかぶりなどの不均一性を生じやすくなることがある。また、酸化亜鉛粒子の平均粒子径が20nm未満となると、中間層形成用の塗布液への分散性が悪くなり、塗膜(中間層)を形成するのに良好な塗布液を形成しにくくなる。
【0029】
なお、上記と同様の観点から、中間層中に含まれる酸化亜鉛粒子の一次粒子径の最大値は200nm未満であることがより好ましい。また、中間層中に含まれる酸化亜鉛粒子の平均粒子径は30〜100nmであることが好ましい。
【0030】
本発明において、「酸化亜鉛粒子の平均粒子径」はBET法により測定した酸化亜鉛粒子の比表面積に基づいて求めた値を示す。BET法とは酸化亜鉛粒子に窒素等のガスを吸着させ吸着させたガスの減少量から酸化亜鉛粒子の比表面積(BET比表面積)を求める方法である。なお、この場合の平均粒子粒は酸化亜鉛粒子を球形近似した場合の値を示すため、球形に近い酸化亜鉛粒子ほど走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて求められる平均粒子粒とほぼ近い値が得られる。
【0031】
BET法により測定した酸化亜鉛粒子のBET比表面積をSm2/gとし、酸化亜鉛粒子の比重をρ(=5.6)とすると、酸化亜鉛粒子の平均粒子径(BET径)[μm]は、
平均粒子径=6/(S・ρ)
として求めることができる。
【0032】
本発明において、酸化亜鉛粒子の粉体中から、上述の粒径の条件を満たす酸化亜鉛粒子のみを選択的に得る方法は特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛粒子の製造において微粒子の結晶成長をさせる際の温度制御の条件を変化させる方法や、得られた酸化亜鉛粒子をふるいや遠心分離機を用いて大きさに基づき分級する方法などが利用できる。
【0033】
また、酸化亜鉛粒子の粉体中、上述の粒径の条件を満たさない粗大粒子は、BET法では観測することができないので、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡などの光学的な手段を用いることにより直接的に酸化亜鉛粒子の粉体を観察して確認し、粗大粒子が存在する場合には、ミリングなどにより粉砕を行い粗大粒子を微粒子化するような処理を加えることが可能である。
【0034】
また、本発明の電子写真感光体の場合、中間層を容易に厚膜化することができるので、中間層の層厚は、15〜50μmであり、更に20μmよりも大きく50μm以下であってもよい。中間層の層厚を15μm以上、更には20μmよりも大きくすることにより、下引層のリーク耐性を高めてピンホールリークの発生をより確実に防止することができる。
【0035】
ここで、層厚が50μmを超える中間層を導電性基材上に形成する場合、金属酸化物粒子等の含有物質の分散性を良好に保つことが困難となる傾向が大きくなる、層厚を均一にすることも困難となり、製造コストも増大する。
【0036】
また、本発明において、中間層に含有させるバインダー樹脂は、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂であるか、或いは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂であることが好ましい。
【0037】
上述の樹脂をバインダー樹脂として中間層に含有させることにより、中間層の機械的強度が上述した従来の下引層に比較して高くすることができ、厚膜化することがより容易にできる。また、このようなバインダー樹脂は吸湿性が低いので、これを含有する中間層は、使用環境における温度と湿度の変動による導電性の変動が十分に抑制される。
【0038】
更に、このようなバインダー樹脂は機械的強度が高く可とう性が低いため、電子写真感光体を使用中に異物が感光層に付着しても、これが中間層を貫いて導電性支持体層にまで混入することを有効に防止することができる。
【0039】
また、本発明は、上述の何れかの電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段又は除電手段の少なくとも一つの手段とを一体に有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
【0040】
これにより、本発明のプロセスカートリッジは、繰り返し使用するときに画像上に黒点等のかぶりが発生してしまうことなく高い解像品質を得ることができる。
【0041】
更に、本発明は、上述の何れかの電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電される電子写真感光体を露光する露光手段と、露光手段により露光された部分を現像する現像手段と、現像手段により電子写真感光体に現像された像を転写する転写手段と、を備えることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0042】
これにより、本発明の電子写真装置は、繰り返し使用するときにコピー画像上に黒点等のかぶりが発生してしまうことなく高い解像品質を長期間維持することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0044】
[第一実施形態]
図1(a)は、本発明の電子写真感光体の第一実施形態を示す断面図である。図1(a)に示すように、電子写真感光体100は、導電性支持体層3と、中間層4と、感光層6とから構成されている。
【0045】
導電性支持体層3は、特に限定されるものはなく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属ドラムを使用することができる。また、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン・ニッケルークロム・ステンレス鋼・銅ーインジウム等の金属を蒸着することによって導電処理したドラム状・シート状・プレート状のもの使用できる。
【0046】
更には、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に、酸化インジウム・酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着するか、又は金属箔をラミネートすることによって導電処理したドラム状・シート状・プレート状の物のもの使用できる。また、この他にも、カーボンブラック・酸化インジウム・酸化錫ー酸化アンチモン粉・金属粉・沃化銅等をバインダー樹脂に分散し、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に塗布することによって導電処理したドラム状・シート状・プレート状の物なども使用することができる。
【0047】
ここで、金属パイプ基材を導電性支持体層3として用いる場合、その表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理などの処理を行なうことが好ましい。表面処理を行ない基材表面を粗面化することによりレーザービームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
【0048】
中間層4は、先に述べた、粒径の条件を満たす金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含んでいる。そして、中間層4は、感光層6の帯電時において、導電性支持体層3から感光層6への電荷の注入を阻止する機能を有する。また、この中間層4は、感光層6を導電性支持体層3に対して一体的に接着保持せしめる接着層としても機能する。更に、この中間層4は、導電性支持体層3の光反射を防止する機能を有する。
【0049】
そして、先に述べたように、バインダー樹脂は、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂か或いは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好ましく用いられる。
【0050】
そして、この中間層4の場合、その層厚は、15μm以上であり、20μmよりも大きくしてもよい。ただし、先に述べたように、中間層4の層厚は50μm以下である。
【0051】
上述の硬化剤は、イソシアネートであることが好ましい。イソシアネートとしては、ポリイソシアネート化合物にブロック剤となる活性水素を有する化合物を反応させて得られるイソシアネートのうち、常温で安定であり、所定の条件(例えば、50〜200℃)の下で加熱するとブロック剤が解離して、イソシアネート基が再生されるイソシアネートが好ましい。
【0052】
上述のポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェルポリイソシアネート等が挙げられる。
【0053】
上述のブロック剤としては、例えば、カプロラクトム等のラクタム類、メチルエチルケトオキシムやアセトオキシム等のオキシム類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸ジエチル等のβ-ジケトン類が挙げられる。
【0054】
中間層4の電気抵抗値は104〜1013Ωcmであることが好ましく、108〜1013Ωcmであることがより好ましく、109〜1012Ωcmであることが更に好ましい。抵抗値が104Ωcm未満であると、十分なリーク耐性を得ることが困難となる傾向が大きくなり、1013Ωcmを超えると、残留電位上昇を引き起こしてしまう傾向が大きくなる。中間層4の電気抵抗値は金属酸化物粒子自体の電気抵抗値とその添加量を変化させること、金属酸化物粒子のバインダー樹脂中への分散状態を変化させることで制御することができる。
【0055】
中間層4に含有される酸化亜鉛粒子は、先に述べた粒径の条件を満たしたものを使用する。酸化亜鉛粒子は、従来から知られている各種の化学的あるいは物理的なプロセスにより製造されたものを用いることができる。例えば、、JIS K1410に記載されている間接法(フランス法)、または直接法(アメリカ法)により製造されたものを使用してもよい。
【0056】
間接法(フランス法)は金属亜鉛を1000℃に加熱し亜鉛の蒸気を熱空気によって酸化する。生成した酸化亜鉛粒子を送風機において空気冷却機を通じて冷却し、粒子の大きさによって分別する。また、直接法(アメリカ法)は亜鉛鉱石を培焼することによって得られる酸化亜鉛粒子を石炭などで還元し、生じた亜鉛の蒸気を熱空気によって酸化するか、又は、亜鉛鉱石を硫酸で浸出した鉱宰にコークスなどを加えたものを電気炉で亜鉛を溶かして熱空気によって酸化する。そして、これを間接法と同様に処理する。
【0057】
更に、この他、塩化亜鉛を炭酸ソーダと反応させて得られた炭酸亜鉛を焙焼して得られる酸化亜鉛粒子を用いてもよい。また、亜鉛の塩酸溶液をアルカリ溶液で沈殿させてできた塩基性炭酸亜鉛を培焼する湿式製法により得た酸化亜鉛粒子を用いてもよい。
【0058】
また、減圧雰囲気中でプラズマなどの加熱手段を金属亜鉛に当てて金属亜鉛を蒸発させ、発生した超微粒子に酸素を含有する冷却ガスを当てて酸化させるとともに結晶成長を停止させる気相法により得た酸化亜鉛粒子を用いてもよい。
【0059】
酸化亜鉛粒子としては、粉体抵抗値が102〜1011Ωcmであるものが利用可能であるが、中間層4の優れたリーク耐性を得る観点から、特に、粉体抵抗値が104〜1010Ω・cmであるものが好ましい。102Ωcm未満であると、十分なリーク耐性が得られず、1011Ωcmを超えると残留電位の上昇がおこる傾向が大きくなる。
【0060】
使用環境における温度や湿度の変動による中間層4の電気抵抗値の変動を抑制する観点から、酸化亜鉛粒子はカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、中間層4の電気抵抗に大きな影響を与える酸化亜鉛粒子の分散状態を上述の好適な電気抵抗値を得るのに適した状態に容易にコントロールすることができる。
【0061】
ここで、表面処理とは、酸化亜鉛粒子の表面にカップリング剤を吸着させ、そこでカップリング剤のアルコキシ基を加水分解反応させる処理を示す。
【0062】
カップリング剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0063】
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0064】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルピロホフェート)、イソプロピルトリ(N―アミノエチルーアミノエチル)チタネート等が挙げられる。
【0065】
アルミネート系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルイニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
が、これらに限定されるものではない。なお、これらのカップリング剤は2種以上を混合して使用してもよい。
【0066】
また、カップリング剤の使用量は酸化亜鉛粒子の0.1〜10質量%であることが好ましい。カップリング剤の使用量が酸化亜鉛粒子の0.1質量%未満であると、画質欠陥が発生する傾向が大きくなる。また、カップリング剤の使用量が酸化亜鉛粒子の10質量%を超えると、感光体100の電気特性が低下して感度が低下するおそれがある。
【0067】
カップリング剤による酸化亜鉛粒子の表面処理の方法は特に限定されず、例えば、乾式法、湿式法、気相法など公知の方法を使用してよい。
【0068】
例えば、乾式法に基づいて表面処理を行う場合の手順の一例を説明する。先ず、表面処理前に酸化亜鉛粒子を100〜150℃の温度で予備乾燥し、表面吸着水を除去する。この表面吸着水を処理前に除去することによって、酸化亜鉛粒子表面に均一にカップリング剤を吸着させることができる。このとき、酸化亜鉛粒子はせん断力の大きなミキサで攪拌しながら予備乾燥させてもよい。
【0069】
次に、カップリング剤を酸化亜鉛粒子の表面に吸着させる。このとき、酸化亜鉛粒子をせん断力の大きなミキサで攪拌しながら、カップリング剤を乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させるか、あるいは、カップリング剤を溶剤(有機溶媒、水等)に溶解させた液を乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させる。これにより、酸化亜鉛粒子の表面にカップリング剤が均一吸着させられる。
【0070】
カップリング剤を酸化亜鉛粒子の表面に吸着させる際の温度は、50℃以上の温度で行われることが好ましい。また、溶剤を使用する場合には溶剤の沸点付近の温度で行うことが好ましい。
【0071】
そして、その後、100℃以上の温度で焼き付け処理を行う。これにより、カップリング剤の加水分解反応を十分に進行させることができる。焼き付け処理は150〜250℃の温度で行うことが好ましい。150℃未満であると、十分にカップリング剤の加水分解反応を十分に進行させることができなくなるおそれがある。250℃を超えるとカップリング剤の分解が起こるおそれがある。
【0072】
次に、必要に応じて、表面処理後の酸化亜鉛粒子を粉砕する。これにより、酸化亜鉛粒子の凝集体を粉砕することができるので、中間層4中における酸化亜鉛粒子の分散性を向上させることができる。
【0073】
中間層4には、その電気特性の向上、使用環境における形状安定性の向上、画質向上のために、他の添加物を含有させることができる。
【0074】
例えば、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物、2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3',5,5'テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物等の公知の材料を含有させることができる。
【0075】
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0076】
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。なお、これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
【0077】
また、接触帯電時の電流リークの一因となる、外部からの導電性粉等の異物が感光体を貫くことを防止し、耐久性の高い中間層4を形成する観点から、中間層4の硬度を高くすることが有効であり、硬度の指標として中間層4のビッカース硬度を30以上好ましくは35以上とすることが好ましい。
【0078】
また、干渉縞防止の観点から、中間層4の表面粗さは、使用される露光用レーザー波長λとした場合に、1/4n(nは上層の屈折率)〜λに調整されていることが好ましい。なお、ここでいう表面とは、中間層4の感光体層に面する側の表面である。また、この表面粗さ調整のために中間層4中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)の粒子等を用いることができる。
【0079】
更に、表面粗さ調整のために中間層4の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることもできる。
【0080】
この中間層4は、上述の酸化亜鉛粒子をカップリング剤を用いて表面処理した後、バインダー樹脂中に分散させて得られる塗布液を導電性支持体層3上に塗布することにより形成することができる。
【0081】
中間層4の形成用の塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。
【0082】
例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
【0083】
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
【0084】
カップリング剤を用いて表面処理した金属酸化物をバインダー樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。さらにこの下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0085】
次に、感光層6について説明する。図1(a)に示すように、感光層6は電荷発生層1と電荷輸送層2とから構成されている。
【0086】
電荷発生層1に含有される顔料(電荷発生物質)は特に限定されず、公知の顔料を使用することができる。
【0087】
赤外光を利用する感光体では、例えば、フタロシアニン顔料、スクアリリウム顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン顔料、ジチオケトピロロピロール顔料を使用することができる。また、可視光レーザを利用する感光体では、例えば、縮合多環顔料、ビスアゾ顔料、ペリレン顔料、トリゴナルセレン、色素増感した金属酸化物等を使用することができる。
【0088】
上述した顔料の中では、優れた画像を得られることから、フタロシアニン系顔料を使用することが好ましい。これにより、特に高感度で、繰り返し使用しても良好な画質を安定して得ることのできる電子写真感光体を構成することが容易にできる。
【0089】
フタロシアニン顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に、フタロシアニン顔料の中でも下記式(1)〜(6)に示されるフタロシアニン顔料が好ましく用いられる。
【化1】
Figure 0003991638
【0090】
上記の式(1)〜(6)中、クロルガリウムフタロシアニンとしては、Cukα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の値が7.4°,16.6°,25.5°,28.3°である位置に回折ピークを少なくとも有するものが好ましい。また、チタニルフタロシアニンとしては、Cukα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の値が9.6°,24.1°,27.3°である位置に回折ピークを少なくとも有し、最大ピークを27.3°に有するものが好ましい。
【0091】
また、下記式(1)〜(6)に示されるフタロシアニン顔料以外に、式(4)の配位中心となるGaに結合しているCl原子を−OH基に置換したヒドロキシガリウムフタロシアニンも好ましい。このようなヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、Cukα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の値が7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°, 25.1°,28.1°である位置に回折ピークを少なくとも有するものが好ましい。
【0092】
更に、このような顔料は、公知の方法で製造される顔料結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
【0093】
上記の湿式粉砕処理において使用される溶剤としては、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系が挙げられる。
【0094】
また、この溶剤は、顔料結晶に対して、1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部の範囲で使用する。更に、処理温度は、0℃〜溶剤の沸点、好ましくは10〜60℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。
【0095】
そして磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。また、公知の方法で製造される顔料結晶を、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御することもできる。
【0096】
アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度(質量パーセント濃度)70〜100%、好ましくは95〜100%のものが使用され、溶解温度は、-20〜100 ℃好ましくは0〜60 ℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、顔料結晶の重量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤、アンモニア水等が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
【0097】
また、顔料の含有量は、電荷発生層1の全質量に対して、10〜90質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。顔料の含有量がそれぞれ上記の数値範囲の下限値未満となると、十分な感度が得られにくくなる。一方、顔料の含有量がそれぞれ上記の数値範囲の上限値を超えると、帯電性の低下、感度の低下などの弊害が発生する傾向が大きくなる。
【0098】
電荷発生層1に含有されるバインダー樹脂は、絶縁性樹脂であれば特に限定されるものではなく、広範な絶縁性樹脂から選択して使用することができる。例えば、好ましいバインダー樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができる。
【0099】
電荷発生層1用のバインダー樹脂としては、顔料の分散性の観点から、特にポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられる。なお、上記のバインダー樹脂は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0100】
また、顔料とバインダー樹脂との配合比(質量比)は、電荷発生層1の場合、10:1〜1:10の範囲が好ましい。顔料の質量に対してバインダー樹脂の質量が上記の配合比で示される値未満となると、成膜性が悪くなる等の弊害が発生する傾向が大きくなる。一方、顔料の質量に対してバインダー樹脂の質量が上記の配合比で示される値を超えると、膜中の含有量が相対的に少なくなるため十分な感度が得られなくなる傾向が大きくなる。
【0101】
更に、電荷発生層1を形成するための塗布液に含まれる有機溶剤は、バインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であり、かつ、顔料(電荷発生物質)の結晶型を変化させる影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではなく、公知の有機溶剤を使用することができる。
【0102】
例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。そして、これらの有機溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0103】
この電荷発生層1には、その電気特性の向上、画質向上などのために中間層4の説明において記載したものと同じ他の添加剤を添加することもできる。
【0104】
更に、電荷発生層1の層厚は、良好な電気特性と画質を与えるために、0.05〜5μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。電荷発生層1の厚みが0.05μm未満であると、十分な感度を与えることができない。一方、電荷発生層1の厚みが5μmを超えると、帯電性の不良などの弊害を生じさせ易い。
【0105】
電荷発生層1は、顔料(電荷発生物質)、有機溶剤、バインダー樹脂、添加剤(例えば、顔料の分散助剤等)等を混合して塗布液を調製し、これを中間層4上に塗布して更に乾燥させることにより形成することができる。また、電荷発生層1は、電荷発生物質を中間層4上に真空蒸着することによっても形成することができる。
【0106】
電荷発生層1の形成用の塗布液を調製するには、顔料、バインダー樹脂、有機溶剤、その他の添加剤(例えば、顔料の分散助剤等)等とともに混合する。顔料を液中に高分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの分散方法を用いることができる。
【0107】
更に、成膜性の観点から、電荷発生層1を形成するための塗布液に含まれる顔料などの分散粒子の粒子径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.15μm以下であることが更に好ましい。分散粒子の粒子径が0.5μmを超えると、電荷発生層1の成膜性が悪くなり、画質欠陥を生じ易い。
【0108】
電荷発生層1の形成用の塗布液を中間層4上に塗布する場合の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0109】
次に電荷輸送層2について説明する。電荷輸送層2に含有される電荷輸送物質は、特に限定されるものではなく、公知の物質を使用することができる。
【0110】
例えば、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P-メチル)フェニルアミン、N,N’-ビス(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、ジベンジルアニリン、9,9-ジメチル-N,N’-ジ(p-トリル)フルオレノン-2-アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4’ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4’-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジン等の1,2,4-トリアジン誘導体、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン、4-ジフェニルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン、[p-(ジエチルアミノ)フェニル](1-ナフチル)フェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2-フェニル-4-スチリル-キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)-ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N’-ジフェニルアニリン等のα-スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N-エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物、2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3',5,5'テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送物質等が挙げられる。
【0111】
更には、電荷輸送物質は、以上例示した化合物の基本構造を主鎖又は側鎖に有する重合体等も挙げられる。そして、これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0112】
また、電荷輸送層2に含有されるバインダー樹脂は特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができるが、電機絶縁性のフィルムを形成することが可能な樹脂が好ましい。
【0113】
例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂。シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。
【0114】
そして、これらのバインダー樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いることができる。特に、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送物質との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れいるので好ましく用いられる。
【0115】
また、バインダー樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)は電気特性低下、膜強度低下に考慮しつつ任意に設定することができる。この電荷輸送層2の層厚は5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。が適当である。
【0116】
電荷輸送層2は、電荷輸送物質、有機溶剤、バインダー樹脂等を混合して塗布液を調製し、これを電荷発生層1上に塗布して更に乾燥させることにより形成することができる。
【0117】
電荷輸送層2の形成用の塗布液を調製するには、電荷輸送物質、有機溶剤、バインダー樹脂等とともに混合する。電荷輸送物質を液中に高分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの分散方法を用いることができる。
【0118】
更に、成膜性の観点から、電荷輸送層2を形成するための塗布液に含まれる顔料などの分散粒子の粒子径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.15μm以下であることが更に好ましい。分散粒子の粒子径が0.5μmを超えると、電荷輸送層2の成膜性が悪くなり、画質欠陥を生じ易い。
【0119】
更に、電荷輸送層2の形成用の塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0120】
電荷輸送層2の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0121】
[第二実施形態]
図1(b)は、本発明の電子写真感光体の第二実施形態を示す断面図である。図1(b)に示す電子写真感光体110は、感光層6を単層構造とした以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
【0122】
図1(b)に示す感光層6は、図1(a)に示した電荷発生層1と電荷輸送層2に含有される電荷発生物質と電荷輸送物質をはじめとする物質を合わせて含有する層である。
【0123】
感光層6がこのように単層型の場合には、顔料の含有量は、感光層6の全質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。また、顔料の含有量が上記の数値範囲の下限値未満となると、十分な感度が得られにくくなる。一方、顔料の含有量が上記の数値範囲の上限値を超えると、帯電性の低下、感度の低下などの弊害が発生する傾向が大きくなる。
【0124】
また、このように感光層6が単層型の場合、バインダー樹脂としては、正孔輸送性材料との相溶性の観点から、特にポリカーボネート樹脂及びメタクリル樹脂が好ましく用いられる。更に、これらの樹脂のポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーの中から選択して使用してもよい。なお、上記のバインダー樹脂は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0125】
この感光層6も、上述した電荷輸送物質、上述した電荷輸送物質、上述した有機溶剤、バインダー樹脂等を混合して塗布液を調製し、上述と同様の方法により導電性支持体層3上に塗布して更に乾燥させることにより形成することができる。
【0126】
[第三実施形態]
図2(a)は、本発明の電子写真感光体の第三実施形態を示す断面図である。図2(a)に示す電子写真感光体120は、感光層6上に保護層5を備えること以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
【0127】
保護層5は、電子写真感光体120の帯電時の電荷輸送層2の化学的変化を防止したり、感光層6の機械的強度をさらに改善する為に用いられる。この保護層5は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させた塗布液を感光層6上に塗布することにより形成される。この導電性材料は特に限定されるものではなく、例えば、N,N'-ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したものが挙げられる。
【0128】
この保護層5に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が用いられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。
【0129】
保護層5の厚みは1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。この保護層5を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0130】
また、保護層5を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される感光層6を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
【0131】
[第四実施形態]
図2(b)は、本発明の電子写真感光体の第二実施形態を示す断面図である。図2(b)に示す電子写真感光体130は、感光層6を単層構造とし、感光層6上に保護層5を備える以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。そして、図2(b)に示す感光層6は、図1(b)に示した感光層6と同様の構成を有する。
【0132】
[第五実施形態]
図3(a)は、本発明の電子写真感光体の第五実施形態を示す断面図である。図3(a)に示す電子写真感光体140は、感光層6と中間層4との間に下引層42を備える以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。この下引層42は、感光体140の電気特性の向上、画質の向上、感光層6の接着性向上のために設けられている。
【0133】
この下引層42の構成材料は特に限定されず、合成樹脂、有機物質或いは無機物質の粉末、電子輸送性物質等から任意に選択することができる。
【0134】
合成樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
【0135】
そして、これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。更にこれらの中でも、ジルコニウムキレート化合物、シランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0136】
上記のシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0137】
これらの中でも特に好ましく用いられるシリコン化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシシラン)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
【0138】
ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
【0139】
チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
【0140】
アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0141】
下引層42中には、電気特性の向上や光散乱性の向上などの目的により、各種の有機化合物の微粉末もしくは無機化合物の微粉末を添加することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やテフロン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。
【0142】
添加微粉末の粒径は0.01〜2μmのものが用いられる。微粉末は必要に応じて添加されるが、その添加量は下引層42の固形分の総質量に対して、質量比で10〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
【0143】
また、下引層42中には、先に説明した電子輸送性物質、電子輸送性顔料等を含有させることも低残留電位化や環境安定性の観点から有効である。更に、下引層42の厚みは0.01〜30μm、好ましくは0.05〜25μmが好ましい。
【0144】
また、下引層42を形成するための塗布液の調製する際に、微粉末状の物質を添加する場合には樹脂成分を溶解した溶液中に添加して分散処理が行われる。この分散処理方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。
【0145】
更に、この下引層42は導電性支持体層3上に下引層42を形成するための塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。このときの塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0146】
[第六実施形態]
図3(b)は、本発明の電子写真感光体の第六実施形態を示す断面図である。図3(b)に示す電子写真感光体150は、感光層6を単層構造とし、感光層6と中間層4との間に下引層42を備える以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
【0147】
そして、下引層42は、上述の図3(a)に示した感光体150と同様の構成を有する。
【0148】
[第七実施形態]
図4(a)は、本発明の電子写真感光体の第七実施形態を示す断面図である。
【0149】
図4(a)に示す電子写真感光体160は、感光層6上に保護層5を設け、感光層6と中間層4との間に下引層42を備える以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
【0150】
そして、下引層42は、上述の図3(a)に示した感光体150の下引層42と同様の構成を有する。また、保護層5も上述の図2(a)に示した感光体130の保護層5と同様の構成を有する。
【0151】
[第八実施形態]
図4(a)は、本発明の電子写真感光体の第七実施形態を示す断面図である。
【0152】
図4(a)に示す電子写真感光体170は、感光層6上に保護層5を設け、感光層6を単層構造とし、感光層6と中間層4との間に下引層42を備える以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
【0153】
そして、下引層42は、上述の図3(a)に示した感光体150の下引層42と同様の構成を有する。また、保護層5も上述の図2(a)に示した感光体130の保護層5と同様の構成を有する。更に、感光層6も上述の図2(b)に示した感光体110の感光層6と同様の構成を有する。
【0154】
以上、本発明の電子写真感光体の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではない。
【0155】
例えば、本発明の電子写真感光体の感光層には、図1(a)、図2(a)及び図3(a)に示した感光体100、120及び130のように2層からなる構成の場合、図1(b)、図2(b)及び図3(b)に示した感光体110、130及び150のように単層構造の場合の何れにおいても、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。
【0156】
例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0157】
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル フェノール、スチレン化フェノール、n-オクタデシル-3-(3',5'-ジ-t-ブチル 4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチル フェノール)、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレート、4,4'-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチル-フェノール)、4,4'-チオ-ビス-(3-メチル 6-t-ブチルフェノール)、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート]-メタン、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル フェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチル エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
【0158】
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-[2-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイミル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,3,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6,-ペンタメチル-4ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物などが挙げられる。
【0159】
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル-3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-(β-ラウリル-チオプロピオネート)、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネート、2-メルカプト ベンズイミダゾールなどが挙げられる。有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニル フォスフィート、トリフェニル フォスフィート、トリス(2,4-ジ-t-ブチル フェニル)-フォスフィートなどが挙げられる。
【0160】
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
【0161】
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。例えば、ベンゾフェノン系光安定剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシ ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシ ベンゾフェノン、2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシ ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0162】
ベンゾトリアゾール系系光安定剤としては、2-(-2'-ヒドロキシ-5'メチル フェニル-)-ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3'',4'',5'',6''-テトラ-ヒドロフタルイミド-メチル)-5'-メチルフェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(-2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル 5'-メチルフェニル-)-5-クロロ ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル 5'-メチルフェニル-)-5-クロロ ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-t-ブチルフェニル-)-ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチル フェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ 3',5'-ジ-t-アミル フェニル-)-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0163】
その他の化合物としては、2,4,ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、ニッケル ジブチル-ジチオカルバメートなどがある。
【0164】
また、感光層6には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
【0165】
使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、フタル酸などが挙げられる。
【0166】
これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、−Cl,−CN,−NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましく用いられる。更に、本発明の感光層形成用塗布液には、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0167】
以上説明した本発明の本発明の電子写真感光体は、近赤外光もしくは可視光に発光するレーザービームプリンター、デイジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置や、このような電子写真装置に備えれられるプロセスカートリッジに搭載することができる。また、本発明の電子写真感光体は一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合わせて用いることができる。また本発明の電子写真感光体は帯電ローラーや帯電ブラシを用いた接触帯電方式の電子写真装置に搭載されても電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
【0168】
次に、本発明の本発明の電子写真感光体を搭載した電子写真装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
【0169】
図5は、本発明の電子写真装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図5に示す電子写真装置200は、電子写真感光体7と、電子写真感光体7をコロナ放電方式により帯電させる帯電手段8と、帯電手段8に接続された電源9と、帯電手段8により帯電される電子写真感光体7を露光する露光手段10と、露光手段10により露光された部分を現像する現像手段11と、現像手段11により電子写真感光体7に現像された像を転写する転写手段12と、クリーニング装置13と、除電器14と、定着装置15とを備える。帯電手段8は特に限定されないが、例えば、コロトロン、スコロトロンが挙げられる。
【0170】
また、図6は、図5に示す本発明の電子写真装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【0171】
図6に示す電子写真装置210は、電子写真感光体7を接触方式により帯電させる帯電手段8を備えていること以外は、図5に示した電子写真装置200と同様の構成を有する。特に、直流電圧に交流電圧を重畳した接触式の帯電手段を採用する電子写真装置においては、優れた耐久性を有するため、好ましく使用できる。なお、この場合には、除電器14が設けられていないものもある。
【0172】
帯電手段(帯電用部材)8は、感光体7の表面に接触するように配置され、感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。帯電手段8にはアルミニウム、鉄、銅などの金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化けい素、金属酸化物などの金属酸化物粒子を分散したものなどを用いることができる。
【0173】
この金属酸化物の例としてはZ2O、SnO2、TiO2、In2O3、MoO3等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、帯電手段8にはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用しても良い。
【0174】
更に、帯電手段8にはその表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N-アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、たとえば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることも出来る。
【0175】
これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型、などが挙げられる。
【0176】
さらに、帯電手段8の電気抵抗値は、好ましくは102〜1014Ωcm、さらに好ましくは102〜1012Ωcmの範囲が良い。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。又、直流+交流の形で印加することもできる。
【0177】
更に、図7は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体7とともに、帯電手段8、現像手段11、クリーニング装置(クリーニング手段)13、露光のための開口部18、及び除電器14を取り付けレール16を用いて組み合せて一体化したものである。
【0178】
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段12と、定着装置15と、図示しない他の構成部分とからなる電子写真装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。
【0179】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置の内容をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0180】
(実施例1)
以下の手順にて図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する感光体を作製した。
【0181】
先ず、酸化亜鉛(E017,テイカ社製):41質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175,住友バイエルンウレタン社製) :12質量部と、ブチラール樹脂 BM-1 (積水化学社製):6質量部と、メチルエチルケトン:52質量部と、シリコーンボール トスパール120(東芝シリコーン社製):3質量部と、レベリング剤となるシリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):100ppmとを混合し、バッチ式ミルにて10時間の分散を行い中間層塗布用液を得た。
【0182】
この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、肉厚1mmのアルミニウム基材(導電性支持体層)上に塗布し、150℃、30分の乾燥硬化を行い、層厚が18μmの中間層を形成した。
【0183】
次に、中間層上に2層構造の感光層を形成した。
【0184】
まず、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有する塩化ガリウムフタロシアニン:15質量部、バインダー樹脂となる塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n-ブチルアアセテート:300質量部からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。
【0185】
得られた分散液を電荷発生層形成用の塗布液として中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、層厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0186】
さらに、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-[1、1']ビフェニル-4,4'-ジアミン:4質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量4万):6質量部とをクロルベンゼン:80質量部に加えて溶解した。
【0187】
得られた分散液を電荷輸送層形成用の塗布液として電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃、40分の乾燥を行うことにより層厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
【0188】
なお、図8に、実施例1の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真を示す。酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、70nmであり、一次粒子径の最大値は、180nmであった。この酸化亜鉛粒子には一次粒子径の最大値が300nm以上の粗大粒子は含まれていないことを確認した。
【0189】
(実施例2,比較例1〜3)
酸化亜鉛粒子を図9〜図12にSEM写真で示す粒子に変更した以外は実施例1と同様の手順で各電子写真感光体を作製した。
【0190】
すなわち、実施例2の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子(MZ300,テイカ社製)は、図9に示すように、その平均粒子径が、30nmであり、一次粒子径の最大値は、80nmであった。この酸化亜鉛粒子には一次粒子径の最大値が300nm以上の粗大粒子は含まれていないことを確認した。
【0191】
また、比較例1の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子(ナノテックZnO,シーアイ化成社製)は、図10に示すように、その平均粒子径が60nmであり、一次粒子径の最大値は、550nmであった。この酸化亜鉛粒子には一次粒子径の最大値が300nm以上の粗大粒子が含まれていた。
【0192】
更に、比較例2の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子(ナノテックZnO,シーアイ化成社製)は、図11に示すように、その平均粒子径が70nmであり、一次粒子径の最大値は、500nmであった。この酸化亜鉛粒子には一次粒子径の最大値が300nm以上の粗大粒子が含まれていた。
【0193】
また、比較例3の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子(酸化亜鉛1種,ハウスイテック社製)は、図12に示すように、その平均粒子径が250nmであり、一次粒子径の最大値は、500nmであった。この酸化亜鉛粒子には一次粒子径の最大値が300nm以上の粗大粒子が含まれていた。
【0194】
(実施例3)
以下の手順にて図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する感光体を作製した。
【0195】
先ず、図8に示した酸化亜鉛粒子:35質量部と、ブチラール樹脂(BX-1,積水化学社製):10質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175,住友バイエルンウレタン社製):10質量部と、シリコーンボール トスパール120(東芝シリコーン社製):5質量部と、メチルエチルケトン:50質量部と、レベリング剤となるシリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):0.1質量部とを混合し、バッチ式ミルにて2時間の分散を行い中間層塗布用液を得た。
【0196】
この塗布液を浸漬塗布法にて30mmφ×404mm、肉厚1mmのアルミニウム基材(導電性支持体層)上に塗布し、150℃、30分の乾燥硬化を行い、層厚が20μmの中間層を形成した。
【0197】
次に、中間層上に2層構造の感光層を形成した。
【0198】
まず、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°, 25.1°,28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン:15質量部、バインダー樹脂となるブチラール樹脂(BM-1、積水化学社製):10質量部、n−ブチルアルコール300:質量部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。
【0199】
得られた分散液を電荷発生層形成用の塗布液として中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、層厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0200】
さらに、ジ(3,4-ジメチルフェニル)(4-フェニルフェニル)アミン:2質量部と N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン:2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(平均分子量4万):6質量部とを、それぞれテトラヒドロフラン:80質量部と、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル フェノール:0.2質量部とに加えて溶解した。
【0201】
得られた分散液を電荷輸送層形成用の塗布液として電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃、40分の乾燥を行うことにより層厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
【0202】
(実施例4及び比較例4〜6)
後述の表2に示すように、酸化亜鉛粒子を図9〜図12にSEM写真で示す粒子に変更した以外は実施例3と同様の手順で各電子写真感光体を作製した。
【0203】
(実施例5)
以下の手順にて図3(a)に示した電子写真感光体140と同様の構成を有する感光体を作製した。
【0204】
先ず、図8に示した酸化亜鉛粒子をシランカップリング剤(KBM603,信越化学社製)により表面被覆処理(カップリング剤の使用量:酸化亜鉛粒子に対して12.5質量%)した粒子:50質量部と、ブチラール樹脂(BX-1,積水化学社製):6質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175,住友バイエルンウレタン社製):10質量部と、シリコーンボール トスパール120(東芝シリコーン社製):2質量部と、レベリング剤となるシリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):0.1質量部と、n-ブチルアルコール:50質量部とを混合し、バッチ式ミルにて10時間の分散を行い中間層塗布用液を得た。
【0205】
この塗布液を浸漬塗布法にて80mmφ×340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材(導電性支持体層)上に塗布し、150℃、30分の乾燥硬化を行い、層厚が20μmの中間層を形成した。
【0206】
次に、中間層上に下引層を形成した。
【0207】
先ず、4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解させたn−ブチルアルコール:170質量部と、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート):30質量部と、有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン)3質量部とを混合して攪拌し、下引き層形成用の塗布液を得た。
【0208】
この下引き層形成用の塗布液を浸漬塗布法にて中間層上に塗布し、室温で5分間風乾を行った後、50℃で7分間昇温を行った。その後、50℃で7分間、導電性支持体層と中間層を一体化したものの昇温を行い、50℃で85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れ、10分間、加湿硬化促進処理を行った。次いで、これを熱風乾燥機に入れて135℃で10分間乾燥を行い、中間層上に下引層を形成した。
【0209】
次に、下引層上に2層構造の感光層を形成した。
【0210】
まず、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、少なくとも9.5°,11.7°,15°,24.1°,27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニン:15質量部、バインダー樹脂となるブチラール樹脂(BX-1、積水化学社製):10質量部、n−ブチルアルコール:300質量部からなる混合物を、ダイノーミルにて2時間分散した。
【0211】
得られた分散液を電荷発生層用の塗布液として下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、層厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0212】
さらに、α−フェニルスチルベン化合物:4質量部とビスフェノールZポリカーボネート(分子量4万):6質量部とを、それぞれテトラヒドロフラン:80質量部と、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール:0.2質量部とに加えて溶解した。
【0213】
得られた分散液を電荷輸送層形成用の塗布液として電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃、40分の乾燥を行うことにより層厚が3018μmの電荷輸送層を形成した。
【0214】
(実施例6及び比較例7〜9)
後述の表3に示すように、酸化亜鉛粒子を図9〜図12にSEM写真で示す粒子に変更した以外は実施例5と同様の手順で各電子写真感光体を作製した。
【0215】
[電子写真感光体の電子写真特性評価試験]
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例9の電子写真感光体を図5と同様の構造(接触帯電装置を有する)を有するフルカラープリンター(C2220DocuPrint,富士ゼロックス社製)に搭載し、プリント画質を調べることによりそれぞれの電子写真感光体の電子写真特性を以下のように評価した。
【0216】
(1)使用初期のかぶりの発生の度合いの比較による評価
感光体表面電位を700Vとし現像バイアス電圧を650Vとして通常の設定よりもかぶりが発生しやすいストレスのかかった過酷な条件に設定して紙に画像をプリントさせた。プリント後に得られる画像について、かぶりの発生の度合いを以下の評価基準に基づいて評価した。これらの結果を表1〜表3に示す。
G0;かぶりの発生が無く良好な画質が得られた。
G1;かぶりが微妙に存在するレベル。
G2;G1とG3との中間のレベル。
G3;うすいかぶりがみられるレベル。
G4;G3とG5との中間のレベル。
G5;かぶりにより激しく下色部が黒色化するレベル。
【0217】
(2)繰り返し使用時の特性評価
帯電装置、露光装置を有する感光体用の電気特性試験装置を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)環境下、グリッド印加電圧−700Vのスコロトロン帯電器で各電子写真感光体を帯電させたときの各電子写真感光体の表面の帯電電位Aを測定した。
【0218】
次に、780nmの半導体レーザーを用いて、帯電させてから1秒後の各電子写真感光体に10mJ/m2の光を照射して放電を行わせ、このときの各電子写真感光体の表面の光減衰後の電位Bを測定した。
【0219】
続いて、放電させてから3秒後各電子写真感光体に50mJ/m2の赤色LED光を照射して除電を行い、このときの各電子写真感光体の表面の残留電位Cを調べた。
【0220】
ここで、電位Aの値が高いほど、電子写真感光体の受容電位が高いので、コントラストを高く取ることができることになる。また、電位Bの値が低いほど高感度な電子写真感光体であることになる。更に、電位Cの値が低いほど残留電位が少なく、画像メモリーやいわゆるかぶりが少ない電子写真感光体と評価される。
【0221】
初期の帯電電位Aを−700V、露光光量を調節してバックグランド電位を−200Vに設定し、その帯電条件及び露光量に設定して、上記の操作を繰り返し、バックグランド電位がコントラスト電位までの半分(−450V)になるまでの繰り返しサイクルの数を測定した。この繰り返しサイクルの数を感光体の寿命と定義して感光体の繰り返し使用時の特性を評価した。これらの結果を表1〜表3に示す。
【0222】
(3)繰り返し使用後のかぶりの発生の度合いの比較による評価
上記の繰り返しサイクルの数が200kcycleとなった時点で、感光体を上述のフルカラープリンターに搭載し、感光体の表面電位を−700Vとし、現像バイアス電圧を−650Vとして通常の設定よりもかぶりが発生しやすいストレスのかかった過酷な条件に設定して紙に画像をプリントさせた。プリント後に得られる画像について、かぶりの発生の度合いを先に述べたG0〜G5の評価基準に基づいて評価した。これらの結果を表1〜表3に示す。
【0223】
【表1】
Figure 0003991638
【0224】
【表2】
Figure 0003991638
【0225】
【表3】
Figure 0003991638
【0226】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子写真感光体によれば、繰り返し使用に伴う電気特性の低下を十分に防止することのできる高い耐久性と高い解像品質を得ることができる。そして、これを備えることにより、長期にわたり繰り返し使用しても高い解像品質を得ることのできるプロセスカートリッジ並びに電子写真装置を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の電子写真感光体の第一実施形態を示す断面図であり、(b)は、本発明の電子写真感光体の第二実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)は、本発明の電子写真感光体の第三実施形態を示す断面図であり、(b)は、本発明の電子写真感光体の第四実施形態を示す断面図である。
【図3】(a)は、本発明の電子写真感光体の第五実施形態を示す断面図であり、(b)は、本発明の電子写真感光体の第六実施形態を示す断面図である。
【図4】(a)は、本発明の電子写真感光体の第七実施形態を示す断面図であり、図3(b)は、本発明の電子写真感光体の第八実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の電子写真装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図6】図5に示す本発明の電子写真装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図8】実施例1の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真である。
【図9】実施例2の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真である。
【図10】比較例1の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真である。
【図11】比較例2の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真である。
【図12】比較例3の電子写真感光体の中間層に含有される酸化亜鉛粒子のSEM写真である。
【符号の説明】
1…電荷発生層、3…導電性支持体層、4…中間層、5…保護層、6…感光層、7…電子写真感光体、8…帯電手段、9…電源、10…露光手段、11…現像手段、12…転写手段、13…クリーニング装置、14…除電器、16…取り付けレール、18…露光のための開口部、42…下引層、100,110,120,130,140,150,160,170…電子写真感光体、200…電子写真装置、210…電子写真装置、300…プロセスカートリッジ。

Claims (4)

  1. 導電性支持体層と、顔料を含む感光層と、前記導電性支持体層と前記感光層との間に配置される中間層と、を有しており、
    前記中間層が、酸化亜鉛粒子と、バインダー樹脂とを含んでおり、
    前記中間層中に含まれる前記酸化亜鉛粒子は、その一次粒子径の最大値が300nm未満であり、かつ、平均粒子径が20〜200nmであり、
    前記中間層の層厚が15〜50μmであること、
    を特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記中間層の層厚が20μmよりも大きく50μm以下であることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段、クリーニング手段又は除電手段の少なくとも一つの手段とを一体に有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電される前記電子写真感光体を露光する露光手段と、
    前記露光手段により露光された部分を現像する現像手段と、
    前記現像手段により前記電子写真感光体に現像された像を転写する転写手段と、
    を備えることを特徴とする電子写真装置。
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