JP2014066756A - 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体102と、
〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕で表されるオキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層104と、感光層103と、をこの順に有する電子写真感光体101。
【選択図】図1
Description
電子写真方式による画像形成装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称す)としては、無機光導電材料を用いた無機感光体に比べ有機光導電材料を用いた有機感光体が主流を占める様になってきている。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とを積層させた機能分離型の有機感光体は、種々の提案が成され、実用化されている。
例えば、導電性支持体上に少なくとも下引層、感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、該下引層が少なくとも中空粒子、金属酸化物、および結着樹脂からなることを特徴とする電子写真感光体が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、絶縁性フィルム上に導電層が設けられ、該導電層上に高分子バインダー、絶縁性粒子および比重が0.8から0.9の範囲にある導電性粒子(例えば、表面が導電性物質で被覆された中空構造を有する無機粒子または有機ポリマー粒子)からなる誘電層が設けられた静電記録フィルムが開示されている(例えば特許文献2参照)。
請求項1の発明は、
支持体と、
オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、
感光層と、
をこの順に有する電子写真感光体である。
前記オキシム化合物が、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記下引層が更に金属酸化物粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体である。
前記下引層が更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電子写真感光体である。
前記アクセプター性化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子写真感光体である。
支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置である。
支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体を少なくとも備え、
画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係る電子写真感光体は、支持体と、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、感光層と、をこの順に有する。
尚、下引層においては、抵抗を制御する観点から金属酸化物粒子を添加することがある。しかし、前述の電荷の蓄積は(1)金属酸化物粒子内部に存在する捕捉部位、(2)金属酸化物粒子同士の界面で形成される捕捉部位、(3)金属酸化物粒子と樹脂との界面に存在する捕捉部位、(4)樹脂中に存在する捕捉部位等で発生するものと考えられる。つまり、下引層に金属酸化物粒子を含有する場合、感光体での残留電位の上昇がより顕著となる傾向にある。
この効果が奏されるメカニズムは、必ずしも明確ではないものの、前記オキシム化合物が下引層内の捕捉部位を減少させたり、あるいは下引層内の捕捉部位を埋める効果を有しており、捕捉部位の減少や捕捉部位が埋められることによって電荷が蓄積することが抑制され、その結果残留電位の上昇が抑制されるものと考えられる。
まず、導電性支持体について説明する。なお、「導電性」とは、例えば体積抵抗率が1013Ω・cm以下を意味する。
導電性支持体102としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケルークロム、ステンレス鋼、銅、インジウム等の金属を蒸着したものや酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの;上記基材に金属箔をラミネートしたもの又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、それを塗布することによって導電処理したもの等が用いられる。尚、導電性支持体102の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
本実施形態に用いられる導電性支持体102には表面処理を施してもよい。表面処理には鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等の公知の技術が用いられる。
下引層104は、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、また少なくとも結着樹脂を含有して形成されることが好ましい。
下引層104に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
オキシム化合物とは、「−C(=N−OH)−」の2価の基(以下単に「オキシム基」とも称する)を有する化合物を表す。
オキシム化合物としては、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
尚、上記Rc1が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、またはアリール基であり、且つRc2が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、またはアリール基であることが好ましい。
尚、特に上記アルキル基およびアリール基が置換基を有する場合における該置換基の置換位置としては、特に限定されるものではないが、前記Rc1およびRc2で表される基(アルキル基、アリール基)において、直鎖状または分岐鎖状の基の末端(オキシム基と結合する側と反対側の末端)に置換する態様が好ましい。但し、上記Rc1およびRc2で表される基においては、置換基を有していないものがより好ましい。
また前記Rc3で表される脂肪族環が置換基を有する場合、該置換基の置換位置としては特に限定されるものではない。
但し、上記脂肪族環においては、置換基を有していないものがより好ましい。
・メチルエチルケトオキシムと、酸化亜鉛と、アリザリンとの組合せ
・メチルエチルケトオキシムと、酸化亜鉛と、4−エトキシ−1,2−ジヒドロキシアントラキノンとの組合せ
本実施形態に望ましく用いられる金属酸化物粒子としては、102Ω・cm以上1011Ω・cm以下の粉体抵抗を有するものが好ましい。金属酸化物粒子の抵抗値が上記範囲の下限値以上であることにより十分なリーク耐性が得られ、一方上限値以下であることにより残留電位の上昇がより効率的に抑制される。
尚、上記金属酸化物粒子の比表面積は、流動式比表面積測定装置フローソーブ(株式会社島津製作所製)を用い、ガス吸着BET一点法によって測定される。
なお、上記金属酸化物粒子の粒子径は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などの顕微鏡観察によって測定される値である。
乾式法にて表面処理を施す場合には、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒に溶解させたシランカップリング剤を滴下、あるいは、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。金属酸化物粒子にシランカップリング剤を添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けが行われる。焼き付けは求められる電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物粒子から含有水分を除去してもよく、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、あるいは溶剤と共沸させて除去する方法が用いられる。
本実施形態においては、下引層104に更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有させることが好ましい。
アントラキノン系化合物としては以下の一般式(I)で表される構造を有するものが望ましい。
式(3)中、R11、R12はそれぞれ独立してアルキレン基を示し、R13、R14はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換アルキル基、置換もしくは未置換アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。
下引層には、種々の添加剤が用いられてもよい。
添加剤としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は酸化亜鉛の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いてもよい。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。
下引層形成用の塗布液を調整するための溶剤としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から選択される。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の一般的な有機溶剤が用いられる。
これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
下引層形成用の塗布液は、前記塗布溶剤に溶解するものは、攪拌溶解や加熱溶解させることで調整される。また、金属酸化物のごとき前記塗布溶剤に不溶の物質は分散処理することにより調整される。例えば、金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が用いられる。
下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、リング塗布法、インクジェット塗布法、等の公知の方法が用いられる。
このようにして導電性支持体102上に下引層104が成膜される。
さらに、下引層104は、厚さが15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下とされていることがより望ましい。
下引層104の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)以上1/2λ以下に調整されることが望ましい。下引層104の表面粗さの調整のために下引層104中に樹脂等の粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層104を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
また、図示は省略するが、下引層と電荷発生層や電荷輸送層等の感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコンなどを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。中でも、ジルコニウムまたはシリコンを含有する有機金属化合物が好ましい。
中間層を形成する塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いる。
中間層の厚さは、0.1μm以上3μm以下の範囲に設定することが好ましい。
感光層103を構成する電荷発生層105は、電荷発生物質を真空蒸着により形成する方法や、有機溶剤および結着樹脂とともに分散して塗布する方法等により形成される。
分散塗布により電荷発生層105を形成する場合、電荷発生物質を有機溶剤および結着樹脂、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより電荷発生層105が形成される。
使用される溶剤は、顔料結晶に対して、1質量部以上200質量部以下が望ましく、更には10質量部以上100質量部以下の範囲がより望ましい。処理温度は、−20℃以上溶剤の沸点以下が望ましく、さらには−10℃以上60℃以下の範囲がより望ましい。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いてもよい。磨砕助剤は顔料に対し0.5倍以上20倍以下が望ましく、更には1倍以上10倍以下がより望ましい。
濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の重量に対して、1倍以上100倍以下が望ましく、更には3倍以上50倍以下の範囲がより望ましい。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが望ましい。
メディアの材質は、いかなるものでも使用されるが、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノーなどが望ましく使用される。
メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して50質量部以上が望ましく、更には55質量部以上100質量部以下がより望ましい。また、メディアの外径が小さくなるに従い、メディア使用量と溶剤使用量を制御することによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
一般的には、湿式粉砕処理の処理時間は5時間以上500時間以下の範囲、望ましくは7時間以上300時間以下の範囲で行われる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
表面処理剤としては加水分解性基を有する有機金属化合物またはシランカップリング剤が用いられる。加水分解性基を有する有機金属化合物またはシランカップリング剤としては、下記一般式(A)で表される化合物を用いることが望ましい。
Rp−M−Yq (A)
(式(A)中、Rは有機基を表し、Mはアルカリ金属以外の金属原子またはケイ素原子を表し、Yは加水分解性基を表し、pおよびqはそれぞれ1以上4以下の整数であり、pとqの和はMの原子価に相当する。)
また、分散の際に混合処理する方法としては、分散溶剤に有機金属化合物、フタロシアニン顔料、結着樹脂を順次添加しながら混合する方法、これらの電荷発生層形成成分を共に添加し混合する方法等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。
また、塗布液にはレベリング剤としてシリコーンオイルを添加してもよい。
こうして得られる電荷発生層105の膜厚は、望ましくは0.05μm以上5μm以下、より望ましくは0.1μm以上2.0μm以下である。
電荷輸送層106としては、公知の技術によって形成されるものが使用される。電荷輸送層106は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送層106に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものを使用してもよいが、下記に示すものが例示される。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質。クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質、あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等があげられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合せて使用される。
なかでも、以下の式(B−1)乃至(B−3)で示される構造のものが望ましい。
前記フッ素系樹脂の一次粒径は0.05μm以上1μm以下が望ましく、更に望ましくは0.1μm以上0.5μm以下が望ましい。
フッ素系樹脂を含有する電荷輸送層106におけるフッ素系樹脂の電荷輸送層106中の含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1質量%以上40質量%以下が適当であり、特に1質量%以上30質量%以下が望ましい。
電荷輸送層106の形成に使用される溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等が用いられる。なお、電荷輸送物質と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層106中に潤滑性粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法が用いられる。
塗工液製造工程での塗工液の温度を0℃以上50℃以下に制御する方法として、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、製造工程の環境の温度を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗工液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗工液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗工液製造設備を作るなどの方法が利用される。
分散液に分散助剤を添加することも有効である。分散助剤として、界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
電荷輸送層106の厚さは、5μm以上50μm以下が望ましく、10μm以上40μm以下がより望ましい。
たとえば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果が得られる。
ベンゾフェノン系光安定剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。ベンゾトリアゾール系光安定剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
保護層107は、結着樹脂(硬化性樹脂を含む)と電荷輸送性化合物を含んで構成されることが望ましい。さらに、潤滑性粒子(フィラー)を含んでもよい。保護層107の形態としては硬化性樹脂や電荷輸送性化合物を含む樹脂硬化膜、電荷輸送性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成された膜等がある。硬化性樹脂としては公知の樹脂が使用されるが、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が望ましい。
保護層107における潤滑性粒子の含有量は、保護層全量に対し、0.1質量%以上60質量%以下が適当であり、特に1質量%以上30質量%以下が望ましい。
保護層107の形成に使用される溶媒としては、保護層形成の際に下層を侵食しない溶剤であることが望ましく、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等が用いられる。
また、保護層には、ハジキ防止剤や接着増強剤を添加してもよい。ハジキ防止剤としては求められる特性が得られる界面活性剤など公知の材料が用いられる。接着増強剤としては求められる特性が得られる界面活性剤やカップリング剤など公知の材料が用いられる。
また、分散助剤を添加することも有効である。分散助剤として、界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
保護層107の厚さは0.5μm以上20μm以下、特に2μm以上10μm以下であることが望ましい。
使用する検知光の波長にもよるが、最表面層を構成する結着樹脂の種類、粒子その他の添加剤の種類や含有量、最表面層の厚み、表面粗さ等を調整することで、最表面層における上記特定透過率を調整すればよい。
なお、感光体の最表面層の特定透過率は、最表面層を形成する材料を用いて最表面層に相当する厚さを有する膜を形成して測定するか、あるいは、感光体における最表面層のみを溶剤によって溶かし、得られた溶液を用いて最表面層に相当する厚さを有する膜を形成して測定するか、最表面層のみを機械的に剥がして測定すればよい。
また、電荷発生層105と電荷輸送層106とは、その積層順序が逆であってもよい。また、感光層103が単層構造であってもよい。その場合、感光層103上に保護層107を備えるものであってもよく、下引層104と保護層107を共に有するものであってもよい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。画像形成装置1000は、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体61と、電源65aから電力の供給を受けて、電子写真感光体61に接触しながら回転することで電子写真感光体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。ここで、電子写真感光体61が、前記した本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
画像形成装置1000にこのプロセスカートリッジ100が組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000に備えられることとなる。このプロセスカートリッジ100が、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写される用紙は、給紙手段1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると給紙手段1から搬送されて、転写ロール50においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この際の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
帯電部材65が電子写真感光体61を帯電させる際には、帯電部材65に電圧が印加される。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される電子写真感光体の帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が望ましく、100V以上1500V以下がより望ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400V以上1800V以下、望ましくは800V以上1600V以下、さらに望ましくは1200V以上1600V以下とされる。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下、望ましくは100Hz以上5,000Hz以下である。
露光部7としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等を用いてもよい。
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規または反転現像剤を用いた公知の現像装置等を用いてもよい。現像器64に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球状あるいは他の特定形状のものであってもよい。
転写装置としては、転写ロール50等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置62は、転写工程後の電子写真感光体61の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体61は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いてもよいが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置は除電ランプ7aが備えられているため、電子写真感光体61が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体61の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高められる。なお、本実施形態に係る画像形成装置においては必要に応じて除電ランプ7aを備えていればよい。
画像形成装置1000’はカラープリンタである。画像形成装置1000’には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する電子写真感光体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、電子写真感光体61K,61C、61M,61Yが、前記本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト5を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト5のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。
ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料およびこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
4つの電子写真感光体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各電子写真感光体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
以上が、この画像形成装置1000’における画像形成の動作についての説明である。
−下引層−
感光体用支持体としてΦ30の切削アルミニウムパイプを準備した。
次に、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製))13.5質量部と、ブチラール樹脂(エレックス BM−1 (積水化学社製))15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシム0.1質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製):4.0質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を前記アルミニウム支持体上に浸漬塗布方法にて乾燥後の膜厚が23μmとなるように塗布速度を調節して塗布し、170℃、40分間の乾燥によって硬化させ、厚さ23μmの下引層を得た。
次に、下引層上に感光層を形成した。
まず、電荷発生物質としてのCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜および28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(E15/45M、Wacker社製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部とからなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部およびメチルイソブチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、120℃で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、トルエン4.3質量部にフッ素系グラフトポリマーGF400(東亜合成株式会社製)を0.06質量部溶解させた液に、4フッ化エチレン樹脂粒子1.8質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
次に、電荷輸送物質としてN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン9.8質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)13.0質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合してテトラヒドロフラン48.3質量部およびトルエン18.2質量部を混合溶解し、B液を得た。
このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、シリコーンオイル(商品名:KP340 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、攪拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液の粒度分布をLA920(堀場製作所製)で測定したところ、0.3μm以上の粒子の含有割合が96%であった。
この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚が32μmの電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
このようにして得られた感光体をドラムカートリッジに装着した富士ゼロックス社製カラープリンターDocu Centre Color f450改造機を用い、28℃/85%RH環境下にて、後述するように1万枚、10万枚および20万枚の連続プリントテストを行い、残留電位の評価および画質の評価を行った。
−下引層−
感光体用支持体としてΦ30の切削アルミニウムパイプを準備した。
次に、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.00質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部と、4−エトキシ-1,2−ジヒドロキシアントラキノン2.5質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製))13.5質量部と、ブチラール樹脂(エレックス BM−1 (積水化学社製))15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシム0.25質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製):3.5質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を前記アルミニウム支持体上に浸漬塗布方法にて乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布速度を調節して塗布し、180℃、40分間の乾燥によって硬化させ、厚さ30μmの下引層を得た。
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えて4−メチル−2−ペンタノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えてシクロヘキサノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムに変えてアセトフェノンオキシムを用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
オキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを0.28質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
金属酸化物として酸化亜鉛粒子に変えて酸化チタン粒子(JMT−150:テイカ株式会社製)を50質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
アクセプター性化合物としてアリザリンに変えてプルプリンを0.8質量部用いた以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
−下引層−
アクセプター性化合物を用いない以外は実施例1と同様にして下引層を得た。
−電荷発生層、電荷輸送層−
得られた下引層上に、前記実施例1に記載の方法により電荷発生層、電荷輸送層を形成し、目的の感光体を得た。
こうして得られた感光体について実施例1に記載の方法により評価を行った。
下引層にオキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを添加しない以外は、実施例1に記載の方法により感光体を得、実施例1に記載の評価を行った。
下引層にオキシム化合物としてメチルエチルケトオキシムを添加しない以外は、実施例2に記載の方法により感光体を得、実施例に記載の評価を行った。
<評価>
(残留電位の上昇分の測定)
上記1万枚の画像形成において感光体表面の残留電位を測定し、1枚目画像形成後の残留電位と、1万枚目および10万枚目それぞれの画像形成後の残留電位との差(1万枚画像形成後の残留電位−1枚目画像形成後の残留電位)および(10万枚画像形成後の残留電位−1枚目画像形成後の残留電位)をそれぞれ求め、残留電位の上昇分とした。
残留電位測定は、富士ゼロックス社製カラープリンターDocu Centre Color f450改造機に電位センサー(Model 555P−1(トレック社製)を帯電器よりも感光体回転上流側直前位置に感光体表面に向けて取り付け、表面電位計としてModel 334(トレック社製)を用いて測定を行った。
28℃/85%RH環境下にて、A3用紙(富士ゼロックス製、C2紙)10万枚目に、白画像プリントとハーフトーンプリントを出力し、白プリントは微小黒点の発生状態を、ハーフトーンプリント画質は入力画像に対する出力画像の濃度割合(%)を評価した。
65,65K,65C,65M,65Y…帯電部材、65a…電源、100,100K,100C,100M,100Y…プロセスカートリッジ、100a…支持部材、101…電子写真感光体、102…導電性支持体、103…感光層、104…下引層、105…電荷発生層、106…電荷輸送層、107…保護層、1000…画像形成装置
Claims (7)
- 支持体と、
オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層と、
感光層と、
をこの順に有する電子写真感光体。 - 前記オキシム化合物が、下記一般式(C−1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体。
〔上記一般式(C−1)中、Rc1は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rc1とRc2とは環を形成していてもよい。〕 - 前記下引層が更に金属酸化物粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引層が更にアントラキノン骨格またはペリレン骨格を有するアクセプター性化合物を含有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記アクセプター性化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(I)中、R1乃至R8はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、またはカルボキシル基を示す。)
(一般式(II)中、RaおよびRbはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。) - 支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置。 - 支持体、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する下引層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体を少なくとも備え、
画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
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