JP2014066756A - 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2014066756A
JP2014066756A JP2012209980A JP2012209980A JP2014066756A JP 2014066756 A JP2014066756 A JP 2014066756A JP 2012209980 A JP2012209980 A JP 2012209980A JP 2012209980 A JP2012209980 A JP 2012209980A JP 2014066756 A JP2014066756 A JP 2014066756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
layer
resin
undercoat layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012209980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014066756A5 (ja
Inventor
Hidemi Nukada
秀美 額田
Takahiro Suzuki
貴弘 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2012209980A priority Critical patent/JP2014066756A/ja
Publication of JP2014066756A publication Critical patent/JP2014066756A/ja
Publication of JP2014066756A5 publication Critical patent/JP2014066756A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体の提供。
【解決手段】支持体102と、

〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕で表されるオキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層104と、感光層103と、をこの順に有する電子写真感光体101。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジに関する。
カラーや白黒の画像を形成する複写機やプリンタなどの画像形成装置として、電子写真方式を用いた画像形成装置(電子写真装置)が知られている。
電子写真方式による画像形成装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称す)としては、無機光導電材料を用いた無機感光体に比べ有機光導電材料を用いた有機感光体が主流を占める様になってきている。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とを積層させた機能分離型の有機感光体は、種々の提案が成され、実用化されている。
これらの感光体においては、アルミニウム等の支持体上に下引層をまず形成しその後電荷発生層や電荷輸送層等の感光層を形成したものが多く用いられている。特に近年、電子写真装置においてコロトロン等の非接触式の帯電方式に代わり、オゾンの発生が少ない接触式帯電方式の帯電装置が用いられるようになり、それに応じて下引層の改良が求められている。
例えば、導電性支持体上に少なくとも下引層、感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、該下引層が少なくとも中空粒子、金属酸化物、および結着樹脂からなることを特徴とする電子写真感光体が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、絶縁性フィルム上に導電層が設けられ、該導電層上に高分子バインダー、絶縁性粒子および比重が0.8から0.9の範囲にある導電性粒子(例えば、表面が導電性物質で被覆された中空構造を有する無機粒子または有機ポリマー粒子)からなる誘電層が設けられた静電記録フィルムが開示されている(例えば特許文献2参照)。
また、電荷発生材料、電荷輸送材料およびオキシム系化合物を含有する感光層を、導電性基体上に設けた電子写真感光体が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開2008−292553号公報 特開平10−319612号公報 特開平07−146556号公報
本発明は、繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、
請求項1の発明は、
支持体と、
オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、
感光層と、
をこの順に有する電子写真感光体である。
請求項2の発明は、
前記オキシム化合物が、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体である。

〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕
請求項3の発明は、
前記下引層が更に金属酸化物粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体である。
請求項4の発明は、
前記下引層が更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電子写真感光体である。
請求項5の発明は、
前記アクセプター性化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子写真感光体である。

(一般式(I)中、R乃至Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、またはカルボキシル基を示す。)

(一般式(II)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。)
請求項6の発明は、
支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置である。
請求項7の発明は、
支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体を少なくとも備え、
画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
請求項1の発明によれば、下引層にオキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有しない場合に比べ、繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
請求項2の発明によれば、オキシム化合物が前記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種でない場合に比べ、繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
請求項3の発明によれば、下引層が更に金属酸化物粒子を含有しない場合に比べ、下引層の抵抗が良好に制御され且つ繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
請求項4の発明によれば、下引層が更にアクセプター性化合物を含有しない場合に比べ、下引層と感光層との電荷の授受が良好に制御され且つ繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
請求項5の発明によれば、アクセプター性化合物が前記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物でない場合に比べ、下引層と感光層との電荷の授受が良好に制御され且つ繰り返し使用した際にも残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
請求項6の発明によれば、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層を有する電子写真感光体を備えない場合に比べ、画像濃度の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
請求項7の発明によれば、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層を有する電子写真感光体を備えない場合に比べ、画像濃度の低下が抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体は、支持体と、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、感光層と、をこの順に有する。
感光体における下引層が、例えば結着樹脂を含有してなる場合、樹脂膜内部の電荷移動は膜に含有される水分やイオン性物質のイオン導電性によりなされる。しかし、一部の電荷が下引層中の捕捉部位に残留し、感光体が繰り返し使用されて該電荷が前記捕捉部位に蓄積されることで、感光体の残留電位が上昇することがあり、得られる画像での画像濃度低下を引き起こす一因になると考えられる。
尚、下引層においては、抵抗を制御する観点から金属酸化物粒子を添加することがある。しかし、前述の電荷の蓄積は(1)金属酸化物粒子内部に存在する捕捉部位、(2)金属酸化物粒子同士の界面で形成される捕捉部位、(3)金属酸化物粒子と樹脂との界面に存在する捕捉部位、(4)樹脂中に存在する捕捉部位等で発生するものと考えられる。つまり、下引層に金属酸化物粒子を含有する場合、感光体での残留電位の上昇がより顕著となる傾向にある。
これに対し本実施形態では、下引層にオキシム化合物を含有させることにより残留電位の蓄積が抑制され、画像濃度低下の発生が効果的に抑制されることを見出した。
この効果が奏されるメカニズムは、必ずしも明確ではないものの、前記オキシム化合物が下引層内の捕捉部位を減少させたり、あるいは下引層内の捕捉部位を埋める効果を有しており、捕捉部位の減少や捕捉部位が埋められることによって電荷が蓄積することが抑制され、その結果残留電位の上昇が抑制されるものと考えられる。
また、下引層がオキシム化合物に加えて更に金属酸化物粒子を含有することにより、該金属酸化物粒子が膜内に形成する導電路により効果的に電荷が輸送され、含有されるオキシム化合物による捕捉部位の減少効果との相乗効果により、下引層内での電荷の蓄積の抑制および画像濃度低下の抑制がさらに効率的になされるものと推察される。
さらに、下引層がオキシム化合物に加えてアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有することにより、下引層と隣接する感光層(電荷発生層等)との界面における電荷の授受が容易となり、含有されるオキシム化合物による捕捉部位の減少効果との相乗効果により、下引層と感光層との界面での電荷の蓄積の抑制がさらに効率的になされるものと推察される。
ついで、本実施形態に係る電子写真感光体の構成について詳細に説明する。
図1は本実施形態の感光体の構成の一例を示す概略図である。図1に示した電子写真感光体101は電荷発生層105と電荷輸送層106とが別個に設けられた機能分離型の感光層103を備えるもので、導電性支持体102上に下引層104、電荷発生層105、電荷輸送層106、保護層107がこの順序で積層された構造を有している。尚、下引層104としては、前述の本実施形態に係る構成の下引層が適用される。
以下、図1に示す構成を有する電子写真感光体101の各構成要素について主に説明するが、本実施形態に係る電子写真感光体の構成は、これに限定されない。例えば、電荷発生層と電荷輸送層の機能を有する一体型の感光層が設けられていてもよい。また、下引層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、最表面層となる保護層は必ずしも設ける必要はない。
(導電性支持体)
まず、導電性支持体について説明する。なお、「導電性」とは、例えば体積抵抗率が1013Ω・cm以下を意味する。
導電性支持体102としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケルークロム、ステンレス鋼、銅、インジウム等の金属を蒸着したものや酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの;上記基材に金属箔をラミネートしたもの又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、それを塗布することによって導電処理したもの等が用いられる。尚、導電性支持体102の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
本実施形態に用いられる導電性支持体102には表面処理を施してもよい。表面処理には鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等の公知の技術が用いられる。
(下引層)
下引層104は、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、また少なくとも結着樹脂を含有して形成されることが好ましい。
−結着樹脂−
下引層104に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
−オキシム化合物−
オキシム化合物とは、「−C(=N−OH)−」の2価の基(以下単に「オキシム基」とも称する)を有する化合物を表す。
オキシム化合物としては、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕
尚、上記Rc1が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、またはアリール基であり、且つRc2が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、またはアリール基であることが好ましい。
前記Rc1およびRc2で表されるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、該アルキル基としては炭素数1以上6以下のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基等が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。
前記Rc1およびRc2で表されるアリール基としては炭素数6以上9以下のものが好ましく、例えばフェニル基、ベンジル基等が挙げられ、これらの中でもフェニル基が好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合における該置換基としては、例えば水酸基、アミノ基、アリール基等が挙げられる。
尚、特に上記アルキル基およびアリール基が置換基を有する場合における該置換基の置換位置としては、特に限定されるものではないが、前記Rc1およびRc2で表される基(アルキル基、アリール基)において、直鎖状または分岐鎖状の基の末端(オキシム基と結合する側と反対側の末端)に置換する態様が好ましい。但し、上記Rc1およびRc2で表される基においては、置換基を有していないものがより好ましい。
また、前記一般式(C−1)においてRc1とRc2とが環を形成している化合物とは、即ち下記一般式(C−2)で表される化合物を表す。

(式(C−2)中、Rc3は、−C(=N−OH)−基における炭素を含んで構成される脂肪族環を表す。)
前記Rc3で表される脂肪族環(−C(=N−OH)−基における炭素を含む)は飽和であっても不飽和であってもよく、該脂肪族環としては環における炭素数が3以上12以下のものが好ましく、例えばシクロプロパノン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタノン等が挙げられ、これらの中でもシクロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましい。
上記脂肪族環が置換基を有する場合における該置換基としては、例えば水酸基、アミノ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
また前記Rc3で表される脂肪族環が置換基を有する場合、該置換基の置換位置としては特に限定されるものではない。
但し、上記脂肪族環においては、置換基を有していないものがより好ましい。
オキシム化合物の例としては、例えばアセトンオキシム、アセトアルドオキシム、ベンズアルドオキシム、プロパナールオキシム、ブタナールオキシム、ブタノンオキシム(メチルエチルケトオキシム)、ブテン−1−オンオキシム、シクロプロパノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロオクタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロドデセノンオキシム、2−フェニルシクロヘキサノンオキシム、シクロヘキセノンオキシム、2−メチル−2−ペンタノンオキシム等が挙げられ、この中でもアセトンオキシム、ブタノンオキシムがより好ましく、更にブタノンオキシム(メチルエチルケトオキシム)が好ましく用いられる。
尚、オキシム化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記オキシム化合物と、後述の金属酸化物およびアクセプター性化合物との好ましい組み合わせとしては、例えば以下の組合せが挙げられる。
・メチルエチルケトオキシムと、酸化亜鉛と、アリザリンとの組合せ
・メチルエチルケトオキシムと、酸化亜鉛と、4−エトキシ−1,2−ジヒドロキシアントラキノンとの組合せ
オキシム化合物の含有量としては、前記結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下が好ましく、0.05質量部以上0.5質量部以下がより好ましい。
−金属酸化物−
本実施形態に望ましく用いられる金属酸化物粒子としては、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下の粉体抵抗を有するものが好ましい。金属酸化物粒子の抵抗値が上記範囲の下限値以上であることにより十分なリーク耐性が得られ、一方上限値以下であることにより残留電位の上昇がより効率的に抑制される。
金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子を用いるのが望ましく、特に酸化亜鉛は望ましく用いられる。
また、金属酸化物粒子は比表面積が10m/g以上のものが望ましく用いられる。比表面積値が10m/g以上であることにより、帯電性の低下が抑制され良好な電子写真特性が得られる。
尚、上記金属酸化物粒子の比表面積は、流動式比表面積測定装置フローソーブ(株式会社島津製作所製)を用い、ガス吸着BET一点法によって測定される。
また、金属酸化物粒子は、表面処理の異なるものや、粒子径の異なるものなどを2種以上混合して用いてもよい。
上記金属酸化物粒子の粒子径(長軸径)は、0.02μm以上1.0μm以下のものが好ましく用いられ、特に0.05μm以上0.3μm以下のものがより好ましい。
なお、上記金属酸化物粒子の粒子径は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などの顕微鏡観察によって測定される値である。
金属酸化物粒子は表面処理を施したものでもよい。表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤など、求められる特性が得られるものであれば公知の材料から選択される。特にシランカップリング剤が望ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤が望ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては求められる感光体特性を得られるものであればいかなる物を用いてもよいが、具体例としては3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用してもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法を使用してもよいが、乾式法または湿式法が好適に用いられる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒に溶解させたシランカップリング剤を滴下、あるいは、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。金属酸化物粒子にシランカップリング剤を添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けが行われる。焼き付けは求められる電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
湿式法としては、金属酸化物粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加、攪拌、あるいは分散させたのち、溶剤を除去することで処理される。溶剤除去方法としては、ろ過あるいは蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けが行われる。焼き付けは求められる電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物粒子から含有水分を除去してもよく、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、あるいは溶剤と共沸させて除去する方法が用いられる。
下引層104中の金属酸化物粒子に対するシランカップリング剤の量は求められる特性が得られる量であれば任意に設定してよい。
−アクセプター性化合物−
本実施形態においては、下引層104に更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有させることが好ましい。
また、金属酸化物粒子とアクセプター性化合物とを併用した場合、金属酸化物粒子の表面にアクセプター性化合物を付着させることで、上層の電荷を引き寄せる効果が増し、繰り返し使用時の残留電荷の蓄積を防止する性能が向上する。
尚、アクセプター性化合物としては、中空金属酸化物粒子と反応する基を有するものがより好ましく、特に水酸基を有する化合物が望ましく用いられる。さらに望ましくは、水酸基を有するアントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が用いられる。水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物としては、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物などが挙げられ、いずれも望ましく用いられる。さらに具体的にはアリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等、およびこれらからの誘導体が特に望ましく用いられる。
アントラキノン系化合物としては以下の一般式(I)で表される構造を有するものが望ましい。

一般式(I)中、R乃至Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、またはカルボキシル基を示す。
また、アクセプター性化合物としては、ペリレン系化合物も望ましく用いられる。残留電位蓄積防止の観点から、以下の一般式(II)で表される構造を有するペリレン系化合物が望ましく、特に下記式(2)または式(3)で表される構造を有するペリレン系化合物が望ましい。

一般式(II)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。

式(2)中、R、R10はそれぞれ独立して置換または未置換アルキレン基を示す。


式(3)中、R11、R12はそれぞれ独立してアルキレン基を示し、R13、R14はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換アルキル基、置換もしくは未置換アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。
本実施形態の下引層104におけるアクセプター性化合物の含有量は、求められる特性が得られる範囲であれば任意に設定してよいが、望ましくは金属酸化物粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは金属酸化物に対して0.05質量%以上10質量%以下の範囲で用いられる。
下引層形成用塗布液中のアクセプター性化合物を付与した金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は、求められる像保持体の特性が得られる範囲で任意に設定される。
−添加剤−
下引層には、種々の添加剤が用いられてもよい。
添加剤としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は酸化亜鉛の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いてもよい。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。
−塗布溶剤−
下引層形成用の塗布液を調整するための溶剤としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から選択される。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の一般的な有機溶剤が用いられる。
これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
−塗布液調整方法−
下引層形成用の塗布液は、前記塗布溶剤に溶解するものは、攪拌溶解や加熱溶解させることで調整される。また、金属酸化物のごとき前記塗布溶剤に不溶の物質は分散処理することにより調整される。例えば、金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が用いられる。
−下引層形成方法−
下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、リング塗布法、インクジェット塗布法、等の公知の方法が用いられる。
このようにして導電性支持体102上に下引層104が成膜される。
下引層104は、ビッカース強度が35以上とされていることが望ましい。
さらに、下引層104は、厚さが15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下とされていることがより望ましい。
下引層104の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)以上1/2λ以下に調整されることが望ましい。下引層104の表面粗さの調整のために下引層104中に樹脂等の粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層104を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
(中間層)
また、図示は省略するが、下引層と電荷発生層や電荷輸送層等の感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコンなどを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。中でも、ジルコニウムまたはシリコンを含有する有機金属化合物が好ましい。
中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。これらの溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いる。
中間層の厚さは、0.1μm以上3μm以下の範囲に設定することが好ましい。
(電荷発生層)
感光層103を構成する電荷発生層105は、電荷発生物質を真空蒸着により形成する方法や、有機溶剤および結着樹脂とともに分散して塗布する方法等により形成される。
分散塗布により電荷発生層105を形成する場合、電荷発生物質を有機溶剤および結着樹脂、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより電荷発生層105が形成される。
電荷発生層105に含まれる電荷発生物質としては公知のものが使用される。赤外光用ではフタロシアニン系顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した酸化亜鉛粒子等が用いられる。これらの中で、特に優れた性能が得られ、望ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料が挙げられる。
フタロシアニン系顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型を用いてもよい。特に望ましく用いられるフタロシアニン系顔料としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロススフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
フタロシアニン顔料結晶は、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造される。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系があげられる。
使用される溶剤は、顔料結晶に対して、1質量部以上200質量部以下が望ましく、更には10質量部以上100質量部以下の範囲がより望ましい。処理温度は、−20℃以上溶剤の沸点以下が望ましく、さらには−10℃以上60℃以下の範囲がより望ましい。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いてもよい。磨砕助剤は顔料に対し0.5倍以上20倍以下が望ましく、更には1倍以上10倍以下がより望ましい。
また、公知の方法で製造されるフタロシアニン系顔料結晶は、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述した乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御してもよい。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が望ましく、濃度70%以上100%以下が望ましく、更には95%以上100%以下のものがより望ましく使用される。また溶解温度は、−20℃以上100℃以下が望ましく、更には−10℃以上60℃以下の範囲に設定することがより望ましい。
濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の重量に対して、1倍以上100倍以下が望ましく、更には3倍以上50倍以下の範囲がより望ましい。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが望ましい。
なかでも望ましく用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、および28.3°に回折ピークを有するものである。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法において、原料として使用されるI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、公知の方法によって得られる。以下にその一例を示す。
先ず、o−フタロジニトリルまたは1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウムおよびエチレングリコールを溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)、等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが望ましい。
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを粒子化するとともにI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変換する。ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水または氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。前記アシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が望ましく、中でも濃度70%以上100%以下(特に望ましくは95%以上100%以下)の硫酸がより望ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、上記のアシッドペースティング処理によって得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を溶剤とともに湿式粉砕処理して結晶変換することによって得られるが、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法では、該湿式粉砕処理が、外径0.1mm以上3.0mm以下の球形状メディアを使用した粉砕装置が望ましく、外径0.2mm以上2.5mm以下の球形状メディアを用いることが特に望ましい。
メディアの材質は、いかなるものでも使用されるが、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノーなどが望ましく使用される。
容器の材質は、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイドなどが望ましく使用される。また、鉄、ステンレスなどの金属容器の内面にガラス、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイドなどをライニングしてもよい。
メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して50質量部以上が望ましく、更には55質量部以上100質量部以下がより望ましい。また、メディアの外径が小さくなるに従い、メディア使用量と溶剤使用量を制御することによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
また、該湿式粉砕処理の温度は、0℃以上100℃以下が望ましく、更には5℃以上80℃以下がより望ましく、10℃以上50℃以下が特に望ましい。
上記湿式粉砕処理に使用される溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンなどのケトン類の他に、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤の使用量はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して通常1質量部以上200質量部以下、望ましくは1質量部以上100質量部以下が選択される。
湿式粉砕処理に用いられる装置としては、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミルなどのメデイアを分散媒体として使用する装置が用いられる。
結晶変換の進行スピードは、湿式粉砕処理工程のスケール、攪拌スピード、メディア材質などによって大きく影響されるが、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルの600nm以上900nm以下の範囲における最大ピークが810nm以上839nm以下の範囲内に吸収を有するように、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターしながら、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに変換されるまで継続する。
一般的には、湿式粉砕処理の処理時間は5時間以上500時間以下の範囲、望ましくは7時間以上300時間以下の範囲で行われる。
電荷発生層105に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択される。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。望ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いられる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が望ましく用いられる。
電荷発生層形成用塗布液において、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1から1:10の範囲が望ましい。
塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択される。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が用いられる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法が用いられる。
さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下にすることが望ましく、更には0.3μm以下がより望ましく、0.15μm以下が特に望ましい。
さらに、電荷発生材料は表面処理を施してもよい。
表面処理剤としては加水分解性基を有する有機金属化合物またはシランカップリング剤が用いられる。加水分解性基を有する有機金属化合物またはシランカップリング剤としては、下記一般式(A)で表される化合物を用いることが望ましい。
−M−Y (A)
(式(A)中、Rは有機基を表し、Mはアルカリ金属以外の金属原子またはケイ素原子を表し、Yは加水分解性基を表し、pおよびqはそれぞれ1以上4以下の整数であり、pとqの和はMの原子価に相当する。)
一般式(A)中、Rで表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、トリル基等のアルカリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアリールアルキル基、スチリル基等のアリールアルケニル基、フリル基、チエニル基、ピロリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基等の複素環残基等が挙げられる。これらの有機基は1または2種以上の各種の置換基を有していてもよい。
一般式(A)中、Yで表される加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基等のエーテル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ベンジロキシカルボニル基等のエステル基、塩素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(A)中、Mはアルカリ金属以外であれば特に制限されるものではないが、望ましくはチタン原子、アルミニウム原子、ジルコニウム原子またはケイ素原子である。すなわち、本実施形態においては、上記の有機基や加水分解性の官能基を置換した有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、さらにはシランカップリング剤が望ましく用いられる。
シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等である。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランがより望ましい。
また、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等の有機ジルコニウム化合物を用いてもよい。
また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等の有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物も用いられる。
また、上記の有機金属化合物およびシランカップリング剤の加水分解生成物も使用される。この加水分解生成物としては、前記一般式で示される有機金属化合物のM(アルカリ金属以外の金属原子またはケイ素原子)に結合するY(加水分解性基)やR(有機基)に置換する加水分解性基が加水分解したものが挙げられる。なお。有機金属化合物およびシランカップリング剤が加水分解基を複数含有する場合は、必ずしも全ての官能基を加水分解する必要はなく部分的に加水分解された生成物であってもよい。また、これらの有機金属化合物およびシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
加水分解性基を有する有機金属化合物やシランカップリング剤(以下、単に「有機金属化合物」という)を用いてフタロシアニン顔料を被覆処理する方法としては、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で該フタロシアニン顔料を被覆処理する方法、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散の際に有機金属化合物を混合処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散後に有機金属化合物で更に分散処理する方法等が挙げられる。
より具体的には、顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法としては、有機金属化合物と結晶が整う前のフタロシアニン顔料とを混合した後加熱する方法、有機金属化合物を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し機械的に乾式粉砕する方法、有機金属化合物の水または有機溶剤中の混合液を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合する湿式粉砕処理方法等が挙げられる。
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法としては、有機金属化合物、水または水と有機溶剤との混合液、並びにフタロシアニン顔料を混合して加熱する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料に直接噴霧する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料と混合しミリングする方法等がある。
また、分散の際に混合処理する方法としては、分散溶剤に有機金属化合物、フタロシアニン顔料、結着樹脂を順次添加しながら混合する方法、これらの電荷発生層形成成分を共に添加し混合する方法等が挙げられる。
さらに、この電荷発生層形成用塗布液には種々の添加剤を添加してもよい。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。
シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。
電荷発生層105を設ける際に用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
また、塗布液にはレベリング剤としてシリコーンオイルを添加してもよい。
こうして得られる電荷発生層105の膜厚は、望ましくは0.05μm以上5μm以下、より望ましくは0.1μm以上2.0μm以下である。
(電荷輸送層)
電荷輸送層106としては、公知の技術によって形成されるものが使用される。電荷輸送層106は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送層106に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものを使用してもよいが、下記に示すものが例示される。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質。クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質、あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等があげられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合せて使用される。
なかでも、以下の式(B−1)乃至(B−3)で示される構造のものが望ましい。

構造式(B−1)中、RB1は水素原子またはメチル基を表し、n’は1または2を表す。また、ArB1およびArB2はそれぞれ独立して置換または未置換のアリール基を表し、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1乃至5のアルキル基、炭素数が1乃至5のアルコキシ基、または炭素数が1乃至3のアルキル基で置換された置換アミノ基を表す。

構造式(B−2)中、RB2、RB2’は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基を表わす。RB3、RB3’、RB4、RB4’は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、炭素数1乃至2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換または未置換のアリール基、あるいは、−C(RB5)=C(RB6)(RB7)を表わし、RB5、RB6、RB7は水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基を表す。またm’およびn”は0乃至2の整数である。

構造式(B−3)中、RB8は水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、置換あるいは未置換のアリール基、または、−CH=CH−CH=C(ArB3を表す。ArB3は、置換または未置換のアリール基を表す。RB9、RB10は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、炭素数1乃至2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換または未置換のアリール基を表す。
電荷輸送層106の結着樹脂は公知のものであればいかなるものを使用してよいが、電気絶縁性のフィルムが形成される樹脂が望ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂。シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリーN−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材等の有機光導電性ポリマー等があげられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、単独または2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が望ましく用いられる。
結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定される。
また、有機光導電性ポリマーを単独で用いてもよい。有機光導電性ポリマーとしては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、とくに望ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用されるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
また、電荷輸送層106が電子写真感光体101の最表面層である場合、潤滑性を付与させるために、粒子として潤滑性粒子(例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子)を含有させてもよい。これらの潤滑性粒子は2種以上を混合して用いてもよい。
特に、フッ素系樹脂粒子は望ましく用いられる。フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が望ましい。
前記フッ素系樹脂の一次粒径は0.05μm以上1μm以下が望ましく、更に望ましくは0.1μm以上0.5μm以下が望ましい。
フッ素系樹脂を含有する電荷輸送層106におけるフッ素系樹脂の電荷輸送層106中の含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1質量%以上40質量%以下が適当であり、特に1質量%以上30質量%以下が望ましい。
電荷輸送層106は、電荷輸送物質および結着樹脂、並びにその他の材料を適当な溶媒に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を塗布して乾燥することによって形成してもよい。
電荷輸送層106の形成に使用される溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等が用いられる。なお、電荷輸送物質と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が望ましい。
また、電荷輸送層形成用塗布液にはレベリング剤としてシリコーンオイルを添加してもよい。
電荷輸送層106中に潤滑性粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法が用いられる。
電荷輸送層106を形成する塗布液の分散例としては、溶媒に溶解した結着樹脂、電荷輸送材料などの溶液中に潤滑性粒子を分散する方法が挙げられる。
塗工液製造工程での塗工液の温度を0℃以上50℃以下に制御する方法として、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、製造工程の環境の温度を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗工液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗工液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗工液製造設備を作るなどの方法が利用される。
塗工液の混合方法として、スターラー、攪拌羽による攪拌、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、等の方法が利用される。分散方法として、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、ロールミル等の方法が利用される。
分散液に分散助剤を添加することも有効である。分散助剤として、界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
電荷輸送層106を設ける際に用いられる塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、スプレー塗布法、ロールコータ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビアコータ塗布法、ビード塗布法、カーテン塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法等が用いられる。
電荷輸送層106の厚さは、5μm以上50μm以下が望ましく、10μm以上40μm以下がより望ましい。
さらに、本実施形態の電子写真感光体101には、感光層103中に酸化防止剤、光安定剤などの添加剤を添加してもよい。
たとえば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物ではビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機硫黄系酸化防止剤としてジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果が得られる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。ベンゾトリアゾール系光安定剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物として2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート等がある。
また少なくとも1種の電子受容性物質を含有してもよい。
電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
(保護層)
保護層107は、結着樹脂(硬化性樹脂を含む)と電荷輸送性化合物を含んで構成されることが望ましい。さらに、潤滑性粒子(フィラー)を含んでもよい。保護層107の形態としては硬化性樹脂や電荷輸送性化合物を含む樹脂硬化膜、電荷輸送性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成された膜等がある。硬化性樹脂としては公知の樹脂が使用されるが、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
最表面層となる保護層107に含有させる潤滑性粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子が挙げられる。潤滑性粒子は2種以上を混合して用いてもよい。特に、フッ素系樹脂粒子が望ましく用いられる。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が望ましい。
前記潤滑性粒子の一次粒径は0.05μm以上1μm以下が望ましく、更に望ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
保護層107における潤滑性粒子の含有量は、保護層全量に対し、0.1質量%以上60質量%以下が適当であり、特に1質量%以上30質量%以下が望ましい。
保護層107は、電荷輸送物質および結着樹脂、並びにその他の材料を適当な溶媒に溶解させ、かつ潤滑性粒子を分散させた保護層形成用塗布液を塗布して乾燥することによって形成される。
保護層107の形成に使用される溶媒としては、保護層形成の際に下層を侵食しない溶剤であることが望ましく、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等が用いられる。
また、保護層形成用塗布液にはレベリング剤としてシリコーンオイルやフッ素系オイル等を添加してもよい。
また、保護層には、ハジキ防止剤や接着増強剤を添加してもよい。ハジキ防止剤としては求められる特性が得られる界面活性剤など公知の材料が用いられる。接着増強剤としては求められる特性が得られる界面活性剤やカップリング剤など公知の材料が用いられる。
保護層107中に潤滑性粒子を分散させる方法としては、前述の電荷輸送層106に潤滑性粒子を分散させる方法が用いられる。
また、分散助剤を添加することも有効である。分散助剤として、界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
前記保護層107の形成において、塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、リング塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法が用いられる。
保護層107の厚さは0.5μm以上20μm以下、特に2μm以上10μm以下であることが望ましい。
また、感光体の最表面層(本実施形態では保護層107)における検知光の透過率(特定透過率)は20%以上80%以下であることが望ましい。
使用する検知光の波長にもよるが、最表面層を構成する結着樹脂の種類、粒子その他の添加剤の種類や含有量、最表面層の厚み、表面粗さ等を調整することで、最表面層における上記特定透過率を調整すればよい。
なお、感光体の最表面層の特定透過率は、最表面層を形成する材料を用いて最表面層に相当する厚さを有する膜を形成して測定するか、あるいは、感光体における最表面層のみを溶剤によって溶かし、得られた溶液を用いて最表面層に相当する厚さを有する膜を形成して測定するか、最表面層のみを機械的に剥がして測定すればよい。
また、本実施形態に係る感光体は、電荷発生層105より上層の機能層(本実施形態では電荷輸送層106および保護層107)の膜厚は50μm以下が望ましく用いられる。
本実施形態の感光体の構成は、少なくとも導電性支持体102、下引層104および感光層103を有していればよく、図1に示す構成に限定されるものではない。
また、電荷発生層105と電荷輸送層106とは、その積層順序が逆であってもよい。また、感光層103が単層構造であってもよい。その場合、感光層103上に保護層107を備えるものであってもよく、下引層104と保護層107を共に有するものであってもよい。
次に、画像形成装置において、像保持体以外の構成について図2を例として説明する。
<画像形成装置およびプロセスカートリッジ>
次に、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。画像形成装置1000は、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体61と、電源65aから電力の供給を受けて、電子写真感光体61に接触しながら回転することで電子写真感光体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。ここで、電子写真感光体61が、前記した本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、この画像形成装置1000には、電子写真感光体61に向けてレーザ光を発し、電子写真感光体61の表面に、周囲より電位の高くなった静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部7、黒色トナーを含む静電潜像現像剤を用いて電子写真感光体61表面に形成された静電潜像にモノクロ(黒)のトナーを付着させることにより静電潜像を現像することでトナー画像を形成する現像手段である現像器64、トナー画像が形成された電子写真感光体61に搬送されてくる用紙を押し当てることで電子写真感光体61の表面に形成されているトナー画像を用紙上に転写する転写手段である転写ロール50、用紙上に転写されたトナー画像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着手段である定着器10を備えている。さらに、電子写真感光体61に接触し、トナー画像の転写後に電子写真感光体61表面に付着したまま残留した残留トナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング装置62、トナー画像の転写後に電子写真感光体61に残留した電荷を除去する除電ランプ7aも備えられている。
この画像形成装置1000では、上記の帯電部材65および電子写真感光体61は、いずれも図2に垂直な方向に延びたロール状であってこれらのロールの両端は、いずれも支持部材100aに、ロールが回転自在な態様で支持されている。また、この支持部材100aには、上記のクリーニング装置62および現像器64も接続されており、このように帯電部材65、電子写真感光体61、クリーニング装置62、および現像器64が支持部材100aに一体化されることで、プロセスカートリッジ100が構成されている。
画像形成装置1000にこのプロセスカートリッジ100が組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000に備えられることとなる。このプロセスカートリッジ100が、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジ100は、本実施形態に係る電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在とされていれば特に限定されるものではない。例えば、電子写真感光体を帯電する帯電装置、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像装置、前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写装置、および、転写後の前記電子写真感光体の残留トナーを除去するクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種を一体に有していてもよい。
以下、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写される用紙は、給紙手段1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると給紙手段1から搬送されて、転写ロール50においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この際の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
(帯電装置)
帯電部材65が電子写真感光体61を帯電させる際には、帯電部材65に電圧が印加される。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される電子写真感光体の帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が望ましく、100V以上1500V以下がより望ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400V以上1800V以下、望ましくは800V以上1600V以下、さらに望ましくは1200V以上1600V以下とされる。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下、望ましくは100Hz以上5,000Hz以下である。
帯電部材65としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが望ましく用いられる。帯電部材65は、電子写真感光体61に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも電子写真感光体61と同じ周速度で回転し、帯電装置として機能するが、帯電部材65に駆動手段を取り付け、電子写真感光体61とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
露光部7としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等を用いてもよい。
(現像装置)
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規または反転現像剤を用いた公知の現像装置等を用いてもよい。現像器64に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球状あるいは他の特定形状のものであってもよい。
(転写装置)
転写装置としては、転写ロール50等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
(クリーニング装置)
クリーニング装置62は、転写工程後の電子写真感光体61の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体61は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いてもよいが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
なお、本実施形態に係る電子写真感光体の表面層がフッ素含有樹脂粒子を含んでいれば、表面エネルギーが低いため、クリーニング装置62としてクリーニングブレードを用いても表面層の摩耗が起こりにくく、長期間にわたり安定した画像が形成される。
本実施形態に係る画像形成装置は除電ランプ7aが備えられているため、電子写真感光体61が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体61の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高められる。なお、本実施形態に係る画像形成装置においては必要に応じて除電ランプ7aを備えていればよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。
画像形成装置1000’はカラープリンタである。画像形成装置1000’には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する電子写真感光体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、電子写真感光体61K,61C、61M,61Yが、前記本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、各電子写真感光体61K,61C、61M,61Yの周囲には、各電子写真感光体に接触しながら回転することで電子写真感光体61K,61C、61M,61Yの表面を帯電する帯電部材65K,65C,65M,65Y、帯電した各電子写真感光体61K,61C、61M,61Y上にレーザ光の照射によりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色についての静電潜像を形成する露光部7K,7C,7M,7Y、各電子写真感光体上の静電潜像を各色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像して各色のトナー画像を形成する現像器64K,64C,64M,64Yが備えられている。
この画像形成装置1000’では、上記の各構成要素のうち、ブラック用の、帯電部材65K、電子写真感光体61K、クリーニング装置62K、および現像器64Kは、一体化されてプロセスカートリッジ100Kの構成要素となっており、同じく、シアン用の、帯電部材65C、電子写真感光体61C、クリーニング装置62C、現像器64Cの組、マゼンタ用の、帯電部材65M、電子写真感光体61M、クリーニング装置62M、現像器64Mの組、および、イエロー用の、帯電部材65Y、電子写真感光体61Y、クリーニング装置62Y、現像器64Yの組が、それぞれ一体化されてプロセスカートリッジ100C,100M,100Yの構成要素となっている。画像形成装置1000’にこれら4つのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000’に備えられることとなる。これらのプロセスカートリッジ100K,100C,100M,100Yそれぞれが、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
また、この画像形成装置1000’には、各電子写真感光体61K,61C、61M,61Y上で形成された各色のトナー画像の転写(1次転写)を受けて1次転写像を運搬する中間転写体である中間転写ベルト5、中間転写ベルト5への各色のトナー画像の1次転写が行われる1次転写ロール50K,50C,50M,50Y、用紙への2次転写が行われる2次転写ロール対9、用紙上の2次転写されたトナー画像の定着を行う定着装置である定着器10’、4つの現像器にそれぞれの色成分のトナーをそれぞれ補給する、4つのトナーカートリッジ4K,4C,4M,4Y、用紙を蓄える給紙手段1’も備えられている。
ここで、中間転写ベルト5は、駆動ロール5aから駆動力を受けながら2次転写ロール9bと駆動ロール5aとに張力を持って架け渡された状態で図の矢印A方向に循環移動する。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト5を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト5のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。
ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料およびこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
次に、この画像形成装置1000’における画像形成の動作について説明する。
4つの電子写真感光体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各電子写真感光体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
そして、この多色の1次転写像は、中間転写ベルト5により2次転写ロール対9まで運搬されていく。一方、多色の1次転写像の形成と呼応して、用紙が給紙手段1’から取り出されて搬送ロール3によって搬送され、さらに位置合わせロール対8によって位置を整えられる。そして、2次転写ロール対9によって、上述の多色の1次転写像が、搬送されてきた用紙に転写(2次転写)され、さらに定着器10’によって用紙上の2次転写像に定着処理が施される。定着処理後、定着像を有する用紙は、送出ロール対13を通過して、排紙受け2に排出される。
以上が、この画像形成装置1000’における画像形成の動作についての説明である。
以下、本実施形態を実施例によって具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
−下引層−
感光体用支持体としてΦ30の切削アルミニウムパイプを準備した。
次に、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製))13.5質量部と、ブチラール樹脂(エレックス BM−1 (積水化学社製))15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシム0.1質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製):4.0質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を前記アルミニウム支持体上に浸漬塗布方法にて乾燥後の膜厚が23μmとなるように塗布速度を調節して塗布し、170℃、40分間の乾燥によって硬化させ、厚さ23μmの下引層を得た。
−電荷発生層−
次に、下引層上に感光層を形成した。
まず、電荷発生物質としてのCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜および28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(E15/45M、Wacker社製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部とからなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部およびメチルイソブチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、120℃で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層−
次に、トルエン4.3質量部にフッ素系グラフトポリマーGF400(東亜合成株式会社製)を0.06質量部溶解させた液に、4フッ化エチレン樹脂粒子1.8質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
次に、電荷輸送物質としてN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン9.8質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)13.0質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合してテトラヒドロフラン48.3質量部およびトルエン18.2質量部を混合溶解し、B液を得た。
このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、シリコーンオイル(商品名:KP340 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、攪拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液の粒度分布をLA920(堀場製作所製)で測定したところ、0.3μm以上の粒子の含有割合が96%であった。
この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚が32μmの電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
−評価−
このようにして得られた感光体をドラムカートリッジに装着した富士ゼロックス社製カラープリンターDocu Centre Color f450改造機を用い、28℃/85%RH環境下にて、後述するように1万枚、10万枚および20万枚の連続プリントテストを行い、残留電位の評価および画質の評価を行った。
〔実施例2〕
−下引層−
感光体用支持体としてΦ30の切削アルミニウムパイプを準備した。
次に、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.00質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部と、4−エトキシ-1,2−ジヒドロキシアントラキノン2.5質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製))13.5質量部と、ブチラール樹脂(エレックス BM−1 (積水化学社製))15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシム0.25質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製):3.5質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を前記アルミニウム支持体上に浸漬塗布方法にて乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布速度を調節して塗布し、180℃、40分間の乾燥によって硬化させ、厚さ30μmの下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例3〕
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えて4−メチル−2−ペンタノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例4〕
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えてシクロヘキサノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例5〕
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えてアセトフェノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例6〕
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを0.28質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例7〕
−下引層−
金属酸化物として酸化亜鉛粒子に変えて酸化チタン粒子(JMT−150:テイカ株式会社製)を50質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例8〕
−下引層−
アクセプター性化合物としてアリザリンに変えてプルプリンを0.8質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔実施例9〕
−下引層−
アクセプター性化合物を用いない以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
〔比較例1〕
下引層にオキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを添加しない以外は、実施例1に記載の方法により感光体を得、実施例1に記載の評価を行った。
〔比較例2〕
下引層にオキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを添加しない以外は、実施例2に記載の方法により感光体を得、実施例に記載の評価を行った。

評価および測定の詳細は以下のとおりである。
<評価>
(残留電位の上昇分の測定)
上記1万枚の画像形成において感光体表面の残留電位を測定し、1枚目画像形成後の残留電位と、1万枚目および10万枚目それぞれの画像形成後の残留電位との差(1万枚画像形成後の残留電位−1枚目画像形成後の残留電位)および(10万枚画像形成後の残留電位−1枚目画像形成後の残留電位)をそれぞれ求め、残留電位の上昇分とした。
残留電位測定は、富士ゼロックス社製カラープリンターDocu Centre Color f450改造機に電位センサー(Model 555P−1(トレック社製)を帯電器よりも感光体回転上流側直前位置に感光体表面に向けて取り付け、表面電位計としてModel 334(トレック社製)を用いて測定を行った。
(プリント画質の評価)
28℃/85%RH環境下にて、A3用紙(富士ゼロックス製、C2紙)10万枚目に、白画像プリントとハーフトーンプリントを出力し、白プリントは微小黒点の発生状態を、ハーフトーンプリント画質は入力画像に対する出力画像の濃度割合(%)を評価した。

3…搬送ロール、4K,4C,4M,4Y…トナーカートリッジ、5a…駆動ロール、5…中間転写ベルト、7a…除電ランプ、7…露光部、7K,7C,7M,7Y…露光部、8…ロール対、9b…2次転写ロール、9…2次転写ロール対、10…定着器、13…送出ロール対、50,50K,50C,50M,50Y…1次転写ロール、61,61K,61C,61M,61Y…電子写真感光体、62,62K,62C,62M,62Y…クリーニング装置、64,64K,64C,64M,64Y…現像器
65,65K,65C,65M,65Y…帯電部材、65a…電源、100,100K,100C,100M,100Y…プロセスカートリッジ、100a…支持部材、101…電子写真感光体、102…導電性支持体、103…感光層、104…下引層、105…電荷発生層、106…電荷輸送層、107…保護層、1000…画像形成装置

Claims (7)

  1. 支持体と、
    オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、
    感光層と、
    をこの順に有する電子写真感光体。
  2. 前記オキシム化合物が、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体。


    〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕
  3. 前記下引層が更に金属酸化物粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記下引層が更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記アクセプター性化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子写真感光体。


    (一般式(I)中、R乃至Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、またはカルボキシル基を示す。)


    (一般式(II)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。)
  6. 支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    を備えた画像形成装置。
  7. 支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体を少なくとも備え、
    画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
JP2012209980A 2012-09-24 2012-09-24 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Pending JP2014066756A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012209980A JP2014066756A (ja) 2012-09-24 2012-09-24 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012209980A JP2014066756A (ja) 2012-09-24 2012-09-24 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014066756A true JP2014066756A (ja) 2014-04-17
JP2014066756A5 JP2014066756A5 (ja) 2015-07-30

Family

ID=50743256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012209980A Pending JP2014066756A (ja) 2012-09-24 2012-09-24 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014066756A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017211501A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 株式会社リコー 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
CN107797397A (zh) * 2016-09-05 2018-03-13 富士施乐株式会社 电子照相感光体、处理盒以及图像形成装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03209261A (ja) * 1990-01-11 1991-09-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JPH0777818A (ja) * 1993-09-09 1995-03-20 Canon Inc 電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置及びファクシミリ
JP2002311625A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2003084472A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004126069A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用感光体、電子写真用カートリッジおよび画像形成装置
JP2006221094A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009276470A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2011081073A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2012063719A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012063447A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2014191103A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03209261A (ja) * 1990-01-11 1991-09-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JPH0777818A (ja) * 1993-09-09 1995-03-20 Canon Inc 電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置及びファクシミリ
JP2002311625A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2003084472A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004126069A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用感光体、電子写真用カートリッジおよび画像形成装置
JP2006221094A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009276470A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2011081073A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2012063447A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2012063719A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2014191103A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017211501A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 株式会社リコー 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US10191398B2 (en) 2016-05-25 2019-01-29 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
CN107797397A (zh) * 2016-09-05 2018-03-13 富士施乐株式会社 电子照相感光体、处理盒以及图像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4635461B2 (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びその製造方法、感光層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置、並びに、画像形成方法
JP4456953B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006221094A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4456951B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4640042B2 (ja) 画像形成装置
JP2012063719A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007079493A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン混合顔料及びその製造方法、電子写真感光体、電子写真装置並びにプロセスカートリッジ
JP6155726B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5515895B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012189959A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ、並びに、中空金属酸化物粒子及びその製造方法
JP2004126069A (ja) 電子写真用感光体、電子写真用カートリッジおよび画像形成装置
JP2006267957A (ja) 電子写真感光体、複合体、複合体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4019809B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2014066756A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP5655490B2 (ja) 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、および電子写真カートリッジ
JP3823852B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4140393B2 (ja) 金属酸化物微粒子を含有する被処理液の分散処理方法、電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置並びにプロセスカートリッジ
JP4140473B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006184527A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP2006259155A (ja) 画像形成装置
JP4415812B2 (ja) 電子写真式画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2006259387A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4831134B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009058603A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP4591146B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160906